以下、本発明の一実施の形態を図面と共に詳細に説明する。図1は、本実施の形態による受注納入システム1の概略構成および受注納入方法の概略流れを示す模式図である。
図1に示すように、受注納入システム1は、例えば、需要家である顧客100と、発注者である商社200と、受注者であるメーカ300と、を含む。なお、顧客100と商社200とメーカ300とのそれぞれには、適所に、インターネットやLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)や公衆回線や全銀標準通信プロトコル等の専用回線などを介して通信可能なパーソナルコンピュータやサーバやワークステーションなどの情報処理装置が配備される。例えば、顧客100または商社200には、図8に示すように、インターネットやLANやWANや公衆回線や全銀標準通信プロトコル等の専用回線などのネットワーク400を介してメーカ300側のシステム(例えば認証サーバ346や納入指示データベース347等)と通信可能な情報処理装置500が配備されている。
また、メーカ300は、図1に示すように、顧客100から直接または商社200を介して、製品の発注を受ける営業部門310と、受注した製品を生産する生産部門320と、完成した製品を保管および運搬する物流部門330と、物流部門330からの配車指示に応じて配送車のスケジュールを組む配車システム360と、を含む。
さらに、メーカ300は、製品の受注から納入完了までの作業情報(注文内容や進捗状況等)をデータ管理するためのインフラとして、図2に示すデータベース群11を備える。データベース群11は、例えば、注文データベース(以下、データベースを単にDBと略す)311と、生産管理DB341、進捗出荷DB342、納入財源DB344および納入指示DB347と、を含む。さらにまた、メーカ300は、後述する納入案内サービスを顧客100や商社200等へ提供するための構成として提供システム345を含み、また、顧客100や商社200等からのデータベース群11へのアクセスを条件的に許可するための構成として認証サーバ346を含む。
なお、データベース群11に含まれる各データベース(311、341、342、344、および347)は、例えばLANやWANなどのネットワークを介して相互に接続されたリレーショナルデータベースを用いて構築することができる。ただし、これに限定されず、各種データベースまたはファイルサーバ等を用いて構築しても良い。
注文DB311は、メーカ300において商社200からの注文の内容(以下、注文情報という)を管理するためのデータベースであり、ネットワーク400(図8参照)を介して受注した製品の情報を顧客100が発注製品を管理するための顧客側管理番号と対応付けて記憶し、管理する注文管理手段である。なお、顧客側管理番号は、顧客100が発注製品を管理する、言い換えれば、顧客100自身が発注製品の注文を一意に識別可能に管理するための識別情報である。この顧客側管理番号は、通常、発注時に顧客100にて発番される。また、注文DB311は、例えば営業部門310に配備される。
また、注文DB311は、図3に示すように、例えばその属性として、注文者である商社200自らが顧客100から受けた注文を識別するために発番した注文番号と、当該注文元である顧客100を識別するための需要家の情報(名称または識別情報や連絡先(電子メールアドレスや電話/FAX番号等)等:本説明では、単に需要家という)と、商社200を識別するための注文者の情報(名称または識別情報や連絡先(電子メールアドレスや電話/FAX番号等)等:本説明では、単に注文者という)と、需要家である顧客100自らが発注した製品(注文)を識別するために発番した顧客側管理番号と、注文された製品についての情報(規格や寸法等)と、注文された製品の受渡場所と、納入する製品の総重量(以下、単に質量という)と、納入する製品の員数と、を含む。なお、例えば注文DB311における質量は、予定された総重量であるため、後述するデータベースにおける質量と異なる値であっても良い。
一方、データベース群11における生産管理DB341、進捗出荷DB342、納入財源DB344および納入指示DB347は、例えばメーカ300におけるインフラとして配置される。
生産管理DB341は、注文製品を生産・加工する際に必要となる製造条件などの各種情報(以下、生産情報という)を管理するためのデータベースである。この生産管理DB341は、注文DB311から少なくとも顧客側管理番号を引き継ぐ。本例では、図4に示すように、注文DB311からその属性を引き継ぐ。なお、図4では、説明の簡略化のため、図3に示す注文DB311と重複する属性の一部を省略する。また、生産管理DB341は、注文DB311から引き継いだ属性の他に、例えばスラブ巾や圧延温度などの製造条件についての属性を含む。生産部門320における作業者は、適宜、生産管理DB341から生産対象の製品についての生産情報(製造条件、製造仕様など)を取得し、これに基づいて注文された製品を生産する。
