JP2010179412A - 切削用工具および切削加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイト1のノーズ11は、ワークWに対して切り込みを行うすくい面111と、すくい面111との間に所定の刃先角が形成される逃げ面112を備えている。すくい面111と逃げ面112との間には、内部が空洞のスリット113が形成され、スリット113にはクーラント孔114が連通している。また、すくい面111とスリット113との間には、熱伝播部115が形成されている。バイト1を工作機械に取り付け、ワークWを回転させて切削加工する場合、クーラント孔114を介してスリット113内に冷却用クーラントを供給する。すくい面111と切り屑Ruとの当接部111aにおける発熱は、熱伝播部115を伝わり、スリット113内の冷却用クーラントにより冷却される。
【選択図】図1
Description
また、切削部が切り屑と接触することにより高圧高温の状態となり、工具材料やワーク材料の化学成分同士の反応が活発化して化学反応を起こしやすくなり、いっそう工具の磨耗を進行させる。
これらによれば、すくい面または逃げ面に対して冷却媒体を供給することにより、切削用工具の切削時の発熱を低下させ、切削部の磨耗をある程度は低減することができる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、切削加工時の発熱を低減し、耐久性を向上させることができる切削用工具および切削加工方法を提供することにある。
ワークに対して切り込むすくい面と、
該すくい面との間で所定の刃先角を形成する逃げ面と、
を備え、
工作機械に取り付けられて前記ワークに対して相対移動することにより、前記ワークを切削加工する切削用工具において、
前記すくい面と前記逃げ面との間には、前記すくい面を冷却する刃先冷却手段が形成され、
前記すくい面と前記刃先冷却手段との間には、前記刃先冷却手段が形成されていない伝熱領域が設けられており、該伝熱領域は前記すくい面の全体に沿って形成されていることである。
前記刃先冷却手段は、
前記逃げ面と前記伝熱領域との間において、内部が空洞となった冷却室により形成され、
該冷却室には、冷却流体を供給可能な流体供給路が連通していることである。
前記冷却流体は、前記工作機械の加工用のクーラントであることである。
前記工作機械の主軸に取り付けられる回転工具であることである。
前記すくい面に対して、外部から潤滑性を向上させるクーラントが供給されることである。
前記刃先冷却手段は、
前記逃げ面と前記伝熱領域との間に設けられ、前記伝熱領域よりも熱伝導率の高い材質により形成された高熱伝導部であることである。
前記高熱伝導部は脱着可能であることである。
前記工作機械の主軸に取り付けられる回転工具であることである。
ワークに対して切り込むすくい面と、該すくい面との間で所定の刃先角を形成する逃げ面と、を備えた切削用工具を用いて、
該切削用工具を工作機械に取り付けて前記ワークに対して相対移動させることにより、前記ワークを切削加工する切削加工方法において、
前記すくい面と前記逃げ面との間には、前記すくい面を冷却する刃先冷却手段が形成され、
前記すくい面と前記刃先冷却手段との間には、前記刃先冷却手段が形成されていない伝熱領域が設けられており、該伝熱領域は前記すくい面の全体に沿って形成されていることである。
また、すくい面と刃先冷却手段との間には刃先冷却手段が設けられていない伝熱領域が、すくい面の全体に沿って形成されているため、刃先冷却手段がすくい面の強度に影響を与えることがなく、切削用工具の耐久性をいっそう向上することができる。
また、すくい面と刃先冷却手段との間には刃先冷却手段が設けられていない伝熱領域が、すくい面の全体に沿って形成されているため、刃先冷却手段がすくい面の強度に影響を与えることがなく、切削用工具の耐久性をいっそう向上することができる。
図1乃至図3に基づき、本発明の実施形態1による切削加工用バイト1(本発明の切削用工具に該当し、以下、バイト1という)について説明する。尚、説明中において、バイト1の先端に対する反対側(図1および図2において右方)を後方ということがある。本実施形態によるバイト1は、旋盤、平削り盤、中ぐり盤、形削り盤、その他の工作機械において使用される切削用工具である。
また、スリット113内に貯留した冷却用クーラントは、熱伝播部115を介して、すくい面111の切り屑Ruとの当接部111aにおける発熱を奪い、バイト1の内部からすくい面111の冷却を行う。尚、本実施形態によるバイト1において、スリット113またはクーラント孔114を、それぞれ複数個形成してもよい。
また、冷却流体は工作機械の加工用のクーラントであることにより、特に新たな流体源を設けずに、すくい面111を冷却することができる。
図4および図5に基づき、本発明の実施形態2によるバイト3(本発明の切削用工具に該当する)について説明する。本実施形態によるバイト3は、実施形態1によるバイト1と同様に、断面がほぼ正方形を呈する長尺状に形成されており、先端のノーズ31と、ノーズ31の後方に形成されたシャンク32を備えている。ノーズ31にはワークWに対して切り込みを行うすくい面311(本発明のすくい面に該当する)と、すくい面311との間で所定の刃先角を形成する逃げ面312(本発明の逃げ面に該当する)とが形成されている。
上述したように本実施形態によれば、実施形態1によるバイト1と異なり、バイト3の先端にスリットなるものが形成されていないため、バイト3のすくい面311の強度をさらに増大させ、バイト3の耐久性をいっそう向上することができる。
図6乃至図8に基づき、本発明の実施形態3によるバイト4について説明する。尚、説明中において、バイト4(本発明の切削用工具に該当する)の先端側(図6および図7において左方)を前方、反対側(図6および図7において右方)を後方ということがある。本実施形態によるバイト4は、実施形態1によるバイト1と同様に、先端のノーズ41と、ノーズ41の後方に形成されたシャンク42を備え、ノーズ41にはワークWに対して切り込みを行うすくい面411(本発明のすくい面に該当する)と、すくい面411との間で所定の刃先角を形成する逃げ面412(本発明の逃げ面に該当する)とが形成されている。
