JP2010180334A - 接着剤組成物、接着用シート及びダイシング・ダイアタッチフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)下記(B)及び/又は(C)成分に対し反応性の官能基を含む重量平均分子量5万〜150万の(メタ)アクリル系樹脂、(B)重量平均分子量5千以下のエポキシ樹脂、(C)芳香族ポリアミン化合物、並びに(D)実質的にQ単位からなる特定の親水性球状シリカ微粒子表面にT単位を導入する工程と、次いでM単位を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られる粒子径0.005〜5.0μmの疎水性球状シリカ微粒子を含む接着剤組成物;基材と、その上に設けられた上記組成物からなる層とを備えた接着用シート;基材とその上に設けられた粘着剤層とを有するダイシングフィルムと、該粘着剤層上に設けられた上記組成物からなる層とを備えたダイシング・ダイアタッチフィルム。
【選択図】なし
Description
上記問題を解決するためのもう一つの方法として、封止樹脂によるモールドが高温高圧で行われることから、残存したボイドを樹脂封止工程で加熱、圧縮して、ボイドの体積を小さくした状態で更にダイボンドフィルム中に吸収させる、または、ボイドの体積を小さくしたままダイボンドフィルムを加熱硬化させることによって、ボイドを抜く方法がある。この方法は、特別な工程を必要とせず、製造面で有利である。
(A)重量平均分子量が50,000〜1,500,000であり、下記(B)および(C)成分の一方または両方に対し反応性を有する官能基を含有する(メタ)アクリル系樹脂、
(B)重量平均分子量が5000以下のエポキシ樹脂
(C)芳香族ポリアミン化合物、ならびに
(D)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、またはそれらの組み合わせを加水分解および縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られる平均粒子径が0.005〜5.0μmの疎水性球状シリカ微粒子
を含む接着剤組成物を提供する。
(A)成分は、重量平均分子量が50,000〜1,500,000であり、下記(B)および(C)成分の一方または両方に対し反応性を有する官能基を含有する(メタ)アクリル系樹脂である。本明細書において(メタ)アクリル系樹脂とは、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸およびメタクリル酸誘導体からなる(メタ)アクリル系単量体に由来する単量体単位を含む重合体をいう。(A)成分は、一種単独で使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。二種以上を組み合わせて使用する場合、(A)成分は、前記官能基を含有する(メタ)アクリル系樹脂と前記官能基を含有しない(メタ)アクリル系樹脂との混合物であってもよい。
で表される単位を含む共重合体である。この共重合体は、単量体としてアクリロニトリルを用いることにより製造することができる。この場合、アクリロニトリルの含有量は、全単量体に対し、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%、特に好ましくは5〜30モル%である。
(B)成分は、重量平均分子量が5000以下、好ましくは150〜3000のエポキシ樹脂であり、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するものが好ましい。上記分子量が5000を超えると、(B)成分の(A)成分への溶解および分散のいずれか一方または両方が不十分となり、両成分が分離する可能性がある。(B)成分は、1種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
(C)成分の芳香族ポリアミン化合物は、芳香環を有し、かつ、該芳香環に直結した少なくとも2個のアミノ基を有する化合物であり、エポキシ樹脂用硬化剤及び触媒としての機能を有するものである。芳香族ポリアミン化合物は、融点を有し、ワイヤボンディング工程での加熱下では固体であるため、芳香族ポリアミン化合物を含む組成物は硬化反応が緩やかに進行する。このため、該組成物では加熱硬化による溶融粘度の上昇を有効に抑えることができる。また、芳香族ポリアミン化合物を含む組成物を加熱硬化させて得られる硬化物は耐熱性に優れる。よって、(C)成分の芳香族ポリアミン化合物を含む本発明組成物は、従来のものと比較して、埋め込み性能が改善され、かつ、硬化後の耐熱性に優れたものとなりやすい。(C)成分は一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
