JP2010178485A - モータ、その回転子、およびその製造方法 - Google Patents

モータ、その回転子、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】材料の歩留まりおよび組立作業性が良く、静音化が可能であり、モータ出力を向上させ得るモータ、その回転子、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のモータは、回転子鉄心4と磁極片2の間に磁石3を挟んで配置され全体を樹脂9で一体に成形される回転子1を備えるモータであって、磁極片2は、圧粉鉄心で形成されるとともに、回転子鉄心4と空間的に分離され、かつ、回転子鉄心4との間に磁石3以外の強磁性体を介在させることなく磁気的にも分離され、かつ、磁極片2または回転子鉄心4は、磁石3の磁極分割面3aに接触しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータに係り、より詳細には回転子の構造に係るモータ、その回転子、およびその製造方法に関する。
ロータやステータコアを圧粉鉄心と積層鋼板で形成したモータとしては、従来、例えば、特許文献1、2に記載されたものがある。
特許文献1には、圧粉鉄心がモールド成型できるので、ロータやステータコアを任意の形状に形成することができることが記載されている。
また、特許文献2には、回転子鉄心として、界磁用永久磁石と多数の第1の鋼板とを軸方向の両側に配置した第2の鋼板で挟んで構成することが記載されている。
特開2004−153977号公報(段落0030〜0033、図1〜図3等) 特開2004−254403号公報(段落0037、図7等)
ところで、洗濯機の内槽の駆動用モータなどに用いられる磁石埋め込み型回転子を構成する回転子鉄心と磁極片は、従来、積層鉄心を使用しているが、積層鉄心は鋼板を打ち抜いて積層するため、打ち抜きされた後の材料が廃棄されることから材料歩留まりが悪いという問題がある。
さらに、モータの部分毎に詳細に問題点を挙げると、第1に、回転子の磁極片の場合、機器組込上の配置スペースの関係から、モータの外径寸法に最大寸法の制約があって、低コギングトルク化、すなわち完成品での静音化を目指して、より多極数のモータが試みられる。
この場合、回転子の磁極片は極数が増えるにつれて必然的に延在面の面積の小さな部品となり、よって積層の加締ノッチ寸法も小さくなるため、例えば0.8mm加締ノッチ径、カシメ力を加える面積が小さくカシメ力が弱まる。そのため、積層鉄心の電磁鋼板間の締結力が弱く、反りや剥がれが生じ易くなる。また、締結力が弱くなるため、コアが剥がれるなどの問題もある。
さらに、板厚の公差集積により磁極片ごとのモータの軸方向寸法にもバラツキが生じるため、これがモータ駆動時のアンバランス振動へと結びつく可能性がある。
第2に、回転子鉄心においては、ロータ(回転子)組み込み前の段階で円環となるが、円環のままでのプレス打抜き作業や積層をすることは、打ち抜きされた後の材料が廃棄されることから材料歩留まりを考慮するとありえず、よって分割コアを選択せざるを得ない。
しかし、この方式によると積層後の回転子鉄心片を複数個組み合わせて円環を作るのに手間と時間がかかる。
第3に、圧粉鉄心を利用した回転子鉄心の従来例では、回転子の周方向に沿って磁石が挿入される孔部を等間隔に設けて磁極片と回転子鉄心を分離せず圧粉鉄心で一体成形とし、その後、磁石や回転軸をこの回転子鉄心に挿入し回転子として完成させたものがある。
回転子鉄心に挿入する磁石は、磁石の厚み方向(モータの遠心方向)に着磁され、磁石の厚み方向の中心位置面にN極とS極の磁極分割面が現れることになるが、磁極片と回転子鉄心を分離せず圧粉鉄心で一体成形とした回転子においては磁極片と回転子鉄心を繋ぐ接続部が磁石孔の幅方向両端部に形成されて、この接続部が磁石の磁極分割面に接触するため、この部分で磁気漏洩が発生する。そのため、回転子の外周面より放出される磁束量が低下し、よってモータ出力が低下するという問題がある。
