JP2010174644A - 内燃機関の点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重放電期間中に安定した燃焼を実現できる内燃機関の点火装置を得る。
【解決手段】2次側に点火プラグ8が接続された点火コイル5と、点火プラグ8に流れる電流を測定する電流検出手段9と、点火コイル5の1次側の一端と直流電源1の間に設けられたエネルギ蓄積コイル2と、前記一端とアース間に設けられた第1のスイッチ手段3と、点火コイル5の1次側に接続された第2のスイッチ手段7と、燃焼行程において電流検出手段9で測定された電流信号が正極性となるフライバック期間と負極性となるフォワード期間が交互に現れるように、第1、第2のスイッチ手段3、7のオン/オフ制御を行う制御手段10とを備え、制御手段10は、フライバック期間とフォワード期間における電流信号の各積分値の絶対値の差よりも、次の燃焼行程における両者の差の方が小さくなるように、次の燃焼行程における両期間を定める。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の点火装置に係り、特に1回の燃焼行程内で点火プラグに点火放電を複数回生じさせるものに関するものである。
内燃機関の燃焼状態を良好なものにするために、1回の燃焼行程内で点火プラグに点火放電を複数回生じさせる、いわゆる多重放電点火装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、エネルギ蓄積コイルとエネルギ蓄積コイルに接続された第1のスイッチ手段とが設けられ、点火コイルの1次側コイルにエネルギ蓄積コイルと点火開始用コンデンサ、及び第2のスイッチ手段が接続されるとともに、点火コイルの2次側コイルに点火プラグが接続される構成が開示されている。
そして、第1及び第2のスイッチ手段を交互にオン/オフすることにより、エネルギ蓄積コイルのエネルギの蓄積と放出とが繰返し行われるとともに、点火コイルの2次側に正負に極性の反転する電流(以下、放電電流と呼ぶ)が繰返し流れて多重放電が行われる。この多重放電に際し、電流検出手段により検出した放電電流の絶対値が所定の放電維持電流にまで低減するたびに第1及び第2のスイッチ手段のオン/オフ切り替えを実施することにより、所定期間にわたる多重放電を継続しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−211631(5−8頁、図1−2)
点火プラグでの放電により燃料ガスに付与される放電エネルギは、放電電流と点火プラグのギャップ電圧との積の時間積分値であるが、燃料の圧縮比と点火プラグの放電ギャップ長を一定に保てば放電期間中のギャップ電圧はほぼ一定となるため、結局放電エネルギは放電電流の積分値の絶対値に比例することとなる。前述のとおり、放電電流は正負に極性が反転して多重放電が維持されるが、内燃機関において多重放電期間中の燃料の燃焼を安定にするには、正負各極性の状態における燃料ガスに付与される放電エネルギの時間的な変動を小さくしなければならない。すなわち、放電電流の積分値の絶対値を正極性、負極性の各々の期間においてバランスさせることが重要である。
放電電流は点火開始用コンデンサと点火コイルの漏れインダクタンスの共振により、高調波のサージ電流が重畳した共振波形となっている。従来の点火装置においては、放電電流の瞬時値のみを観測して第1及び第2のスイッチ手段のオン/オフ切り替えを行っていたため、上記サージ電流の影響で放電電流の絶対値が一瞬でも放電維持電流を下回った場合には、放電電流の極性が反転してしまうこととなり、正極側と負極側の放電エネルギが著しく非対称になり放電エネルギが時間的に大きく変動する場合もあり、内燃機関において安定した燃焼を実現できないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、点火コイルの2次側電流に高調波のサージ電流が重畳した共振波形であっても、多重放電期間中に安定した燃焼を実現することができる内燃機関の点火装置を提供することを目的とする。
この発明に係る内燃機関の点火装置は、2次側に点火プラグが接続された点火コイルと、
