JP2010175665A - プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示画像における階調の直線性を保ち画像表示品質を向上させる。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル10の表示領域における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を検出する全セル点灯率検出回路46と、プラズマディスプレイパネル10の表示領域を複数の領域に分け、それらの領域のそれぞれにおいて、放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を検出する部分点灯率検出回路47と、複数の補正係数を全セル点灯率および部分点灯率に関連付けてあらかじめ記憶し、そのうちのいずれか1つを全セル点灯率および部分点灯率に応じて読み出すルックアップテーブルとを備え、それぞれのサブフィールドにおいて、ルックアップテーブルから読み出される補正係数で補正した数の維持パルスを発生する。
【選択図】図4

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では、各走査電極に初期化波形を印加し、各放電セルで初期化放電を発生させる。それにより、続く書込み動作のために必要な壁電荷を各放電セルに形成するとともに、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(書込み放電を発生させるための励起粒子)を発生させる。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加(以下、この動作を「走査」とも記す)するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを選択的に印加する(以下、これらの動作を総称して「書込み」とも記す)。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を発生させ、選択的に壁電荷を形成する。
そして維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に維持放電を発生させ、その放電セルを発光させる。このようにして、パネルの表示領域に画像を表示する。
このサブフィールド法では、例えば、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルを放電させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行う選択初期化動作を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させることが可能である。
また、表示電極対間で駆動インピーダンスに差が生じると、駆動電圧の電圧降下に差が生じ、同じ輝度の画像信号にもかかわらず発光輝度に差が生じることがある。そこで、表示電極対間で駆動インピーダンスが変化したときに1フィールド内でのサブフィールドの点灯パターンを変化させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、表示電極対の一方に印加する維持パルスの立ち上がりを行う時間と、表示電極対の他方に印加する維持パルスの立ち下がりを行う時間とが重複する重複期間を設けるとともに、点灯率検出回路において検出した点灯率に応じて重複期間を変更することで、パネルにおける残像現象を軽減し、各放電セルの表示輝度を均一化する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−184843号公報 特開2008−209840号公報
近年では、パネルの大画面化、高精細化にともない、パネルの駆動インピーダンスは増大する傾向にある。そのようなパネルでは、表示電極対間に生じる駆動インピーダンスの差も大きくなりやすく、駆動電圧の電圧降下の差も大きくなりやすい。
サブフィールド間で駆動インピーダンスに差があると、一回の維持放電で生じる発光輝度にサブフィールド間での差が生じる。パネルをサブフィールド法で駆動する場合、上述したように、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う。そのため、一回の維持放電で生じる発光輝度にサブフィールド間で差が生じると、階調の直線性(リニアリティ Linearity)が損なわれるおそれがある。
そして、パネルの大画面化、高精細化により駆動インピーダンスが増大したパネルでは、サブフィールド間での駆動インピーダンスの差が大きくなりやすく、サブフィールド間での発光輝度の差が生じやすいため、階調の直線性が損なわれやすい傾向にある。このようなパネルで、階調の直線性が保たれた画像を表示するためには、サブフィールド毎に生じる発光輝度の差に応じて最適に各サブフィールドの輝度を制御することが望ましい。しかしながら、従来技術では、サブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定することは困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、大画面化、高精細化されたパネルであっても、サブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定し、表示画像における階調の直線性を保って画像表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、輝度重みが設定されたサブフィールドを1フィールド内に複数設け、維持期間に輝度重みに応じた数の維持パルスを発生して階調表示され、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたパネルと、入力画像信号を放電セルにおけるサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する画像信号処理回路と、維持期間に表示電極対の走査電極と維持電極とに交互に印加される維持パルスを発生する維持パルス発生回路と、パネルの表示領域における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を全セル点灯率としてサブフィールド毎に検出する全セル点灯率検出回路と、パネルの表示領域を複数の領域に分け、それらの領域のそれぞれにおいて、放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を部分点灯率としてサブフィールド毎に検出する部分点灯率検出回路と、複数の補正係数を全セル点灯率および部分点灯率に関連付けてあらかじめ記憶したルックアップテーブルとを備え、維持パルス発生回路は、それぞれのサブフィールドにおいて、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率に応じてルックアップテーブルから読み出される補正係数で補正した数の維持パルスを発生することを特徴とする。
これにより、全セル点灯率および部分点灯率を検出することでサブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定し、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定した維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率に応じた補正係数によって補正して維持パルスを発生することが可能となるので、大画面化、高精細化されたパネルであっても、表示画像における階調の直線性を保ち、画像表示品質を向上させることが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、部分点灯率検出回路は、部分点灯率が所定のしきい値を超える領域における部分点灯率の平均値をサブフィールド毎に算出し、ルックアップテーブルは、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづき補正係数を読み出す構成であってもよい。これにより、部分点灯率が所定のしきい値以下になる領域を除く領域における部分点灯率の平均値を用いて発光輝度の変化を推定することができるようになるので、補正係数をより精度良く設定することが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、部分点灯率検出回路は、1対の表示電極対を1つの領域とし、表示電極対毎に部分点灯率を検出する構成であってもよい。
