JP2013013983A - 切削加工用工具 - Google Patents

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Munehiko Higuchi
宗彦 樋口
Junya Onose
淳也 小野瀬
Hiroyuki Fukushima
宏之 福島
Akihiro Osawa
明浩 大澤
Toshihiko Fukuda
敏彦 福田
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Abstract

【課題】切削屑を十分に破砕し得るチップブレーカを有し、且つチップを穴の外部に速やかに排出し得る切削加工用工具を提供する。
【解決手段】段付リーマ10のボデー14には、先端部から基端部に向かうにつれて、第1刃部16、第2刃部18、第3刃部20及び第4刃部22がこの順序で設けられている。これらの刃部16、18、20、22のそれぞれに含まれる第1すくい面38、第2すくい面40、第3すくい面42及び第4すくい面44には、各々、ボデー14の軸線から離間するように傾斜する第1傾斜面48、50、52、54と、該第1傾斜面48、50、52、54に連なり且つボデー84の軸線に向かうように傾斜する第2傾斜面56、58、60、62とが形成される。第1傾斜面48、50、52、54は切り刃として機能し、一方、第2傾斜面56、58、60、62は、切削屑を破砕するチップブレーカ壁として機能する。
【選択図】図4

Description

本発明は、切削加工を行うための切削加工用工具に関する。
切削加工用工具の1種であるリーマは、周知の通り、切削加工装置の回転ホルダに取り付けられるシャンクと、切削加工を実施するための刃部とを有する。この種のリーマは、ワークに形成された穴に対して仕上げ加工を行う際に使用される。勿論、この際には、前記刃部に設けられた切り刃によって、穴の内壁が切削される。
この切削が進行することに伴い、ワークから帯状の切削屑が発生する。この切削屑が刃具に絡みつくと、リーマが回転動作することが困難となり、場合によっては、加工を停止せざるを得なくなる。このような不具合が惹起されることを回避するべく、リーマにチップブレーカを設け、切削屑を破砕してチップとすることが提案されている。
例えば、特許文献1においては、切れ刃となるチップとは別に、チップブレーカピースを刃部に設けたリーマが記載されている。しかしながら、この場合、チップブレーカピースを作製してチップとともに刃部に接合する必要があるので、コストが高騰するとともに、リーマを得るまでに煩雑な作業を行わなければならない。
そこで、特許文献2に記載されるように、チップブレーカを面(壁)として形成することが想起される。
特開平8−276306号公報 特開平8−323541号公報
特許文献2記載の従来技術では、すくい面に平行に延在するようにチップブレーカを形成するようにしている。このため、切削屑がチップブレーカに衝突することなく後方に流れる懸念がある。このような事態が生じると、切削屑を破砕することが困難となる。従って、加工停止に至る懸念を払拭し得ない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、切削屑を効率よく破砕し得るチップブレーカを有し、このために加工停止に至ることを回避することが可能な切削加工用工具を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、切削加工を行う刃部を具備する切削加工用工具において、
前記刃部の軸線方向から離間する方向に傾斜する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に連なり且つ前記刃部の軸線方向に向かって傾斜する第2傾斜面とがすくい面に形成され、
前記第1傾斜面に切り刃が設けられ、且つ前記第2傾斜面がチップブレーカ壁として機能することを特徴とする。
このような構成においては、切削屑が流れる方向に第2傾斜面が存在することになる。従って、切削屑が効率よく第2傾斜面に衝突し、その結果、破砕されてチップとなる。
すなわち、本発明によれば、切削屑を効率よく破砕することができる。これにより発生したチップは、穴の外部に速やかに且つ容易に排出することができる。
しかも、本発明では、すくい面に対して傾斜する第1傾斜面に切り刃を設けるようにしているので、切り刃のすくい角が大きくなる。このため、本発明に係る切削加工用工具は、切削抵抗が小さい。従って、切削加工を円滑に進行させることができる。換言すれば、切削加工を高速で行うことが可能となる。
