JP2010176974A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質層の破損による電圧の突然劣化を充分に防止することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】電解質層−電極接合体5と、第1燃料ガス流路8Aと第2燃料ガス流路8Bが形成されたアノードセパレータ6Aと、第1酸化剤ガス流路9Aと第2酸化剤ガス流路9Bが形成されたカソードセパレータ6Bと、を有する燃料電池101と、第1燃料ガス供給経路21からの燃料ガスの供給先を第1燃料ガス流路8Aと燃料ガスバイパス経路23との間で切り替える第1切り替え器61と、第1酸化剤ガス供給経路25からの酸化剤ガスの供給先を第1酸化剤ガス流路9Aと酸化剤ガスバイパス経路27との間で切り替える第2切り替え器62と、を備える、燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法に関する。
高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、水素を含有する燃料ガスと空気等の酸素を含有する酸化剤ガスを電気化学的に反応させることで、電気と熱を同時に発生させるものである。
PEFCの単電池(セル)は、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極積層体)と、ガスケットと、導電性のセパレータと、を有している。セパレータには、ガス拡散電極と当接する主面に燃料ガス又は酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を流すための溝状の反応ガス流路(燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路)が設けられている。そして、周縁部にガスケットが配置されたMEAが一対のセパレータで挟まれて、セルが構成されている。また、このように構成されたセルを複数積層し、積層されたセルの両端を端板で挟み、該端板とセルとを締結具により締結することにより、PEFCが形成される。
このようなPEFCのセルにおいては、アノードでは、式(1)に示す反応が起こり、カソードでは、式(2)に示す反応が起こる。
→2H+2e(1)
1/2O+2H+2e→HO(2)
なお、PEFCが発電中には、カソードで生成した水の一部が逆拡散して、アノードに移動する。
ところで、燃料電池の各セルに、全ての負荷域でガスを流す第1の種類のガス流路Aと低負荷ではガスを流さない第2の種類のガス流路Bを設けた燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている燃料電池では、ガス流路A、Bの使用頻度に応じて、電解質膜の膜厚を変えて、燃料電池の負荷によりガス流路Aとガス流路Bを使い分けることにより、性能と耐久性を両立できるとしている。
特開2003−346851号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている燃料電池であっても、特に、燃料電池を高温低加湿(例えば、反応ガスの露点を燃料電池スタック内の温度よりも低くする)の条件で運転すると、高分子電解質膜の破損による耐久性の低下を充分に防止するという観点からは、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、高分子電解質膜の破損による電圧の突然劣化を充分に抑制することができる燃料電池、これを備えた燃料電池システム、及び燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の点を見出した。
高分子電解質形燃料電池で用いられている高分子電解質膜は、乾燥した状態では充分なイオン伝導性が得られないため、高分子電解質膜を充分に湿潤させた状態で、燃料電池の発電運転を行う必要がある。このため、高分子電解質形燃料電池の膜−電極接合体には、充分な量の水分を含む燃料ガス及び酸化剤ガス(以下、これらを反応ガスと呼ぶ)を供給する。
しかしながら、膜−電極接合体に充分な量の水分を含む反応ガスを供給できない場合(例えば、燃料電池を高温低加湿の条件で運転するような場合)には、高分子電解質膜に含まれる水分が反応ガスによって持ち去られ、高分子電解質膜が乾燥する場合がある。
本発明者等は、高分子電解質膜の乾燥した部分は劣化しやすく、最終的に高分子電解質膜に孔が開くに到ることを見出した。
また、この高分子電解質膜の劣化は、高分子電解質膜における燃料ガス流路の上流側の部分(以下、燃料ガス流路の上流部)と対向する部分及び酸化剤ガス流路の上流側の部分(以下、酸化剤ガス流路の上流部)と対向する部分で起こり易いことを、本発明者らは見出した。特に、燃料ガス流路の上流部のうち、燃料ガス流路と電極とが最初に接触する入口付近、及び酸化剤ガス流路の上流部のうち、酸化剤ガス流路と電極とが最初に接触する入口付近と対向する高分子電解質膜の部分において、劣化が顕著に起こることを、本発明者らは見出した。
さらに、高分子電解質膜の劣化過程において、高分子電解質膜の膜厚が徐々に薄くなる段階においては、極端に大きな電圧低下には至らず、高分子電解質膜に孔が空いたときから、電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを、本発明者らは見出した。
そして、本発明者らは以下に記載する構成を採用することが、上記本発明の目的を達成する上で極めて有効であるということを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明に係る燃料電池システムは、電解質層と、前記電解質層の一方の主面に配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体の前記アノード電極と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体の前記カソード電極と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、前記第1燃料ガス供給経路からの燃料ガスの供給先を前記第1燃料ガス流路と前記燃料ガスバイパス経路との間で切り替える第1切り替え器と、前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、前記第1酸化剤ガス供給経路からの酸化剤ガスの供給先を前記第1酸化剤ガス流路と前記酸化剤ガスバイパス経路との間で切り替える第2切り替え器と、を備える。ここで、本発明において、燃料ガス等の流体の流路を「接続する」とは、「直接接続する」場合と、「間接的に接続する」場合と、の双方を意味する。
これにより、電解質層(高分子電解質膜)における第1燃料ガス流路(燃料ガス流路の上流部)に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路(酸化剤ガス流路の上流部)に対向する部分が、乾燥により劣化したような場合に、電解質層の当該部分に孔が開く前に、燃料ガスを第1燃料ガス供給経路から燃料ガスバイパス経路を通流するように第1切り替え器を切り替え、及び酸化剤ガスを第1酸化剤ガス供給経路から酸化剤ガスバイパス経路を通流するように第2切り替え器を切り替えることで、燃料ガス及び酸化剤ガスが、第1燃料ガス流路及び第1酸化剤ガス流路を通流することを抑制することができる。このため、電解質層における第1燃料ガス流路に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路に対向する部分から水分が持ち去られることを抑制し、電解質層の当該部分が、さらに乾燥して孔が開くことが抑制されるので、燃料電池の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記アノード電極は、第1アノード発電領域と第2アノード発電領域を有し、前記カソード電極は、第1カソード発電領域と第2カソード発電領域を有し、前記第1燃料ガス流路は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、該アノードセパレータの前記第1アノード発電領域と対向する部分に形成され、前記第2燃料ガス流路は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、該アノードセパレータの前記第2アノード発電領域と対向する部分に形成され、前記第1酸化剤ガス流路は、前記カソードセパレータの厚み方向から見て、該カソードセパレータの前記第1カソード発電領域と対向する部分に形成され、前記第2酸化剤ガス流路は、前記カソードセパレータの厚み方向から見て、該カソードセパレータの前記第2カソード発電領域と対向する部分に形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1アノード発電領域の少なくとも一部が、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、前記第1カソード発電領域と重なるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1アノード発電領域は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、前記第1カソード発電領域と互いに重なるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記アノード電極は、第1分離部材を有し、前記カソード電極は、第2分離部材を有し、前記第1アノード発電領域と前記第2アノード発電領域とは、前記アノード電極が前記第1分離部材によって前記第1アノード発電領域に対応する部分と前記第2アノード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分され、前記第1カソード発電領域と前記第2カソード発電領域とは、前記カソード電極が前記第2分離部材によって前記第1カソード発電領域に対応する部分と前記第2カソード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記アノード電極は、前記アノードセパレータの内面側に配置されたアノードガス拡散層を有し、前記カソード電極は、前記カソードセパレータの内面側に配置されたカソードガス拡散層を有し、前記アノードガス拡散層は、第1分離部材を有し、前記カソードガス拡散層は、第2分離部材を有し、前記第1アノード発電領域と前記第2アノード発電領域とは、前記アノードガス拡散層が前記第1分離部材によって前記第1アノード発電領域に対応する部分と前記第2アノード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分され、前記第1カソード発電領域と前記第2カソード発電領域とは、前記カソード電極が前記第2分離部材によって前記第1カソード発電領域に対応する部分と前記第2カソード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第2燃料ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、それぞれ、屈曲するように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1燃料ガス流路及び前記第2燃料ガス流路は、該第1燃料ガス流路と該第2燃料ガス流路との間に形成される第1アノードリブ部の幅が、前記第2燃料ガス流路間に形成される第2アノードリブ部の幅よりも大きくなるように形成され、前記第1酸化剤ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、該第1酸化剤ガス流路と該第2酸化剤ガス流路との間に形成される第1カソードリブ部の幅が、前記第2酸化剤ガス流路間に形成される第2カソードリブ部の幅よりも大きくなるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1燃料ガス流路及び前記第2燃料ガス流路は、前記第1アノードリブ部の幅が、前記第2アノードリブ部の幅の2倍以上になるように形成され、前記第1酸化剤ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、前記第1カソードリブ部の幅が、前記第2カソードリブ部の幅の2倍以上になるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1燃料ガス供給経路に燃料ガスを供給するように構成された燃料ガス供給器と、前記第1酸化剤ガス供給経路に酸化剤ガスを供給するように構成された酸化剤ガス供給器と、制御器と、を備え、前記制御器が、前記第1燃料ガス供給経路からの前記燃料ガスの供給先を前記第1燃料ガス流路と前記燃料ガスバイパス経路との間で切り替えるように第1切り替え器を制御し、前記第1酸化剤ガス供給経路からの前記酸化剤ガスの供給先を前記第1酸化剤ガス流路と前記酸化剤ガスバイパス経路との間で切り替えるように第2切り替え器を制御してもよい。