また、このプラズマディスプレイ装置において、上述した所定のしきい値は0であってもよい。
また、このプラズマディスプレイ装置において、維持パルス発生回路は、維持パルスの立ち上がり期間および立ち下がり期間の少なくとも一方の長さが異なる複数の維持パルスを発生するとともに、発生する維持パルスの組み合わせが異なる複数の駆動パターンの中から、全セル点灯率および部分点灯率の平均値に応じていずれか1つの駆動パターンを選択して維持パルスを発生する構成であってもよい。これにより、全セル点灯率および部分点灯率の平均値に応じて最適な駆動パターンで維持パルスを発生することが可能となるので、消費電力を削減しつつ放電を安定に発生させることができる。さらに、駆動パターンに応じた最適な補正係数を設定することが可能となるので、駆動パターンがサブフィールド間で変化するような表示パターンであっても階調の直線性を保つことが可能となり、画像表示品質を向上させることが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたパネルを、輝度重みが設定されたサブフィールドを1フィールド内に複数設け、維持期間に輝度重みに応じた回数の放電を放電セルで発生させる維持パルスを、表示電極対の走査電極と維持電極とに交互に印加して階調表示するパネルの駆動方法であって、パネルの表示領域における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を全セル点灯率としてサブフィールド毎に検出するとともに、パネルの表示領域を複数の領域に分け、それらの領域のそれぞれにおいて、放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を部分点灯率としてサブフィールド毎に検出し、それぞれのサブフィールドにおいて、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率にもとづく補正係数で補正することを特徴とする。
これにより、全セル点灯率および部分点灯率を検出することでサブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定し、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定した維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率に応じた補正係数によって補正して維持パルスを発生することが可能となるので、大画面化、高精細化されたパネルであっても、表示画像における階調の直線性を保ち、画像表示品質を向上させることが可能となる。
本発明によれば、大画面化、高精細化されたパネルであっても、表示画像における階調の直線性を保って画像表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
また、保護層26は、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材料から形成されている。
背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間をはさんで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。なお、R・G・Bの各色で発光する3つの放電セルで1つの画素が構成される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、m×n個の放電セルが形成された領域がパネル10の表示領域となる。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。なお、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドに輝度重みをそれぞれ設定し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行うものとする。
このサブフィールド法では、例えば、1フィールドを8つのサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第8SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ(1、2、4、8、16、32、64、128)の輝度重みを有する構成とすることができる。この構成では、R信号、G信号、B信号をそれぞれ0から255までの256階調で表示することができる。また、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い(以下、全セル初期化動作を行うサブフィールドを「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)、他のサブフィールドの初期化期間においては維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作を行う(以下、選択初期化動作を行うサブフィールドを「選択初期化サブフィールド」と呼称する)ことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させることが可能である。
そして、本実施の形態では、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第8SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の比例定数を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。このときの比例定数が輝度倍率である。
しかし、本実施の形態は、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上記の値に限定されるものではなく、また、画像信号等にもとづいてサブフィールド構成を切換える構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、後述する全セル点灯率検出回路46および部分点灯率検出回路47において検出するサブフィールド毎の点灯率(所定の放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合のこと)に応じて、維持パルスの発生数を変更する。これにより、パネル10の表示画像における階調の直線性を保ち、画像表示品質を向上させる。以下、まず駆動電圧波形の概要および駆動回路の構成について説明し、続いて、点灯率に応じて維持パルスの発生数を制御する構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。図3には、書込み期間において最初に走査を行う走査電極SC1、書込み期間において最後に走査を行う走査電極SCn、維持電極SU1〜維持電極SUn、およびデータ電極D1〜データ電極Dmの駆動波形を示す。
また、図3には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化サブフィールドである第1サブフィールド(第1SF)と、選択初期化サブフィールドである第2サブフィールド(第2SF)とを示す。なお、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形は、維持期間における維持パルスの発生数が異なる以外は第2SFの駆動電圧波形とほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dk(k=1〜m)は、各電極の中から画像データ(サブフィールド毎の発光・非発光を示すデータ)にもとづき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜データ電極Dm、維持電極SU1〜維持電極SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに(例えば、約1.3V/μsecの勾配で)上昇する傾斜電圧(以下、「上りランプ電圧」と呼称する)L1を印加する。
