JP2010174817A - シリンジポンプ - Google Patents

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一裕 千葉
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豊 高橋
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Abstract

【課題】 微粒子を含む分散液を安定的に送液することができる粒子分散液を送液するためのシリンジポンプを提供すること。
【解決手段】 粒子分散液を攪拌しながら送液するシリンジポンプであって、ピストンと、攪拌羽根と磁石内蔵部材とが一体化された回転子と、該回転子を回転させる磁力回転手段とを備え、該シリンジ内で前記磁石内蔵部材がピストン先端部に接するように前記回転子を配置することを特徴とするシリンジポンプ。
【選択図】図1

Description

本発明は、粒子分散液を送液するためのシリンジポンプに関する。
特定の物質に対して吸着能を有するような機能性微粒子は、医療、分析、試料前処理などに広く応用されている。
一方、マイクロチップ装置、マイクロリアクター、マイクロELISA装置、マイクロチップ電気泳動装置など、連続流体を使用する技術は、省試薬、化学プロセスの高効率化、ハイスループット化などが可能になることから、近年その利用・応用が期待されている。
従って、機能性微粒子を安定的に連続送液することは、マイクロチップ装置などの連続流体を扱う技術と微粒子による試料前処理や分析技術との組合せにおいて重要である。
斯かる微粒子を上記のような分離デバイスに連続送液する手段としては、現在、液体クロマトグラフィー用カラムに微粒子を高圧下で充填するための装置(特許文献1)や、市販のシリンジポンプや液体クロマトグラフィー用ポンプが用いられている。
しかしながら、液体クロマトグラフィー用カラムに充填剤を充填するための装置は、高流量・高圧下で安定的に送液できるため、分析などの測定のための送液や、特に低流速での送液には不向きであった。
また、市販のシリンジポンプを用いた場合、微粒子を含む液体は、時間が経過すると重力によって微粒子が沈降したり、液体と分離したりするため、時間経過に伴って分散液中の微粒子濃度が変化し、安定的に連続送液することは困難であった。
また、液体クロマトグラフィー用ポンプを用いた場合、チェックバルブ等に微粒子が詰まるので、安定的に連続送液することは困難であった。
特開2007−298455号公報
本発明は、機能性微粒子等を含む分散液を安定的にマイクロチップ装置等の分離デバイス等に送液することができるシリンジポンプを提供することに関する。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕に係るものである。
〔1〕 粒子分散液を攪拌しながら送液するシリンジポンプであって、ピストンと、攪拌羽根と磁石内蔵部材とが一体化された回転子と、該回転子を回転させる磁力回転手段とを備え、該シリンジ内で前記磁石内蔵部材がピストン先端部に接するように前記回転子を配置することを特徴とするシリンジポンプ。
〔2〕 前記回転子が、前記攪拌羽根と前記磁石内蔵部材との間に絶縁部材を備える前記記載のシリンジポンプ。
〔3〕 ピストン内部に、磁石付回転台とこれを駆動するモーター有する磁力回転手段を備える前記シリンジポンプ。
〔4〕 シリンジの外周に、複数の電磁石を環状に配置する磁力回転手段を備える前記記載のシリンジポンプ。
本発明のシリンジポンプを用いれば、磁性体含有粒子等の微粒子を含む分散液をマイクロチップ装置等の分離デバイス内に安定的に送液することができる。
