JP2010184425A - スクリーン成形型の製造方法、スクリーン成形型およびスクリーンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数個の成形型を貼り合わせる場合であっても、スジやムラのない良好なスクリーンを作製できるようにする。
【解決手段】互いに貼り合わせる成形型31,32の貼り合わせ端部側に成型面の形状が共通となる共通部分34を設けておく。成形型31の共通部分341の成型面を転写して、共通部分341と反転する転写面を備えた転写部材を成形する。成形型31,32を、各成形型の共通部分が間隙を介して隣接するように配置するとともに、各成形型の共通部分に転写部材の転写面を嵌合することによって、成形型31,32を位置決めする。成形型31,32を、間隙に接着材料を充填して硬化させることによって接着層41を形成し、貼り合わせる。成形型31,32および接着層41から転写部材を剥離することによって、スクリーン成形型3を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、スクリーン成形型の製造方法、スクリーン成形型およびスクリーンの製造方法に関する。
近年、プロジェクターなどにおける大型スクリーンの需要が伸びてきており、それに伴いスクリーン成形型も大型となるため、巨額な設備投資が必要となっている。これは、大型のスクリーン成形型は製造が困難であり高価であることなどに起因する。このような設備投資を抑えるために、複数個のスクリーン成形型を貼り合わせて大型のスクリーン成形型とし、この大型のスクリーン成形型を用いて大型のスクリーンを作製することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
また、光学特性を向上させるためのマイクロレンズなどの微細形状を備えたスクリーンにおいても同様にして大型のスクリーンを作製することが考えられる。
図13は、従来における貼り合わせ成形型によるスクリーンの作製を説明するための断面図である。成形型901,902を貼り合わせた成形型90を用いて転写物を得ることにより、1枚の大型のスクリーン91を作製することができる。
また、図14は、従来における貼り合わせ成形型によるマイクロレンズを備えたスクリーンの作製を説明するための断面図である。成形型941,942を貼り合わせた成形型94を用いて転写物を得ることにより、1枚の大型のスクリーン95を作製することができる。
特開平6−11769号公報
しかしながら、複数個のスクリーン成形型を貼り合わせて1つのスクリーン成形型とする場合、以下のような課題があった。
通常のスクリーン成形型の製造精度では、スクリーン成形型同士を貼り合わせた部分に少なからず隙間(例えば図13に示す間隙92)ができてしまうため、そのスクリーン成形型を用いて作製されるスクリーンに貼り合わせ部の隙間が転写されてしまう。その結果、その部分に目的としない凹凸(例えば図13に示す突起93)が形成されてしまい、これが、完成したスクリーンに像を表示した際にスジやムラとなって現れて見栄えを損なってしまう。これを解消するためには、スクリーン成形型の貼り合わせ部に、非常に高精度な加工技術(例えば、スクリーンの表面形状にもよるが、隙間を20μm以下とする加工技術)が必要となり非常に難易度が高いという課題があった。この点は、図14に示したようなスクリーンの場合であっても同じである。
また、マイクロレンズなどの微細形状を備えたスクリーンにおいては、貼り合わせ部の微細構造がずれて貼り合わされると、その部分に不要な段差(例えば図14に示す段差96)ができてしまう。その結果、そのスクリーン成形型を転写して作製されるスクリーンにも目的としない凹凸(例えば図14に示す凹凸97)が形成され、これが、完成したスクリーンに像を表示した際にスジやムラとなって現れて見栄えを損なってしまうという課題があった。
また、スクリーン成形型の材料としては、様々なものが用いられているが、ガラス材料や樹脂材料など材質によっては、加工により貼り合わせ部に、いわゆるチッピング(割れ)やバリなどが発生しやすくなるため、現状の加工技術では加工精度を満足できず、スクリーン成形型の材質が制限されてしまうという課題があった。
したがって、本発明の目的は、複数個のスクリーン成形型を貼り合わせる場合であっても、貼り合わせ部の高い加工精度を必要とせず、幅広い材質の材料をスクリーン成形型に用いることができ、スジやムラが発生しない良好なスクリーンを作製することができるスクリーン成形型の製造方法、スクリーン成形型およびスクリーンの製造方法を提供することにある。
本発明は、光学機能のための表面形状がそれぞれ成型面に形成された複数の成形型を貼り合わせてスクリーン成形型を形成するスクリーン成形型の製造方法であって、互いに貼り合わせる第1の成形型および第2の成形型の貼り合わせ端部側に成型面の形状が共通となる共通部分を設けておき、前記第1の成形型の共通部分の成型面を転写して、前記共通部分と反転する転写面を備えた転写部材を成形する転写部材成形工程と、前記第1の成形型と前記第2の成形型とを、前記各成形型の共通部分が間隙を介して隣接するように配置するとともに、前記各成形型の共通部分に前記転写部材の前記転写面を嵌合することによって、前記第1の成形型と前記第2の成形型とを位置決めする位置決め工程と、前記第1の成形型と前記第2の成形型とを、前記間隙に接着材料を充填して硬化させることによって貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記第1の成形型、前記第2の成形型および前記接着材料から前記転写部材を剥離する剥離工程と、を有することを特徴とするスクリーン成形型の製造方法である。
本発明によれば、第1の成形型と第2の成形型との間隙に接着材料が充填され硬化されるため、第1の成形型と第2の成形型とが接着材料によって隙間なく貼り合わされる。このため、貼り合わせ部にチッピング部分があっても当該部分を接着材料によって補完することができる。