(D)成分は、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、またはそれらの組み合わせを加水分解および縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られる平均粒子径が0.005〜5.0μmの疎水性球状シリカ微粒子であり、本発明の接着剤組成物に充填剤として配合される。(D)成分の疎水性球状シリカ微粒子は、高度に表面処理されており、小粒子径でありながら、従来にない高分散性、低凝集性を有する。また、(D)成分は樹脂組成物中で良好に分散性し、(D)成分を配合した樹脂組成物は高い透明性および高い流動性を示す。(D)成分は一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。なお、(D)成分およびその製法は公知であり、特許文献5に開示されている。
(A1)一般式(I):
Si(OR3)4 (I)
(但し、R3は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基)
で示される4官能性シラン化合物またはその部分加水分解生成物またはこれらの混合物を塩基性物質の存在下親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、縮合することによって実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液を得、
(A2)得られた親水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液に、一般式(II):
R1Si(OR4)3 (II)
(但し、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、R4は同一または異種の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基)
で示される3官能性シラン化合物またはその部分加水分解生成物またはこれらの混合物を添加して親水性球状シリカ微粒子表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(但し、R1は前記の通り)を導入し、第一の疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液を得、
(A3)次いで該第一の疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液から親水性有機溶媒と水の一部を除去し濃縮することにより第一の疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒濃縮分散液を得、
(A4)得られた第一の疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒濃縮分散液に一般式(III):
R2 3SiNHSiR2 3 (III)
(但し、R2は同一または異種の置換または非置換の炭素原子数1〜6の一価炭化水素基)
で示されるシラザン化合物、一般式(IV):
R2 3SiX (IV)
(但し、R2は一般式(III)で定義の通り。XはOH基または加水分解性基)
で示される1官能性シラン化合物またはこれらの混合物を添加し、前記第一の疎水性球状シリカ微粒子表面をこれにより処理して該第一の疎水性球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は一般式(III)で定義の通り)を導入することにより、(D)成分の疎水性球状シリカ微粒子を得ることができる。
上記一般式(I)中、R3は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R3で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。
R5OH (V)
[式中、R5は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である]
で示されるアルコールが挙げられる。
上記一般式(II)中、R1は、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R1で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ微粒子濃度が15〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましく、25〜30質量%であることが特に好ましい。15質量%より少ないと後工程の表面処理がうまくゆかず、40質量%より大きいとシリカ微粒子の凝集が生じてしまう。
上記一般式(III)および(IV)中、R2は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R2で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。
本発明の組成物には、上記(A)〜(D)成分に加えて、本発明の接着剤組成物の特性を損なわない範囲でその他の成分を配合してよい。その他の成分としては、例えば、(C)成分以外の触媒;(C)成分以外の硬化剤;(D)成分以外の充填剤;接着助剤;顔料、染料等の着色剤;濡れ向上剤;酸化防止剤;熱安定剤等が挙げられる。
