JP2010178671A - 環境dnaからの新規なニトリルヒドラターゼおよびその遺伝子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の(a)又は(b)のタンパク質と、以下の(c)又は(d)のタンパク質とを含むニトリルヒドラターゼ。(a)特定なアミノ酸配列を含むタンパク質、(b)特定なアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質、(c)特定なアミノ酸配列を含むタンパク質、(d)特定なアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質。
【選択図】なし
Description
さらに、既知のニトリルヒドラターゼは、活性化状態になるためにはnha3(非特許文献6)やnhlE(非特許文献7)等のアクチベーターの存在が必須である。
(1)以下の(a)又は(b)のタンパク質と、以下の(c)又は(d)のタンパク質とを含むニトリルヒドラターゼ。
(a)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質
(c)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(d)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質
(2)前記(1)に記載のニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(3)以下の(a)又は(b)のDNAと、以下の(c)又は(d)のDNAとを含む、ニトリルヒドラターゼ遺伝子DNA。
(a)配列番号2n-1(nは1〜22の整数を表す。)で示される塩基配列を含むDNA
(b)配列番号2n-1(nは1〜22の整数を表す。)で示される塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質をコードするDNA
(c)配列番号2n-1(nは23〜44の整数を表す。)で示される塩基配列からなるDNA
(d)配列番号2n-1(nは23〜44の整数を表す。)で示される塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質をコードするDNA
(4)前記(2)又は(3)に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
(5)前記(4)に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(6)前記(5)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ 。
(7)前記(5)に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取する工程を含む、ニトリルヒドラターゼの製造方法。
(8)前記(5)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物若しくは当該培養物の処理物、又は前記(6)に記載のニトリルヒドラターゼをニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取する工程を含む、アミド化合物の製造方法。
(9)環境サンプルから抽出されたメタゲノムを鋳型とし、ニトリルヒドラターゼの高度保存領域のアミノ酸配列情報に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてinverse PCRを行う工程を含む、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のスクリーニング方法。
(10)inverse PCR後に、さらにnested PCRを行う工程を含む(9)に記載の方法。
また、本発明により、メタゲノムからニトリルヒドラターゼ遺伝子をスクリーニングする方法が提供される。
メタゲノムから、目的遺伝子全長を効率よく回収することは困難であるが、本発明により、多様なニトリルヒドラターゼ遺伝子又はその断片の情報を得ることができ、ニトリルヒドラターゼの効率的生産又はアミド化合物生産への利用が可能となった。
本発明は、新規ニトリルヒドラターゼ、及びニトリルヒドラターゼ遺伝子に関するものであり、当該遺伝子は、土壌等の環境サンプルから抽出したメタゲノムを採取源としてスクリーニングを行った結果、得られたものである。
本発明において、自然界から直接メタゲノムを抽出し、そこから新規有用酵素遺伝子をスクリーニングする手法の開発を試みた。本発明においては、ニトリルヒドラターゼ遺伝子の全長をクローニングする手法の一例としてinverse PCR法を採用し、そのPCR条件を設計した。