また、第1の成形型と第2の成形型とは、転写部材によって間隙を介して位置決めされて貼り合わされ、各成形型同士が直接接触するものではないため、各成形型の貼り合わせ部の加工精度を所定レベル以上にする必要がなく、容易に加工できる。
また、位置決めした転写部材における接着材料が充填される側には、共通部分と反転する転写面が形成されるため、接着材料の成型面側に共通部分の成型面と同じ形状が転写される。共通部分を転写した転写部材の転写面は、位置決めの際に、第1および第2の成形型の共通部分の成型面と隙間なく密着して嵌め合わされるため、第1の成形型および第2の成形型が転写部材を基準に正確かつ段差なく位置決めされ、接着材料を充填して各成形型を貼り合わせた際に、各成形型および接着材料の成型面も連続したものとなり、貼り合わせ部に不要な段差が形成されることを防ぐことができる。
本発明では、前記位置決め工程の前に、前記各成形型を、前記共通部分の範囲内で切断する切断工程を有することが好ましい。
通常、成形型の成型面の最外周部には、型のキャビティ部分を区画するために、対向する型と密着する面が設けられる。従って、成型面に凹凸等の微細加工を施している成形型同士を貼り合わせても、その貼り合わせ部分には微細加工が施されていない部分が残ってしまう。
これに対し、本発明では、各成形型を共通部分の範囲内で切断し、各成形型の共通部分を間隙を介して隣接させて転写部材で連結しているので、各成形型の貼り合わせ部分にも微細形状を設けることができる。
本発明では、前記第1の成形型と前記第2の成形型のどちらか一方の成形型を共通部分の範囲内で切断し、他方の成形型を、共通部分の範囲内かつ前記一方の成形型の切断位置に対応する位置よりも内側の位置で切断することが好ましい。
ここで、他方の成形型において、共通部分の範囲内かつ前記一方の成形型の切断位置に対応する位置よりも内側の位置とは、各成形型を、前記共通部分を平面的に位置合わせして上下に配置した場合に、一方の成形型の切断位置に対し、他方の成形型の切断位置がその他方の成形型の内側つまり成形型の中心側の位置を示す。従って、各成形型の共通部分において、切断された後に残った領域同士を並べても、切断前の一方の共通領域よりも小さな面積になり、各成形型間に隙間が形成されることになる。
このような本発明によれば、間隙を介して各成形型を配置した際に、一方の成形型の共通部分の端縁から他方の成形型の共通部分の端縁までの幅寸法を、切断前の成形型の共通部分と一致させることができる。このため、共通部分が成形型の隣接方向(幅方向)においてその表面の微細形状やサイズが異なる場合であっても、切断前の成形型の共通部分を転写した転写部材を、切断後の各成形型の共通部分と隙間なく密着して嵌め合わせることができる。そして、前記間隙に接着材料を充填して各成形型を貼り合わせれば、各成形型の貼り合わせ部分に、切断前の共通部分を完全に再現することができ、スクリーンにおける光学特性を考慮して共通部分の形状を設計することができる。
本発明では、前記各成形型の光学機能のための表面形状を、前記各成形型の共通部分として用いることが好ましい。
共通部分は、転写部材によって各成形型を位置決めすることができる表面形状とすれば良いため、その表面形状は転写部材を嵌合して位置決めできるものであればよい。
これに対し、本発明によれば、位置決めのためだけに光学機能のための表面形状と異なる形状をわざわざ成型面に設けなくても、転写部材による第1および第2の成形型の位置決めを行うことができ、かつ、各成形型の貼り合わせ部分にも必要な光学機能を設けることができる。
本発明では、前記各成形型に、前記転写部材との離型性を良好にする離型処理を施しておくことが好ましい。
これにより、前記転写部材成形工程や剥離工程において、各成形型と転写部材とが剥離しやすくなり、転写部材への成型面の転写を良好に行うことができる。
本発明では、前記転写部材に、前記接着材料との離型性を良好にする離型処理を施しておくことが好ましい。
これにより、前記剥離工程において、転写部材と接着材料とが剥離しやすくなり、接着材料への転写面の転写を良好に行うことができる。
本発明のスクリーン成形型は、前記各スクリーン成形型の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
また、本発明のスクリーンの製造方法は、前記各スクリーン成形型の製造方法によってスクリーン成形型を製造するスクリーン成形型製造工程と、前記スクリーン成形型製造工程で製造されたスクリーン成形型を用いてスクリーンを製造するスクリーン製造工程と、を有することを特徴とする。
本発明のスクリーン成形型によれば、前述の各発明と同じ作用効果を奏することができ、大型のスクリーン成形型を精度良くかつ安価に製造することができる。
また、本発明のスクリーンの製造方法によれば、前述の各発明と同じ作用効果を奏することができ、大型のスクリーン成形型を精度良くかつ安価に製造することができるため、意図しない凹凸形状などが形成されることがない大型のスクリーンを安価に製造でき、スクリーンに像を投影した際にもスジやムラが生じることを防止でき、高品質の映像を投影表示できる。
以上説明したように、本発明によれば、複数個のスクリーン成形型を貼り合わせて1つのスクリーン成形型を作製する場合であっても、貼り合わせ部の高い加工精度を必要とせず、幅広い材質の材料をスクリーン成形型に用いることができ、貼り合わせ部に隙間および不要な段差のないものを作成することができる。また、それによって、大型で高品質のスクリーンを製造することができる。
