JP2010174792A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビテーション気泡を積極的に生成することにより燃料の微粒化を促進することができる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁1は、ノズルボデイ3に形成された噴孔7が、流入口10と流出口11との間に位置する屈曲部15にて屈曲しており、ノズルボデイ3には、流路の拡大により噴孔7内を流れる燃料にキャビテーション気泡を発生させるためのキャビテーション室16が噴孔7に連通するようにして屈曲部15の内側に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノズルボディに形成された噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
燃料を噴射する噴孔の流路途中に圧力室が形成された燃料噴射弁が知られている(特許文献1)。この燃料噴射弁の噴孔はノズルボデイに形成されるとともに、流入口から圧力室までの第1噴孔部と圧力室から流出口までの第2噴孔部とを有しており、ノズルボデイは第1噴孔部及び圧力室が形成された第1部材と、第2噴孔部が形成された第1部材と別部品である第2部材とが組み合わされることにより構成されている。また、各種目的のため様々な噴孔の流路構造が提案されている。例えば、流路途中にキャビティが形成され、キャビティ通過後に流路が屈曲するもの(特許文献2)、噴孔の流を折り曲げるもの(特許文献3)、ノズルボディとニードル間のリセス部に流入した燃料に剥離を生じさせるもの(特許文献4)等の燃料噴射弁がある。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献5が存在する。
特開2004−360477号公報 特開2005−147006号公報 実開平5−27240号公報 特開平11−351101号公報 特開2006−177174号公報
特許文献1の燃料噴射弁は、流路途中の圧力室を円筒状拡大通路とすることで流路内の燃料に偏平な横流れを形成するため、キャビテーション気泡の生成源である縦渦状の剥離渦を噴孔流路内で十分に形成することができない。噴孔を流れる燃料にキャビテーション気泡を生じさせることにより燃料の微粒化を促進できることが知られているが、特許文献1及び上記各文献の燃料噴射弁の構造では十分なキャビテーション気泡を生じさせるに至らなかった。
そこで、本発明は、キャビテーション気泡を積極的に生成することにより燃料の微粒化を促進することができる燃料噴射弁を提供することを目的とする。
本発明の燃料噴射弁は、ノズルボディに形成された噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁において、前記噴孔は、流入口と流出口との間に位置する屈曲部にて屈曲しており、前記ノズルボデイには、流路の拡大により前記噴孔内を流れる燃料にキャビテーション気泡を発生させるためのキャビテーション室が前記噴孔に連通するようにして前記屈曲部の内側に形成されているものである(請求項1)。
この燃料噴射弁によれば、キャビテーション気泡を生じさせるためのキャビテーション室が屈曲した噴孔の屈曲の内側に形成されているため、屈曲部の外側を流れる主流の速度を落とさずに、キャビテーション室へ燃料が流入した際に剥離を促進できる。これにより、キャビテーション室で十分なキャビテーション気泡が生成されるので噴射された燃料の微粒化を促進できる。
本発明の一態様において、前記キャビテーション室は、前記ノズルボディの中心線方向と交差する所定方向に直線状に延びてもよい(請求項2)。この態様によれば、キャビテーション室の長手方向に向かう横流れの生成が抑制されるので、キャビテーション室内の流れが略二次元流れとなるので効率的に剥離渦を形成することができる。
この態様において、前記キャビテーション室は、前記中心線方向から見たときに前記所定方向の奥行き幅よりも前記所定方向と直交する方向の最大幅の方が小さく形成され、かつ前記所定方向に一様な形状で延びてもよい(請求項3)。この場合には、上述した横流れの生成がさらに抑制されるため剥離渦の生成効率が向上する。