この上りランプ電圧L1が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとの間、および走査電極SC1〜走査電極SCnとデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上部および維持電極SU1〜維持電極SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmには0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜電圧(以下、「下りランプ電圧」と呼称する)L2を印加する。
この間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとの間、および走査電極SC1〜走査電極SCnとデータ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
なお、図3の第2SFの初期化期間に示したように、初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnに放電開始電圧以下となる電圧(例えば、接地電位)から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下りランプ電圧L4を印加する。これにより直前のサブフィールド(図3では、第1SF)の維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められ、データ電極Dk(k=1〜m)上部の壁電圧も、過剰な部分が放電され、書込み動作に適した値に調整される。一方、直前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、直前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように前半部を省略した初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては順次走査パルス電圧Vaを印加し、データ電極D1〜データ電極Dmに対しては発光させるべき放電セルに対応するデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加して、各放電セルに選択的に書込み放電を発生させる。
書込み期間では、まず維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vcを印加する。
そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(電圧Vd−電圧Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(電圧Ve2−電圧Va)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜データ電極Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
この維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間における維持パルスの発生後に、走査電極SC1〜走査電極SCnに、0(V)から電圧Versに向かって緩やかに上昇する傾斜電圧(以下、「消去ランプ電圧」と呼称する)L3を印加する。これにより、維持放電を発生させた放電セルにおいて、微弱な放電を持続して発生させ、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧の一部または全部を消去する。
続く第2SF以降のサブフィールドの各動作は、維持期間の維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、本実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置1の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45、全セル点灯率検出回路46、部分点灯率検出回路47および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号sigを放電セルにおけるサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。
全セル点灯率検出回路46は、サブフィールド毎の画像データにもとづき、パネル10の画像表示面における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を「全セル点灯率」としてサブフィールド毎に検出する。そして、検出した全セル点灯率を表す信号をタイミング発生回路45に出力する。
部分点灯率検出回路47は、パネル10の表示領域を複数の領域に分け、サブフィールド毎の画像データにもとづき、領域毎かつサブフィールド毎に、各領域の放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を「部分点灯率」として検出する。なお、部分点灯率検出回路47は、例えば、走査電極22を駆動するIC(以下、「走査IC」と呼称する)の1つに接続された複数の走査電極22で構成される領域を1つの領域として部分点灯率を検出する構成であってもよいが、本実施の形態では、1対の表示電極対24を1つの領域と見なして部分点灯率を検出するものとする。
また、部分点灯率検出回路47は、平均値検出回路48を有する。平均値検出回路48は、部分点灯率検出回路47において検出した部分点灯率をあらかじめ定めた所定のしきい値(以下、「部分点灯率しきい値」と呼称する。)と比較する。そして、部分点灯率が部分点灯率しきい値以下になる表示電極対24を除く表示電極対24、すなわち部分点灯率が部分点灯率しきい値を超える表示電極対24における部分点灯率の平均値をサブフィールド毎に算出し、その結果を表す信号をタイミング発生回路45に出力する。例えば、パネル10に設けた表示電極対24が1080対であり、あるサブフィールドにおいて200対の表示電極対24の部分点灯率が部分点灯率しきい値以下であれば、そのサブフィールドでは、部分点灯率が部分点灯率しきい値よりも大きい880対の表示電極対24に関して部分点灯率の平均値を算出する。
なお、本実施の形態では、部分点灯率しきい値を「0%」に設定するものとする。これは、点灯させるべき放電セルが実質的に発生しない表示電極対24を、部分点灯率の平均値を算出する際に除外するためである。
しかし、本発明は、部分点灯率しきい値が何ら上述した数値に限定されるものではない。部分点灯率しきい値は、パネル10の特性やプラズマディスプレイ装置1の仕様等にもとづいて最適な値に設定することが望ましい。
なお、本実施の形態においては、全セル点灯率および部分点灯率を算出する際に百分率表示のための正規化演算を行う構成とするが、必ずしも正規化演算を行う必要はなく、例えば、算出した点灯させるべき放電セル(以下、点灯させるべき放電セルを「点灯セル」、点灯させない放電セルを「非点灯セル」とも記す)の数を全セル点灯率および部分点灯率として用いる構成であってもかまわない。
タイミング発生回路45は、水平同期信号H、垂直同期信号V、全セル点灯率検出回路46および部分点灯率検出回路47からの出力にもとづき各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。なお、本実施の形態では、上述したように、維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率の平均値に応じて変更している。具体的には、入力画像信号およびサブフィールド毎に設定された輝度重みにもとづきタイミング発生回路45において設定する維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづく補正係数で補正することで、維持パルスの発生数を変更している。そのために、タイミング発生回路45は、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづき維持パルスの発生数を補正することができる維持パルス数補正部を有する(図示せず)。