本発明の一実施形態によるスクリーンを備えた画像投影システムを示す図である。 スクリーン成形型の構成を説明するための図である。 成形型の表面形状を説明するための斜視図である。 共通部分を説明するための断面図である。 転写部材の成形工程を説明するための断面図である。 成形型の切断工程を説明するための断面図である。 位置決め工程を説明するための断面図である。 貼り合わせ工程を説明するための断面図である。 転写部材の離型工程を説明するための断面図である。 スクリーンの作製工程を説明するための断面図である。 成型面における表面形状の他の例を説明するための断面斜視図である。 成型面における表面形状の他の例を説明するための断面斜視図である。 従来のスクリーンの作製を説明するための断面図である。 従来の他のスクリーンの作製を説明するための断面図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態によるスクリーンを備えた画像投影システムの一例である。この画像投影システムは、スクリーン1とプロジェクター2とを備えた構成とされている。スクリーン1は、プロジェクター2からの投射像を表示するものである。スクリーン1は、例えば100インチなど大型サイズの反射型スクリーンである。プロジェクター2は、スクリーン1との距離が短くてよい(例えば投射距離が60cm程度)、近接投射型のプロジェクターである。
プロジェクター2から出射された投射像は、スクリーン1で反射され、これによってスクリーン1の正面方向にいる視聴者は、スクリーン1の投影像を見ることができる。なお、スクリーン1は、プロジェクター2からの投射像を視聴者側に効率よく反射させて、視認性よくスクリーン1に映し出すための光学機能を有している。この光学機能を実現するため、スクリーン1のプロジェクター2からの投射光が入射される投影面には略半球の凸部が所定の配列で複数個形成されている。なお、スクリーン1は、以下に説明するスクリーン成形型を用いて作製される。
<スクリーン成形型>
図2は、スクリーン1の作製に用いられるスクリーン成形型の構成の説明図である。この図は、スクリーン成形型の成型面側の構成を示している。図示するように、本実施形態では、第1の成形型31と第2の成形型32の2つを貼り合わせて1つの大型のスクリーン成形型3を作製する。
第1の成形型31(以下、成形型31と称する。)および第2の成形型32(以下、成形型32と称する。)の材料は、特に限定されるものではなく、通常型として使用される材質を用いることができる。ただし、成形型31,32の材料としては、たわみが生じにくく、傷つきにくいものが好ましく、具体的には、各種金属、各種ガラス、プラスチックに代表される各種樹脂などが挙げられる。
成形型31,32の成型面には複数の微細な凹部33が形成されている。凹部33は、前述したスクリーン1の凸部形状を転写により形成するためのものである。
ここで、プロジェクター2は、スクリーン1の左右方向中心軸線上に配置され、かつ、スクリーン1の下端部近傍に配置されるため、スクリーン1に入射する光の方向や角度は、スクリーン1の下端の左右方向中心から放射線状に変化することになる。
このため、プロジェクター2からの投射光を所定方向に反射するためのスクリーン1の凸部を形成するための凹部33は、成形型31と成形型32とで貼り合わせ部を軸として対称となるように形成されており、成形型31と成形型32を貼り合わせた状態でプロジェクター2の投射方向に応じて略放射状に配列されるように形成されている。
また、各々の成型面の貼り合わせ部側の端部には、それぞれ共通部分341,342が設けられている。したがって、凹部33の配列は、貼り合わせ部においては共通部分34(共通部分341,342)を介する構成とされる。なお、共通部分34の成型面についても微細な形状を有するように加工が施されている。凹部33および共通部分34についての詳細な説明は後述する。
成形型31,32は、ともにスクリーンを成形するために用いられる成形型である。本実施形態では、成形型31については、共通部分341の範囲内で切断(図中A−A’)したもの、成形型32については、共通部分342の範囲内で切断(図中B−B’)したものを貼り合わせる。貼り合わせによって完成されたスクリーン成形型3は、成形型31,32のそれぞれの切断面を、接着層41によって貼り合わされた構成とされる。
接着層41は、成型面側に共通部分34の一部と同じ表面形状を有している。この表面形状は、貼り合わせ後に共通部分341と接着層41と共通部分342の成型面側の形状が不要な段差なく連続する構成とされている。この接着層41の形成の詳細については後述の貼り合わせ工程において説明する。
以上のように、本実施形態によるスクリーン成形型3は、成形型31および成形型32ならびに接着層41によって構成され、成形型31の共通部分341と成形型32の共通部分342とを接着層41によって隙間なく貼り合わされた構成を有する。
ここで、各成形型31,32の凹部33について説明する。図3は、成形型31の表面形状を説明するための斜視図である。なお、成形型32も同様の構成とされている。凹部33は、それぞれドライエッチングなどの周知の加工技術によって予め成形型31,32の成型面に複数形成されているものである。これら凹部33は、それぞれ略半球の凹形状で構成されている。凹部33の直径L1は、解像度保持、生産性の観点などから、例えば80〜400μmとされる。これら凹部33の配列は、図示した状態ではわかりにくいが、実際は前述したような略放射状とされている。具体的には、図2に示す内周側の凹部33のサイズを小さく形成し、外周側の凹部33のサイズを大きく形成することによって放射状とされる。これにより、凹部33は、共通部分341,342に沿った方向(図2中の縦方向)においては大きさが次第に変化する。また、成形型31,32の共通部分341,342を挟んで対称位置に配置される凹部33は同じサイズとなる。