なお、特許文献2に記載されるように、回転子鉄心として、界磁用永久磁石と多数の第1の鋼板とを軸方向の両側に配置した第2の鋼板で挟んで構成(特許文献2の図7参照)する方法もあるが、この場合も両端の第2の鋼板の接続部が界磁用永久磁石に接触して磁気漏洩が生じる問題がある。
本発明は、上述した積層鉄心や圧粉鉄心における従来構造に関する問題点に対処して、使用する材料の歩留まりが良く、組立作業性が良好で、静音化が可能であり、モータ出力を向上させ得るモータ、その回転子、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わるモータは、回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置され全体を樹脂で一体に成形される回転子を備えるモータであって、磁極片は、圧粉鉄心で形成されるとともに、回転子鉄心と空間的に分離され、かつ、回転子鉄心との間に磁石以外の強磁性体を介在させることなく磁気的にも分離され、かつ、磁極片または回転子鉄心は、磁石の磁極分割面に接触しないことを特徴としている。
第2の本発明に関わるモータの回転子は、回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置され樹脂で一体に成形されるモータの回転子であって、磁極片は、圧粉鉄心で形成されるとともに、回転子鉄心と空間的に分離され、かつ、回転子鉄心との間に磁石以外の強磁性体を介在させることなく磁気的にも分離され、磁極片または回転子鉄心は、磁石の磁極分割面に接触しないことを特徴としている。
第3の本発明に関わるモータの製造方法は、回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置される回転子を備えるモータの製造方法であって、回転子鉄心の内周部がロータヨークの外周部に嵌合されるとともにロータヨークの組合部にロータボスの組合部が組み合わせられ、回転子鉄心に対して、磁石、磁極片の順に配置され、ロータボス、ロータヨーク、回転子鉄心、磁石、および磁極片が樹脂にて一体に成形することを特徴としている。
本発明によれば、使用する材料の歩留まりが良く、組立作業性が良好で、静音化が可能であり、モータ出力を向上させ得るモータ、その回転子、およびその製造方法を実現できる。
本発明に係わる第1実施形態の永久磁石モータのロータを軸方向に見た要部切り欠き正面図であり、(b)は、(a)図のA−A線断面図であり、(c)は、(a)図のB部拡大図であり、(d)は、(b)図のC部拡大図である。 (a)は、第1実施形態の回転子鉄心片の正面図であり、(b)は、(a)に示す回転子鉄心片のD方向矢視図であり、(c)は、回転子鉄心の正面図である。 第1実施形態の成形用下型を用いてのロータの組立て工程を示す図であり、(a)は、回転子鉄心を示す断面図であり、(b)は、回転子鉄心をロータヨークに嵌合した状態を示す断面図であり、(c)は、回転子鉄心を嵌合したロータヨークとロータボスとを成形用下型にセットする様子を示す断面図であり、(d)は、マグネットと磁極片とを成形用下型にセットする様子を示す断面図である。 第1実施形態のロータの組立て工程におけるロータの構成部品を成形用下型、成形用上型内にセットした状態を示す図1(a)のE−E線断面図である。 (a)は、本発明に係わる第2実施形態の永久磁石モータのロータ21を軸方向に見た要部切り欠き正面図であり、(b)は、(a)図のF−F線断面図であり、(c)は、(a)図のG部拡大図であり、(d)は、(b)図のH部拡大図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<第1実施形態>>
図1(a)は、第1実施形態の永久磁石モータのロータ1を軸方向に見た要部切り欠き正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は、図1(a)のB部拡大図であり、図1(d)は、図1(b)のC部拡大図である。