本実施の形態では、その維持パルス数補正部に、互いに異なる複数の補正係数を全セル点灯率および部分点灯率に関連付けてあらかじめ記憶し、そのうちのいずれか1つを全セル点灯率および部分点灯率の平均値に応じて読み出すことができるルックアップテーブルを有するものとする。これらの構成の詳細は後述する。しかし、本発明は何らこの構成に限定されるものではなく、同様の動作をするものであればどのような構成であってもよい。
走査電極駆動回路43は、初期化期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する初期化波形を発生するための初期化波形発生回路(図示せず)、維持期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路50、複数の走査ICを備え書込み期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する走査パルス電圧Vaを発生するための走査パルス発生回路(図示せず)を有する。そして、タイミング信号にもとづいて各走査電極SC1〜走査電極SCnをそれぞれ駆動する。
データ電極駆動回路42は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜データ電極Dmに対応する信号に変換し、タイミング信号にもとづいて各データ電極D1〜データ電極Dmを駆動する。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路80および電圧Ve1、電圧Ve2を発生するための回路を備え(図示せず)、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜維持電極SUnを駆動する。
次に、走査電極駆動回路43の詳細とその動作について説明する。なお、以下の説明においては、スイッチング素子を導通させる動作を「オン」、遮断させる動作を「オフ」と表記し、スイッチング素子をオンさせる信号を「Hi」、オフさせる信号を「Lo」と表記する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置1の走査電極駆動回路43の構成を示す回路図である。走査電極駆動回路43は、走査電極22側の維持パルス発生回路50と、初期化波形発生回路53と、走査パルス発生回路54とを備え、走査パルス発生回路54のそれぞれの出力はパネル10の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに接続されている。これは、書込み期間において各走査電極22のそれぞれに個別に走査パルスを印加できるようにするためである。
初期化波形発生回路53は、初期化期間において走査パルス発生回路54の基準電位A(走査パルス発生回路54に入力される電圧)をランプ状に上昇または降下させ、図3に示した初期化波形を発生させる。
維持パルス発生回路50は、電力回収回路51とクランプ回路52とを備えている。
電力回収回路51は、電力回収用のコンデンサC10、スイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、逆流防止用のダイオードD11、逆流防止用のダイオードD12、共振用のインダクタL10を有している。そして、電極間容量CpとインダクタL10とをLC共振させて維持パルスの立ち上がりおよび立ち下がりを行う。
クランプ回路52は、走査電極SC1〜走査電極SCnを電圧Vsにクランプするためのスイッチング素子Q13、走査電極SC1〜走査電極SCnをベース電位である0(V)にクランプするためのスイッチング素子Q14を有している。そして、スイッチング素子Q13を介して走査電極SC1〜走査電極SCnを電源VSに接続して電圧Vsにクランプし、スイッチング素子Q14を介して走査電極SC1〜走査電極SCnを接地して0(V)にクランプする。
なお、維持パルス発生回路50は、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号によりスイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、スイッチング素子Q13、スイッチング素子Q14の導通と遮断とを切換えることによって電力回収回路51とクランプ回路52とを動作させ、維持パルス波形を発生する。
例えば、維持パルスを立ち上げる際には、スイッチング素子Q11をオンにして電極間容量CpとインダクタL10とを共振させ、電力回収用のコンデンサC10からスイッチング素子Q11、ダイオードD11、インダクタL10を通して走査電極SC1〜走査電極SCnに電力を供給する。そして、走査電極SC1〜走査電極SCnの電圧が電圧Vsに近づいた時点で、スイッチング素子Q13をオンにして、走査電極SC1〜走査電極SCnを駆動する回路を電力回収回路51からクランプ回路52に切換え、走査電極SC1〜走査電極SCnを電圧Vsにクランプする。
逆に、維持パルスを立ち下げる際には、スイッチング素子Q12をオンにして電極間容量CpとインダクタL10とを共振させ、電極間容量CpからインダクタL10、ダイオードD12、スイッチング素子Q12を通して電力回収用のコンデンサC10に電力を回収する。そして、走査電極SC1〜走査電極SCnの電圧が0(V)に近づいた時点で、スイッチング素子Q14をオンにして、走査電極SC1〜走査電極SCnを駆動する回路を電力回収回路51からクランプ回路52に切換え、走査電極SC1〜走査電極SCnをベース電位である0(V)にクランプする。
なお、これらのスイッチング素子は、MOSFETやIGBT等の一般に知られた素子を用いて構成することができる。
走査パルス発生回路54は、書込み期間において基準電位Aを負の電圧Vaに接続するためのスイッチ72と、電圧Vcを与えるための電源VCと、n本の走査電極SC1〜走査電極SCnのそれぞれに走査パルス電圧Vaを印加するためのスイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnおよびスイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを備えている。スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHn、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnは複数の出力毎にまとめられIC化されている。このICが走査ICである。そして、スイッチング素子QHiをオフ、スイッチング素子QLiをオンにすることにより、スイッチング素子QLiを経由して走査電極SCiに負の走査パルス電圧Vaを印加する。
なお、初期化波形発生回路53または維持パルス発生回路50を動作させているときは、スイッチング素子QH1〜スイッチング素子QHnをオフ、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnをオンにすることにより、スイッチング素子QL1〜スイッチング素子QLnを経由して各走査電極SC1〜走査電極SCnに初期化波形電圧または維持パルス電圧Vsを印加する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置1の維持電極駆動回路44の構成を示す回路図である。なお、図6にはパネル10の電極間容量をCpとして示し、走査電極駆動回路43の回路図は省略している。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路50とほぼ同様の構成の維持パルス発生回路80を備えている。維持パルス発生回路80は、電力回収回路81およびクランプ回路82を備え、パネル10の維持電極SU1〜維持電極SUnに接続されている。このように、維持電極駆動回路44の出力電圧は全ての維持電極23に並列に印加される。これは、書込み期間、維持期間のいずれにおいても、全ての維持電極23に一斉に駆動電圧を印加すればよく、維持電極23を走査電極22のように個別に駆動する必要がないためである。