これにより、電解質層(高分子電解質膜)における第1燃料ガス流路(燃料ガス流路の上流部)に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路(酸化剤ガス流路の上流部)に対向する部分が、乾燥により劣化したような場合に、電解質層の当該部分に孔が開く前に、燃料ガスを第1燃料ガス供給経路から燃料ガスバイパス経路を通流するように第1切り替え器を切り替え、及び酸化剤ガスを第1酸化剤ガス供給経路から酸化剤ガスバイパス経路を通流するように第2切り替え器を切り替えることで、燃料ガス及び酸化剤ガスが、第1燃料ガス流路及び第1酸化剤ガス流路を通流することを抑制することができる。このため、電解質層における第1燃料ガス流路に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路に対向する部分から水分が持ち去られることを抑制し、電解質層の当該部分が、さらに乾燥して孔が開くことが抑制されるので、燃料電池の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記燃料ガス供給器から供給される前記燃料ガスの流量を検知するように構成された燃料ガス流量検知器、及び、前記酸化剤ガス供給器から供給される前記酸化剤ガスの流量を検知するように構成された酸化剤ガス流量検知器のうちの少なくとも1つを備え、前記制御器は、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量のうち少なくとも1つが、予め定められる閾値以上になると、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に通流するように第1切り替え器を制御し、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流するように第2切り替え器を制御してもよい。
さらに、本発明に係る燃料電池システムでは、前記燃料電池は、第1燃料ガス供給マニホールドと、第1燃料ガス排出マニホールドと、第2燃料ガス供給マニホールドと、第1酸化剤ガス供給マニホールドと、第1酸化剤ガス排出マニホールドと、第2酸化剤ガス供給マニホールドと、を有し、前記第1燃料ガス供給経路の下流端は、前記第1燃料ガス供給マニホールドを介して前記第1燃料ガス流路の上流端と接続され、前記第2燃料ガス供給経路の上流端は、前記第1燃料ガス排出マニホールドを介して前記第1燃料ガス流路の下流端と接続され、前記第2燃料ガス供給経路の下流端は、前記第2燃料ガス供給マニホールドを介して前記第2燃料ガス流路と接続され、前記第1酸化剤ガス供給経路の下流端は、前記第1酸化剤ガス供給マニホールドを介して前記第1酸化剤ガス流路の上流端と接続され、前記第2酸化剤ガス供給経路の上流端は、前記第1酸化剤ガス排出マニホールドを介して前記第1酸化剤ガス流路の下流端と接続され、前記第2酸化剤ガス供給経路の下流端は、前記第2酸化剤ガス供給マニホールドを介して前記第2酸化剤ガス流路と接続されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、電解質層と、前記電解質層の一方の主面に該電解質層の周縁部より内方に位置するように配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に前該電解質層の周縁部より内方に位置するように配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、を備える、燃料電池システムの運転方法であって、燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記第1燃料ガス流路に、かつ、酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記第1酸化剤ガス流路に通流させ、その後、前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、を設け、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転する。
これにより、電解質層(高分子電解質膜)における第1燃料ガス流路(燃料ガス流路の上流部)に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路(酸化剤ガス流路の上流部)に対向する部分が、乾燥により劣化したような場合に、電解質層の当該部分に孔が開く前に、燃料ガスを第1燃料ガス供給経路から燃料ガスバイパス経路を通流するように第1切り替え器を切り替え、及び酸化剤ガスを第1酸化剤ガス供給経路から酸化剤ガスバイパス経路を通流するように第2切り替え器を切り替えることで、燃料ガス及び酸化剤ガスが、第1燃料ガス流路及び第1酸化剤ガス流路を通流することを抑制することができる。このため、電解質層における第1燃料ガス流路に対向する部分及び第1酸化剤ガス流路に対向する部分から水分が持ち去られることを抑制し、電解質層の当該部分が、さらに乾燥して孔が開くことが抑制されるので、燃料電池の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、電解質層と、前記電解質層の一方の主面に配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、を備える、燃料電池システムの運転方法であって、前記燃料電池システムは、前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、を備え、燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記第1燃料ガス流路に、かつ、酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記第1酸化剤ガス流路に通流させ、その後、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転する。
さらに、本発明に係る燃料電池システムの運転方法では、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量のうち少なくとも1つが、予め定められる閾値以上になると、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転してもよい。
本発明の燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法によれば、電解質層における燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の上流部に対向する部分が、乾燥して劣化した場合に、電解質層の当該部分の更なる乾燥を抑制して、当該部分に孔が開くことを抑制し、燃料電池の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合もある。
(実施の形態1)
[燃料電池システムの構成]
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。図1は、第1及び第2切り替え器を切り替える前の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図であり、図2は、第1及び第2切り替え器を切り替えた後の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、燃料電池101、水素生成装置(燃料ガス供給器)102、酸化剤ガス供給装置(酸化剤ガス供給器)103、冷却水タンク104、及び制御装置(制御器)105を備えていて、水素生成装置102から供給された燃料ガスと、酸化剤ガス供給装置103から供給された酸化剤ガスが、燃料電池101内で電気化学的に反応して、電気と熱が生成される。
水素生成装置102は、改質器、変成器、浄化器(いずれも図示せず)、及びバーナ102aを有している。水素生成装置102の改質器の入口には、原料ガス供給経路(図示せず)の下流端が接続されていて、その上流端は、原料ガス供給器(図示せず)に接続されている。これにより、原料ガス供給器から水素生成装置102の改質器に原料ガス(メタン)が供給することができる。なお、本実施の形態においては、原料ガスとしてメタンを使用しているが、これに限定されず、エタン、プロパンなどの炭化水素を含むガス、気体のアルコールを含むガス等に例示されるような少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含むガスを使用することができる。
バーナ102aには、オフガス経路24の下流端が接続されており、燃料電池101で使用されなかった余剰の燃料ガスがオフガスとして、バーナ102aに供給される。バーナ102aでは、図示されない流路を通じて供給された原料ガス(または、燃料電池101からオフガス経路24を介して供給されたオフガス)を燃焼用空気供給器(図示せず)から供給される燃焼用空気によって燃焼させる。
そして、改質器では、バーナ102aで生成された燃焼ガスの伝熱を利用して、原料ガス供給器から原料ガス供給経路を介して供給される原料ガスと、改質用水タンク(図示せず)から供給される水と、を改質反応させることにより、水素リッチな改質ガスを生成する。また、変成器及び浄化器では、改質器で生成された改質ガスを、変成反応及び選択反応させることにより、一酸化炭素が数ppm以下にまで低減した燃料ガスを生成する。
また、水素生成装置102の浄化器の出口には、第1燃料ガス供給経路21の上流端が接続されており、第1燃料ガス供給経路21の下流端は、第1燃料ガス供給マニホールド131を介して、燃料電池101の第1燃料ガス流路8Aの上流端に接続されている(図3及び図7参照)。燃料電池101の第1燃料ガス流路8Aの下流端には、第1燃料ガス排出マニホールド132を介して、第2燃料ガス供給経路22の上流端が接続されており、第2燃料ガス供給経路22の下流端は、第2燃料ガス供給マニホールド133を介して、燃料電池101の第2燃料ガス流路8Bの上流端に接続されている(図3及び図7参照)。
また、第2燃料ガス供給経路22の途中には、第1切り替え器61を介して、燃料ガスバイパス経路23の下流端が接続されており、その上流端は、第1燃料ガス供給経路21の途中に接続されている。具体的には、第2燃料ガス供給経路22は、第2燃料ガス供給経路上流部22aと第2燃料ガス供給経路下流部22bを有しており、第2燃料ガス供給経路上流部22aの上流端は、第1燃料ガス排出マニホールド132を介して、第1燃料ガス流路8Aの下流端に接続され、第2燃料ガス供給経路上流部22aの下流端は、第1切り替え器61の第2ポート61bに接続されている。また、第2燃料ガス供給経路下流部22bの上流端は、第1切り替え器61の第3ポート61cに接続されており、第2燃料ガス供給経路下流部22bの下流端は、第2燃料ガス供給マニホールド133を介して、燃料電池101の第2燃料ガス流路8Bの上流端に接続されている。一方、第1切り替え器61の第1ポート61aには、燃料ガスバイパス経路23の下流端が接続されていて、燃料ガスバイパス経路23の上流端は、第1燃料ガス供給経路21の途中に接続されている。また、第1燃料ガス供給経路21の燃料ガスバイパス経路23が接続されている部分の上流側には、燃料ガス流量検知器106が設けられている。燃料ガス流量検知器106は、第1燃料ガス供給経路21を通流する燃料ガスの流量を検知し、検知した流量を制御装置105に出力するように構成されている。
また、燃料電池101の第2燃料ガス流路8Bの下流端には、第2燃料ガス排出マニホールド134を介して、オフガス経路24の上流端が接続されており、オフガス経路24の下流端は、水素生成装置102のバーナ102aに接続されている。
これにより、水素生成装置102で生成された燃料ガスが、燃料電池101の第1燃料ガス流路8A及び/又は第2燃料ガス流路8Bに供給され、第1燃料ガス流路8A及び/又は第2燃料ガス流路8Bに供給された燃料ガスは、第1燃料ガス流路8A及び/又は第2燃料ガス流路8Bを通流する間に、各セル51のアノード電極4A(図4参照)に供給されて、電気化学反応に供される。また、燃料電池101で使用されなかった余剰の燃料ガスは、オフガスとしてオフガス経路24に供給される。オフガス経路24に供給された余剰の燃料ガスは、上述したように、バーナ102aで燃焼される。
酸化剤ガス供給装置103は、燃料電池101の第1酸化剤ガス流路9A及び/又は第2酸化剤ガス流路9B(図4参照)に酸化剤ガス(ここでは、空気)を供給することができるように構成されていて、例えば、ブロワやシロッコファン等のファン類を使用することができる。具体的には、酸化剤ガス供給装置103には、第1酸化剤ガス供給経路25の上流端が接続されており、第1酸化剤ガス供給経路25の下流端は、第1酸化剤ガス供給マニホールド135を介して、燃料電池101の第1酸化剤ガス流路9Aの上流端に接続されている。燃料電池101の第1酸化剤ガス流路9Aの下流端には、第1酸化剤ガス排出マニホールド136を介して、第2酸化剤ガス供給経路26の上流端が接続されており、第2酸化剤ガス供給経路26の下流端は、第2酸化剤ガス供給マニホールド137を介して、燃料電池101の第2酸化剤ガス流路9Bの上流端に接続されている。