次に図4を参照して前述した共通部分341,342について説明する。図4は、成形型31,32において共通部分341,342を示す断面図である。図4において、成形型31の右端部側および成形型32の左端部側がそれぞれの貼り合わせ部側である。なお、以下では、成形型31,32において、この貼り合わせ部側を外側とし、貼り合わせ部側でない側(成形型31,32の中心側)を内側として説明する。前述したように、成形型31,32は、それぞれ成型面に凹部33が形成され、かつ、貼り合わせ側の端部には共通部分341,342を有している。
共通部分341,342の領域は、特に限定されるものではないが、加工精度と作業性ならびに実効性を考慮すると、成型面を平面視した場合に貼り合わせ部が直線的である場合には、例えば、幅L2を、5mm〜30mmとすることが好ましい。
なお、貼り合わせ部が直線的でない形状の場合は、共通部分として、その形状に合わせて適切な範囲を設定すればよい。例えば、ジグザグ、波形状など互い違いの形状の場合などは、貼り合わせ部に沿って一定幅で共通部分341,342を設けてもよいし、貼り合わせ形状に合わせて共通部分341,342もジグザグ、波形状に設けてもよい。
共通部分341,342は、成形型31と成形型32とで表面形状が完全に一致している領域部分である。共通部分341,342には、微細な表面加工によって、凹部33と同様の略半球の凹形状が所定の配列で複数形成されている。なお、この凹形状の配列は、特に限定されるものではなく、正方格子状や千鳥格子状の配列などであってもよい。
本実施形態では、共通部分341,342の各凹部33の形状(例えば凹面の曲率等)やサイズは、共通部分341,342の幅方向(各成形型31,32の貼り合わせ側端部から型中心に向かう方向)に異なるように構成している。
具体的には、成形型31の共通部分341において、成形型31の内側から外側に向かう方向に並んだ各凹部34A,34B,34C,34Dは形状やサイズが徐々に異なるように設計されている。
一方、成形型32の共通部分342において、成形型32の外側から内側に向かう方向に並んだ各凹部34A,34B,34C,34Dは、前記成形型31の各凹部34A〜34Dとそれぞれ同じ形状・サイズに設計されている。
つまり、図示するように、成形型31において共通部分341と成形型31に固有の凹部33との境界を境界Cとし、成形型32において共通部分342と成形型32に固有の凹部33との境界を境界Dとする。この場合において、成形型31の境界Cから境界D方向への共通部分341の成型面の表面形状(凹部34A〜34Dの並びの形状)と、成形型32の境界Cから境界D方向への共通部分342の成型面の表面形状(凹部34A〜34Dの並びの形状)とが同じとなるように加工する。成形型31,32の凹部34A〜34Dにおいて、符号が同じものは、同一形状および同一サイズを示している。
このように成形型31と成形型32とで共通の加工を予め施しておくことにより、隣接方向で共通部分34の凹部の形状やサイズが異なる場合であっても、後述する位置決めを正確に行うことができる。
なお、本実施形態では、各凹部34A〜34Dは、各成形型31,32の貼り合わせ部に沿った方向(図2の縦方向)には同一形状、サイズのものが並ぶように形成している。但し、貼り合わせ部に沿った方向に並んだ各凹部34A〜34D同士でも形状やサイズが異なるように設計してもよい。
また、各凹部34A〜34Dをすべて同じ形状、サイズに設計してもよい。この場合、貼り合わせ部に沿った方向に並んだ各凹部34A〜34Dにおいては、形状、サイズが異なるようにしてもよいし、共通部分341,342のすべての凹部34A〜34Dが同一形状、サイズとなるように設計してもよい。
そして、これらの各凹部34A〜34Dは、共通部分341,342に隣接配置された各凹部33と同様のピッチ、形状、サイズで形成されていることが好ましい。このように、凹部33の配列と近似させることによって、共通部分341,342における光学特性を、共通部分341,342周囲の光学特性と類似させることができる。
<スクリーン成形型の製造方法>
次に、図5から図9を参照してスクリーン成形型3の製造方法について説明する。本実施形態では、「転写部材の成形工程」、「成形型の切断工程」、「位置決め工程」、「貼り合わせ工程」および「転写部材の離型工程」を経て、スクリーン成形型3が作製される。以下、これら各工程について順次説明する。
<転写部材の成形工程>
図5は、転写部材の成形工程を説明するための断面図である。この工程では、まず、転写部材51を作製するため、成形型31の共通部分341の成型面に、型取りに用いる材料を、周知かつ適切な方法により塗布して、塗布材料に共通部分341の成型面の形状を転写する。これによって、塗布材料には、共通部分341の凹形状と反転した凸形状の転写面が形成される。
塗布材料は、共通部分341などの成型面の形状を十分に転写することができ、成形型31から離型した後も形状を保持できるもので、かつ、離型時に成形型31を傷めないものであれば、特に限定されるものではない。なお、良好な転写面を得るために、塗布材料は、液状かつ硬化できるものが好ましい。具体的には、各種ゴム(特に、耐久性、加工性などを考慮するとシリコーンゴムが望ましい。)、紫外線硬化樹脂などの光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが挙げられる。
なお、成形型31,32と接着しにくい材料を転写部材51の材料として選定することが好ましい。例えば、樹脂材料による成形型31,32の場合、転写部材51の材料としてシリコーンゴムを選定することができる。また、接着しやすい材料を選定した場合などでは、前もって成形型31,32に離型処理を施しておくことが好ましい。例えば、成形型31,32の材料がガラス材料であり、転写部材51の材料がシリコーンゴムである場合には、それらの材料に応じた離型剤(例えば、フッ素系の離型剤)を成形型31,32の成型面に塗布しておく。これによって、後述する転写部材51の離型処理を容易に行うことができるとともに良好な転写を行うことができる。
