JP2010182376A - 磁気記録媒体、記録再生装置およびスタンパー - Google Patents

磁気記録媒体、記録再生装置およびスタンパー Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ヘッドの浮上変動量を十分に小さくする。
【解決手段】データ記録領域Atに凹凸パターン25によってデータトラックパターン25tが形成されると共にサーボパターン領域Asaに凹凸パターン25によってサーボパターン25saが形成され、各凹凸パターン25が、凹部27と凸部26とを備えて構成され、サーボパターン領域Asaのバーストパターン領域Abaは、複数のバースト信号単位部が回転方向(矢印R)に沿って並んだバーストパターンBP1a,BP2aが形成されたN=4個のバースト領域Ab1〜Ab4を備え、バースト領域Ab1〜Ab4のうちのM=2個(バースト領域Ab2,Ab4)に形成されている各バースト信号単位部は凹部27で構成され、バースト領域Ab1〜Ab4のうちのL=2個(バースト領域Ab1,Ab3)に形成されている各バースト信号単位部は凸部26で構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、凹部と少なくとも突端部が磁性材料で形成された凸部とを備えて構成された凹凸パターンによってデータトラックパターンやサーボパターンが形成された磁気記録媒体、その磁気記録媒体を備えて構成された記録再生装置、並びに、その磁気記録媒体、およびその磁気記録媒体を製造するためのスタンパーを製造するためのスタンパーに関するものである。
この種の磁気記録媒体として、データトラックパターンやサーボパターンが凹凸パターンで構成されたDTRタイプのパターンドディスク媒体(以下、単に「ディスク媒体」ともいう)が特開2006−31856号公報に開示されている。このディスク媒体におけるデータ領域(データ記録領域)には、凸状に形成された複数の磁性トラック(ディスクリート・トラック)と、各磁性トラックの間に凹状に形成された非磁性ガードとがデータトラックパターンとして形成されている。また、このディスク媒体におけるサーボ領域(サーボパターン領域)には、ディスク媒体の円周方向(回転方向)に分断されて半径方向に連続して長い複数の非磁性部(凹部)および磁性部(凸部)が形成されたプリアンブル部と、アドレスデータにおける符号の「1」に対応する磁性部(凸部)および符号の「0」に対応する非磁性部(凹部)が形成されたアドレス部と、バーストA〜バーストDの4種類のバーストが凹凸パターンによって形成されたバースト部とが設けられている。
この場合、このディスク媒体では、プリアンブル部における磁性部(凸部)の回転方向に沿った長さが磁性部および非磁性部の繰返し周期の50%程度となるように形成されている。したがって、このディスク媒体では、プリアンブル部における凹部の総面積とプリアンブル部における凸部の総面積との比が「1:1」(プリアンブル部における凸部の総面積をプリアンブル部における凹部の総面積で除した値(以下、凸部の総面積を凹部の総面積で除した値を「凹凸比」ともいう)が「1/1=1」)となっている。また、この種のディスク媒体では、アドレス部における凹部の総面積および凸部の総面積(すなわち、アドレスデータにおける符号の「0」、「1」の数)が同程度となっている。したがって、このディスク媒体では、アドレス部における凹部の総面積とアドレス部における凸部の総面積との比がほぼ「1:1」(アドレス部の凹凸比が「1/1=1」)となっている。さらに、このディスク媒体では、バースト部における4つのバースト(バーストA〜D)のすべてにおいてバースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が非磁性部(凹部)で構成され、その周囲が磁性部(凸部)で構成されている。したがって、このディスク媒体では、バースト部における凹部の総面積とバースト部における凸部の総面積との比が「1:3」(バースト部の凹凸比が「3/1=3」)となっている。
一方、この種のディスク媒体では、データ領域における磁性トラック(凸部)の半径方向に沿った長さ(幅)と、非磁性ガード(凹部)の半径方向に沿った長さ(幅)とが例えば互いに等しい長さとなるようにデータトラックパターンが形成されている(一例として、特開2005−38476号公報において出願人が開示したディスクリートトラック媒体(磁気記録媒体)を参照)。この場合、磁性トラック(凸部)の半径方向に沿った長さ(幅)と、非磁性ガード(凹部)の半径方向に沿った長さ(幅)とが互いに等しい長さとなるように形成されているディスク媒体においては、データ領域(データ記録領域)における凹部の総面積とデータ領域における凸部の総面積との比が「1:1」(データ領域の凹凸比が「1/1=1」となる。
特開2006−31856号公報(第5−16頁、第2,3図) 特開2005−38476号公報(第4−8頁、第2,4−6図)
ところが、従来のディスク媒体には、以下の問題点がある。すなわち、従来のディスク媒体では、サーボ領域(サーボパターン領域)におけるプリアンブル部およびアドレス部や、データ領域(データ記録領域)においては、凹部の総面積と凸部の総面積との比が「1:1」(凹凸比が「1/1=1」)となっているのに対し、サーボ領域(サーボパターン領域)におけるバースト部においては、凹部の総面積と凸部の総面積との比が「1:3」(凹凸比が「3/1=3」)となっている。この場合、この種のディスク媒体では、ディスク媒体の回転に伴ってディスク表面から浮上させられた磁気ヘッドを介して記録データの記録再生やサーボデータの読み出しが実行される。
また、従来のディスク媒体のように、データトラックパターンやサーボパターンが凹凸パターンで構成されている磁気ディスクにおいては、磁気ヘッド(ヘッドスライダ)の下方に位置する凹部の総面積が大きいときほど(凸部の総面積が小さいときほど:凹凸比が小さいほど)磁気ディスクに対する磁気ヘッドの浮上量が小さくなり、磁気ヘッド(ヘッドスライダ)の下方に位置する凸部の総面積が大きいときほど(凹部の総面積が小さいときほど:凹凸比が大きいほど)磁気ディスクに対する磁気ヘッドの浮上量が大きくなるのが知られている。したがって、従来のディスク媒体では、記録再生時において磁気ヘッドの下方にバースト部が位置していない状態(例えば、磁気ヘッドの下方にデータ領域、プリアンブル部およびアドレス部だけが位置している状態)よりも、磁気ヘッドの下方にバースト部が位置している状態(例えば、磁気ヘッドの下方にデータ領域、プリアンブル部、アドレス部およびバースト部が位置している状態)の方がヘッド浮上量が大きくなる。このため、従来のディスク媒体では、ディスク媒体の1回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量が大きくなっており、これに起因して、ヘッドクラッシュを招き易いという問題点が存在する。
より具体的には、一例として、凹凸比がそれぞれ「1/1=1」のデータ領域、プリアンブル部およびアドレス部に深さ20nmの凹部が形成されている場合、各領域内における凸部の突端面からの平均深さ(凸部の突端面を基準とした場合の各領域内の平均高さ)は10nmとなる。これに対して、凹凸比が「3/1=3」のバースト部に深さ20nmの凹部が形成されている場合、バースト部における凸部の突端面からの平均深さは5nmとなる。したがって、従来のディスク媒体では、データ領域、プリアンブル部およびアドレス部の平均深さと、バースト部の平均深さとの差が5nmとなり、これに起因して、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバースト部が位置していない状態と位置している状態とのヘッド浮上量に大きな差が生じる。この結果、ディスク媒体の1回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量が大きくなっている。
この場合、バースト部(バーストパターン領域)内に各バースト信号単位部が凸部で形成されたディスク媒体も知られている。このようなディスク媒体では、バースト部における凹部の総面積と凸部の総面積との比が「3:1」(凹凸比が「1/3」)となる。このディスク媒体において、バースト部に深さ20nmの凹部が形成されている場合、バースト部における凸部の突端面からの平均深さは15nmとなる。したがって、バースト信号単位部が凸部で形成されているディスク媒体では、データ領域、プリアンブル部およびアドレス部の平均深さと、バースト部の平均深さとの差が5nmとなり、これに起因して、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバースト部が位置していない状態と位置している状態とのヘッド浮上量に大きな差が生じる。この結果、このディスク媒体においても、1回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量が大きくなる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、磁気ヘッドの浮上変動量を十分に小さくし得る磁気記録媒体および記録再生装置と、その磁気記録媒体に対応して製造されたスタンパーとを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る磁気記録媒体は、基材の少なくとも一面におけるデータ記録領域に第1の凹凸パターンによってデータトラックパターンが形成されると共に当該一面の当該データ記録領域間におけるサーボパターン領域に第2の凹凸パターンによってサーボパターンが形成され、当該各凹凸パターンが、凹部と少なくとも突端部が磁性材料で形成された凸部とを備えて構成され、前記サーボパターン領域のバーストパターン領域は、複数のバースト信号単位部が当該磁気記録媒体の回転方向に沿って並んだバーストパターンが前記サーボパターンとして形成されたN個(Nは、2以上の自然数)のバースト領域を備え、前記N個のバースト領域のうちのM個(Mは、(N−1)以下の自然数)に形成されている前記各バースト信号単位部は前記凹部で構成され、前記N個のバースト領域のうちのL個(Lは、(N−M)の自然数)に形成されている前記各バースト信号単位部は前記凸部で構成されている。
なお、本明細書における「凹凸パターン」は、「凹部および凸部を配置した(設けた)凹凸模様」を意味する。また、本明細書における「バースト領域」とは、「1種類のバーストパターンが形成されている領域」を意味する。この場合、「1種類のバーストパターン」とは、例えば、「Aバースト」、「Bバースト」、「Cバースト」および「Dバースト」の各々を意味する。なお、バースト信号単位部が凹部で形成されているバーストパターンと、バースト信号単位部が凸部で形成されているバーストパターンとは異なる種類のバーストパターンとする。
また、本発明に係る磁気記録媒体は、前記バーストパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該バーストパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比に最も近くなるように前記Mおよび前記Lの数が規定されている。なお、本明細書における「凹部の面積」とは、凹部における開口面の面積(凹部に隣接する凸部の突端面と等しい高さの開口面積)を意味する。また、本明細書における「凸部の面積」とは、その突端面の面積を意味する。さらに、本明細書では、「凹部の面積と凸部の面積との比」を「凹凸比」ともいう。この場合、本明細書では、「凸部の面積を凹部の面積で除した値(すなわち、「凹部の面積に対する凸部の面積の比)」を「凹凸比」とする。
さらに、本発明に係る磁気記録媒体は、前記サーボパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該サーボパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比に最も近くなるように前記Mおよび前記Lの数が規定されている。
また、本発明に係る磁気記録媒体は、前記バーストパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該バーストパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記バーストパターンを除く前記サーボパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積および前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積の合計面積と、当該バーストパターンを除く当該サーボパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積および当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積の合計面積との比に最も近くなるように前記Mおよび前記Lの数が規定されている。
さらに、本発明に係る磁気記録媒体は、前記バーストパターン領域に、前記各バースト信号単位部が前記凹部で構成された前記バースト領域と、前記各バースト信号単位部が前記凸部で構成された前記バースト領域とが前記回転方向で交互に並ぶように前記バーストパターンが形成されている。
また、本発明に係る記録再生装置は、上記のいずれかの磁気記録媒体を備えて構成されている。
また、本発明に係るスタンパーは、上記のいずれかの磁気記録媒体における前記各凹凸パターンの前記凹部および前記凸部のいずれか一方に対応して形成されたスタンパー側凸部と、前記磁気記録媒体における前記各凹凸パターンの前記凹部および前記凸部の他方に対応して形成されたスタンパー側凹部とを有するスタンパー側凹凸パターンが形成されている。
