JP2007044833A - 回転切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切屑を極めて微細に粉砕することができる回転切削工具を提供すること。
【解決手段】 回転切削工具10には、超硬質材料からなる超硬質チップ18が先端部に設けられている。超硬質チップ18は、切れ刃20、第1すくい面24a、第2すくい面24b及び壁面26を有している。切れ刃20には切欠き部22が設けられている。第1すくい面24aは、切れ刃20から延びている。第2すくい面24bは、第1すくい面24aの後方に設けられ、第1すくい面24aよりも高さ位置が高くなっている。壁部26は、第1すくい面24aの後縁と第2すくい面の前縁とを接続し、切れ刃20に対して平行に延びている。
【選択図】 図2
【解決手段】 回転切削工具10には、超硬質材料からなる超硬質チップ18が先端部に設けられている。超硬質チップ18は、切れ刃20、第1すくい面24a、第2すくい面24b及び壁面26を有している。切れ刃20には切欠き部22が設けられている。第1すくい面24aは、切れ刃20から延びている。第2すくい面24bは、第1すくい面24aの後方に設けられ、第1すくい面24aよりも高さ位置が高くなっている。壁部26は、第1すくい面24aの後縁と第2すくい面の前縁とを接続し、切れ刃20に対して平行に延びている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、回転切削工具に関する。
従来から、超硬質材料からなる切削チップが先端部に設けられ、切削チップのすくい面上に切屑を粉砕するための壁面(いわゆる、ブレーカ)が形成された回転切削工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−322029号公報
しかしながら、特許文献1に記載された回転切削工具では、ブレーカによる切屑の粉砕が十分でなかった。そのため、長く繋がった状態の切屑が排出されて回転切削工具に絡まってしまうことや、被加工物に切屑が付着したまま被加工物が次の工程に持ち越されてしまうことがあった。その結果、切屑を除去するための作業が必要となり、生産効率が低下してしまうという課題が残されている。
本発明は、切屑を極めて微細に粉砕することができる回転切削工具を提供することを特徴とする。
本発明に係る回転切削工具は、超硬質材料からなる切削チップが先端部に設けられた回転切削工具であって、切削チップは、切れ刃と、切れ刃から延びる第1すくい面と、第1すくい面の後方に設けられ、第1すくい面よりも高さ位置が高い第2すくい面と、第1すくい面の後縁と第2すくい面の前縁とを接続する壁面と、を有し、切れ刃に切欠き部が設けられていると共に、壁面が前記切れ刃と平行に延びていることを特徴とする。
本発明に係る回転切削工具では、切れ刃に切欠き部が設けられ、第1すくい面の後方に設けられた第2すくい面の高さ位置が第1すくい面の高さ位置よりも高くなっている。このため、被加工物の切削によって生じた切屑が、切欠き部によって切れ刃の幅方向に分断されると共に、第1すくい面と第2すくい面とを接続する壁面と衝突して切屑の長手方向に分断されることとなる。この結果、切欠き部及び壁面によって2回にわたり切屑が分断されるため、切屑を極めて微細に粉砕することができる。また、壁面が切れ刃と平行に延びているため、切屑の大きさが揃い、切屑の排出性を高めることができる。
また、切れ刃が面取りされていることが好ましい。このようにすると、切れ刃と被加工物との切削抵抗が大きくなって切れ刃の切削性が若干落ちるため、切屑が長く繋がりにくくなり、切屑をより微細に粉砕することができる。
本発明によれば、切屑を極めて微細に粉砕することができる回転切削工具を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る回転切削工具10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る回転切削工具の先端部分を示す側面図である。図2は、(a)が超硬質チップの上面を示す拡大図であり、(b)が(a)の矢印B方向から超硬質チップを見たときの拡大図である。本実施形態は、本発明をドリルに適用したものである。
回転切削工具10は、ストレート状の本体12に溝部14及びマージン16が形成され、本体12の先端部12aに超硬質チップ(切削チップ)18が設けられた構成を有している。回転切削工具10は、被加工物に対して穴あけ加工を行うための工具である。
溝部14は、被加工物の切屑を排出するためのものであり、本体12の先端部から基端部にかけてらせん状に形成されている。マージン16は、溝部14の一端に沿うようにらせん状に形成されており、回転切削工具10の外径を規定している。
超硬質チップ18は、ダイヤモンド焼結体(PCD:PolycrystallineDiamond)、単結晶ダイヤモンド(例えば、天然ダイヤモンド、合成ダイヤモンド)、立方晶窒化ホウ素焼結体(PCBN:Polycrystalline Cubic Boron Nitride)等の、極めて高強度でかつ耐摩耗性のある超硬質材料からなっている。超硬質チップ18は、本体12の先端部12aに固着され、被加工物の切削を行うための切れ刃20がその先端側の縁に形成されている。切れ刃20には、その幅方向にわたって略等間隔に複数(本実施形態では3つ)の溝状の切欠き部22が放電加工によって設けられている。なお、切れ刃20の幅W1は、本実施形態において6.2mm程度となっている。