<第1実施形態の永久磁石モータの構成>
本発明に係る第1実施形態の永久磁石モータ(図示せず)は、図1(a)に示すロータ1の外側に、所定の狭小なギャップを介して、ステータS(図1(a)中、二点鎖線で示す )が配置される、所謂インナーロータタイプのモータである。
この永久磁石モータが、ドラム式洗濯乾燥機におけるドラムの駆動に用いられ、洗濯、脱水、乾燥工程時にドラムを回転させるために、ドラム外側に配置される外槽の外側に、取り付けられる場合について、以下説明する。
<永久磁石モータのロータ1>
図1(a)に示すように、ロータ1は、外周部に磁束を形成するマグネット3を多数有しており、この多数のマグネット3の外側に隣接して磁界による渦電流を低減するための同数の磁極片2が設けられ、この多数のマグネット3の内側に、円筒状の回転子鉄心4(図1(b)参照)が配置されている。すなわち、磁極片2と回転子鉄心4とでマグネット3を挟むように配置されている。
そして、ロータ1における回転子鉄心4の内周部を、ロータ1の強度部材であるロータヨーク5の外周部に嵌合し(図1(b)参照)、ロータヨーク5の中心部に、ロータ1の駆動軸(図示せず)が固定されるスプライン穴6aを中心部にもつロータボス6を配設して、樹脂9にてロータ1全体が一体に成形されている。
なお、樹脂9による一体成形の際、ステータの巻き線に発生する熱で高温になるステータ等を冷却するための風発生用フィン8(図1(a)、図1(b)参照)が、樹脂9にて一体成形される。
また、ロータ1に形成されるロータ円板部1eには、ネジ締付け用穴7が複数個設けられている。
ロータ円板部1eのネジ締付け用穴7は、ロータ1を備える永久磁石モータとフランジ等のモータ取り付け部品(図示せず)とを組んだモータアッセンブリ(図示せず)を、本体側部品、例えば、ドラム式洗濯乾燥機の外槽に組み込む際、モータアッセンブリのモータ取り付け部品のロータ1の外方の箇所でネジが締め付けられるのに加え、モータ取り付け部品のロータ1の内方側の箇所においても、ロータ1を挿通してネジを締め付けるためのモータアッセンブリ取り付け用の穴である。
このロータ1の複数のネジ締付け用の穴7(図1(a)、図1(b)参照)により、本体側取付け面、例えば、ドラム式洗濯乾燥機の外槽の外面とモータアッセンブリとのネジ固定が、モータ取り付け部品における永久磁石モータ外方側のみならず、モータ取り付け部品における内方側においても、ロータ1を挿通してネジ固定が行えることから、本体、例えば、ドラム式洗濯乾燥機の外槽との取付け剛性が向上する。
これにより、モータアッセンブリと本体、例えば、ドラム式洗濯乾燥機の外槽とが離隔することによる永久磁石モータの振動に起因する所謂、太鼓現象(永久磁石モータの駆動に起因する振動によりモータアッセンブリがドラム式洗濯乾燥機の外槽の取り付け面を叩く現象)が抑制され、製品本体(ドラム式洗濯乾燥機)の静音化が可能である。
<ロータヨーク5>
ロータ1の強度部材を成すロータヨーク5は、例えば、3mm厚の鋼板を用いて、図1(a)、図1(b)に示すように、円形平板部5aと、該円形平板部5aの内周部に連続して設けられ軸方向に延在する凹凸が形成される内周部の凹状円筒部5b1、凸状円筒部5b2(図3(b)参照)と、円形平板部5aの外周部に連続して設けられ軸方向に延在する外周部の短円筒部5cと、中央部にロータボス6を装填するための穴5dとを有する形状に形成される部品である。
図1(a)、図1(b)に示すように、ロータヨーク5の円形平板部5aには、ロータ1の複数のネジ締付け用の穴7を形成するネジ締付け用孔5a1が複数穿設されている。
また、図1(b)、図1(d)に示すように、ロータヨーク5の短円筒部5cの軸方向端部には、回転子鉄心4を位置決めするための外径方向に延びるストッパ5c1が形成されている。
<磁極片2>
ロータ1の各磁極片2は、鉄粉の表面に絶縁被膜を形成し、樹脂バインダで固めた圧粉鉄心で形成されている。
