JP2010184954A - 焼結含油軸受 - Google Patents
焼結含油軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010184954A JP2010184954A JP2009028153A JP2009028153A JP2010184954A JP 2010184954 A JP2010184954 A JP 2010184954A JP 2009028153 A JP2009028153 A JP 2009028153A JP 2009028153 A JP2009028153 A JP 2009028153A JP 2010184954 A JP2010184954 A JP 2010184954A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- sintered
- mass
- general formula
- impregnated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 COc1nc(*)nc(O*)n1 Chemical compound COc1nc(*)nc(O*)n1 0.000 description 3
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Lubricants (AREA)
Abstract
Description
ところで、モータには小型化及び高効率化の要求があるので、それに使用される軸受も小型化する必要がある。軸受けを小型化すると、面圧は増加する傾向にあるので、小型化の要請に応えるためには、高い面圧でも使用可能な含油軸受が必要であり、使用される含浸油が、優れた耐面圧性を示すことが必要である。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 焼結体、及び該焼結体に含浸された、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と、ポリオールエステルの少なくとも一種を25〜95質量%含有する潤滑組成物を有することを特徴とする焼結含油軸受:
[3] 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]の焼結含油軸受:
[5] 前記一般式(2)中のR11及びR12のうち少なくとも1つが、オリゴアルキレンオキシ基を含む置換基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの焼結含油軸受。
[9] 前記焼結合金が、Feを40〜90質量%、Cuを9.5〜59質量%、及びSn、Zn、Ni、P、及びCから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする[8]の焼結含油軸受。
[10] 前記焼結合金が、Cuを70〜94質量%、Snを5〜13質量%、及びZn、Ni、P及びCから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする[8]の焼結含油軸受。
本発明の焼結含油軸受けは、所定の式で表されるトリアジン化合物と、ポリオールエステルとを含有する潤滑組成物が、含油として含浸されていることを特徴とする。該トリアジン化合物とポリオールエステルとを混合して調製した潤滑組成物は、高い面圧に耐え得る油膜強度を有しつつ、高い潤滑性を示す。従って、これを含浸させた焼結軸受けは、該潤滑組成物の高い膜強度と潤滑性能によって、軸受とシャフトとの金属接触が低減され、すべり性が向上され、その結果、高い耐荷重性を示す。本発明の焼結含油軸受けは、限界面圧特性が改善されているので、軸受の小型化が可能であり、即ち、モータの小型化に寄与する。また、これまで焼結含油軸受が使用できなかった高い面圧条件まで適用範囲を広げることが可能である。
Ar1及びAr2でそれぞれ表される複素環基は、5〜7員環構造の複素環残基が好ましく、5又は6員環構造の複素環残基がより好ましい。複素環基は、単環を含んでいても、二以上の環の縮合環を含んでいてもよい。前記複素環基に含まれる複素環の骨格の具体的な例については、岩波理化学辞典 第三版増補版 (岩波書店発行)の付録11章 有機化学命名法 表4.主要複素単環式化合物の名称 1606頁 及び表5.主要縮合複素環式化合物の名称 1607頁 に記載される複素環が挙げられる。
Yは、置換もしくは無置換の、アルコキシ基が好ましい。また、式(2)’中の2つのベンゼン環が有する置換基と同様、アルコキシ基のアルキル鎖中の1つの炭素原子、又は隣接していない2以上の炭素原子が、酸素原子によって置換された、アルキレンオキシ鎖を含むアルコキシ基であるのが好ましく、−O(CxH2xO)nCyH2y+1(但し、nは1〜10、xは1〜6、yは1〜24である)であるのが特に好ましい。
R21及びR22はそれぞれ置換基を表し、R21及びR22はそれぞれ、置換もしくは無置換の、炭素原子数1〜24のアルキル基であるのが好ましく、2〜16のアルキル基であるのがより好ましい。
1価カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸が、特には炭素数4〜18の直鎖又は分枝の脂肪族カルボン酸が好ましい。例えば、酪酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びこれらの直鎖の酸に対応する分枝の酸が挙げられる。
また、多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコール、特には炭素数4〜18の直鎖又は分枝の脂肪族多価アルコールが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びグリセロール等の多価アルコ−ルのエステルを挙げることができる。
また、本発明に用いられる潤滑組成物の好ましい例には、前記一般式(3)で表される化合物の少なくとも一種と、ポリオールエステルの少なくとも一種を25〜75質量%含有する潤滑組成物である。
また上記以外の合成油としては、具体的には例えば、ポリα−オレフィン又はその水素化物、エチレン−α−オレフィン共重合体若しくはその水素化物、イソブテンオリゴマー及びその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル並びにシリコーン油等が使用できる。
(1)焼結含油軸受の作製
(1)−1 含浸潤滑剤
