JP2010175382A - ガスセンサ - Google Patents

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晶 内川
Shoichi Sakai
祥一 堺
Masao Tsukada
正夫 塚田
Masami Kawashima
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Abstract

【課題】良好なセンサ特性を維持することのできるガスセンサを得る。
【解決手段】検出素子2からの出力を取り出す端子6を密閉するケーシング8をシーリングラバー16で密閉する。各端子6にそれぞれの一端部を接続した複数のハーネス17をシーリングラバー16を貫通して外方に導き出す。そして、ハーネス17に、内部に形成される空隙部がそのハーネス17の長さ方向に連続するのを遮断した密閉部17cを形成することにより、水がケーシング8から検出素子2内に侵入するのを防止して良好なセンサ特性を維持できるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスセンサに関する。
従来ガスセンサとして、酸素濃度を検出するセンサ本体部を備え、このセンサ本体部が外郭部材に収納されて車両に搭載した内燃機関の排気管に取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、センサ本体部は、検出しようとする酸素を導入する検出素子部と、検出した酸素濃度を電気的に出力する出力部と、を備えており、その出力部が外郭部材によって密閉して収納されている。また、出力部にはハーネスが電気的に接続されており、そのハーネスが外郭部材を密封するゴム栓を貫通して外方に取り出されている。
特開2005−241346号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ハーネスの被覆部と芯線との間や芯線と芯線との間に微少な空隙が存在しており、コネクタ内部やGND線のような開放面が水で覆われると、空隙による毛細管現象により水が吸い上げられてしまう。その結果、吸い上げられた水が外郭部材の内方に侵入してしまい、ひいては、センサ本体部内に水が侵入してセンサ特性の不良原因になってしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、良好なセンサ特性を維持することのできるガスセンサを得ることを目的とする。
本発明にあっては、ハーネスに、当該ハーネスの内部に形成される空隙部を遮断した密閉部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ガスセンサのハーネスに密閉部を設けたので、ハーネスの開放面が水で覆われた場合にも、ハーネスの内部の空隙部が遮断されて水が外郭部材からセンサ本体部内に侵入するのを抑制することができ良好なセンサ特性を維持することができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる酸素センサの断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態にかかるハーネスの拡大断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかる酸素センサの通気構造部の拡大断面図である。 図4は、本発明の酸素センサの必要空気量を求める実験装置の説明図である。 図5は、図4に示す実験装置で酸素センサに水を注入する状態を示す説明図である。 図6は、図4に示す実験装置で酸素センサのセンサ出力の回復特性を示す説明図である。 図7は、図4に示す実験装置で酸素センサの通気流量と出力回復時間との関係を示す説明図である。 図8は、本発明の酸素センサの負圧量を求める実験装置の説明図である。 図9は、図8に示す実験装置で酸素センサを水没させるための注水サイクルを示す説明図である。 図10は、図8に示す実験装置で通気流量に対する排気温度と負圧量との関係を示す説明図である。 図11は、本発明の第1実施形態にかかる酸素センサのシーリングラバーに設けた通気構造部の通気流量の測定方法を示す要部断面図である。 図12は、本発明の第1実施形態にかかる酸素センサのシーリングラバーに設けた通気構造部の耐水性テストを示す要部断面図である。 図13は、本発明の第2実施形態にかかる酸素センサの通気構造部の拡大断面図である。