次に、塗布材料を硬化させて転写部材51を形成する。そして、形成した転写部材51を成形型31から離型する。以上によって、共通部分341の成型面の形状が転写された転写部材51が作製される。なお、ニッケルなどの導電材料を用いて電鋳法によって転写部材51を作製してもよい。
<成形型の切断工程>
図6は、成形型31,32の切断工程を説明するための断面図である。この工程では、前述した通り、成形型31を共通部分341の範囲内で切断し、成形型32を共通部分342の範囲内で切断する。通常、成形型の最外周部には微細形状の成型面は設けられていない。そこで、前記成形型31,32を切断することで、後述する位置決めの際に共通部分341および共通部分342を間隙を介して隣接させることができるようにしている。成形型31,32の切断精度は、切断面が共通部分341,342内からはみ出すことがない程度でよいが、例えば、切断面の幅方向のズレを表す真直度が10mm以下となるように切断することが好ましい。
なお、成形型31の幅方向の切断位置Aは、共通部分341の幅方向中心よりも境界Cに近く、かつ、少なくとも1つの凹部34Aは残すような位置で切断することが好ましい。例えば、図6の例では、凹部34Bの位置で切断することが好ましい。
また、成形型32の幅方向の切断位置Bは、共通部分342の幅方向中心よりも境界Dに近く、かつ、少なくとも1つの凹部34Dは残すような位置で切断することが好ましい。従って、図6に示すように、各成形型31,32を各凹部34A〜34Dの平面位置が一致するように上下に配置した場合、成形型32の切断位置Bは、切断位置Aに対応する位置よりも成形型32における内側、すなわち切断位置Aに対応する位置と境界Dとの間にすることが好ましい。これによって、共通部分341,342の各凹部34A〜34Dの形状やサイズが隣接方向において異なっている場合であっても、後述する位置決めにおいて、成形型32を成形型31と干渉せず成形型31と32とを位置決めすることができる。
次に、切断加工によって成形型31,32に形成されたバリなどの突起物を除去し、切削屑、異物などのゴミを除去する。これは、後述する位置決め工程において、切断加工後の成形型31,32に、先ほど作製した転写部材51を隙間なく密着して嵌め合わせるためである。
<位置決め工程>
図7は、位置決め工程を説明するための断面図である。この工程では、成形型31の共通部分341と成形型32の共通部分342とが、間隙を介して隣接するように配置するとともに、以下のように、共通部分341,342の成型面のそれぞれに、転写部材51の転写面を嵌合させることによって位置決めを行う。
第1に、成形型31の凹部34A〜34Dと転写部材51の転写面の凸部51A〜51Dとを隙間なく密着するように嵌め合わせ、成形型31と転写部材51とを嵌合させる。共通部分341の各凹部34A〜34Dの形状やサイズが隣接方向において異なっている場合には、隙間なく密着して嵌め合わせるため、転写したときと同じ位置(凹部34Aから転写した凸部51Aは凹部34Aへ嵌合など。)に嵌め合わせる。
第2に、成形型31と同様に、成形型32の凹部34A〜34Dと転写部材51の転写面における凸部51A〜51Dの他の部分とを隙間なく密着するように嵌め合わせ、成形型32と転写部材51とを嵌合させる。共通部分342の各凹部の形状やサイズが隣接方向において異なっている場合には、隙間なく密着して嵌め合わせるため、転写したときと同じ位置(凹部34Dから転写した凸部51Dは凹部34Dへ嵌合など。)に嵌め合わせる。
なお、各凹部34A〜34Dがすべて同じ形状、サイズの場合には、転写部材51の凸部51A〜51Dをその凸部を転写した凹部とは異なる凹部に嵌合させてもよい。すなわち、少なくとも各成形型31,32の切断位置A,B間に間隙を設けて各成形型31,32を配置し、これらの成形型31,32に転写部材51を嵌合させて各成形型31,32を位置合わせできればよい。
なお、位置決めの際、成形型31,32と転写部材51の上下関係を逆にするなどして、それぞれの位置を調節してもよい。これによって、成形型31と成形型32の隙間が大きく、かつ転写部材51の材質が柔らかいことなどの理由によって、隙間の部分で転写部材51がたわんで、転写部材51が成形型32から浮いてしまうようなことを防ぐことができる。
また、転写部材51がシリコーンゴムなど柔軟性のある材料であり、取り扱いが困難な場合などにおいては、位置決めの際、転写部材51を金属材料、ガラス材料などの硬い材質からなる基板に固定してもよい。これによって、転写部材51の取り扱いが容易となり、位置決めがしやすくなる。
<貼り合わせ工程>
図8は、貼り合わせ工程を説明するための断面図である。この工程では、転写部材51で位置決めされた成形型31,32の間隙に、接着材料を充填し、充填した接着材料を硬化させる。接着材料を硬化させることによって、接着層41が形成される。硬化の際、成形型31,32を金属材料、ガラス材料などの硬い材質からなる基板に固定してもよい。これによって、成形型31,32が固定され、安定して硬化することができる。
接着材料は、間隙に充填させることができ、成形型31,32および転写部材51の材料との関係において硬化阻害を起こさず、適切に硬化させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、液状の材料が好ましい。これにより、成形型31と成形型32の間隙だけでなく、成形型31,32の貼り合わせ面にチッピングなどが発生した場合であっても、当該部分を良好に補完することができる。接着材料として、具体的には、各種ゴム(特に、耐久性、加工性などを考慮するとシリコーンゴムが望ましい。)、紫外線硬化樹脂などの光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが挙げられる。