<マグネット3>
ロータ1の各マグネット3は、例えばネオジム等の高磁束密度材料を用いて、図1(c)、図1(d)に示すように、扁平な直方体形状に形成されている。
なお、マグネット3は、ネオジム以外の磁性材料を用いてもよいことは勿論である。
<ロータボス6>
図1(a)、図1(b)に示すロータ1のロータボス6は、ロータ1で駆動する本体(ドラム)にロータ1の駆動力を伝達するための部材である。
ロータボス6は、段付き円板状の形状を有し、外周部に径方向に延びる凹部6b1、凸部6b2(図1(a)参照)が形成されている。
ロータボス6は、前記したように、中心部に永久磁石モータの回転力を本体側(ドラム式洗濯乾燥機のドラム側)へ伝えるロータ1の駆動軸(図示せず)が固定される歯型形状のスプライン穴6aが穿設されており、本体側(ドラム式洗濯乾燥機のドラム側)の軸に設けられたスプライン軸と嵌合する。
<永久磁石モータのロータ1の組立方法>
次に、第1実施形態の永久磁石モータのロータ1の詳細な組立て方法について、図2〜図4により説明する。
図2(a)は、回転子鉄心片10の正面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す回転子鉄心片10のD方向矢視図であり、図2(c)は、回転子鉄心4の正面図である。
始めに、図2(c)に示す円環状の回転子鉄心4(図1(a)、(b)参照)の製造方法を説明する。
まず、図2(b)に示すように、薄い板厚の鋼板の回転子鉄心単片101を任意の枚数積層して互いにカシメて固定し、回転子鉄心単片101が積層された分割コアである回転子鉄心片10(図2(a)、(b)参照)を形成する。
なお、回転子鉄心片10は、図2(a)に示すように、周方向の両端部に、隣接する他の回転子鉄心片10と互いに組み合うように、一方端部に凹状鍵溝10aが形成されるとともに、他方端部に凸状鍵突起10bが形成されている。
続いて、図2(a)、(b)に示す分割コアの回転子鉄心片10の一方端部の凹状鍵溝10aを隣接する他の回転子鉄心片10の凸状鍵突起10bと嵌合させるとともに、分割コアの回転子鉄心片10の他方端部の凸状鍵突起10bを隣接する他の回転子鉄心片10の凹状鍵溝10aと嵌合させることにより、分割コアの回転子鉄心片10を7個組み合わせて、図2(c)に示す円環状の回転子鉄心4を作る。以上が、回転子鉄心4の製造方法である。
図3は、成形用下型11を用いてのロータ1の組立て工程を示す図であり、図3(a)は、回転子鉄心4を示す断面図であり、図3(b)は、回転子鉄心4をロータヨーク5に嵌合した状態を示す断面図であり、図3(c)は、回転子鉄心4を嵌合したロータヨーク5とロータボス6とを成形用下型11に組み込む様子を示す断面図であり、図3(d)は、マグネット3と磁極片2とを成形用下型11に組み込む様子を示す断面図である。
次に、こうして製造した回転子鉄心4等を用いてのロータ1の組立方法について、以下説明する
まず、図3(a)に示す回転子鉄心4の内周部4aを、図3(b)に示すロータヨーク5の外周部の短円筒部5cに嵌合し、回転子鉄心4をロータヨーク5に組む。ここで、ロータヨーク5の外周部の短円筒部5cの軸方向端部には外径方向に延びるストッパ5c1が形成されるので、ロータヨーク5のストッパ5c1に回転子鉄心4の軸方向端部4bが当接して、回転子鉄心4のモータ軸方向(図3、図1(b)の紙面上下方向)のロータヨーク5に対する位置決めを行うことができる。
続いて、図3(c)に示すように、回転子鉄心4を嵌合したロータヨーク5を、ロータボス6とともに成形用下型11にセットする。
ここで、ロータヨーク5の中央部には、前記したように、ロータボス6を装填する穴5dと軸方向に延びる凹状円筒部5b1、凸状円筒部5b2とが形成されており、このロータヨーク5の凹状円筒部5b1、凸状円筒部5b2が、図1(a)に示すロータボス6の外周部に設けられた径方向の凹部6b1、凸部6b2と組み合い、ロータボス6のロータヨーク5に対する空転防止が図られている。図1(a)に示すように、成形用下型11に、ロータヨーク5とロータボス6とをセットするときは、互いの凹凸が所定の空隙をもち組み合うようにセットされる。