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、内燃機関を搭載した自動車や2輪車等の車両の排気管に装着された空燃比検出用の酸素センサを例示する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態にかかる酸素センサの断面図、図2は、ハーネスの拡大断面図、図3は、酸素センサの通気構造部の拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態における酸素センサ1は、外面に段付きの外形略円柱状をなしている。酸素センサ1は、検出素子(センサ本体部)2と、検出素子2が挿通されている筒状のホルダ4と、このホルダ4と検出素子2との間をシールし、且つ、検出素子2をホルダ4内に位置決めする素子位置決め部5と、検出素子2からの出力を取り出す複数の端子(出力部)6と、ホルダ4の軸方向の一端部(上端部)側に配置され、端子6を支持している絶縁体である碍子7と、ホルダ4の軸方向の一端部側に配置され、碍子7の外面を覆っているケーシング8と、ホルダ4の他端部(下端部)に固定され、ホルダ4より突出した検出素子2の外面を覆うプロテクタ9と、を備えている。
本実施形態では、ホルダ4、碍子7、ケーシング8およびプロテクタ9は、検出素子2を収納する外郭部材を構成しており、碍子7の内方にケーシング8と二重構造を成して各端子6を密閉している。
検出素子2は、円柱棒状に形成され、その軸方向の一端部(上端部)には、接点部2aを有する接続部2cが形成され、その軸方向の他端部(下端部)には酸素測定部2bが形成されている。接点部2aは、検出素子2の外部に対して露出しており、接点部2aと酸素測定部2bとは、相互に電気的に接続されている。検出素子2では、酸素測定部2bが被測定ガスである排ガスに含まれる特定ガス成分として酸素を検出し、その検出結果として酸素濃度を接点部2aから電気信号で出力するようになっている。ここで、酸素測定部2bは、基準電極、測定電極、ヒータ(いずれも図示せず)を備えており、ヒータには、一対の電極が設けられている。これにより、接点部2a、端子6およびハーネス17は、それら4つの電極に対応してそれぞれ4個ずつ設けられている。
ホルダ4には、検出素子2が挿入されている素子挿入孔3が形成されている。この素子挿入孔3に挿入された検出素子2の酸素測定部2bは、ホルダ4の軸方向の他方側に露出している一方、検出素子2の接続部2cはホルダ4の軸方向の一方側に露出している。この接続部2cは、碍子7の下端面7aに対して軸方向に空隙部S2をあけて挿入されるようになっている。よって、検出素子2と碍子7との組み付け時、または組み付け後に例えば車両の振動等によって検出素子2が移動した場合においても、碍子7の下端面7aに検出素子2が接触することが防止される。
ホルダ4は、その上部に上方から見て六角形状を有する六角部4aを有し、この六角部4aに工具を嵌合してホルダ4に回転トルクを容易に作用させることができるようになっている。ホルダ4の下部の外面には、ネジ部4bが形成されている。ホルダ4の六角部4aとネジ部4bとの間には、ガスケット19が配置されている。ホルダ4の上端には、碍子7の下端面7aが当接する位置決め面4cが設けられており、この位置決め面4cが、碍子7におけるホルダ4側の端部(下端部)を支持している支持部となっている。即ち、本実施形態では、支持部(位置決め面4c)がホルダ4に一体成形されている。
また、ホルダ4の六角部4bの上面には、凸部4dが形成されている。凸部4dの上面は、碍子7の下端面7aと当接し碍子7におけるホルダ4側の端部(下端部)を支持する位置決め面4hとなっている。この凸部4dには、溝部4eが形成されている。そして、この溝部4eの内周壁が折り曲げられ、加締め部11が形成される。このホルダ4は、ステンレス等の金属によって形成されており、導電性を有している。
素子位置決め部5は、素子挿入孔3の軸方向の一端部に位置する粉充填スペース10と、この粉充填スペース10の近傍に設けられた上述のかしめ部11とを有している。素子位置決め部5は、粉充填スペース10にセラミック粉12とこのセラミック粉12を押圧する押圧部材13とを収容し、かしめ変形したかしめ部11によって押圧部材13を圧縮し、この圧縮力でセラミック粉12を圧縮状態で充填することによって検出素子2とホルダ4との間をシールし、且つ、検出素子2をホルダ4に位置決めしている。セラミック粉12としては、例えば未焼結のタルク、ステアタイト等が使用されている。押圧部材13には、例えば円筒形状のリング部材が使用されている。