進捗出荷DB342は、注文製品の進捗の状況(以下、単に進捗情報という)を管理するためのデータベースであり、受注した製品についての進捗情報および入庫情報を顧客側管理番号と対応付けて管理する進捗出荷管理手段として機能する。この進捗出荷DB342は、生産管理DB341から少なくとも顧客側管理番号を引き継ぐ。本例では、図5に示すように、生産管理DB341からその属性を引き継ぐ。なお、図5では、説明の簡略化のため、図4に示す生産管理DB341と重複する属性の一部を省略する。また、進捗出荷DB342は、生産管理DB341から引き継いだ属性の他に、例えば完成した製品の生産部門320から物流部門330に入庫される日(以下、単に入庫日という)についての属性を含む。生産部門320における作業者は、工程の進行に応じて随時、進捗についての情報を入力する。また、作業者は、完成した製品の所定倉庫等への入庫が完了すると、このことについても入力する。
納入財源DB344は、顧客100への納入が可能となった製品についての情報(以下、単に納入可能製品情報という)を納入財源として管理するためのデータベースであり、顧客100によって発注された製品の情報のうち顧客100への納入が可能となった製品の情報に顧客100が発注製品を管理するための顧客側管理番号と顧客100の情報またはこの発注を仲介した商社200の情報とを対応付けて管理する納入財源管理手段としても機能する。この納入財源DB344は、図6に示すように、例えばその属性を進捗出荷DB342と同様の属性(図5参照)とすることができる。ただし、納入財源DB344には、顧客100への納入が可能な製品についての製品情報のデータ行(組(tuple)またはレコード)のみが納入可能製品情報として登録される。すなわち、納入財源DB344には、未生産または生産中であったり不良品であったりするがために納入が不可または保留である製品についての製品情報は登録されない。
また、提供システム345は、納入可能となった製品についての情報を商社200および/または顧客100へ通知するためのインフラであり、納入可能として納入財源管理手段である納入財源DB344に管理されている製品の情報をこの顧客側管理番号と対応付けられて納入財源DB344に管理されている顧客100または商社200へ通知する通知手段として機能する。
図2に示すように、提供システム345は、例えば通知サーバ345aと提供マスタ345bとを含む。提供マスタ345bは、納入財源DB344の属性のうち予め決めておいた顧客100へ通知する属性を管理する。例えば提供マスタ345bは、製品についての情報(例えば図9の連絡用電子メールに例示する製品情報や受渡場所等)を示す属性を顧客100へ通知する情報に含めるとして管理する。このように、通知する内容に、納入可能となった製品についての情報などを含めると、顧客100にて、納入可能となった製品の概要や納入指示処理へ移行すべきか否かを判断する際に便利であるが、納入可能となった製品が発生したとの情報のみであっても通知の機能は十分達成できるので、製品情報は必ずしも含めなくてもよい。
一方、通知サーバ345aは、常時または定期的に、納入財源DB344に登録された製品(財源)のうち新たに納入が可能となった製品(財源)が存在する否かを監視し、新たに納入が可能となった製品(財源)が存在する場合、この納入可能となった製品(財源)についてのデータ行(組(tuple)またはレコード)を取得する。また、通知サーバ345aは、取得したデータ行から提供マスタ345bに登録されている属性の値を取得し、これを用いて納入が可能となった製品を連絡するためのテキスト文書やHTML(Hyper Text Markup Language)文書等を作成する。さらに、通知サーバ345aは、作成した文書を、インターネットなどのネットワークを介して電子メール送信するか、インターネット上の所定の記憶領域にウェブページとして公開する。なお、ウェブページとして公開する場合、特定の顧客100または商社200のみが閲覧可能となるようにIDおよびパスワード等にてセキュリティをかけておき、また、当該ウェブページの更新を随時電子メール等にて顧客100または商社200へ自動連絡するように構成されることが好ましい。
なお、提供システム345は、納入が可能となった製品(財源)についての情報の他に、この製品に対応付けられている顧客側管理番号を顧客100へ通知してもよい。言い換えれば、提供マスタ345bには、顧客側管理番号の属性が顧客100へ通知する情報に含めるとして管理されていてもよい。また、製品情報や顧客側管理番号を含めず、納入可能となった製品が発生した旨の通知だけでもよい。