本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置では、複数のバースト信号単位部が回転方向に沿って並んだバーストパターンがサーボパターンとして形成されたN個のバースト領域を備えてバーストパターン領域が構成されると共に、N個のバースト領域のうちのM個に形成されている各バースト信号単位部が凹部で構成され、かつ、N個のバースト領域のうちのL個に形成されている各バースト信号単位部が凸部で構成されている。また、本発明に係る記録再生装置は、上記の磁気記録媒体を備えて構成されている。したがって、本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置によれば、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を十分に小さくすることができるため、磁気記録媒体の一回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量を十分に小さくすることができる。これにより、この磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を搭載した記録再生装置によれば、ヘッドクラッシュの発生を防止して、磁気記録媒体や磁気ヘッドの破損を好適に回避することができる。
また、本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置によれば、バーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凹部の面積とバーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凸部の面積との比が、データトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凹部の面積とデータトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凸部の面積との比に最も近くなるように(バーストパターンの凹凸比がデータトラックパターンの凹凸比と最も近くなるように)MおよびLの数を規定したことにより、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を一層小さくすることができるため、磁気記録媒体の一回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、この磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を搭載した記録再生装置によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
また、本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置によれば、サーボパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凹部の面積とサーボパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凸部の面積との比が、データトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凹部の面積とデータトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凸部の面積との比に最も近くなるように(サーボパターンの凹凸比がデータトラックパターンの凹凸比と最も近くなるように)MおよびLの数を規定したことにより、磁気ヘッド(スライダ)の下方にサーボパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド(スライダ)の下方にサーボパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を十分に小さくすることができるため、磁気記録媒体の一回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、この磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を搭載した記録再生装置によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
また、本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置によれば、バーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凹部の面積とバーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凸部の面積との比が、バーストパターンを除くサーボパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凹部の面積およびデータトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凹部の面積の合計面積と、バーストパターンを除くサーボパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凸部の面積およびデータトラックパターンを構成する第1の凹凸パターンにおける凸部の面積の合計面積との比に最も近くなるように(バーストパターンの凹凸比が、バーストパターンを除くサーボパターンおよびデータトラックパターンの凹凸比と最も近くなるように)MおよびLの数を規定したことにより、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を一層小さくすることができるため、磁気記録媒体の一回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、この磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を搭載した記録再生装置によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
さらに、本発明に係る磁気記録媒体および記録再生装置によれば、各バースト信号単位部が凹部で構成されたバースト領域と、各バースト信号単位部が凸部で構成されたバースト領域とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンを形成したことにより、バーストパターン領域内の凹部および凸部の偏りを十分に小さくすることができるため、磁気記録媒体の一回転当りにおける磁気ヘッドの浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、この磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体を搭載した記録再生装置によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
また、本発明に係るスタンパーによれば、上記の磁気記録媒体における各凹凸パターンの凹部および凸部のいずれか一方に対応して形成されたスタンパー側凸部と、上記の磁気記録媒体における各凹凸パターンの凹部および凸部の他方に対応して形成されたスタンパー側凹部とを有するスタンパー側凹凸パターンを形成したことにより、上記の磁気記録媒体、または、上記の磁気記録媒体の製造時に使用するスタンパーを製造することができる。また、本発明に係るスタンパー(上記の磁気記録媒体を製造するためのインプリント処理用のスタンパー)によれば、磁気記録媒体における各凹凸パターンの凸部および凹部のいずれか一方に対応して形成されたスタンパー側凸部の各領域における総面積と磁気記録媒体における各凹凸パターンの他方に対応して形成されたスタンパー側凹部の各領域における総面積との各領域における比(スタンパー側凹凸パターンの各領域における凸凹比)、または、スタンパー側凹部の各領域における総面積とスタンパー側凸部の各領域における総面積との各領域における比(スタンパー側凹凸パターンの各領域における凹凸比)のばらつきが十分に小さくなっているため、磁気記録媒体の製造時におけるインプリント処理に際してスタンパー側凹凸パターンを磁気記録媒体製造用の中間体の上の樹脂層(マスク形成層)に転写する際に、各スタンパー側凸部をスタンパーの全域において均一に押し込み易くすることができる。このため、エッチング処理用の凹凸パターン(マスクパターン)を高精度で形成することができる。
ハードディスクドライブ1の構成図である。 磁気ディスク10Aの断面図である。 磁気ディスク10Aの平面図である。 磁気ディスク10Aの他の平面図である。 磁気ディスク10Aを製造するための中間体20およびスタンパー30の断面図である。 スタンパー30を製造するためのスタンパー30Aの断面図である。 スタンパー30Aを製造するためのスタンパー30Bの断面図である。 中間体20上のBマスク層22にスタンパー30の凹凸パターン35を転写して凹凸パターン45を形成した状態の断面図である。 凹凸パターン45をマスクとして用いてAマスク層21に凹凸パターン55を形成した状態の中間体20の断面図である。 磁気ディスク10Aにおける第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4と磁気ヘッド3との位置関係について説明するための説明図である。 図10における半径位置P0に磁気ヘッド3が位置している状態において磁気ヘッド3から出力される出力信号S11,S12について説明するための説明図である。 図10における半径位置P1に磁気ヘッド3が位置している状態において磁気ヘッド3から出力される出力信号S11,S12について説明するための説明図である。 図10における半径位置P2に磁気ヘッド3が位置している状態において磁気ヘッド3から出力される出力信号S11,S12について説明するための説明図である。 磁気ディスク10Bの平面図である。 磁気ディスク10Cの平面図である。 磁気ディスク10Dの平面図である。 磁気ディスク10Eの平面図である。 磁気ディスク10Fの平面図である。 磁気ディスク10Gの断面図である。 磁気ディスク10Hの断面図である。 磁気ディスク10Iの断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る磁気記録媒体、記録再生装置およびスタンパーの実施の形態について説明する。
図1に示すハードディスクドライブ1は、本発明に係る記録再生装置の一例であって、モータ2、磁気ヘッド3、検出部4、ドライバ5、制御部6、記憶部7および磁気ディスク10Aを備えて各種データの記録再生が可能に構成されている。
モータ2は、制御部6の制御に従って磁気ディスク10Aを定速回転させる。磁気ヘッド3は、スイングアーム3aを介してアクチュエータ3bに取り付けられて磁気ディスク10Aに対する記録データの記録再生時においてアクチュエータ3bによって磁気ディスク10A上を移動させられる。また、磁気ヘッド3は、磁気ディスク10Aのサーボパターン領域Asa(図3,4参照)からのサーボデータの読み出しと、データ記録領域At(図3,4参照)に対する記録データの磁気的な書き込みと、データ記録領域Atに磁気的に書き込まれている記録データの読み出しとを実行する。なお、磁気ヘッド3は、実際には磁気ディスク10Aに対して磁気ヘッド3を浮上させるためのスライダの底面(エアベアリング面)に再生用素子や記録用素子が形成されて構成されているが、スライダおよび両素子についての説明および図示を省略する。また、アクチュエータ3bは、制御部6の制御下でドライバ5から供給される駆動電流によってスイングアーム3aをスイングさせることにより、磁気ヘッド3を磁気ディスク10A上の任意の記録再生位置(任意のトラック)に移動させる。
なお、図1では、本発明についての理解を容易とするために、磁気ディスク10Aの一方の面(同図における上面)の側にだけ磁気ヘッド3が存在する状態を図示しているが、実際には、磁気ディスク10Aが両面記録媒体であるため、磁気ディスク10Aの他方の面(同図における下面)の側にも磁気ヘッド3が存在する。また、1台のハードディスクドライブ1に複数枚の磁気ディスク10Aが搭載されている場合には、1枚の磁気ディスク10Aにつき一組の磁気ヘッド3が存在する。検出部4は、磁気ヘッド3から出力された出力信号S1からサーボデータを取得(検出)し、検出信号S2として制御部6に出力する。なお、磁気ヘッド3からの出力信号S1と、この出力信号S1に対応して検出部4から出力される検出信号S2との関係については、後に詳細に説明する。ドライバ5は、制御部6から出力された制御信号に従ってアクチュエータ3bを制御して磁気ヘッド3を所望のトラックにオントラックさせる。制御部6は、ハードディスクドライブ1を総括的に制御する。また、制御部6は、検出部4から出力された検出信号S2(サーボデータ)に基づいてドライバ5を制御する(トラッキングサーボ制御処理の実行)。記憶部7は、制御部6の動作プログラムなどを記憶する。
一方、磁気ディスク10Aは、本発明に係る磁気記録媒体の一例であって、前述したモータ2や磁気ヘッド3などと共にハードディスクドライブ1の筐体内に配設されている。この磁気ディスク10Aは、垂直記録方式による記録データの記録が可能なディスクリートトラック型の磁気記録媒体(パターンド媒体)であって、図2に示すように、軟磁性層12、中間層13および磁性層14がガラス基板11の上にこの順で形成されている。この場合、磁性層14は、突端部(磁気ディスク10Aの表面側:同図における上端部)から基端部(同図における下端部)までの全体が磁性材料で形成された凸部26と、隣り合う凸部26,26間の凹部27とが形成されて凹凸パターン25を構成する。さらに、この磁気ディスク10Aでは、磁性層14に形成された凹凸パターン25を覆うようにしてダイヤモンドライクカーボン(DLC)等によって保護層15(DLC膜)が形成されている。また、保護層15の表面には、磁気ヘッド3および磁気ディスク10Aの双方の傷付きを回避するための潤滑剤が塗布されている。
ガラス基板11は、一例として、1.89インチのガラス板を表面研磨して円板状に形成されている。なお、磁気ディスク10Aに用いる基材は、上記のガラス基材に限定されず、アルミニウムやセラミックなどの各種非磁性材料で円板状に形成した基材を用いることができる。軟磁性層12は、軟磁性材料をスパッタリングすることによって薄膜状に形成されている。中間層13は、磁性層14を形成するための下地層として機能する層であって、中間層形成用材料をスパッタリングすることによって薄膜状に形成されている。磁性層14は、上記したように、凹凸パターン25(図3,4に示すデータトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)を構成する厚み18nm程度の層であって、磁性材料をスパッタリングした層に対してエッチング処理によって複数の凹部27が形成されている。なお、この磁気ディスク10Aでは、データトラックパターン25tおよびサーボパターン25saを構成する各凹部27の深さ(凸部26の突端面から凹部27の底面までの厚み方向に沿った距離)が、一例として、いずれも10nmとなるように凹凸パターン25が形成されている。