電力回収回路81は、電力回収用のコンデンサC20、スイッチング素子Q21、スイッチング素子Q22、逆流防止用のダイオードD21、逆流防止用のダイオードD22、共振用のインダクタL20を有している。クランプ回路82は、維持電極SU1〜維持電極SUnを電圧Vsにクランプするためのスイッチング素子Q23および維持電極SU1〜維持電極SUnを接地電位(0(V))にクランプするためのスイッチング素子Q24を有している。
そして、維持パルス発生回路80は、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号により各スイッチング素子のオン・オフを切換えて維持パルス波形を発生させる。なお、維持パルス発生回路80の動作は上述した維持パルス発生回路50と同様であるので説明を省略する。
また、維持電極駆動回路44は、電圧Ve1を発生する電源VE1と、電圧Ve1を維持電極SU1〜維持電極SUnに印加するためのスイッチング素子Q26と、スイッチング素子Q27と、電圧ΔVeを発生する電源ΔVEと、逆流防止用のダイオードD30と、電圧Ve1に電圧ΔVeを積み上げるためのチャージポンプ用のコンデンサC30と、電圧Ve1に電圧ΔVeを積み上げて電圧Ve2とするためのスイッチング素子Q28と、スイッチング素子Q29とを有する。
次に、駆動負荷の変化により生じる発光輝度の差について説明する。
図7は、駆動負荷の変化により生じる発光輝度の差を説明するための概略図であり、図7(a)、図7(b)は、あるサブフィールドにおけるパネル10の表示面の発光状態を概略的に示したものである。また、図面に示す黒い領域は放電セルを発光させない非点灯領域を表し、白い領域は放電セルを発光させる点灯領域を表す。また、図7(a)は点灯領域を表示面の80%に設定したときのパネル10の発光状態を示した図であり、図7(b)は点灯領域を20%に設定したときの図である。なお、図7(a)、図7(b)において表示電極対24は図2に示したパネル10と同様に行方向(図面では、横方向)に延長して配列されているものとする。
図7(a)、図7(b)に示すように、点灯領域を変えてパネル10を発光させると、点灯領域における発光輝度に差が生じる。これは、以下のような理由によるものと考えられる。
表示電極対24は行方向(図面では、横方向)に延長して配列されているため、図7に示すように点灯領域を変えてパネル10を発光させると、表示電極対24上に発生する点灯セルの数が変わる。そして、点灯領域が狭くなるほど表示電極対24上に発生する点灯セルの数が少なくなるため、例えば、図7(a)に示す発光状態のときの表示電極対24よりも、図7(b)に示す発光状態のときの表示電極対24の方が、駆動負荷が小さくなる。したがって、図7(a)に示す発光状態のときの表示電極対24よりも、図7(b)に示す発光状態のときの表示電極対24の方が、駆動電圧の電圧降下、例えば維持パルスの電圧降下が少なくなる。すなわち、図7(a)に示す点灯領域における維持放電よりも、図7(b)に示す点灯領域における維持放電の方が、放電強度が強くなると考えられる。その結果、図7(a)に示す点灯領域よりも、図7(b)に示す点灯領域の方が発光輝度が上昇するものと考えられる。
図8は、駆動負荷の変化により生じる発光輝度の差の他の例を説明するための概略図であり、図8(a)、図8(b)は、あるサブフィールドにおけるパネル10の表示面の発光状態を概略的に示したものである。また、図8(a)は点灯領域を表示面の50%に設定したときのパネル10の発光状態を示した図であり、図8(b)は点灯領域を25%に設定したときの図である。
図7(a)、図7(b)では、点灯領域における表示電極対24の駆動負荷、すなわち部分点灯率が変化する例を示したが、図8(a)、図8(b)に示すように、点灯領域における部分点灯率が変わらなくとも、点灯セルの総数、すなわち全セル点灯率が変化することで、点灯領域における発光輝度に変化が生じる。これは、上述したように、維持電極駆動回路44が全ての維持電極23に並列に接続され、全ての維持電極23が一括駆動されているため、全セル点灯率が変化することで維持電極駆動回路44からの出力電圧に生じる電圧降下が変化することが主な理由と考えられる。
すなわち、点灯セルにおける発光輝度の変化を精度良く推定するためには、パネル10における全セル点灯率および部分点灯率(本実施の形態では、部分点灯率の平均値)の双方を検出することが望ましい。
これらのことから、本実施の形態では、サブフィールド毎に全セル点灯率と部分点灯率の平均値とを検出するものとする。そして、その検出結果にもとづき1つの維持期間における維持パルスの発生数を変更し、それにより1つの維持期間で発生させる輝度(維持放電で発生する発光を1つの維持期間で累積した輝度)を制御して各サブフィールドの輝度を所定の明るさに保つ構成とする。これにより、表示画像における階調の直線性を維持し、画像表示品質を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづく補正係数で補正し、その結果の数だけ維持パルスを発生することで維持パルスの発生数を制御する構成とする。
次に、補正係数の設定方法の一例を説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における補正係数を設定するために行う発光輝度の測定を概略的に示す図である。本実施の形態では、補正係数を設定するために、まず、図9に示すように、パネル10に点灯領域と非点灯領域とが2つに分かれた画像を表示し、点灯領域を徐々に拡大してそれぞれの発光輝度を測定する。
例えば、点灯領域が、パネル10の表示領域の行方向(図面では、横方向)および列方向(図面では、縦方向)のそれぞれにおいて10%になるように設定された画像を表示し、点灯領域の発光輝度を測定する。これにより、全セル点灯率が1%、部分点灯率の平均値が10%の画像の発光輝度を得ることができる。
次に、点灯領域が、パネル10の表示領域の行方向において10%、列方向において20%になるように設定された画像を表示し、点灯領域の発光輝度を測定する。これにより、全セル点灯率が2%、部分点灯率の平均値が10%の画像の発光輝度を得ることができる。
同様に、点灯領域を徐々に拡大してそれぞれの発光輝度を測定する。これらの測定を繰り返すことで、全セル点灯率、部分点灯率の平均値が互いに異なる複数の画像のそれぞれにおける発光輝度を得ることができる。
そして、基準となる発光輝度を「1」として各発光輝度を正規化する。例えば、全セル点灯率および部分点灯率の平均値が100%のときの発光輝度を基準の発光輝度とし、各発光輝度を正規化する。そして、その数値の逆数をそれぞれ計算する。本実施の形態では、それを補正係数とする。例えば、全セル点灯率および部分点灯率の平均値が100%のときの発光輝度を「1」としたときに、全セル点灯率が5%、部分点灯率の平均値が40%のときの発光輝度が「1.25」であれば、「1.25」の逆数の「0.80」を、全セル点灯率が5%、部分点灯率の平均値が40%のときの補正係数とする。
図10は、本発明の実施の形態1における補正係数の一例を示す図である。また、図11は、本発明の実施の形態1における維持パルス数補正部61の回路ブロック図である。
図11に示すように、本実施の形態におけるタイミング発生回路45は、内部に維持パルス数補正部61を有する。維持パルス数補正部61は、ルックアップテーブル62(図面には、「LUT」と記す)と補正後維持パルス数設定部63とを有する。ルックアップテーブル62は複数の補正係数を記憶しており、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづきいずれか1つの補正係数を読み出すことができる。補正後維持パルス数設定部63は、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定された維持パルスの発生数(以下、単に「維持パルス数」とも記す)に、ルックアップテーブル62から読み出された補正係数を乗算し、補正後維持パルス数として出力する。そして、タイミング発生回路45では、各サブフィールドにおいて、補正後維持パルス数設定部63から出力される補正後維持パルス数と等しい数の維持パルスが、維持パルス発生回路50、維持パルス発生回路80から出力されるように、各回路ブロックを制御するためのタイミング信号を発生する。