点火プラグに流れる電流を測定する電流検出手段と、点火コイルの1次側の一端と直流電源の間に設けられたエネルギ蓄積コイルと、前記一端とアース間に設けられた第1のスイッチ手段と、点火コイルの1次側に接続された第2のスイッチ手段と、燃焼行程において電流検出手段で測定された電流信号が正極性となるフライバック期間と負極性となるフォワード期間が交互に現れるように、第1のスイッチ手段と第2のスイッチ手段のオン/オフ制御を行う制御手段とを備えている。
また、制御手段は、電流信号についての前記フライバック期間とフォワード期間とにおける各積分値の絶対値の差よりも、電流信号についての次の燃焼行程におけるフライバック期間とフォワード期間とにおける各積分値の絶対値の差の方が小さくなるように、次の燃焼行程のフライバック期間とフォワード期間とを定めることを特徴とする。
この発明に係る内燃機関の点火装置によると、フライバック期間とフォワード期間における放電電流の各積分値の絶対値の差を小さくする、すなわち両期間における燃料ガスに付与される放電エネルギの時間的変動を小さくするように第1と第2のスイッチ手段を制御することができるため、多重放電期間中に安定した燃焼を実現することができる。
本発明の実施の形態1による内燃機関の点火回路を示す構成図である。 本発明の実施の形態1による内燃機関の点火回路の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1による内燃機関の点火回路における電流波形とデューティとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態2による内燃機関の点火回路を示す構成図である。 本発明の実施の形態3による内燃機関の点火回路を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における内燃機関の点火装置の構成を示す図である。
本図において、バッテリやDC/DCコンバータなどの直流電源1には、エネルギ蓄積コイル2の一端が接続されており、このエネルギ蓄積コイル2の他端には、第1のスイッチ手段3が接続されている。エネルギ蓄積コイル2のこの他端には、さらにダイオード4を介して点火コイル5の1次側の一端からの配線も接続されており、点火コイル5の1次側の一端には点火開始用コンデンサ6の一端も接続され、点火開始用コンデンサ6の他端はアースに接続されている。また、点火コイル5の1次側の他端には、第2のスイッチ手段7が接続されているが、この第2のスイッチ手段7は点火コイル5の1次側の一端とダイオード4間に直列に接続されるものであってもよい。ここで第1のスイッチ手段3、第2のスイッチ手段7には、IGBTやFET、バイポーラトランジスタなどが使用可能である。
点火コイル5の2次側の一端には点火プラグ8が、他端には電流検出手段9が接続されている。電流検出手段9は、点火コイル5の2次側に流れる電流、すなわち点火プラグ8に流れる放電電流Iを検出するためのものであり、電流検出抵抗や、ホール素子を用いた電流検出器、カレントトランスなどを用いることができる。
制御手段10は、図示しない電子制御ユニット(ECU)などの外部回路より入力される点火指令信号(Cont1、Cont2)、多重放電信号(Cont3)や、電流検出手段9から出力される点火コイル5の2次側の放電電流信号に基づき、第1のスイッチ手段3及び第2のスイッチ手段7のオン/オフのタイミングを制御している。点火指令信号は、複数の信号線、又は1本の信号線により制御手段10に対して入力され、点火準備信号Cont1及び点火期間信号Cont2が含まれる。
この制御手段10は、電流検出手段9より入力された電流信号を積分する積分器11、この積分結果に対してPI制御等を行って値を調節する調節器12、三角波等のキャリア信号を発生するキャリア信号発生器13、キャリア信号発生器13からのキャリア信号と調節器12からの信号を比較して多重放電期間における第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段7のオン/オフのタイミング信号を生成するPWM(Pulse Width Modulation)コンパレータ14、及びPWMコンパレータ14で生成されたタイミング信号を点火準備信号Cont1、点火期間信号Cont2、及び多重放電信号Cont3に従って、第1のスイッチ手段3及び第2のスイッチ手段7に出力するタイミング制御回路15より構成される。