本発明の第1実施形態の粒子送液用シリンジポンプ1aを示す側面図である。 本発明のシリンジポンプに備えられる回転子の一形態を示す上面図(a)、A−A線に沿った断面図(b)、B−B線に沿った断面図(c)である。 本発明の第2実施形態の粒子送液用シリンジポンプ1bを示す側面図である。 C−C線に沿った磁力回転手段4bの断面図である。 本発明のシリンジポンプに備えられる磁力回転手段4bの一形態を示す側面図である。(a)シリンジ2外周に、磁力回転手段4bを複数配置したピストンシリンジの側面図である。(b)シリンジ2の外周に、複数の磁力回転手段4bを一体化した磁力回転手段4b1を配置したピストンシリンジの側面図である。 本発明の第2実施形態の粒子送液用シリンジポンプ1bの一形態を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、以下の実施の形態に限定されるものではない。
<第一の実施形態>
図1に、本発明シリンジポンプの一実施形態であるシリンジポンプ1aの断面図を示す。また、図2に、回転子3の一形態である回転子3aの上方図(図2(a))、図2(a)のA−A線に沿った断面図(図2(b))、図2(b)のB−B線に沿った断面図(図2(c))をそれぞれ示す。
シリンジポンプ1aは、シリンジ2と、回転子3と、磁力回転手段4aと、ピストン5と、ピストン移動手段6aと、支持体20a,20b,20cを備えている。
シリンジ2は、図1に示すように、その先端にノズル等が装着される突出口19を有し、その下方のシリンジ2内には回転子3が配置されている。当該回転子3の下部にはピストン5が配置されている。そして、当該ピストン5が突出口19方向に進退して充填液(粒子分散液)7を突出口19から、吐出・吸引する。この際に、充填液7がピストン5の外周面から漏れないよう、パッキン16がシリンジ2内壁に接するようピストン5に設けられている。当該パッキン16の形状は、特に制限されず、Oリング状、円盤状や板状であってもよい。
また、充填液(粒子分散液)とは、重力によって微粒子が沈降したり、液体から分離したりするものであり、乳液状の分散液も含まれる。
当該微粒子としては、例えば特定の物質に対して吸着能を有するような粒子、例えばオクタデシル基等の疎水性官能基を有しその細孔や表面に特定物質を吸着可能なシリカゲル、ジルコニア、合成ポリマー等の疎水性微細粒子;酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト等の磁性体粒子;当該磁性体粒子と特定物質を吸着可能なチタニア、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、ジルコニア等を含有する磁性体含有粒子等が挙げられる。
微粒子の平均粒径は、特に限定されないが、攪拌性能、送液性能の点から、0.01〜50μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。
また、当該微粒子の分散溶媒としては、当該微粒子を混合攪拌した際に分散状態となる様な媒体であれば特に限定されないが、水;メタノール、エタノール等のアルコールや、アセトン、ヘキサン等の有機溶媒等が挙げられ、単独でも2種以上の混合溶媒であってもよい。
回転子3は、図1に示すように、攪拌羽根8と、磁石11を備えた磁石内蔵部材10と、を備えて構成され、一体化されている。
当該回転子3は、この磁石内蔵部材10がピストン5先端部に接するように、シリンジ2内に配置されている。当該回転子3は、この攪拌羽根8によって充填液7を混合攪拌できれば、ピストン5と連結されていてもよいが、部品交換、メンテナンス、洗浄等の取り扱いが容易な点から、ピストン5と非連結状態で配置されているのが好ましい。
攪拌羽根8は、充填液7を混合攪拌できる形状であればよい。また、その素材は、耐液性・耐薬品性に優れたものが好ましく、特に微粒子が磁性体の場合には、絶縁性(非磁性)のものが好ましい。
攪拌羽根の素材として、例えば、ガラス、天然・合成ゴム、セラミック、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が挙げられる。このうち、耐久性、耐液性・耐薬品性、絶縁性の点から、ポリプロピレン、フッ素樹脂が好ましい。
磁石内蔵部材10の内部には、磁力回転手段4aで発生する磁力の影響を受けて回転子3を回転させるための単数又は複数の磁石11が配置されている。当該磁石11は、等間隔に磁石内蔵部材10の外周に沿って配置されていてもよい。この磁石11の形状は長方形状、円盤状や環状等の形状でもよく、この磁石11としては、永久磁石、半永久磁石や電磁石等が用いられる。