inverse PCR法の条件設計後、実際に採取した土壌から抽出したメタゲノムを使用し、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のメタゲノムスクリーニングを実施した。
その結果、本発明のスクリーニング手法により、メタゲノムから新規ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を含む断片を増幅することに成功し、その全長配列を決定することができた。本発明においては、ライブラリーからのショットガンスクリーニングを経ずに、メタゲノムからニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を取得することに初めて成功した。クローニングされた遺伝子は、既知ニトリルヒドラターゼとは異なる新規型ニトリルヒドラターゼをコードしていた。そして、この新規型ニトリルヒドラターゼの大腸菌発現系を構築し、これらがニトリルヒドラターゼ活性を保有していることを確認した。
効率よくメタゲノムスクリーニングを実施するためには、損傷が少なく、且つきれいなメタゲノムを回収することが必要である。
土壌中の微生物は土塊に包まれた状態のものも存在し、普通に緩衝溶液などで懸濁しただけでは微生物を遊離させることは出来ない。また、土壌微生物群の中には堅い外壁を有するものも存在するため、それら微生物を溶菌すること自体が難しい。さらに、サンプルが土壌の場合、土壌中に含まれる腐植物質のような酵素反応阻害物質もメタゲノムと共に抽出されてしまうため、水系サンプルや生物の器官を使用する場合よりもメタゲノム調製は困難である。
そこで本発明においては、メタゲノムを抽出するために界面活性剤による溶菌とビーズによる物理的破砕を併用した手法を採用することが好ましい。
inverse PCR(逆PCR)法とは、既知の領域に隣接する未知の塩基配列を増幅する方法である。鋳型DNAを、既知部分の外側で制限酵素消化し、生じた断片を分子内連結反応によって環状化する。続いて3'末端が未知領域に向かってアニールするようなプライマー対を用いてPCRを実施する。結果的に、既知領域に隣接する未知領域が、既知領域の2つのプライマーの3'末端間に挟まれた状態で増幅される。
inverse PCR法により標的遺伝子全長を取得するために使用するプライマーの設計には、標的遺伝子の部分情報が必要である。各タンパク質のファミリー間で高度に保存されている領域が存在する場合、その配列情報を利用することにより比較的容易に部分配列取得用プライマーを設計することができる。そこで本発明においても、ニトリルヒドラターゼの高度保存領域のアミノ酸配列情報に基づいてプライマーを設計する。
しかしながら、本発明の予備実験において、保存領域の情報を利用しても増幅させることが困難であることが分かった。その理由は、メタゲノム中にニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むものは一部に過ぎず、また、部分配列の取得に混合プライマー(異なる配列のものを複数含むプライマー)を使用するため、PCRの増幅効率が非常に悪くなってしまうためである。
従って、本発明において、PCRプライマーの配列は、文献(非特許文献4)に記載されたプライマーの配列に改良を加えたものを使用する。具体的には、“N(A or T or G or C)”の替わりに“I(イノシン)”を含むプライマーを使用することとした。これにより、メタゲノムに対するプライマーのアニーリング効率が向上し、文献に記載のNHblockBを用いたときは増幅できなかったのに対し、本発明では増幅が可能となる。
本発明においては、多くの反応系の中から、特異性が高く且つプライミングに優れたポリメラーゼの反応系を採用し、鋳型の調製法や反応条件にも工夫を凝らした。例えば、inverse PCRを実施する場合、標的になる遺伝子のコピー数がある程度必要であるため、通常のPCRよりも多くの鋳型が必要になる。メタゲノムの場合は単一生物のゲノムDNAを使用する場合よりも更に多量の鋳型を用意しなければならない。そこで、本発明においては、環状DNA増幅キットTempliPhi DNA Amplification Kit(GE Healthcare)等を使用し、事前に環状化したメタゲノムを増幅することによりinverse PCRに必要な鋳型量を確保することにした。inverse PCRにはステップダウンPCRを導入し、少量の鋳型からの増幅効率が更に向上するように工夫した。ステップダウンPCRとは、アニーリング反応及び/又は伸長反応温度を徐々に下げていき、最終的に至適温度まで下げた後に通常サイクルを実施するPCR法であり、特異的に増幅するもののみを本サイクルの前にあらかじめ増幅することにより目的遺伝子の増幅効率を向上させる手法である。さらに、本発明においては、メタゲノム中のニトリルヒドラターゼ遺伝子DNAの増幅効率を高めるため、inverse PCR後にnested PCRを行う二段階PCRを実施することが好ましい。