なお、転写部材51と接着しにくい材料を接着材料として選定することが好ましい。例えば、転写部材51の材料をシリコーンゴムとした場合、接着材料として紫外線硬化樹脂、熱硬化型樹脂を選定することができる。接着しやすい材料を選定した場合などでは、前もって転写部材51の転写面に離型処理を施しておくことが好ましい。例えば、成形型31,32の材料がガラス材料であり、転写部材51の材料が樹脂材料である場合には、フッ素系の離型剤を転写部材51の転写面に塗布しておく。これによって、後述する転写部材51の離型を容易に行うことができるとともに良好な転写を行うことができる。
この貼り合わせ工程によって、成形型31と成形型32とが接着材料によって隙間なく貼り合わされる。この際、貼り合わせ部にチッピング部分があっても当該部分は接着材料によって補完することができる。位置決めした転写部材51における接着材料が充填される側には、共通部分341と反転する転写面が形成されるため、接着層41の成型面側に共通部分341の成型面と同じ形状が転写される。
また、成形型31と成形型32とは、間隙を介して位置決めされて貼り合わされるため、この間隙を加工精度よりも大きく設けることによって、貼り合わせ部の加工精度を気にする必要がなくなる。よって、成形型31,32の材料として、貼り合わせ面にバリなどが生じやすい材質であってもよく、幅広い材質を選定することができる。なお、間隙の範囲は、共通部分34の範囲、切断位置などを変えることによって調整することができる。
<転写部材の離型工程>
図9は、転写部材の離型工程を説明するための断面図である。この工程では転写部材51を成形型31,32および接着層41から剥離する。これによって、成形型31と成形型32と接着層41によって構成されるスクリーン成形型3が作製される。作製されたスクリーン成形型3は、位置決めの際に共通部分341を転写した転写部材51の転写面を、成形型31,32の共通部分341,342の成型面と隙間なく密着して嵌め合わせているため、成形型31,32の共通部分341,342と接着層41の成型面側の形状が位置ずれすることなく連続したものとなり、貼り合わせ部に不要な段差が形成されることのない良好なものとなる。
なお、必要に応じて成形型31、接着層41および成形型32の底面に金属板などの基板を取り付けるなどして補強したものをスクリーン成形型3としてもよい。これにより、成形型31,32などが固定され安定したスクリーン成形型3とすることができる。
<スクリーンの製造工程>
次に、スクリーンの製造方法について説明する。図10は、スクリーンの製造工程を説明するための断面図である。この工程では、前述した製造方法によって作製された、成形型31,32および接着層41によって構成されるスクリーン成形型3の成型面側を転写することによってスクリーン1を作製する。まず、スクリーン成形型3の成型面上にスクリーン1の材料を塗布する。なお、この材料としては、通常スクリーン1の材料として用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。この材料としては、具体的には、紫外線硬化樹脂、シリコーンゴムなどが挙げられる。
次に、塗布した材料を硬化させてスクリーン1を形成する。そして、スクリーン1をスクリーン成形型3から離型する。以上によって、スクリーン1が作製される。なお、このスクリーン成形型3から離型したスクリーン1に対しては必要に応じて表面処理を施してもよい。例えば、スクリーン1の投影面に白色系の塗料を塗布するなどといった周知の技術によって反射面を形成してもよい。
前述したように、貼り合わせ部に隙間および不要な段差のないスクリーン成形型3の成型面側を転写してスクリーン1を作製するため、作製されるスクリーン1についても目的としない凹凸が形成されることを防ぐことができる。
<実施形態の作用効果>
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、成形型31と成形型32との間隙に接着材料を充填し硬化することにより接着層41を形成するため、成形型31と成形型32とが接着材料によって隙間なく貼り合わされる。このため、貼り合わせ部にチッピング部分があっても当該部分を接着材料によって補完することができる。
また、成形型31,32は、転写部材51によって間隙を介して位置決めされて貼り合わされ、成形型31,32が直接接触するものではないため、成形型31,32の貼り合わせ部の加工精度を所定レベル以上にする必要がなく、容易に加工できる。
また、転写部材51における接着材料が充填される側には、共通部分341と反転する転写面が形成されるため、接着材料の成型面側に共通部分341の成型面と同じ形状が転写される。転写部材51の転写面は、位置決めの際に、共通部分341,342の成型面と隙間なく密着して嵌め合わされるため、成形型31,32が転写部材51を基準に正確かつ段差なく位置決めされ、接着材料を充填して各成形型を貼り合わせた際に、成形型31,32および接着層41の成型面も連続したものとなり、貼り合わせ部に不要な段差が形成されることを防ぐことができる。
また、成形型31,32を共通部分341,342の範囲内で切断し、共通部分341,342を間隙を介して隣接させて転写部材51で連結しているので、各成形型の貼り合わせ部分にも微細形状を設けることができる。
また、成形型31を共通部分341の範囲内で切断し、成形型32を、共通部分342の範囲内かつ成形型31の切断位置に対応する位置よりも内側の位置で切断しているため、各成形型間に隙間が形成されることになる。これにより、間隙を介して成形型31,32を配置した際に、共通部分341の端縁から共通部分342の端縁までの幅寸法を、切断前の成形型の共通部分34と一致させることができる。このため、共通部分341が成形型の隣接方向(幅方向)においてその表面の微細形状やサイズが異なる場合であっても、切断前の共通部分341を転写した転写部材51を、切断後の共通部分341,342と隙間なく密着して嵌め合わせることができる。そして、間隙に接着材料を充填して成形型31と成形型32を貼り合わせれば、貼り合わせ部分に切断前の共通部分341を完全に再現することができ、スクリーン1における光学特性を考慮して共通部分34の形状を設計することができる。