図10には、全セル点灯率(0%から100%まで)を10%毎の10段階に区切るとともに、それぞれの全セル点灯率において部分点灯率の平均値(0%から100%まで)を10%毎の10段階に区切り、それぞれの全セル点灯率および部分点灯率の平均値に対応する補正係数を示す。なお、例えば、全セル点灯率100%のときに部分点灯率の平均値が100%未満になることはない。そのような実質的に発生しない組み合わせに関しては図面中「−」で示している。なお、図10は単なる一実施例を示したものに過ぎず、本発明は、全セル点灯率および部分点灯率の平均値の区切りが何ら図10に示す区切りに限定されるものではなく、各補正係数も何ら図10に示す数値に限定されるものではない。
図10に示すように、本実施の形態では、上述した方法で得られた各補正係数を全セル点灯率および部分点灯率の平均値に関連付けしてマトリクス化し、それをルックアップテーブル62に記憶する。そして、そのルックアップテーブル62に記憶された複数の補正係数の中から、サブフィールド毎に検出した全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづきいずれか1つの補正係数を読み出し、読み出した補正係数を用いてそのサブフィールドにおける維持パルスの発生数を補正する。
例えば、第6SFにおける入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数が「128」であり、第6SFにおける全セル点灯率が5%、部分点灯率の平均値が45%であれば、図10に示すルックアップテーブル62のデータから得られる補正係数は「0.80」なので、補正後維持パルス数設定部63において「128」と「0.80」とを乗算し、第6SFにおける維持パルスの発生数を「102」にする。これにより、第6SFの輝度を、維持パルスの発生数を「128」にしたときの80%にすることができ、第6SFの全セル点灯率が100%のときの輝度と同等にすることができる。
すなわち、本実施の形態では、それぞれのサブフィールドにおいて、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数を、全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづく補正係数によって補正することで、各サブフィールドの輝度を、放電セルの点灯状態にかかわらず、常に所定の輝度(例えば、全セル点灯率100%のときの輝度)に等しくすることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、サブフィールド毎に全セル点灯率および部分点灯率の平均値を検出することで、サブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定する。そして、あらかじめ設定した複数の補正係数を全セル点灯率および部分点灯率の平均値に関連付けて記憶したルックアップテーブル62から、サブフィールド毎に検出した全セル点灯率および部分点灯率の平均値にもとづきいずれか1つの補正係数を読み出し、補正後維持パルス数設定部63において、入力画像信号および輝度重みにもとづき設定される維持パルスの発生数をその補正係数で補正する構成とする。これにより、各サブフィールドの輝度を、常に所定の輝度(例えば、全セル点灯率100%のときの輝度)に保つことができるので、表示画像における階調の直線性を保ち、画像表示品質を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、補正係数の最大値を「1」にして各補正係数を設定する構成を説明したが、これは、各サブフィールドに要する時間の総和がほぼ1フィールドに達し、さらに維持期間を延長して維持パルス数を増やすことが難しい場合に有効な一実施例を示したものに過ぎない。例えば、輝度倍率が小さいとき等、各サブフィールドに要する時間の総和が1フィールドに対して余裕があり維持期間を延長して維持パルス数を増やすことができる場合には、補正係数の最大値が「1」よりも大きくなるように各補正係数を設定し、補正により維持パルスの発生数が増加するサブフィールドが生じるような構成としてもかまわない。ただし、どのような構成であっても、補正後の各サブフィールドに要する時間の総和が1フィールドに収まるように補正係数を設定しなければならない。
(実施の形態2)
パネル10の大画面化、高精細化はパネル10の電極間容量Cpを増大させる。電極間容量Cpの増大は、パネル10を駆動する際に発光に寄与することなく無効に消費される無効電力を増加させるため、消費電力を増大させる一因となる。
また、大画面化、高精細化されて駆動インピーダンスが増大したパネル10では、駆動波形にリンギング等の波形歪が生じやすい。そのため、放電のばらつきが大きくなりやすく、輝度ムラと呼ばれる輝度のばらつきを生じやすい。
このとき、例えば、維持パルスを立ち上げるために電力回収回路51、電力回収回路81を動作させる期間(以下、「立ち上がり期間」と呼称する)および維持パルスを立ち下げるために電力回収回路51、電力回収回路81を動作させる期間(以下、「立ち下がり期間」と呼称する)の少なくとも一方の長さを変更するとともに、維持パルスの立ち上がり期間と立ち下がり期間とを重複させる期間(以下、「重複期間」と呼称する)を、表示画像に応じて変更することで、パネル10における消費電力を削減しつつ、維持放電を安定に発生させることができる。
そこで、本実施の形態では、「立ち上がり期間」および「立ち下がり期間」の少なくとも一方の長さが異なる複数の維持パルスを発生させるとともに、発生させる維持パルスの組み合わせ、および「重複期間」の長さを異ならせた複数の駆動パターン(例えば、第1駆動パターン、第2駆動パターン、第3駆動パターン、第4駆動パターン、第5駆動パターンの5つの駆動パターン)を設定し、表示画像に応じて適応的にそれらを切換える構成とする。
図12は、本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置2の回路ブロック図である。なお、プラズマディスプレイ装置2は、タイミング発生回路60が駆動パターン選択部49を有する以外は、図4に示したプラズマディスプレイ装置1と同様の構成であるものとする。
駆動パターン選択部49は、上述した複数の駆動パターンのうちのいずれか1つを、全セル点灯率検出回路46および部分点灯率検出回路47からの出力にもとづき選択し、その選択結果にもとづき、各制御を行うためのタイミング信号を、タイミング発生回路60において発生する。
図13は、本発明の実施の形態2における全セル点灯率および部分点灯率の平均値と駆動パターンの切換えとの関係の一例を示す図である。
本実施の形態では、図13に示すように、部分点灯率の平均値が大きくなく(例えば、70%未満)、かつ全セル点灯率が低い(例えば、30%未満)サブフィールドでは、第1駆動パターンで維持パルスを発生させる。この第1駆動パターンは、発光輝度の向上を目的とした駆動パターンであり、これにより、全セル点灯率が低く、かつ部分点灯率の平均値が大きくないとき、すなわちパネル10の駆動負荷が全体的に低いときの発光輝度を向上させる。
また、部分点灯率の平均値が大きく(例えば、70%以上)、かつ全セル点灯率が高い(例えば、70%以上)サブフィールドでは、第2駆動パターンで維持パルスを発生させる。この第2駆動パターンは、発光効率改善を目的とした駆動パターンであり、これにより、全セル点灯率が高く、かつ部分点灯率の平均値が大きいとき、すなわちパネル10の駆動負荷が全体的に高いときに発光効率を改善して消費電力の低減を図る。
また、部分点灯率の平均値が大きく(例えば、70%以上)、かつ全セル点灯率が所定の範囲内にある(例えば、30%以上70%未満)サブフィールドでは、第3駆動パターンで維持パルスを発生させる。この第3駆動パターンは、発光輝度の向上と発光効率改善とを目的とした駆動パターンであり、これにより、全セル点灯率がやや高くかつ部分点灯率の平均値が大きいとき、すなわちパネル10の駆動負荷が部分的に高いときに、発光輝度の向上による画像表示品質の向上と、発光効率改善による消費電力の低減とを図る。
また、部分点灯率の平均値が大きく(例えば、70%以上)、かつ全セル点灯率が低い(例えば、30%未満)サブフィールドでは、第4駆動パターンで維持パルスを発生させる。この第4駆動パターンは、発光効率改善の効果を最も高めることを目的とした駆動パターンであり、これにより、全セル点灯率が低くかつ部分点灯率の平均値が大きい画像を表示するときの、発光効率改善による消費電力の低減効果の向上を図る。