納入指示DB347は、顧客100または商社200からメーカ300が受け付けた納入指示についての情報(以下、納入指示情報という)を管理するためのデータベースである。この納入指示DB347は、納入財源管理手段として機能する納入財源DB344に管理されている製品の情報を納入指示対象候補情報として顧客側管理番号に対応付けて顧客100または商社200の情報処理装置500(図8参照)へ送信して表示させ、この表示された納入指示対象候補情報のうち納入の対象とする製品の納入指示をネットワーク400を介して顧客100または商社200が入力する納入指示入力手段と(図8の347−1参照)を備える。さらに、納入指示DB347は、納入指示入力手段347−1を用いて入力された納入指示を受け付ける納入指示受付手段(図8の347−2参照)を備える。なお、納入指示入力手段347−1および納入指示受付手段347−2については、後述において詳細に説明する。
この納入指示DB347は、納入財源DB344から少なくとも顧客側管理番号を引き継ぐ。本例では、図7に示すように、納入財源DB344(図6参照)からその属性を引き継ぐ。なお、図7では、説明の簡略化のため、図6に示す納入財源DB344と重複する属性の一部を省略する。また、納入指示DB347は、納入財源DB344から引き継いだ属性の他に、例えば、顧客100または商社200から指示された納入日と、納入する製品の数量(以下、単に納入数量という)と、顧客100または商社200から納入指示を受け付けた日(以下、単に納入指示日という)と、の属性を含む。物流部門330における作業者は、適宜、納入指示DB347から納入対象の製品についての納入指示情報を取得し、これに基づいて指示された製品の納入作業を進行する。
なお、認証サーバ346は、顧客100または商社200がメーカ300側のデータベース群11(例えば納入財源DB344や納入指示DB347等)へアクセスする際の認証用のインフラである。したがって、顧客100または商社200は、例えば、認証サーバ346へアクセスして、予め例えばメーカ300から自己に割り当てられたIDおよびパスワードを入力する。この結果、認証サーバ346において認証されると、顧客100または商社200は、メーカ300側のシステム(例えばデータベース群11)へのログオンが許可される。また、ログオンした状態では、顧客100または商社200は、例えば納入財源DB344や納入指示DB347等から自己が関与する製品に関する情報を取得して閲覧する各種サービスを享受することが可能となる。なお、顧客100または商社200に閲覧を許可する情報は、各データベースにおける属性のうちから予め選別されていても良い。すなわち、顧客100または商社200ごとに一部の情報へのみのアクセスが許可されるように構成されてもよい。
以上のように、本実施の形態による各データベースでは、すべてのデータ行に顧客側管理番号が格納されているため、データベース群11における各データベース間、ならびに、顧客100、商社200およびメーカ間での、全ての発注についての情報のやり取りを、顧客側管理番号に基づいて行うことが可能となる。
また、本実施の形態において、例えば、納入財源DB344、提供システム345、認証サーバ346および納入指示DB347、ならびに、これらに対して各種命令や情報等を入出力する情報処理装置(パーソナルコンピュータやサーバやワークステーションなど)は、顧客100および商社200へ製品の納入指示を容易に入力することを可能にするサービスを提供する納入指示システム10として機能する。
ここで、本実施の形態による受注納入方法を、図1〜図14を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態による受注納入方法は、大きく分けて、顧客100から発注された製品を所定の場所(倉庫等)に保管する入庫までの発注入庫工程と、顧客100からの製品の納入指示を受け付けるまでの納入指示工程と、納入指示された製品を顧客100へ納入するまでの納入工程と、の3つの工程を含む。
本実施の形態による受注納入方法における発注入庫工程では、まず、顧客100が商社200に対して製品の発注を行う(S1:発注(発番))。顧客100から商社200への製品の発注には、例えば電話や面談による口頭または書面を用いた方法、ファクシミリを用いた方法、ホームページや電子メール等を用いた方法など、種々の方法を用いることができる。ただし、顧客100からの製品発注の際には、顧客100において発注した製品(注文)の管理目的で発番された顧客側管理番号が、発注する製品の情報(以下、単に発注内容という)と共に商社200へ通知される。
顧客100から製品の発注を受けた商社200は、この発注において顧客100から通知された顧客側管理番号および発注内容を用いてメーカ300への製品の発注を行う(S3:発注)。メーカ300への発注は、例えば、商社200の担当者が自己の情報処理装置500(図8参照)を用いてメーカ300の例えば営業部門310に配備された注文DB311へネットワーク400を介してアクセスし、注文DB311から提供される所定のウェブメニューに従って、図3に示す各属性についての値(注文内容および顧客側管理番号等)を入力することで行うことができる。これにより、新たな注文についての注文情報のデータ行が注文DB311に登録される。