そして、粉充填スペース10の内部に配置された押圧部材13をかしめ部11によって検出素子2の径方向であって検出素子2の中心へ向う方向へ全周かしめ等の手段を用いて曲げ加工することで、セラミック粉12が加圧状態で充填され、検出素子2をホルダ4に位置決めしている。また、素子位置決め部5は、ホルダ4と検出素子2との間の隙間等を塞ぎ、ホルダ4の内部に外部の水分等が浸入するのを遮断するとともに、排気管30の内部の排気ガス等がケーシング8の内部に浸入するのを遮断する機能を有している。
端子6は、板素材を折り曲げ加工等することにより形成されており、その一端部には、略板状の接触部6aが形成されている。端子6の他端部は、ばね性を有する形状に形成されている。具体的には、端子6の他端部には、板ばねである鉤状のばね部6bが形成されている。このばね部6bは、板素材を折返し加工することによって形成される。
端子6は、ホルダ4の一端部側に配置されている。そして、ホルダ4の軸方向の一方にホルダ4から露出した検出素子2の接点部2aに対して、ばね部6bがそのばね性を利用して圧接している。
端子6の一端部は、結合部21に例えばスポット溶接によって固着され、結合部21を介してハーネス17の後述する芯線17aに接続されている。ここで、結合部21は、金属材料などの導電性を有する材料によって形成されている。よって、検出素子2の酸素測定部2bは、接点部2a、端子6および結合部21を介して、ハーネス17の芯線17aと電気的に接続されている。
ハーネス17は、芯線17aとこの芯線17aを被覆している被覆部17bとから構成されている。芯線17aは銅の細線を集合もしくは撚り合わせて形成されるとともに、被覆部17bはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂などのフッ素樹脂で形成されており可撓性を備えている。このとき、フッ素樹脂で形成した被覆部17bは、摩擦係数が小さく他の材料と密着しないため、ハーネス17は、被覆部17bと芯線17aとの間や芯線17aと芯線17aとの間の隙間に僅かの空隙部が存在し、その空隙部がハーネス17の長さ方向に連続して形成されている。そして、芯線17aの端部は被覆部17bから露出しており、この芯線17aの露出部分が結合部21に接続されている。
ケーシング8は、碍子7を覆う筒状に形成されている。このケーシング8の上部内側には、シーリングラバー(弾性栓)16が配置され、このシーリングラバー16を介して複数のハーネス17がケーシング8の内部から外部に導き出されている。シーリングラバー16は、ケーシング8のかしめ部8aによるかしめによって、径方向であってシーリングラバー16の中心部に向かう方向に縮径された状態でケーシング8に固定されている。このかしめによってシーリングラバー16とハーネス17との間、およびシーリングラバー16とケーシング8との間のシール性(気密性)が確保されている。シーリングラバー16は、フッ素ゴム等の耐熱性を有する材質から構成されている。
ケーシング8の軸方向の他端部は、ホルダ4に嵌着されるとともに、例えばレーザ溶接等の溶接によってホルダ4に固定されている。この溶接によってケーシング8とホルダ4との間のシール性が確保されている。なお、この溶接部分は、図1中に符号8dで示している。ケーシング8は、碍子7の外形よりも十分に大きな外形に形成され、これによってケーシング8と碍子7との間には、空隙部20が設けられている。
碍子7は、外形略円柱状に形成されてホルダ4の位置決め面4cに起立状態で配置されている。この碍子7は、絶縁材料からなり、その絶縁材料は、例えばセラミックスである。
碍子7の下端面(他端面)7aには、軸方向一方側に向けて凹む凹部7dが形成されている。この凹部7dの内周面7eに沿って、複数の端子6のばね部6bが配置され、これら複数の端子6の間に検出素子2の接続部2cが嵌合されるようになっている。すなわち、検出素子2と碍子7とが組み付けられた状態では、端子6のばね部6bが、碍子7の凹部7dの内周面7eと検出素子2の接続部2cの外面との間に形成される空間S1に配置され、当該凹部7dの内周面7eと検出素子2の接続部2cとに挟持されるようになっている。このように挟持された端子6は、当該挟持によってばね部6bに生じる反発力により検出素子2の接点部2aに圧接し、以て、当該接点部2aと電気的に接続する。