次に、図1に示した回路における各部の基本的な動作について、図2に示す点火動作全体の動作シーケンスに基づき説明する。
このグラフにおいて、GS1、GS2は、タイミング制御回路15で生成された第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段7のオン/オフを制御するゲート信号であり、Vは点火開始用コンデンサ6の充電電圧、Iはエネルギ蓄積コイルに流れる電流、IT1は点火トランス5の1次側電流、Iは放電電流を各々示す。
点火開始用コンデンサ6は初期状態(時刻t1)において、電圧VC1が充電されているとする。時刻t1にて点火準備信号Cont1が立ち上がると、GS1がオンとなるが、GS2はオフのままを保つ。直流電源1の電圧が、エネルギ蓄積コイル2の両端に印加されることになるため、エネルギ蓄積コイル2の電流I、及びこれに蓄えられるエネルギ(エネルギ蓄積コイルのインダクタンスをLeとすると、1/2Le・I )が増大する。
時刻t2にて、点火準備信号Cont1が立ち下がり、点火期間信号Cont2が立ち上がると、第1のスイッチ手段3(GS1)がオフ、第2のスイッチ手段7(GS2)がオンすることにより、点火開始用コンデンサ4の初期電圧VC1が点火コイル5の1次側に印加され、同時に2次側にも高電圧が発生する。これによって、点火プラグ8に高電圧が印加され、点火放電が開始する。
例えば、点火開始コンデンサ6の初期電圧をVC1=300V、点火コイル5の1次側巻数をNp、2次側巻数をNsとし、巻数比Nr=Ns/Np=100とすると、点火コイル5の2次側に30kVの電圧を発生させることができる。実際には、点火コイル5の漏れインダクタンスと浮遊静電容量によるLC共振により、点火プラグ8にはさらに高い、35〜40kVの電圧が瞬間的に印加されることとなる。この電圧を利用して、点火プラグ8において点火放電を開始させることができる。
点火開始コンデンサ6からの放電に引き続いて、エネルギ蓄積コイル2に流れていた電流Iが点火コイル5の1次側に流れるようになると、点火コイル5をトランスの等価回路で表現した場合における励磁インダクタンスLに電流Iが蓄積されると共に、点火コイル5の2次側には
(I−I)/Nr (式1)
の電流を流すことができる。上記のように励磁インダクタンスLに電流Iを蓄積する動作のことをフォワード動作と呼び、このフォワード動作を行う期間のことを「フォワード期間」と呼ぶ。
ここでエネルギ蓄積コイル2に流れる電流Iの変化は、その両端に印加されるVとすると、dI/dt=V/Leで表されるが、Leを十分に大きくすることにより、頻繁に極性が反転するIT1と比較して、電流Iの変化を十分小さくすることができる。すなわち、エネルギ蓄積コイル2、第1のスイッチ手段3、ダイオード4による回路は定電流特性を有し、断続的に出力可能な電流源と見なすことができる。
前述のとおり、励磁インダクタンスLにエネルギ蓄積コイル2からの電流Iが流れ込むことによりIは緩やかに増大し、前述のとおりIはほぼ一定と見なすことができるため、(式1)に従って、点火コイル5の2次側に接続された点火プラグ8には緩やかに減少する所定の放電電流Iを流すことができる。ここで、放電を開始した後の点火プラグ8には、燃料の圧縮比と点火プラグの放電ギャップ長で決まるほぼ一定電圧(典型的には1kV程度)が印加されることとなる。
時刻t2からt3までの期間にエネルギ蓄積コイル2のエネルギが放出され、エネルギ蓄積コイル2の電流Iは徐々に減少する。放出されたエネルギは、点火プラグ8における放電エネルギとして使用されるほか、点火コイル5の励磁インダクタンスLの励磁エネルギとして蓄積され、また、一部は回路の寄生抵抗成分によって消費される。
時刻t3のタイミングは、多重放電期間信号Cont3が立ち上がる時刻となるが、このCont3はECUなど外部回路から与えてもよいし、タイミング制御回路15で生成してもよい。タイミング制御回路15で生成する場合、時刻t2から時刻t3までの時間を、あらかじめ定められた所定の時間としてもよいし、放電電流Iを測定して、その絶対値が所定の値まで下がった時刻をt3と定めてもよい。