商社200からの発注は、メーカ300における営業部門310において受注される(S4:受注(発番))。受注(発番)(S4)では、営業部門310における受注担当者が、注文DB311に新たに登録されたデータ行を取得して注文の内容を確認し、注文内容が受理可能であれば、この注文を受理すると共に、自己において管理する目的で注文番号を発番する。なお、発番された注文番号は、例えば受注担当者の所定の端末より注文DB311に登録される。ただし、本実施の形態において、商社200で注文番号を発番するので、メーカ300における注文番号の発番はしなくても良い。
注文DB311は、新たに登録された注文が営業部310の受注担当者に受理されると、この新たな注文を示す新たなデータ行を生産管理DB341へ入力する。生産管理DB341は、入力されたデータ行を、生産情報についての新たなデータ行として自己に登録する。これにより、注文DB311のデータ行が生産管理DB341に引き継がれる。ただし、これに限らず、注文DB311が生産管理DB341によって常時または定期的に監視される構成であってもよい。この場合、生産管理DB341は、注文DB311に新たな受注についての生産情報のデータ行が追加されると、このデータ行を引き継ぎ、生産情報として自己に登録する。
この際、生産管理DB341は、自己に新たな生産情報についてのデータ行が登録されたことをトリガとして、新たな受注が発生したこと、および/または、新たに追加された受注に係る製品についての生産スケジュールや製造条件等の計画の要求を、生産部門320における生産計画担当者へ通知しても良い。この際、顧客側管理番号を通知内容に含めてもよい。これにより、生産部門320において、顧客側管理番号に基づいた工程の管理が可能となる。
生産管理DB341に新たな受注に係る製品についての生産情報のデータ行が追加されると、生産管理DB341は、予め設定されている生産スケジュール・製造条件生成ルールに基づいて、追加された生産情報に関する生産スケジュールや製造条件等を生成し、これを自己の該当するデータ行に登録する。生産部門320における生産計画担当者は、この追加されたデータ行に登録されている生産スケジュールや製造条件等を所定の端末より参照し、これに基づいて製品の生産スケジュールおよび製造条件等を自己が管理するマシンスケジュール等の計画に組み込む(S5:計画)。なお、受注製品についての生産スケジュールや製造条件等は、生産部門320における生産計画担当者が手作業で作成し、これを生産計画DB341に登録してもよい。
生産管理DB341は、自己に新たな生産情報についてのデータ行が登録されると、この新たなデータ行を進捗出荷DB342へ入力する。進捗出荷DB342は、入力されたデータ行を、進捗情報についての新たなデータ行として自己に登録する。また、生産管理DB341は、自己の既存のデータ行が更新されると、この更新による差分データを生成し、この差分データを進捗出荷DB342へ入力する。進捗出荷DB342は、入力された差分データを用いて、自己の既存のデータ行を更新する。この際、進捗出荷DB342は、顧客側管理番号に基づいて目的のデータ行へ差分データを反映させてもよい。これにより、生産管理DB341のデータ行が進捗出荷DB342に引き継がれる。ただし、これに限らず、生産管理DB341が進捗出荷DB342によって常時または定期的に監視される構成であってもよい。この場合、進捗出荷DB342は、生産管理DB341に新たなデータ行が追加されると、このデータ行を引き継ぎ、進捗情報として自己に登録する。また、進捗出荷DB342は、生産管理DB341における既存のデータ行(ステータス)が更新されると、この更新されたデータで自己のデータ行を更新する。
また、生産部門320における生産担当者は、常時または定期的に生産管理DB341に登録された生産情報を確認し、この生産情報に基づいて、受注製品の製造を遂行する(S6:製造)。また、生産担当者は、この製品についての製造の進捗を、所定の端末から進捗出荷DB342に入力する。これにより、進捗出荷DB342における該当の製品についての進捗情報のデータ行に、進捗情報のデータが登録される。
製造(S6)を経て生産された製品は、生産部門320における出荷担当者によって予め登録された倉庫等へ出荷される(S7:出荷)。また、生産部門320から出荷された製品は、同じくメーカ300における物流部門330において所定の倉庫等に入庫される(S8:入庫)。なお、入庫担当者は、入庫した製品についての入庫日等の入庫情報を、所定の端末から進捗出荷DB342に入力する。これにより、進捗出荷DB342における該当の製品についての進捗情報のデータ行に、入庫情報のデータが登録される。このような、物流部門330に入庫されて、その入庫情報が進捗出荷DB342に入力された製品を、本明細書では、納入が可能となった製品という。そして、入庫情報が登録されたタイミングで、製品は納入指示の受付が可能な状態となり、顧客100や商社200から納入指示の入力が可能となる。なお、納入指示の受付を入庫時以降として説明したが、それに限らず、入庫以前であって出荷後のタイミングであってもよい。