nested PCR(ネスティドPCR)とは、標的遺伝子配列を特異的に増幅するために行われるPCRであって、一度PCRで増幅した産物を鋳型に使用するPCRである。nested PCRでは、1回目のPCRに用いたプライマーの更に内側にアニールするように設計したプライマーを使用するため、より短い配列が増幅する。その結果、1回目に非特異的に増幅された配列は2回目には増幅されないため、目的の遺伝子断片をより効率的に得ることができる。
本発明において、inverse PCRに使用するプライマーの片方をビオチン化しておき(非特許文献2及び特許文献2)、増幅産物のみを精製できる状態にしておくことが好ましい。これにより、nested PCR時の競合DNAを大幅に減らすことができるため、目的の遺伝子を高確率に増幅することができる。
本発明により、メタゲノムから新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長をクローニングすることに成功し、またこのニトリルヒドラターゼがアクリロニトリルを基質にした場合にニトリルヒドラターゼ活性を持つことを確認した。
既知のニトリルヒドラターゼは、活性中心に補欠因子(鉄イオン又はコバルトイオン)を取り込むことにより活性化状態となる。そして、活性化状態になるためには前記のとおりnha3(非特許文献6)やnhlE(非特許文献7)等のアクチベーターの存在が必須である。しかし、本発明のニトリルヒドラターゼはアクチベーターの手助けなしに活性を獲得している。
「ニトリルヒドラターゼ」とは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+H2O→RCONH2)を触媒する酵素である。また、「ニトリルヒドラターゼ」の構造は、αサブユニットとβサブユニットとの複合体であり、高次構造をとる。既知のニトリルヒドラターゼは、活性中心に配位している補欠因子の種類によりさらに鉄型(鉄イオンが配位)とコバルト型(コバルトイオンが配位)に分類される。
そして、本発明の新規ニトリルヒドラターゼは、以下の特徴を有するものである。
(i) 活性中心に金属イオンの配位子として機能すると推測される3つの保存されたシステインとセリンをもつ。
(ii) 活性中心とその周辺の配列は保存されているが、その保存配列は既知ニトリルヒドラターゼのものとは異なっている。
(iii) 活性中心より上流に塩基性アミノ酸に富む保存配列(KHHRH:配列番号104)を有する。
(iv)αサブユニットとβサブユニットから成り、その下流にアクチベーターが存在していない。
(i) アクリロニトリルを基質としてアクリルアミドを生産する。
(ii) アクチベーターなしで酵素活性を有する。
(iii) 組換え菌で反応を行う場合、反応系の塩濃度によりその活性が変化する。
例えば、反応系にNaClを含めた場合、1〜1.5 Mの濃度で活性が最大となる。1 M時の活性は0 M時の約60倍である。
本発明のニトリルヒドラターゼは、以下αサブユニット及びβサブユニットのタンパク質を含むものである。
<αサブユニット>
(a)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。以下同様。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質
<βサブユニット>
(c)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。以下同様。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(d)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質
本発明のニトリルヒドラターゼを構成するαサブユニット及びβサブユニットの遺伝子の塩基配列及びタンパク質のアミノ酸配列情報を表1に示す。
また、本発明のニトリルヒドラターゼのαサブユニット及びβサブユニットには、上記アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が、欠失、置換若しくは付加され、又はそれらの組合せにより変異されたアミノ酸配列を含み、かつ、αサブユニットについてはαサブユニット活性、及びβサブユニットについてβサブユニット活性を有するタンパク質も含まれる。
(i)配列番号2n(n=1-22)又は2n(n=23-44)で示されるアミノ酸配列中の1〜9個(例えば、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号2n(n=1-22)又は2n(n=23-44)で示されるアミノ酸配列中の1〜9個(例えば、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(iii) 配列番号2n(n=1-22)又は2n(n=23-44)で示されるアミノ酸配列に1〜9個(例えば、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iv) 上記(i)〜(iii) の組合せにより変異されたアミノ酸配列