ここで、切削加工を高速で行うと、短時間で比較的多量の切削屑が発生することになる。しかしながら、上記したように本発明に係る切削加工用工具では切削屑を効率よく破砕して排出することが可能であり、結局、切削屑を効率よく処理することができる。すなわち、高速な切削加工に対応することが可能である。
以上のような理由から、加工効率を向上させることもできる。
第1傾斜面は、刃部の先端に設けることが好ましい。この場合、内壁に対して切り刃が最初に摺接するので、切削抵抗を有効に低減することが可能となるからである。
なお、第1傾斜面それ自体を切り刃として機能させることもできるが、第1傾斜面に対してチップを設け、このチップを切り刃として機能させるようにしてもよいことは勿論である。
本発明においては、切削加工用工具のすくい面に、刃部の軸線方向から離間する方向に傾斜する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に連なり且つ前記刃部の軸線方向に向かって傾斜する第2傾斜面を形成するようにしている。この構成では、第1傾斜面の切り刃によって発生した切削屑が流れる方向に第2傾斜面が存在する。従って、該第2傾斜面に切削屑が効率よく衝突し、破砕されてチップとなる。すなわち、切削屑を効率よく破砕してチップとすることができる。
しかも、第1傾斜面がすくい面に対して傾斜しているので、切り刃のすくい角が大きくなる。このため、切削加工用工具の切削抵抗が小さくなるので、切削加工が円滑に進行する。
以上のことから、本発明によれば、切削加工の加工効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る切削加工用工具(段付リーマ)の概略全体平面図である。 図1の段付リーマの概略全体側面図である。 図1の段付リーマの概略正面図である。 図1の段付リーマの要部斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る切削加工用工具(チップ付リーマ)の概略全体平面図である。 図5のチップ付リーマの概略全体側面図である。 図5のチップ付リーマの要部概略正面図である。
以下、本発明に係る切削加工用工具につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る切削加工用工具としての段付リーマ10の概略全体平面図、概略全体側面図、概略正面図及び要部斜視図である。この段付リーマ10は、シャンク12(図1及び図2参照)と、ボデー14とを有する。
シャンク12は、上記したように切削加工装置の回転ホルダ(図示せず)に取り付けられる部位であり、略円柱体形状又は略円筒体形状をなす。以下、ボデー14におけるシャンク12に近接する側の端部を基端部、シャンク12から離間した側の端部を先端部と表記する。
ボデー14には、先端部から基端部に向かうにつれて、第1刃部16、第2刃部18、第3刃部20及び第4刃部22がこの順序で設けられている。ここで、図4から容易に諒解されるように、第1刃部16は第2刃部18に比して小径であり、且つ第2刃部18は第3刃部20に比して小径である。また、第3刃部20は第4刃部22に比して小径に設定されている。換言すれば、ボデー14は、先端部から基端部に向かうに従って、段階的に拡径している。
なお、第1刃部16と第2刃部18との間には、第1刃部16から第2刃部18に向かうにつれてテーパー状に拡径する第1テーパー部24が介在する。同様に、第2刃部18と第3刃部20との間、第3刃部20と第4刃部22との間には、第2テーパー部26、第3テーパー部28が介在する。
第1刃部16〜第4刃部22には、ボデー14の軸線方向に沿って一体的に延在するポケット面と、すくい面とが形成される。以下においては、便宜上、第1刃部16〜第4刃部22の各々におけるポケット面を第1ポケット面、第2ポケット面、第3ポケット面及び第4ポケット面と表記し、それぞれの参照符号を30、32、34、36とする。同様に、第1刃部16〜第4刃部22の各々におけるすくい面を第1すくい面、第2すくい面、第3すくい面及び第4すくい面と表記し、それぞれの参照符号を38、40、42、44とする。
なお、図4から諒解されるように、第1ポケット面30、第2ポケット面32、第3ポケット面34及び第4ポケット面36は実際には単一の面であり、第1すくい面38、第2すくい面40、第3すくい面42及び第4すくい面44も実際には単一の面である。
第1ポケット面30、第2ポケット面32、第3ポケット面34及び第4ポケット面36と、第1すくい面38、第2すくい面40、第3すくい面42及び第4すくい面44とは、2個ずつ形成される(図3参照)。第1ポケット面30、30同士は互いに約180°離間しており、第1すくい面38、38同士も互いに約180°離間している。残余の第2ポケット面32、32同士〜第4ポケット面36、36同士、第2すくい面40、40同士〜第4すくい面44、44同士についても同様である。
