JP2010177010A - 光源装置、プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ波の漏洩を低減するとともに、光源装置全体を小型化し、発光効率を向上させることが可能な構造を提供する。
【解決手段】本発明の光源装置1は、マイクロ波を出力するマイクロ波電源と、マイクロ波の入力を受けて発光する発光物質が充填される発光空間Kを有した発光管10と、発光空間Kを挟んで発光管10の一方の側に設けられ、マイクロ波電源に電気的に接続された第1電極11aと、発光空間Kを挟んで発光管10の他方の側に設けられた第2電極11bと、第2電極11bに電気的に接続され、マイクロ波を共振させて発光空間Kで高周波電流の定在波の振幅の腹が位置するように反射する反射板30と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源装置、プロジェクターに関するものである。
近年、プロジェクターに用いられる光源装置として、マイクロ波放電方式を用いた無電極放電ランプの開発が盛んに行われている。無電極放電ランプは、従来の白熱灯や高圧水銀ランプ等の電極放電式ランプと異なり発光管内部に放電用の電極を有していないため、フィラメントや電極の消耗が抑制され、長寿命光源として期待されている。
このような無電極放電ランプとしては、マイクロ波にアンテナの原理を利用した共振をさせて、ランプの発光部にマイクロ波のエネルギーを供給して発光させる構造がある。例えば、特許文献1及び2では、内部に発光物質が封入された発光管に一対の電極を突出させ、所定の間隔を有して対向配置させることにより、発光管の中心の発光部に高インピーダンス部を形成している。そして、一対の電極の一方にマイクロ波発生用の電源を接続し、発光管内部の高インピーダンス部にマイクロ波を供給することにより、強い電界を発生して発光部から光を射出させている。
特開2007−115534号公報 特開2007−115547号公報
しかしながら、特許文献1及び2の技術では、アンテナの原理を利用して発光させる構造であるため、発光部から光を射出させるとともに、供給するマイクロ波が外部へ漏洩してしまい、他の電子機器、さらには人体に悪影響を与えてしまう場合がある。また、従来の光源装置は、ランプの全長がマイクロ波の波長に応じた長さとなるため、装置全体を小型化することが困難な場合がある。また、従来の光源装置は、入力端のインピーダンス整合が不十分となり、発光効率を向上させることが困難な場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、マイクロ波の漏洩を低減するとともに、光源装置全体を小型化し、発光効率を向上させることが可能な構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の光源装置は、マイクロ波を出力するマイクロ波電源と、前記マイクロ波の入力を受けて発光する発光物質が充填される発光空間を有した発光管と、前記発光空間を挟んで前記発光管の一方の側に設けられ、前記マイクロ波電源に電気的に接続された第1電極と、前記発光空間を挟んで前記発光管の他方の側に設けられた第2電極と、前記第2電極に電気的に接続され、前記マイクロ波を共振させて前記発光空間で高周波電流の定在波の振幅の腹が位置するように反射する反射板と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、反射板を設けることで、発光部の中心でマイクロ波の共振によって生じる高周波電流の定在波の振幅が腹となり高周波電流が最大となるので、発光効率を向上させることができる。本願発明者は、所定の条件の下、マイクロ波の周波数を1.5〜4.0GHzの範囲で、発光管の支持部の長さと反射板の半径とを所定の長さに調整して本発明に係る光源装置の入力端のインピーダンス整合のシミュレーションを行った。その結果、本願発明者は、本発明に係る光源装置に使用する周波数2.4GHzで従来に比較して入力端のインピーダンスの整合がとれることを確認し、このときの支持部の長さと反射板の半径との関係を見出した。これにより、反射板の半径を所定の長さにすることで、従来の光源装置よりも支持部の長さを短くし、結果としてランプの全長を短くすることができる。また、本願発明者は、上記シミュレーションを行い、反射板を設けることによって、漏洩電波の放射性能が低下することを見出した。したがって、漏洩電波を低減させるとともに、光源装置全体を小型化し、発光効率を向上させることが可能な構造が提供できる。
本発明においては、前記反射板は、前記第2電極の前記発光管に設けられた側と反対の側の端部に接続されていることが望ましい。
この構成によれば、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波と、反射板から反射されたマイクロ波とを共振させて定在波を生じさせることができる。その結果、発光部の中心で共振により生じた高周波電流の定在波の振幅が腹になり高周波電流が最大になるので、発光効率を向上させることができる。
本発明においては、前記反射板は、前記第2電極の長手方向に対して垂直方向に配置されていることが望ましい。
本願発明者は、本発明に係る光源装置の入力端のインピーダンス整合性のシミュレーションを行い、反射板を第2電極の長手方向に対して垂直方向に設けたほうが、反射板を第2電極の長手方向に配置するよりも、漏洩電波の放射性能が低下することを見出した。したがって、漏洩電波を格段に低減させることが可能な構造が提供できる。
本発明においては、前記反射板が円板形状であることが望ましい。
この構成によれば、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波を効率的に反射させることができる。
本発明においては、前記反射板が椀形状であることが望ましい。
この構成によれば、発光部から射出された光を集光させて反射させることができる。これにより、光が集光されるので点光源に近い高輝度発光を得ることができる。
本発明においては、前記反射板が金属からなることが望ましい。
この構成によれば、反射板が放熱器の機能を兼ねるので、発光部に熱が発生した場合に効率よく放熱することができる。
本発明においては、前記反射板から反射された光を反射させる反射面を有するリフレクタを備えることが望ましい。
この構成によれば、リフレクタによって、反射板から反射された光を略一定方向に効率的に射出させることができる。
本発明のプロジェクターは、前述した本発明の光源装置を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、上述した光源装置を備えているため、マイクロ波の漏洩を低減するとともに、光源装置全体を小型化し、発光効率に優れた高性能なプロジェクターを提供することができる。
第1実施形態の光源装置の概略構成を示した模式図である。 第1実施形態の光源装置のスミスチャートである。 第1実施形態の光源装置の支持部の長さと反射板の半径の関係図である。 第2実施形態の光源装置の概略構成を示した模式図である。 第3実施形態の光源装置の概略構成断面図である。 第4実施形態の光源装置の概略構成を示した模式図である。 第4実施形態の光源装置のスミスチャートである。 第4実施形態の光源装置の支持部の長さと反射板の半径の関係図である。 第5実施形態の光源装置の概略構成斜視図である。 第6実施形態の光源装置の概略構成断面図である。 第6実施形態の光源装置の変形例を示した概略構成断面図である。 プロジェクターの一実施形態を示す概略構成図である。 従来の光源装置の概略構成断面図である。 従来の光源装置のスミスチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る光源装置の概略を示す模式図である。図1(a)は、図1(b)のB−B線に沿った断面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の光源装置1は、マイクロ波励起ランプ15と、マイクロ波励起ランプ15の一方の側に接続された反射板30と、マイクロ波励起ランプ15の他方の側に接続された同軸ケーブル20とを備えている。同軸ケーブル20のマイクロ波励起ランプ15の接続された側と反対の側には、マイクロ波を出力するマイクロ波電源(図示略)が接続されている。このマイクロ波電源から同軸ケーブル20を介して入力されるマイクロ波によってマイクロ波励起ランプ15が発光する。
マイクロ波励起ランプ15は、発光管10と、発光管10内に配置される一対の電極11a(第1電極)、11b(第2電極)とを備えている。発光管10は、中央部分が球状に膨出した発光部10aと、発光部10aの両側に延在する細管状の支持部10b,10cとを有して構成されている。発光管10は、例えば石英ガラス等の絶縁材料から形成されている。
発光部10a内に形成された発光空間Kには、マイクロ波の入力を受けて発光する発光物質が充填されている。発光物質としては、例えば水銀、希ガス、ハロゲン化合物を用いることができる。なお、発光物質を超高圧に封入することで、マイクロ波の励起によって十分な輝度を得ることができる。
第1電極11aは、支持部10b内に挿入され、同軸ケーブル20を介してマイクロ波電源と電気的に接続されている。一方、第2電極11bは、支持部10c内に挿入されている。電極11a,11bは発光部10aの発光空間K内において互いの先端部を対向させて、所定の間隔(以下、ギャップという。)を有して配置されている。なお、電極11a,11bの先端部のギャップは、なるべく小さくするのがよい。これにより、点光源に近い高輝度発光を得ることができる。電極11a,11bの形成材料は、熱膨張係数が小さく耐熱性が高い導電性材料、例えばタングステンを用いることができる。
反射板30は、円板形状からなり、第2電極11bの支持部10に設けられた側と反対の側の端部に接続されている。また、反射板30は、図1(b)の断面図で、同軸ケーブル20と発光部10aとに重なる位置に配置されている。これにより、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波を効率的に反射させることができる。そして、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波と、反射板30から反射されたマイクロ波とを共振させて定在波を生じさせることができる。反射板30の形成材料は、例えばアルミニウム等の金属からなっている。これにより、反射板30が放熱器の機能を兼ねるので、発光部10aに熱が発生した場合に効率よく放熱することができる。
同軸ケーブル20は、内部導体21と、内部導体21を覆う外部導体22と、内部導体21と外部導体22との間に介在する誘電体23とから構成されている。内部導体21及び外部導体22の形成材料は、例えば銅が用いられる。誘電体23の形成材料は、例えばマイクロ波に対して誘電体損失の少ないPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられる。なお、同軸ケーブル20の特性インピーダンスを50Ωに保持しておくのがよい。これにより、信号伝達において損失を生じさせることなく高周波信号(マイクロ波)を効率よく発光部10aへ供給することができる。
次に、図1(a)及び図1(b)に示すそれぞれの寸法について説明する。寸法Hは、マイクロ波励起ランプ15の長手方向の距離(以下、ランプの全長という。)である。寸法Lは、支持部10b,10cの長手方向の距離(以下、支持部の長さという。)である。また、寸法Rは、反射板30の半径である。
ここで、支持部の長さLのうち、寸法L1は支持部10bの長さであり、寸法L2は支持部10cの長さである。なお、支持部の長さL1,L2は略同じ長さになっている。これにより、発光管10の左右の向きがどちらでもよくなるので、発光管10の左右の向きを合わせる必要がなく、製造効率を向上させることができる。
そして、本願発明者は、所定の条件の下、マイクロ波の周波数を1.5〜4.0GHzの範囲で、発光管10の支持部の長さLと反射板の半径Rとを所定の長さに調整して本発明に係る光源装置1の入力端のインピーダンス整合のシミュレーションを行った。その結果、本願発明者は、本実施の形態である光源装置1に使用する周波数2.4GHzで従来に比較して入力端のインピーダンスの整合がとれることを確認し、このときの支持部の長さLと反射板の半径Rとの関係を見出した。これにより、反射板の半径Rを所定の長さにすることで、従来の光源装置1000(図13)よりも支持部の長さLを短くし、結果としてランプの全長Hを短くすることができる。
ここで、従来の光源装置について説明する。図13は、従来の光源装置1000の概略を示す模式図である。本図は、図1(a)に対応した、従来の光源装置1000の断面構成を表した図である。図1(a)と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。
図13に示すように、光源装置1000は、マイクロ波励起ランプ1015と、マイクロ波励起ランプ1015の一方の側に接続された同軸ケーブル1020とを有して構成されている。符号1010は発光管、符号1010aは発光部、符号1010b,1010cは支持部、符号1011a,1011bは電極、符号1021は内部導体、符号1022は外部導体、符号1023は誘電体である。寸法Hはマイクロ波励起ランプ1015の全長、寸法Lは支持部1010b,1010cのそれぞれの長さである。従来の光源装置1000は、反射板30を有していない点で本実施形態の光源装置1と異なる。
光源装置1000は、発光空間Kに一対の電極1011a,1011bを突出させ、所定の間隔を有して対向配置させることにより、アンテナの原理を利用して発光部1010aに高インピーダンス部を形成している。また、光源装置1000のランプの全長Hは、マイクロ波の実効波長の略1/2の長さとなっている。つまり、マイクロ波の実効波長をλとすると、ランプの全長Hが「H=nλ/2、ここでnは奇数」を満たしている。このため、光源装置1000はプロジェクター等の光学機器への実装において占有体積が大きくなってしまい、小型化することが困難な場合があった。
次に、従来の光源装置1000について本願発明者が行った光源装置1000の入力端のインピーダンス整合のシミュレーションの結果を説明する。図14は、従来の光源装置1000のスミスチャート(インピーダンスチャート)を示した図である。なお、シミュレーションの条件(各種パラメータ)は、比誘電率:80+30j、シミュレーション方法:有限積分法、シミュレーション空間の境界条件:完全吸収境界、周波数:1.5〜4.0GHz、信号入力:50Ω同軸線路による入力、である。なお、周波数は1.5〜4.0GHzの範囲である。また、ランプの全長Hは42.6mm、支持部の長さLは18mmに設定している。
光源装置の入力端のインピーダンスはR±jX(実数+虚数)で表される。図14のスミスチャート上にプロットされるインピーダンスの座標が、中心の正規化インピーダンス1Ωに近づくにつれて、光源装置の入力端のインピーダンス整合が向上される(インピーダンスマッチングが行われる)。一方、図14中の外周側(周囲側)では不整合となり光源装置にマイクロ波が入力されること無く反射される。
図14中の記号○は、周波数1.5GHzにおける光源装置1000の入力端のインピーダンスの座標(1.40,−56.37)を示している。この場合は基準が50ΩなのでRパートの1.40を基準の50で割って正規化すると0.03、jパートの56.37を同様に正規化すると1.13となり、それぞれの座標が求まる。よって、横軸の0.03とマイナス側(横軸の下側)の1.13の交点が、周波数1.5GHzにおける光源装置1000の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図14中の記号△は、光源装置1000で使用する周波数2.4GHzにおける入力端のインピーダンスの座標(18.28,−32.41)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.37、jパートの座標は0.65となる。よって、横軸の0.37とマイナス側(横軸の下側)の0.65の交点が、周波数2.4GHzにおける光源装置1000の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図14中の記号□は、周波数4.0GHzにおける光源装置1000の入力端のインピーダンスの座標(5.81,13.57)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.12、jパートの座標は0.27となる。よって、横軸の0.12とプラス側(横軸の上側)の0.27の交点が、周波数4.0GHzにおける光源装置1000の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
図14中の実線は、周波数範囲1.5〜4.0GHzにおける光源装置1000の入力端のインピーダンスの軌跡を示している。図14に示すように、周波数1.5〜2.4GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、容量性から誘導性に変化し、円の中心の1Ωへ向かってシフトしている(図14中○→△)。一方、周波数2.4〜4.0GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、円の中心から離れ、途中から円の外周に沿って移動している(図14中△→□)。
しかしながら、スミスチャートの円の中心から光源装置1000で使用する周波数2.4GHzにおける座標(図14中△)を見ると、それほど近くにはない(光源装置1000の入力端のインピーダンス整合が向上しているとはいえない)ことが確認される。このため、従来の光源装置は、入力端のインピーダンス整合が十分にとれずに、発光効率を向上させることが困難な場合があった。
そこで、本願発明者は、従来技術の光源装置1000のマイクロ波励起ランプ1015の一方の側に反射板30を設けることで、光源装置全体を小型化し、発光効率を向上させることができる条件(入力端のインピーダンス整合をとれる条件)となる支持部の長さLと反射板の半径Rの関係を見出した。
次に、本実施形態の光源装置1について本願発明者が行った入力端のインピーダンス整合のシミュレーションの結果を説明する。図2は、図14に対応した、光源装置1のスミスチャート(インピーダンスチャート)を示した図である。図14と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。なお、本シミュレーションにおいて、ランプの全長Hは16.6mm、支持部の長さLは5.3mm、反射板の半径Rは24mmに設定している。
図2中の記号○は、周波数1.5GHzにおける光源装置1の入力端のインピーダンスの座標(2.67,−66.62)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.05、jパートの座標は1.33となる。よって、横軸の0.05とマイナス側(横軸の下側)の1.33の交点が、周波数1.5GHzにおける光源装置1の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図2中の記号△は、本実施形態の光源装置1で使用する周波数2.4GHzにおける入力端のインピーダンスの座標(45.39,−12.16)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.91、jパートの座標は0.24となる。よって、横軸の0.91とマイナス側(横軸の下側)の0.24の交点が、周波数2.4GHzにおける光源装置1の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図2中の記号□は、周波数4.0GHzにおける光源装置1の入力端のインピーダンスの座標(1.26,6.01)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.03、jパートの座標は0.12となる。よって、横軸の0.03とプラス側(横軸の上側)の0.12の交点が、周波数4.0GHzにおける光源装置1の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
図2中の実線は、周波数範囲1.5〜4.0GHzにおける光源装置1の入力端のインピーダンスの軌跡を示している。図2に示すように、周波数1.5〜2.4GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、容量性から誘導性に変化し、円の中心の1Ωへ向かってシフトしている(図2中○→△)。一方、周波数2.4〜4.0GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、円の中心から離れ、途中から円の外周に沿って移動している(図2中△→□)。
図2と図14(従来の光源装置のスミスチャート)とを比較すると、図2のほうが、周波数2.4GHzにおける座標(図2中△)が円の中心の1Ωに近くなっている。すなわち、スミスチャートの円の中心から周波数2.4GHzにおける座標(図2中△)を見ると、従来に比較してjパートを減少させるとともにRパートを50Ω(1Ω)に近づけることができる(入力端のインピーダンス整合が向上している)ことが確認される。したがって、スミスチャートからも、本実施形態の光源装置1は従来の光源装置1000より、2.4GHzにおける入力端のインピーダンス整合が向上し、発光効率を向上させることができることが確認される。
次に、本実施形態の光源装置1について、周波数2.4GHzで入力端のインピーダンスを整合させた際の支持部の長さLと反射板の半径Rの関係について説明する。図3は、支持部の長さLと反射板の半径Rの関係を示した図である。図3中の横軸が支持部の長さL(mm)、縦軸が反射板の半径R(mm)を表している。なお、支持部の長さLは支持部10b,10cの一方の長さ、言い換えると、支持部の長さL1,L2の一方を示している。本実施形態では、支持部の長さL1,L2は略同じ長さになっている。
図3中の実線は、反射板無し(従来の光源装置)を起点とし、反射板を設けて反射板の半径Rを大きくさせた場合における支持部の長さの変化を示している。図3に示すように、反射板無しから反射板の半径Rが24mmの範囲では、反射板の半径Rが大きくなるにつれ、支持部の長さLが小さくなっている。反射板無しから反射板の半径Rが24mmの範囲で、支持部の長さLが最も小さくなっているのは、反射板の半径Rが24mmのときである。反射板の半径Rが24mmのとき、支持部の長さLは5.3mmとなっている。
また、本実施形態の光源装置1のランプの全長Hは16.6mmであり、従来の光源装置1000のランプの全長Hが42.6mmであるのに対して約40%の長さに短縮されている。したがって、本実施形態の光源装置1と従来の光源装置1000のランプの全長の関係からも、本実施形態の光源装置1は従来の光源装置1000より光源装置全体を小型化できることが確認される。
なお、本願発明者は、上記シミュレーションを行い、反射板を設けることによって、漏洩電波の放射性能が低下することを見出した。本実施形態の光源装置1の漏洩電波の放射性能は、従来の光源装置1000の漏洩電波の放射性能に対して約70%となっていることが確認された。したがって、本実施形態の光源装置1は従来の光源装置1000より漏洩電波を低減することができる。
本実施形態の光源装置1によれば、反射板30を設けることで、発光部10aの中心でマイクロ波の共振によって生じる高周波電流の定在波の振幅が腹となり高周波電流が最大になるので、発光効率を向上させることができる。本願発明者は、所定の条件の下、マイクロ波の周波数を1.5〜4.0GHzの範囲で、発光管10の支持部の長さLと反射板の半径Rとを所定の長さに調整して光源装置1の入力端のインピーダンス整合のシミュレーションを行った。その結果、本願発明者は、周波数が2.4GHzで従来に比較して光源装置1の入力端のインピーダンスの整合がとれることを確認し、このときの支持部の長さLと反射板の半径Rとの関係を見出した。これにより、反射板の半径Rを所定の長さにすることで、従来の光源装置1000よりも支持部の長さLを短くし、結果としてランプの全長Hを短くすることができる。また、本願発明者は、上記シミュレーションを行い、反射板30を設けることによって、漏洩電波の放射性能が低下することを見出した。したがって、漏洩電波を低減するとともに、光源装置全体を小型化し、発光効率を向上させることが可能な構造が提供できる。
また、この構成によれば、反射板30が第2電極11bの発光管10に設けられた側と反対の側の端部に接続されているので、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波と、反射板30から反射されたマイクロ波とを共振させて定在波を生じさせることができる。その結果、発光部10aの中心で共振により生じた高周波電流の定在波の振幅が腹になり高周波電流が最大になるので、発光効率を向上させることができる。
また、この構成によれば、反射板30が円板形状なので、マイクロ波電源から出力されたマイクロ波を効率的に反射させることができる。
また、この構成によれば、反射板30が金属からなるので、反射板30が放熱器の機能を兼ねる。これにより、発光部10aに熱が発生した場合に効率よく放熱することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る光源装置について、図4を用いて説明する。図4は、光源装置2の概略構成を示す模式図である。本実施形態では、反射板31が椀形状である点で上述の第1実施形態で説明した光源装置1と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、光源装置2は第1実施形態の光源装置1と異なり、反射板30が円板形状ではなく、椀形状となっている。マイクロ波励起ランプ15の一方の側、具体的には、支持部10cの発光部10aに隣接する側と反対の側の端部が椀形状の反射板30の凹部の中心に接続されている。
本実施形態の光源装置2によれば、反射板30が椀形状なので、発光部10aから射出された光を集光させて反射させることができる。これにより、光が集光されるので点光源に近い高輝度発光を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る光源装置について、図5を用いて説明する。図5は、光源装置2にリフレクタ40を設けた光源装置2Aの断面構成を示す図となっている。本実施形態では、リフレクタ40が設けられている点で上述の第2実施形態で説明した光源装置2と異なっている。その他の点は第2実施形態と同様であるので、図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、光源装置2Aは第2実施形態の光源装置2に、発光部10aから射出される光と反射板31から反射された光とを反射するリフレクタ40を設けたものである。リフレクタ40は、マイクロ波励起ランプ15が挿入される挿入部40bと、この挿入部40bから拡がる放物曲面状の反射面を有する反射部40aとを備えている。リフレクタ40の形成材料は、例えば石英ガラスが用いられ、挿入部40bと反射部40aとが一体で形成されている。反射部40aの反射面上には、マイクロ波を透過するとともに発光部10aから射出される光と反射板30から反射された光とを反射する誘電体多層膜が形成されている。これにより、リフレクタ40によって反射された光50の射出方向が略一定の方向になる。
本実施形態の光源装置2Aによれば、反射板30から反射された光を反射させる反射面を有するリフレクタ40を備えるので、リフレクタによって、発光部10aから射出される光と反射板30から反射された光とを略一定方向に効率的に射出させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る光源装置について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)は、光源装置3の概略構成を示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)の矢視Cから見た底面図である。本実施形態では、反射板30Aが、支持部10cの長手方向(第2電極11bの長手方向)に対して垂直方向に配置されている点で上述の第1実施形態で説明した光源装置1と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、光源装置3は第1実施形態の光源装置1と異なり、反射板30Aが支持部10cの長手方向(第2電極11bの長手方向)に対して垂直方向に配置されている。具体的には、反射板30Aは、L字状に屈曲した導電性部材12を介してマイクロ波励起ランプ15内部に設けられた第2電極11bと電気的に接続されている。また、反射板30Aは、図6(b)に示す底面視で発光部10aと重なる位置に配置されている。言い換えると、反射板30Aは、発光部10aの支持部10b,10cが設けられた側に隣り合う側面に対向する位置に配置されている。導電性部材12は、円板形状の反射板30Aの側面に接続されている。寸法H’はマイクロ波励起ランプ15の全長、寸法L’は支持部10b,10cの長さである。
そして、本願発明者は、本実施形態の光源装置3について、上述の第1実施形態の光源装置1と同様に入力端のインピーダンス整合のシミュレーションを行った。その結果、光源装置3は、第1実施形態の光源装置1と同様に、従来の光源装置1000よりもランプの全長を短くすることができることを見出した。また、本願発明者は、上記シミュレーションを行い、光源装置3は、第1実施形態の光源装置1よりも漏洩電波の放射性能が低下できることを見出した。以下、本発明の光源装置3について本願発明者が行った入力端のインピーダンス整合のシミュレーションの結果を説明する。
図7は、図14に対応した、光源装置3のスミスチャート(インピーダンスチャート)を示した図である。図14と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。なお、本シミュレーションでは、ランプの全長H’は16.6mm、支持部の長さL’は5.3mm、反射板の半径R’は7mmに設定している。
図7中の記号○は、周波数1.5GHzにおける光源装置3の入力端のインピーダンスの座標(−0.47,−46.48)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.01、jパートの座標は0.93となる。よって、横軸の0.01とマイナス側(横軸の下側)の0.93の交点が、周波数1.5GHzにおける光源装置3の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図7中の記号△は、光源装置3で使用する周波数2.4GHzにおける光源装置3の入力端のインピーダンスの座標(28.16,1.77)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.56、jパートの座標は0.04となる。よって、横軸の0.56とプラス側(横軸の上側)の0.04の交点が、周波数2.4GHzにおける光源装置3の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
また、図7中の記号□は、周波数4.0GHzにおける光源装置3の入力端のインピーダンスの座標(2.94,13.32)を示している。正規化すると、Rパートの座標は0.06、jパートの座標は0.27となる。よって、横軸の0.06とプラス側(横軸の上側)の0.27の交点が、周波数4.0GHzにおける光源装置3の入力端の正規化インピーダンスの座標となる。
図7中の実線は、周波数範囲1.5〜4.0GHzにおけるインピーダンスの軌跡を示している。図7に示すように、周波数1.5〜2.4GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、容量性から誘導性に変化し、円の中心の1Ωへ向かってシフトしている(図7中○→△)。一方、周波数2.4〜4.0GHzの範囲では、周波数が大きくなるにつれ、円の中心から離れ、途中から円の外周に沿って移動している(図7中△→□)。
図7と図14(従来の光源装置のスミスチャート)とを比較すると、図7のほうが、光源装置3で使用する周波数2.4GHzにおける座標(図7中△)が円の中心の1Ωに近くなっている。すなわち、スミスチャートの円の中心から周波数2.4GHzにおける座標(図7中△)を見ると、従来に比較してjパートを減少させるとともにRパートを50Ω(1Ω)に近づけることができる(インピーダンス整合が向上している)ことが確認される。したがって、スミスチャートからも、本実施形態の光源装置3は、第1実施形態の光源装置1と同様に、従来の光源装置1000より、2.4GHzにおける入力端のインピーダンス整合が向上し、発光効率を向上させることができることが確認される。
次に、本実施形態の光源装置3について、周波数2.4GHzで入力端のインピーダンスを整合させた際の支持部の長さLと反射板の半径Rの関係について説明する。図8は、支持部の長さL’と反射板の半径R’の関係を示した図である。図8中の横軸が支持部の長さL’(mm)、縦軸が反射板の半径R’(mm)を表している。
図8中の実線は、反射板無し(従来の光源装置)を起点とし、反射板30Aを設けて反射板の半径R’を大きくさせた場合における支持部の長さの変化を示している。図8に示すように、反射板無しから反射板の半径R’が7mmの範囲では、反射板の半径R’が大きくなるにつれ、支持部の長さL’が小さくなっている。反射板無しから反射板の半径R’が7mmの範囲で、支持部の長さL’が最も小さくなっているのは、反射板の半径R’が7mmのときである。反射板の半径R’が7mmのとき、支持部の長さL’は5.3mmとなっている。
また、本実施形態の光源装置3のランプの全長H’は16.6mmであり、従来の光源装置1000のランプの全長Hが42.6mmであるのに対して約40%の長さに短縮されている。したがって、本実施形態の光源装置3と従来の光源装置1000のランプの全長の関係からも、本実施形態の光源装置3は、第1実施形態の光源装置1と同様に、従来の光源装置1000より光源装置全体を小型化できることが確認される。また、本実施形態の光源装置3の反射板の半径R’は7mmであり、第1実施形態の光源装置1の反射板の半径Rが24mmであるのに対して約30%の長さに短縮されている。したがって、本実施形態の光源装置3は第1実施形態の光源装置1より光源装置全体を小型化できることが確認される。
なお、本願発明者は、上記シミュレーションを行い、反射板30Aを設けることによって、第1実施形態の光源装置1よりも漏洩電波の放射性能が低下することを見出した。本実施形態の光源装置3の漏洩電波の放射性能は、従来の光源装置1000の漏洩電波の放射性能に対して約35%となっていることが確認された。第1実施形態の光源装置1の漏洩電波の放射性能が従来の光源装置1000の漏洩電波の放射性能に対して約70%となっていることから、本実施形態の光源装置3の漏洩電波の放射性能は相対的に低いことがわかる。したがって、本実施形態の光源装置3は第1実施形態の光源装置1より漏洩電波を低減することができる。
本実施形態の光源装置3によれば、反射板30Aを支持部10cの長手方向に対して垂直方向に設けることで、第1実施形態の光源装置1のように反射板30を支持部10cの長手方向に配置するよりも、漏洩電波を格段に低減させることができる。
なお、本実施形態の光源装置3の導電性部材12は、反射板30Aの側面に接続されているが、これに限らない。例えば、導電性部材12は、導電性部材12の端部が反射板30Aの発光部10aと対向する側と反対の側(裏側)に接するように引き回して接続されていてもよい。すなわち、導電性部材12の反射板30Aへの接続部位は、光のブロッキングの生じない位置で任意に設定することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る光源装置について、図9を用いて説明する。図9は、図6(a)に対応した、光源装置4の概略構成を示す斜視図である。本実施形態では、反射板31Aが椀形状である点で上述の第4実施形態で説明した光源装置3と異なっている。その他の点は第4実施形態と同様であるので、図6(a)と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、光源装置4は第4実施形態の光源装置3と異なり、反射板31Aが円板形状ではなく、椀形状となっている。
本実施形態の光源装置4によれば、反射板31Aが椀形状なので、発光部10aから射出された光を集光させて反射させることができる。これにより、光が集光されるので点光源に近い高輝度発光を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る光源装置について、図10を用いて説明する。図10は、図5に対応した、光源装置4にリフレクタ41を設けた光源装置4Aの断面構成を示す図となっている。本実施形態では、リフレクタ41が設けられている点で上述の第5実施形態で説明した光源装置4と異なっている。その他の点は第4実施形態と同様であるので、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示すように、光源装置4Aは第5実施形態の光源装置4に反射板31Aから反射された光を反射するリフレクタ41を設けたものである。リフレクタ41は、マイクロ波励起ランプ15が挿入される挿入部41bと、この挿入部40bから拡がる放物曲面状の反射面を有する半椀形状の反射部41aとを備えている。反射部41aは、反射板31Aとマイクロ波励起ランプ15を介して対向する側(片側のみ)に位置して設けられている。
本実施形態の光源装置4Aによれば、反射板31Aから反射された光を反射させるリフレクタ41の半椀形状の反射部41aが片側のみに位置して設けられているので、発光部10aから射出される光と反射板31Aから反射された光とのブロッキングが生じることなく、略一定方向に効率的に射出させることができる。
なお、光源装置4Aを2つ備えた構造とすることもできる。図11は、図10に対応した、2つの光源装置4Aを対向させて配置した光源装置4Bの断面構成を示す図となっている。図10と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11に示すように、光源装置4Bは第6実施形態の光源装置4Aを2つ有している。光源装置4Bは、2つの反射板31Aを挟んで、2つのリフレクタ41が対向する位置に設けられている。これにより、1灯分のランプ体積で複数灯の反射板31Aを有した光源装置4Bを得ることができる。
なお、本発明の光源装置は、発光管10の形成材料として石英ガラスを用いる例を示したが、これに限らない。例えば、発光管10の形成材料としては、透明セラミックスや透明サファイアを用いてもよい。これにより、発光管10の光透過率や耐熱性を向上させることができる。
なお、本発明の光源装置は、電極11a,11bの形成材料としてタングステンを用いる例を示したが、これに限らない。例えば、電極11a,11bのうち、支持部10b,10c内に配置される部分を箔状としてもよい。このとき、電極11a,11bにモリブデン製の金属箔を接続するのがよい。これにより、発光管10の形成材料の石英ガラスとの熱膨張率差を打ち消すことができ、発光空間K内の気密性を維持することが可能になる。
なお、本発明の光源装置は、発光管の支持部の長さL1,L2が略同じ長さになっているが、これに限らない。例えば、支持部の長さL1,L2のうち、いずれか一方を短くしてもよい。このとき、支持部の長さL2を短くするのがよい。これにより、発光部10aの電流密度を密にし、光源装置1の発光効率を格段に向上させることができると本願発明者は推測している。
なお、本発明の光源装置は、電極11a,11bが支持部10b,10c内にそれぞれ挿入され、発光部10aの発光空間K内において互いの先端部を対向させて、ギャップを有して配置されているが、これに限らない。例えば、電極11a,11bの互いの先端部をコイル状の連結部材で連結することにより配置してもよい。
(プロジェクター)
次に、図12を参照しつつ本発明に係るプロジェクターの一実施形態を説明する。図12に示すように、プロジェクター500は、光源装置550、液晶ライトバルブ(画像形成装置)551a、551b、551c、クロスダイクロイックプリズム552、及び投射レンズ(投射装置)553を備えている。光源装置550は、本発明の光源装置を適用したものであり、マイクロ波励起ランプ501、リフレクタ502、フィルタ503、レンズアレイ504、偏光変換素子505、及びコンデンサレンズ506を備えている。光源装置550から射出された光は、ダイクロイックミラー507、508、リレー光学系509等を経て、液晶ライトバルブ551a〜551cに入射する。
ダイクロイックミラー507、508は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したものである。これにより、所定の波長帯域の色光が選択的に反射し、それ以外の波長帯域の色光が透過するようになっている。例えば、光源装置550から射出された光源光のうち、赤色光Laがダイクロイックミラー507を透過するとともに、緑色光Lb及び青色光Lcがダイクロイックミラー507で反射する。また、ダイクロイックミラー507で反射した緑色光Lb及び青色光Lcのうち、青色光Lcがダイクロイックミラー508を透過し、緑色光Lbがダイクロイックミラー508で反射する。
ダイクロイックミラー507を透過した赤色光Laは、反射ミラーで反射し平行化レンズを経て赤色光用の液晶ライトバルブ551aに入射する。ダイクロイックミラー508で反射した緑色光Lbは、平行化レンズを経て緑色光用の液晶ライトバルブ551bに入射する。ダイクロイックミラー508を透過した青色光Lcは、リレー光学系509を経て青色光用の液晶ライトバルブ551cに入射する。
クロスダイクロイックプリズム552は、三角柱プリズムが貼り合わされた構造となっており、その内面に赤色光Laが反射し緑色光Lbが透過するミラー面と、青色光Lbが反射し緑色光が透過するミラー面とが互いに直交して形成されている。赤色光La、緑色光Lb、青色光Lcは、これらのミラー面で選択的に反射あるいは透過して同じ側に射出される。これにより、3つの色光が重ね合わされて合成光となる。この合成光は、投射レンズ553によってスクリーン560に拡大投射される。これにより、カラー表示の映像が得られるようになっている。
以上のようなプロジェクター500にあっては、本発明の光源装置を適用した光源装置550を備えているので、光源装置550を小型にすることができ、プロジェクター500を小型にすることができる。また、光源装置550において光の利用効率が高くなっているので、低消費電力のプロジェクター500になっている。また、光源装置550により漏洩電波を低減させることができ、信頼性に優れたプロジェクター500になっている。
なお、前記実施形態では、画像形成装置として透過型の液晶ライトバルブを用いた例を示したが、反射型の液晶ライトバルブを用いることも可能である。その場合には、反射型の液晶ライトバルブを用いるのに適した光学系に適宜変更される。また、液晶ライトバルブ以外の画像形成装置を用いることも可能である。例えば、デジタルミラーデバイス等の液晶ライトバルブ以外の画像形成装置を用いても良い。
1,2,2A,3,4,4A,4B,550…光源装置、10…発光管、11a…第1電極、11b…第2電極、30,30A,31,31A…反射板、40,41…リフレクタ、500…プロジェクター、K…発光空間

Claims (8)

  1. マイクロ波を出力するマイクロ波電源と、
    前記マイクロ波の入力を受けて発光する発光物質が充填される発光空間を有した発光管と、
    前記発光空間を挟んで前記発光管の一方の側に設けられ、前記マイクロ波電源に電気的に接続された第1電極と、
    前記発光空間を挟んで前記発光管の他方の側に設けられた第2電極と、
    前記第2電極に電気的に接続され、前記マイクロ波を共振させて前記発光空間で高周波電流の定在波の振幅の腹が位置するように反射する反射板と、を備えることを特徴とする光源装置。
  2. 前記反射板は、前記第2電極の前記発光管に設けられた側と反対の側の端部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記反射板は、前記第2電極の長手方向に対して垂直方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記反射板が円板形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 前記反射板が椀形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 前記反射板が金属からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源装置。
  7. 前記反射板から反射された光を反射させる反射面を有するリフレクタを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光源装置を備えていることを特徴とするプロジェクター。
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