凹部7dの底部7fには、端子6の固定部が挿入される取付孔7gが周方向に等間隔をもって複数形成されている。このように複数の端子6を周方向に等配置することで、これら複数の端子6に挟持される検出素子2を凹部7dの中心に配置しやすくしている。
碍子7におけるホルダ4側とは反対側の端部である上端部7hにおいては、その外周面に、周方向が該碍子7の周方向に沿った円環状の段差部7bが形成されている。この段差部7bには、弾性部材14が外嵌されている。ここで、この段差部7bに対応してケーシング8にも円環状の段差部8bが形成されており、碍子7の段差部7bとケーシング8の段差部8bとによって弾性部材14が圧縮状態で挟持されている。弾性部材14は、例えばCリング状やOリング状に形成されている。かかる構造は、弾性部材14の弾性力によって碍子7をホルダ4へ押し付けるとともに、碍子7の振動を抑制している。また、酸素センサ1が外力によって振動した場合、弾性部材14が弾性変形することで、碍子7の振れが吸収または抑制されるので、酸素センサ1の耐振性を向上させることができる。
この弾性部材14は、例えばSUS304等のオーステナイト系ステンレスや耐熱バネ材料などによって構成されており、中でも耐熱バネ材料で構成されることがより好適である。
プロテクタ9は、有底筒状で、且つ、2重構造に形成されている。プロテクタ9とホルダ4との固定は、例えばレーザ溶接等による全周溶接、または部分溶接や全周加締め、部分加締め等によってなされている。図1中には、当該固定が溶接の場合の溶接箇所9bが示されている。
プロテクタ9は、内側プロテクタ9cおよび外側プロテクタ9dを有している。これら内側プロテクタ9cおよび外側プロテクタ9dは、例えば金属材料、セラミックス材料等によって形成されている。プロテクタ9の内部には、ホルダ4から下方に突出した検出素子2の酸素測定部2bが挿入されている。かかる構造のプロテクタ9は、検出素子2の酸素測定部2bを覆うことで、酸素測定部2bを排気ガス中の異物等から保護する。
プロテクタ9には、ガス流通用の流通孔9aが形成されており、検出ガスは、流通孔9aを経由してプロテクタ9の内部に進入して、酸素測定部2bに至る。
この酸素センサ1は、ホルダ4のネジ部4bを排気管30のネジ孔31に螺入することにより排気管30に固定され、プロテクタ9で覆われた箇所が排気管30内に突出された状態で配置される。酸素センサ1と排気管30との間の気密は、ガスケット19によって保持される。
このような構成において、排気管30内を流通するガスがプロテクタ9の流通孔9aより内部に流入すると、そのガス内の酸素が検出素子2の酸素測定部2bに入り込む。すると、酸素測定部2bがガスの酸素濃度を検出し、この検出した酸素濃度を電気信号に変換する。この電気信号の情報が端子6およびハーネス17を経て外部に出力される。
ここで、本実施形態では、図2に示すように、ハーネス17に、このハーネス17の内部に形成される空隙部がハーネス17の長さ方向に連続するのを遮断する密閉部17cを形成している。
この密閉部17cは、被覆部17bと芯線17aとの間や芯線17aと芯線17aとの間の隙間を、ハーネス17の長さ方向の一部または全部を密閉材料で密閉することで形成されている。密閉材料としては、結着性の良いガラスコート材(SiO)を用いることができる。また、本実施形態における酸素センサにおいては、使用環境温度が高温となる(200℃〜600℃程度)ため、これ以外にも、例えばエポキシ材やセラミック接着剤(例えば、AlO3、ZrO)などの耐熱温度が200゜C以上ある熱硬化性樹脂や、加熱してもガスが発生しない材料を用いるのが好ましい。
本実施形態では、図2に示すように、被覆部17bの内側に密閉材料17dを充填するとともに、被覆部17bの外側を熱収縮ラバー17e等で被覆することで密閉部17cを形成している。そして、被覆部17bの外側を長さ方向に適宜間隔をもって加圧して縮径部17fを形成することにより、ハーネス17の密閉部17cがより密閉されるようにしている。また、真空引きによりハーネス17内の空気を排除して密閉材料17dを充填することによっても密閉部17cを形成することができる。
また、本実施形態において密閉部17c、もしくは縮径部17fの少なくとも一部をシーリングラバー16内に形成するときは、縮径部17fをケーシング8のかしめ部8aによって形成することができる。この場合、かしめ部8aによるシーリングラバー16の中心部へ向かう押圧力が、密閉部17c、もしくは縮径部17fに加わることで、密閉性を向上することができる。