バイト4のノーズ41には、バイト4の先端に開口した一対のスリット状の装着孔416が、バイト4の幅方向に並ぶように形成されている(図7および図8示)。さらに、ノーズ41には、バイト4の幅方向に貫通する締付孔417が形成されている。締付孔417には、上述した締付スクリュー415と螺合する雌螺子が形成されている。
また、高熱伝導部材413はノーズ41に対して脱着可能であることにより、工作機械においてバイト4を取り換える場合にも、取り外した高熱伝導部材413を、新たなバイト4に取り付けて共通に使用することができ、低コストのバイト4にすることができる。
図9および図10に基づき、本発明の実施形態4によるバイト5(本発明の切削用工具に該当する)について説明する。本実施形態によるバイト5は、実施形態1によるバイト1と同様に、先端のノーズ51と、ノーズ51の後方に形成されたシャンク52を備え、ノーズ51にはワークWに対して切り込みを行うすくい面511(本発明のすくい面に該当する)と、すくい面511との間で所定の刃先角を形成する逃げ面512(本発明の逃げ面に該当する)とが形成されている。
図9における上下位置にて1系統になった冷却流路515は、それぞれ入力管路516および出力管路517に接続されている。入力管路516はシャンク52側へと延び、工作機械のバイト5による加工点冷却用の図示しないクーラント源に接続されている。
図11および図12に基づき、本発明の実施形態5による切削加工用エンドミル6(以下、エンドミル6という)について説明する。本実施形態は、工作機械の主軸に取り付けられ、ワークWに対して回転される回転工具であるエンドミル6(本発明の切削用工具に該当する)に本発明を適用したものである。
図13および図14に基づき、本発明の実施形態6によるエンドミル7(本発明の切削用工具に該当する)について説明する。本実施形態は、実施形態5によるエンドミル6において、スリット623の代わりに高熱伝導部材723を形成したものである。
本実施形態によるエンドミル7は、実施形態5によるエンドミル6と同様に、図13における下方に、工作機械のホルダーに取り付けられるシャンク71が形成され、先端には、一対の切刃72が軸中心に対称に形成されている(図14示)。各々の切刃72には、エンドミル7の側面に形成されたらせん状の側刃73が連なっている。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明はバイト、エンドミルのみでなく、ドリル、フライスカッター等にも適用可能である。
実施形態1、実施形態2、実施形態4および実施形態5によるバイト1、3、5およびエンドミル6において、すくい面111、311、511、621を冷却するために、クーラントに代えてエアを用いてもよい。
また、実施形態3、実施形態4および実施形態6による高熱伝導部材413、513、723は、例えば焼結によりバイト4、5あるいはエンドミル7を形成する場合に、すくい面411、511、721の内方に位置する部位のみバインダの材料組成を熱伝導性の高いものに変更して、バイト4、5あるいはエンドミル7の基材と一体的に形成してもよい。
Claims (9)
- ワークに対して切り込むすくい面と、
該すくい面との間で所定の刃先角を形成する逃げ面と、
を備え、
工作機械に取り付けられて前記ワークに対して相対移動することにより、前記ワークを切削加工する切削用工具において、
前記すくい面と前記逃げ面との間には、前記すくい面を冷却する刃先冷却手段が形成され、
前記すくい面と前記刃先冷却手段との間には、前記刃先冷却手段が形成されていない伝熱領域が設けられており、該伝熱領域は前記すくい面の全体に沿って形成されていることを特徴とする切削用工具。 - 前記刃先冷却手段は、
前記逃げ面と前記伝熱領域との間において、内部が空洞となった冷却室により形成され、
該冷却室には、冷却流体を供給可能な流体供給路が連通していることを特徴とする請求項1記載の切削用工具。 - 前記冷却流体は、前記工作機械の加工用のクーラントであることを特徴とする請求項2記載の切削用工具。
- 前記工作機械の主軸に取り付けられる回転工具であることを特徴とする請求項3記載の切削用工具。
- 前記すくい面に対して、外部から潤滑性を向上させるクーラントが供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削用工具。
- 前記刃先冷却手段は、
前記逃げ面と前記伝熱領域との間に設けられ、前記伝熱領域よりも熱伝導率の高い材質により形成された高熱伝導部であることを特徴とする請求項1記載の切削用工具。 - 前記高熱伝導部は脱着可能であることを特徴とする請求項6記載の切削用工具。
- 前記工作機械の主軸に取り付けられる回転工具であることを特徴とする請求項6または7に記載の切削用工具。
- ワークに対して切り込むすくい面と、該すくい面との間で所定の刃先角を形成する逃げ面と、を備えた切削用工具を用いて、
該切削用工具を工作機械に取り付けて前記ワークに対して相対移動させることにより、前記ワークを切削加工する切削加工方法において、
前記すくい面と前記逃げ面との間には、前記すくい面を冷却する刃先冷却手段が形成され、
前記すくい面と前記刃先冷却手段との間には、前記刃先冷却手段が形成されていない伝熱領域が設けられており、該伝熱領域は前記すくい面の全体に沿って形成されていることを特徴とする切削加工方法。
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JP2009025202A JP2010179412A (ja) | 2009-02-05 | 2009-02-05 | 切削用工具および切削加工方法 |
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- 2009-02-05 JP JP2009025202A patent/JP2010179412A/ja active Pending
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