第1ポケット面30と第1すくい面38のなす角度と、第2ポケット面32と第2すくい面40のなす角度は同一である。同様に、第2ポケット面32と第2すくい面40のなす角度と、第3ポケット面34と第3すくい面42のなす角度も同一である。さらに、第3ポケット面34と第3すくい面42のなす角度と、第4ポケット面36と第4すくい面44のなす角度も同一に設定される。そして、第1すくい面38〜第4すくい面44は、同一高さに設けられる(図2参照)。なお、この場合、第1すくい面38〜第4すくい面44のすくい角は略0°である。
第1ポケット面30〜第4ポケット面36と、第1すくい面38〜第4すくい面44との間には、ボデー14の軸線方向に沿って延在するチップ排出溝46が形成される。2本のチップ排出溝46、46同士は、互いに略180°離間している(図3参照)。
以上の構成において、第1すくい面38〜第4すくい面44には、それぞれ、第1刃部16〜第4刃部22(すなわち、ボデー14)の軸線から離間するように傾斜する第1傾斜面48、50、52、54と、該第1傾斜面48、50、52、54に連なり且つボデー14の軸線に向かうように傾斜する第2傾斜面56、58、60、62とが形成される。
第1傾斜面48、50、52、54とボデー14の軸線とがなす角度α1〜α4(図2参照)は互いに等しく、好ましくは約30°である。また、第1傾斜面48、50、52、54と第2傾斜面56、58、60、62とがなす角度β1〜β4も互いに等しく、好ましくは約90°である。
第1傾斜面48、50、52、54の長さは、互いに等しくてもよいが、相違していてもよい。一例では、第1傾斜面48、第1傾斜面50、第1傾斜面52、第1傾斜面54の順序で長くなるように設定されるが、特にこれに限定されるものではない。
後述するように、第1実施形態では、第1傾斜面48、50、52、54自体が切り刃として機能する。また、第2傾斜面56、58、60、62は、切削屑を破砕するチップブレーカ壁としての役割を果たす。
なお、図1及び図2における参照符号64は、シャンク12からボデー14に形成されたクーラント流通路を示す。このクーラント流通路64には分岐路66が連通形成されており、該分岐路66は、図3及び図4に示すように、第2刃部18の端面で開口している。勿論、クーラント流通路64及び分岐路66には、クーラントが流通される。
第1実施形態に係る切削加工用工具(段付リーマ10)は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
穴の内壁に対して仕上げ加工を行う際、切削加工装置の回転ホルダが回転付勢されると、該回転ホルダにシャンク12が挿入された段付リーマ10が回転動作を開始するとともに、前記穴に挿入される。穴の内部では、第1刃部16〜第4刃部22の各々に設けられた第1傾斜面48、50、52、54が切り刃として機能し、前記穴の内壁に摺接する。これにより、該内壁が切削されて帯状の切削屑が発生する。
上記したように、第1傾斜面48、50、52、54の各々は、第1すくい面38〜第4すくい面44の各々に対して傾斜している。第1刃部16〜第4刃部22の各先端では、この傾斜の分だけすくい角が大きくなる。このようにすくい角が大きくなった第1刃部16〜第4刃部22の各先端では、第1傾斜面48、50、52、54が形成されていないすくい面に対し、切削抵抗が小さくなる。
すなわち、第1刃部16〜第4刃部22の各先端に第1傾斜面48、50、52、54を形成してすくい角を大きくしたことにより、段付リーマ10の切削抵抗を小さくすることができる。このため、切削加工が円滑に進行するので、切削加工を高速で行うことが可能となる。
第1傾斜面48、50、52、54(切り刃)によって内壁が切削されることで発生した帯状の切削屑は、ボデー14の軸線方向に沿って流れ、第2傾斜面56、58、60、62に衝突する。これにより切削屑が破砕され、微細なチップとなる。
第2傾斜面56、58、60、62は、切削屑が流れる方向に向かって立ち上がっている(図3参照)。従って、切削屑が第2傾斜面56、58、60、62よりも後方に流れることが有効に防止される。すなわち、第1実施形態においては、切削屑を第2傾斜面56、58、60、62に効率よく衝突させて破砕し、チップとすることができる。チップは、最終的に、第1すくい面38〜第4すくい面44と、第1ポケット面30〜第4ポケット面36との間に形成されたチップ排出溝46を介して、穴外に排出される。