ところで、酸素センサにおいては、ハーネス17における芯線17aと被覆部17bとの微小な隙間を介して外部と連通しており、かかる連通によって、ケーシング8の内部に酸素濃度検出に用いる基準大気が導入されるようになっている。
しかしながら、従来のようにハーネス17の内部空隙を通気孔として利用すると、ハーネス17の開放面が水で覆われた場合に毛細管現象により水がセンサ内部に侵入してセンサ特性が不良となってしまう。このため、現状では例えばケーシング8に通気構造を設け、それに排気ガスを透過させることで負圧の発生を抑えて水侵入を抑制していた。しかし、この方法にあっても、ハーネス17の内部空隙が極めて小さいため、水の表面張力が透過させたガス圧に勝って毛細管現象による水の侵入を防ぐことができず、検出素子2の内部に水が侵入した場合には、センサ内部の酸素分圧が低下して基準極の酸素濃度が維持できなくなり、ひいては、センサ特性が不良となるおそれがあった。
そこで、高温と常温を繰り返す酸素センサ1の特性を利用し、与圧になった時に通気構造部からガス化した水が出て行くのを待ってセンサ特性を回復させていたが、その間、酸素濃度の検出ができなくなってしまう。
また、本実施形態のように、ハーネス17に密閉部17cを設け、ケーシング8内に導入される外気を遮断すれば、ハーネス17の開放面が水で覆われた場合に毛細管現象により水がセンサ内部に侵入するのが抑制されるが、このように、ハーネス17の内部の空隙を密閉してしまうと内部腐食に弱く、リッチ状態が継続すると内部酸素が不足することになってしまう。
そこで、本実施形態では、図1に示すように、酸素センサ1の外郭部材を構成したケーシング8に、外気を導入しつつ水の通過を遮断する通気構造部100を設けた。
通気構造部100は、図3に示すように、ケーシング8を密閉したシーリングラバー16の中央部に、気体の通過を許容しつつ液体の通過を遮断する通気性のある通気棒101を液密に貫通させることにより構成している。このとき、通気棒101の材料としては、空気は浸透(通過)するが水は浸透しない(遮断する)程度の微細な気孔(例えば、最大50μm以下)が形成されたものが用いられる。さらに、200゜C以上の耐熱性が要求されるため、材料としては、例えば、PTFE樹脂やポリイミド樹脂などが用いられる。
このとき、上述した通気構造部100の通気流量は、後述する実験から明らかなように、引き込み側に向けて50kPaで加圧した状態で50cc/min以上、かつ、対水圧を0.08kg/cm以上とすることが好ましい。
まず、通気構造部100の通気流量を求める実験方法を、図4〜図7によって説明する。
図4は、酸素センサの必要空気量を求める実験装置の説明図、図5は、酸素センサに水を注入する状態を示す説明図、図6は、センサ出力の回復特性を示す説明図、図7は、通気流量と出力回復時間との関係を示す説明図である。
図4に示すように、本実施形態にかかる通気流量実験は、酸素センサ1を排気管30に取り付けて、酸素センサ1が検出した酸素濃度を計測器Mで計測して、その結果をコンピュータCで処理するものである。
まず始めに、排気管30を通過する排気ガス(λ=0.95)の温度を400゜Cとし、13Vのヒータを用い、センサ素子温度が350゜Cとなるように加熱する。
次に、かかる状態で約5分間放置し、出力が安定した後に図5に示すように酸素センサ1内部に水を注入する。この水注入は、酸素センサ1が作動している状態(出力中)で、直径0.5mm以下のシリンジ(注射器)Sでシーリングラバー16から内部に強制的に水を0.5cc注入する。このときの水としては、蒸留水やイオン交換水が好ましく、また、水道水でもよい。
そして、センサ出力をモニターして、図6に示すように、センサ出力が回復するまでの時間を計測し、通気流量と出力回復時間との関係を、図7の試験結果から通気構造の流量別に確認する。図7によれば、50cc/min以上の流量では、10分以内で出力回復することが理解される。
次に、センサ通気流量と負圧の関係を求める実験方法を、図8〜図10によって説明する。
図8は、酸素センサの負圧量を求める実験装置の説明図、図9は、センサを水没させるための注水サイクルを示す説明図、図10は、通気流量に対する排気温度と負圧量との関係を示す説明図である。
図8に示すように、負圧量実験は、排気管30に取り付けた酸素センサ1を密閉容器Kで覆い、その密閉容器Kの上部に設けた注入口Iから注水して充満させた後、一定時間後に排出口Oから排水し、この時に発生する負圧値を圧力センサPで計測して、その結果をコンピュータCで処理するものである。