時刻t3にて、第1のスイッチ手段3(GS1)をオン、第2のスイッチ手段7(GS2)をオフすることにより、再びエネルギ蓄積コイル2にエネルギを蓄積する。このとき、点火コイル5の1次側電流IT1が遮断されるので、点火コイル5の励磁インダクタンスLに流れていた励磁電流Iは、2次側巻線から出力され、点火プラグ8には、t2〜t3の期間に流れていた電流とは逆極性の電流Iが流れる。
このときの電流値は、励磁電流の2次側換算値、すなわち
−(I−I)/Nr (式2)
である。ここで点火コイル5の動作に着目し、t3〜t4の期間は点火コイル5の励磁インダクタンスLに蓄積された励磁電流Iを放出する、いわゆるフライバック動作を行う期間であるので、「フライバック期間」と呼ぶこととする。
時刻t4にて、第1のスイッチ手段3(GS1)をオフ、第2のスイッチ手段7(GS2)をオンすることにより、時刻t4〜t5では時刻t2〜t3の期間におけるフォワード動作と同じ動作が行われる。ただし、点火開始用コンデンサ6は既に放電されているため、t2〜t3の期間とは異なり、点火プラグ8に高電圧を印加する動作は行われない。時刻t5にて、第1のスイッチ手段3(GS1)をオン、第2のスイッチ手段7(GS2)をオフすることにより、時刻t5〜t6では時刻t3〜t4の期間におけるフライバック動作と同じ動作が行われる。時刻t6以降についても、同様である。
以上のように、多重放電期間とは、第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段7を交互にオン/オフすることにより、点火コイル5の2次側に極性の反転する放電電流Iを連続して流し、点火プラグ8に放電エネルギを供給する期間のことである。ただし、前述のとおり放電開始直後のt2〜t3の期間は点火開始用コンデンサ6の放電の影響により、他のフォワード区間とIの波形が異なるためこの部分は除外し、図2においてはt3〜t9までの区間を多重放電期間と呼び、この期間に多重放電信号Cont3はオン状態となっている。
時刻t9〜t10の期間に、エネルギ蓄積コイル2の電流Iは増大しエネルギが蓄積される。時刻t10のタイミングは、点火期間信号Cont2が立ち下がる時刻となるが、時刻t9〜t10の時間をあらかじめ定められた所定の時間としても良いし、エネルギ蓄積コイル2に流れる電流Iを検出して、所定の値までIが低下する時刻をt10として定めても良い。
時刻t10にて、エネルギ蓄積コイル2へのエネルギの蓄積が終了し、第1のスイッチ手段3(GS1)、第2のスイッチ手段7(GS2)ともにオフする。すると、エネルギ蓄積コイル2に蓄積されたエネルギが、点火開始用コンデンサ6に流れ込み、点火開始用コンデンサ6が初期電圧と同じ値(VC1)に充電され、燃焼行程における一連の動作が完結する。
次に、フライバック期間に点火プラグ8に供給される放電エネルギと、フォワード期間に点火プラグ8に供給される放電エネルギとの差を小さくする制御方法について説明する。
多重放電期間中は、前述のとおり点火コイル5の2次側にはフライバック期間とフォワード期間とで極性反転する放電電流Iが流れ、点火プラグ8に放電エネルギを供給している。先に説明した通り、燃料の圧縮比と点火プラグ8の放電ギャップ長を一定に保てば、放電開始後の点火プラグ8に発生する電圧を一定に保つことができるため、フライバック期間に流れる正極性の放電電流の積分値の絶対値とフォワード期間に流れる負極性の放電電流の積分値の絶対値との差を小さくすることができれば、両期間における放電エネルギの差も小さくすることができる。このことにより、両期間における燃料ガスに付与される放電エネルギの時間的変動を小さくでき、多重放電期間中に安定した燃焼を実現することができる。
そこで、まず電流検出手段9により、多重放電期間中の点火プラグ8に流れる放電電流Iを測定する。
電流信号は積分器11に送られ多重期間信号Cont3がオンとなっている期間中のみ積分を行う。フライバック期間とフォワード期間の各々の期間における電流は互いに逆極性であるため、この積分により両期間における電流積分値の絶対値の差を得ることができる。積分器11にはオペアンプで構成した積分回路とホールド回路を組み合わせたものや、ロジック回路やマイクロプロセッサを用いCont3信号がオンとなっている期間のみ電流信号を加算する方式のものなどを用いることができる。