このように、第1実施形態によれば、切削加工速度が大きくなることに伴って多量の切削屑が短時間で発生した場合であっても、切削屑を効率よく破砕することが可能であり、且つチップを穴外に速やかに排出することができる。従って、切削屑が段付リーマ10に絡みつくことに起因して切削加工を停止する事態が惹起されることが回避される。
また、切削加工を高速で実施することが可能であるので、加工効率が向上するという利点も得られる。
切削加工の最中には、第1傾斜面48、50、52、54が穴の内壁に摺接することに伴って摩擦熱が発生する。このことに起因して段付リーマ10が過度に高温となることを回避するべく、クーラント流通路64にクーラントが供給される。クーラントは、分岐路66を流通し、第2刃部18の端面に形成された開口から排出される。
なお、第1傾斜面48、50、52、54及び第2傾斜面56、58、60、62は、直線形状の斜面である必要は特になく、湾曲面であってもよい。
次に、第2実施形態に係る切削加工用工具につき説明する。
図5及び図6は、それぞれ、第2実施形態に係る切削加工用工具としてのチップ付リーマ80の概略全体平面図、概略全体側面図である。このチップ付リーマ80は、シャンク82と、ボデー84とを有する。
この場合、ボデー84は、小径部86と、該小径部86の基端部側を環状に囲繞するように形成された大径部88とを有する。この中の小径部86には、先端部から基端部に向かうにつれて第1刃部90、第2刃部92及び第3刃部94がこの順序で設けられる。
第1刃部90は第2刃部92に比して若干小径であり、且つ第2刃部92は第3刃部94に比して若干小径である。また、第1刃部90と第2刃部92との間には、第1刃部90から第2刃部92に向かうにつれてテーパー状に拡径するテーパー部96が介在する。
第1刃部90は、最も長尺に形成されるとともに、いわゆる超硬合金からなる超硬パッド100が埋設される。すなわち、要部概略正面図である図7に示すように、第1刃部90には、ボデー84の軸線方向に沿って延在する嵌合溝102が形成されており、前記超硬パッド100は、この嵌合溝102に嵌合及びろう付けされている。
第1刃部90〜第3刃部94には、それぞれ、ボデー84の軸線方向に沿って延在する第1ポケット面104、第2ポケット面106及び第3ポケット面108と、第1すくい面110、第2すくい面112及び第3すくい面114とが2個ずつ形成される(図7参照)。第1ポケット面104、104同士は互いに約180°離間しており、第1すくい面110、110同士も互いに約180°離間している。残余の第2ポケット面106、106同士、第3ポケット面108、108同士、第2すくい面112、112同士、第3すくい面114、114同士についても同様である。
なお、第1実施形態と同様に、第1ポケット面104、第2ポケット面106及び第3ポケット面108は実際には単一の面であり、第1すくい面110、第2すくい面112及び第3すくい面114も実際には単一の面であるが、説明の便宜上、これらの面が形成されている箇所が第1刃部90、第2刃部92、第3刃部94のいずれであるかによって区別している。
第1ポケット面104と第1すくい面110のなす角度、第2ポケット面106と第2すくい面112のなす角度、第3ポケット面108と第3すくい面114のなす角度は全て同一である。また、第1すくい面110〜第3すくい面114は、同一高さに設けられる(図6参照)。なお、この場合、第1すくい面110〜第3すくい面114のすくい角は略0°である。
第1ポケット面104〜第3ポケット面108と、第1すくい面110〜第3すくい面114との間には、チップ排出溝116が形成される。チップ排出溝116、116同士は、互いに略180°離間している(図7参照)。
第1すくい面110〜第3すくい面114には、それぞれ、ボデー84の軸線から離間するように傾斜する第1傾斜面118、120、122と、該第1傾斜面118、120、122に連なり且つボデー84の軸線に向かうように傾斜する第2傾斜面124、126、128とが形成される。
第1実施形態と同様に、第1傾斜面118、120、122とボデー84の軸線とがなす角度α5〜α7(図6参照)は互いに等しく、好ましくは約30°である。また、第1傾斜面118、120、122と第2傾斜面124、126、128とがなす角度β5〜β7も互いに等しく、好ましくは約90°である。第1傾斜面118、120、122の長さは、互いに等しくてもよいが、例えば、第1傾斜面118、第1傾斜面120、第1傾斜面122の順序で長くなるように設定する等、相違していてもよい。
また、大径部88には第4刃部130が設けられる。なお、図7では、第4刃部130の図示を省略している。