この場合、図3,4に示すように、この磁気ディスク10Aでは、その回転方向(矢印Rの向き)において隣接するデータ記録領域At,Atの間にサーボパターン領域Asaが設けられてデータ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asaが回転方向において交互に並ぶように規定されている。また、データ記録領域Atには、上記の凹凸パターン25(本発明における第1の凹凸パターンの一例)によってデータトラックパターン25tが形成されている。なお、両図および後に参照する図10,14〜18において、斜線で塗り潰した領域は、凹凸パターン25における凸部26の形成領域を表し、白色の領域は、凹凸パターン25における凹部27の形成領域を表している。この場合、データトラックパターン25tは、磁気ディスク10Aの中心を中心とする同心円状、または、螺旋状の複数の凸部26(データ記録トラック)と、凸部26,26の間の凹部27(トラック間凹部)とで構成されている。なお、磁気ディスク10Aの回転中心とデータトラックパターン25tのパターン中心とが一致しているのが好ましいが、実際には、磁気ディスク10Aの回転中心とパターン中心との間に製造誤差に起因する数μm程度の極く小さなずれが生じることがある。しかし、この程度のずれ量であれば磁気ヘッド3に対するトラッキングサーボ制御が十分に可能で、回転中心とパターン中心とは、実質的には同様であるといえる。
また、データトラックパターン25tは、一例として、凸部26(データ記録トラック)における磁気ディスク10Aの半径方向に沿った長さLtと、凹部27における半径方向に沿った長さLgとが互いに等しい長さ(一例として、長さLt=長さLg=50nm:トラックピッチTp=100nm)となり、凸部26の半径方向に沿った長さLt、および凹部27の半径方向に沿った長さLgが、磁気ディスク10Aの内周側領域から外周側領域までほぼ同一の長さとなるように形成されている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、データトラックパターン25tを構成する凹凸パターン25における凹部27の総面積とデータトラックパターン25tを構成する凹凸パターン25における凸部26の総面積との比が「1:1」、すなわち、データトラックパターン25tの凹凸比(データトラックパターン25tを構成する凹凸パターン25における凸部26の総面積をデータトラックパターン25tを構成する凹凸パターン25における凹部27の総面積で除した値)が「1/1=1」となっている。
一方、図3,4に示すように、サーボパターン領域Asaには、上記の凹凸パターン25(本発明における第2の凹凸パターンの一例)によってサーボパターン25saが形成されている。具体的には、図4に示すように、サーボパターン領域Asaには、プリアンブルパターン領域Apに凹凸パターン25によって形成されたプリアンブルパターン、アドレスパターン領域Aaに凹凸パターン25によって形成されたアドレスパターン、およびバーストパターン領域Abaに凹凸パターン25によって形成されたバーストパターンなどを有するサーボパターン25saが形成されている。なお、本発明についての理解を容易とするために、プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Aba以外のサーボ領域に関する説明を省略する。
この場合、この磁気ディスク10Aでは、従来のディスク媒体におけるプリアンブル部と同様にして、プリアンブルパターン領域Apにおける凸部26の回転方向に沿った長さが凸部26および凹部27の繰返し周期の50%程度となるように凹凸パターン25が形成されている。このため、この磁気ディスク10Aでは、プリアンブルパターンを構成する凸部26の回転方向に沿った長さと凹部27の回転方向に沿った長さとが同一半径位置(同一回転半径位置)において互いに等しくなっている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、プリアンブルパターン領域Apにおける凹部27の総面積と凸部26の総面積との比が「1:1」(プリアンブルパターンを構成する凹凸パターン25の凹凸比が「1/1=1」)となっている。また、この磁気ディスク10Aでは、従来のディスク媒体におけるアドレス部と同様にして、アドレスパターン領域Aaにおける凸部26の総面積および凹部27の総面積(すなわち、アドレスデータにおける符号の「1」、「0」の数)が同程度となっている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、アドレスパターン領域Aaにおける凹部27の総面積と凸部26の総面積との比がほぼ「1:1」(アドレスパターンを構成する凹凸パターン25の凹凸比がほぼ「1/1=1」)となっている。
また、図3に示すように、バーストパターン領域Abaには、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成された第1バースト領域Ab1、各バースト信号単位部が凹部27で形成された第2バースト領域Ab2、各バースト信号単位部が凸部26で形成された第3バースト領域Ab3、および各バースト信号単位部が凹部27で形成された第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域が磁気ディスク10Aの回転方向に沿ってこの順で並んで設けられている。なお、この磁気ディスク10Aでは、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域がそれぞれ本発明におけるN個のバースト領域に相当する(「N=4」の例)。
なお、本明細書において説明する発明の実施形態では、例えば磁気ディスク10Aにおける第1バースト領域Ab1(Aバースト)、第2バースト領域Ab2(Bバースト)、第3バースト領域Ab3(Cバースト)および第4バースト領域Ab4(Dバースト)の4つのバースト領域のように、「半径方向(回転半径方向)の内周側端部が回転方向において一致し、かつ半径方向の外周側端部が回転方向において一致するように複数のバースト信号単位部が回転方向に沿って配列されたパターンが半径方向に沿って並んで設けられている領域」を「1つのバースト領域」とする。また、各バースト信号単位部の内周側端部や外周側端部が回転方向において一致するようにバースト信号単位部が形成されている領域であっても、各バースト信号単位部が凸部26で形成されている領域と、凹部27で形成されている領域とは、相違するバースト領域とする。
この場合、この磁気ディスク10Aでは、一例として、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の回転方向に沿った長さが同一半径位置において互いに等しくなるように規定されている。また、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4には、磁気ヘッド3を所望のトラックにオントラックさせるためのヘッド位置検出用のパターンが形成されている。具体的には、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2には、データトラックパターン25tにおけるトラック中心(中心Ct)を検出させるためのバーストパターンBP1aが形成され、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4には、データトラックパターン25tにおけるトラック間凹部の中心(中心Cg)を検出させるためのバーストパターンBP2aが形成されている。
また、バーストパターンBP1aは、第1バースト領域Ab1においては、バースト信号単位部が凸部26で形成され、第2バースト領域Ab2においては、バースト信号単位部が凹部27で形成されている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、第1バースト領域Ab1においては、回転方向(矢印Rの向き)に沿って複数の凸部26が形成されて凸部26および凹部27が回転方向に沿って交互に並ぶ領域と、凹部27が回転方向において連続する領域とが半径方向で交互に並んで設けられ、第2バースト領域Ab2においては、回転方向(矢印Rの向き)に沿って複数の凹部27が形成されて凸部26および凹部27が回転方向に沿って交互に並ぶ領域と、凸部26が回転方向において連続する領域とが半径方向で交互に並んで設けられている。
また、バーストパターンBP2aは、第3バースト領域Ab3においては、バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成され、第4バースト領域Ab4においては、バースト信号単位部が凹部27で形成されている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、第3バースト領域Ab3においては、回転方向(矢印Rの向き)に沿って複数の凸部26が形成されて凸部26および凹部27が回転方向に沿って交互に並ぶ領域と、凹部27が回転方向において連続する領域とが半径方向で交互に並んで設けられ、第4バースト領域Ab4においては、回転方向(矢印Rの向き)に沿って複数の凹部27が形成されて凸部26および凹部27が回転方向に沿って交互に並ぶ領域と、凸部26が回転方向において連続する領域とが半径方向で交互に並んで設けられている。
この場合、この磁気ディスク10Aは、各バースト信号単位部が凹部27で構成されたバースト領域(第2バースト領域Ab2および第4バースト領域Ab4)と、各バースト信号単位部が凸部26で構成されたバースト領域(第1バースト領域Ab1および第3バースト領域Ab3)とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンBP1a,BP2aが形成されており、第2バースト領域Ab2および第4バースト領域Ab4の2つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=2」の例)、第1バースト領域Ab1および第3バースト領域Ab3の2つが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=2」の例)。また、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の各バースト領域には、半径方向に沿った長さが互いに等しくなるように(この例では、半径方向に沿った長さがそれぞれ200nmとなるように)複数のバースト信号単位部が回転方向に沿って並んで形成され、同一半径位置に形成された各バースト信号単位部における半径方向の内周側端部が回転方向において一致し、かつ同一半径位置に形成された各バースト信号単位部における半径方向の外周側端部が回転方向において一致するするようにサーボパターン25sa(バーストパターンBP1a,BP2a)がそれぞれ形成されている。
なお、図3では、各第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4毎に4個のバースト信号単位部が回転方向に並んで形成されている状態を図示しているが、実際には、一例として、各第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4毎に14個のバースト信号単位部が回転方向に並んで形成されている。また、各第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4毎のバースト信号単位部の形成周期(回転方向に沿った形成ピッチ)は、一例として、半径位置(回転半径位置)が14mmの位置において140nm程度で、半径位置が18mmの位置において180nm程度となっている。さらに、各第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4毎のバースト信号単位部の回転方向に沿った長さは、一例として、半径位置が14mmの位置において70nm程度で、半径位置が18mmの位置において90nm程度となっている。
また、この磁気ディスク10Aでは、第1バースト領域Ab1内に形成された凹部27の総面積と第1バースト領域Ab1内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、および第3バースト領域Ab3内に形成された凹部27の総面積と第3バースト領域Ab3内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比がいずれも「3:1」(第1バースト領域Ab1内の凹凸パターン25、および第3バースト領域Ab3内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「1/3」)となっている。さらに、この磁気ディスク10Aでは、第2バースト領域Ab2内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第2バースト領域Ab2内に形成された凸部26の総面積との比、および第4バースト領域Ab4内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第4バースト領域Ab4内に形成された凸部26の総面積との比がいずれも「1:3」(第2バースト領域Ab2内の凹凸パターン25、および第4バースト領域Ab4内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「3/1」)となっている。したがって、この磁気ディスク10Aでは、バーストパターン領域Aba内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Aba内に形成された凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンBP1a,BP2aの凹凸比が「1/1=1」)となっている。