また、成形型31,32に、転写部材51との離型性を良好にする離型処理を施しておくことにより、転写部材成形工程や剥離工程において、成形型31,32と転写部材51とが剥離しやすくなり、転写部材51への成型面の転写を良好に行うことができる。
また、転写部材51に、接着層41との離型性を良好にする離型処理を施しておくことにより、剥離工程において、転写部材51と接着層41とが剥離しやすくなり、接着材料への転写面の転写を良好に行うことができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、スクリーン1は、前述したように近接投射型プロジェクター用のものとすることが好ましいが、これに限らず、通常の照射距離のプロジェクター用のものであってもよい。また、プロジェクター2の投射方向も、図1に示すようにスクリーン1の下側中央からの投射に限らず、例えばスクリーン1の上部中央から投射したり、側面から投射する構成であってもよい。
また、スクリーン1を反射型スクリーンとして説明したが、これに限ったものではなく例えば、リア型プロジェクターで用いられる透過型スクリーンに関して適用してもよい。
また、凹部33の配列は放射状に限ったものではなく、正方格子状、千鳥格子状などであってもよい。なお、正方格子状の配列などであって、成形型31,32の凹部33がそれぞれ前述した共通部分34の条件を満たすものであれば、成形型31,32の凹部33を、共通部分34の凹部形状として使用することができる。共通部分34は、転写部材51によって成形型31,32を位置決めすることができる表面形状とすれば良いため、その表面形状は転写部材51を嵌合して位置決めできるものであればよい。そのため、このように成形型31,32の光学機能のための表面形状である凹部33を、共通部分341,342の凹部として用いることにより、位置決めのためだけに光学機能のための表面形状と異なる形状をわざわざ成型面に設けなくても、転写部材51による成形型31,32の位置決めを行うことができ、かつ、成形型31,32の貼り合わせ部分にも必要な光学機能を設けることができる。
また、凹部33は、前述したようにプロジェクター2からの光を反射する凸部の形成のためのものに限ったものではない。例えば、凹部33は、マイクロレンズの凸形状を形成するためのものであってもよい。また、スクリーン1の投影面に凸部でなく凹部を形成したい場合には、成形型31,32の成型面の表面形状を凸部によって構成してもよい。
また、凹部33の形状は、略半球の凹形状に限ったものではない。図11および図12は、他の凹部形状を示す断面斜視図である。図11に示すように、前述した成形型31(成形型32についても同様)の凹部を凹溝状の凹部35とすることによって、レンチキュラーレンズのための蒲鉾状の凸形状を転写により作製する構成としてもよい。
また、図12に示すように、前述した成形型31(成形型32についても同様)の凹部33を、断面鋸歯状の凹部36とすることによって、フレネルレンズのための鋸歯状の凸形状を転写により作製する構成としてもよい。なお、これらの場合、貼り合わせは、凹部35、36に沿って行ってもよいし、そうでなくてもよい。
また、共通部分341,342が成形型31,32の端面まで設けられており、さらに、共通部分341,342が成形型31,32の少なくとも隣接方向においてその表面の微細形状およびサイズが共通に加工されている場合には、成形型31,32を切断しなくても前述した位置決めにおいて、各共通部分34の成型面と転写部材51の転写面とを隙間なく密着させることができる。よって、この場合には、前述した切断工程による成形型31,32の切断を省略してもよい。
また、前記実施形態では、2つの成形型の貼り合わせについて説明したが、これに限らず、3つ以上の成形型を貼り合わせてスクリーン成形型3を作製してもよい。この場合、各成形型同士の貼り合わせ部に本発明を適用してスクリーン成形型3を製造すればよい。これにより、より同じ大きさの成形型を使ってより大きなスクリーン成形型3を得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例について説明する。本実施例では、前述した一実施形態に基づいて実際にスクリーン成形型3を作製し、作製したスクリーン成形型3を用いてスクリーン1を作製した。
成形型31および成形型32の材質として、ガラス、アクリル系樹脂、ニッケル基板の3種類を用いてそれぞれ作製した。共通部分34の各凹部のサイズは、すべて直径がφ80μmのものを使用した。また、共通部分34における各凹部の形状がすべて同じであり、正方格子状に配列されたものを用いた。また、各共通部分341,342の幅L2は50mmとした。なお、この実施例では凹部33は、共通部分34と同じ配列で同じ形状および同じサイズとした。
転写部材51の材料は、シリコーンゴム(商品名:KE−1300T、信越化学工業社製)、樹脂材料(商品名:UV硬化樹脂NT−01UV、日東電工社製)の2種類を使用し、成形型31,32と異なる材料を選定した。また、ニッケル電鋳によっても転写部材51を作製した。ガラスとシリコーンゴムとは接着性がよいことを考慮し、材質がガラス材料とシリコーンゴムとなる組み合わせの場合には、離型剤(商品名:デュラサーフ、ハーベス社製)を成形型31,32の成型面に塗布することによって離型処理を施しておいた。なお、アクリル系樹脂、ニッケル基板とシリコーンゴムとの離型性はよいため、これらの材質の組み合わせについては、離型処理を施さなかった。