以上のような発注入庫工程の後、本実施の形態による受注納入方法では、次に納入指示工程へ移行する。なお、本実施の形態による納入指示工程を実現する納入指示システム10のより具体的な構成の一例を図8に示し、以下では、図1および図8を用いて納入指示工程を説明する。
なお、納入指示工程にあたり、進捗出荷DB342は、自己に新たな進捗情報についてのデータ行が登録されると、この新たなデータ行を納入財源DB344へ入力する。納入財源DB344は、入力されたデータ行を、納入財源となる製品情報についての新たなデータ行として自己に登録する。また、進捗出荷DB342は、自己の既存のデータ行が更新されると、この更新による差分データを生成し、この差分データを納入財源DB344へ入力する。納入財源DB344は、入力された差分データを用いて、自己の既存データ行を更新する。これにより、進捗出荷DB342のデータ行が納入財源DB344に引き継がれる。ただし、これに限らず、進捗出荷DB342が納入財源DB344によって常時または定期的に監視される構成であってもよい。この場合、納入財源DB344は、進捗出荷DB342に新たなデータ行が追加されると、このデータ行を引き継ぎ、製品情報として自己に登録する。また、納入財源DB344は、進捗出荷DB342における既存のデータ行が更新されると、この更新されたデータで自己のデータ行を更新する。
納入財源DB344は、通知手段として機能する提供システム345(通知サーバ345a)によって、常時または定期的に監視される。提供システム345は、納入財源DB344に新たなデータ行が登録されると、この新たなデータ行を取得する。また、提供システム345は、取得したデータ行から予め定めておいた属性の値(顧客側管理番号を含むことが好ましい)を取得し、これを用いて納入が可能となった製品(納入財源)またはこれの存在を連絡するためのテキスト文書やHTML文書等を作成する。さらに、提供システム345は、作成した文書を、インターネットなどのネットワークを介して連絡用電子メールとして送信することで、対象の製品を発注した商社200へ、対象の製品が納入可能になったことを連絡する(S10:連絡(納入財源の事前提供))。すなわち、ステップS10は、納入可能として納入財源DB344(納入財源管理手段)に管理されている顧客側管理番号をこの顧客側管理番号と対応付けられて納入財源DB344に管理されている顧客100または商社200へ通知する財源通知ステップとして機能する。なお、通知は、製品が入庫される(入庫情報が登録される)タイミング毎に行ってもよいし、1日に1回や数回の頻度で通知するとして、それまでに入庫された製品のデータをまとめて通知するようにしてもよい。
S10によって連絡を受けた商社200は、受信した連絡用電子メールを顧客100へ転送することで、対象の商品が納入可能になったことを顧客100へ連絡する(S11:連絡)。この際、商社200は、メーカ300から受信した連絡用電子メールを自己のフォーマットに変換してもよい。また、上記に限定されず、提供システム345から顧客100へ、直接、対象の製品が納入可能になったことが連絡されるように構成してもよい。
商社200またはメーカ300から顧客100へ送信される連絡用電子メールには、納入指示を入力するための納入指示入力用ホームページのURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。
ここで、図9に、提供システム345から直接または商社200を介して顧客100へ送信される連絡用電子メールの一例を示す。図9に示すように、本連絡用電子メールには、例えば、製品の発注元(需要家または注文者)と、発注された製品(注文)を顧客100において容易に識別するための顧客側管理番号と、納入財源(すなわち、納入が可能となった製品についての情報(製品情報:規格、寸法、重量、員数等))と、製品の受渡場所(需要家側の倉庫や港等の名称およびその住所等)と、納入可能日(納入が可能となった日)と、納入指示入力用ホームページのURLとが記述されている。なお、URLには、納入指示入力用ホームページとのリンクがなされている。
したがって、顧客100は、連絡用電子メールに含まれる納入指示入力用ホームページへのリンク(URL)をクリックして納入指示入力用ホームページへジャンプし、認証サーバ346にて認証後、この納入指示入力用ホームページに従って対象製品(財源)の納入指示を入力する(S12:納入指示)。すなわち、ステップS12は、納入財源DB344に管理されている製品の情報を納入指示対象候補情報として顧客側管理番号に対応付けて顧客100または商社200の情報処理装置500(図8参照)へ送信して表示させ、この表示された納入指示対象候補情報のうち納入の対象とする製品の納入指示をネットワーク400を介して顧客100または商社200が入力する納入指示入力ステップとして機能する。なお、顧客100が入力した納入指示は、直接、メーカ300へ送られてもよいし、商社200を介してメーカ300へ転送されてもよい(S12a:納入指示)。なお、納入指示入力用ホームページのURLが常に同じであれば、最初に1回だけ通知して連絡しておけばよく、提供システム345から送信される連絡用電子メールにURLを含まなくてもよい。その場合には、ブラウザ機能にURLを入力して、納入指示入力用ホームページにアクセスすればよい。