攪拌羽根8と磁石内蔵部材10とを一体とするには、これらを接合後、この表面を、例えば、上記合成樹脂、特にフッ素樹脂等の耐液性・耐薬品性に優れたもので被覆しても良く、また、これらに単数又は複数の貫通孔を形成し、この孔に連結部材12を挿入し固定しても良い(図2参照)。更に、連結部材12で固定後、表面を被覆するのが好ましい。このときの連結部材12は上記と同様に耐液性・耐薬品性、更に絶縁性に優れたものが好ましい。
更に充填液7に含まれる微粒子が磁性を帯びた粒子の場合には、図2に示すように、充填液に接する攪拌羽根8に当該粒子が付着しないよう、攪拌羽根8と磁石内蔵部材10との間に絶縁(非磁性)部材9を配置することが好ましい。絶縁部材9の素材は、上記の絶縁性のもの、ガラス、天然・合成ゴム、セラミック、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、このうち耐液性・耐薬品性、絶縁性の点から、ガラス、ポリプロピレン、フッ素樹脂が好ましい。
磁力回転手段4aは、単数又は複数の磁石13が配置された磁石付回転台14と、これを駆動させるモーター15と、この回転速度や回転時間等を制御して回転子3の回転を制御する回転駆動制御部(図示せず)と、を備えて構成されている。
当該磁力回転手段4aは、ピストン5内部に配置されており、ピストン5の先端方向に配置されることが望ましく、更に回転子3に隣接する位置に配置されることが望ましい。
磁石11としては、永久磁石、半永久磁石や電磁石などを用いればよく、磁石13と引き合うものが望ましい。
そして、モーター15が駆動することによって磁石付回転台14が回転し、これに備えられた磁石13の磁力によって回転子3の磁石11が影響を受けて回転子3が回転する。この回転によって充填液7が混合攪拌される。回転子3の回転数は、充填液に含まれる微粒子の種類によっても異なるが、500〜5000rpmが好ましい。
これによって、充填液7の微粒子を含む分散液を、安定的に、特に時間経過に伴って粒子分散液中の微粒子濃度が変化することなくシリンジ内から移送先に送液(吐出)することが可能である。
ピストン移動手段6aは、ピストン駆動部17と、ピストン5及びピストン駆動部17を接続しているドライブシャフト18と、これらの動作を制御するピストン駆動制御部(図示せず)と、を備えて構成されている。当該ピストン駆動制御部は、支持体20a,20b,20cに格納されていてもよい。
当該ピストン駆動制御部は、ピストン駆動部17を駆動させ、これによってドライブシャフト18が順逆回転し、当該回転によってピストン5が突出口19方向に進退し、充填液7の吐出・吸引が行なわれる。このようなシリンジポンプの形態を採用することにより、当該ピストン5の動作を制御することによって、微量の吐出、特に低流速(μL/minオーダー)の分散液の吐出も可能となる。マイクロチップ装置等に送液する場合、プロセス効率の点から、流量を、0.1〜500μL/minとすることが好ましく、更に、10〜200μL/minとすることが好ましい。
なお、ピストン移動手段6aには、ピストン5とドライブシャフト18との間にビストンロッドが備えられていてもよい。
支持体20a,20b,20cは、シリンジポンプ全体を支持固定すると共に、回転駆動制御部やピストン駆動制御部等、シリンジポンプの各種駆動を制御するコントローラを備えていてもよい。
なお、ピストン移動手段は、手動であってもよいが、安定的に粒子分散液を送液できる点から、ピストンの進退が可能な機構を有していることが望ましい。
また、突出口19に自動3方バルブを接続し、当該ピストン駆動制御部で制御することによって、連続的に充填液の吸引・吐出を繰り返すことも可能である。
<第二の実施形態>
図3に、本発明シリンジポンプの一実施形態であるシリンジポンプ1bの断面図を示す。また、図4に、図3のC−C線に沿った断面図を示す。
シリンジポンプ1bは、シリンジ2と、回転子3と、磁力回転手段4bと、ピストン5と、ピストン移動手段6bと、支持体27a,b,cと、を備えて構成されている。上記第一の実施形態と同様の構成や作用である場合には、説明を省略する。