などが挙げられる。
「ニトリルヒドラターゼ活性」とは、ニトリル化合物のニトリル基に作用して対応するアミド化合物に変換させる活性を意味する。本発明のニトリルヒドラターゼの酵素活性の測定方法としては、例えば、ニトリル化合物の1つであるアクリロニトリルを用いる方法が挙げられる。この方法では、ニトリルヒドラターゼがアクリロニトリルに作用することによりアクリロニトリルに対応するアミド化合物であるアクリルアミドが得られる。従って、本発明のニトリルヒドラターゼをアクリロニトリルに作用させ、生成するアクリルアミドの生成量を定量することで、ニトリルヒドラターゼ活性を測定することができる。あるいは、アクリロニトリルの消費量を定量することによってニトリルヒドラターゼ活性を測定することもできる。
さらに、本発明のニトリルヒドラターゼには、配列番号2n(n=1-22)又は2n(n=23-44)で示されるアミノ酸配列と約96%以上、好ましくは約97%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、かつαサブユニット活性又はβサブユニット活性を有するものも含まれる。
本発明のニトリルヒドラターゼ遺伝子DNAは、αサブユニット(配列番号2n-1(n=1-22))及びβサブユニット(配列番号2n-1 (n=23-44))をコードするDNAの塩基配列(表1)の上流又は下流にゲノム内の他のタンパク質のコード配列(塩基配列)が含まれていてもよいが、αサブユニット及びβサブユニットからなるアミノ酸配列をコードするDNAであることが好ましい。
また、本発明のニトリルヒドラターゼ遺伝子DNAは、上記配列番号2n-1(n=1-22)及び2n-1(n=23-44)で示される塩基配列を含むDNA、又は配列番号2n-1(n=1-22)及び2n-1(n=23-44)で示される塩基配列からなるDNAのほか、当該遺伝子DNAの塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAも含まれる。
(v) 配列番号2n-1(n=1-22)又は2n-1 (n=23-44)で示される塩基配列中の3m個(例えば、m=1〜9、好ましくはm=1〜5、より好ましくはm=1〜3、さらに好ましくはm=1〜2)の核酸が欠失した塩基配列、
(vi) 配列番号2n-1(n=1-22)又は2n-1 (n=23-44)で示される塩基配列中の1〜10個(例えば、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)の核酸が他の核酸で置換された塩基配列、
(vii) 配列番号2n-1(n=1-22)又は2n-1 (n=23-44)で示される塩基配列に3m個(例えば、m=1〜9、好ましくはm=1〜5、より好ましくはm=1〜3、さらに好ましくはm=1〜2)の核酸が付加した塩基配列、
(viii)上記(a)〜(c)の組合せにより変異された塩基配列
などが挙げられる。
一旦本発明の遺伝子DNAの塩基配列が決定されると、その後は、当該塩基配列情報に基づき、PCR法により、あるいは他の化学的な合成法によって本発明の遺伝子DNAを調製することができる。
ニトリルヒドラターゼ遺伝子DNAは、形質転換される宿主生物において発現可能なように、ベクターに組み込むことが必要である。例えば、ベクターとしてはプラスミドDNA、バクテリオファージDNA、レトロトランスポゾンDNA、人工染色体DNAなどが挙げられる。
また、本発明において使用し得る宿主は、上記組換えベクターが導入された後、目的のニトリルヒドラターゼを発現することができる限り特に限定されるものではない。例えば、大腸菌及び枯草菌等の細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等を用いることができる。大腸菌を宿主とする場合、発現効率の高い発現ベクター、例えばtrcプロモーターを有する発現ベクターpkk233-2(GE Healthcare)又はpTrc99A(GE Healthcare)などを用いることが好ましい。
細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
本発明において、ニトリルヒドラターゼは、上記形質転換体を培養し、得られる培養物から採取することにより製造することができる。
本発明において、「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。目的のニトリルヒドラターゼは、上記培養物中に蓄積される。
上記培養条件で培養すると、高収率で本発明のニトリルヒドラターゼを上記培養物中、すなわち、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物の少なくともいずれかに蓄積することができる。