続いて、図3(d)に示すように、磁極片2とマグネット3とを自動挿入機(図示せず)により、ロータボス6とロータヨーク5と回転子鉄心4とがセットされた成形用下型11にセットする。ここで、回転子鉄心4の最下層の回転子鉄心単片101は、外側に突出して形成され、マグネット3の位置決め(抜け止め)を構成している。なお、図2では、図示を省略している。
図4は、ロータ1の組立て工程におけるロータ1の構成部品を成形用下型11、成形用上型12内にセットした状態を示す図1(a)のE−E線断面図である。
続いて、図4に示すように、ロータボス6、ロータヨーク5、回転子鉄心4、磁極片2、およびマグネット3がセットされた成形用下型11の上に成形用上型12を被せた後、成形用上型12に設けられる樹脂挿入孔13から、成形機(図示せず)により、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂9を注入し、ロータ1の構成部品全体を、樹脂9によって一体に成形する。その後、成形用上型12、成形用下型11を取り外し、ロータ1が完成する。
なお、本第1実施形態では、図1(c)に示すように、磁極片2の周方向の両端部(図1(c)に示す磁極片2の長手方向端部)を樹脂9により覆い、モータ回転時の遠心力に耐え得る構造としているが、一体成形する樹脂9により磁極片2の外周側を全て円状に覆ってもよい(図1(c)に示す一点鎖線参照)。これにより、更なるモータ回転時の遠心力に対する剛性を高めることが可能である。
<作用効果>
上記構成によれば、ロータ1の各磁極片2は、圧粉鉄心で形成されるので、従来の板厚の薄い珪素鋼板を積層した積層鉄心(特許文献1参照)に比較し、珪素鋼板の板厚公差集積がないため、積厚方向(永久磁石モータの軸方向)の寸法精度が高く、寸法バラツキが小さい。
また、圧粉鉄心の磁極片2は、積層鉄心に生じる反りなどもないため、永久磁石モータの回転軸に対して、対称に成形され、回転アンバランスが生じにくく振動や騒音が低い。
また、圧粉鉄心の磁極片2は、成形品なので、積層鉄心のように、廃棄する材料(積層鉄心片を抜き後の材料)がないので、材料歩留まりがよい。
さらに、磁極片2自体は、低コギングトルク化を目的に多極化により小形化されているため、圧粉鉄心の成形型も小さく安く抑えることができる。
一方、従来の積層鉄心の磁極片では、前記したように、多極品の場合、面積が小さいことから必然的に加締ノッチも小さくなり、例えば加締ノッチ径0.8mm、カシメ力が弱く、もってカシメによる締結力が低くなるため、コア剥がれなどの問題もある。
これに対して、本実施形態においては、圧粉鉄心の磁極片2は、成形品と同じであるから、この従来の問題も解決できる。
また、圧粉鉄心の磁極片2は、添加されている樹脂バインダが鉄粉粒子の絶縁になるので、高周波による渦電流損や鉄損の増加が少なく、つまり電力損失が少ないため、機器の省電力に寄与できる。
ところで、回転子鉄心4と磁極片2とを一体とせず分割構造としている理由は、以下の通りである。
回転子鉄心4と磁極片2とを一体化した場合、磁極片2と回転子鉄心4を繋ぐ接続部が磁石孔の幅方向両端部に形成される。そのため、マグネット3のS極とN極との分割面である磁極分割面3a(図1(c)参照)が、強磁性体である磁極片2と回転子鉄心4との接続部に接触し、この接続部で磁気漏洩が生じ、これが磁気損失となりステータ側に放出される磁束量が低下しモータ出力が下がるためである。
これに対し、本第1実施形態では、磁極片2と回転子鉄心4とを分離させたので、マグネット3の磁極分割面3a(図1(c)参照)に接触する接続部はないので、マグネット3の磁極分割面3aへの接触もないため、磁気リークの発生もなく磁束を効率的に永久磁石モータの駆動に活用でき、モータ出力が向上する。