図10〜図14に、顧客100または商社200が納入指示を入力するための納入指示入力用ホームページの一例を示す。本実施の形態による納入指示入力用ホームページは、例えば、図10に示すログイン画面と、図11に示すサービス選択画面と、図12に示す納入案内選択画面と、図13に示す絞込み条件入力画面と、図14に示す納入指示入力画面と、を含む。
商社200またはメーカ300から受信した連絡用電子メールに含まれるURLをクリックすると、または、自己のブラウザ機能により納入指示入力用ホームページのURLを入力すると、顧客100の情報処理装置500(図8参照)には、まず、図10に示すようなログイン画面が表示される。なお、顧客100には、メーカ300側から、予め自己を認証するための識別情報として、需要家IDとパスワードとが付与されているものとする。したがって、顧客100は、自己の情報処理装置500に表示されたログイン画面における、需要家ID入力欄とパスワード入力欄とのそれぞれに、予め自己に付与されている需要家IDとパスワードとを入力し、画面中の『ログイン』ボタンをクリックする。これに対し、メーカ300側の所定のサーバ(例えば認証サーバ346)は、需要家IDとパスワードとからアクセスした顧客100を認証し、アクセス権限を有する顧客100からアクセスされたことが認証できた場合、顧客100の情報処理装置500を以降の画面に導く。
次に、顧客100の情報処理装置500には、メーカ300から提供されるサービスの何れかを選択するサービス選択画面が表示される。本例では、図11に示すように、『納入案内サービス』と『財源案内サービス』と『納入指示入力サービス』との何れかを選択可能なサービス選択画面が表示される。各サービスのタイトルを表示する文字列には、対応するサービスを提供するホームページへのリンクが貼られている。したがって、顧客100によって何れかのサービス名がクリックされると、顧客100の情報処理装置500には、選択したサービスに応じたウェブページが表示される。
ここで、例えば『納入案内サービス』が選択されたとすると、顧客100の情報処理装置500(図8参照)には、図12に示す納入案内選択画面が表示される。この納入案内選択画面は、納入が可能となった財源(以降、納入財源ともいう)の明細を確認する納入案内サービスを顧客100に提供するための画面であって、顧客100および/または商社200が納入指示を入力する目的の製品に対応付けられた顧客側管理番号を検索条件として入力可能な検索用ウェブページである。そこで、本実施の形態による納入案内選択画面には、例えば図12に示すように、納入が可能となった財源を検索するための納入案内検索欄と、納入案内検索欄に入力した条件によって検索された財源の一覧(納入案内一欄)と、が含まれる。なお、この検索用ウェブページは、例えば納入指示DB347において生成され、顧客100および/または商社200の所定の情報処理装置へ送信して表示される。すなわち、納入指示DB347における納入指示受付手段347−1は、図8に示すように、検索用ウェブページを顧客100および/または商社200の所定の情報処理装置へ送信して表示する検索用ウェブページ表示手段347−1aを含む。
顧客100は、納入案内検索欄に検索キーとする条件を入力し、納入案内検索欄下の『検索』ボタンをクリックする。これにより、納入案内検索欄に入力した条件にマッチする財源の一覧が納入案内一覧にリストアップされる。ここで、本実施の形態における納入案内検索欄には、顧客側管理番号を入力するための欄(『顧客側管理番号』)が含まれる。したがって、顧客100は、この『顧客側管理番号』の欄に、自己において管理する顧客側管理番号を入力することで、容易に目的の発注に対応する財源を検索して、納入案内一覧にリストアップすることができる。なお、この検索用ウェブページにおける顧客側管理番号を検索条件として入力する欄には、当該検索用ウェブページへのアクセスの起点となった連絡用電子メールに含まれる顧客側管理番号がデリート可能な状態で予め入力されていてもよい。
このような動作を実現するために、納入指示DB347における納入指示入力手段347−1は、図8に示すように、検索用ウェブページに入力された顧客側管理番号を取得する顧客側管理番号取得手段347−1b、および、この顧客側管理番号取得手段347−1bによって取得された顧客側管理番号に対応付けられた製品の情報を取得する納入財源取得手段347−1cを含む。なお、顧客側管理番号に対応付けられた製品の情報の取得先は、納入指示DB347自体であっても納入財源DB344であってもよい。また、図12に示す納入案内選択画面は、検索された製品の情報を納入指示対象候補情報(すなわち、納入が可能となった財源)として表示する財源ウェブページでもある。そこで、納入指示DB347の納入指示入力手段347−1は、図8に示すように、財源ウェブページを前記需要家の情報処理装置500へ送信して表示する財源ウェブページ表示手段347−1dも含む。