キャビテーション室の形状は適宜に定めてよい。例えば、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記中心線方向と平行でかつ前記所定方向と直交する平面で前記キャビテーション室を切断したときに現れる前記第1噴孔部及び前記第2噴孔部のそれぞれとの境界間の距離として定義される高さをHとし、前記最大幅をWmaxとした場合に、H/Wmaxが0.7〜1.5の範囲内となるように、前記キャビテーション室が形成されていてもよい(請求項4)。高さと最大幅との差が過大になると、上記平面内を旋回する剥離渦の回転が阻害される。上記平面でキャビテーション室を切断した際の断面が円に近い程剥離渦が回転し易くなるので剥離渦を強化できる。この場合には、キャビテーション室の高さと最大幅との比が0.7〜1.5の範囲内にあり、高さと最大幅との差が過大でないので、剥離渦の回転を阻害することなくキャビテーション気泡を効率良く生成できる。
噴孔は前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記中心線方向と平行でかつ前記所定方向と直交する平面で前記キャビテーション室を切断したときに現れる前記第1噴孔部と前記キャビテーション室との境界において、前記噴孔の流路幅が1.8〜3倍の範囲内で拡大するように、前記キャビテーション室が形成されていてもよい(請求項5)。この場合には、噴孔の流路幅が上記境界で1.8〜3倍に拡大するので、剥離渦の生成領域及びキャビテーション気泡の生成領域をキャビテーション室内に十分に確保できる。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記キャビテーション室の流路面積が前記第2噴孔部に至るまでに徐々に減少するように、前記屈曲部の内側に位置する前記キャビテーション室の壁面が前記屈曲部の内側に向かって凸の曲面状に形成されてもよい(請求項6)。この態様によれば、キャビテーション室と第2噴孔部とが滑らかに接続されるため、キャビテーション室で生成されたキャビテーション気泡がキャビテーション室内に淀みにくくなる。これにより、キャビテーション気泡Bが第2噴孔部を流れる燃料へ均質に混入することを促進できる。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記第2噴孔部の最小流路面積が、前記第1噴孔部の最小流路面積よりも大きく形成されてもよい(請求項7)。この態様によれば、キャビテーション気泡が燃料に混入してから流路が絞られないので燃料が第2噴孔部から流出口に向かう際の流路抵抗を低減できる。また、キャビテーション気泡の生成量を増大し、キャビテーション気泡の消滅を抑制することができる。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記キャビテーション室に至るまでに水平方向の幅が徐々に減少するように形成されてもよい(請求項8)。この態様によれば、水平方向に一様な幅のものと比較してキャビテーション室に向かう燃料の流れが速くなるので、キャビテーション室への燃料の流入速度が速くなり剥離渦の生成が強化される。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記噴孔は、前記屈曲部の外側の壁面が丸みを帯びるように屈曲していてもよい(請求項9)。この態様によれば、屈曲部の外側を流れる主流の流れが滑らかになるため燃料の流速を維持できる。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記キャビテーション室は、前記屈曲部の内側に位置する隅部が丸みを帯びるように形成されてもよい(請求項10)。この態様によれば、キャビテーション室で生じた剥離渦の回転がスムーズになるので、その剥離渦の維持が容易になる。
本発明の燃料噴射弁の一態様において、前記ノズルボディには、前記流入口を境界として前記噴孔に連通し、かつ前記噴孔よりも流路面積が広い燃料溜まりが形成されており、前記噴孔と前記燃料溜まりとの境界が尖っていてもよい(請求項11)。この態様によれば、噴孔に流入する燃料流れは流入口の角部で剥離し、その下流で縮流を伴って加速する。剥離の公報にできる死水領域と燃料流れとの間に強いせん断層が形成されるため、その場所で圧力が低下して飽和水蒸気圧以下になるとキャビテーション気泡が発生する。これによってキャビテーション気泡のトータルの混入量を増加できる。