なお、磁極片2と回転子鉄心4を分離した物でも軸方向の両端部の各1枚のみ、すなわち、磁極片2と回転子鉄心4を接続した構成の珪素鋼板の端板(特許文献2の図7に示す第2の鋼板30参照)のみにより、軸方向中間部に分離した磁極片2と回転子鉄心4を挟み込む方法もあるが、この場合も両端の強磁性体の端板の接続部にて磁気漏洩が生じる問題がある。
これに対して、本第1実施形態では、磁極片2と回転子鉄心4を軸方向全域にわたり空間的に分離しており、また、磁極片2と回転子鉄心4との間に、鉄、ニッケルや、これらの合金等の強磁性体を介在させることなく、二者間を磁気的に分離している。これにより、従来の強磁性体からの磁気漏洩を防止できるため、固定子に向けての磁束が保持され、モータ出力が向上する効果を得られる。
近年、モータの高出力密度化や電気モータを補助駆動源としたハイブリッド自動車の普及に伴い、希少金属のネオジムなどに代表される高磁束密度材料は高騰を続けており、マグネットからステータに有効に磁束を引き出すことが、技術的価値を更に高めることとなる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の第2実施形態の永久磁石モータのロータ21を、図5を用いて説明する。
なお、図5(a)は、第2実施形態の永久磁石モータのロータ21を軸方向に見た要部切り欠き正面図であり、(b)は、(a)図のF−F線断面図であり、(c)は、(a)図のG部拡大図であり、(d)は、(b)図のH部拡大図である。
第2実施形態の永久磁石モータのロータ21は、回転子鉄心24を圧粉鉄心で構成したものである。
これ以外の構成は、第1実施形態と同様であるから、第1実施形態と同一の構成要素には、20番台の符号を付して示し、詳細な説明は、省略する。
第1実施形態において、回転子鉄心4は積層鉄心を使用していたが、積層鉄心の場合は材料歩留まりを考慮すると分割コア(図2(a)、(b)に示す回転子鉄心片10参照)が有効である。しかしながら、分割コアの回転子鉄心片10の場合、当然ながら図2(c)に示す円環状の回転子鉄心4に組立てる作業が必要であるため、組立て作業の手間と組立て時間がかかる。
これに対して、本第2実施形態によれば、回転子鉄心24を圧粉鉄心で一度に成形できるため、組立て作業時間の短縮と材料歩留まりの改善が可能である。
また、従来の積層コアの回転子鉄心では、分割構造のため各分割コア毎の重量バラツキもあったが、圧粉鉄心によれば、均一で一体となるため、重量バラツキも無く、永久磁石モータの回転体(ロータ21)としてバランスが良好である。このため、ロータ2のアンバランスに起因する振動を低減することができる。
また、本第2実施形態のように、比較的径が大きく、例えば、径が20cm、また、径方向厚み寸法が小さい、例えば、2cmの回転子鉄心の場合、圧粉鉄心の回転子鉄心24のみの構造では円環強度の不足が懸念されるが、これに対しては、例えば鋼板製のロータヨーク25(例えば、3mm厚の鋼板)にはめ込み、最終的に全体を樹脂29で成形することで必要な円環強度が保たれ、変形しない構造としている。
加えて、積層鉄心の場合、回転子鉄心の内径において、分割コア組立て作業を容易にするため微小なガタ寸法を持たせる必要があった。
これに対して、回転子鉄心24を圧粉鉄心とした場合には、内径が精度良く形成できるため、ガタ寸法をもたせる必要がなく、回転子鉄心24をロータヨーク25としっくり(ぴったりと)嵌合できるため、ロータ21の偏心が小さくなり、よってアンバランスが小さいロータ21が製造できる。
従って、第1、第2実施形態によれば、回転アンバランスが小さく低振動、低騒音化に寄与し、また使用材料の歩留まりが良く、モータ出力を向上させ、さらに作業性が良好なモータを提供できる。
なお、前記第1、第2実施形態においては、永久磁石モータをドラム式洗濯乾燥機に適用する場合を例示して説明したが、回転子鉄心と磁極片との間にマグネットを挟んで配置される回転子を備えるモータであれば、ドラム式洗濯乾燥機以外に適用されるモータに、本発明を幅広く適用可能であることは勿論である。