また、第2酸化剤ガス供給経路26の途中には、第2切り替え器62を介して、酸化剤ガスバイパス経路27の下流端が接続されており、酸化剤ガスバイパス経路27の上流端は、第1酸化剤ガス供給経路25の途中に接続されている。より詳しくは、第2酸化剤ガス供給経路26は、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aと第2酸化剤ガス供給経路下流部26bを有しており、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aの上流端は、第1酸化剤ガス排出マニホールド136を介して、第1酸化剤ガス流路9Aの下流端に接続され、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aの下流端は、第2切り替え器62の第2ポート62bに接続されている。また、第2酸化剤ガス供給経路下流部26bの上流端は、第2切り替え器62の第3ポート62cに接続されており、第2酸化剤ガス供給経路下流部26bの下流端は、第2酸化剤ガス供給マニホールド137を介して、燃料電池101の第2酸化剤ガス流路9Bの上流端に接続されている。一方、第2切り替え器62の第1ポート62aには、酸化剤ガスバイパス経路27の下流端が接続されていて、酸化剤ガスバイパス経路27の上流端は、第1酸化剤ガス供給経路25の途中に接続されている。また、第1酸化剤ガス供給経路25の酸化剤ガスバイパス経路27が接続されている部分の上流側には、酸化剤ガス流量検知器107が設けられている。酸化剤ガス流量検知器107は、第1酸化剤ガス供給経路25を通流する酸化剤ガスの流量を検知し、検知した流量を制御装置105に出力するように構成されている。
また、燃料電池101の第2酸化剤ガス流路9Bの下流端には、第2酸化剤ガス排出マニホールド138を介して、酸化剤ガス排出経路28の上流端が接続されており、酸化剤ガス排出経路28の下流端は、燃料電池システム100の外部に開放されている。
これにより、酸化剤ガス供給装置103から、燃料電池101の第1酸化剤ガス流路9A及び/又は第2酸化剤ガス流路9Bに酸化剤ガスが供給され、第1酸化剤ガス流路9A及び/又は第2酸化剤ガス流路9Bに供給された酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路9A及び/又は第2酸化剤ガス流路9Bを通流する間に、各セル51のカソード電極4B(図4参照)に供給されて、電気化学反応に供される。また、燃料電池101で使用されなかった余剰の酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出経路28から燃料電池システム100外に排出される。
そして、燃料電池101では、第1燃料ガス流路8A及び/又は第2燃料ガス流路8Bから各セル51のアノード電極4Aに供給された燃料ガスと、第1酸化剤ガス流路9A及び/又は第2酸化剤ガス流路9Bから各セル51のカソード電極4Bに供給された酸化剤ガスとが、電気化学的に反応して水が生成し、電気と熱が発生する。なお、燃料電池101には、インバータ(図示せず)が電気的に接続されていて、インバータは、燃料電池101が発電した直流電力を交流電力に変換し、燃料電池システム100外の電力負荷にその交流電力を供給する。
また、燃料電池101には、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発生した熱を回収して、燃料電池101を冷却するための冷却水が通流する冷却水流路10(図4参照)が設けられている。冷却水流路10の上流端には、冷却水循環路29を構成する冷却水往路29aの下流端が接続されており、その上流端は、冷却水を貯えるための冷却水タンク104の下部に接続されている。また、冷却水タンク104の下部には、冷却水循環路29を構成する冷却水復路29bの下流端が接続されており、その上流端は、燃料電池101の冷却水流路10の下流端に接続されている。
さらに、冷却水復路29bの適所には、冷却水循環路29及び冷却水流路10を通流する冷却水の流量を調整するためのポンプ108が設けられていて、該ポンプ108は、制御装置105によって制御されている。なお、ここでは、流量調節が可能なポンプを用いているが、これに限定されず、ポンプと流量調節弁等の流量調節器を用いてもよい。これにより、燃料電池101内を所定の温度(例えば、80℃)に保つことができる。
制御装置105は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPU等からなる演算処理部、メモリ等からなる記憶部、通信部、及びカレンダー機能を有する時計部を有している(いずれも図示せず)。演算処理部は、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、燃料電池システム100に関する各種の制御を行う。また、演算処理部は、記憶部に記憶されたデータや操作入力部から入力されたデータを処理し、特に、記憶部に記憶された積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、所定の閾値以上になると、第1切り替え器61及び第2切り替え器62を制御して、燃料ガス及び酸化剤ガスの通流経路を変更する。
ここで、本発明において、制御器とは、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して燃料電池システムの制御を実行する制御器群をも意味する。このため、制御装置105は、単独の制御装置から構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置され、それらが協働して燃料電池システム100を制御するように構成されていてもよい。
[燃料電池の構成]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100における燃料電池101の構成について、図3を参照しながら説明する。
図3は、図1に示す燃料電池システム100における燃料電池101の概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、図3において、燃料電池101の上下方向を図における上下方向として表している。
図3に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池101は、板状の全体形状を有するセル(単電池)51がその厚み方向に積層されてなるセル積層体81と、セル積層体81の両端に配置された第1端板41A及び第2端板41Bと、セル積層体81と第1及び第2端板41A、41Bとをセル51の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。また、第1及び第2端板41A、41Bの内方には、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。なお、板状のセル51は、鉛直面に平行に延在しており、セル51の積層方向は水平方向となっている。
セル積層体81における一方の側部(図面左側の側部:以下、第1の側部という)の上部には、該セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第1燃料ガス供給マニホールド131が設けられている。第1燃料ガス供給マニホールド131の一端は、第1端板41A、第1端板41A側に配置された集電板、及び第1端板41A側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第1燃料ガス供給経路21(正確には、第1燃料ガス供給経路21を構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。一方、第1燃料ガス供給マニホールド131の他端は、第2端板41B側に配置された集電板によって閉鎖されている。
また、第1燃料ガス供給マニホールド131の下方には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第1酸化剤ガス排出マニホールド136が設けられている。第1酸化剤ガス排出マニホールド136の一端は、第1端板41A、第1端板41A側に配置された集電板、及び第1端板41A側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第2酸化剤ガス供給経路上流部26a(正確には、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。一方、第1酸化剤ガス排出マニホールド136の他端は、第2端板41B側に配置された集電板によって閉鎖されている。
また、第1酸化剤ガス排出マニホールド136の下方には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第2燃料ガス供給マニホールド133が設けられている。第2燃料ガス供給マニホールド133の一端は、第1端板41A側に配置された集電板によって閉鎖されており、第2燃料ガス供給マニホールド133の他端は、第2端板41B、第2端板41B側に配置された集電板、及び第2端板41B側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第2燃料ガス供給経路下流部22b(正確には、第2燃料ガス供給経路下流部22bを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。
さらに、第1燃料ガス供給マニホールド131の内側には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、冷却水供給マニホールド139が設けられている。冷却水供給マニホールド139の一端は、第1端板41A、第1端板41A側に配置された集電板、及び第1端板41A側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、冷却水往路29a(正確には、冷却水往路29aを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。一方、冷却水供給マニホールド139の他端は、第2端板41B側に配置された集電板によって閉鎖されている。
一方、セル積層体81における第1の側部の下部には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第2酸化剤ガス排出マニホールド138が設けられている。第2酸化剤ガス排出マニホールド138の一端は、第1端板41A、第1端板41A側に配置された集電板、及び第1端板41A側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、酸化剤ガス排出経路28(正確には、酸化剤ガス排出経路28を構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。一方、第2酸化剤ガス排出マニホールド138の他端は、第2端板41B側に配置された集電板によって閉鎖されている。
また、セル積層体81における他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部という)の上部には、該セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第1酸化剤ガス供給マニホールド135が設けられている。第1酸化剤ガス供給マニホールド135の一端は、第1端板41A側に配置された集電板によって閉鎖されており、第1酸化剤ガス供給マニホールド135の他端は、第2端板41B、第2端板41B側に配置された集電板、及び第2端板41B側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第1酸化剤ガス供給経路25(正確には、第1酸化剤ガス供給経路25を構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。
また、第1酸化剤ガス供給マニホールド135の下方には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第1燃料ガス排出マニホールド132が設けられている。第1燃料ガス排出マニホールド132の一端は、第1端板41A側に配置された集電板によって閉鎖されており、第1燃料ガス排出マニホールド132の他端は、第2端板41B、第2端板41B側に配置された集電板、及び第2端板41B側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第2燃料ガス供給経路上流部22a(正確には、第2燃料ガス供給経路上流部22aを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。
また、第1燃料ガス排出マニホールド132の下方には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第2酸化剤ガス供給マニホールド137が設けられている。第2酸化剤ガス供給マニホールド137の一端は、第1端板41A、第1端板41A側に配置された集電板、及び第1端板41A側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、第2酸化剤ガス供給経路下流部26b(正確には、第2酸化剤ガス供給経路下流部26bを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。一方、第2酸化剤ガス供給マニホールド137の他端は、第2端板41B側に配置された集電板によって閉鎖されている。