この第4刃部130には、第1傾斜面118、120、122及び第2傾斜面124、126、128と略90°の位相差をなす位置に、ボデー84の軸線から離間するように傾斜する第1傾斜面132と、該第1傾斜面132に連なり且つボデー84の軸線に向かうように傾斜する第2傾斜面134とが形成される(図5参照)。勿論、チップ排出溝136も、チップ排出溝116に対して略90°の位相差をなす。
第1傾斜面132とボデー84の軸線とがなす角度α8は、前記角度α5〜α7(図6参照)と等しく、好ましくは約30°である。また、第1傾斜面132と第2傾斜面134とがなす角度β8(図5参照)も前記角度β5〜β7(図6参照)と等しく、好ましくは約90°である。この第2実施形態では、第1傾斜面132の長さは第1傾斜面118、120、122に比して大きく設定されている。
以上の構成において、第1傾斜面48、50、52、54には、切り刃として機能する第1チップ138、第2チップ140、第3チップ142及び第4チップ144がそれぞれ接合される。これら第1チップ138〜第4チップ144としては、公知のチップを採用すればよい。
チップ付リーマ80においても、第1実施形態に係る段付リーマ10と同様にクーラント流通路が形成されるが、図示及び説明を省略する。
第2実施形態に係るチップ付リーマ80を用いて切削加工を行う場合、切削加工装置の回転ホルダ(図示せず)が回転付勢されるともに、小径部86が穴に挿入され、前記穴の近傍に形成されて該穴と同心円をなす環状溝に大径部88が挿入される。穴の内部では第1チップ138〜第3チップ142が切り刃として機能し、環状溝の内部では、第4チップ144が切り刃として機能する。その結果、穴及び環状溝の内壁が切削されて帯状の切削屑が発生する。
第1実施形態に係る段付リーマ10と同様に、チップ付リーマ80では、第1傾斜面118、120、122の各々が第1すくい面110〜第3すくい面114の各々に対して傾斜している。第1チップ138〜第3チップ142は、この傾斜の分だけ、すくい角が大きくなる。このようにすくい角が大きくなった第1チップ138〜第3チップ142の各先端では、第1すくい面110〜第3すくい面114に対して平行に接合されたチップ(換言すれば、すくい面と同一のすくい角であるチップ)に対し、切削抵抗が小さくなる。勿論、第4チップ144においても同様である。
第1チップ138〜第4チップ144(切り刃)によって内壁が切削されることで発生した切削屑は、ボデー84の軸線方向に沿って流れ、第2傾斜面56、58、60、62に衝突する。これにより切削屑が破砕され、微細なチップとなる。
この場合においても、第2傾斜面56、58、60、62は、切削屑が流れる方向に向かって立ち上がっている(図5及び図6参照)。従って、切削屑が第2傾斜面56、58、60、62よりも後方に流れることが有効に防止されるので、切削屑を第2傾斜面56、58、60、62に効率よく衝突させて破砕し、チップとすることができる。チップは、チップ排出溝116、136を介して穴及び環状溝の外に排出される。
以上から諒解されるように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記した第1実施形態及び第2実施形態ではリーマ10、80を例示して本発明を説明したが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、ドリル等の切削加工用工具全般に採用することが可能である。
10…段付リーマ
12、82…シャンク
14、84…ボデー
16、18、20、22、90、92、94、130…刃部
38、40、42、44、110、112、114…すくい面
46、116、136…チップ排出溝
48、50、52、54、118、120、122、132…第1傾斜面
56、58、60、62、124、126、128、134…第2傾斜面
80…チップ付リーマ
138、140、142、144…チップ

Claims (3)

  1. 切削加工を行う刃部を具備する切削加工用工具において、
    前記刃部の軸線方向から離間する方向に傾斜する第1傾斜面と、前記第1傾斜面に連なり且つ前記刃部の軸線方向に向かって傾斜する第2傾斜面とがすくい面に形成され、
    前記第1傾斜面に切り刃が設けられ、且つ前記第2傾斜面がチップブレーカ壁として機能することを特徴とする切削加工用工具。
  2. 請求項1記載の工具において、前記第1傾斜面は、前記刃部の先端に設けられることを特徴とする切削加工用工具。
  3. 請求項1又は2記載の工具において、前記切り刃としてチップが設けられたことを特徴とする切削加工用工具。
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