JP2010185266A - 階段 - Google Patents

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満 大橋
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Abstract

【課題】 例えば車椅子の利用者による簡単な操作で、部材の一部を移動し、スロープとなし得る階段を提供する。
【解決手段】 一つの段を第一の部材1及び第二の部材2の二つの部材で構成し、前記第一の部材1を移動することで、スロープを形成し得る階段とする。第一の部材1の移動は、蹴上げの中央近傍に設けたヒンジを軸とした回動や、第一の部材1を第二の部材2の内部に収納可能な構造とすることによる、第一の部材1の平行移動で行うことができる。その他に、踏み面全体の傾斜を、踏み面前端部に設けたヒンジを軸とした回動により変えることで、スロープを形成することも可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、車椅子などの昇降を可能とする階段に関するものである。
日本の家屋においては、履物を脱いで内部に入るので、屋外に通じる床面と屋内の床面の間に、上がり框と称する段差を設けてあるのが一般的である。また、日本の家屋に限らず、家屋の内外には、框のような段差の他に、階段などの段差があるのが通例である。
これらの段差は、健常者にとっては歩行などに対する支障が殆どないが、車椅子を使用している高齢者や歩行に障害を有する者にとっては、自力で段差を乗り越えるが極めて困難で、介護者がついていても容易ではない。このような問題は、高齢化社会の進行に従い、重要となるのは不可避である。
これに対処するために、種々のインフラストラクチャーのバリアフリー化が提唱され、家屋においても、段差を解消する構造の設計がなされている。しかしながら、従来なされている家屋内の段差の解消は、例えば敷居のような部屋と部屋の境界にある段差を対象にしたものが殆どであり、玄関の上がり框のような大きな段差を解消するのは、従来のバリアフリーの技術では困難である。
この解決策として、特許文献1には、簡単な操作で、確実、安全な車椅子用の勾配路の配置と取り外しが可能な構造の框が開示されている。しかしながら、ここに開示されている框には、勾配路を形成するための手段の開示が必ずしも十分ではなく、改良の余地がある。
実開平05−035953号公報
従って、本発明の課題は、例えば車椅子の利用者による簡単な操作で、部材の一部を移動し、スロープとなし得る階段を提供することにある。
本発明は、前記の課題に鑑み、階段の構造と、当該階段の一部を簡単に移動し得る構造または手段を検討した結果なされたものである。
即ち、本発明は、一つの段が第一の部材及び第二の部材の二つの部材を有し、前記第一の部材の移動により、スロープを形成することを特徴とする階段である。
また、本発明は、前記第一の部材は、前記一つの段が、蹴上げの高さのほぼ中央を分割する線と、踏み面の奥行きをほぼ中央で分割する線を含む面で分割され、上側が前記第一の部材を構成するとともに、下側が前記第二の部材を構成し、前記第一の部材と前記第二の部材は蹴上げの高さのほぼ中央を分割する線の部位に設けられてなるヒンジを介して接合され、前記第一の部材が前記ヒンジを軸として回動することにより、スロープを形成することを特徴とする、前記の階段である。
また、本発明は、前記第一の部材が、傾斜面を有し、前記第二の部材は、蹴上げと踏み面を有するとともに、踏み面の下部に前記第一の部材を収納する空間を有し、前記第一の部材を前記第二の部材の前方に引き出すことにより、スロープを形成することを特徴とする、前記の階段である。
また、本発明は、踏み面の前端部に回転軸を有し、前記回転軸を中心とする回動により、踏み面をスロープとなし得ることを特徴とする階段である。
また、本発明は、前記階段の下側の床面及び上側に駆動手段が設けられ、前記駆動手段に連動した駆動力伝達機構により、スロープを形成し得ることを特徴とする、前記の階段である。
本発明によれば、容易にスロープに変形し得る階段を提供できるので、玄関の上がり框などの段差をスロープとなし、車椅子利用者などの行動に対する規制を大幅に緩和できる。
そして、本発明においては、階段を構成する部材の移動方法を適宜選択できるように、3種類の構造を提供しているので、使用する場所や、製作コストなどを考慮して設置することができる。しかも、部材の移動操作は、階段の下側の床面及び下側の床面のいずれからも可能で、車椅子利用者や介護者の利便性を向上できる
また、駆動手段は手動または電動とすることが可能で、駆動力の伝達機構には、各種のギヤ、スプロケット、チェーン、タイミングベルトなどの汎用製品を使用することが可能であり、製作コストが抑制可能である。
本発明の第一の実施の形態を模式的に示す図、図1(a)は階段を形成した状態、図1(b)はスロープを形成した状態。 本発明の第二の実施の形態を模式的に示す図、図2(a)は階段を形成した状態、図2(b)はスロープを形成した状態。 本発明の第三の実施の形態を模式的に示す図。
次に、本発明の実施の形態について、具体的な図を参照しながら説明する。
図1は本発明の階段に係る、第一の実施の形態を模式的に示す図で、図1(a)は階段を形成した状態、図1(b)はスロープを形成した状態である。
図1において、1は階段を構成する第一の部材、2は階段を構成する第二の部材、3は手摺り、4a、4bは駆動手段としての操作ハンドル、5はウォームギヤ及びウォームホイール、6はベベルギヤ、7a、7bはチェーン、8はスプロケット、9は屋外床面、即ち下側床面、10は屋内床面、即ち上側床面である。
この例においては、階段の一つの段が、蹴上げの高さのほぼ中央を分割する線と踏み面の奥行きをほぼ中央で分割する線を含む面で、第一の部材1と第二の部材2に分割されている。これらの二つの部材は、スプロケット8に連結したヒンジ(図示せず)で接合され、第一の部材1は、当該ヒンジを軸として図1に示した矢印の方向に回動可能であり、適宜スロープとしたり、階段としたりすることが可能である。
第一の部材1の回動の駆動力は、操作ハンドル4a、4bのより与えられ、上側の床面10側に設置された操作ハンドル4bを用いる場合は、直接ウォームギヤ及びウォームホイール5に駆動力が伝達され、チェーン7a、7bを介して、第一の部材1を回動させる。また、下側の床面9側に設置された操作ハンドル4aを用いる場合は、ベベルギヤ6を介して、駆動力がウォームギヤ及びウォームホイール5に伝達される。
なお、ここでは、操作ハンドルを手で回す例を示したが、適宜モータなどを設置して電動で作動させることも可能であるのは勿論である。
図2は、本発明の階段に係る、第二の実施の形態を模式的に示す図で、図2(a)は階段を形成した状態、図2(b)はスロープを形成した状態である。図2において、11は階段構成する第一の部材、12は階段を構成する第二の部材、13は下側の床面、14は上側の床面である。
図2に示したように、本実施の形態においては、第一の部材11が、第二の部材12の内部に収納可能な構造となっていて、必要に応じて第一の部材を水平方向にスライドさせ、階段としたり、スロープとしたりすることができる。また、本実施の形態は構造が簡略で、ヒンジなどの回動軸を要しないので、製作コストが低く、高い信頼性が得られるという利点がある。なお、特に図示していないが、第一の部材11を移動させる駆動力は、第一の実施の形態と同様に設定することができる。
図3は、本発明の階段に係る、第三の実施の形態を模式的に示す図である。図3において、15は踏み面、16は回動軸、17は上側の床面、18は駆動ギヤである。図3に示したように、本実施の形態においては、踏み面15の前端にヒンジによって構成される回同軸16が設けてあり、駆動ギヤ18の作動により、踏み面15の傾斜を変えることが可能な構造となっている。
これによって本実施の形態の階段は、踏み面15を水平にすることにより、通常の階段として機能し、踏み面の傾斜を階段全体の勾配と同じになるように調整することにより、スロープとして機能することができる。また、この図においても特に図示していないが、踏み面を回動する駆動力も、第一の実施の形態と同様に設定することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、必要に応じてスロープに変形させることが可能な階段を提供することができ、家屋のバリアフリー化に資するところ極めて大きいと言える。なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本技術分野における通常の知識を有する者が想到し得る変形、修正、例えば、チェーンとスプロケットの代替として、タイミングベルトとタイミングプーリーを用いることなどが、本発明に含まれることは論を俟たない。
1,11 第一の部材
2,12 第二の部材
3 手摺り
4a,4b 操作ハンドル
5 ウォームギヤ及びウォームホイール
6 ベベルギヤ
7a,7b チェーン
8 スプロケット
9,13 下側床面
10,14 上側床面
15 踏み面
16 回動軸
17 上側の床面
18 駆動ギヤ