(C)成分以外の触媒としては慣用のものを使用することができ、その例としては、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール系触媒等が挙げられる。(C)成分以外の触媒は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(C)成分以外の硬化剤には特に制限はなく、従来公知の種々のものを使用することができる。該硬化剤は、1種単独で使用しても、それら硬化剤の硬化性能などに応じて2種以上を併用してもよい。該硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどの(C)成分以外のアミン系化合物;エポキシ樹脂−ジエチレントリアミンアダクト、アミン−エチレンオキサイドアダクト、シアノエチル化ポリアミンなどの変性脂肪族ポリアミン;ビスフェノールA、トリメチロールアリルオキシフェノール、低重合度のフェノールノボラック樹脂、エポキシ化もしくはブチル化フェノール樹脂あるいはSuper Beckcite1001(日本ライヒホールド化学工業(株)製)、Hitanol 4010((株)日立製作所製)、Scado form L.9(オランダScado Zwoll社製)、Methylon 75108(米国ゼネラルエレクトリック社製)などの商品名で知られているフェノール樹脂などの、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を含有するフェノール系樹脂;Beckamine P.138(日本ライヒホールド化学工業(株)製)、メラン((株)日立製作所製)、U−Van 10R(東洋高圧工業(株)製)などの商品名で知られている炭素樹脂;メラミン樹脂、アニリン樹脂などのアミノ樹脂;式:HS(C2H4OCH2OC2H4SS)LC2H4OCH2OC2H4SH(式中、L=1〜10の整数)で示されるポリスルフィド樹脂などの、1分子中にメルカプト基を少なくとも2個有するポリスルフィド樹脂;無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸、ドデシル無水こはく酸、無水クロレンディック酸などの有機酸もしくはその無水物(酸無水物)などが挙げられる。これらのうちでも、フェノール系樹脂(特に、フェノールノボラック樹脂)が、得られる組成物に良好な成形作業性を与えるとともに、得られる硬化物層に優れた耐湿性を与え、また毒性がなく、比較的安価であるので、望ましい。
本発明組成物には(D)成分以外の充填剤を配合してもよい。該充填剤には特に制限はなく、公知のものを使用することができる。該充填剤は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。該充填剤の配合量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して好ましくは0〜895質量部であり、より好ましくは0〜490質量部である。ただし、該充填剤と(D)成分とからなる充填剤全体の配合量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して好ましくは5〜900質量部、より好ましくは10〜500質量部である。
(D)成分以外のシリカ微粒子は、本発明組成物から得られる接着剤硬化物層の吸水率及び線膨張率を低下させ、耐久性を向上させる。該シリカ微粒子には特に制限はなく、公知のものを使用することができる。該シリカ微粒子は、得られる組成物の流動性の点から、オルガノアルコキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノシラザン、低分子量シロキサン等の有機ケイ素化合物などで表面処理されたものであって、(D)成分以外のものが好ましい。該シリカ微粒子は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シリコーン微粒子は、好ましくは上記シリカ微粒子と併用することにより、得られる接着剤硬化物層の弾性率及び吸水率を低下させる。シリコーン微粒子には特に制限はなく、公知のものを使用することができ、例えば、シリコーンゴム微粒子、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。シリコーン微粒子は、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物には、接着性を向上させるために、接着助剤を添加してもよい。接着助剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。接着助剤としては、例えば、ケイ素を含むカップリング剤(シランカップリング剤)を使用することができる。接着助剤の例としては、商品名で信越化学工業社製のKBM−403、KBM−402、KBM−803、KBM−802、KBM−903、KBM−902、KBM−503、KBM5103もしくはX−12−414またはこれらの部分加水分解物等を挙げることができる。