まず、排気管30を通過する排気ガス(λ=0.95)の温度を920゜Cとし、13Vのヒータで加熱し、センサ各部の温度が規定温度以上になるまで放置する。このとき、センサを保証最高温度の状態で晒して完全暖気する。
次に、図9に示すように、密閉容器Kにセンサが水没するまで注入口Iから水を注入し、1min後に排出口Oから排水する。このときの水としては、蒸留水やイオン交換水が好ましく、また、水道水でもよい。
そして、この時のセンサ圧力をモニターして負圧量を計測する。なお、本実施形態では、この時に発生する負圧値をセンサ最大負圧と定義し、図10に示すように、通気流量(引き込み側に向けて50kPaで加圧した状態における流量)との関係を計測している。その結果によれば、0.08kg/cm以上の耐水性があれば、50cc/min以上の通気流量では水が侵入しないことが理解される。
次に、通気流量測定方法を図11によって説明する。
図11は、酸素センサのシーリングラバーに設けた通気構造部の通気流量の測定方法を示す要部断面図である。
図11に示すように、通気流量測定は、酸素センサ1を通気構造部100を境にして入力側密閉容器K1と出力側密閉容器K2とに封入し、入力側密閉容器K1に所定圧力(50kPa)を印加した時に出力側密閉容器K2から排出されるガス量を流量計Qで計測するものである。
このとき、酸素センサ1の通気構造部分以外、例えばハーネス17などを全て密閉しておく。また、実験室内の室温は25±5゜Cとする。
次に、耐水性テスト方法を図12によって説明する。
図12は、酸素センサのシーリングラバーに設けた通気構造部の耐水性テストを示す要部断面図である。
図12に示すように、耐水性テストは、酸素センサ1の通気構造部100よりもセンサ本体側を密閉容器K3に封入し、通気棒101の引き込み側101aに水0.5ccを載せ、この状態で排出側となる密閉容器K3内を負圧で引き、その時に通気棒101の引き込み側101aに載せた水が吸い込まれる圧力を計測するものである。
このとき、酸素センサ1の通気構造部分以外、例えばハーネス17などを全て密閉しておく。また、実験室内の室温は25±5゜Cとする。
以上の本実施形態によれば、酸素センサ1のハーネス17に密閉部17cを設けたので、ハーネス17の開放面が水で覆われた場合にも、ハーネス17の被覆部17bと芯線17aとの間や芯線17aと芯線17aとの間に僅かに存在する空隙部が遮断されて長さ方向に連続しないため、水がケーシング8から検出素子2内に侵入するのを防止して良好なセンサ特性を維持することができる。
このとき、ハーネス17の長さ方向の一部または全部における被覆部17bと芯線17aとの隙間や芯線17aと芯線17aとの隙間を密閉材料17dで密閉することで、密閉部17cを形成したので、簡単にハーネス17の内部の空隙部を遮断することができる。
さらに、密閉材料17dを、ガラスコート材、エポキシ材またはセラミック接着剤としたので、ハーネス17の被覆部17bや芯線17aとの結着性を向上させて空隙部の遮断効果を高めることができる。また、ガラスコート材、エポキシ材やセラミック接着剤は、耐熱温度が200゜C以上あり、加熱してもガスを発生しないので、高温となる排気ガスの酸素濃度検出用のセンサとして用いるのに適している。
さらにまた、酸素センサ1の端子6を密閉したケーシング8に通気構造部100を設けたので、通気構造部100によって外気をケーシング8の内方に導入しつつ水の通過を遮断することができる。これにより、検出素子2の酸素分圧を維持できるようになるため、センサ特性のさらなる向上を図ることができる。
このとき、通気構造部100は、ケーシング8を密閉するシーリングラバー16に通気棒101を液密に貫通させるだけで水の侵入を遮断しつつ外気をケーシング8の内方に導入できるようにしているため、構成の簡素化を図るとともに、コスト低減を図ることができる。
また、通気構造部100の通気流量を、引き込み側に向けて50kPaで加圧した状態で50cc/min以上とするとともに、対水圧を0.08kg/cm以上としたため、ケーシング8の内方に水が侵入するのをより確実に阻止することができる。
(第2実施形態)
図13は、本実施形態にかかる酸素センサの通気構造部の拡大断面図である。なお、本実施形態にかかる酸素センサは、上記第1実施形態にかかる酸素センサと同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態における酸素センサ1Aは、図13に示すように、基本的に上記第1実施形態の酸素センサ1と同様であり、酸素センサ1Aに、外気を導入しつつ水の通過を遮断する通気構造部100Aを設けた点が、上記第1実施形態と主に異なっている。