ニトリルヒドラターゼが菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離やろ過等により菌体又は細胞を除去する。その後、必要に応じて硫安沈澱による抽出等により前記培養物中からニトリルヒドラターゼを採取し、さらに必要に応じて透析、各種クロマトグラフィー(ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等)を用いて単離精製することができる。
また、本発明においては、生細胞を全く使用することなく、無細胞タンパク質合成系を採用してニトリルヒドラターゼを生産することが可能である。
この場合、上記の宿主に対応する生物は、下記の細胞抽出液の由来する生物に相当する。ここで、上記細胞抽出液は、真核細胞由来又は原核細胞由来の抽出液、例えば、小麦胚芽、大腸菌などの抽出液を使用することができる。なお、これらの細胞抽出液は濃縮されたものであっても濃縮されていないものであってもよい。
上記のように無細胞タンパク質合成によって得られるニトリルヒドラターゼは、前述のように適宜クロマトグラフィーを選択して、精製することができる。
上述のように製造されたニトリルヒドラターゼ は、酵素触媒として物質生産に利用することができる。例えば、ニトリル化合物に、上記ニトリルヒドラターゼを接触させることにより、アミド化合物を製造することができる。
酵素触媒としては、前述のように適当な宿主内でニトリルヒドラターゼ遺伝子が発現するように遺伝子導入を行い、宿主を培養した後の培養物、当該培養物の処理物、又は上記取得されたニトリルヒドラターゼを利用することができる。処理物としては、例えば、培養後の細胞をアクリルアミド等のゲルで包含したもの、グルタルアルデヒドで処理したもの、アルミナ、シリカ、ゼオライト及び珪藻土等の無機担体に担持したもの等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例は、メタゲノムスクリーニングを実施する際に必要となるメタゲノムの抽出を示すものである。
1-1. 環境サンプルの採取
神奈川県横浜市内の工業団地地区の土壌を環境サンプルとして採取した。採取後の土壌は滅菌ガーゼを通して植物の根や小石等を取り除いた後、-20℃又は-80℃で凍結保存した。
1-2. 環境サンプルからのメタゲノム抽出
凍結土壌からのメタゲノムの抽出にはISOIL for Beads Beating(ニッポンジーン)を使用した。抽出は、キットの説明書に従って行った。メタゲノムが回収されたことの確認は、0.7%アガロースゲル電気泳動により行った。その結果、0.5 gの凍結土壌から0.6〜1.2μg程度のメタゲノムが回収できた。
本実施例は、実施例1で得られたメタゲノムを鋳型として、新規ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片の増幅を示すものである。
既知コバルト型ニトリルヒドラターゼの高度保存領域の配列情報を利用して、ニトリルヒドラターゼα-サブユニット遺伝子断片増幅用プライマーNHSCR-01〜12を設計した。それぞれのプライマーの位置情報を図1に示す。また、プライマーの配列を図2に示す。
上記プライマーを使用し、メタゲノムからのニトリルヒドラターゼα-サブユニット遺伝子断片の増幅を試みた。なお、プライマー設計に際し、α-サブユニットの活性中心付近の領域を「領域1」(340bp)とし、活性中心の下流部分の領域を「領域2」(230bp)とした(図3)。
領域1及び領域2の増幅には、AccPrime Taq DNA polymerase(Invitrogen)を使用し、PCR反応はキットの説明書に従って行った。
PCR産物は、1.5%アガロースゲルを使用した電気泳動(50V 60 min)を行い、エチジウムブロミド染色後、GFX PCR DNA and Gel purification kit(GE Healthcare)を使用して精製した。
その結果、それぞれ領域1(図3)及び領域2(図3)に相当する長さの断片の増幅が確認された。増幅した断片は、クローニング用ベクターに接続する前に直接配列解析し(以下、ダイレクトシークエンス)、確かにニトリルヒドラターゼ遺伝子の断片であることを確認した。ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片をクローニング用ベクターpGEM-T Easy(Promega)に接続後、プラスミドを複数個回収し、配列解析を実施した。ダイレクトシークエンス、pGEM-T Easyへの接続、並びにTransformation及びプラスミド調製の実験手法をそれぞれ図13、図14及び図15に示す。
その結果、メタゲノム中に非常に多様なニトリルヒドラターゼ遺伝子が含まれていることが判明した。また、クローニングした増幅断片のアミノ酸配列と既知ニトリルヒドラターゼの配列を比較したところ、既知のニトリルヒドラターゼと異なる新規型と期待されるグループが含まれていることも判明した(図4、太枠部分)。