本発明の接着剤組成物は、上記(A)〜(D)成分および所望によりその他の成分を慣用の混合手段により室温で混合することにより調製することができる。
本発明の接着剤組成物は、例えば、2つの被着体を接着するのに用いることができる。これらの被着体は特に限定されないが、一方の被着体としては、例えば、シリコンチップ、ガラス、セラミック等が挙げられ、他方の被着体としては、例えば、BT基板等の樹脂基板;金、銀、銅、ニッケル等からなるリードフレーム基板;シリコン基板が挙げられる。
下記(A)〜(D)成分およびその他の成分を表1に示す配合量(質量部)で自転・公転方式の混合機((株)シンキー社製)に仕込み、更に、これら成分の合計の濃度が20質量%となるようにメチルエチルケトン、トルエンまたはシクロヘキサノンを加え、混合して、接着剤組成物を調製した。
・SG−P3LC−43:エポキシ基を有するアクリロニトリル系樹脂(ナガセケムテックス社製)、0.021モル/100gのエポキシ基を含有、Tg=8℃、重量平均分子量=85万
・SG−P3−41:エポキシ基を有するアクリロニトリル系樹脂(ナガセケムテックス社製)、0.007モル/100gのエポキシ基を含有、Tg=12℃、重量平均分子量=85万
・HP−7200:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本化学工業社製)、エポキシ当量=255
・EOCN−1020:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)、エポキシ当量=200
・4,4'−DDS:4,4'−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製)、スルホニル基を有する芳香族ポリアミン
・3,3'−DDS:3,3'−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製)、スルホニル基を有する芳香族ポリアミン
・疎水性球状シリカ微粒子:X−24−9404(信越化学工業社製)、平均粒子径0.05μm
・疎水性球状シリカ微粒子:X−24−9163A(信越化学工業社製)、平均粒子径0.1μm
なお、X−24−9404は、テトラメトキシシランを加水分解および縮合することによって得た親水性球状シリカ微粒子の表面にメチルトリメトキシシランを用いてT単位を導入し、次いで、ヘキサメチルジシラザンを用いてM単位を導入することにより疎水化処理を行って得た疎水性球状シリカ微粒子である。
また、X−24−9163Aは、テトラメトキシシランを加水分解および縮合することによって得た親水性球状シリカ微粒子の表面にメチルトリメトキシシランを用いてT単位を導入し、次いで、ヘキサメチルジシラザンを用いてM単位を導入することにより疎水化処理を行って得た疎水性球状シリカ微粒子である。
・シリカ微粒子:SE1050−MJC(アドマテックス社製)、球状シリカ、平均
粒子径0.3μm
・シリカ微粒子:オルガノシリカゾルIPA−ST−ZL(日産化学工業社製)、粒子径0.07−0.1μm
・複合シリコーンゴム微粒子:KMP600(信越化学工業社製)、平均粒子径5μm
・カップリング剤:X−12−414(信越化学工業社製)、メルカプト系シランカップリング剤
次いで、接着剤組成物をフッ素系シリコーン離型剤がコーティングされた厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、110℃で10分間加熱乾燥し、厚さ約25μmの接着剤組成物層を備えた接着用シートを作製した。
得られた接着用シートについて、下記試験を行なった。結果を表1に示す。
接着用シート中のPETフィルムから剥離させた接着剤組成物層を8枚重ねて70℃で熱ラミネートした後、175℃で6時間加熱して硬化させた。40mm×10mm×200μmのフィルムを切り出して試験片とし、動的粘弾性測定装置を用い、引張りモードで、チャック間距離10mm、測定温度−80℃〜300℃、測定周波数1Hzの条件でヤング率を測定した。
厚さ450μmのシリコンウェハーを2mm×2mmのチップにダイシングし、こうしてダイシングされたウェハーの裏面に、接着剤組成物層が接触するように接着用シートを100℃で熱圧着した。次いで、接着用シートをチップと同様の形状に切って、接着用シートが付いたシリコンチップを取りだした。このシリコンチップからPETフィルムを剥離させて接着剤組成物層付きシリコンチップを得た。次いで、レジストAUS308((株)太陽インキ社製)が塗布硬化された10mm×10mmのBT基板またはシリコン基板上に、得られた接着剤組成物層付きシリコンチップを、接着剤組成物層が付着した面が接触するように載せ、170℃、0.1MPaの条件で2秒間熱圧着して固定させた。このようにしてシリコンチップが固定された基板を175℃で6時間加熱して接着剤組成物層を硬化させて試験片(接着試験片)を作製した。この接着試験片を用いて、ボンドテスター(DAGE社製、4000PXY)により、260℃において接着剤硬化物層と基板との間のせん断接着力を測定した。
