JP2010186117A - 電気光学装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に残渣を発生させることなく、薄型化された電気光学装置を得る。
【解決手段】基板11表面をエッチングするエッチング手段41と、前記表面を水洗する第1の洗浄手段42と、前記表面を有機溶剤で洗浄する第2の洗浄手段43と、前記有機溶剤を乾燥除去する乾燥手段45と、を備え、基板11のエッチング処理と水洗処理と有機溶剤による洗浄処理と乾燥処理とを連続的に実施可能であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【選択図】図4
【解決手段】基板11表面をエッチングするエッチング手段41と、前記表面を水洗する第1の洗浄手段42と、前記表面を有機溶剤で洗浄する第2の洗浄手段43と、前記有機溶剤を乾燥除去する乾燥手段45と、を備え、基板11のエッチング処理と水洗処理と有機溶剤による洗浄処理と乾燥処理とを連続的に実施可能であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法及び製造装置に関する。
電気光学装置の一分野である有機EL装置等のFPD(フラットパネルディスプレイ)は、電子機器の表示部等に採用が進んでいる。そして、特に携帯用の電子機器の表示部に用いる場合においては薄型化が求められている。そのため、ディスプレイとして完成した後に基板をエッチングして薄型化する手法が提案されている(特許文献1)。
しかし、かかるエッチングを実施した場合、エッチング後の基板表面に残渣が発生して次工程のプロセス及び表示品質等に影響を与える可能性がある。基板が薄型化されているため、かかる残渣を拭き取ることはFPDを破壊する可能性があり、歩留りの低下につながるという問題がある。また、水は揮発性が低いため、エアシャワーによる乾燥では高い風圧が必要である。その結果、薄型化により強度が低下している有機EL装置が変形を起こす可能性がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる電気光学装置の製造方法は、一対の基板を、電気光学素子を挟持するように貼り合わせる第1の工程と、該一対の基板の少なくとも一方を、前記電気光学素子と対向する側の反対側の面からエッチングして薄くする第2の工程と、前記反対側の面を水洗する第3の工程と、前記反対側の面を有機溶剤で洗浄する第4の工程と、前記有機溶剤を乾燥させる第5の工程と、をこの記載順に実施することを特徴とする。
このような製造方法によれば、基板表面に残渣を発生させることなく基板の厚さを低減できる。したがって、歩留りを低下させることなく薄型化されたFPDを得ることができる。
[適用例2]上述の電気光学装置の製造方法であって、前記第4の工程は前記反対側の面に有機溶剤を供給した後、前記一対の基板を回転させて全域に行き渡らせるスピン洗浄工程であり、前記第5の工程は前記一対の基板を高速で回転させて前記有機溶剤を乾燥除去するスピン乾燥工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
このような製造方法によれば、基板表面に残留する水分を有機溶剤に置換した後、該有機溶剤を急速に除去できる。したがって、より一層確実に基板表面に残渣を発生させることなく基板の厚さを低減できる。
[適用例3]上述の電気光学装置の製造方法であって、前記第5の工程は送風乾燥工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
このような製造方法によれば、有機溶剤で洗浄された後の基板の移動を抑制しつつ、該有機溶剤を乾燥除去できる。したがって、歩留りの低下をより一層抑制しつつ薄型化されたFPDを得ることができる。
[適用例4]本適用例にかかる電気光学装置の製造装置は、基板表面をエッチングするエッチング手段と、前記表面を水洗する第1の洗浄手段と、前記表面を有機溶剤で洗浄する第2の洗浄手段と、前記有機溶剤を乾燥除去する乾燥手段と、を備え、基板のエッチング処理と水洗処理と有機溶剤による洗浄処理と乾燥処理とを連続的に実施可能であることを特徴とする。
このような製造装置によれば、エッチングされた後の該表面を純水洗浄した後、該基板表面に残留する水分(純水)を有機溶剤に置換し、かつ該有機溶剤を乾燥除去できる。したがってかかる製造装置であれば、基板表面に残留する水分の乾燥に起因する残渣の発生を抑制しつつ基板をエッチングでき、薄型化されたFPDを、歩留りを低下させることなく得ることができる。