次に、磁気ディスク10Aの製造方法について説明する。
上記の磁気ディスク10Aの製造に際しては、図5に示す中間体20およびスタンパー30を使用する。この場合、中間体20は、軟磁性層12、中間層13、および磁性層14がガラス基板11の上にこの順で形成されると共に、磁性層14の上にAマスク層21が形成されて構成されている。また、中間体20におけるAマスク層21の上には、Bマスク層22が形成されている。なお、Bマスク層22は、一例として、Aマスク層21の上に樹脂材料を塗布することで形成される。このBマスク層22の形成方法については公知のため、詳細な説明を省略する。
一方、スタンパー30は、本発明に係るスタンパーの一例であって、図6に示すスタンパー30Aを用いた射出成形処理によって樹脂材料31で円板状に形成されている。このスタンパー30は、磁気ディスク10Aにおける凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)を形成するための凹凸パターン45(図8参照)を形成可能な凹凸パターン35が形成されて、インプリント法による磁気ディスク10Aの製造が可能に構成されている。また、スタンパー30の凹凸パターン35は、本発明におけるスタンパー側凹凸パターンの一例であって、各凸部36(本発明におけるスタンパー側凸部の一例)が磁気ディスク10Aの凹凸パターン25における各凹部27に対応し、各凹部37(本発明におけるスタンパー側凹部の一例)が凹凸パターン25における各凸部26に対応して形成されている(本発明における「凹部および凸部のいずれか一方」が凹部で、この凹部に対応してスタンパー側凸部が形成されると共に、本発明における「凹部および凸部の他方」が凸部で、この凸部に対応してスタンパー側凹部が形成されている例)。
この場合、スタンパー30を用いて製造する磁気ディスク10Aでは、前述したように、データ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asa(プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Aba)のすべてにおいて、凹凸比(凹部27の総面積に対する凸部26の総面積)が「1/1=1」となるように凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)が形成されている。したがって、この凹凸パターン25に対応して凹凸パターン35が形成されているスタンパー30では、磁気ディスク10Aにおけるデータ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asaにそれぞれ対応する各領域において、凸凹比(凸部36の総面積に対する凹部37の総面積、つまり凹部37の総面積を凸部36の総面積で除した値)がほぼ「1/1=1」となっている。
また、上記したスタンパー30Aは、本発明に係るスタンパーの他の一例であって、図7に示すスタンパー30Bを用いた電解めっき処理(ニッケルメッキ処理)によってニッケル32で円板状に形成されている。このスタンパー30Aの凹凸パターン35aは、本発明におけるスタンパー側凹凸パターンの他の一例であって、各凸部36a(本発明におけるスタンパー側凸部の他の一例)が磁気ディスク10Aの凹凸パターン25における各凸部26(上記のスタンパー30における各凹部37)に対応し、各凹部37a(本発明におけるスタンパー側凹部の他の一例)が凹凸パターン25における各凹部27(上記のスタンパー30における各凸部36)に対応して形成されている(本発明における「凹部および凸部のいずれか一方」が凸部で、この凸部に対応してスタンパー側凸部が形成されると共に、本発明における「凹部および凸部の他方」が凹部で、この凹部に対応してスタンパー側凹部が形成されている例)。
さらに、上記したスタンパー30Bは、本発明に係るスタンパーのさらに他の一例であって、図示しない支持基板上に形成したニッケル33aの薄膜を電極として用いた電解めっき処理によってニッケル33bの層が形成されて全体として円板状に形成されている。このスタンパー30Bの凹凸パターン35bは、本発明におけるスタンパー側凹凸パターンのさらに他の一例であって、各凸部36b(本発明におけるスタンパー側凸部のさらに他の一例)が磁気ディスク10Aの凹凸パターン25における各凹部27(上記のスタンパー30Aにおける各凹部37a)に対応し、各凹部37b(本発明におけるスタンパー側凹部のさらに他の一例)が凹凸パターン25における各凸部26(上記のスタンパー30Aにおける各凸部36a)に対応して形成されている(本発明における「凹部および凸部のいずれか一方」が凹部で、この凹部に対応してスタンパー側凸部が形成されると共に、本発明における「凹部および凸部の他方」が凸部で、この凸部に対応してスタンパー側凹部が形成されている他の例)。なお、これらのスタンパー30,30A,30Bの製造方法については公知のため、詳細な説明を省略する。
最初に、中間体20の上のBマスク層22にスタンパー30の凹凸パターン35をインプリント法によって転写する。具体的には、スタンパー30における凹凸パターン35の形成面を中間体20の上のBマスク層22に押し付けることにより、凹凸パターン35の各凸部36を中間体20の上のBマスク層22に押し込む。この際に、上記したように、スタンパー30の各領域における凸凹比が互いに等しくなっているため、スタンパー30の全域において各凸部36をほぼ均一にBマスク層22に対して押し込み易くなっている。これにより、スタンパー30の各凸部36が押し込まれた部位の樹脂材料(Bマスク層22)が凹凸パターン35における各凹部37内に向けて移動し、中間体20からスタンパー30を剥離することにより、図8に示すように、凹部47が形成される。
なお、実際には、スタンパー30における各凸部36の突端面と中間体20におけるAマスク層21との間(凹部47の底面)に極く薄厚の樹脂材料(Bマスク層22:以下、「残渣」ともいう)が残存するが、図8では、その図示を省略している。次いで、凹部47の底面の残渣を酸素プラズマ処理によって除去することにより、中間体20におけるAマスク層21の上に、複数の凹部47と、各凹部47,47間の各凸部46(Bマスク層22)からなる凹凸パターン45が形成される。
続いて、上記の凹凸パターン45(Bマスク層22)をマスクとしてを用いてエッチング処理を実行することにより、凹凸パターン45における各凹部47の底部においてマスク(各凸部46)から露出しているAマスク層21をエッチングする。これにより、図9に示すように、凹凸パターン45における各凸部46に対応する複数の凸部56と、凹凸パターン45における各凹部47に対応する複数の凹部57を有する凹凸パターン55が中間体20における磁性層14の上(Aマスク層21)に形成される。次いで、凹凸パターン55(Aマスク層21)をマスクとして用いてエッチング処理を実行することにより、凹凸パターン55における各凹部57の底部においてマスク(各凸部56)から露出している磁性層14をエッチングして、深さ10nmの複数の凹部27を磁性層14に形成する。これにより、複数の凸部26と複数の凹部27とを有する凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)が形成される。
続いて、凹凸パターン25を覆うようにして磁性層14の上にCVD法によってダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜を成膜して保護層15を形成する。次いで、保護層15の表面に潤滑剤を塗布する。これにより、図2に示すように、磁気ディスク10Aが完成する。この後、完成した磁気ディスク10Aを磁気ヘッド3等と共に筐体内に収容することにより、ハードディスクドライブ1が完成する。
このハードディスクドライブ1では、前述したように、検出部4が制御部6の制御に従って磁気ヘッド3からの出力信号S1に基づいてサーボ信号を検出し、検出結果を検出信号S2として制御部6に出力する。一方、制御部6は、バーストパターン領域Abaにおける第1バースト領域Ab1から得られる出力信号S1と、第2バースト領域Ab2から得られる出力信号S1とに対応して検出部4から出力される検出信号S2に基づいて磁気ヘッド3のトラック中心(図3に示す中心Ct)からの位置ずれ量を特定する。また、制御部6は、第3バースト領域Ab3から得られる出力信号S1と、第4バースト領域Ab4から得られる出力信号S1とに対応して検出部4から出力される検出信号S2に基づいて磁気ヘッド3のトラック間凹部の中心(図3に示す中心Cg)からの位置ずれ量を特定する。さらに、制御部6は、特定した位置ずれ量に応じてドライバ5を制御して、磁気ヘッド3を所望の半径位置に位置させる。
この場合、この磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1においては、一例として、磁気ヘッド3の下方を第1バースト領域Ab1や第3バースト領域Ab3のバースト信号単位部を構成する凸部26が通過したときに磁気ヘッド3からの出力信号S1が高い値になると共に、バースト信号単位部を構成する凸部26の間の凹部27が通過したときに磁気ヘッド3からの出力信号S1が低い値になる。また、このハードディスクドライブ1においては、磁気ヘッド3の下方を第2バースト領域Ab2や第4バースト領域Ab4のバースト信号単位部を構成する凹部27が通過したときに磁気ヘッド3からの出力信号S1が低い値になると共に、バースト信号単位部を構成する凹部27の間の凸部26が通過したときに磁気ヘッド3からの出力信号S1が高い値になる。
より具体的には、磁気ヘッド3の再生用素子が図10に実線で示すように半径位置P0に位置している状態(磁気ヘッド3の読み取り幅方向の中心C3が中心Ctと重なっている状態)において、磁気ヘッド3の下方を第1バースト領域Ab1が通過しているときには、図11に示すように、バースト信号単位部(凸部26)に対応して+aVの出力信号S1が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凹部27に対応して0Vの出力信号S1が出力される(以下、第1バースト領域Ab1が通過しているときの出力信号S1を出力信号S11ともいう)。また、磁気ヘッド3が半径位置P0に位置している状態において、磁気ヘッド3の下方を第2バースト領域Ab2が通過しているときには、バースト信号単位部(凹部27)に対応して+aVの出力信号S1が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凸部26に対応して+2aVの出力信号S1が出力される(以下、第2バースト領域Ab2が通過しているときの出力信号S1を出力信号S12ともいう)。
また、磁気ヘッド3の再生用素子が図10に一点鎖線で示すように半径位置P1に位置している状態(磁気ヘッド3の読み取り幅方向の中心C3が中心Ctと重なっている状態から、第1バースト領域Ab1におけるバースト信号単位部に対する磁気ヘッド3の重なりが大きくなる方向に磁気ヘッド3が位置ずれした状態)において、磁気ヘッド3の下方を第1バースト領域Ab1が通過しているときには、図12に示すように、バースト信号単位部(凸部26)に対応して+a+bVの出力信号S11が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凹部27に対応して0Vの出力信号S11が出力される。また、磁気ヘッド3が半径位置P1に位置している状態において、磁気ヘッド3の下方を第2バースト領域Ab2が通過しているときには、バースト信号単位部(凹部27)に対応して+a+bVの出力信号S12が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凸部26に対応して+2aVの出力信号S12が出力される。
さらに、磁気ヘッド3の再生用素子が図10に二点鎖線で示すように半径位置P2に位置している状態(磁気ヘッド3の読み取り幅方向の中心C3が中心Ctと重なっている状態から、第2バースト領域Ab2におけるバースト信号単位部に対する磁気ヘッド3の重なりが大きくなる方向に磁気ヘッド3が位置ずれした状態)において、磁気ヘッド3の下方を第1バースト領域Ab1が通過しているときには、図13に示すように、バースト信号単位部(凸部26)に対応して+a−cVの出力信号S11が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凹部27に対応して0Vの出力信号S11が出力される。また、磁気ヘッド3が半径位置P2に位置している状態において、磁気ヘッド3の下方を第2バースト領域Ab2が通過しているときには、バースト信号単位部(凹部27)に対応して+a−cVの出力信号S12が出力されると共に、バースト信号単位部の間の凸部26に対応して+2aVの出力信号S12が出力される。
このため、磁気ヘッド3の中心C3が中心Ctと一致している状態(半径位置P0に位置している状態)、および中心C3が中心Ctから位置ずれしている状態(半径位置P1,P2等に位置している状態)のいずれの状態においても、図11〜13に示すように、出力信号S11−S12が互いに等しい値(この例では、−2aV〜0Vの間で電圧値が変動する矩形波)となる。これに対して、出力信号S11+S12は、磁気ヘッド3の半径位置に応じて異なる値となる。具体的には、磁気ヘッド3が半径位置P0に位置している状態では、図11に示すように、出力信号S11+S12が+2aVの一定値の信号となるのに対し、磁気ヘッド3が半径位置P1に位置している状態では、図12に示すように、出力信号S11+S12が+2aV〜+2a+2bVの間で電圧値が変動する矩形波となり、磁気ヘッド3が半径位置P2に位置している状態では、図13に示すように、出力信号S11+S12が+2a−2cV〜+2aVの間で電圧値が変動する矩形波となる。