下記一般式(3)で表される化合物と、ポリオールエステルAとを表1に示す比率で配合して、潤滑組成物を調製した。
軸受として、銅を30質量%と錫3質量%とを含み、残部が鉄からなる組成の焼結合金を用いた。原料粉として、還元鉄粉(ヘガネス製 NC100/24)、電解銅粉(福田金属箔粉工業製 CE56)、錫粉(日本アトマイズ加工製、Sn−325)の各金属粉末と、成形潤滑剤(ステアリン酸亜鉛粉)を配合、混合した後、内径φ10mm、外径φ16mmの金型にて全長約10mmになるように圧縮成形を行い、還元雰囲気中780℃で30分間焼結した後、サイジングを施した。得られた焼結合金の密度は6.1Mg/m3、有効多孔率は24%であった。
(1)−3 含浸
調製した各潤滑組成物を、室温条件で、真空条件下で、上記焼結合金からなる軸受に含浸して、焼結含油軸受をそれぞれ作製した。
(2)−1 耐久試験
下記表に示す各種潤滑組成物を含浸した焼結軸受と、焼入れを施したS45C材シャフトとを組み合わせて、耐久試験を行った。シャフト回転数は5000rpm、軸受へのラジアル負荷は200Nの条件で、200時間運転した後の、軸受摩耗量で比較を行った。結果を下記表1に示す。
これらのことから、ポリオールエステルと化合物(3)の共存が、高い面圧に耐え得る油膜強度を有しながら潤滑性を良好にしているということができ、ポリオールエステルの含有量が25〜95質量%の潤滑組成物が良好である。
各種潤滑組成物を含浸した焼結軸受と焼入れを施したS45C材シャフトとを組み合わせて、限界面圧試験を行った。シャフト回転数を1000rpm一定として、軸受へ9.8Nずつ荷重を負荷させていき、焼付きにいたる面圧を比較した。結果を下記表2に示す。
Claims (9)
- 前記潤滑組成物が、前記ポリオールエステルの少なくとも一種を50〜95質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の焼結含油軸受。
- 前記一般式(1)中のYが、置換もしくは無置換の、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はスルフィド基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結含油軸受。
- 前記一般式(2)中のR11及びR12のうち少なくとも1つが、オリゴアルキレンオキシ基を含む置換基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結含油軸受。
- 前記焼結体が、有効多孔率が6〜35体積%である焼結合金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼結含油軸受。
- 前記焼結合金が、Feを40〜90質量%、Cuを9.5〜59質量%、及びSn、Zn、Ni、P、及びCから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項7に記載の焼結含油軸受。
- 前記焼結合金が、Cuを70〜94質量%、Snを5〜13質量%、及びZn、Ni、P及びCから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項7に記載の焼結含油軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009028153A JP2010184954A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 焼結含油軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009028153A JP2010184954A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 焼結含油軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010184954A true JP2010184954A (ja) | 2010-08-26 |
Family
ID=42765806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009028153A Pending JP2010184954A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 焼結含油軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010184954A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012202442A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関のバランサ装置及び金属シャフトの軸受構造 |
JP2013092163A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-16 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 焼結含油軸受およびその製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5819413A (ja) * | 1981-07-27 | 1983-02-04 | Mitsubishi Metal Corp | 高荷重領域ですぐれた性能を発揮する高強度高含油率銅系焼結軸受 |
JP2006257383A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-09-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | 潤滑剤組成物 |
JP2006266429A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 軸受および軸受と軸との組み合わせ |
JP2007063505A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 流体軸受モータ用潤滑油及びそれを使用した軸受モータ |
JP2007092055A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-04-12 | Fujifilm Corp | 潤滑剤組成物、軸受け装置、摺動部材及びトリアジン環化合物 |