領域1で見出されたこの新規型ニトリルヒドラターゼと思われるグループの特徴は、活性中心周辺のアミノ酸配列がコバルト型とも鉄型とも異なることである(図5)。また、活性中心上流に4〜5アミノ酸程度の塩基性アミノ酸からなる保存領域(KHHRH)(配列番号104)をもつ(図4)。
2-1で得られた領域1の配列情報を基にinverse PCR用プライマーを設計した(図6)。新規型ニトリルヒドラターゼと期待されるグループをグループ1、コバルト型の新規ニトリルヒドラターゼと期待されるグループをグループ2とした。本実施例ではグループ1に着目し、それらを増幅するためのプライマーを複数設計した。
本実施例は、土壌から抽出したメタゲノムを使用したメタゲノムスクリーニング法の構築を示すものである。
はじめに、メタゲノムから新規ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を取得する手法の設計を行った(図7)。本実施例では、inverse PCR法による全長取得を試みた。inverse PCR法は、制限酵素消化により断片化したゲノムDNAを環状化したものを鋳型に使用する(図7)。この際、プライマーは通常と逆向きに設計したものを使用する。inverse PCRによりニトリルヒドラターゼ遺伝子両末端の配列情報を取得した後、それを基に全長取得用プライマーを設計し、ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を取得する。
メタゲノムを制限酵素により消化後、自己連結反応により環状化し(セルフライゲーション)、inverse PCR用の鋳型を調製することにした。
まず、メタゲノムを各種制限酵素により切断し、どの酵素の使用が適切であるか検討した。実験手法を図16に示す。その結果、BamHI、PstI、SalI、XhoIを使用した時に比較的よく切断されていた。一方、EcoRI、HindIII、NdeI、XbaIを使用した時にはほとんど切断されなかった。本実施例では、メタゲノムをBamHI、PstI、SalI及びXhoIで切断した後、セルフライゲーションにより環状化した。
環状化DNAサンプルをTempliPhi DNA Amplification Kitにより増幅し、得られた増幅産物をinverse PCRの鋳型とした。環状化処理及び環状化サンプルの増幅手法を図17に示す。
上項3-2にて増幅した環状化DNAを鋳型とし、TA340-3の配列情報から設計したプライマー(NHCOMP-008〜011)(図6及び図8)を使用したinverse PCRを試みた。酵素はAccuPrime Taq DNA polymeraseを使用した。inverse PCRの実験手法を図18に示す。
inverse PCRの結果、約0.9 kbの断片の増幅が確認された。各増幅断片を精製後ダイレクトシークエンスにより配列解析を行い、各断片がニトリルヒドラターゼ遺伝子断片であることを確認した。上記断片をpGEM-T Easy vectorに接続後、各断片の全配列を決定した。配列決定した断片を解析したところ、増幅断片中に複数のニトリルヒドラターゼ遺伝子断片が含まれていることが判明した。上記2-1項の説明と同様、このinverse PCRの結果も、メタゲノム中に多様なニトリルヒドラターゼ遺伝子が含まれていることを示すものであった。
inverse PCRによりメタゲノムからの新規ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片の増幅に成功した。しかし、その増幅断片は0.9 kbと短く、このままでは遺伝子全長情報を得ることは難しいと考えた。そこで、inverse PCRの条件検討を実施することにした。
先に述べたとおり、メタゲノムを使用したinverse PCRの増幅効率は非常に低い。そこで、より効率的に目的遺伝子を増幅する方法の検討を行った。
目的遺伝子を効率的に増幅するため、ステップダウンPCRを導入した。このPCR法はcDNAライブラリー等混合物の中から特定遺伝子のみを増幅するような場合に有効であり、今回のメタゲノムに対しても効果があると期待される。
3-2にて増幅した環状化DNAを鋳型とし、TA340-3の由来プライマーを使用したinverse PCRを試みた。PCRの基本サイクル条件は表2に示す通りである。ステップダウンPCRの実験手法を図19に示す。
各増幅断片を精製後ダイレクトシークエンスにより配列解析を行い、各断片がニトリルヒドラターゼ遺伝子断片であることを確認した。上記断片をpGEM-T Easy vectorに接続後、各断片の全配列を決定した。最も長い1.8 kbの断片はα-サブユニット及びβ-サブユニット全体、並びにα-サブユニットの上流約0.5 kbの領域をカバーしていた。アクチベーター部分の配列は取得することができなかった(図9)。