この場合、上記したように、出力信号S11−S12が互いに等しい値(この例では、−2aV〜0Vの間で電圧値が変動する矩形波)のため、制御部6は、主として、上記の出力信号S11+S12に対応して出力された検出信号S2に基づき、磁気ヘッド3の中心Ctからの位置ずれ量を特定する。このように、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2のように対をなす(1組のバーストパターンを構成する)バースト領域におけるバースト信号単位部の凹凸の種類が異なる場合には、各バースト領域から得られる出力信号の和(上記の例では、「出力信号S11+S12」)に基づいてPES(Position Error Signal )を算出すればよい。なお、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2(バーストパターンBP1a)に対応する検出信号S2に基づいて中心Ctからの位置ずれ量を特定する方法について説明したが、中心Cgからの磁気ヘッド3の位置ずれ量についても第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4(バーストパターンBP2a)に対応する出力信号S1に基づいて上記の原理と同様にして特定することができる。したがって、制御部6は、検出部4からの検出信号S2に基づいて磁気ヘッド3の現在の半径位置を特定してドライバ5を制御し、これに応じて、ドライバ5がアクチュエータ3bを制御して磁気ヘッド3を磁気ディスク10A上の所望の半径位置に位置させる。
この場合、ハードディスクドライブ1に搭載されている磁気ディスク10Aは、前述したように、データ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asa(プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Aba)のすべてにおいて、凹凸比(凹部27の総面積に対する凸部26の総面積)が「1/1=1」となるように凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)が形成されている。したがって、磁気ヘッドの下方にバースト部が位置していない状態と磁気ヘッドの下方にバースト部が位置している状態とでヘッド浮上量が大きく相違する従来のディスク媒体とは異なり、この磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1では、磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abaが位置していない状態、および磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abaが位置している状態の双方において、磁気ヘッド3の浮上量が同程度となる。
このように、この磁気ディスク10Aでは、複数のバースト信号単位部が回転方向に沿って並んだバーストパターンBP1a,BP2aがサーボパターンとして形成されたN個のバースト領域(この例では、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の4個)を備えてバーストパターン領域Abaが構成されると共に、N=4個のバースト領域Ab1〜Ab4のうちのM=2個(この例では、第2バースト領域Ab2および第4バースト領域Ab4の2個)に形成されている各バースト信号単位部が凹部27で構成され、かつ、N=4個のバースト領域Ab1〜Ab4のうちのL=2個(この例では、第1バースト領域Ab1および第3バースト領域Ab3の2個)に形成されている各バースト信号単位部が凸部26で構成されている。また、このハードディスクドライブ1は、磁気ディスク10Aを備えて構成されている。
したがって、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abaが位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abaが位置している状態におけるヘッド浮上量との差を十分に小さくすることができるため、磁気ディスク10Aの一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を十分に小さくすることができる。これにより、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、ヘッドクラッシュの発生を防止して、磁気ディスク10Aや磁気ヘッド3の破損を好適に回避することができる。
また、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、バーストパターンBP1a,BP2aを構成する凹凸パターン25(サーボパターン25sa)における凹部27の面積とバーストパターンBP1a,BP2aを構成する凹凸パターン25(サーボパターン25sa)における凸部26の面積との比が、データトラックパターンを構成する凹凸パターン25(データトラックパターン25t)における凹部27の面積とデータトラックパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比(「1:1」)に最も近くなるように(バーストパターンBP1a,BP2aを構成するサーボパターン25saの凹凸比がデータトラックパターン25tの凹凸比(「1/1=1」)に最も近くなるように)本発明におけるMの数(この例では、「2」)および本発明におけるLの数(この例では、「2」)を規定したことにより、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abaが位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abaが位置している状態におけるヘッド浮上量との差を一層小さくすることができるため、磁気ディスク10Aの一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
さらに、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、各バースト信号単位部が凹部27で構成されたバースト領域(この例では、第2バースト領域Ab2および第4バースト領域Ab4)と、各バースト信号単位部が凸部26で構成されたバースト領域(この例では、第1バースト領域Ab1および第3バースト領域Ab3)とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンBP1a,BP2aを形成したことにより、バーストパターン領域Aba内の凹部27および凸部26の偏りを十分に小さくすることができる。具体的には、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、バーストパターン領域Abaにおける4つのバースト領域Ab1〜Ab4のうちの第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2だけが磁気ヘッド3(スライダ)の下方に位置する状態におけるヘッド浮上量、および磁気ディスク10Aの回転に伴ってバースト領域Ab1〜Ab4のすべてが磁気ヘッド3(スライダ)の下方に位置する状態におけるヘッド浮上量を同程度とすることができる。したがって、この磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1によれば、磁気ディスク10Aの一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
また、この磁気ディスク10Aを製造するためのスタンパー30によれば、上記の磁気ディスク10Aにおける凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)の凹部27および凸部26のいずれか一方(この例では、凹部27)に対応して形成された凸部36と、凹部27および凸部26の他方(この例では、凸部26)に対応して形成された凹部37とを有する凹凸パターン35を形成したことにより、上記の磁気ディスク10Aを製造することができる。また、このスタンパー30によれば、磁気ディスク10Aにおける凹凸パターン25の凹部27に対応して形成された凸部36の各領域における総面積と凹凸パターン25の凸部26に対応して形成された凹部37の各領域における総面積との各領域における比(凸部36の各領域における総面積に対する凹部37の各領域における総面積:凹凸パターン35の各領域における凸凹比)のばらつきが十分に小さくなっているため、磁気ディスク10Aの製造時におけるインプリント処理に際してスタンパー30の凹凸パターン35を中間体20上のBマスク層22に転写する際に、各凸部36をスタンパー30の全域において均一に押し込み易くすることができる。このため、磁性層14をエッチング処理するための凹凸パターン45(マスクパターン)を高精度で形成することができる。
さらに、上記のスタンパー30Aによれば、上記の磁気ディスク10Aにおける凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)の凹部27に対応して形成された凹部37aと、凸部26に対応して形成された凸部36aとを有する凹凸パターン35aを形成したことにより、上記のスタンパー30を製造することができる。また、上記のスタンパー30Bによれば、上記の磁気ディスク10Aにおける凹凸パターン25(データトラックパターン25tおよびサーボパターン25sa)の凹部27に対応して形成された凸部36bと、凸部26に対応して形成された凹部37bとを有する凹凸パターン35bを形成したことにより、上記のスタンパー30Aを製造することができる。
次に、本発明に係る磁気記録媒体の他の一例である磁気ディスク10B、および本発明に係る磁気記録媒体のさらに他の一例である磁気ディスク10Cをハードディスクドライブ1に搭載した例について、図面を参照して説明する。なお、磁気ディスク10B,10Cおよび後に説明する磁気ディスク10D〜10Iについて、前述した磁気ディスク10Aや磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1と共通の構成要素については、共通の符号を付して重複した説明を省略する。また、磁気ディスク10B〜10Iの製造方法や、これらに対応して製造されるスタンパーの構成および製造方法については、上記の磁気ディスク10Aの製造方法や、磁気ディスク10Aに対応して製造されたスタンパー30,30A,30Bの構成および製造方法と同様であるため、その説明や図示を省略する。
磁気ディスク10Bは、図14に示すように、前述した磁気ディスク10Aにおけるサーボパターン25saに代えてサーボパターン25sbがサーボパターン領域Asbに形成されている。また、磁気ディスク10Cは、図15に示すように、前述した磁気ディスク10Aにおけるサーボパターン25saに代えてサーボパターン25scがサーボパターン領域Ascに形成されている。
この場合、磁気ディスク10Bにおけるサーボパターン領域Asbのバーストパターン領域Abbには、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成された第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2と、各バースト信号単位部が凹部27で形成された第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域が磁気ディスク10Bの回転方向に沿ってこの順で並んで設けられている。なお、この磁気ディスク10Bでは、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域がそれぞれ本発明におけるN個のバースト領域に相当する(「N=4」の例)。この場合、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2には、バーストパターンBP1bが形成され、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4には、バーストパターンBP2bが形成されている。また、この磁気ディスク10Bでは、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4の2つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=2」の例)、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2の2つが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=2」の例)。
一方、前述した磁気ディスク10Aや上記の磁気ディスク10Bでは、磁気ヘッド3の中心Ctからの位置ずれを検出させるためのバーストパターンBP1a,BP1bが形成されている第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2が回転方向において連続し、磁気ヘッド3の中心Cgからの位置ずれを検出させるためのバーストパターンBP2a,BP2bが形成されている第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4が回転方向において連続するように構成されているが、本発明に係る磁気記録媒体の構成はこれに限定されない。例えば、磁気ディスク10Cでは、第1バースト領域Ab1と第2バースト領域Ab2とが回転方向において第3バースト領域Ab3を挟んで互いに離間すると共に、第3バースト領域Ab3と第4バースト領域Ab4とが回転方向において第2バースト領域Ab2を挟んで互いに離間するように4つのバースト領域Ab1〜Ab4がバーストパターン領域Abc内に規定されている。なお、この磁気ディスク10Cでは、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域がそれぞれ本発明におけるN個のバースト領域に相当する(「N=4」の例)。
また、磁気ディスク10Cにおけるサーボパターン領域Ascの第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成されたバーストパターンBP1ca,BP1cbが形成され、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凹部27で形成されたバーストパターンBP2ca,BP2cbが形成されている。この場合、この磁気ディスク10Cでは、上記のバーストパターンBP1ca,BP1cbが相俟って前述した磁気ディスク10A,10BにおけるバーストパターンBP1a,BP1bと同様のパターンとして機能し、上記のバーストパターンBP2ca,BP2cbが相俟って前述した磁気ディスク10A,10BにおけるバーストパターンBP2a,BP2bと同様のパターンとして機能する。