また、セル積層体81における第2の側部の下部には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、第2燃料ガス排出マニホールド134が設けられている。第2燃料ガス排出マニホールド134の一端は、第1端板41A側に配置された集電板によって閉鎖されており、第2燃料ガス排出マニホールド134の他端は、第2端板41B、第2端板41B側に配置された集電板、及び第2端板41B側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、オフガス経路24(正確には、オフガス経路24を構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。
さらに、第2燃料ガス排出マニホールド134の内側には、セル積層体81のセル51の積層方向に貫通するように、冷却水排出マニホールド140が設けられている。冷却水排出マニホールド140の一端は、第1端板41A側に配置された集電板によって閉鎖されており、冷却水排出マニホールド140の他端は、第2端板41B、第2端板41B側に配置された集電板、及び第2端板41B側に配置された絶縁板に設けられた貫通孔に連通し、該貫通孔には、冷却水復路29b(正確には、冷却水復路29bを構成する配管)が接続されている(図1及び図2参照)。これにより、第1燃料ガス供給経路21等を介して、燃料電池101に燃料ガス等が供給され、また、未使用の燃料ガス等が排出される。
[セルの構成]
次に、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100におけるセル51の構成について図4を参照しながら説明する。
図4は、図3に示す燃料電池101におけるセル51の概略構成を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、セル51は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体(電解質層−電極接合体))5と、ガスケット7A、7Bと、アノードセパレータ6Aと、カソードセパレータ6Bと、を有している。
まず、MEA5について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図5は、図4に示すセル51におけるMEA5の概略構成を示す模式図である。なお、図5において、MEA5における上下方向を、図における上下方向として表している。
図4及び図5に示すように、MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(電解質層)1と、アノード電極4Aと、カソード電極4Bと、を有していて、高分子電解質膜1の両面に、その周縁部より内方に位置するようにアノード電極4Aとカソード電極4Bが、それぞれ設けられている。
高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、水素イオンを選択的に輸送する水素イオン伝導性を有する。高分子電解質膜1の周縁部には、高分子電解質膜1の厚み方向に貫通するように、第1燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が設けられている。
具体的には、高分子電解質膜1における一方の側部(図面左側の側部:以下、第1の側部という)の上部には、第1燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられており、その下方には、第1酸化剤ガス排出マニホールド孔36が設けられており、さらに、その下方には、第2燃料ガス供給マニホールド孔33が設けられている。また、第1燃料ガス供給マニホールド孔31の内側には、冷却水供給マニホールド孔39が設けられている。一方、高分子電解質膜1における第1の側部の下部には、第2酸化剤ガス排出マニホールド孔38が設けられている。
また、高分子電解質膜1における他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部という)の上部には、第1酸化剤ガス供給マニホールド孔35が設けられており、その下方には、第1燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられており、さらに、その下方には、第2酸化剤ガス供給マニホールド孔37が設けられている。一方、高分子電解質膜1における第2の側部の下部には、第2燃料ガス排出マニホールド孔34が設けられており、その内側には、冷却水排出マニホールド孔40が設けられている。
なお、高分子電解質膜1としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなるDu Pont社製のNafion(商品名)、旭硝子(株)製のFlemion(商品名)やAciplex(商品名)、ジャパンゴアテックス(株)製のGSII等を使用することができる。
高分子電解質膜1の一方の主面には、アノード電極4Aが設けられていて、高分子電解質膜1の他方の主面には、カソード電極4Bが設けられている。アノード電極4Aは、第1アノード発電部401aと第2アノード発電部402aを有しており、第1アノード発電部401aと第2アノード発電部402aは、高分子電解質膜1の主面に平行な方向(ここでは上下方向)に狭い間隔(以下、隙間G1という)をおいて配置されている。つまり、第1アノード発電部401aと第2アノード発電部402aとは、隙間G1を挟んで上下方向に分離して配置されている。隙間G1は左右方向(第1の側部と第2の側部とを結ぶ方向)に延びるように形成されている。そして、この隙間G1に後述するガスケット7Aの区分部701cが位置するように当該ガスケット7Aが設けられている。
また、カソード電極4Bは、第1カソード発電部401bと第2カソード発電部402bを有していており、第1カソード発電部401bと第2カソード発電部402bは、高分子電解質膜1の主面に平行な方向(ここでは上下方向)に狭い間隔(以下、隙間G2という)をおいて配置されている。つまり、第1カソード発電部401bと第2カソード発電部402bは、隙間G2を挟んで上下方向に分離して配置されている。隙間G2は左右方向(第1の側部と第2の側部とを結ぶ方向)に延びるように形成されている。そして、この隙間G2に後述するガスケット7Bの区分部701cが位置するように当該ガスケット7Bが設けられている。
具体的には、第1アノード発電部401aは、図5に示すように、MEA5の上部に配置されており、第2アノード発電部402aは、第1アノード発電部401aの下方に配置されている。同様に、第1カソード発電部401bは、MEA5の上部に配置されており、第2カソード発電部402bは、第1カソード発電部401bの下方に配置されている。また、第1アノード発電部401aは、アノードセパレータ6Aの厚み方向から透視して(以下、厚み方向から見てという)、第1カソード発電部401bと互いに重なるように形成されていて、第2アノード発電部402aは、第2カソード発電部402bと互いに重なるように形成されている。
また、第1アノード発電部401aは、第1アノード触媒層201aと第1アノードガス拡散層301aを有しており、第1アノード触媒層201aは、高分子電解質膜1の一方の主面と接触するように設けられ、第1アノードガス拡散層301aは、第1アノード触媒層201aを覆うように設けられている。また、第2アノード発電部402aは、第2アノード触媒層202aと第2アノードガス拡散層302aを有しており、第2アノード触媒層202aは、高分子電解質膜1の一方の主面と接触するように設けられ、第2アノードガス拡散層302aは、第2アノード触媒層202aを覆うように設けられている。
同様に、第1カソード発電部401bは、第1カソード触媒層201bと第1カソードガス拡散層301bを有しており、第1カソード触媒層201bは、高分子電解質膜1の他方の主面と接触するように設けられ、第1カソードガス拡散層301bは、第1カソード触媒層201bを覆うように設けられている。また、第2カソード発電部402bは、第2カソード触媒層202bと第2カソードガス拡散層302bを有しており、第2カソード触媒層202bは、高分子電解質膜1の他方の主面と接触するように設けられ、第2カソードガス拡散層302bは、第2カソード触媒層202bを覆うように設けられている。
第1分離部材及び第2分離部材を有することにより、第1燃料ガス流路8Aを通流する燃料ガスが、第1燃料ガス流路8Aに沿って流れずに、第1アノード発電部401aから第2アノード発電部402aに伏流により短絡することが抑制され、また、第1酸化剤ガス流路9Aを通流する酸化剤ガスが、第1カソード発電部401bから第2カソード発電部402bに伏流により短絡することが抑制される。また、燃料ガス及び酸化剤ガスを第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aに、それぞれ供給しないように第1切り替え器61及び第2切り替え器62を切り替えた後に、第2燃料ガス流路8Bを通流する燃料ガスが、第2燃料ガス流路8Bに沿って流れずに、第2アノード発電部402aから第1アノード発電部401aに伏流により短絡することが抑制され、また、第2酸化剤ガス流路9Bを通流する酸化剤ガスが、第2カソード発電部402bから第1カソード発電部401bに伏流により短絡することが抑制される。
なお、第1アノード発電部401aが第1アノード発電領域を構成し、第2アノード発電部402aが第2アノード発電領域を構成する。同様に、第1カソード発電部401bが第1カソード発電領域を構成し、第2カソード発電部402bが第2カソード発電領域を構成する。
そして、第1アノード触媒層201aと第2アノード触媒層202aからアノード触媒層2Aが構成され、第1アノードガス拡散層301aと第2アノードガス拡散層302aからアノードガス拡散層3Aが構成される。同様に、第1カソード触媒層201bと第2カソード触媒層202bからカソード触媒層2Bが構成され、第1カソードガス拡散層301bと第2カソードガス拡散層302bからカソードガス拡散層3Bが構成される。なお、本実施の形態においては、第1アノード触媒層201aと第2アノード触媒層202a、第1アノードガス拡散層301aと第2アノードガス拡散層302a、第1カソード触媒層201bと第2カソード触媒層202b、及び第1カソードガス拡散層301bと第2カソードガス拡散層302bは同様に構成されているため、以下の説明においては、アノード触媒層2A、アノードガス拡散層3A、カソード触媒層2B、及びカソードガス拡散層3Bとして、それぞれ説明する。
アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質と、分散媒と、を含む触媒層形成用インクを用いて、当該分野で公知の方法により形成することができる。
また、アノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bを構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。また、この導電性多孔質基材には、従来公知の方法で撥水処理を施しても構わない。
また、アノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bとしては、例えば、ガス透過性を持たせるために、高表面積のカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパー又はカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性基材を用いてもよい。また、充分な排水性を得る観点から、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをアノードガス拡散層3A又はカソードガス拡散層3Bの中に分散させてもよい。さらに、充分な電子伝導性を得る観点から、カーボン繊維、金属繊維又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料でアノードガス拡散層3A又はカソードガス拡散層3Bを構成してもよい。また、カーボン粉末及び撥水性高分子を主成分とした多孔質部材でアノードガス拡散層3A又はカソードガス拡散層3Bを構成してもよい。
さらに、アノードガス拡散層3Aとアノード触媒層2Aとの間、及び、カソードガス拡散層3Bとカソード触媒層2Bとの間には、撥水性高分子とカーボン粉末とで構成される撥水カーボン層を設けてもよい。これにより、MEA5における水管理(MEA5の良好な特性維持に必要な水の保持、及び、不必要な水の迅速な排水)をより容易に、かつ、より確実に行うことができる。
次に、セル51の他の要素について説明する。