inverse PCR時にステップダウンPCRを採用した場合、通常PCR時よりも良好な結果が得られたが、新規ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長情報は取得できなかった。そこで、inverse PCRにより一度増幅を行った後、nested PCRにより目的断片のみに絞り込む二段階PCRを試みることにした。
本実施例では、AccuPrime Taq DNA polymeraseの他に、2種類の高性能酵素(PrimeStar max DNA polymerase(タカラバイオ)、Phusion High-Fiderity DNA polymerase(Finnzyme))を使用したPCRも並行して実施し、どの酵素が目的により適しているかも併せて検証した。各酵素の特徴を表3に示す。また、PCRの実験手法を図19、図20、及び図21に示す。なお、増幅断片の精製は、Dynabeads M-280 Streptavidin(DYNAL BIOTECH)を用い、キットの説明書に従って行った。
次に、二段階PCRにより増幅した断片それぞれの配列解析を行った。その結果、α-サブユニットとβ-サブユニット全体とその周辺をカバーしているものが複数確認された(図10)。全増幅断片の両サブユニットの周辺配列をホモロジー検索等により分析したところ、上流側にも下流側にもアクチベーターをコードしていると思われる遺伝子は存在していなかった(図11)。既知ニトリルヒドラターゼでは、金属イオンを取り込んで活性を獲得するためにはアクチベーターが必要であることが知られている。
本実施例は、土壌から抽出したメタゲノムを鋳型としたinverse PCRにより得られた配列情報を基に、メタゲノムから新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を増幅した後に、その発現系を構築し、その性能を評価したことを示すものである。メタゲノムを鋳型としたPCRによりニトリルヒドラターゼ遺伝子全長を取得した例はこれまで知られていない。
実施例3で得られたDNAの塩基配列情報を元に、新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子増幅用プライマーを設計した。設計したプライマーの配列を図12に示す。
これらのプライマーは、増幅断片の5'側に制限酵素PciI切断サイト又は制限酵素NcoI切断サイトを、3'側に制限酵素Sse8387I切断サイトを付加する設計になっており、増幅した新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子をNcoI及びSse8387Iで切断したタンパク質発現用ベクターに接続することが可能になっている。
これらのプライマーとメタゲノムを使用し、新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子全長の増幅を試みた。
その結果、primer set 1以外の4組で約1.2 kbのDNA断片が増幅した。この断片の配列解析を行い、増幅した断片がニトリルヒドラターゼ遺伝子であることを確認した。ニトリルヒドラターゼ断片を大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに接続した後、各断片挿入後のプラスミドを複数個回収し、それぞれの配列解析を行った。その結果、40クローンの中に22種類の新規型ニトリルヒドラターゼ遺伝子が含まれていた。αサブユニット及びβサブユニットをコードするDNAの塩基配列を以下に示す。
βサブユニット:配列番号45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85及び87
各プラスミドを大腸菌JM109に導入し、LB培地(50 μg/mlアンピシリンと1 mM IPTGを含む)にてそれぞれの発現菌を一晩培養した。各菌体を遠心分離により集菌し、生理食塩水で洗浄後、50 mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(pH7.0)に懸濁したものを菌体溶液とした。菌体溶液を50 mMリン酸ナトリウム緩衝溶液と0.5%アクリロニトリル存在下で10℃、一晩反応させた。活性測定時の反応溶液は総量1 mlである。反応終了後の溶液から菌体を濾別し、ガスクロマトグラフィーにて生成したアクリルアミドの量を定量した。
<分析条件>
分析機器:ガスクロマトグラフGC-14B(島津製作所)
検出器:FID(検出温度200℃)
カラム:ポラパックPS(ウォーターズ社カラム充填剤)を充填した1 mlガラスカラム
カラム温度:190℃
その結果、アクリルアミドが生成していることを確認した。つまり、これら新規型ニトリルヒドラターゼがアクチベーターの補助なしで活性を獲得していることが示された。