本発明の一態様において、前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記ノズルボデイは、互いに別体の、前記第1噴孔部が形成された第1部材と、前記キャビテーション室及び前記第2噴孔部が形成された第2部材とが、組み合わされることにより構成されており、前記第1部材と前記第2部材との合わせ面が、前記第1噴孔部と前記キャビテーション室との境界として機能してもよい(請求項12)。この態様によれば、噴孔及びキャビテーション室が形成されるノズルボデイが一体物ではなく第1部材と第2部材とに分離している。このため、第1部材と第2部材との寸法公差を考慮して、第1部材に形成する第1噴孔部と、第2部材に形成するキャビテーション室との位置関係を設計することにより、第1部材と第2部材とを組み合わせた際の位置ずれに伴うキャビテーション気泡の生成能力の低下を防止することができる。
以上説明したように、本発明の燃料噴射弁によれば、屈曲部の外側を流れる主流の速度を落とさずに、キャビテーション室へ燃料が流入した際に剥離を促進できるから、キャビテーション室で十分なキャビテーション気泡が生成されるので噴射された燃料の微粒化を促進できる。
本発明の一形態に係る燃料噴射弁の先端部分を示した断面図。 図1のA部の拡大断面図。 図2を矢印III方向から見た状態を示した断面図。 図3のIV-IV線に関する断面図。 ノズルボディの中心線方向と平行でかつ所定方向と直交する平面でキャビテーション室を切断した断面図。 第1部材及び第2部材の加工に伴う第1噴孔部とキャビテーション室との位置関係のずれを説明する説明図であって、寸法公差を考慮していない場合の説明図。 第1部材及び第2部材の加工に伴う第1噴孔部とキャビテーション室との位置関係のずれを説明する説明図であって、寸法公差を考慮した場合の説明図。 本発明の他の形態に係る燃料噴射弁の要部を示した図。 図8の矢印IX方向から見た状態を示した図。 屈曲部の外側の壁面が滑らかになるように屈曲させた形態を示した図。 屈曲部の内側に位置する隅部が丸みを帯びるようにキャビテーション室が形成された形態を示した図。 キャビテーション室に至るまでに流路面積が徐々に減少するように噴孔が形成された形態を示した図。
図1は本発明の一形態に係る燃料噴射弁の先端部分を示した断面図、図2は図1のA部の拡大断面図、図3は図2を矢印III方向から見た状態を示した断面図である。
燃料噴射弁1は内燃機関用の燃料噴射弁として構成されている。燃料噴射弁1は円筒状の弁本体2と、弁本体2の内部に挿入固定されたノズルボディ3と、ノズルボデイ3に形成された弁座5に着座する弁体4とを備えている。ノズルボディ3には、弁座5に繋がっている燃料溜まり6と、その燃料溜まり6に連通する噴孔7とがそれぞれ形成されている。ノズルボデイ3は、互いに別部品である第1部材8と、第2部材9とを有するとともに、これらの部材8、9が組み合わされることにより構成されている。弁体4は不図示のソレノイドを動力源とした不図示の駆動装置によってノズルボデイ3の中心線CLの方向(以下中心線方向と呼ぶ。)に駆動され、弁体4が弁座5から離座することにより噴孔7の流入口10と流出口11との間に圧力差が生じて燃料が外部へ噴射される。
図2及び図3に示すように、噴孔7は流入口10と流出口11との間に位置する屈曲部15にて屈曲している。屈曲部15の内側には流路を拡大させることによりキャビテーション気泡を発生させるためのキャビテーション室16が形成されている。図2に示すように、噴孔7内の燃料の主流Faは屈曲部15の外側を流れつつ屈曲部15で向きを変える。但し、主流Faの流れ方向の変化は、主流Faの流速低下を抑えるため45°以内となっている。キャビテーション室16へ流入した燃料は流路の拡大により剥離を生じ縦渦状の剥離渦Fbを生じ、キャビテーション室16内を旋回する。それによりキャビテーション室16内にキャビテーション泡Bが発生して、その泡Bが主流に合流して燃料に混入する。
図4は図3のIV-IV線に関する断面を示している。図2〜図4から明らかなように、キャビテーション室16はノズルボデイ3の中心線方向と交差する所定方向D1に直線状に延びている。本形態ではその所定方向D1は中心線方向と直交する方向(図3及び図4の左右方向)に設定されている。また、図4に示すように、キャビテーション室16は所定方向D1の奥行き幅Waよりもその方向と直交する方向(図2の左右方向)の最大幅Wmaxの方が小さく形成されていて一様な形状で延びている。これにより、キャビテーション室16の長手方向(所定方向D1)に向かう横流れの生成が抑制されて、キャビテーション室16内の流れが略二次元流れとなるので、図2に示した剥離渦Fbを効率的に形成することができる。しかも、キャビテーション室16の形状が所定方向D1に一様であるのでキャビテーション室16内の横流れの生成を更に抑制でき剥離渦Fbの生成効率が向上する。