MEA5の高分子電解質膜1の一方の主面の周縁部には、アノード電極4Aを囲むようにフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7Aが配設されていて、同様に、高分子電解質膜1の他方の主面の周縁部には、カソード電極4Bを囲むようにフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7Bが配設されている。ここで、図4及び図6を参照しながら、ガスケット7Aについて、さらに詳細に説明する。なお、ガスケット7Bは、ガスケット7Aと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
図6は、図4に示すセル51におけるガスケット7Aの概略構成を示す模式図である。なお、図6において、ガスケット7Aにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図4及び図6に示すように、ガスケット7Aは、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、その主面の周縁部には、高分子電解質膜1と同様に、厚み方向の貫通孔からなる第1燃料ガス供給マニホールド孔31等のマニホールド孔が設けられている。また、ガスケット7Aの中央部には、開口部が矩形の貫通孔701a、701bが設けられていて、該貫通孔701aと貫通孔701bの間に、水平方向に延びるように区分部701cが形成されている。区分部701cは、アノード電極4Aの第1アノード発電部401aと第2アノード発電部402aとの間に介挿されている。すなわち、本実施の形態1においては、ガスケット7Aの区分部701cが、第1分離部材を構成し、ガスケット7Bの区分部701cが、第2分離部材を構成する。
これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが抑制され、また、セル51内でこれらのガスが互いに混合されることが抑制される。
また、図4に示すように、導電性のアノードセパレータ6Aとカソードセパレータ6Bは、MEA5とガスケット7A、7Bを挟むように配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数のセル51をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、アノードセパレータ6A及びカソードセパレータ6Bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ6Aのアノード電極4Aと接触する一方の主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流するための溝状の第1燃料ガス流路8Aと第2燃料ガス流路8Bが設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却水流路10が設けられている。ここで、アノードセパレータ6Aの内面の構成について、図7を参照しながら詳細に説明する。
図7は、図4に示すセル51におけるアノードセパレータ6Aの概略構成を示す模式図である。なお、図7において、アノードセパレータ6Aにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図7に示すように、アノードセパレータ6Aは、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、その主面の周縁部には、高分子電解質膜1と同様に、厚み方向の貫通孔からなる第1燃料ガス供給マニホールド孔31等のマニホールド孔が設けられている。そして、第1燃料ガス流路8Aは、第1燃料ガス供給マニホールド孔31と第1燃料ガス排出マニホールド孔32とを結ぶように形成されており、第2燃料ガス流路8Bは、第2燃料ガス供給マニホールド孔33と第2燃料ガス排出マニホールド孔34とを結ぶようにサーペンタイン状に形成されている。
具体的には、第1燃料ガス流路8Aは、第1燃料ガス供給マニホールド孔31から第2の側部、かつ、下方(斜め下方向)に向かって、ある距離延び、そこから、第1燃料ガス排出マニホールド孔32に到るまで、水平方向に延びるように形成されている。換言すると、第1燃料ガス流路8Aは、アノードセパレータ6Aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6Aの内面におけるアノード電極4Aの第1アノード発電部401aと対向する部分を通過するように形成されている。すなわち、アノードセパレータ6Aの厚み方向から見て、アノード電極4Aの第1燃料ガス流路8Aと対向する部分及びその近傍部分が、第1アノード発電部401aを構成する。
また、第2燃料ガス流路8Bは、第2燃料ガス供給マニホールド孔33から第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、上記のような延在パターンを2回繰り返して、底から、第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、第2燃料ガス排出マニホールド孔34に到るように、第2の側部、かつ、下方(斜め下方向)に向かってある距離延びている。換言すると、第2燃料ガス流路8Bは、アノードセパレータ6Aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6Aの内面におけるアノード電極4Aの第2アノード発電部402aと対向する部分を通過するように形成されている。すなわち、アノードセパレータ6Aの厚み方向から見て、アノード電極4Aの第2燃料ガス流路8BAと対向する部分及びその近傍部分が、第2アノード発電部402aを構成する。
なお、本実施の形態1においては、第1燃料ガス流路8A及び第2燃料ガス流路8Bともに、1つの溝で構成したが、これに限定されず、複数の溝で構成してもよい。また、第2燃料ガス流路8Bをサーペンタイン状に形成したが、これに限定されず、渦巻状に形成してもよい。
また、図4に示すように、カソードセパレータ6Bのカソード電極4Bと接触する一方の主面(以下、内面という)には、酸化剤ガスが通流するための溝状の第1酸化剤ガス流路9A及び第2酸化剤ガス流路9Bが設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却水が通流するための溝状の冷却水流路10が設けられている。なお、カソードセパレータ6Bは、アノードセパレータ6Aと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
これにより、アノード電極4A及びカソード電極4Bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水を冷却水流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
そして、このように構成されたセル51をその厚み方向に積層することにより、セル積層体81が形成される(図3参照)。このとき、高分子電解質膜1、ガスケット7A、ガスケット7B、アノードセパレータ6A、及びカソードセパレータ6Bに設けられた第1燃料ガス供給マニホールド孔31等のマニホールド孔は、セル51を積層したときに厚み方向にそれぞれつながって、第1燃料ガス供給マニホールド131等のマニホールドが、それぞれ形成される。そして、セル積層体81の両端に集電板及び絶縁板を配置し、その両端に更に第1端板41A及び第2端板41Bを配置して、締結具で締結することにより、燃料電池101が形成される。
[セルの製造方法]
次に、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100におけるセル51の製造方法について説明する。なお、以下に説明するようにして製造したMEA5(正確には、MEA5にガスケット7A、7Bが接合した接合体)を用いて、セル51及び燃料電池100を製造する方法は、特に限定されず、公知の燃料電池の製造技術を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
まず、公知の薄膜製造技術を用いて、フッ素ゴムシート(切断後、ガスケット7A、7Bとなる部材)と高分子電解質膜シート(切断後、高分子電解質膜1となる部材)を製造する。ついで、フッ素ゴムシートから、図6に示すように、第1燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔及び貫通孔701a、701bをパンチング等により切り取る。そして、マニホールド孔等を切り取ったフッ素ゴムシートを高分子電解質膜シートの両主面上に配置し、フッ素ゴムシートと高分子電解質膜シートを接合する。
次に、貫通孔701a、701bの開口部から、触媒層形成用インクを塗工又はスプレーして、アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bを形成する。なお、アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bの形成は、例えば、スプレー法、スピンコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、スクリーン印刷法に基づいて、行うことができる。これにより、膜−触媒層−ガスケット接合体が形成される。
次に、膜−触媒層−ガスケット接合体を予め設定された大きさに裁断し、アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bの主面に予め適宜な大きさに裁断したアノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3B(例えば、カーボンクロス等)をそれぞれ接合することにより、MEA5(正確には、MEA5にガスケット7A、7Bが接合した接合体)が得られる。なお、撥水カーボン層形成インクを予めアノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bの主面、又はアノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bの主面に塗工等することにより、撥水カーボン層を形成してから、MEA5を形成してもよい。
[燃料電池システムの動作(運転方法)]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の動作(運転方法)について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の動作は、制御装置105が燃料電池システム100を制御することにより遂行される。
まず、第1切り替え器61は、第2ポート61bを第3ポート61cと連通させ、かつ、第1ポート61aを遮断して、燃料ガスが、第2燃料ガス供給経路上流部22a及び第2燃料ガス供給経路下流部22bを通流するように作動する。また、第2切り替え器62は、第2ポート62bを第3ポート62cと連通させ、かつ、第1ポート62aを遮断して、酸化剤ガスが、第2酸化剤ガス供給経路上流部26a及び第2酸化剤ガス供給経路下流部26bを通流するように作動する。
次に、水素生成装置102で生成された燃料ガスが、第1燃料ガス供給経路21に供給される。第1燃料ガス供給経路21に供給された燃料ガスは、第1燃料ガス供給経路21を通流して、燃料電池101の第1燃料ガス供給マニホールド131(図3参照)を介して、各セル51の第1燃料ガス流路8Aに供給される。このとき、燃料ガス流量検知器106は、第1燃料ガス供給経路21を通流する燃料ガスの流量を検知して、検知した流量を制御装置105に出力する。そして、制御装置105の演算処理部は、燃料ガス流量検知器106から入力された燃料ガスの流量を積算して、積算した燃料ガスの流量(積算燃料ガス流量)を記憶部に記憶させる。
第1燃料ガス流路8Aに供給された燃料ガスは、第1燃料ガス流路8Aを通流する間に、アノード電極4Aの第1発電部401aに供給される。また、第1燃料ガス流路8Aを通流した燃料ガスは、第1燃料ガス排出マニホールド132(図3参照)を介して、第2燃料ガス供給経路上流部22aに供給される。第2燃料ガス供給経路上流部22aに供給された燃料ガスは、第2燃料ガス供給経路上流部22a及び第2燃料ガス供給経路下流部22bを通流して、燃料電池101の第2燃料ガス供給マニホールド133(図3参照)を介して、各セル51の第2燃料ガス流路8Bに供給される。
第2燃料ガス流路8Bに供給された燃料ガスは、第2燃料ガス流路8Bを通流する間に、アノード電極4Aの第2発電部402aに供給される。また、第2燃料ガス流路8Bを通流した燃料ガスは、第2燃料ガス排出マニホールド134(図3参照)を介して、オフガス経路24に供給される。オフガス経路24に供給された燃料ガスは、オフガスとして、バーナ102aに供給される。
また、酸化剤ガス供給装置103から酸化剤ガスが、第1酸化剤ガス供給経路25に供給される。第1酸化剤ガス供給経路25に供給された酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス供給経路25を通流して、燃料電池101の第1酸化剤ガス供給マニホールド135(図3参照)を介して、各セル51の第1酸化剤ガス流路9Aに供給される。このとき、酸化剤ガス流量検知器107は、第1酸化剤ガス供給経路25を通流する酸化剤ガスの流量を検知して、検知した流量を制御装置105に出力する。そして、制御装置105の演算処理部は、酸化剤ガス流量検知器107から入力された酸化剤ガスの流量を積算して、積算した酸化剤ガスの流量(積算酸化剤ガス流量)を記憶部に記憶させる。