上記(2)の接着試験片を85℃/60%RHの条件下で168時間保持し、次いで260℃のリフロー炉に3回通した後、上記(2)と同様に260℃においてせん断接着力を測定した。
直径8インチ、厚さ75μmのシリコンウェハーの一方の面に、接着剤組成物層が接触するように接着用シートを70℃で熱圧着した。熱圧着した接着用シートからPETフィルムを剥がして得た接着剤組成物層付きウェハーの接着剤組成物層面に、感圧ダイシングフィルムを、該感圧ダイシングフィルムの粘着剤層が接触するように貼り付けた。このシリコンウェハーを、下記ダイシング条件にて、9mm角のシリコンチップにダイシングした。次いで、こうして得られた9mm角のシリコンチップを裏面に接着剤組成物層が付いたまま前記感圧ダイシングフィルムの粘着剤層から剥離させた。このシリコンチップを、NECマシナリー社製のダイボンダー装置(BESTEM−D02−TypeC)により、5〜15μm幅のストライプ状回路パターンが形成された50mm×50mm×厚さ250μmの樹脂基板(レジストAUS308が塗布硬化されたBT基板)上に接着剤組成物層が接触するように配置し、130℃、0.1MPaの条件で1秒間熱圧着した。この点を図1(埋め込み性能試験におけるシリコンチップの配置を示す図である。)に基づいて具体的に説明すると、1辺9mmの正方形のシリコンチップ1を1辺50mmの正方形の樹脂基板2上に3mmの間隔で4行4列に16個配置し、最も外側に配置されたシリコンチップ1と樹脂基板2の外縁との間隔を2.5mmとした。このようにしてシリコンチップが熱圧着された樹脂基板をワイヤボンディング工程での加熱温度に相当する170℃で120分間加熱した後、樹脂基板上から600μmの厚さでモールド材KMC2500LM1B(信越化学工業社製)により樹脂封止(175℃、封止圧力6.9MPa、90秒間)し、該モールド材を175℃で4時間加熱硬化させた。このようにして得られた半導体パッケージ内部を超音波画像測定装置で観察して、ボイドの有無を調べた。
ダイシング装置:DAD−341(ディスコ社製)
切断方式:シングルカット
スピンドル回転数:40000rpm
ダイシングブレード:NBC−ZH 104F 27HEEE(ディスコ社製)
上記(4)で樹脂封止されたシリコンチップを切り離し、得られたパッケージ合計16個を85℃/60%RHの条件下で168時間保持し、次いで最高到達温度260℃の半田リフロー炉に3回通した後、超音波画像測定装置によりシリコンチップと基板との間の剥離の有無を観察した。表1で、「○」は16個のパッケージいずれでも剥離が観察されなかったことを表し、「×」は16個のパッケージ中1個でも剥離が観察されたことを表す。
2 樹脂基板
Claims (9)
- (A)重量平均分子量が50,000〜1,500,000であり、下記(B)および(C)成分の一方または両方に対し反応性を有する官能基を含有する(メタ)アクリル系樹脂、
(B)重量平均分子量が5000以下のエポキシ樹脂、
(C)芳香族ポリアミン化合物、ならびに
(D)4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物、またはそれらの組み合わせを加水分解および縮合することによって得られた実質的にSiO2単位からなる親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(式中、R1は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られる平均粒子径が0.005〜5.0μmの疎水性球状シリカ微粒子
を含む接着剤組成物。 - (A)成分中の官能基がエポキシ基、カルボキシル基、またはその組み合わせである請求項1に係る接着剤組成物。
- (C)成分がスルホニル基を有する請求項1〜3のいずれか1項に係る接着剤組成物。
- (C)成分が4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、またはその組み合わせである請求項1〜4のいずれか1項に係る接着剤組成物。
- フィルム状に成形された請求項1〜5のいずれか1項に係る接着剤組成物。
- 2つの被着体間に層状に挟まれ、加熱/加圧条件下で熱圧着された、これら被着体を接着する請求項6に係る接着剤組成物。
- 基材と、該基材上に設けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物からなる層とを備えた接着用シート。
- 基材とその上に設けられた粘着剤層とを有するダイシングフィルムと、該ダイシングフィルムの粘着剤層上に設けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物からなる層とを備えたダイシング・ダイアタッチフィルム。
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