磁力回転手段4bは、シリンジ2の外周に沿って配置されている。更に、磁力回転手段4bは、回転子3の回転を良好にするため、回転子3の磁石内蔵部材10の側方で配置することが好ましい。
磁力回転手段4bの一形態として、当該磁力回転手段4bは、図4に示すように、シリンジ2の外周部に取り付け可能な部材22と、この内部にシリンジ2の外周に沿って環状に配置された複数の電磁石23と、この各電磁石23に順次電流を流し磁力を発生させることを制御して回転子3の回転を制御する回転駆動制御部(図示せず)を備えて構成されている。
そして、電磁石23に順次電流を流し、発生した磁力の影響を回転子3の磁石11が受けて回転子3が回転し、充填液7を混合攪拌する。
支持体27a,27b,27cは、シリンジポンプ全体を支持固定すると共に、回転駆動制御部やピストン駆動制御部等、シリンジポンプの各種駆動を制御するコントローラを備えていてもよい。
なお、図5に、磁力回転手段4bの一形態の例示を示す。
図5(a)は、シリンジ2外周に、磁力回転手段4bを複数配置したピストンシリンジの側面図である。
図5(b)は、シリンジ2の外周に、複数の磁力回転手段4bを一体化した磁力回転手段4b1を配置したピストンシリンジの側面図である。当該磁力回転手段4b1は、回転子3の回転を制御できるような構成であれば特に限定されず、例えば、磁力回転手段4bが複数接合されたものでもよいし、環状の部材22a内に、シリンジ2の外周に沿って環状に配置した複数の磁石23を層状に配置したものでもよい。
ピストン移動手段6bは、手動でもよいが、図6に示すように、ラック25とピニオン26を備えるラックアンドピニオン機構のピストン駆動部24と、これらの駆動を制御するピストン駆動制御部(図示せず)と、を備えて構成されていてもよい。
また、磁力回転手段4bと支持体27bとが連結するようにガイドロッド28が配置されていてもよい。
そして、ラップアンドピニオン機構によって支持体27bが突出口19方向に進退すると共に、ピストン5及びガイドロッド28が進退するのに伴って、回転子3及び磁力回転手段4bも進退し、充填液7の吐出・吸引が行なわれる。
本発明のシリンジポンプを用いれば、回転子が回転しながら微粒子を含む充填液を混合撹拌し、ピストンが突出口方向に進行することによって充填液を微粒子が沈降していない状態で移送することができる。また、シリンジ突出口方向に自動三方向バルブ等の流路を調整する手段を設け、ロッドが退行することによってシリンジ内に新たな粒子分散液を吸引(充填)することができ、連続的に混合攪拌された微粒子分散液を移送先に移送することができる。
そして、本発明の送液装置を使用して微粒子分散液の移送先としては、マイクロチップ装置、マイクロチップ電気泳動装置、マイクロELISA等の分析分離装置や、 マイクロリアクター等が挙げられる。このうち、本装置は低流速で安定的に送液することもできるので分析装置、特にマイクロチップ装置、マイクロチップ電気泳動装置等の分離デバイスが好ましい。
1a,1b ピストンシリンジ
2 シリンジ
3,3a 回転子
4a,4b 磁力回転手段
8 攪拌羽根
9 絶縁部材
10 磁石内蔵部材
11,13 磁石
14 磁石付回転台
15 モーター
22 部材
23 電磁石

Claims (4)

  1. 粒子分散液を攪拌しながら送液するシリンジポンプであって、ピストンと、攪拌羽根と磁石内蔵部材とが一体化された回転子と、該回転子を回転させる磁力回転手段とを備え、該シリンジ内で前記磁石内蔵部材がピストン先端部に接するように前記回転子を配置することを特徴とするシリンジポンプ。
  2. 前記回転子が、前記攪拌羽根と前記磁石内蔵部材との間に絶縁部材を備える請求項1記載のシリンジポンプ。
  3. ピストン内部に、磁石付回転台とこれを駆動するモーターを有する磁力回転手段を備える請求項1又は2のシリンジポンプ。
  4. シリンジの外周に、複数の電磁石を環状に配置する磁力回転手段を備える請求項1又は2のシリンジポンプ。
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