上述4-2.と同様の手順で培養・洗浄した新規型ニトリルヒドラターゼ発現菌の菌体溶液を使用して、アクリロニトリルを基質とした場合の基質至適濃度を評価した。50 mMリン酸ナトリウム緩衝溶液存在下でアクリロニトリル濃度が0.5%、1%、2%、4%の条件下で反応を行った。10℃で0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間及び8時間反応させた後、0.45 μmフィルターを通して反応溶液から菌体を濾別し、ガスクロマトグラフィーによりアクリルアミド生成量を定量した。その結果、アクリロニトリル濃度2%の場合に最も高い活性を示した。
上述4-2.と同様の手順で培養・洗浄した新規型ニトリルヒドラターゼ発現菌の菌体溶液を使用して、反応条件の検討を実施した。その結果、反応系にNaClを添加した場合にニトリルヒドラターゼ活性の向上が確認された。既知のニトリルヒドラターゼにはこのような性質を有するものは知られていない。そこで、NaClが存在する場合のニトリルヒドラターゼ活性について評価を行った。
50 mMリン酸ナトリウム緩衝溶液、2%アクリロニトリル存在下で、NaCl濃度を0 Mから2.5 Mまで変化させた条件下で反応を行った。10℃、0.5時間反応させた後、0.45 μmフィルターを通して反応溶液から菌体を濾別し、ガスクロマトグラフィーによりアクリルアミド生成量を定量した。結果を表4に示す。その結果、NaCl濃度が1〜1.5 Mの場合に活性が最大になることが分かった。驚くべきことに、NaCl非存在下(0 M)の場合と比較すると、NaCl が1 M存在する場合、その活性が約65倍に高くなっていた。
Claims (10)
- 以下の(a)又は(b)のタンパク質と、以下の(c)又は(d)のタンパク質とを含むニトリルヒドラターゼ。
(a)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号2n(nは1〜22の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質
(c)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(d)配列番号2n(nは23〜44の整数を表す。)で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加してなるアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質 - 請求項1に記載のニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
- 以下の(a)又は(b)のDNAと、以下の(c)又は(d)のDNAとを含む、ニトリルヒドラターゼ遺伝子DNA。
(a)配列番号2n-1(nは1〜22の整数を表す。)で示される塩基配列を含むDNA
(b)配列番号2n-1(nは1〜22の整数を表す。)で示される塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼのαサブユニット活性を有するタンパク質をコードするDNA
(c)配列番号2n-1(nは23〜44の整数を表す。)で示される塩基配列を含むDNA
(d)配列番号2n-1(nは23〜44の整数を表す。)で示される塩基配列に相補的な塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼのβサブユニット活性を有するタンパク質をコードするDNA - 請求項2又は3に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
- 請求項4に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求項5に記載の形質転換体を培養して得られる培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ 。
- 請求項5に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取する工程を含む、ニトリルヒドラターゼの製造方法。
- 請求項5に記載の形質転換体を培養して得られる培養物若しくは当該培養物の処理物、又は請求項6に記載のニトリルヒドラターゼをニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取する工程を含む、アミド化合物の製造方法。
- 環境サンプルから抽出されたメタゲノムを鋳型とし、ニトリルヒドラターゼの高度保存領域のアミノ酸配列情報に基づいて設計されたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてinverse PCRを行う工程を含む、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のスクリーニング方法。
- inverse PCR後に、さらにnested PCRを行う工程を含む請求項9に記載の方法。
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