また、磁気ディスク10Cは、各バースト信号単位部が凹部27で構成されたバースト領域(第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4)と、各バースト信号単位部が凸部26で構成されたバースト領域(第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2)とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンBP1ca,BP2ca,BP1cb,BP2cbが形成されており、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4の2つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=2」の例)、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2の2つが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=2」の例)。
この場合、磁気ディスク10B(10C)では、第1バースト領域Ab1内に形成された凹部27の総面積と第1バースト領域Ab1内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、および第2バースト領域Ab2内に形成された凹部27の総面積と第2バースト領域Ab2内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比がいずれも「3:1」(第1バースト領域Ab1内の凹凸パターン25、および第2バースト領域Ab2内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「1/3」)となっている。さらに、この磁気ディスク10B(10C)では、第3バースト領域Ab3内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第3バースト領域Ab3内に形成された凸部26の総面積との比、および第4バースト領域Ab4内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第4バースト領域Ab4内に形成された凸部26の総面積との比がいずれも「1:3」(第3バースト領域Ab3内の凹凸パターン25、および第4バースト領域Ab4内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「3/1」)となっている。
したがって、磁気ディスク10Bでは、バーストパターン領域Abb内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Abb内に形成された凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンBP1b,BP2bの凹凸比が「1/1=1」)となっている。また、磁気ディスク10Cでは、バーストパターン領域Abc内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Aba内に形成された凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンBP1ca,BP1cb,BP2ca,BP2cbの凹凸比が「1/1=1」)となっている。
このため、磁気ディスク10B(10C)は、前述した磁気ディスク10Aと同様にして、データ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asb(Asc)(プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Abb(Abc))のすべてにおいて、凹部27の総面積と凸部26の総面積との比が「1:1」(凹凸パターン25の凹凸比:凹部27の総面積に対する凸部26の総面積が「1/1=1」)となっている。したがって、この磁気ディスク10B(10C)を搭載したハードディスクドライブ1では、磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abb(Abc)が位置していない状態、および磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abb(Abc)が位置している状態の双方において、磁気ヘッド3の浮上量が同程度となる。
このように、この磁気ディスク10B(10C)、および磁気ディスク10B(10C)を搭載したハードディスクドライブ1によれば、前述した磁気ディスク10A、および磁気ディスク10Aを搭載したハードディスクドライブ1と同様にして、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abb(Abc)が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abb(Abc)が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を十分に小さくすることができるため、磁気ディスク10B(10C)の一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を十分に小さくすることができる。これにより、この磁気ディスク10B(10C)、および磁気ディスク10B(10C)を搭載したハードディスクドライブ1によれば、ヘッドクラッシュの発生を防止して、磁気ディスク10B(10C)や磁気ヘッド3の破損を好適に回避することができる。
なお、磁気ディスク10B,10Cのように、対をなすバースト領域(この例では、「第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2」や、「第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4」)においてバースト信号単位部の凹凸の種類が同じ場合には、各バースト領域から得られる出力信号の差(例えば、前述した「出力信号S11−S12」)を基にPESを算出すればよい。具体的には、上記の磁気ディスク10B,10Cでは、バースト信号単位部が凸部26で形成されている第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2においては、バースト信号単位部が凸部だけで形成された従来の磁気ディスクについてのPESの算出方法と同様の手順でPESを算出し、バースト信号単位部が凹部27で形成されている第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4においては、バースト信号単位部が凹部だけで形成された従来の磁気ディスクについてのPESの算出方法と同様の手順でPESを算出すればよい。
一方、出願人は、上記の磁気ディスク10A〜10Cと、従来のディスク媒体と同様にしてバースト領域Ab1〜Ab4のすべてにおいてバースト信号単位部を凸部26で形成した磁気ディスク(以下、「磁気ディスク10x1」ともいう:図示せず)と、従来の他のディスク媒体と同様にしてバースト領域Ab1〜Ab4のすべてにおいてバースト信号単位部を凹部27で形成した磁気ディスク(以下、「磁気ディスク10x2」ともいう:図示せず)と、これらの磁気ディスクと同じ直径の連続磁性層型磁気ディスク(データトラックパターンやサーボパターンの形成面が平坦な磁気ディスク:以下、「磁気ディスク10x3」ともいう:図示せず)とをそれぞれ用意して、各磁気ディスク10A〜10C、10x1〜10x3毎の磁気ヘッド3の浮上変動量を測定した。
なお、測定に際して用意した磁気ディスク10A〜10C,10x1〜10x3は、データトラックパターンやサーボパターンの平面形状および大きさが互いに等しく、磁気ディスク10A〜10C,10x1,10x2においては、凹部27の深さも互いに等しい10nmとなるように形成した。また、浮上変動量を測定する磁気ヘッドとして、磁気ディスク10x3を3600rpmで定速回転させた際のヘッド浮上量が15nmとなるように設計・製作されたスライダーを有する磁気ヘッド(以下、「磁気ヘッドA」ともいう)、およびヘッド浮上量が10nmとなるように設計・製作されたスライダーを有する磁気ヘッド(以下、「磁気ヘッドB」ともいう)の2種類を用意した。
さらに、磁気ヘッドの浮上変動量については、一例として、グラフテック製のレーザードップラー振動計(Laser Doppler Vibrometer)「AT3600」および「AT0042」を組み合わせて使用すると共に、レーザー光源として「He−Neレーザー(波長632.8nm)を用いて以下の条件で測定した。
[測定条件]
磁気ディスクの回転速度:3600rpm
測定位置:半径位置=16mm
測定振動数:40〜200kHz
速度レンジ:10−1m/s/V
変位レンジ:10−7m/V
レーザー光をスライダの背面に照射して測定
この場合、ディスク表面に凹凸が存在しない磁気ディスク10x3においては、磁気ヘッドA,Bのいずれを使用した場合においても、磁気ディスク10x3の1回転当りにおける浮上変動量(1回転当りの磁気ヘッドの高低差)が共に2nmであった。一方、磁気ディスク10x1や磁気ディスク10x2では、磁気ヘッドA,Bのいずれを使用した場合においてもヘッドクラッシュが発生し、浮上変動量を測定することができなかった。これに対して、磁気ディスク10A〜10Cでは、磁気ヘッドAを使用した場合の浮上変動量が磁気ディスク10x3と等しい2nmとなり、磁気ヘッドBを使用した場合の浮上変動量が磁気ディスク10A,10Cでは、磁気ディスク10x3と等しい2nmとなり、磁気ディスク10Bでは、磁気ディスク10x3よりもやや大きい4nmとなった。したがって、4つのバースト領域Ab1〜Ab4のうちの2つにおいてバースト信号単位部を凹部27で形成し、他の2つにおいてバースト信号単位部を凸部26で形成した磁気ディスク10A〜10Cにおいて、その磁気ヘッドの浮上変動量を、ディスク表面に凹凸が存在しない磁気ディスク10x3と同程度の非常に小さな値とすることができるのが理解できる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、前述した磁気ディスク10A〜10Cでは、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2に形成した凹凸パターン25(バーストパターン)によって中心Ctに対する磁気ヘッド3の位置ずれ量を検出させ、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4に形成した凹凸パターン25(バーストパターン)によって中心Cgに対する磁気ヘッド3の位置ずれ量を検出させる構成を採用している。一方、図16に示す磁気ディスク10Dでは、バースト領域Ab1a,Ab1bの2つで第1バースト領域Ab1を構成し、バースト領域Ab2a,Ab2bの2つで第2バースト領域Ab2を構成し、バースト領域Ab3a,Ab3bの2つで第3バースト領域Ab3を構成し、バースト領域Ab4a,Ab4bの2つで第4バースト領域Ab4を構成した上で、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2に形成した凹凸パターン25(バーストパターンBP1d)によって中心Ctに対する磁気ヘッド3の位置ずれ量を検出させ、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4に形成した凹凸パターン25(バーストパターンBP2d)によって中心Cgに対する磁気ヘッド3の位置ずれ量を検出させる構成を採用している。
この磁気ディスク10Dは、前述した磁気ディスク10Aにおけるサーボパターン25sa等に代えてサーボパターン25sdがサーボパターン領域Asdに形成されている。また、サーボパターン領域Asdにおける第1バースト領域Ab1のバースト領域Ab1a、第2バースト領域Ab2のバースト領域Ab2a、第3バースト領域Ab3のバースト領域Ab3a、および第4バースト領域Ab4のバースト領域Ab4aの4つの領域には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成されている。さらに、サーボパターン領域Asdにおける第1バースト領域Ab1のバースト領域Ab1b、第2バースト領域Ab2のバースト領域Ab2b、第3バースト領域Ab3のバースト領域Ab3b、および第4バースト領域Ab4のバースト領域Ab4bの4つの領域には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凹部27で形成されている。
この場合、この磁気ディスク10Dでは、バースト領域Ab1a〜Ab4a,Ab1b〜Ab4bの8つが本発明におけるN個のバースト領域に相当する。また、この磁気ディスク10Dは、各バースト信号単位部が凹部27で構成されたバースト領域(バースト領域Ab1b〜Ab4b)と、各バースト信号単位部が凸部26で構成されたバースト領域(バースト領域Ab1a〜Ab4a)とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンBP1d,BP2dが形成されており、バースト領域Ab1b〜Ab4bの4つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=4」の例)、バースト領域Ab1a〜Ab4aの4つが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=4」の例)。なお、この磁気ディスク10Dでは、一例として、バースト領域Ab1aの回転方向に沿った長さとバースト領域Ab1bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab2aの回転方向に沿った長さとバースト領域Ab2bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab3aの回転方向に沿った長さとバースト領域Ab3bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab4aの回転方向に沿った長さとバースト領域Ab4bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しくなるように規定されている。