第1酸化剤ガス流路9Aに供給された酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路9Aを通流する間に、カソード電極4Bの第1発電部401bに供給される。また、第1酸化剤ガス流路9Aを通流した酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス排出マニホールド136(図3参照)を介して、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aに供給される。第2酸化剤ガス供給経路上流部26aに供給された酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス供給経路上流部26a及び第2酸化剤ガス供給経路下流部26bを通流して、燃料電池101の第2酸化剤ガス供給マニホールド137(図3参照)を介して、各セル51の第2酸化剤ガス流路9Bに供給される。
第2酸化剤ガス流路9Bに供給された酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス流路9Bを通流する間に、カソード電極4Bの第2発電部402bに供給される。また、第2酸化剤ガス流路9Bを通流した酸化剤ガスは、第2酸化剤ガス排出マニホールド138(図3参照)を介して、酸化剤ガス排出経路28に供給される。酸化剤ガス排出経路28に供給された酸化剤ガスは、燃料電池システム100外に排出される。
また、燃料電池101には、冷却水タンク104から冷却水往路29aを介して、冷却水が供給され、燃料電池101(正確には、燃料電池101の冷却水供給マニホールド139(図3参照))に供給された冷却水は、燃料電池101の冷却水供給マニホールド139を介して、各セル51の冷却水流路10に供給される。冷却水流路10に供給された冷却水は、冷却水流路10を通流する間に、燃料電池101内で発生した熱を回収して、燃料電池101を所定の温度に保つ。また、冷却水流路10を通流した冷却水は、冷却水排出マニホールド140(図3参照)を介して、冷却水復路29bに供給される。冷却水復路29bに供給された冷却水は、冷却水復路29bを通流して、冷却水タンク104に供給される。
このようにして、燃料電池101では、第1燃料ガス流路8A及び第2燃料ガス流路8Bから各セル51のアノード電極4Aに供給された燃料ガスと、第1酸化剤ガス流路9A及び第2酸化剤ガス流路9Bから各セル51のカソード電極4Bに供給された酸化剤ガスとが、電気化学的に反応して水が生成し、電気と熱が発生する。また、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発生した熱は、冷却水流路10を通流する冷却水によって回収され、燃料電池101内が所定の温度に保たれる。
また、制御装置105の演算処理部は、燃料電池システム100の運転時間を時計部から取得して、記憶部にその積算した運転時間(積算運転時間)を記憶させる。また、制御装置105の演算処理部は、インバータから燃料電池101の発電量を取得して、記憶部にその積算した発電量(積算発電量)を記憶させる。そして、制御装置105の演算処理部は、記憶部に記憶されている積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値(予め定められている閾値)以上になると、第1切り替え器61の第1ポート61aを第3ポート61cと連通させ、かつ、第2ポート61bを遮断して、燃料ガスが、第1燃料ガス供給経路21から燃料ガスバイパス経路23を介して、第2燃料ガス供給経路下流部22bを通流するように作動させる。また、第2切り替え器62は、第1ポート62aを第3ポート62cと連通させ、かつ、第2ポート62bを遮断して、酸化剤ガスが、第1酸化剤ガス供給経路25から酸化剤ガスバイパス経路27を介して、第2酸化剤ガス供給経路下流部26bを通流するように作動させる(図2参照)。なお、記憶部に記憶されている所定の閾値は、高分子電解質膜1における第1燃料ガス流路8Aに対向する部分及び第1酸化剤ガス流路9Aに対向する部分に孔が生じるまでの積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量を予め実験等によって求められたものであり、燃料電池システムの出力等によって異なるものである。また、当該所定の閾値は、燃料電池システム100の安全を充分に確保して運転する観点から、予め実験等で求められた高分子電解質膜1に孔が生じるまでの積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量よりも小さい値に設定することが好ましい。
これにより、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、高分子電解質膜1における第1燃料ガス流路8Aに対向する部分及び第1酸化剤ガス流路9Aに対向する部分が、乾燥により劣化したような場合に、高分子電解質膜1の当該部分に孔が生じる前に、第1切り替え器61及び第2切り替え器62を制御して、燃料ガス及び酸化剤ガスが、それぞれ、第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aを通流することを抑制することができる。また、第1アノード発電部401aと第2アノード発電部402aとの間に区分部(第1分離部材)701cが配置されているため、第1切り替え器61及び第2切り替え器62を制御して、燃料ガス及び酸化剤ガスが、それぞれ、第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aを通流することを抑制した後に、第2燃料ガス流路8Bを通流する燃料ガスが、第2燃料ガス流路8Bに沿って流れずに、第2アノード発電部402aから第1アノード発電部401aに伏流により短絡することが抑制される。同様に、第1カソード発電部401bと第2カソード発電部402bとの間に区分部(第2分離部材)701cが配置されているため、第2酸化剤ガス流路9Bを通流する酸化剤ガスが、第2カソード発電部402bから第1カソード発電部401bに伏流により短絡することが抑制される。
このため、高分子電解質膜1における第1燃料ガス流路8Aに対向する部分及び第1酸化剤ガス流路9Aに対向する部分から、第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aに存在する燃料ガス及び酸化剤ガスに水分が持ち去られることを抑制し、高分子電解質膜1の当該部分が、さらに乾燥して孔が開くことが抑制することができる。従って、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、燃料電池101の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムにおけるセルの概略構成を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムは、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、セル51のガスケット7Aの区分部701cが、アノードガス拡散層3Aのみを2つに分割し、ガスケット7Bの区分部701cが、カソードガス拡散層3Bのみを2つに分割するように形成されている点が異なる。すなわち、第1アノードガス拡散層301aと第2アノードガス拡散層302aとは、隙間G1´を挟んで上下方向に分離して配置され、第1カソードガス拡散層301bと第2カソードガス拡散層30baとは、隙間G2´を挟んで上下方向に分離して配置されている。
アノード触媒層2Aは、アノードガス拡散層3Aに比べてその厚みが非常に小さく、同様に、カソード触媒層2Bは、カソードガス拡散層3Bに比べて、その厚みが非常に小さい。また、アノード電極4A及びカソード電極4Bにおける反応ガスの伏流は、主にアノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bで生じる。
このため、アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bを区分部701cで分離しなくても、アノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bを区分部701cで2つに分離することで、第1切り替え器61及び第2切り替え器62を制御して、燃料ガス及び酸化剤ガスが、それぞれ、第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aを通流することを抑制した後に、第2燃料ガス流路8Bを通流する燃料ガスが、第2燃料ガス流路8Bに沿って流れずに、第2アノードガス拡散層302aから第1アノードガス拡散層301aに伏流による短絡を抑制することができる。これにより、第2アノード発電部402aから第1アノード発電部401aへの伏流による短絡を抑制することができる。同様に、第2酸化剤ガス流路9Bを通流する酸化剤ガスが、第2カソードガス拡散層302bから第1カソードガス拡散層301bに伏流による短絡を抑制することができ、これにより、第2カソード発電部402bから第1カソード発電部401bへの伏流による短絡を抑制することができる。
従って、このように構成された本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムにおいても、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、アノードガス拡散層3Aとカソードガス拡散層3Bを完全に2つに分割する構成としたが、これに限定されず、第2アノード発電部402aから第1アノード発電部401aへの燃料ガスの伏流による短絡、及び第2カソード発電部402bから第1カソード発電部401bへの酸化剤ガスの伏流による短絡を抑制することができれば、アノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bが完全に分割されていない構成(一部でつながる部分を有する構成)であってもよい。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムにおけるセルの概略構成を模式的に示す断面図であり、図10は、図9に示すセルのアノードセパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図10においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。
図9及び図10に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムは、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、ガスケット7Aに第1分離部材である区分部701cを設けずに、アノードセパレータ6Aにおける第1燃料ガス流路8Aと第2燃料ガス流路8Bとの間に形成される第1アノードリブ部18Aの幅方向(図9における上下方向)の寸法が、第2燃料ガス流路8Bのみによって形成される第2アノードリブ部18Bの幅方向の寸法が2倍以上になるように、第1燃料ガス流路8A及び第2燃料ガス流路8Bが形成されている点が異なる。また、同様に、本実施の形態3に係る燃料電池システムでは、ガスケット7Bに第2分離部材である区分部701cを設けずに、カソードセパレータ6Bにおける第1酸化剤ガス流路9Aと第2酸化剤ガス流路9Bとの間に形成される第1カソードリブ部19Aの幅方向の寸法が、第2酸化剤ガス流路9Bのみによって形成される第2カソードリブ部19Bの幅方向の寸法が2倍以上になるように、第1酸化剤ガス流路9A及び第2酸化剤ガス流路9Bが形成されている点が、実施の形態1に係る燃料電池システム100と異なる。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池システムでは、第1アノードリブ部18Aの幅を第2アノードリブ部18Bの幅よりも大きくすることにより、第1燃料ガス流路8Aを通流する燃料ガスと第2燃料ガス流路8B(特に、第2燃料ガス供給マニホールド孔33から水平方向に延びる部分)を通流する燃料ガスの圧力差による当該流路間に生じる圧力勾配を小さくすることができる。
このため、第1切り替え器61及び第2切り替え器62を制御して、燃料ガス及び酸化剤ガスが、それぞれ、第1燃料ガス流路8A及び第1酸化剤ガス流路9Aを通流することを抑制した後に、第2燃料ガス流路8Bを通流する燃料ガスが、第2燃料ガス流路8Bに沿って流れずに、第2アノード発電部402aから第1アノード発電部401aに伏流により短絡することが抑制される。同様に、第2酸化剤ガス流路9Bを通流する酸化剤ガスが、第2カソード発電部402bから第1カソード発電部401bに伏流により短絡することが抑制される。