[適用例5]上述の電気光学装置の製造装置であって、前記乾燥手段は前記基板を保持しつつ回転させるスピン手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
このような製造装置によれば、基板表面に残留する水分を有機溶剤に置換した後、該有機溶剤を急速に除去できる。したがって、より一層確実に基板表面に残渣を発生させることなく基板の厚さを低減できる。
[適用例6]上述の電気光学装置の製造装置であって、前記スピン手段は前記基板を紫外線の照射によって粘着力が低下する接着シートで保持可能なスピンナーテーブルと、紫外線照射手段と、を備えるスピン手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
このような製造装置によれば、スピン中における基板の保持と、スピン後における基板の着脱と、の双方を確実に行うことができる。したがって、歩留りの低下をより一層抑制しつつ薄型化されたFPDを得ることができる。
[適用例7]上述の電気光学装置の製造装置であって、前記乾燥手段は基板表面に気体を吹き付けて該表面を乾燥させる送風乾燥手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
このような製造装置によれば、有機溶剤で洗浄された後の基板の移動を抑制しつつ、該有機溶剤を乾燥除去できる。したがって、歩留りの低下をより一層抑制しつつ薄型化された電気光学装置を得ることができる。
以下、図面を参照し、本願発明の対象である電気光学装置としての有機EL装置及び該有機EL装置を薄型化する工程の概要について説明し、続けて、各実施形態にかかる有機EL装置の製造方法と有機EL装置の製造装置について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
図1は、各実施形態の対象となるトップエミッション型の有機EL装置1の素子部分を示す模式断面図である。有機EL装置1は、電気光学素子としての有機EL素子29及び該有機EL素子の駆動用のTFT(薄膜トランジスター)112等が形成された素子基板10と、カラーフィルター層60が形成された対向基板11とを、接着層78を介して貼り合わせて形成されている。なお、有機EL装置1の素子基板10の上には上記要素以外に保持容量等の他の要素も形成されているが、本図では図示を省略している。素子基板10と対向基板11は、双方とも厚さ略0.5mmのガラス基板である。
TFT112は、半導体層31と、ゲート電極33、及び、半導体層31とゲート電極33との間に形成されたゲート絶縁層70等からなる。半導体層31のうちゲート電極33と重なる領域がチャネル領域38であり、該チャネル領域の両側にソース領域35とドレイン領域36とが形成されている。
TFT112上層には、窒化シリコン等からなる層間絶縁層71が形成されている。ソース領域35は、層間絶縁層71を局所的にエッチングして形成されたコンタクトホール(符号無し)を介してソース電極53と電気的に接続されており、同様にドレイン領域36は層間絶縁層71を局所的にエッチングして形成されたコンタクトホール(符号無し)を介してドレイン電極54と電気的に接続されている。
ソース電極53とドレイン電極54との上層には、窒化シリコンからなる第1の保護層73と第1の絶縁材料層としての平坦化層72と第2の保護層74とが順に積層されている。そして、平坦化層72の上層における所定の領域には、有機EL素子29の発光を上層方向に反射する反射層28が形成されている。反射層28の形成領域を含む平坦化層72の上面には、該反射層を覆うように画素電極25が、TFT112毎に形成されている。かかる画素電極25は、コンタクトホール51を介してドレイン電極54と導通している。そして隣り合う画素電極25間は、隔壁77で区画されている。隔壁77が形成されていない領域、すなわち画素電極25が露出する領域が、光が射出される領域であり、将来的に有機EL素子29が形成される領域である。
隔壁77の上層、及び該隔壁のパターニングにより露出した画素電極25の上層には、発光機能層26が形成されている。発光機能層26は、素子基板10側から順に正孔注入層と正孔輸送層と白色光を発光する有機EL層と電子輸送層と電子注入層との計5層が積層されて形成されている。発光機能層26の上面には、半透過反射性を有する陰極27が形成されている。隔壁77で囲まれた領域内における画素電極25と発光機能層26と陰極27の積層体が有機EL素子29である。そして、陰極27の上層には水分や酸素に弱い陰極27や発光機能層26を大気から遮断して保護するために、封止層79が形成されている。