具体的には、外郭部材を構成するケーシング8のシーリングラバー16を嵌着した側壁に開口部8eを形成するとともに、シーリングラバー16に開口部8eに連通する通路16aを形成することによって、連通路102を形成し、当該連通路102に、気体の通過を許容しつつ液体の通過を遮断する防水透気性膜103を密閉して取り付けることにより通気構造部100Aを構成したことにある。
防水透気性膜103としては、例えば、商標名ゴアテックスなどがあり、これはポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したフィルムとポリウレタンポリマーを複合化して形成され、気体は通過するが水分は遮断する微細孔が無数に形成されているものである。そして、防水透気性膜103は、当該防水透気性膜103をシーリングラバー16の外周に巻き付けた状態で、そのシーリングラバー16をケーシング8に圧入することにより取り付けられており、この防水透気性膜103が開口部8eと通路16aとの間を閉塞するようになっている。
なお、このときの防水透気性膜103の通気流量は、開口部8eの開口面積を予め調節することにより、引き込み側に向けて50kPaで加圧した状態で50cc/min以上、かつ、対水圧を0.08kg/cm以上とすることが好ましい。
以上の本実施形態によれば、通気構造部100Aを、ケーシング8に設けた開口部8eに防水透気性膜103を密閉して取り付けることにより構成したので、防水透気性膜103が気体の通過を許容しつつ液体の通過を遮断できるため、通気構造部100Aの構成の簡素化を図ることができる。
以上、本発明にかかるガスセンサの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限ることなく要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採用することができる。
例えば、ケーシングに新たに貫通口を形成し、その貫通口に通気構造部を形成してもよい。
1 酸素センサ(ガスセンサ)
2 検出素子(センサ本体部)
6 端子(出力部)
8 ケーシング(外郭部材)
16 シーリングラバー(弾性栓)
17 ハーネス
17a 芯線
17b 被覆部
17c 密閉部
17d 密閉材料
100、100A 通気構造部
101 通気棒
102 連通路
103 防水透気性膜

Claims (5)

  1. 特定の気体濃度を検出するセンサ本体部と、
    前記センサ本体部を収納し当該センサ本体部の出力部を密閉する外郭部材と、
    前記外郭部材の内外を液密に貫通して前記センサ本体部の出力部に電気的に接続されるハーネスと、を備えたガスセンサにおいて、
    前記ハーネスに、当該ハーネスの内部に形成される空隙部がハーネスの長さ方向に連続するのを遮断した密閉部が形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記密閉部は、前記ハーネスの長さ方向の一部または全部において、被覆部と芯線との隙間や芯線と芯線との隙間を密閉材料で密閉することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記外郭部材の前記出力部を密閉した部分には、外気を導入しつつ水の通過を遮断する通気構造部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記通気構造部は、前記外郭部材を密閉する弾性栓と、当該弾性栓に液密に貫通され気体の通過を許容しつつ液体の通過を遮断する通気性のある通気棒と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 前記通気構造部は、前記外郭部材に設けた連通路と、当該連通路を密閉するように取り付けられ気体の通過を許容しつつ液体の通過を遮断する防水透気性膜と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015513661A (ja) * 2012-02-09 2015-05-14 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 排ガスセンサのハウジングを密封するための栓体、排ガスセンサおよび排ガスセンサの製造法

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