なお、この磁気ディスク10Dでは、一例として、バースト領域Ab1aから得られる出力信号およびバースト領域Ab2aから得られる出力信号に基づいて第1のPESを算出すると共に、バースト領域Ab1bから得られる出力信号およびバースト領域Ab2bから得られる出力信号に基づいて第2のPESを算出し、これらの2つのPESを平均したものをPESとして用いることで、磁気ヘッド3の半径方向におけるヘッド位置を特定することができる。
また、この磁気ディスク10Dでは、バースト領域Ab1a内に形成された凹部27の総面積とバースト領域Ab1a内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、バースト領域Ab2a内に形成された凹部27の総面積とバースト領域Ab2a内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、バースト領域Ab3a内に形成された凹部27の総面積とバースト領域Ab3a内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、およびバースト領域Ab4a内に形成された凹部27の総面積とバースト領域Ab4a内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比がいずれも「3:1」(バースト領域Ab1a,Ab2a,Ab3a,Ab4a内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「1/3」)となっている。
さらに、この磁気ディスク10Dでは、バースト領域Ab1b内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積とバースト領域Ab1b内に形成された凸部26の総面積との比、バースト領域Ab2b内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積とバースト領域Ab2b内に形成された凸部26の総面積との比、バースト領域Ab3b内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積とバースト領域Ab3b内に形成された凸部26の総面積との比、およびバースト領域Ab4b内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積とバースト領域Ab4b内に形成された凸部26の総面積との比がいずれも「1:3」(バースト領域Ab1b,Ab2b,Ab3b,Ab4b内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「3/1=3」)となっている。したがって、この磁気ディスク10Dでは、バーストパターン領域Abd内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Abd内に形成された凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンBP1d,BP2dの凹凸比が「1/1=1」)となっている。
一方、図17に示す磁気ディスク10Eでは、前述した磁気ディスク10Aにおけるサーボパターン25sa等に代えてサーボパターン25seがサーボパターン領域Aseに形成されている。また、サーボパターン領域Aseにおける第1バースト領域Ab1、第3バースト領域Ab3、および第5バースト領域Ab5の3つの領域には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成されている。さらに、サーボパターン領域Aseにおける第2バースト領域Ab2、第4バースト領域Ab4および第6バースト領域Ab6の3つの領域には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凹部27で形成されている。この場合、この磁気ディスク10Eでは、前述した磁気ディスク10A等におけるバーストパターンBP1a,BP2a等に代えて、第1バースト領域Ab1および第2バースト領域Ab2に形成されたバーストパターンBP1eと、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4に形成されたバーストパターンBP2eと、第5バースト領域Ab5および第6バースト領域Ab6に形成されたバーストパターンBP3eとの3組のバーストパターンによって中心Ct,Cgからの磁気ヘッド3の位置ずれ量を検出させる構成が採用されている。
また、この磁気ディスク10Eでは、第1バースト領域Ab1〜第6バースト領域Ab6の6つが本発明におけるN個のバースト領域に相当する。また、この磁気ディスク10Eは、各バースト信号単位部が凹部27で構成されたバースト領域(第2バースト領域Ab2、第4バースト領域Ab4および第6バースト領域Ab6)と、各バースト信号単位部が凸部26で構成されたバースト領域(第1バースト領域Ab1、第3バースト領域Ab3および第5バースト領域Ab5)とが回転方向で交互に並ぶようにバーストパターンBP1e〜BP3eが形成されており、第2バースト領域Ab2、第4バースト領域Ab4および第6バースト領域Ab6の3つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=3」の例)、第1バースト領域Ab1、第3バースト領域Ab3および第5バースト領域Ab5の3つが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=3」の例)。
さらに、この磁気ディスク10Eでは、第1バースト領域Ab1内に形成された凹部27の総面積と第1バースト領域Ab1内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、第3バースト領域Ab3内に形成された凹部27の総面積と第3バースト領域Ab3内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、および第5バースト領域Ab5内に形成された凹部27の総面積と第5バースト領域Ab5内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比がいずれも「3:1」(第1バースト領域Ab1内の凹凸パターン25、第3バースト領域Ab3内の凹凸パターン25、および第5バースト領域Ab5内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「1/3」)となっている。
また、この磁気ディスク10Eでは、第2バースト領域Ab2内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第2バースト領域Ab2内に形成された凸部26の総面積との比、第4バースト領域Ab4内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第4バースト領域Ab4内に形成された凸部26の総面積との比、および第6バースト領域Ab6内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第6バースト領域Ab6内に形成された凸部26の総面積との比がいずれも「1:3」(第2バースト領域Ab2内の凹凸パターン25、第4バースト領域Ab4内の凹凸パターン25、および第6バースト領域Ab6内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「3/1」)となっている。したがって、この磁気ディスク10Eでは、バーストパターン領域Abe内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Abe内に形成された凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンBP1e,BP2e,BP3eの凹凸比が「1/1=1」)となっている。
このため、上記の磁気ディスク10D(10E)は、前述した磁気ディスク10Aなどと同様にして、データ記録領域Atおよびサーボパターン領域Asd(Ase)(プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Abd(Abe))のすべてにおいて、凹部27の総面積と凸部26の総面積との比が「1:1」(凹凸パターン25の凹凸比:凹部27の総面積に対する凸部26の総面積が「1/1=1」)となっている。したがって、この磁気ディスク10D(10E)を搭載したハードディスクドライブ1では、磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abd(Abe)が位置していない状態、および磁気ヘッド3の下方にバーストパターン領域Abd(Abe)が位置している状態の双方において、磁気ヘッド3の浮上量が同程度となる。
この場合、上記した磁気ディスク10A〜10Eでは、データ記録領域At内の凹部27の総面積とデータ記録領域At内の凸部26の総面積との比が「1:1」(データトラックパターン25tの凹凸比が「1/1=1」)となっているため、本発明における「バーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凸部の面積とバーストパターンを構成する第2の凹凸パターンにおける凹部の面積との比(バーストパターンを構成する凹凸パターン25の凹凸比)」をこの「1/1=1」に最も近い値とするために、「M」および「L」の数を互いに等しい値に規定している。一方、データ記録領域At内の凹部27の総面積とデータ記録領域At内の凸部26の総面積との比が「1:1」(データトラックパターン25tの凹凸比が「1/1=1」)以外の比の場合には、この比(値)に応じて本発明における「M」および「L」の数をそれぞれ規定する。
具体的には、例えば図18に示す磁気ディスク10Fでは、データ記録領域At内の凸部26(データ記録トラック)の半径方向に沿った形成ピッチ(トラックピッチTp)が磁気ディスク10A〜10Eと等しく、かつ、凹部27(データ記録トラックの間の凹部)の半径方向に沿った長さLgfと、凸部26(データ記録トラック)の半径方向に沿った長さLtfとの比が、一例として、「Lgf:Ltf=1:2」となるようにデータ記録領域At内にデータトラックパターン25tfが形成されている。したがって、この磁気ディスク10Fでは、データトラックパターン25tfを構成する凹凸パターン25における凹部27の総面積とデータトラックパターン25tfを構成する凹凸パターン25における凸部26の総面積との比が「1:2」(データトラックパターン25tfの凹凸比が「2/1=2」となっている。
また、この磁気ディスク10Fでは、前述した磁気ディスク10Aにおけるサーボパターン25sa等に代えてサーボパターン25sfがサーボパターン領域Asfに形成されている。この場合、サーボパターン領域Asfのバーストパターン領域Abfは、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の4つのバースト領域が回転方向に沿って並んで設けられ(「N=4」の例)、凹凸パターン25によってバーストパターンBP1f,BP2fが形成されている。また、サーボパターン領域Asfにおける第1バースト領域Ab1、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4の3つの領域には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凹部27で形成され、サーボパターン領域Asfにおける第2バースト領域Ab2には、各バースト信号単位部(平面視四角形状の単位信号領域)が凸部26で形成されている。この場合、この磁気ディスク10Fでは、第1バースト領域Ab1、第3バースト領域Ab3および第4バースト領域Ab4の3つが本発明におけるM個のバースト領域に相当し(「M=3」の例)、第2バースト領域Ab2だけが本発明におけるL個のバースト領域に相当する(「L=1」の例)。
また、この磁気ディスク10Fでは、第1バースト領域Ab1内に形成された凹部27の総面積と第1バースト領域Ab1内に形成された凸部26(バースト信号単位部)の総面積との比、第3バースト領域Ab3内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第3バースト領域Ab3内に形成された凸部26の総面積との比、および第4バースト領域Ab4内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第4バースト領域Ab4内に形成された凸部26の総面積との比がいずれも「1:3」(第1バースト領域Ab1内の凹凸パターン25、第3バースト領域Ab3内の凹凸パターン25、および第4バースト領域Ab4内の凹凸パターン25の凹凸比がいずれも「3/1」)となっている。さらに、この磁気ディスク10Fでは、第2バースト領域Ab2内に形成された凹部27(バースト信号単位部)の総面積と第2バースト領域Ab2内に形成された凸部26の総面積との比が「3:1」(第2バースト領域Ab2内の凹凸パターン25の凹凸比が「1/3」)となっている。