顧客100は、納入案内一覧に表示された財源のうち、その明細を表示したい財源に対応するチェックボックスにチェックを入れ、納入案内一覧下の『明細表示』ボタンをクリックする。これにより、顧客100には、図14に示すような、納入指示入力画面が表示される。
また、顧客100によって納入案内検索欄下の『絞込み検索』ボタンがクリックされた場合、顧客100の情報処理装置500には、図13に示す絞込み条件入力画面が表示される。この絞込み条件入力画面は、納入案内一覧にリストアップする財源を絞り込むための絞込み条件を入力する画面である。そこで、本実施の形態による絞込み条件入力画面には、納入案内選択画面に入力された条件によって絞り込まれた財源の財源情報と、絞込み条件を入力する絞込み条件入力欄と、が含まれる。なお、絞込み条件検索画面には、図12に示す納入案内選択画面に入力された条件が引き継がれているとよい。
顧客100は、絞込み条件入力欄に追加の検索キーとする絞込み条件を入力し、絞込み条件入力欄下の『絞込み検索』ボタンをクリックする。これにより、納入案内一覧にリストアップされた財源が絞込み条件入力欄に入力した条件によって絞り込まれる。ここでも、上述の納入案内検索欄と同様に、絞込み条件入力欄には顧客側管理番号を入力するための欄(『顧客側管理番号』)が含まれる。したがって、顧客100は、この『顧客側管理番号』の欄に、自己において管理する顧客側管理番号を入力することで、容易に目的の発注に対応する財源を検索して、納入案内一覧にリストアップすることができる。
その後、顧客100は、納入案内選択画面と同様に、納入案内一覧に表示された財源のうち、その明細を表示したい財源に対応するチェックボックスにチェックを入れ、納入案内一覧下の『明細表示』ボタンをクリックする。これにより、顧客100には、図14に示すような、納入指示入力画面が表示される。
納入指示入力画面は、納入案内選択画面または絞込み条件入力画面(財源ウェブページ部分)によって表示された財源の納入指示として納入指示(納入日等)を入力する納入指示入力ウェブページである。この納入指示入力画面は、図14に示すように、選択された財源の明細と、この財源についての納入指示を入力する納入指示入力欄と、が含まれる。顧客100は、納入指示入力欄の納入日に納入を希望する日を入力し、納入指示入力欄下の『納入指示送信』ボタンをクリックする。そこで、納入指示DB347の納入指示入力手段347−1は、図8に示すように、納入指示入力画面(納入指示入力ウェブページ)を顧客100の情報処理装置500へ送信して表示する納入指示入力ウェブページ表示手段347−1eを含む。
なお、上記納入指示入力用ホームページからの納入指示の入力は、商社200が顧客100に代わって行えるように構成してもよい。なお、納入指示を入力する流れを提供システム345によって通知されてから納入指示入力用ホームページにアクセスする手順で説明したが、それに限らず、通知がなくても、顧客100や商社200は任意のタイミングで、予め指定されたURLの納入指示入力用ホームページにアクセスして、納入指示の入力をするようにしてもよい。つまり、顧客100や商社200への事前通知は、最新情報を提供するという観点でメーカ300からのサービスとしては好ましいが、必ずしも通知手段が無くても、本発明の納入指示入力の機能は実現可能である。
図1および図8に戻り説明する。上記納入指示入力用ホームページから入力された納入指示は、メーカ300へ入力される。メーカ300へ送られた納入指示は、納入指示DB347における該当する製品についてのデータ行に納入指示情報として格納されると共に、メーカ300の物流部門330の受付担当者によって受付確認がなされる(S13:受付確認)。すなわち、ステップS13は、ステップS12の納入指示入力ステップにおいて入力された納入指示を受け付ける納入指示受付ステップとして機能する。また、納入指示DB347における納入指示受付手段347−2は、図8に示すように、納入指示入力ウェブページである納入指示入力画面に入力された納入指示(納入日等)を取得して、これを納入指示DB347の所定のデータ行に格納する納入指示取得手段347−2aを含む。
なお、納入指示DB347には、納入財源DB344に登録されたデータ行が引き継がれている。納入財源DB344から納入指示DB347へのデータ行の引継ぎは、納入財源DB344側が主導してもよい(納入財源DB344が納入指示DB347に書き込んでもよい)し、納入指示DB347側が主導してもよい(納入指示DB347が納入財源DB344から読み込んでもよい)。すなわち、納入財源DB344に新たな納入可能製品情報のデータ行が登録されると、納入財源DB344がこの新たなデータ行を納入指示DB347へ入力し、この新たなデータ行が入力された納入指示DB347がこのデータ行を納入指示情報についての新たなデータ行として自己に登録するように構成する。または、納入財源DB344が納入指示DB347によって常時または定期的に監視され、納入財源DB344に新たに納入可能製品情報のデータ行が追加されると、納入指示DB347がこの新たなデータ行を引き継いで、納入指示情報として自己に登録するように構成してもよい。