図2に示すように、噴孔7は流入口10からキャビテーション室16に至るまでの第1噴孔部21と、キャビテーション室16から流出口に至るまでの第2噴孔部22とを有している。噴孔7とそれよりも流路面積が広い燃料溜まり6との境界は丸みを帯びずに尖っている。このため、その境界において流路が縮小するため、流入口10においても燃料の剥離が生じてキャビテーション泡Bを生成できるから、キャビテーション泡Bのトータルの混入量を増加することができる。噴孔7は、第2噴孔部22の最小流路面積S2が第1噴孔部21の最小流路面積S1よりも大きく形成されている。そのため、キャビテーション泡Bが燃料に混入してから流路が絞られないので、燃料が第2噴孔部22から流出口11に向かう際の流路抵抗を低減できる。
図5は、図2と同様に、ノズルボディ3の中心線方向と平行でかつ所定方向D1と直交する平面でキャビテーション室16を切断した断面図である。この図に示すように、キャビテーション室16は第1噴孔部21及び第2噴孔部22のそれぞれとの境界Ba、Bb間の距離として定義される高さHと、最大幅Wmaxとの比(H/Wmax)が、0.7〜1.5の範囲内に収まるように形成されている。その比が0.7未満であると、高さHに対して最大幅Wmaxが過大であり、その比が1.5を超えていると、高さHに対して最大幅Wmaxが過小であるためである。即ち、高さHと最大幅Wmaxとの差が過大になると、キャビテーション室16の図示の断面が細長い形状になるので剥離渦Fbの回転が阻害される。キャビテーション室16は、断面が円に近い程剥離渦が回転し易くなるので剥離渦を強化できる。本形態は、キャビテーション室16の高さHと最大幅Wmaxとの差が過大でないので、剥離渦Fbの回転を阻害することなくキャビテーション気泡を効率良く生成できる。また、第2噴孔部22は、キャビテーション室16との境界から流出口11に至るまでの長さがキャビテーション室16の最大幅Wmaxの2倍未満に設定されている。その長さが最大幅Wmaxの2倍以上になると、混入したキャビテーション気泡が崩壊して液相に戻ってしまうためである。
また、図5に示すように第1噴孔部21とキャビテーション室16との境界Baにおいて噴孔7の流路幅Wxが1.8〜3倍の範囲内で拡大するように、キャビテーション室16が形成されている。そのため、剥離渦Fbの生成領域及びキャビテーション気泡Bの生成領域をキャビテーション室16内に十分に確保できる。また、第1噴孔部21の中心線方向と境界Baとの成す角は90°以上に設定されている。
図2及び図5に示すように、キャビテーション室16は、その流路面積が第2噴孔部22に至るまでに徐々に減少するように、屈曲部15の内側に位置するキャビテーション室16の壁面16aが屈曲部15の内側に向かって凸の曲面状に形成されている。そのため、キャビテーション室16と第2噴孔部22とが滑らかに接続されるから、キャビテーション室16で生成されたキャビテーション気泡Bがキャビテーション室16内に淀み難くなる。これにより、キャビテーション気泡Bが第2噴孔部22を流れる燃料へ均質に混入することを促進できる。
ノズルボディ3の第1部材8には燃料溜まり6及び第1噴孔部21がそれぞれ形成されており、第2部材9にはキャビテーション室16及び第2噴孔部22がそれぞれ形成されている。第1部材8と第2部材9との合わせ面Pは軸線方向と直交しており、その合わせ面Pは第1噴孔部21とキャビテーション室16との境界として機能している。ノズルボデイ3が一体物ではなく2つの部材8、9に分離していて、それらの合わせ面Pが第1噴孔部21とキャビテーション室16との境界となるので、第1噴孔部21とキャビテーション室16との位置関係を第1部材8及び第2部材9の寸法公差を考慮して予め設計しておくことにより、第1噴孔部21とキャビテーション室16とを組み合わせた際の位置ずれに伴うキャビテーション気泡の生成能力の低下を防止できる。