ある燃焼行程において求められたフライバック期間とフォワード期間の各期間における電流積分値の絶対値の差分に基づいて、次の燃焼行程における電流積分値の絶対値の差分が前の燃焼行程におけるものより小さくなるようにフライバック期間とフォワード期間の各タイミングを定めることができるように、制御手段10はフィードバック制御系として構成されている。
積分器11による積分結果は調節器12に送出されるが、この調整器12においては、上記フィードバック制御系において複数回の燃焼行程を経るにつれて電流積分値の絶対値の差分が安定的に収束するように、制御系のタイプ(比例[P]/積分[I]/微分[D])の選定又は組み合わせ、及びこの制御系における各制御定数(ゲイン、時定数)が適宜定められたものが用いられる。
上記調整器12からの出力信号はキャリア信号発生器13から出力されるキャリア信号とPWMコンパレータ14において比較され、多重放電期間中における第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段7のオン/オフのタイミングが定められる。タイミングの定め方については、以下に説明する。
図3に放電電流Iの大きさと、フライバック期間及びフォワード期間の長さとの関係を示す。ここで、フライバック期間1回分の時間をTとフォワード期間1回分の時間をTとしたとき、周期TをT=T+Tにより定義しこれを固定値とする。更にデューティDをD=T/Tと定義する。
例えば図3の(b)に示すように、D=50%にて多重放電させた時に、期間Tの電流積分値の絶対値の総和と期間Tの電流積分値の絶対値の総和が等しかったとする。この条件から、図3の(a)のようにTの長さを長く、すなわちデューティDを上げると、期間Tにおけるエネルギ蓄積コイル2から励磁インダクタンスLに流れ込む電流が増え、点火コイル5に蓄えられるエネルギが増加するため、次の期間Tの電流Iのピーク値は大きくなる。一方、周期Tが固定されているためTが長くなった分Tは短くなり、その間に点火コイル5で減少する電流量も小さくなるので、次の期間Tにおける電流Iのピーク値は小さくなる。
図3の(c)に示すように、Tの長さを短く、すなわちデューティDを小さくすると、前述とは逆の結果になる。
すなわち、負極性の電流Iによる放電エネルギ(フォワード期間のエネルギ)を増大させたい時は、デューティ(フォワード期間の割合)を増やすのではなく、逆に減らさなければならないことを見出した。
上記知見に基づき、本発明においては下記のとおりフライバック期間とフォワード期間とを定めるように制御する。
例えば、フォワード期間の電流積分値の絶対値がフライバック期間の電流積分値の絶対値よりも大きかった場合、すなわち積分器11からの出力が負である場合には、次の燃焼行程において両積分値の差が小さくなるようにデューティを上げ、フォワード期間が長くなるようにタイミングを設定する。
逆にフォワード期間の電流積分値の絶対値がフライバック期間の電流積分値の絶対値よりも小さかった場合、すなわち積分器11からの出力が正である場合には、次の燃焼行程において両積分値の差が小さくなるようにデューティを下げ、フォワード期間が短くなるようにタイミングを設定する。
タイミング制御回路15では、点火指令信号(Cont1、Cont2)、多重放電信号Cont3、及びPWMコンパレータ14の出力に基づいて、全期間における第1のスイッチ手段3、第2のスイッチ手段7のオン/オフのタイミング信号を生成し、各スイッチにゲート信号GS1、GS2を送出する。
上記に示した手順により、フライバック期間とフォワード期間を定めることにより、燃焼行程を繰り返せば両期間における電流積分値の絶対値の差を小さい値に収束できるが、エンジン始動時にはこのような繰り返し制御を経ていないため、両期間は最適化されていない。そこでまずはデューティを50%としておくことにより、両期間における電流積分値の絶対値の差を比較的小さいものとすることができる。
あるいは、制御回路10に備えた不揮発性のメモリまたは電子制御ユニット(ECU)などの外部回路にエンジン動作時または停止直前のデューティ情報を記録しておき、一度エンジンを停止した後、再度エンジンを始動させる際に、記録したデューティを読み出して初期値として利用しても良い。このようにデューティの初期値を設定することにより、エンジンスタート直後からすぐに燃焼を安定化させることが可能となる。