また、超硬質チップ18は、被加工物の切屑が擦過する第1すくい面24a及び第2すくい面24bと、被加工物の切屑を分断するためのいわゆるブレーカとして機能する壁面26とを有している。第1すくい面24aは、切れ刃20から延びており、切れ刃20の一部を規定している。第2すくい面24bは、第1すくい面の後方、すなわち第1すくい面24aの後縁(第1すくい面24aにおいて切れ刃20を規定している縁と反対側の縁)に対して切れ刃20よりも離れた位置に設けられていると共に、第1すくい面24aよりも高さ位置が高くなっている(図2(b)参照)。
壁面26は、第1すくい面24aの後縁と第2すくい面の前縁(第2すくい面24bにおいて切れ刃20側に位置する縁)とを接続し、階段状の段差を形成している。壁面26は、切れ刃20から距離W2だけ離れた位置において切れ刃20に対して平行(第1すくい面24aの後縁及び第2すくい面24bの前縁が切れ刃20に対して平行)に延びると共に、第1すくい面24aに対して交差する方向に延びている。壁面26と第1すくい面24aとがなす角θは、例えば90°程度とすることができ、75°以上でかつ105°以下であれば好ましく、75°以上でかつ90°以下であれば切屑の分断が更に促進されるためより好ましい。また、壁面26と切れ刃18との距離W2は、例えば1.0mm程度とすることができる。さらに、第1すくい面24aから第2すくい面24bまでの壁面26の幅W3は、0.1mm以上でかつ0.5mm以下(例えば、0.2mm程度)に設定することができる。なお、壁面26は、超硬質チップ18における先端側の所定領域が放電加工によって除去されることで形成されている。
以上のような構成を有する回転切削工具10を用いて被加工物の切削を行うと、切れ刃20によって被加工物がせん断され、切屑が第1すくい面24a上を擦過していく。このとき、切れ刃20に形成された切欠き部22によって、切屑が切れ刃20の幅方向に複数片に分断される。その後、複数片に分断された各切屑片が第1すくい面24aを擦過して壁面26に到達すると、各切屑片が壁面26に衝突する。そうすると、各切屑片が壁面26によって第1すくい面24aに対して略垂直方向に曲げられ、各切屑片が変形して各切屑片の長手方向にさらに分断される。この結果、切屑が切欠き部22及び壁面26によって2回にわたり分断されるので、切屑を極めて微細に粉砕することができることとなる。また、回転切削工具10では、壁面26が切れ刃20に対して平行に延びているため、切屑の大きさが揃い、切屑の排出性を高めることができることとなる。さらに、切れ刃20が超硬合金等で構成されている場合には、被加工物の加工が進行するにつれて切れ刃20に構成刃先が形成され、加工精度が低下してしまうが、本実施形態では、切れ刃20が極めて高強度でかつ耐摩耗性のある超硬質材料からなる超硬質チップ18により構成されているため、被加工物を高精度に加工することができると共に、回転切削工具10の長寿命化を図ることができることとなる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、切れ刃20が面取りされたものであってもよい。具体的には、図3(a)に示されるように、切れ刃20に対してR加工(ホーニング加工)を施して切れ刃20が丸みを帯びるようにしてもよく、図3(b)に示されるように、切れ刃20に対してC加工(チャンファ加工)を施して切れ刃20の角度を鈍化させてもよい。このようにすると、切れ刃20と被加工物との切削抵抗が大きくなって切れ刃の切削性が若干落ちるため、切屑が長く繋がりにくくなり、切屑をより微細に粉砕することができる。
また、本実施形態では回転切削工具10として本発明をドリルに適用したが、ドリル以外の回転切削工具に対しても本発明を適用可能である。例えば、図4及び図5に示されるように、回転切削工具10としてリーマ及びエンドミルの本体12の先端部12aに超硬質チップ18が設けられ、切れ刃20に切欠き部22が形成され、第1すくい面24aと第2すくい面24bとが壁面26によって接続された構成を有するものであってもよい。
また、被加工物の切削を行う際における耐熱性及び耐溶着性の向上のために、超硬質チップ18の表面にコーティングを施してもよい。
また、回転切削工具10の大きさや切削条件等によって、切欠き部22の数や各幅W1〜W3等について適宜変更することが可能である。
10…回転切削工具、18…超硬質チップ、20…切れ刃、22…切欠き部、24a…第1すくい面、24b…第2すくい面、26…壁面。
Claims (2)
- 超硬質材料からなる切削チップが先端部に設けられた回転切削工具であって、
前記切削チップは、切れ刃と、
前記切れ刃から延びる第1すくい面と、
前記第1すくい面の後方に設けられ、前記第1すくい面よりも高さ位置が高い第2すくい面と、
前記第1すくい面の後縁と前記第2すくい面の前縁とを接続する壁面と、を有し、
前記切れ刃に切欠き部が設けられていると共に、前記壁面が前記切れ刃と平行に延びていることを特徴とする回転切削工具。 - 前記切れ刃が面取りされていることを特徴とする請求項1に記載された回転切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005233416A JP2007044833A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 回転切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005233416A JP2007044833A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 回転切削工具 |
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- 2005-08-11 JP JP2005233416A patent/JP2007044833A/ja active Pending
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