図6及び図7は、第1部材8及び第2部材9の加工に伴う第1噴孔部21とキャビテーション室16との位置関係のずれを説明する説明図であり、図6は寸法公差を考慮していない場合を、図7は寸法公差を考慮した場合をそれぞれ示している。図6に示すように、第1部材8と第2部材9とを合わせた際に第1噴孔部21が想像線の位置にずれた場合、屈曲部15の外側において第1噴孔部21とキャビテーション室16との間に先細りの段差ができてしまい、その段差によって破線で示すように主流Faの流れが阻害される。それにより、燃料の流速が低下して剥離渦が発生し難い状況となるため、キャビテーション気泡の生成能力が低下する。一方、図7の場合においては、想像線で示すように加工によって図6と同じ量だけ第1噴孔部21がずれてしまっても、設計上の位置関係が加工公差が考慮されて実線で示すように設定されている。つまり、第1噴孔部21がキャビテーション室16の内側にオフセットされて屈曲の外側に先広がりの段差ができる位置関係を設計の基準位置としている。従って、仮に加工公差の影響を受けて位置ずれが生じても図6のように屈曲の外側で先細りの段差ができずに主流Faの流速低下を抑制できるから、第1噴孔部21とキャビテーション室16とを組み合わせた際の位置ずれに伴うキャビテーション気泡の生成能力の低下を防止できる。
以上の形態によれば、キャビテーション気泡を生じさせるためのキャビテーション室16が屈曲した噴孔の屈曲の内側に形成されているため、屈曲部15の外側を流れる主流の速度を落とさずに、キャビテーション室16へ燃料が流入した際に剥離を促進できる。これにより、キャビテーション室16で十分なキャビテーション気泡が生成されるので噴射された燃料の微粒化を促進できる。
但し、本発明は、上記の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々に形態にて実施できる。上記の形態では、キャビテーション室16がノズルボディ3の軸線方向と交差する所定方向に直線状に延びているが、キャビテーション室16が直線状に延びていることは一例にすぎない。例えば、キャビテーション室16が一様な形状を保ちつつ湾曲して延びてもよい。図8は本発明の他の形態に係る燃料噴射弁の要部を示した図である。図9は図8の矢印IX方向から見た状態を示している。図8及び図9に示すように、この形態の燃料噴射弁31は、ノズルボディ32に形成された噴孔33とキャビテーション室34とが軸線方向から見て円弧状に湾曲している。この場合でも、屈曲した噴孔33の屈曲部35の内側にキャビテーション室34が形成され、キャビテーション室34はその形状が一様な状態で延びているため図1〜図4に示した上記形態と同等の効果を発揮できる。
図2に示した屈曲部15の外側の壁面は屈曲部15で角張っているが、これを図10に示すように滑らかにしてもよい。つまり、噴孔7は屈曲部15の外側の壁面40が丸みを帯びるように屈曲してもよい。このように構成することで、屈曲部15の外側を流れる主流Faの流れが滑らかになるため燃料の流速を維持できる。また、図11に示すように、屈曲部15の内側に位置する隅部41が丸みを帯びるようにキャビテーション室16が形成されてもよい。キャビテーション室16で生じた剥離渦Fbの回転がスムーズになるので、その剥離渦Fbの維持が容易になる。
流出口11に至るまでの噴孔7の形状は適宜定めてよいが、例えば、図12に示すように、キャビテーション室16に至るまでに水平方向の幅が徐々に減少するように噴孔7が形成されてもよい。この場合、第1噴孔部21の流路が徐々に絞られてキャビテーション室16に接続される。この形態によれば、水平方向に一様な幅のものと比較してキャビテーション室16に向かう燃料の流れを加速することができるので、キャビテーション室16への燃料の流入速度が速くなり剥離渦Fbの生成が強化される。なお、図10〜図12に示した各形態は図8及び図9の形態にも適用可能である。
以上の説明では、ノズルボディ3が第1部材8と第2部材9とに分割されている形態を説明したが、一体物のノズルボディに上述した形状の噴孔7を形成することもできる。
1、31 燃料噴射弁
3 ノズルボディ
6 燃料溜まり
7 噴孔
8 第1部材
9 第2部材
10 流入口
11 流出口
15 屈曲部
16 キャビテーション室
21 第1噴孔部
22 第2噴孔部
40 屈曲部の外側の壁面
41 隅部
Ba、Bb 境界
H 高さ
CL ノズルボディの中心線
D1 所定方向