また、部分点灯率の平均値が大きくなく(例えば、70%未満)、かつ全セル点灯率が所定の範囲内にある(例えば、30%以上70%未満)サブフィールドでは、第5駆動パターンで維持パルスを発生させる。この第5駆動パターンは、発光輝度の向上を目的とした駆動パターンであり、これにより、全セル点灯率がやや高くかつ部分点灯率の平均値が大きくないとき、すなわちパネル10における駆動負荷の高い領域が第3駆動パターンを適用するときほどは偏っておらず、かつ駆動負荷が全体的にやや高いときの発光輝度を向上させる。
次に、各駆動パターンの詳細について図14から図18を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態2における第1駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図であり、図15は、本発明の実施の形態2における第2駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図であり、図16は、本発明の実施の形態2における第3駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図であり、図17は、本発明の実施の形態2における第4駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図であり、図18は、本発明の実施の形態2における第5駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図である。なお、図14、図15、図16、図17、図18において、図面内の上に示した図は発生させる維持パルスの概略波形形状を示した図であり、図面内の下には「立ち上がり期間」、「立ち下がり期間」、「重複期間」のそれぞれの具体的な数値を示している。また、図14、図15、図16、図17、図18においては、各維持パルスのパルス幅は2.7μsecであるものとする。
なお、本実施の形態では、図14、図15、図16、図17、図18に示すように、8つの維持パルスから構成される1つのパターンを繰り返して発生させる構成としている。また、全ての駆動パターンにおいて、電力回収回路51、電力回収回路81における共振周期は2000nsecに設定している。
本実施の形態において、第1駆動パターンは、図14に示すように、1つ目の維持パルス(図面のA)は「立ち上がり期間」を800nsec、「立ち下がり期間」を550nsecとし、2つ目の維持パルス(図面のB)はそれぞれを400nsec、500nsecとし、3つ目の維持パルス(図面のC)から8つ目の維持パルス(図面のH)はそれぞれを800nsec、550nsecとする。そして、「重複期間」を150nsecとする。
また、第2駆動パターンは、図15に示すように、1つ目の維持パルス(図面のA)は「立ち上がり期間」を650nsec、「立ち下がり期間」を1000nsecとし、2つ目の維持パルス(図面のB)はそれぞれを450nsec、850nsecとし、3つ目の維持パルス(図面のC)から8つ目の維持パルス(図面のH)はそれぞれを650nsec、1000nsecとする。そして、「重複期間」を150nsecとする。
また、第3駆動パターンは、図16に示すように、1つ目の維持パルス(図面のA)は「立ち上がり期間」を700nsec、「立ち下がり期間」を900nsecとし、2つ目の維持パルス(図面のB)はそれぞれを450nsec、800nsecとし、3つ目の維持パルス(図面のC)、5つ目の維持パルス(図面のE)、7つ目の維持パルス(図面のG)はそれぞれを700nsec、900nsecとし、4つ目の維持パルス(図面のD)、6つ目の維持パルス(図面のF)、8つ目の維持パルス(図面のH)はそれぞれを750nsec、900nsecとする。そして、「重複期間」を200nsecとする。
また、第4駆動パターンは、図17に示すように、1つ目の維持パルス(図面のA)は「立ち上がり期間」を750nsec、「立ち下がり期間」を900nsecとし、2つ目の維持パルス(図面のB)はそれぞれを450nsec、800nsecとし、3つ目の維持パルス(図面のC)から8つ目の維持パルス(図面のH)はそれぞれを750nsec、900nsecとする。そして、「重複期間」を150nsecとする。
そして、第5駆動パターンは、図18に示すように、1つ目の維持パルス(図面のA)は「立ち上がり期間」を750nsec、「立ち下がり期間」を900nsecとし、2つ目の維持パルス(図面のB)はそれぞれを450nsec、800nsecとし、3つ目の維持パルス(図面のC)、5つ目の維持パルス(図面のE)、7つ目の維持パルス(図面のG)はそれぞれを750nsec、900nsecとし、4つ目の維持パルス(図面のD)、6つ目の維持パルス(図面のF)、8つ目の維持パルス(図面のH)はそれぞれを650nsec、900nsecとする。そして、「重複期間」を150nsecとする。
そして、これらの5つの駆動パターンを全セル点灯率および部分点灯率の平均値に応じて切換えてパネル10を駆動することで、表示画像の図柄にもよるが、一般的な動画表示において、平均して約10〜30Wの消費電力削減効果を確認することができた。合わせて、放電のばらつき低減効果による画像表示品質の向上を確認することができた。
このように適応的に駆動パターンを切換えながらパネル10を駆動する構成では、消費電力を削減したり、放電のばらつきを低減する効果を得ることができるが、一方で、サブフィールド間で駆動パターンの違いが生じて、維持パルスの波形形状が異なることにより発生する輝度差がサブフィールド間に生じ、その結果、発光輝度がサブフィールド間で変化して、階調の直線性が損なわれるおそれがある。
しかしながら、本実施の形態では、実施の形態1において説明したように、全セル点灯率、部分点灯率の平均値が異なる複数の画像のそれぞれで発光輝度を測定し、その測定結果にもとづき補正係数を設定しているので、適応的に駆動パターンを切換えながらパネル10を駆動する構成であっても、駆動パターンの違いからくる発光輝度の変化も含めて補正係数を設定することができる。すなわち、サブフィールド間で駆動パターンが異なり、一回の維持放電で生じる発光輝度に、駆動負荷の変化により生じる差よりも大きい差が生じたとしても、各サブフィールドの輝度を、常に所定の輝度(例えば、全セル点灯率100%のときの輝度)に保つことができる。これにより、表示画像における階調の直線性を保ち、画像表示品質を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、8つの維持パルスから構成される1つのパターンを繰り返し発生させる構成を説明したが、維持パルスの総数が8未満の維持期間においては、全ての維持パルスを同一の波形形状としてもよく、あるいは、プラズマディスプレイ装置2の仕様等に応じて任意に設定してもよい。
また、ここに示した各駆動パターンの構成は単なる一例に過ぎず、適宜最適に設定すればよい。また、8つの維持パルスで1つのパターンを構成する例に限定されるものではなく、より多くの維持パルス、あるいはより少ない維持パルスで1つのパターンを構成してもかまわない。また、共振周期も何ら上述した数値に限定されるものではない。これらの構成は、パネル10の特性やプラズマディスプレイ装置2の仕様等に応じて最適に設定することが望ましい。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極SC1〜走査電極SCnを第1の走査電極群と第2の走査電極群とに分割し、書込み期間を、第1の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第1の書込み期間と、第2の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第2の書込み期間とで構成する、いわゆる2相駆動によるパネルの駆動方法にも適用させることができ、上述と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極と走査電極とが隣り合い、維持電極と維持電極とが隣り合う電極構造、すなわち前面板21に設けられる電極の配列が、「・・・走査電極、走査電極、維持電極、維持電極、走査電極、走査電極、・・・」となる電極構造(「ABBA電極構造」と呼称する)のパネルにおいても、有効である。