また、物流部門330における受付確認をした受付担当者は、納入指示を受け付けたことを納入指示DB347に入力すると共に、納入指示を受け付けたことを示す受付通知を、電子メールを用いて、商社200および顧客100へ連絡する(S14a、S14b:受付通知)。なお、受付通知は、商社200を介して顧客100へ通知されるように構成してもよい。
さらに、受付確認をした受付担当者は、同じく物流部門330の配送担当者に、納入指示の受付確認が完了したことを通知する。配送担当者は、納入指示の受付確認が完了した対象の製品を配送するための配送車の手配(配車指示)を、納入指示DB347に登録する(S15:配車指示)。配車システム360の配車計画担当者は、納入指示DB347に新たな配車指示が登録されたことを確認すると、対象の製品を配送する配送車を確保するための配車計画を立案し、この配車計画結果を納入指示DB347に登録する(S17:配車計画)。なお、配車計画は、所定の情報処理装置で自動的に生成されてもよい。
物流部門330の配送担当者は、納入指示DB347に新たな配車計画が登録されたことを確認すると、この配車計画による配車スケジュールを承諾可能か否か判断し、可能であればこれを確定する(S19:配車確定)。また、物流部門330は、確定した配車計画による配車スケジュールに基づいて、対象の製品が顧客100へ納入される日(納入日)を商社200および顧客100へ連絡する(S20a、S20b:納入日通知)。なお、納入日の連絡には、例えば電子メールを用いることができる。また、納入日は、商社200を介して顧客100へ通知されるように構成してもよい。
以上のような納入指示工程の後、本実施の形態による受注納入方法では、次に納入工程へ移行する。
納入工程では、納入指示DB347に登録されている確定後の配車計画に従って、対象の製品が顧客100へ納入される。これにより、対象の製品の顧客100への納入が完了する。対象の製品の顧客100への納入が完了したことは、納入指示DB347に登録される。
以上のように、本実施の形態による受注納入システム1および受注納入方法によれば、顧客100または商社200が、顧客100において発番された顧客側管理番号に基づいて一元的に製品の納入指示をメーカ300へ通知することが可能となるため、顧客側管理番号と発注番号との対応付けが正確であるか否かに関わらず、例えば納入指示時の指示違いなどによる混乱の発生を回避することが可能となる。
また、本実施の形態では、顧客100または商社200が、適宜、納入指示システム10におけるデータベース群11へアクセスして、自己が発注した製品の進捗について確認できるように構成してもよい(図1における進捗確認(S101およびS101a:進捗確認)参照)。
進捗の確認において、顧客100または商社200は、例えば図12に示すログイン画面へアクセスし、自己の情報処理装置からメーカ300の例えば認証サーバ346による認証を完了した後、図13に示すサービス選択画面において『進捗案内サービス』を選択する。その後、顧客100または商社200は、それぞれに対して許可されたアクセス権限に基づいて、納入指示DB347や納入財源DB344や進捗出荷DB342へアクセスして所望の情報を取得し、これを例えば自己の情報処理装置におけるブラウザ機能を用いて表示する。この際、本実施の形態では、データベース群11における各データベースが顧客側管理番号に対応付けて各情報を管理しているため、顧客100または商社200は顧客側管理番号を用いて所望の情報を閲覧することが可能となる。
なお、本実施の形態による受注納入システム1(納入指示システム10を含む)および納入指示方法は、例えば上記した各処理を実行するように記述されたプログラムによって実現される。このプログラムは、例えば、ハードディスクドライブやROM(Read Only Memory)やCD(Compact Disk)−ROMなどの記録媒体に記憶することができる。したがって、本実施の形態による受注納入システム1(納入指示システム10を含む)および納入指示方法は、例えば、記録媒体に記録されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置が読み出して実行することで実現され得る。ただし、これに限定されず、その実現方法は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置が本実施の形態によるプログラムをインターネットなどのネットワークを介してダウンロードして実行するなど、種々変形することが可能である。
また、上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。