なお素子基板上に形成された、上述のゲート絶縁層70から封止層79までの、有機EL素子29及びTFT112等を含む各要素をまとめて、以下、素子層64と称する。
なお素子基板上に形成された、上述のゲート絶縁層70から封止層79までの、有機EL素子29及びTFT112等を含む各要素をまとめて、以下、素子層64と称する。
カラーフィルター層60は、カラーフィルター61とカラーフィルター61間に形成されたブラックマトリクス62とからなる。カラーフィルターは三原色である赤、緑、青、のいずれかの色に着色された透明性を有する樹脂層である。符号に附加されたR,G,Bは、それぞれの色を示している。各々の有機EL素子29の発光機能層26内で生じた光は直接上層に向かうか、あるいは反射層28で反射されて上層へ向かう。そして、カラーフィルター61により三原色のいずれかの色の光とされて、矢印に示すように対向基板11側から射出される。
図2は、本実施形態の製造方法(及び製造装置)により、有機EL装置1を構成する一対の基板をエッチングする工程の概要を示す図である。以下、工程順に説明する。
図2(a)は、貼り合わせる前の素子基板10と対向基板11とを示す図である。素子基板10上の外周部を除く領域には素子層64が形成されており、外周部にはシール材65が形成されている。そして、かかるシール材65からなる枠内には接着層78が供給されている。また、対向基板11上の外周部を除く領域にはカラーフィルター層60が形成されている。
図2(b)は、素子基板10と対向基板11との一対の基板を接着層78により貼り合わせて、有機EL装置1とした状態を示す図である。かかる工程が第1の工程である。上述したように上記一対の基板の厚さは双方とも略0.5mmであるため、貼り合わせた時点の有機EL装置1の厚さは1.0mmを超えている。かかる(0.5mmという)基板の厚さは、素子層64及びカラーフィルター層60の形成時等において、基板に生じる応力により該基板が損傷を受ける可能性を低減するために必要なものである。
完成後の有機EL装置はかかる厚さの基板(素子基板10と対向基板11)を必要とはせず、装置の薄型化の上では不要なものである。そこで、本実施形態にかかる製造方法では、上記双方の基板の外側の面(接着層78に対向する面の反対側の面)を全面的にエッチングすることで、有機EL装置を薄型化している。なお、以下の記載においては、貼り合わせ直後の有機EL装置と薄型化された有機EL装置の双方を有機EL装置1と称している。
図2(c)は、有機EL装置1の外側の面をエッチングするエッチング工程の態様を示す図である。フッ酸を含むエッチング液81により上述の面をエッチングして厚さを低減する。エッチング後の有機EL装置1の厚さは、50μm乃至100μmが好ましい。したがって、双方の面が夫々略450μmエッチングされるようにエッチング時間を管理する。
図2(d)は、薄型化された有機EL装置1を示す図である。薄型化により柔軟性も増して、軽量かつフレキシブルな有機EL装置が実現できる。その結果、該有機EL装置を備える電子機器としての携帯電話機やPCモニター等を小型軽量化できると共に、デザインに曲面を取り入れることが可能になる。
かかるエッチング工程においては、エッチング後に水洗が必要となる。本実施形態にかかる製造方法(及び製造装置)は、かかる水洗後の残渣の発生を抑制するために、基板表面に残留する水分を有機溶剤に一旦、置換した後、該有機溶剤を除去している。
かかるエッチング工程においては、エッチング後に水洗が必要となる。本実施形態にかかる製造方法(及び製造装置)は、かかる水洗後の残渣の発生を抑制するために、基板表面に残留する水分を有機溶剤に一旦、置換した後、該有機溶剤を除去している。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示すプロセス図である。まず、上述の第1の工程により一対の基板が貼り合わされて形成された有機EL装置は、フッ酸又はフッ酸を含むエッチング液によって表面がエッチングされ、薄型化される(ステップST1)。かかる工程が第2の工程である。エッチングされた後の有機EL装置1は純水により洗浄され、表面からエッチング液が除去される(ステップST2)。かかる工程が第3の工程である。