JP2008214603A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-09-18 | Fujifilm Corp | 潤滑剤組成物、及び機械要素 |
JP2008266377A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Nok Kluber Kk | 潤滑油組成物 |
-
2009
- 2009-02-10 JP JP2009028153A patent/JP2010184954A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5819413A (ja) * | 1981-07-27 | 1983-02-04 | Mitsubishi Metal Corp | 高荷重領域ですぐれた性能を発揮する高強度高含油率銅系焼結軸受 |
JP2006257383A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-09-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | 潤滑剤組成物 |
JP2006266429A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 軸受および軸受と軸との組み合わせ |
JP2007092055A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-04-12 | Fujifilm Corp | 潤滑剤組成物、軸受け装置、摺動部材及びトリアジン環化合物 |
JP2007063505A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 流体軸受モータ用潤滑油及びそれを使用した軸受モータ |
JP2008214603A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-09-18 | Fujifilm Corp | 潤滑剤組成物、及び機械要素 |
JP2008266377A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Nok Kluber Kk | 潤滑油組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012202442A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関のバランサ装置及び金属シャフトの軸受構造 |
JP2013092163A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-16 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 焼結含油軸受およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5662726B2 (ja) | 複合アルコールエステル組成物及びその製造方法、並びにその用途 | |
AU707469B2 (en) | Hydraulic working oil composition | |
KR101471197B1 (ko) | 윤활제 조성물 및 이것을 이용한 윤활 시스템 | |
US8188018B2 (en) | Lubricating oil composition | |
KR20110033926A (ko) | 그리스 조성물 | |
WO2008032540A1 (fr) | Composition de lubrification, lubrifiant de palier dynamique fluide, palier dynamique fluide utilisant celui-ci et procédé de lubrification de palier dynamique fluide | |
CN106661493B (zh) | 润滑剂组合物及其利用、以及脂肪族醚化合物 | |
JP5265996B2 (ja) | 潤滑油組成物 | |
JP4074703B2 (ja) | 焼結含油軸受ユニット | |
JP2008063385A (ja) | 流体軸受用潤滑油、並びにそれを用いた流体軸受及び流体軸受の潤滑方法 | |
JP2007092055A (ja) | 潤滑剤組成物、軸受け装置、摺動部材及びトリアジン環化合物 | |
JP3925952B2 (ja) | 含油軸受油組成物 | |
JP2002348586A (ja) | 潤滑油組成物およびそれを用いた精密部品および軸受け | |
JP4305631B2 (ja) | 生分解性潤滑剤 | |
JP3433402B2 (ja) | 含浸軸受用油組成物 | |
JP5538044B2 (ja) | 耐摩耗性に優れる潤滑油組成物 | |
JP2010184954A (ja) | 焼結含油軸受 | |
JP5318018B2 (ja) | 焼結含油軸受 | |
JP5613395B2 (ja) | 電動モータ油組成物 | |
CN106675731A (zh) | 高低温含油轴承合成润滑油 | |
JP4409474B2 (ja) | 焼結含油軸受 | |
JP3925958B2 (ja) | 軸受油組成物 | |
JP2504778B2 (ja) | 含油軸受油 | |
JPH11172267A (ja) | 軸受用潤滑油組成物 | |
JP2010175002A (ja) | 焼結含油軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110707 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20120608 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120611 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20130417 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130423 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20130813 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |