JP2004185856A - 無電極ランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属メッシュ体の製造に手間のかかる溶接を無くして、生産性の向上及びコスト低減を図ることができ、しかも、バルブ位置に高強度電界領域を形成することができる無電極ランプ装置を得る。
【解決手段】マイクロ波エネルギ供給源から導波管5を経て出射されるマイクロ波を共振させるキャビティ34を、前記キャビティ34内に配置するバルブ7に向かって凹む略湾曲形状のリフレクタ33と、前記リフレクタ33と逆側に凹む略湾曲形状の金属メッシュ体35とで形成することで、キャビティ34内のバルブ7近傍に高強度電界領域E1を形成可能にすると同時に、金属メッシュ体35の強度向上を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】マイクロ波エネルギ供給源から導波管5を経て出射されるマイクロ波を共振させるキャビティ34を、前記キャビティ34内に配置するバルブ7に向かって凹む略湾曲形状のリフレクタ33と、前記リフレクタ33と逆側に凹む略湾曲形状の金属メッシュ体35とで形成することで、キャビティ34内のバルブ7近傍に高強度電界領域E1を形成可能にすると同時に、金属メッシュ体35の強度向上を実現する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波放射による励起でバルブを発光させる無電極ランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波放射による励起で発光するガスを封入したバルブを使用して、100,000ルーメンを越える高強度の発光が可能な無電極ランプ装置が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特表平11−503263号公報
【0004】
図3は、このような従来の無電極ランプ装置の構成を原理的に示したものである。
ここに示した無電極ランプ装置1は、マイクロ波エネルギ供給源となるマグネトロン装置3と、マグネトロン装置3の発生するマイクロ波を誘導する導波管5と、マイクロ波による励起で発光するガスが封入され、導波管5の先端の開口部(結合窓)6の前方に配置されるバルブ7と、このバルブ7の出射する光を配光する円板状のリフレクタ9と、導波管5と開口部6を介して連接されてバルブ7の周囲にマイクロ波を共振させるキャビティ11を画成する金属メッシュ体13とを備えた構成である。
【0005】
開口部6は、通常、図4に示すように、長円形状の開口とされている。また、金属メッシュ体13は、マイクロ波を遮断すると共に照射されたマイクロ波は反射してバルブ近傍に電界を集束させる一方で、バルブの出射する光は透過するもので、先端を閉じた有頭円筒構造に設けられている。
【0006】
有頭円筒構造の金属メッシュ体13は、通常、先端の円板形の蓋部13aと、円筒部13bとの2部品を溶接して形成されている。また、円筒部13bは、矩形のメッシュ材料を所定の円筒形に成形して端部を溶接することで形成している。
金属メッシュ体13の製造工程では、まず、円筒部13bを形成した後、この円筒部13bに蓋部13aを溶接し、更に、円筒部13bの後端部にリフレクタ9を接合することで、キャビティ11を画成する金属メッシュ体13とリフレクタ9とを一体化させている。
【0007】
このようなキャビティ11内では、開口部6を通ってキャビティ11内に発射されたマイクロ波の入射波16と、金属メッシュ体13での反射波17とが同位相で重なることで局部的に共振の集中が起こる。その結果、キャビティ11内では、共振の集中によって電界強度が極めて強い高強度電界領域E1と、その周囲に位置してやや強い中強度電界領域E2と、その周囲に位置する低強度電界領域E3と、その周囲に位置する更に電界強度が低い微弱強度電界領域E4とが形成された電界分布を生じる。
なお、図3では、キャビティ11内の各電界強度領域を、網点の濃度を変えることによって表示している。例えば、高強度電界領域E1は黒く塗りつぶして表示し、中強度電界領域E2はやや濃い網点で表示し、低強度電界領域E3は薄い網点で表示し、微弱強度電界領域E4はE3よりも更に薄い網点で表示している。
【0008】
バルブ7による発光強度や発光効率を高めるには、バルブ7を高強度電界領域E1に配置すること、更には、バルブ7の位置に適正な大きさの高強度電界領域E1が形成されるように、キャビティ11内における入射波16,反射波17の発生を調整することが重要になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した有頭円筒構造の金属メッシュ体13とその後端部に装備したリフレクタ9とによってキャビティ11を形成する従来の無電極ランプ装置1は、金属メッシュ体13の製造に手間のかかる溶接部が多く、その結果、生産性の低下や、コストアップ等の問題が生じた。
また、金属メッシュ体13に使用する金属メッシュ材料は、板厚が0.1mm程度のもので、曲げ強度が低い。そのため、上記のような有頭円筒構造のものは、曲げ強度の低い金属メッシュ材料の使用部位が多くなることから、変形が生じ易く、金属メッシュ体13の変形によってキャビティ11内におけるマイクロ波の反射等が変動して、例えば、高強度電界領域E1のずれ等の重大な欠陥を招く虞があった。
【0010】
そこで、曲げ強度の低い金属メッシュ体13の変形を防止するために、図5に示す構造の無電極ランプ装置21が提案されている。
この無電極ランプ装置21は、バルブ7側に凹んだ湾曲形状のリフレクタ23と、このリフレクタ23前面の円形の開口を覆う円板形の金属メッシュ体24とでマイクロ波を共振させるキャビティ26を形成するようにしたもので、それ以外の構成、例えば、バルブ7や、開口部6や、導波管5や、マグネトロン装置3等は、何れも、図3に示した無電極ランプ装置1のものと共通である。
【0011】
この無電極ランプ装置21では、金属メッシュ体24がバルブ7の前方を覆う平面状の円形部のみとなって、曲げ強度が低い金属メッシュ材料の使用領域が小さくなり、キャビティ26を画成する構造物としては、リフレクタ23によって強度を持たせることができたため、キャビティ26の変形防止に効果的である。
また、従来の有頭円筒構造の金属メッシュ体13と比較すると、溶接部を低減して、手間のかかる溶接に起因していた生産性の低下やコストアップを防止することもできる。
【0012】
ところが、図5に示した形態のキャビティ26は、キャビティ26内でのマイクロ波の入射波16と反射波17との重なりが低減して、共振の集中が発生し難くなり、図示のように、バルブ7の周囲には、図3の場合と比較すると、低強度電界領域E3や、更に電界強度が低い微弱強度電界領域E4しか形成することができない。
そのため、バルブ7の励起が弱く、強い発光を得ることができないという重大な欠陥を生じた。
【0013】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャビティを構成する金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くして、生産性の向上及びコスト低減を図ることができ、また、キャビティの変形を防止すると同時に、バルブ位置に適正な大きさの高強度電界領域を形成することができて、バルブに高強度の発光をさせることができる無電極ランプ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る無電極ランプ装置は、請求項1に記載したように、マイクロ波エネルギ供給源と、このマイクロ波エネルギ供給源の発生するマイクロ波を誘導する導波管と、前記導波管の前方側に配置されマイクロ波による励起で発光するバルブと、前記バルブ側に凹む略湾曲形状に設けられて前記バルブの出射する光を配光するリフレクタと、前記リフレクタとの協働でマイクロ波を共振させるキャビティを画成するべく前記リフレクタと逆側に凹む略湾曲形状又は円錐形状に形成されて前記リフレクタ前面に対向配置され、マイクロ波を遮断すると共に照射されたマイクロ波は反射して前記バルブ近傍に電界を集束させる一方で、前記バルブの出射する光は透過する金属メッシュ体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成された無電極ランプ装置においては、マイクロ波を共振させるキャビティを形成する金属メッシュ体は、バルブ側に凹む略湾曲形状又は円錐形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
更に、上記構成の金属メッシュ体は、絞り加工等で所定の湾曲形状又は円錐形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタとの協働でキャビティを形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティを得ることができる。
従って、キャビティの変形を防止することができ、キャビティの変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
そして、金属メッシュ体とリフレクタとを互いに逆向きに凹の略湾曲形状とした場合、キャビティ内におけるマイクロ波の入射波と反射波との共振の集中が効率よく起こり、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域をバルブ位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブに高強度の発光をさせることもできる。
【0016】
また、請求項2に記載の無電極ランプ装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の無電極ランプ装置において、前記リフレクタが、前記導波管から前記金属メッシュ体の最大径部まで徐々に拡径する湾曲形状に形成された第1リフレクタと、この第1リフレクタの先端に連続し徐々に拡径するリング状の第2リフレクタとの2分割構造に形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
このように構成された無電極ランプ装置においては、第2リフレクタが、第1リフレクタの先端に凸状に設けられている金属メッシュ体の周縁部を囲って、金属メッシュ体を透過して径方向に離散する光を、バルブの光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブから発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0018】
また、請求項3に記載の無電極ランプ装置は、上記目的を達成するために、請求項2に記載の無電極ランプ装置において、更に、前記リフレクタの第1リフレクタと第2リフレクタとの突き合わせ部に、前記金属メッシュ体の最大径部を挟持させることで、前記金属メッシュ体を前記リフレクタに固定したことを特徴とするものである。
【0019】
このように構成された無電極ランプ装置においては、金属メッシュ体は、最大外径部に、第1リフレクタと第2リフレクタとの間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタに強固に固定することができ、第1リフレクタと第2リフレクタとの連結が金属メッシュ体の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る無電極ランプ装置を詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、既に図3乃至図5において説明した部材と同一の構成については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0021】
図1は、本発明に係る無電極ランプ装置の第1の実施の形態の概略構成を示している。
この第1の実施の形態の無電極ランプ装置31は、マイクロ波エネルギ供給源であるマグネトロン装置3と、このマグネトロン装置3の発生するマイクロ波を誘導する導波管5と、マイクロ波による励起で発光するガスが封入され導波管5の先端の開口部(結合窓)6の前方に配置される略球形のバルブ7と、バルブ7側に凹む略湾曲形状に設けられてバルブ7の出射する光を配光するリフレクタ33と、リフレクタ33との協働でマイクロ波を共振させるキャビティ34を開口部6の前方に画成する金属メッシュ体35とを備えた構成である。
【0022】
金属メッシュ体35は、リフレクタ33と逆側に凹む略湾曲形状(即ち、バルブ7側が凹状の椀形)の形状で、金属メッシュ材料をプレス成形の絞り加工することで、形成している。
金属メッシュ体35の形状は、詳しくは、平坦な底部35aを有した椀形である。
この金属メッシュ体35は、リフレクタ33の前面に対向配置され、最大外径部をリフレクタ33に接合することで、リフレクタ33に固定されている。
また、金属メッシュ体35は、マイクロ波の透過を防止すると共に照射されたマイクロ波は反射してバルブ7近傍に電界を集束させる一方で、バルブ7の出射する光は透過する。
【0023】
図1において、キャビティ34内に示した実線の矢印は開口部6からキャビティ34内に発射されたマイクロ波の入射波16、破線の矢印は金属メッシュ体35で反射されたマイクロ波の反射波17を示している。
また、キャビティ11内の網点の濃度差は、入射波16と反射波17の重なりによって形成される電界の強度差を示している。
本実施の形態の場合は、リフレクタ33及び金属メッシュ体35を、上記のように、バルブ7側に凹む略湾曲形状としたことで、入射波16と反射波17がバルブ7の位置付近に効率良く集束し、その結果、入射波16と反射波17の重なりによる共振の集中がバルブ7を中心に良好に生じている。
そのため、バルブ7の位置を中心に、高強度電界領域E1、中強度電界領域E2、低強度電界領域E3、微弱強度電界領域E4が、きれいな円形又はハート形の領域に形成され、高強度電界領域E1もバルブ7を完全に包み、バルブ7の全体で高強度の発光を実現する好適な大きさになっている。
【0024】
以上の無電極ランプ装置31によれば、マイクロ波を共振させるキャビティ34を形成する金属メッシュ体35は、バルブ7側に凹む略湾曲形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体35の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
【0025】
更に、上記構成の金属メッシュ体35は、絞り加工等で所定の湾曲形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタ33との協働でキャビティ34を形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティ34を得ることができる。
従って、キャビティ34の変形を防止することができ、キャビティ34の変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
【0026】
そして、金属メッシュ体35とリフレクタ33とを互いに逆向きに凹む略湾曲形状とした場合、キャビティ34内におけるマイクロ波の入射波16と反射波17との共振の集中が効率よく起こり、図示のように、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域E1をバルブ7位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブ7に高強度の発光をさせることもできる。
【0027】
なお、上記の実施の形態において、リフレクタ33及び金属メッシュ体35の最大径部の直径Dを140mm、リフレクタ33の奥行きL1を70mm、金属メッシュ体35の奥行きL2を28mmとしたとき、高強度電界領域E1におけるVSWR(電圧定圧波比)は、図3の円筒形の金属メッシュ体13を使用した場合と同じ約1.3となり、図5に示した平坦な金属メッシュ体24の場合ではVSWRが約1.7になることと比較すると、効果は歴然である。
【0028】
なお、本発明の無電極ランプ装置において、金属メッシュ体との協働でキャビティ34を画成するリフレクタの具体的な構造は、上記実施の形態に限らない。
図2は、本発明に係る無電極ランプ装置の第2の実施の形態を示したものである。
この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41は、第1実施の形態におけるリフレクタ33の代わりに、リフレクタ330を使用したもので、その他の構成は、第1実施の形態と共通であり、共通の構成については、同番号を付して説明を省略する。
なお、図2では、バルブ7を開口部6の先方に支持する支柱71を記載しているが、この支柱71は第1の実施の形態でも使用されるものである。
【0029】
この第2の実施の形態のリフレクタ330は、導波管5から金属メッシュ体35の最大径部まで徐々に拡径する湾曲形状に形成された第1リフレクタ331と、この第1リフレクタ331の先端に連続し徐々に拡径するリング状の第2リフレクタ332との2分割構造に形成されている。
そして、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との突き合わせ部に、金属メッシュ体35の最大径部を挟持させることで、金属メッシュ体35をリフレクタ330に固定した構成となっている。
【0030】
この第2の実施の形態でも、第1リフレクタ331及び金属メッシュ体35は第1の実施の形態と同様の構造であるので、第1の実施の形態と同様に、キャビティ34のバルブ7を中心に、キャビティ34内には高強度電界領域E1が形成され、第1の実施の形態と同様に、バルブ7を効率良く発光させることができる。
更に、この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41の場合は、第2リフレクタ332が、第1リフレクタ331の先端に凸状に設けられている金属メッシュ体35の周縁部を囲って、金属メッシュ体35を透過して径方向に離散する光b1を、バルブ7の光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブ7から発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0031】
更に、この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41では、金属メッシュ体35は、最大外径部に、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタ330に強固に挟持固定することができ、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との連結が金属メッシュ体35の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【0032】
なお、上記各実施の形態では、金属メッシュ体35の構造を略湾曲形状として記載したが、例えば円錐形状に形成して、マイクロ波を反射してバルブ7近傍に電界を集束させるように構成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の無電極ランプ装置によれば、マイクロ波を共振させるキャビティを形成する金属メッシュ体は、バルブ側に凹む略湾曲形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
更に、上記構成の金属メッシュ体は、絞り加工等で所定の湾曲形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタとの協働でキャビティを形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティを得ることができる。
従って、キャビティの変形を防止することができ、キャビティの変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
そして、金属メッシュ体とリフレクタとを互いに逆向きに凹む略湾曲形状とした場合、キャビティ内におけるマイクロ波の入射波と反射波との共振の集中が効率よく起こり、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域をバルブ位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブに高強度の発光をさせることもできる。
【0034】
また、請求項2に記載の無電極ランプ装置においては、第2リフレクタが、第1リフレクタの先端に凸状に設けられている金属メッシュ体の周縁部を囲って、金属メッシュ体を透過して径方向に離散する光を、バルブの光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブから発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0035】
また、請求項3に記載の無電極ランプ装置においては、金属メッシュ体は、最大外径部に、第1リフレクタと第2リフレクタとの間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタに強固に固定することができ、第1リフレクタと第2リフレクタとの連結が金属メッシュ体の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無電極ランプ装置の第1の実施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係る無電極ランプ装置の第2の実施の形態の概略構成図である。
【図3】従来の無電極ランプ装置の構成の概略図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】従来の改良された無電極ランプ装置の構成の概略図である。
【符号の説明】
3 マグネトロン装置
5 導波管
6 開口部(結合窓)
7 バルブ
16 入射波
17 反射波
33 リフレクタ
34 キャビティ
35 金属メッシュ体
41 無電極ランプ装置
330 リフレクタ
331 第1リフレクタ
332 第2リフレクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波放射による励起でバルブを発光させる無電極ランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波放射による励起で発光するガスを封入したバルブを使用して、100,000ルーメンを越える高強度の発光が可能な無電極ランプ装置が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特表平11−503263号公報
【0004】
図3は、このような従来の無電極ランプ装置の構成を原理的に示したものである。
ここに示した無電極ランプ装置1は、マイクロ波エネルギ供給源となるマグネトロン装置3と、マグネトロン装置3の発生するマイクロ波を誘導する導波管5と、マイクロ波による励起で発光するガスが封入され、導波管5の先端の開口部(結合窓)6の前方に配置されるバルブ7と、このバルブ7の出射する光を配光する円板状のリフレクタ9と、導波管5と開口部6を介して連接されてバルブ7の周囲にマイクロ波を共振させるキャビティ11を画成する金属メッシュ体13とを備えた構成である。
【0005】
開口部6は、通常、図4に示すように、長円形状の開口とされている。また、金属メッシュ体13は、マイクロ波を遮断すると共に照射されたマイクロ波は反射してバルブ近傍に電界を集束させる一方で、バルブの出射する光は透過するもので、先端を閉じた有頭円筒構造に設けられている。
【0006】
有頭円筒構造の金属メッシュ体13は、通常、先端の円板形の蓋部13aと、円筒部13bとの2部品を溶接して形成されている。また、円筒部13bは、矩形のメッシュ材料を所定の円筒形に成形して端部を溶接することで形成している。
金属メッシュ体13の製造工程では、まず、円筒部13bを形成した後、この円筒部13bに蓋部13aを溶接し、更に、円筒部13bの後端部にリフレクタ9を接合することで、キャビティ11を画成する金属メッシュ体13とリフレクタ9とを一体化させている。
【0007】
このようなキャビティ11内では、開口部6を通ってキャビティ11内に発射されたマイクロ波の入射波16と、金属メッシュ体13での反射波17とが同位相で重なることで局部的に共振の集中が起こる。その結果、キャビティ11内では、共振の集中によって電界強度が極めて強い高強度電界領域E1と、その周囲に位置してやや強い中強度電界領域E2と、その周囲に位置する低強度電界領域E3と、その周囲に位置する更に電界強度が低い微弱強度電界領域E4とが形成された電界分布を生じる。
なお、図3では、キャビティ11内の各電界強度領域を、網点の濃度を変えることによって表示している。例えば、高強度電界領域E1は黒く塗りつぶして表示し、中強度電界領域E2はやや濃い網点で表示し、低強度電界領域E3は薄い網点で表示し、微弱強度電界領域E4はE3よりも更に薄い網点で表示している。
【0008】
バルブ7による発光強度や発光効率を高めるには、バルブ7を高強度電界領域E1に配置すること、更には、バルブ7の位置に適正な大きさの高強度電界領域E1が形成されるように、キャビティ11内における入射波16,反射波17の発生を調整することが重要になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した有頭円筒構造の金属メッシュ体13とその後端部に装備したリフレクタ9とによってキャビティ11を形成する従来の無電極ランプ装置1は、金属メッシュ体13の製造に手間のかかる溶接部が多く、その結果、生産性の低下や、コストアップ等の問題が生じた。
また、金属メッシュ体13に使用する金属メッシュ材料は、板厚が0.1mm程度のもので、曲げ強度が低い。そのため、上記のような有頭円筒構造のものは、曲げ強度の低い金属メッシュ材料の使用部位が多くなることから、変形が生じ易く、金属メッシュ体13の変形によってキャビティ11内におけるマイクロ波の反射等が変動して、例えば、高強度電界領域E1のずれ等の重大な欠陥を招く虞があった。
【0010】
そこで、曲げ強度の低い金属メッシュ体13の変形を防止するために、図5に示す構造の無電極ランプ装置21が提案されている。
この無電極ランプ装置21は、バルブ7側に凹んだ湾曲形状のリフレクタ23と、このリフレクタ23前面の円形の開口を覆う円板形の金属メッシュ体24とでマイクロ波を共振させるキャビティ26を形成するようにしたもので、それ以外の構成、例えば、バルブ7や、開口部6や、導波管5や、マグネトロン装置3等は、何れも、図3に示した無電極ランプ装置1のものと共通である。
【0011】
この無電極ランプ装置21では、金属メッシュ体24がバルブ7の前方を覆う平面状の円形部のみとなって、曲げ強度が低い金属メッシュ材料の使用領域が小さくなり、キャビティ26を画成する構造物としては、リフレクタ23によって強度を持たせることができたため、キャビティ26の変形防止に効果的である。
また、従来の有頭円筒構造の金属メッシュ体13と比較すると、溶接部を低減して、手間のかかる溶接に起因していた生産性の低下やコストアップを防止することもできる。
【0012】
ところが、図5に示した形態のキャビティ26は、キャビティ26内でのマイクロ波の入射波16と反射波17との重なりが低減して、共振の集中が発生し難くなり、図示のように、バルブ7の周囲には、図3の場合と比較すると、低強度電界領域E3や、更に電界強度が低い微弱強度電界領域E4しか形成することができない。
そのため、バルブ7の励起が弱く、強い発光を得ることができないという重大な欠陥を生じた。
【0013】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャビティを構成する金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くして、生産性の向上及びコスト低減を図ることができ、また、キャビティの変形を防止すると同時に、バルブ位置に適正な大きさの高強度電界領域を形成することができて、バルブに高強度の発光をさせることができる無電極ランプ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る無電極ランプ装置は、請求項1に記載したように、マイクロ波エネルギ供給源と、このマイクロ波エネルギ供給源の発生するマイクロ波を誘導する導波管と、前記導波管の前方側に配置されマイクロ波による励起で発光するバルブと、前記バルブ側に凹む略湾曲形状に設けられて前記バルブの出射する光を配光するリフレクタと、前記リフレクタとの協働でマイクロ波を共振させるキャビティを画成するべく前記リフレクタと逆側に凹む略湾曲形状又は円錐形状に形成されて前記リフレクタ前面に対向配置され、マイクロ波を遮断すると共に照射されたマイクロ波は反射して前記バルブ近傍に電界を集束させる一方で、前記バルブの出射する光は透過する金属メッシュ体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成された無電極ランプ装置においては、マイクロ波を共振させるキャビティを形成する金属メッシュ体は、バルブ側に凹む略湾曲形状又は円錐形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
更に、上記構成の金属メッシュ体は、絞り加工等で所定の湾曲形状又は円錐形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタとの協働でキャビティを形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティを得ることができる。
従って、キャビティの変形を防止することができ、キャビティの変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
そして、金属メッシュ体とリフレクタとを互いに逆向きに凹の略湾曲形状とした場合、キャビティ内におけるマイクロ波の入射波と反射波との共振の集中が効率よく起こり、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域をバルブ位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブに高強度の発光をさせることもできる。
【0016】
また、請求項2に記載の無電極ランプ装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の無電極ランプ装置において、前記リフレクタが、前記導波管から前記金属メッシュ体の最大径部まで徐々に拡径する湾曲形状に形成された第1リフレクタと、この第1リフレクタの先端に連続し徐々に拡径するリング状の第2リフレクタとの2分割構造に形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
このように構成された無電極ランプ装置においては、第2リフレクタが、第1リフレクタの先端に凸状に設けられている金属メッシュ体の周縁部を囲って、金属メッシュ体を透過して径方向に離散する光を、バルブの光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブから発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0018】
また、請求項3に記載の無電極ランプ装置は、上記目的を達成するために、請求項2に記載の無電極ランプ装置において、更に、前記リフレクタの第1リフレクタと第2リフレクタとの突き合わせ部に、前記金属メッシュ体の最大径部を挟持させることで、前記金属メッシュ体を前記リフレクタに固定したことを特徴とするものである。
【0019】
このように構成された無電極ランプ装置においては、金属メッシュ体は、最大外径部に、第1リフレクタと第2リフレクタとの間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタに強固に固定することができ、第1リフレクタと第2リフレクタとの連結が金属メッシュ体の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る無電極ランプ装置を詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、既に図3乃至図5において説明した部材と同一の構成については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0021】
図1は、本発明に係る無電極ランプ装置の第1の実施の形態の概略構成を示している。
この第1の実施の形態の無電極ランプ装置31は、マイクロ波エネルギ供給源であるマグネトロン装置3と、このマグネトロン装置3の発生するマイクロ波を誘導する導波管5と、マイクロ波による励起で発光するガスが封入され導波管5の先端の開口部(結合窓)6の前方に配置される略球形のバルブ7と、バルブ7側に凹む略湾曲形状に設けられてバルブ7の出射する光を配光するリフレクタ33と、リフレクタ33との協働でマイクロ波を共振させるキャビティ34を開口部6の前方に画成する金属メッシュ体35とを備えた構成である。
【0022】
金属メッシュ体35は、リフレクタ33と逆側に凹む略湾曲形状(即ち、バルブ7側が凹状の椀形)の形状で、金属メッシュ材料をプレス成形の絞り加工することで、形成している。
金属メッシュ体35の形状は、詳しくは、平坦な底部35aを有した椀形である。
この金属メッシュ体35は、リフレクタ33の前面に対向配置され、最大外径部をリフレクタ33に接合することで、リフレクタ33に固定されている。
また、金属メッシュ体35は、マイクロ波の透過を防止すると共に照射されたマイクロ波は反射してバルブ7近傍に電界を集束させる一方で、バルブ7の出射する光は透過する。
【0023】
図1において、キャビティ34内に示した実線の矢印は開口部6からキャビティ34内に発射されたマイクロ波の入射波16、破線の矢印は金属メッシュ体35で反射されたマイクロ波の反射波17を示している。
また、キャビティ11内の網点の濃度差は、入射波16と反射波17の重なりによって形成される電界の強度差を示している。
本実施の形態の場合は、リフレクタ33及び金属メッシュ体35を、上記のように、バルブ7側に凹む略湾曲形状としたことで、入射波16と反射波17がバルブ7の位置付近に効率良く集束し、その結果、入射波16と反射波17の重なりによる共振の集中がバルブ7を中心に良好に生じている。
そのため、バルブ7の位置を中心に、高強度電界領域E1、中強度電界領域E2、低強度電界領域E3、微弱強度電界領域E4が、きれいな円形又はハート形の領域に形成され、高強度電界領域E1もバルブ7を完全に包み、バルブ7の全体で高強度の発光を実現する好適な大きさになっている。
【0024】
以上の無電極ランプ装置31によれば、マイクロ波を共振させるキャビティ34を形成する金属メッシュ体35は、バルブ7側に凹む略湾曲形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体35の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
【0025】
更に、上記構成の金属メッシュ体35は、絞り加工等で所定の湾曲形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタ33との協働でキャビティ34を形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティ34を得ることができる。
従って、キャビティ34の変形を防止することができ、キャビティ34の変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
【0026】
そして、金属メッシュ体35とリフレクタ33とを互いに逆向きに凹む略湾曲形状とした場合、キャビティ34内におけるマイクロ波の入射波16と反射波17との共振の集中が効率よく起こり、図示のように、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域E1をバルブ7位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブ7に高強度の発光をさせることもできる。
【0027】
なお、上記の実施の形態において、リフレクタ33及び金属メッシュ体35の最大径部の直径Dを140mm、リフレクタ33の奥行きL1を70mm、金属メッシュ体35の奥行きL2を28mmとしたとき、高強度電界領域E1におけるVSWR(電圧定圧波比)は、図3の円筒形の金属メッシュ体13を使用した場合と同じ約1.3となり、図5に示した平坦な金属メッシュ体24の場合ではVSWRが約1.7になることと比較すると、効果は歴然である。
【0028】
なお、本発明の無電極ランプ装置において、金属メッシュ体との協働でキャビティ34を画成するリフレクタの具体的な構造は、上記実施の形態に限らない。
図2は、本発明に係る無電極ランプ装置の第2の実施の形態を示したものである。
この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41は、第1実施の形態におけるリフレクタ33の代わりに、リフレクタ330を使用したもので、その他の構成は、第1実施の形態と共通であり、共通の構成については、同番号を付して説明を省略する。
なお、図2では、バルブ7を開口部6の先方に支持する支柱71を記載しているが、この支柱71は第1の実施の形態でも使用されるものである。
【0029】
この第2の実施の形態のリフレクタ330は、導波管5から金属メッシュ体35の最大径部まで徐々に拡径する湾曲形状に形成された第1リフレクタ331と、この第1リフレクタ331の先端に連続し徐々に拡径するリング状の第2リフレクタ332との2分割構造に形成されている。
そして、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との突き合わせ部に、金属メッシュ体35の最大径部を挟持させることで、金属メッシュ体35をリフレクタ330に固定した構成となっている。
【0030】
この第2の実施の形態でも、第1リフレクタ331及び金属メッシュ体35は第1の実施の形態と同様の構造であるので、第1の実施の形態と同様に、キャビティ34のバルブ7を中心に、キャビティ34内には高強度電界領域E1が形成され、第1の実施の形態と同様に、バルブ7を効率良く発光させることができる。
更に、この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41の場合は、第2リフレクタ332が、第1リフレクタ331の先端に凸状に設けられている金属メッシュ体35の周縁部を囲って、金属メッシュ体35を透過して径方向に離散する光b1を、バルブ7の光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブ7から発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0031】
更に、この第2の実施の形態の無電極ランプ装置41では、金属メッシュ体35は、最大外径部に、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタ330に強固に挟持固定することができ、第1リフレクタ331と第2リフレクタ332との連結が金属メッシュ体35の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【0032】
なお、上記各実施の形態では、金属メッシュ体35の構造を略湾曲形状として記載したが、例えば円錐形状に形成して、マイクロ波を反射してバルブ7近傍に電界を集束させるように構成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の無電極ランプ装置によれば、マイクロ波を共振させるキャビティを形成する金属メッシュ体は、バルブ側に凹む略湾曲形状で、例えば円板状の金属メッシュ材料にプレス機等で絞り加工を施すことで、比較的に簡単に形成することができ、金属メッシュ体の製造に際して、手間のかかる溶接を無くすことができ、手間のかかる溶接を無くすことで、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
更に、上記構成の金属メッシュ体は、絞り加工等で所定の湾曲形状に成型することで、単純な平面状円板の場合よりも、面張力で機械的な強度が増し、同様の湾曲形状のリフレクタとの協働でキャビティを形成することで、外力に対して変形が生じにくい堅牢なキャビティを得ることができる。
従って、キャビティの変形を防止することができ、キャビティの変形に起因する共振集中領域の変動(位置ずれ)による発光性能の低下を防止することができる。
そして、金属メッシュ体とリフレクタとを互いに逆向きに凹む略湾曲形状とした場合、キャビティ内におけるマイクロ波の入射波と反射波との共振の集中が効率よく起こり、入射波と反射波との重なりによって形成される高強度電界領域をバルブ位置に適正な大きさで形成することができる。その結果、バルブに高強度の発光をさせることもできる。
【0034】
また、請求項2に記載の無電極ランプ装置においては、第2リフレクタが、第1リフレクタの先端に凸状に設けられている金属メッシュ体の周縁部を囲って、金属メッシュ体を透過して径方向に離散する光を、バルブの光軸方向に反射集束させる役割を果たし、バルブから発射された光を効率良く配光、集光することが可能になる。
【0035】
また、請求項3に記載の無電極ランプ装置においては、金属メッシュ体は、最大外径部に、第1リフレクタと第2リフレクタとの間に挟持させるフランジ部を設けておくだけで、リフレクタに強固に固定することができ、第1リフレクタと第2リフレクタとの連結が金属メッシュ体の固定を兼ねることで、連結部品等の増大を抑えることができ、組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無電極ランプ装置の第1の実施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係る無電極ランプ装置の第2の実施の形態の概略構成図である。
【図3】従来の無電極ランプ装置の構成の概略図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】従来の改良された無電極ランプ装置の構成の概略図である。
【符号の説明】
3 マグネトロン装置
5 導波管
6 開口部(結合窓)
7 バルブ
16 入射波
17 反射波
33 リフレクタ
34 キャビティ
35 金属メッシュ体
41 無電極ランプ装置
330 リフレクタ
331 第1リフレクタ
332 第2リフレクタ
Claims (3)
- マイクロ波エネルギ供給源と、このマイクロ波エネルギ供給源の発生するマイクロ波を誘導する導波管と、前記導波管の前方側に配置されマイクロ波による励起で発光するバルブと、前記バルブ側に凹む略湾曲形状に設けられて前記バルブの出射する光を配光するリフレクタと、前記リフレクタとの協働でマイクロ波を共振させるキャビティを画成するべく前記リフレクタと逆側に凹む略湾曲形状又は円錐形状に形成されて前記リフレクタ前面に対向配置され、マイクロ波を遮断すると共に照射されたマイクロ波は反射して前記バルブ近傍に電界を集束させる一方で、前記バルブの出射する光は透過する金属メッシュ体とを備えたことを特徴とする無電極ランプ装置。
- 前記リフレクタが、前記導波管から前記金属メッシュ体の最大径部まで徐々に拡径する湾曲形状に形成された第1リフレクタと、この第1リフレクタの先端に連続し徐々に拡径するリング状の第2リフレクタとの2分割構造に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無電極ランプ装置。
- 前記リフレクタの第1リフレクタと第2リフレクタとの突き合わせ部に、前記金属メッシュ体の最大径部を挟持させることで、前記金属メッシュ体を前記リフレクタに固定したことを特徴とする請求項2に記載の無電極ランプ装置。
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KR100641115B1 (ko) * | 2004-10-08 | 2006-11-02 | 엘지전자 주식회사 | 무전극 조명기기용 공진기 및 이를 구비한 무전극 조명기기 |
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