図3は、第1の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示すプロセス図である。まず、上述の第1の工程により一対の基板が貼り合わされて形成された有機EL装置は、フッ酸又はフッ酸を含むエッチング液によって表面がエッチングされ、薄型化される(ステップST1)。かかる工程が第2の工程である。エッチングされた後の有機EL装置1は純水により洗浄され、表面からエッチング液が除去される(ステップST2)。かかる工程が第3の工程である。
水洗された有機EL装置1は、移載装置によりスピン処理を行うためのスピン装置に移載される(ステップST3)。ここで、有機EL装置1はスピン装置の後述するスピンテーブル57(図6参照)上に素子基板10が下側となるように載置され、後述する接着シート59(図6参照)で固定される。なお、本ステップで用いる接着シートは、紫外線の照射により接着力が減少する性質を有するものである。上述したように有機EL装置1は対向基板11側から光を射出するため、反対側となる面、すなわち素子基板10側は若干の残渣は許容される。そのため本ステップでは、対向基板11側が後述する有機溶剤による洗浄が完全に行われるように、素子基板10が下側となるように載置する。
移載され、上述のスピンテーブル57上に固定された有機EL装置1は、表面が有機溶剤により洗浄される(ステップST4)。かかる工程が第4の工程である。有機溶剤としてはエタノールやイソプロピルアルコール等が好ましい。その他メタノール等の親水性有機溶剤を用いることができる。親水性有機溶剤を用いて洗浄すると、ステップST2の水洗工程により対向基板11の表面に残留していた水分が有機溶剤に置換される。そして、水分を含む有機溶剤が流動することで、対向基板11の表面から水分が完全に除去される。
有機溶剤により洗浄され、対向基板11の表面から少なくとも水分が除去された有機EL装置1は、急速で回転させて表面から液体を除去する、いわゆるスピン乾燥処理が施される(ステップST5)。かかる処理により、洗浄に用いられた、有機溶剤が対向基板11の表面から急速に除去される。かかる工程が第5の工程である。本ステップの前の段階で対向基板11の表面に残留している有機溶剤中には水分が含まれていないため、かかる急速な乾燥によっても対向基板11の表面には水分(の乾燥)に起因する残渣は発生しない。
有機EL装置1の乾燥処理が終了した後、該有機EL装置を固定している接着シートに紫外線を照射して接着力を低減させる(ステップST6)。かかる処理により、エッチングにより50μm乃至100μmの厚さまで薄型化された有機EL装置1を、破損等を生じさせることなくスピン装置から取り外すことができる。
本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法は、以上のステップを連続的に実施することで、少なくとも光が射出される側の表面に残渣を発生させることなく有機EL装置をエッチングして薄型化できる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態として、上述の第1の実施形態で用いる有機EL装置の製造装置について述べる。図4は、第2の実施形態にかかる有機EL装置の製造装置の概略を示す図である。
次に第2の実施形態として、上述の第1の実施形態で用いる有機EL装置の製造装置について述べる。図4は、第2の実施形態にかかる有機EL装置の製造装置の概略を示す図である。
図示するように、本実施形態にかかる製造装置は、エッチング手段としてのエッチング槽41と、第1の洗浄手段としての水洗槽42と、移載装置46と、第2の洗浄手段を兼ねる乾燥手段としてのスピン装置45と、を備えている。かかる一群の手段により、保持具20に収納された有機EL装置1をエッチングして薄型化した後、少なくとも光が射出される側の表面に残渣を発生させることなく洗浄できる。
エッチング槽41は、図示しないポンプ等により該槽内の有機EL装置を保持する保持具20内に収納された有機EL装置1に(フッ酸を含む)エッチング液81を供給できる。かかるエッチング液により有機EL装置を構成する一対のガラス基板(素子基板10と対向基板11)がエッチングされる。
水洗槽42は、図示しない搬送系によりエッチング槽41から移送されてきた保持具20内に収納された有機EL装置1に、図示しないポンプ等により洗浄水82を供給して表面のエッチング液81を洗い流してエッチングを完全に停止させることができる。洗浄水82は純水が好ましい。
移載装置46は伸縮可能なアームを備えており、保持具20からエッチングにより薄型化された有機EL装置1を取り出して、スピン装置45上に移載できる。スピン装置45は第2の洗浄手段を兼ねており、図示しないポンプ等により載置された有機EL装置1の(対向基板11側の)表面に有機溶剤83を連続的に供給できる。そして、該表面に残留している水分を有機溶剤83で置換して該表面から除去できる。
以上述べたように、本実施形態の有機EL装置の製造装置は、有機EL装置を構成する一対のガラス基板をエッチングした後、エッチング液を洗浄して除去し、さらに洗浄水を有機溶剤に置換して除去する工程を連続的に実施できる。上述の残渣は水洗後に洗浄水が有機EL装置の表面の一箇所に凝集しつつ乾燥するために発生する。有機溶剤は乾燥速度が速いため、有機EL装置の表面の一箇所に凝集することなく急速に消滅する。したがって、本実施形態の有機EL装置の製造装置によれば表面に残渣を発生させることなく上述の一対の基板をエッチングでき、表示品質に影響を及ぼすことなく有機EL装置を薄型化できる。
図5は、上述のエッチング処理時等に用いられる、有機EL装置を保持する保持具20を示す図である。保持具20は、立体的に組み合わされた剛性を有する枠状部材21と四隅に取り付けられたパッド状の弾性部材22とを有している。保持具20は、弾性部材22により、有機EL装置1を該有機EL装置の端面のみを押さえつけて、該有機EL装置を構成する一対のガラス基板の表面が完全に露出させた状態で保持できる。したがって、上述の表面の全域を均一にエッチングでき、有機EL装置1の厚さを上述の四隅を含めて完全に薄くできる。また、枠状部材21は剛性を有するため、フック等で吊り下げて各槽間を移動させることを容易に行える。
図6は、スピン装置45の概要を示す斜視図である。スピン装置45は、基台56と、有機EL装置1を載置可能であり、図示しないモーターにより駆動されるスピンテーブル57と、紫外線照射部58等を備えている。スピンテーブル57は透明材料からなり、紫外線の照射を受けると接着力が殆んど失われる性質を有する接着シート59を用いて、載置された有機EL装置1を固定できる。紫外線照射部58は、スピンテーブル57を介して接着シート59に紫外線を照射して、上述したように接着シート59の接着力を殆んど消滅できる。したがってかかる照射により、薄型化され強度が低下した有機EL装置1を損傷させることなくスピンテーブル57から外して次工程へ移送できる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法について述べる。図7は、本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示すプロセス図である。本実施形態の製造方法は、第1の実施形態の製造方法と水洗工程(ステップST2)までは共通している。そこで、水洗工程の次の工程である有機溶剤洗浄工程(すなわち第4の工程)から述べる。
次に第3の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法について述べる。図7は、本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示すプロセス図である。本実施形態の製造方法は、第1の実施形態の製造方法と水洗工程(ステップST2)までは共通している。そこで、水洗工程の次の工程である有機溶剤洗浄工程(すなわち第4の工程)から述べる。
水洗された有機EL装置1は、スピン装置ではなく水洗槽と隣り合う第2の洗浄手段としての溶剤洗浄槽43(図8参照)内で、有機溶剤により洗浄される(ステップST3)。かかる洗浄により、有機EL装置1の表面に残留していた水分が有機溶剤に置換されて除去される。有機溶剤としてエタノール等が用いられる点は上述の第1の実施形態と同一である。
表面の水分が除去された有機EL装置1は溶剤洗浄槽43と隣り合う乾燥手段としての送風乾燥槽44(図8参照)内で、気体が吹き付けられることにより表面に残留する有機溶剤が急速に除去される(ステップST4)。上述の残留していた有機溶剤中からは水分が除去されているため、有機溶剤が乾燥除去された後の有機EL装置1の表面には水分(の乾燥)に起因する残渣は発生しない。
本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法は、以上のステップを連続的に実施することで、表面に水分の乾燥に起因する残渣を発生させることなく有機EL装置をエッチングして薄型化できる。
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態として、上述の第3の実施形態で用いる有機EL装置の製造装置について述べる。図8は、第4の実施形態にかかる有機EL装置の製造装置の概略を示す図である。
次に第4の実施形態として、上述の第3の実施形態で用いる有機EL装置の製造装置について述べる。図8は、第4の実施形態にかかる有機EL装置の製造装置の概略を示す図である。
図示するように、本実施形態にかかる製造装置は、エッチング手段としてのエッチング槽41と、第1の洗浄手段としての水洗槽42と、第2の洗浄手段としての溶剤洗浄槽43と、乾燥手段としての送風乾燥槽44と、を備えている。かかる一群の手段により、保持具20に収納された有機EL装置1をエッチングして薄型化した後、表面に残渣を発生させることなく洗浄できる。
エッチング槽41は、図示しないポンプ等により、該槽内の有機EL装置を保持する保持具20内に収納された有機EL装置1に(フッ酸を含む)エッチング液81を供給できる。かかるエッチング液により有機EL装置を構成する一対のガラス基板(素子基板10と対向基板11)がエッチングされる。
水洗槽42は、図示しない搬送系によりエッチング槽41から移送されてきた保持具20内に収納された有機EL装置1に、図示しないポンプ等により洗浄水82を供給して表面のエッチング液81を洗い流してエッチングを完全に停止させることができる。洗浄水82は純水が好ましい。
溶剤洗浄槽43は、図示しない搬送系により水洗槽42から移送されてきた保持具20内に収納された有機EL装置1に、図示しないポンプ等により有機溶剤83を供給して該有機EL装置の表面に残る洗浄水82を有機溶剤83に置換できる。すなわち、有機EL装置1の表面から洗浄水82を除去できる。有機溶剤83としては上述したようにエタノール等が好ましい。
送風乾燥槽44は、図示しない搬送系により溶剤洗浄槽43から移送されてきた保持具20内に収納された有機EL装置1に、上方から乾燥気体84を吹き付けることができる。そして上述の乾燥気体84、すなわちダウンフローにより、有機EL装置1の表面に残留していた有機溶剤83を乾燥除去できる。乾燥気体84としては窒素ガス等が好ましい。
以上述べたように、本実施形態の有機EL装置の製造装置は、有機EL装置を構成する一対のガラス基板をエッチングした後、エッチング液を洗浄して除去し、さらに洗浄水を有機溶剤に置換して除去する工程を、有機EL装置1を保持具20内に収納したままで連続的に実施できる。したがって、本実施形態の有機EL装置の製造装置によれば、搬送等を最小限に抑えた上で、表面に残渣を発生させることなく有機EL装置を薄型化できる。
(変形例)
上述の第2の実施形態においては、紫外線の照射を受けることによって接着力が失われる接着シートが用いられている。しかし、接着力を失わせる手段は紫外線に限定される必要はなく、加熱により接着力が失われる接着シートを用いてもよい。かかる接着シートを用いても、薄型化された有機EL装置を容易にスピンテーブル57から取り外すことができる。また、微粘着テープ、すなわち接着力が弱くて容易に剥せる粘着テープを用いてもよい。
上述の第2の実施形態においては、紫外線の照射を受けることによって接着力が失われる接着シートが用いられている。しかし、接着力を失わせる手段は紫外線に限定される必要はなく、加熱により接着力が失われる接着シートを用いてもよい。かかる接着シートを用いても、薄型化された有機EL装置を容易にスピンテーブル57から取り外すことができる。また、微粘着テープ、すなわち接着力が弱くて容易に剥せる粘着テープを用いてもよい。
1…電気光学装置としての有機EL装置、10…素子基板、11…対向基板、20…保持具、21…枠状部材、22…弾性部材、25…画素電極、26…発光機能層、27…陰極、28…反射層、29…電気光学素子としての有機EL素子、31…半導体層、33…ゲート電極、35…ソース領域、36…ドレイン領域、38…チャネル領域、41…エッチング手段としてのエッチング槽、42…第1の洗浄手段としての水洗槽、43…第2の洗浄手段としての溶剤洗浄槽、44…乾燥手段としての送風乾燥槽、45…乾燥手段としてのスピン装置、46…移載装置、51…コンタクトホール、53…ソース電極、54…ドレイン電極、56…基台、57…スピンテーブル、58…紫外線照射部、59…接着シート、60…カラーフィルター層、61…カラーフィルター、62…ブラックマトリクス、64…素子層、65…シール材、70…ゲート絶縁層、71…層間絶縁層、72…平坦化層、73…第1の保護層、74…第2の保護層、77…隔壁、78…接着層、79…封止層、81…エッチング液、82…洗浄水、83…有機溶剤、84…乾燥気体、112…TFT。
Claims (7)
- 一対の基板を、電気光学素子を挟持するように貼り合わせる第1の工程と、
該一対の基板の少なくとも一方を、前記電気光学素子と対向する側の反対側の面からエッチングして薄くする第2の工程と、
前記反対側の面を水洗する第3の工程と、
前記反対側の面を有機溶剤で洗浄する第4の工程と、
前記有機溶剤を乾燥させる第5の工程と、
をこの記載順に実施することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項1に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第4の工程は前記反対側の面に有機溶剤を供給した後、前記一対の基板を回転させて全域に行き渡らせるスピン洗浄工程であり、
前記第5の工程は前記一対の基板を高速で回転させて前記有機溶剤を乾燥除去するスピン乾燥工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項1に記載の電気光学装置の製造方法であって、
前記第5の工程は送風乾燥工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 基板表面をエッチングするエッチング手段と、
前記表面を水洗する第1の洗浄手段と、
前記表面を有機溶剤で洗浄する第2の洗浄手段と、
前記有機溶剤を乾燥除去する乾燥手段と、
を備え、
基板のエッチング処理と水洗処理と有機溶剤による洗浄処理と乾燥処理とを連続的に実施可能であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。 - 請求項4に記載の電気光学装置の製造装置であって、前記乾燥手段は前記基板を保持しつつ回転させるスピン手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
- 請求項5に記載の電気光学装置の製造装置であって、前記スピン手段は前記基板を紫外線の照射によって粘着力が低下する接着シートで保持可能なスピンナーテーブルと、紫外線照射手段と、を備えるスピン手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
- 請求項4に記載の電気光学装置の製造装置であって、前記乾燥手段は基板表面に気体を吹き付けて該表面を乾燥させる送風乾燥手段であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
Priority Applications (1)
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JP2009031014A JP2010186117A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | 電気光学装置の製造方法及び製造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015535940A (ja) * | 2012-08-13 | 2015-12-17 | ヒ ハン、ドン | パネル取り付け装置 |
US11342540B2 (en) | 2017-01-24 | 2022-05-24 | Huawei Technologies Co., Ltd. | AMOLED display panel that includes a diffusion film, display panel production method, and display apparatus |
-
2009
- 2009-02-13 JP JP2009031014A patent/JP2010186117A/ja not_active Withdrawn
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