以上のように、点火コイル5の2次側電流についてフライバック期間とフォワード期間の各期間における電流積分値の絶対値の差に基づいて、次の燃焼行程においてこの差が小さくなるように第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段7のタイミングを制御することにより、両期間における燃料ガスに付与される放電エネルギの時間的変動を小さくでき、多重放電期間中に安定した燃焼を実現することができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2における内燃機関の点火装置の構成を示す。実施の形態1との相違点は、制御手段16において、極性分離回路17を設け電流検出手段9から入力された電流信号を正極性と負極性に分離を行い、積分器18を正極性(フライバック期間)用のものと負極性(フォワード期間)用のものと2回路有するものとし、この積分器18からの2つの出力が入力され、フライバック期間とフォワード期間における電流積分値の絶対値の差を求める比較器19を設け、調整器20においては各電流積分値の絶対値の差だけでなく、各電流積分値そのものも用いて各制御定数を定めるようにした点である。
その他の構成、及び動作については、実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
本実施の形態によるとフライバック期間、フォワード期間の両積分値に対する両期間の積分値の絶対値の差の比率を把握でき、これに基いて調整器20においてより適切に制御定数を定めることができるため、実施の形態1と同じ効果を奏することに加えて、実施の形態1に比較して制御系の収束安定性を高める、又は収束速度を速めることができるという効果がある。
実施の形態3.
1回の燃焼行程内で点火プラグに点火放電を複数回生じさせる多重放電型点火装置においては、トータルの放電エネルギが小さすぎると点火が起こらない、又は安定的に点火が継続しないという問題があり、逆に大きすぎると放電エネルギの無駄になり、点火プラグに与えるダメージも大きくなることになることから、放電エネルギには最適値が存在する。
点火装置を設けたエンジンの燃焼試験において、エンジン回転速度、アクセル操作量に対して、多重放電期間の長さを変化させながら燃焼室内における燃焼状況を観察し、適正な燃焼状態が確保できる最低限の放電エネルギを実験的に求めることにより、上記放電エネルギの最適値を得ることができる。
そこで、本実施の形態3においては、電子制御ユニット(ECU)などの外部回路に、あらかじめエンジンの回転速度やアクセル操作量に対応した最適放電エネルギの値を記録しておき、実際のエンジン回転速度やアクセル操作量に基づいて、放電エネルギが最適値となるように多重放電期間の長さを調節することとした。
図5は本発明の実施の形態3における内燃機関の点火装置の構成を示す。実施の形態2との相違点は、制御手段21において、フライバック期間とフォワード期間における電流積分値の絶対値の総和を求める加算器22を設け、ECU23で求められた放電エネルギ最適値に基づき多重放電期間を定める多重放電期間制御回路24を備えたことである。
次に動作について説明する。制御手段21において、極性分離回路17で正極性と負極性に分離された電流信号を、積分器18に設けられた正極性用のものと負極性用のものと2種類の回路で積分し、この両積分値の絶対値の差、及びこの両積分値そのものに基づいて次の燃焼行程におけるフライバック期間とフォワード期間を定めるところまでは実施の形態2と同じである。このことにより燃焼行程を繰り返せばフライバック期間とフォワード期間における電流積分値の絶対値の差を小さい値に収束させることができる。
本実施の形態では、両積分値の絶対値の総和も加算器22において求める。ECU23には、エンジンの燃焼行程1サイクル(t1〜t10)が終了した時刻t10におけるエンジン回転速度とアクセル操作量が入力される。ECU23には前述した実験により求められたエンジン回転速度やアクセル操作量に対する放電エネルギ最適値のデータベースが備えられているため、これを用いて放電エネルギ最適値、すなわち電流積分値の絶対値の総和の最適値(以下、最適電流積分値とする)が求められ、多重放電期間制御回路24に送出される。
次の燃焼行程が開始するまでに、多重放電期間制御回路24ではECU23から入力された最適電流積分値と、加算器22から入力された前の燃焼行程における電流積分値の絶対値の総和とが比較され、後者の値が前者の値に近くなるように多重放電信号の長さを調整する。例えば、加算器22から入力された信号の方が、ECU23から入力された最適電流積分値よりも小さい場合には、多重放電回数が不足しているということであるから、多重放電制御回路24は多重放電期間を長くするように多重放電信号Cont3を変更する。逆に、加算器22から入力された信号の方が、ECU23から入力された最適電流積分値よりも大きい場合には、多重放電回数が過剰であるということであるから、多重放電制御回路24は多重放電期間を短くするように多重放電信号Cont3を変更する。
以上、本実施の形態によると実施の形態1及び2に示したのと同じ効果を奏することに加えて、エンジン回転速度やアクセル操作量に応じた最適な放電エネルギを点火プラグに供給することができるため、点火回路における消費電力を低減できると同時に点火プラグの磨耗を防ぐという効果を奏する。
1 直流電源
2 エネルギ蓄積コイル
3 第1のスイッチ手段
5 点火コイル
7 第2のスイッチ手段
8 点火プラグ
9 電流検出手段
10 制御手段
16 制御手段
17 極性分離回路
18 積分器
19 比較器
21 制御手段

Claims (4)

  1. 2次側に点火プラグが接続された点火コイルと、
    前記点火プラグに流れる電流を測定する電流検出手段と、
    前記点火コイルの1次側の一端と直流電源の間に設けられたエネルギ蓄積コイルと、
    前記一端とアース間に設けられた第1のスイッチ手段と、
    前記点火コイルの1次側に接続された第2のスイッチ手段と、
    燃焼行程において前記電流検出手段で測定された電流信号が正極性となるフライバック期間と負極性となるフォワード期間が交互に現れるように、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段のオン/オフ制御を行う制御手段と
    を備えた内燃機関の点火装置であって、
    前記制御手段は、前記電流信号についての前記フライバック期間とフォワード期間とにおける各積分値の絶対値の差よりも、前記電流信号についての次の燃焼行程におけるフライバック期間とフォワード期間とにおける各積分値の絶対値の差の方が小さくなるように、次の燃焼行程のフライバック期間とフォワード期間とを定める
    内燃機関の点火装置。
  2. 制御手段は、
    フライバック期間の電流信号の積分値の絶対値がフォワード期間の前記電流信号の積分値の絶対値よりも大きい場合には、次の燃焼行程のフライバック期間を長くするように制御し、
    前記フライバック期間の前記電流信号の積分値の絶対値が前記フォワード期間の前記電流信号の積分値の絶対値よりも小さい場合には、次の燃焼行程のフライバック期間を短くするように制御することを特徴とする
    請求項1に記載の内燃機関の点火装置。
  3. 制御手段は、
    フライバック期間の電流信号とフォワード期間の電流信号とに分離する極性分離回路と、
    前記電流信号についての前記フライバック期間と前記フォワード期間とにおける各積分値を算出する積分器と、
    前記各積分値の絶対値の差を求める比較器と、
    前記各積分値と前記差に基づいて、次の燃焼行程におけるフライバック期間とフォワード期間とを定めるタイミング制御回路と
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の点火装置。
  4. 制御手段は、
    多重放電期間における電流信号の絶対値の積分値の総和と最適電流積分値との差よりも、次の燃焼行程の多重放電期間における電流信号の絶対値の積分値の総和と最適電流積分値との差の方が小さくなるように、次の燃焼行程の多重放電期間を定めることを特徴とする
    請求項3に記載の内燃機関の点火装置。
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