従って、このように構成された本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムにおいても、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態4)
図11及び図12は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。図11は、第1及び第2切り替え器を切り替える前の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図であり、図12は、第1及び第2切り替え器を切り替えた後の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図である。
図11及び図12に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システム100における燃料電池101は、実施の形態1に係る燃料電池システム100における燃料電池101と基本的構成は同じであるが、第1切り替え器61が、第1開閉弁61eと第2開閉弁61fで構成され、第2切り替え器62が、第1開閉弁62eと第2開閉弁62fで構成されている点が異なる。具体的には、第1切り替え器61を構成する第1開閉弁61eは、第2燃料ガス供給経路上流部22aの途中に設けられていて、第1切り替え器61を構成する第2開閉弁61fは、燃料ガスバイパス経路23の途中に設けられている。また、第2切り替え器62を構成する第1開閉弁62eは、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aの途中に設けられていて、第2切り替え器62を構成する第2開閉弁62fは、酸化剤ガスバイパス経路27の途中に設けられている。
また、第1切り替え器61と第2切り替え器62がこのように構成されているため、制御装置105の演算処理部は、記憶部に記憶されている積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になるまでは、第1開閉弁61eを開放するように制御し、また、第2開閉弁61fを閉鎖するように制御する。また、制御装置105の演算処理部は、第1開閉弁61eを開放するように制御し、また、第2開閉弁61fを閉鎖するように制御する。
これにより、燃料ガスは、第1燃料ガス供給経路21、第1燃料ガス流路8A、第2燃料ガス供給経路上流部22a、第2燃料ガス供給経路下流部22b、及び第2燃料ガス流路8Bを通流し、酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス供給経路25、第1酸化剤ガス流路9A、第2酸化剤ガス供給経路上流部26a、第2酸化剤ガス供給経路下流部26b、及び第2酸化剤ガス流路9Bを通流する(図11参照)。
そして、制御装置105の演算処理部は、記憶部に記憶されている積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になると、第1開閉弁61eを閉鎖するように制御し、また、第2開閉弁61fを開放するように制御する。また、制御装置105の演算処理部は、第1開閉弁61eを閉鎖するように制御し、また、第2開閉弁61fを開放するように制御する。
これにより、燃料ガスは、第1燃料ガス供給経路21から燃料ガスバイパス経路23を介して、第2燃料ガス供給経路下流部22b及び第2燃料ガス流路8Bを通流し、酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス供給経路25から酸化剤ガスバイパス経路27を介して第2酸化剤ガス供給経路下流部26b及び第2酸化剤ガス流路9Bを通流する。
このように構成された本発明の実施の形態4に係る燃料電池システム100においても、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、第1開閉弁61eを第2燃料ガス供給経路上流部22aに設けたが、これに限定されず、第1燃料ガス供給経路21の燃料ガスバイパス経路23との接続部分から下流側に設けてもよい。また、第1開閉弁62eを第2酸化剤ガス供給経路上流部26aに設けたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス供給経路25の酸化剤ガスバイパス経路27との接続部分から下流側に設けてもよい。
(実施の形態5)
図13及び図14は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。図13は、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になる前の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図であり、図14は、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になった後の燃料ガス及び酸化剤ガスの流れを模式的に示した図である。
図13及び図14に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システム100における燃料電池101は、実施の形態4に係る燃料電池システム100における燃料電池101と基本的構成は同じであるが、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になると、メンテナンス作業者が燃料ガスバイパス経路23及び酸化剤ガスバイパス経路27を構成する配管を取り付けるように構成されている点が異なる。
すなわち、図13に示すように、本実施の形態5に係る燃料電池システム100は、家庭に備え付けるときには、燃料電池システム100の燃料電池101には、燃料ガスバイパス経路23及び酸化剤ガスバイパス経路27が設けられていない。一方、燃料電池101の第2燃料ガス供給経路上流部22aには、開閉弁63が設けられ、また、第2酸化剤ガス供給経路上流部26aには、開閉弁64が設けられている。
燃料電池システム100の運転を開始して、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量の少なくとも1つが、記憶部に記憶されている所定の閾値以上になると、制御装置105の演算処理部は、表示部に燃料ガスバイパス経路23及び酸化剤ガスバイパス経路27の取り付けを知らせる表示を行わせる。なお、表示部への表示だけではなく、スピーカから音声を出力したり、警報音を出力したり、警報を表す光を出射したりしてもよく、また、サービスセンターに直接、燃料ガスバイパス経路23及び酸化剤ガスバイパス経路27の取り付けを伝達してもよい。
そして、図14に示すように、メンテナンス作業者が、燃料ガスバイパス経路23を構成する配管を第1燃料ガス供給経路21と第2燃料ガス供給経路下流部22bとを接続するように設け、また、酸化剤ガスバイパス経路27を構成する配管を第1酸化剤ガス供給経路25と第2酸化剤ガス供給経路下流部26bとを接続するように設ける。また、メンテナンス作業者(又は制御装置105)は、開閉弁63及び開閉弁64を閉鎖させる。その後、燃料電池システム100の運転開始を許可して、燃料電池システム100の運転を行う。
このように構成された本発明の実施の形態5に係る燃料電池システム100においても、実施の形態4に係る燃料電池システム100と同様の作用効果を奏する。
なお、上記実施形態1〜5においては、第1アノード触媒層201a、第2アノード触媒層202a、第1カソード触媒層201b及び第2カソード触媒層202bは、高分子電解質膜1の周縁より内方に設けられているとしたが、これに限定されない。例えば、高分子電解質膜1の周縁部の少なくとも一部にさらに設けられていてもよく、高分子電解質膜1の全面に設けられていてもよい。
また、上記実施形態1〜5においては、燃料電池101として、各マニホールド孔がセパレータに設けられたいわゆる内部マニホールド形を採用したが、これに限定されず、燃料電池101として、外部マニホールド形を採用してもよい。
本発明の燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法は、電解質層における燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路の上流部に対向する部分が、乾燥して劣化した場合に、電解質層の当該部分の更なる乾燥を抑制して、当該部分に孔が開くことを抑制し、燃料電池の電圧の急激な低下とともに発電不能状態に陥ることを抑制することが可能なため、燃料電池の技術分野で有用である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 図3は、図1に示す燃料電池システムにおける燃料電池の概略構成を模式的に示す斜視図である。 図4は、図3に示す燃料電池におけるセルの概略構成を模式的に示す断面図である。 図5は、図4に示すセルにおけるMEAの概略構成を示す模式図である。 図6は、図4に示すセルにおけるガスケットの概略構成を示す模式図である。 図7は、図4に示すセルにおけるアノードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムにおけるセルの概略構成を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムにおけるセルの概略構成を模式的に示す断面図である。 図10は、図9に示すセルのアノードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図11は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 図13は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 図14は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
1 高分子電解質膜(電解質層)
2A アノード触媒層
2B カソード触媒層
3A アノードガス拡散層
3B カソードガス拡散層
4A アノード電極
4B カソード電極
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体(電解質層−電極接合体))
6A アノードセパレータ
6B カソードセパレータ
7A ガスケット
7B ガスケット
8A 第1燃料ガス流路
8B 第2燃料ガス流路
9A 第1酸化剤ガス流路
9B 第2酸化剤ガス流路
10 冷却水流路
18A 第1アノードリブ部
18B 第2アノードリブ部
19A 第1カソードリブ部
19B 第2カソードリブ部
21 第1燃料ガス供給経路
22 第2燃料ガス供給経路
22a 第2燃料ガス供給経路上流部
22b 第2燃料ガス供給経路下流部
23 燃料ガスバイパス経路
24 オフガス経路
25 第1酸化剤ガス供給経路
26 第2酸化剤ガス供給経路
26a 第2酸化剤ガス供給経路上流部
26b 第2酸化剤ガス供給経路下流部
27 酸化剤ガスバイパス経路
28 酸化剤ガス排出経路
29 冷却水循環路
29a 冷却水往路
29b 冷却水復路
31 第1燃料ガス供給マニホールド孔
32 第1燃料ガス排出マニホールド孔
33 第2燃料ガス供給マニホールド孔
34 第2燃料ガス排出マニホールド孔
35 第1酸化剤ガス供給マニホールド孔
36 第1酸化剤ガス排出マニホールド孔
37 第2酸化剤ガス供給マニホールド孔
38 第2酸化剤ガス排出マニホールド孔
39 冷却水供給マニホールド孔
40 冷却水排出マニホールド孔
41A 第1端板
41B 第2端板
51 セル
61 第1切り替え器
61a 第1ポート
61b 第2ポート
61c 第3ポート
61e 第1開閉弁
61f 第2開閉弁
62 第2切り替え器
62a 第1ポート
62b 第2ポート
62c 第3ポート
62e 第1開閉弁
62f 第2開閉弁
63 開閉弁
64 開閉弁
81 セル積層体
100 燃料電池システム
101 燃料電池
102 水素生成装置(燃料ガス供給器)
102a バーナ
103 酸化剤ガス供給装置(酸化剤ガス供給器)
104 冷却水タンク
105 制御装置(制御器)
106 燃料ガス流量検知器
107 酸化剤ガス流量検知器
108 ポンプ
131 第1燃料ガス供給マニホールド
132 第1燃料ガス排出マニホールド
133 第2燃料ガス供給マニホールド
134 第2燃料ガス排出マニホールド
135 第1酸化剤ガス供給マニホールド
136 第1酸化剤ガス排出マニホールド
137 第2酸化剤ガス供給マニホールド
138 第2酸化剤ガス排出マニホールド
139 冷却水供給マニホールド
140 冷却水排出マニホールド
401a 第1アノード発電部(第1アノード発電領域)
401b 第1カソード発電部(第1カソード発電領域)
402a 第2アノード発電部(第2アノード発電領域)
402b 第2カソード発電部(第2カソード発電領域)
701a 貫通孔
701b 貫通孔
701c 区分部(第1分離部材、第2分離部材)

Claims (15)