1 ロータ(回転子)
2 磁極片
3 マグネット(磁石)
3a 磁極分割面
4 回転子鉄心
5 ロータヨーク
5a1 ロータヨークのネジ締付け用孔(取り付け孔)
5b1 凹状円筒部(ロータヨークの組合部)
5b2 凸状円筒部(ロータヨークの組合部)
5c1 ストッパ(ストッパ部)
6 ロータボス
6b1 凹部(ロータボスの組合部)
6b2 凸部(ロータボスの組合部)
7 ネジ締付け用穴(取り付け孔)
9 樹脂
11 成形下型
12 成形上型
21 ロータ(回転子)
22 磁極片
23 マグネット(磁石)
23a 磁極分割面
24 回転子鉄心(圧粉鉄心)
25 ロータヨーク
25a1 ロータヨークのネジ締付け用孔(取り付け孔)
25b1 凹状円筒部(ロータヨークの組合部)
25b2 凸状円筒部(ロータヨークの組合部)
25c1 ストッパ(ストッパ部)
26 ロータボス
26b1 凹部(ロータボスの組合部)
26b2 凸部(ロータボスの組合部)
27 ネジ締付け用穴(取り付け孔)
29 樹脂

Claims (8)

  1. 回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置され全体を樹脂で一体に成形される回転子を備えるモータであって、
    前記磁極片は、圧粉鉄心で形成されるとともに、前記回転子鉄心と空間的に分離され、かつ、前記回転子鉄心との間に前記磁石以外の強磁性体を介在させることなく磁気的にも分離され、
    かつ、
    前記磁極片または前記回転子鉄心は、前記磁石の磁極分割面に接触しない
    ことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記回転子鉄心は、圧粉鉄心で形成される
    ことを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、
    前記モータを取り付けるための取り付け孔が、前記回転子における前記磁石より内方に設けられる
    ことを特徴とするモータ。
  4. 回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置され樹脂で一体に成形されるモータの回転子であって、
    前記磁極片は、圧粉鉄心で形成されるとともに、前記回転子鉄心と空間的に分離され、かつ、前記回転子鉄心との間に前記磁石以外の強磁性体を介在させることなく磁気的にも分離され、
    前記磁極片または前記回転子鉄心は、前記磁石の磁極分割面に接触しない
    ことを特徴とするモータの回転子。
  5. 請求項4に記載のモータの回転子において、
    前記回転子鉄心は、圧粉鉄心で形成される
    ことを特徴とするモータの回転子。
  6. 請求項4または請求項5に記載のモータの回転子において、
    前記モータを取り付けるための取り付け孔が、前記磁石より内方に設けられる
    ことを特徴とするモータの回転子。
  7. 回転子鉄心と磁極片の間に磁石を挟んで配置される回転子を備えるモータの製造方法であって、
    前記回転子鉄心の内周部がロータヨークの外周部に嵌合されるとともに前記ロータヨークの組合部にロータボスの組合部が組み合わせられ、
    前記回転子鉄心に対して、前記磁石、前記磁極片の順に配置され、
    前記ロータボス、前記ロータヨーク、前記回転子鉄心、前記磁石、および前記磁極片が樹脂にて一体に成形される
    ことを特徴とするモータの製造方法。
  8. 請求項7に記載のモータの製造方法であって、
    前記回転子鉄心の内周部がロータヨークの外周部に嵌合される際、前記回転子鉄心が前記ロータヨークの外周部に外方に延びて形成されるストッパ部で位置決めされる
    ことを特徴とするモータの製造方法。
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