なお、本実施の形態において示した具体的な各数値は、表示電極対数1080の50インチのパネルの特性にもとづき設定したものであって、単に実施の形態の一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。
本発明は、大画面化、高精細化されたパネルであっても、サブフィールド毎に生じる発光輝度の変化を精度良く推定し、表示画像における階調の直線性を保って画像表示品質を向上させることができるプラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法を提供することができるので、プラズマディスプレイ装置およびパネルの駆動方法として有用である。
本発明の実施の形態1におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 同パネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の走査電極駆動回路の構成を示す回路図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の維持電極駆動回路の構成を示す回路図 駆動負荷の変化により生じる発光輝度の差を説明するための概略図 駆動負荷の変化により生じる発光輝度の差の他の例を説明するための概略図 本発明の実施の形態1における補正係数を設定するために行う発光輝度の測定を概略的に示す図 本発明の実施の形態1における補正係数の一例を示す図 本発明の実施の形態1における維持パルス数補正部の回路ブロック図 本発明の実施の形態2におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の実施の形態2における全セル点灯率および部分点灯率の平均値と駆動パターンの切換えとの関係の一例を示す図 本発明の実施の形態2における第1駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図 本発明の実施の形態2における第2駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図 本発明の実施の形態2における第3駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図 本発明の実施の形態2における第4駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図 本発明の実施の形態2における第5駆動パターンにおいて発生させる維持パルスの概略波形図
1,2 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45,60 タイミング発生回路
46 全セル点灯率検出回路
47 部分点灯率検出回路
48 平均値検出回路
49 駆動パターン選択部
50,80 維持パルス発生回路
51,81 電力回収回路
52,82 クランプ回路
53 初期化波形発生回路
54 走査パルス発生回路
61 維持パルス数補正部
62 ルックアップテーブル
63 補正後維持パルス数設定部
72 スイッチ
Q11,Q12,Q13,Q14,Q21,Q22,Q23,Q24,Q26,Q27,Q28,Q29,QH1〜QHn,QL1〜QLn スイッチング素子
C10,C20,C30 コンデンサ
L10,L20 インダクタ
D11,D12,D21,D22,D30 ダイオード

Claims (6)

  1. 輝度重みが設定されたサブフィールドを1フィールド内に複数設け、維持期間に前記輝度重みに応じた数の維持パルスを発生して階調表示され、走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルと、
    入力画像信号を前記放電セルにおける前記サブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する画像信号処理回路と、
    前記維持期間に前記表示電極対の前記走査電極と前記維持電極とに交互に印加される前記維持パルスを発生する維持パルス発生回路と、
    前記プラズマディスプレイパネルの表示領域における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を全セル点灯率として前記サブフィールド毎に検出する全セル点灯率検出回路と、
    前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を複数の領域に分け、前記領域のそれぞれにおいて、放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を部分点灯率として前記サブフィールド毎に検出する部分点灯率検出回路と、
    複数の補正係数を前記全セル点灯率および前記部分点灯率に関連付けてあらかじめ記憶したルックアップテーブルとを備え、
    前記維持パルス発生回路は、それぞれの前記サブフィールドにおいて、前記入力画像信号および前記輝度重みにもとづき設定される前記維持パルスの発生数を、前記全セル点灯率および前記部分点灯率に応じて前記ルックアップテーブルから読み出される前記補正係数で補正した数の前記維持パルスを発生することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記部分点灯率検出回路は、前記部分点灯率が所定のしきい値を超える前記領域における前記部分点灯率の平均値を前記サブフィールド毎に算出し、
    前記ルックアップテーブルは、前記全セル点灯率および前記部分点灯率の平均値にもとづき前記補正係数を読み出すことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記部分点灯率検出回路は、1対の前記表示電極対を1つの前記領域とし、前記表示電極対毎に前記部分点灯率を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 前記所定のしきい値は0であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記維持パルス発生回路は、前記維持パルスの立ち上がり期間および立ち下がり期間の少なくとも一方の長さが異なる複数の前記維持パルスを発生するとともに、発生する前記維持パルスの組み合わせが異なる複数の駆動パターンの中から、前記全セル点灯率および前記部分点灯率の平均値に応じていずれか1つの前記駆動パターンを選択して前記維持パルスを発生することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対を有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルを、輝度重みが設定されたサブフィールドを1フィールド内に複数設け、維持期間に前記輝度重みに応じた回数の放電を前記放電セルで発生させる維持パルスを、前記表示電極対の前記走査電極と前記維持電極とに交互に印加して階調表示するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記プラズマディスプレイパネルの表示領域における全放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を全セル点灯率として前記サブフィールド毎に検出するとともに、前記プラズマディスプレイパネルの表示領域を複数の領域に分け、前記領域のそれぞれにおいて、放電セル数に対する点灯させるべき放電セル数の割合を部分点灯率として前記サブフィールド毎に検出し、それぞれの前記サブフィールドにおいて、入力画像信号および前記輝度重みにもとづき設定される前記維持パルスの発生数を、前記全セル点灯率および前記部分点灯率にもとづく補正係数で補正することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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