成形型31,32の切断部の加工については、フライス加工によるものとレーザ溶断加工によるものの2種類を行った。成形型31の切断は、共通部分341のほぼ中心の位置で行い、成形型32の切断は、共通部分342の範囲内で、かつ切断部分よりも成形型32において内側で行った。
成形型31と成形型32の間隙は、1.5mmとした。また、成形型31、成形型32および転写部材51の位置調整は、拡大映像を視認することによりモアレの有無を確認し、モアレの少ない方向に成形型31,32および転写部材51を移動させることなどにより行った。転写部材51を成形型32に載せた後、成形型31と成形型32の位置がずれないように、成形型31,32をガラス板に固定した。
接着層41を構成する充填材料としては、転写部材51がシリコーンゴムを材料とする場合には、シリコーンゴムと接着しない紫外線硬化樹脂(商品名:ハードロックOP−3010P、電気化学工業社製)と熱硬化型樹脂(商品名:NM−102A/B、ペルノックス社製)の2種類を使用した。
また、樹脂材料の転写部材51に対してはフッ素系離型剤(商品名:EGC−1720、住友スリーエム社製)または(商品名:デュラサーフDS−3320−z、ハーベス社製)を、転写部材51に塗布する離型剤として使用した。また、ニッケル電鋳による転写部材51に対しては、離型剤(商品名:デュラサーフHD−2101Z、ハーベス社製)を転写部材51に塗布した。
このようにして作製されたスクリーン成形型3をそれぞれ用いて、紫外線硬化樹脂、シリコーンゴムをそれぞれ材料としてスクリーン1を形成し、形成したスクリーン1の投影面に白色塗料をスプレー塗布することによってスクリーン1を作製した。以上のようにして作製したすべてのスクリーン1について、2m離れた距離から目視してもスジやムラは確認されず、良好な画像を見ることができた。
1…スクリーン、2…プロジェクター、3…スクリーン成形型、31…第1の成形型、32…第2の成形型、33…凹部、34…共通部分、34A〜34D…凹部、41…接着層、51…転写部材、51A〜51D…凸部、341…第1の成形型の共通部分、342…第2の成形型の共通部分。

Claims (8)

  1. 光学機能のための表面形状がそれぞれ成型面に形成された複数の成形型を貼り合わせてスクリーン成形型を形成するスクリーン成形型の製造方法であって、
    互いに貼り合わせる第1の成形型および第2の成形型の貼り合わせ端部側に成型面の形状が共通となる共通部分を設けておき、
    前記第1の成形型の共通部分の成型面を転写して、前記共通部分と反転する転写面を備えた転写部材を成形する転写部材成形工程と、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型とを、前記各成形型の共通部分が間隙を介して隣接するように配置するとともに、前記各成形型の共通部分に前記転写部材の前記転写面を嵌合することによって、前記第1の成形型と前記第2の成形型とを位置決めする位置決め工程と、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型とを、前記間隙に接着材料を充填して硬化させることによって貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    前記第1の成形型、前記第2の成形型および前記接着材料から前記転写部材を剥離する剥離工程と、
    を有することを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  2. 請求項1に記載のスクリーン成形型の製造方法において、
    前記位置決め工程の前に、前記各成形型を、前記共通部分の範囲内で切断する切断工程を有することを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスクリーン成形型の製造方法において、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型のどちらか一方の成形型を共通部分の範囲内で切断し、
    他方の成形型を、共通部分の範囲内かつ前記一方の成形型の切断位置に対応する位置よりも内側の位置で切断することを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のスクリーン成形型の製造方法において、
    前記各成形型の光学機能のための表面形状を、前記各成形型の共通部分として用いることを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のスクリーン成形型の製造方法において、
    前記各成形型に、前記転写部材との離型性を良好にする離型処理を施しておくことを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のスクリーン成形型の製造方法において、
    前記転写部材に、前記接着材料との離型性を良好にする離型処理を施しておくことを特徴とするスクリーン成形型の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスクリーン成形型の製造方法によって製造されたことを特徴とするスクリーン成形型。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスクリーン成形型の製造方法によってスクリーン成形型を製造するスクリーン成形型製造工程と、
    前記スクリーン成形型製造工程で製造されたスクリーン成形型を用いてスクリーンを製造するスクリーン製造工程と、
    を有することを特徴とするスクリーンの製造方法。
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