Claims (5)

  1. 一つの段が第一の部材及び第二の部材の二つの部材を有し、前記第一の部材の移動により、スロープを形成することを特徴とする階段。
  2. 前記第一の部材は、前記一つの段が、蹴上げの高さのほぼ中央を分割する線と、踏み面の奥行きをほぼ中央で分割する線を含む面で分割され、上側が前記第一の部材を構成するとともに、下側が前記第二の部材を構成し、前記第一の部材と前記第二の部材は蹴上げの高さのほぼ中央を分割する線の部位に設けられてなるヒンジを介して接合され、前記第一の部材が前記ヒンジを軸として回動することにより、スロープを形成することを特徴とする、請求項1に記載の階段。
  3. 前記第一の部材は、傾斜面を有し、前記第二の部材は、蹴上げと踏み面を有するとともに、踏み面の下部に前記第一の部材を収納する空間を有し、前記第一の部材を前記第二の部材の前方に引き出すことにより、スロープを形成することを特徴とする、請求項1に記載の階段。
  4. 踏み面の前端部に回転軸を有し、前記回転軸を中心とする回動により、踏み面をスロープとなし得ることを特徴とする階段。
  5. 前記階段の下側の床面及び上側に駆動手段が設けられ、前記駆動手段に連動した駆動力伝達機構により、スロープを形成し得ることを特徴とする、請求項1ないし請求項4に記載の階段。
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