したがって、この磁気ディスク10Fでは、バーストパターン領域Abf内に形成された凹部27の総面積とバーストパターン領域Abf内の凸部26の総面積との比が「1・(3/4)+3・(1/4):1・(1/4)+3・(3/4)=6:10」(バーストパターンBP1f,BP2fの凹凸比が「10/6」)で、データトラックパターン25tfを構成する凹凸パターン25における凹部27の総面積とデータトラックパターン25tfを構成する凹凸パターン25における凸部26の総面積との比「1:2」(データトラックパターン25tfの凹凸比「2/1」)に最も近い値となっている。この場合、本発明における「M」および「L」の数をそれぞれ「2」に規定した場合には、前述した磁気ディスク10A等と同様にして、バーストパターン領域Abf内の凹部27の総面積とバーストパターン領域Abf内の凸部26の総面積との比が「1:1」(バーストパターンを構成する凹凸パターン25の凹凸比が「1/1=1」)となり、データトラックパターン25tfの凹部27の総面積と凸部26の総面積との比「1:2」(データトラックパターン25tfの凹凸比「2/1」)とは大きく相違する値となる。
したがって、この磁気ディスク10Fでは、上記したように、本発明における「M」の数を「3」に規定すると共に、本発明における「L」の数を「1」に規定することで、バーストパターン領域Abf内の凹部27の総面積と凸部26の総面積との比(バーストパターンBP1f,BP2fの凹凸比)を、データ記録領域At内の凹部27の総面積と凸部26の総面積との比(データトラックパターン25tfの凹凸比)に最も近い自然数としている。これにより、この磁気ディスク10Fを搭載したハードディスクドライブ1によれば、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abfが位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域Abfが位置している状態におけるヘッド浮上量との差を一層小さくすることができるため、磁気ディスク10Fの1回転当りの磁気ヘッド3の浮上変動量を十分に小さくすることができる。これにより、この磁気ディスク10F、および磁気ディスク10Fを搭載したハードディスクドライブ1によれば、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
この場合、上記の磁気ディスク10A〜10Fでは、バーストパターンを構成する凹凸パターン25(第2の凹凸パターン)における凹部27の面積とバーストパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比が、データトラックパターンを構成する凹凸パターン25(第1の凹凸パターン)における凹部27の面積とデータトラックパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比に最も近くなるように本発明におけるMおよびLの数を規定しているが、本発明はこれに限定されず、磁気ヘッド(ヘッドスライダ)の浮上特性、および磁気ディスクの直径や想定される回転速度等に応じて、上記の規定方法の他に、一例として、以下に説明する規定方法に従って本発明におけるMおよびLの数を規定することができる。
具体的には、一例として、サーボパターンを構成する凹凸パターン25(プリアンブルパターン領域Ap、アドレスパターン領域Aaおよびバーストパターン領域Ab内に形成された凹凸パターン25:第2の凹凸パターン)における凹部27の面積とサーボパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比が、データトラックパターンを構成する凹凸パターン25(データ記録領域At内に形成された凹凸パターン25:第1の凹凸パターン)における凹部27の面積とデータトラックパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比に最も近くなるように本発明におけるMおよびLの数を規定することができる。このような構成を採用することにより、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にサーボパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にサーボパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を十分に小さくすることができるため、磁気ディスク(磁気記録媒体)の一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
また、バーストパターンを構成する凹凸パターン25(バーストパターン領域Ab内に形成された凹凸パターン25:第2の凹凸パターン)における凹部27の面積とバーストパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積との比が、バーストパターンを除くサーボパターンを構成する凹凸パターン25(アドレスパターン領域Aaおよびプリアンブルパターン領域Ap内に形成された凹凸パターン25:第2の凹凸パターン)における凹部27の面積およびデータトラックパターンを構成する凹凸パターン25(データ記録領域At内に形成された凹凸パターン25:第1の凹凸パターン)における凹部27の面積の合計面積と、バーストパターンを除くサーボパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積およびデータトラックパターンを構成する凹凸パターン25における凸部26の面積の合計面積との比に最も近くなるように本発明におけるMおよびLの数を規定することもできる。このような構成を採用することにより、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置していない状態におけるヘッド浮上量と、磁気ヘッド3(スライダ)の下方にバーストパターン領域が位置している状態におけるヘッド浮上量との差を一層小さくすることができるため、磁気ディスク(磁気記録媒体)の一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を一層小さくすることができる。これにより、ヘッドクラッシュの発生を確実に防止することができる。
一方、上記の磁気ディスク10A〜10Fでは、凹部27の底面に磁性層14が存在するように(凹部27の深さが磁性層14の厚みよりも浅くなるように)凹凸パターン25が形成されているが、本発明における第1の凹凸パターンおよび第2の凹凸パターンの構成はこれに限定されない。例えば、図19に示す磁気ディスク10Gのように、磁性層14の下方の層(この例では、中間層13)に達する深さの凹部27を形成して本発明における第1の凹凸パターンおよび第2の凹凸パターンに相当する凹凸パターン25を構成することもできる。また、図20に示す磁気ディスク10Hや、図21に示す磁気ディスク10Iのように、磁性層14に形成した凹部27内に非磁性材料16を埋め込むこともできる。
この場合、上記の磁気ディスク10G,10Hにおいては、前述した磁気ディスク10A〜10Fなどと同様に本発明における「M」および「L」の数を規定して凹凸パターン25を形成することで1回転当りの磁気ヘッド3の浮上変動量を十分に小さくすることができる。また、凸部26の突端面と同じ高さまで凹部27内に非磁性材料16を埋め込んだ磁気ディスク10I(ディスク表面が平坦化された磁気ディスク)については、本発明における「M」および「L」をどのような数に規定したとしても、前述した磁気ディスク10x3と同様の浮上変動量となるが、この磁気ディスク10Iにおいても、前述した磁気ディスク10A〜10Fなどと同様に本発明における「M」および「L」の数を規定することで、その製造時にスタンパーの各凸部36を中間体20の全域において均一に押し込み易くすることができる。
さらに、第1バースト領域Ab1〜第4バースト領域Ab4の回転方向に沿った長さが同一半径位置において互いに等しくなるように規定した例(磁気ディスク10A〜10F)について説明したが、これらの長さを相違する長さに規定することもできる。また、バースト領域Ab1a,Ab1bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab2a,Ab2bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab3a,Ab3bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しく、バースト領域Ab4a,Ab4bの回転方向に沿った長さとが同一半径位置において互いに等しくなるように規定した例(磁気ディスク10D)について説明したが、これらの長さについても互いに相違する長さに規定することもできる。この場合、これらの長さを互いに相違する長さに規定したときには、上記の各種規定方法に従って、バースト信号単位部を凹部27で構成するバースト領域の数(本発明における「M」の数)およびバースト信号単位部を凸部26で構成するバースト領域の数(本発明における「L」の数)を規定してバーストパターンを形成するのが好ましい。これにより、前述した磁気ディスク10A等と同様にして、一回転当りにおける磁気ヘッド3の浮上変動量を十分に小さくすることができる。
加えて、上記の各磁気ディスク10A〜10Iでは、複数の同心円状、または螺旋状の凸部26(記録領域)を有する凹凸パターン25によってデータ記録領域Atにデータトラックパターン25tやデータトラックパターン25tfが形成されているが、本発明はこれに限定されず、データトラックパターンにおけるデータ記録トラックを構成する凸部が磁気記録媒体の回転方向(周方向)において凹部を挟むようにして互いに分離させられているパターンド媒体に本発明を適用することもできる。
1 ハードディスクドライブ
3 磁気ヘッド
4 検出部
6 制御部
10A〜10I 磁気ディスク
11 ガラス基板
14 磁性層
20 中間体
22 Bマスク層
25,35,35a,35b,45,55 凹凸パターン
25sa〜25sf サーボパターン
25t,25tf データトラックパターン
26,36,36a,36b,46,56 凸部
27,37,37a,37b,47,57 凹部
30,30A,30B スタンパー
Aa アドレスパターン領域
Aba〜Abf バーストパターン領域
Ab1,Ab1a,Ab1b 第1バースト領域
Ab2,Ab2a,Ab2b 第2バースト領域
Ab3,Ab3a,Ab3b 第3バースト領域
Ab4,Ab4a,Ab4b 第4バースト領域
Ab5 第5バースト領域
Ab6 第6バースト領域
Ap プリアンブルパターン領域
Asa〜Asf サーボパターン領域
At データ記録領域
BP1a〜BP1f,BP1ca,BP1cb,BP2a〜BP2f,BP2ca,BP2cb,BP3e バーストパターン

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも一面におけるデータ記録領域に第1の凹凸パターンによってデータトラックパターンが形成されると共に当該一面の当該データ記録領域間におけるサーボパターン領域に第2の凹凸パターンによってサーボパターンが形成され、当該各凹凸パターンが、凹部と少なくとも突端部が磁性材料で形成された凸部とを備えて構成され、
    前記サーボパターン領域のバーストパターン領域は、複数のバースト信号単位部が当該磁気記録媒体の回転方向に沿って並んだバーストパターンが前記サーボパターンとして形成されたN個(Nは、2以上の自然数)のバースト領域を備え、
    前記N個のバースト領域のうちのM個(Mは、(N−1)以下の自然数)に形成されている前記各バースト信号単位部は前記凹部で構成され、
    前記N個のバースト領域のうちのL個(Lは、(N−M)の自然数)に形成されている前記各バースト信号単位部は前記凸部で構成されている磁気記録媒体。
  2. 前記Mおよび前記Lの数は、前記バーストパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該バーストパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比に最も近くなるように規定されている請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記Mおよび前記Lの数は、前記サーボパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該サーボパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比に最も近くなるように規定されている請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 前記Mおよび前記Lの数は、前記バーストパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積と当該バーストパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積との比が、前記バーストパターンを除く前記サーボパターンを構成する前記第2の凹凸パターンにおける前記凹部の面積および前記データトラックパターンを構成する前記第1の凹凸パターンにおける前記凹部の面積の合計面積と、当該バーストパターンを除く当該サーボパターンを構成する当該第2の凹凸パターンにおける前記凸部の面積および当該データトラックパターンを構成する当該第1の凹凸パターンにおける前記凸部の面積の合計面積との比に最も近くなるように規定されている請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 前記バーストパターン領域には、前記各バースト信号単位部が前記凹部で構成された前記バースト領域と、前記各バースト信号単位部が前記凸部で構成された前記バースト領域とが前記回転方向で交互に並ぶように前記バーストパターンが形成されている請求項1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体を備えて構成されている記録再生装置。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体における前記各凹凸パターンの前記凹部および前記凸部のいずれか一方に対応して形成されたスタンパー側凸部と、前記磁気記録媒体における前記各凹凸パターンの前記凹部および前記凸部の他方に対応して形成されたスタンパー側凹部とを有するスタンパー側凹凸パターンが形成されたスタンパー。
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