  1. 電解質層と、前記電解質層の一方の主面に配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体の前記アノード電極と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体の前記カソード電極と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、
    前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、
    前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、
    前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、
    前記第1燃料ガス供給経路からの燃料ガスの供給先を前記第1燃料ガス流路と前記燃料ガスバイパス経路との間で切り替える第1切り替え器と、
    前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、
    前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、
    前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、
    前記第1酸化剤ガス供給経路からの酸化剤ガスの供給先を前記第1酸化剤ガス流路と前記酸化剤ガスバイパス経路との間で切り替える第2切り替え器と、を備える、燃料電池システム。
  2. 前記アノード電極は、第1アノード発電領域と第2アノード発電領域を有し、
    前記カソード電極は、第1カソード発電領域と第2カソード発電領域を有し、
    前記第1燃料ガス流路は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、該アノードセパレータの前記第1アノード発電領域と対向する部分に形成され、
    前記第2燃料ガス流路は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、該アノードセパレータの前記第2アノード発電領域と対向する部分に形成され、
    前記第1酸化剤ガス流路は、前記カソードセパレータの厚み方向から見て、該カソードセパレータの前記第1カソード発電領域と対向する部分に形成され、
    前記第2酸化剤ガス流路は、前記カソードセパレータの厚み方向から見て、該カソードセパレータの前記第2カソード発電領域と対向する部分に形成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1アノード発電領域の少なくとも一部が、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、前記第1カソード発電領域と重なるように形成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1アノード発電領域は、前記アノードセパレータの厚み方向から見て、前記第1カソード発電領域と互いに重なるように形成されている、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記アノード電極は、第1分離部材を有し、
    前記カソード電極は、第2分離部材を有し、
    前記第1アノード発電領域と前記第2アノード発電領域とは、前記アノード電極が前記第1分離部材によって前記第1アノード発電領域に対応する部分と前記第2アノード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分され、
    前記第1カソード発電領域と前記第2カソード発電領域とは、前記カソード電極が前記第2分離部材によって前記第1カソード発電領域に対応する部分と前記第2カソード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記アノード電極は、前記アノードセパレータの内面側に配置されたアノードガス拡散層を有し、
    前記カソード電極は、前記カソードセパレータの内面側に配置されたカソードガス拡散層を有し、
    前記アノードガス拡散層は、第1分離部材を有し、
    前記カソードガス拡散層は、第2分離部材を有し、
    前記第1アノード発電領域と前記第2アノード発電領域とは、前記アノードガス拡散層が前記第1分離部材によって前記第1アノード発電領域に対応する部分と前記第2アノード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分され、
    前記第1カソード発電領域と前記第2カソード発電領域とは、前記カソード電極が前記第2分離部材によって前記第1カソード発電領域に対応する部分と前記第2カソード発電領域に対応する部分とに分離されることによって互いに区分されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第2燃料ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、それぞれ、屈曲するように形成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第1燃料ガス流路及び前記第2燃料ガス流路は、該第1燃料ガス流路と該第2燃料ガス流路との間に形成される第1アノードリブ部の幅が、前記第2燃料ガス流路間に形成される第2アノードリブ部の幅よりも大きくなるように形成され、
    前記第1酸化剤ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、該第1酸化剤ガス流路と該第2酸化剤ガス流路との間に形成される第1カソードリブ部の幅が、前記第2酸化剤ガス流路間に形成される第2カソードリブ部の幅よりも大きくなるように形成されている、請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記第1燃料ガス流路及び前記第2燃料ガス流路は、前記第1アノードリブ部の幅が、前記第2アノードリブ部の幅の2倍以上になるように形成され、
    前記第1酸化剤ガス流路及び前記第2酸化剤ガス流路は、前記第1カソードリブ部の幅が、前記第2カソードリブ部の幅の2倍以上になるように形成されている、請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記第1燃料ガス供給経路に燃料ガスを供給するように構成された燃料ガス供給器と、
    前記第1酸化剤ガス供給経路に酸化剤ガスを供給するように構成された酸化剤ガス供給器と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器が、前記第1燃料ガス供給経路からの前記燃料ガスの供給先を前記第1燃料ガス流路と前記燃料ガスバイパス経路との間で切り替えるように第1切り替え器を制御し、前記第1酸化剤ガス供給経路からの前記酸化剤ガスの供給先を前記第1酸化剤ガス流路と前記酸化剤ガスバイパス経路との間で切り替えるように第2切り替え器を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料ガス供給器から供給される前記燃料ガスの流量を検知するように構成された燃料ガス流量検知器、及び、前記酸化剤ガス供給器から供給される前記酸化剤ガスの流量を検知するように構成された酸化剤ガス流量検知器のうちの少なくとも1つを備え、
    前記制御器は、積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量のうち少なくとも1つが、予め定められる閾値以上になると、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に通流するように第1切り替え器を制御し、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流するように第2切り替え器を制御する、請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池は、第1燃料ガス供給マニホールドと、第1燃料ガス排出マニホールドと、第2燃料ガス供給マニホールドと、第1酸化剤ガス供給マニホールドと、第1酸化剤ガス排出マニホールドと、第2酸化剤ガス供給マニホールドと、を有し、
    前記第1燃料ガス供給経路の下流端は、前記第1燃料ガス供給マニホールドを介して前記第1燃料ガス流路の上流端と接続され、
    前記第2燃料ガス供給経路の上流端は、前記第1燃料ガス排出マニホールドを介して前記第1燃料ガス流路の下流端と接続され、前記第2燃料ガス供給経路の下流端は、前記第2燃料ガス供給マニホールドを介して前記第2燃料ガス流路と接続され、
    前記第1酸化剤ガス供給経路の下流端は、前記第1酸化剤ガス供給マニホールドを介して前記第1酸化剤ガス流路の上流端と接続され、
    前記第2酸化剤ガス供給経路の上流端は、前記第1酸化剤ガス排出マニホールドを介して前記第1酸化剤ガス流路の下流端と接続され、前記第2酸化剤ガス供給経路の下流端は、前記第2酸化剤ガス供給マニホールドを介して前記第2酸化剤ガス流路と接続されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  13. 電解質層と、前記電解質層の一方の主面に該電解質層の周縁部より内方に位置するように配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に前該電解質層の周縁部より内方に位置するように配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、を備える、燃料電池システムの運転方法であって、
    燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記第1燃料ガス流路に、かつ、酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記第1酸化剤ガス流路に通流させ、その後、前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、を設け、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転する、燃料電池システムの運転方法。
  14. 電解質層と、前記電解質層の一方の主面に配置されたアノード電極と、前記電解質層の他方の主面に配置されたカソード電極と、を有する電解質層−電極接合体と、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記アノード電極と接触する内面に溝状の第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路が形成された導電性のアノードセパレータと、板状で、前記電解質層−電極接合体と接触するように配設され、前記カソード電極と接触する内面に溝状の第1酸化剤ガス流路と第2酸化剤ガス流路が形成された導電性のカソードセパレータと、を有する燃料電池と、を備える、燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムは、
    前記第1燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1燃料ガス供給経路と、
    前記第1燃料ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2燃料ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2燃料ガス供給経路と、
    前記第1酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第1酸化剤ガス供給経路と、
    前記第1酸化剤ガス流路の下流端にその上流端が接続され、前記第2酸化剤ガス流路の上流端にその下流端が接続された第2酸化剤ガス供給経路と、
    前記第1燃料ガス供給経路と前記第2燃料ガス供給経路とを接続する燃料ガスバイパス経路と、
    前記第1酸化剤ガス供給経路と前記第2酸化剤ガス供給経路とを接続する酸化剤ガスバイパス経路と、を備え、
    燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記第1燃料ガス流路に、かつ、酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記第1酸化剤ガス流路に通流させ、
    その後、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転する、燃料電池システムの運転方法。
  15. 積算発電量、積算運転時間、積算燃料ガス流量、及び積算酸化剤ガス流量のうち少なくとも1つが、予め定められる閾値以上になると、前記燃料ガスを前記第1燃料ガス供給経路から前記燃料ガスバイパス経路に、かつ、前記酸化剤ガスを前記第1酸化剤ガス供給経路から前記酸化剤ガスバイパス経路に通流させて前記燃料電池システムを運転する、請求項13又は14に記載の燃料電池システムの運転方法。
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