Wa キャビテーション室の奥行き幅
Wmax キャビテーション室の最大幅
S1、S2 最小流路面積

Claims (12)

  1. ノズルボディに形成された噴孔から燃料を噴射する燃料噴射弁において、
    前記噴孔は、流入口と流出口との間に位置する屈曲部にて屈曲しており、
    前記ノズルボデイには、流路の拡大により前記噴孔内を流れる燃料にキャビテーション気泡を発生させるためのキャビテーション室が前記噴孔に連通するようにして前記屈曲部の内側に形成されている、ことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記キャビテーション室は、前記ノズルボディの中心線方向と交差する所定方向に直線状に延びている、請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記キャビテーション室は、前記中心線方向から見たときに前記所定方向の奥行き幅よりも前記所定方向と直交する方向の最大幅の方が小さく形成され、かつ前記所定方向に一様な形状で延びている、請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、
    前記中心線方向と平行でかつ前記所定方向と直交する平面で前記キャビテーション室を切断したときに現れる前記第1噴孔部及び前記第2噴孔部のそれぞれとの境界間の距離として定義される高さをHとし、前記最大幅をWmaxとした場合に、H/Wmaxが0.7〜1.5の範囲内となるように、前記キャビテーション室が形成されている、請求項3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、
    前記中心線方向と平行でかつ前記所定方向と直交する平面で前記キャビテーション室を切断したときに現れる前記第1噴孔部と前記キャビテーション室との境界において、前記噴孔の流路幅が1.8〜3倍の範囲内で拡大するように、前記キャビテーション室が形成されている、請求項3に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、
    前記キャビテーション室の流路面積が前記第2噴孔部に至るまでに徐々に減少するように、前記屈曲部の内側に位置する前記キャビテーション室の壁面が前記屈曲部の内側に向かって凸の曲面状に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、前記第2噴孔部の最小流路面積が、前記第1噴孔部の最小流路面積よりも大きく形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記噴孔は、前記キャビテーション室に至るまでに水平方向の幅が徐々に減少するように形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記噴孔は、前記屈曲部の外側の壁面が丸みを帯びるように屈曲している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記キャビテーション室は、前記屈曲部の内側に位置する隅部が丸みを帯びるように形成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  11. 前記ノズルボディには、前記流入口を境界として前記噴孔に連通し、かつ前記噴孔よりも流路面積が広い燃料溜まりが形成されており、前記噴孔と前記燃料溜まりとの境界が尖っている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  12. 前記噴孔は、前記流入口から前記キャビテーション室に至るまでの第1噴孔部と、前記キャビテーション室から前記流出口に至るまでの第2噴孔部と、を有し、
    前記ノズルボデイは、互いに別体の、前記第1噴孔部が形成された第1部材と、前記キャビテーション室及び前記第2噴孔部が形成された第2部材とが、組み合わされることにより構成されており、前記第1部材と前記第2部材との合わせ面が、前記第1噴孔部と前記キャビテーション室との境界として機能している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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