JP2010173725A - 液体噴出容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ20の上端部のうち、少なくとも第2縦溝31が位置する部分を含む一部は、着脱可能な分割部72により構成され、この分割部72において第2縦溝31の内面を構成する部分に分離可能にボール71が連結されこれらの分割部72およびボール71が一体に成形されたシリンダ構成部材73を、プランジャ60がその上部を残して下部だけ差し込まれたシリンダ20の上端部に、ボール71がプランジャ60の案内溝70内に位置するように装着した状態で、プランジャ60をさらにシリンダ20内に進入させることで案内溝70の上壁面70cによりボール71を下方に押し込ませ、ボール71をシリンダ構成部材73から分離することによって、ボール71が案内溝70と第2縦溝31との間に配設されている。
【選択図】図7
Description
また、プランジャの外周面には、周方向に間隔をあけて配置された複数の第1縦溝、および上下方向に傾斜する一方向に沿って延在し周方向で隣り合う各第1縦溝の上端と下端とを連結する傾斜溝を有する案内溝が形成されるとともに、シリンダの内周面には、上方に向けて開口する第2縦溝が形成されている。そして、前記変換機構は、案内溝、第2縦溝、およびこれらの案内溝と第2縦溝との間に回転自在に配設されたボールを備えている。
ところで、この種の液体噴出器においては一般に、案内溝と第2縦溝との間にボールを配設するに際し、シリンダ内にプランジャをその上部を残して下部だけ差し込み、かつシリンダおよびプランジャの相対的な周方向位置を、第1縦溝と第2縦溝とが径方向で互いに対向するように合わせた状態で、シリンダの上端部から第1縦溝と第2縦溝との間にボールを滑落させていた。
したがって、ボールを案内溝と第2縦溝との間に配設するに際し、ボールがシリンダの外側にこぼれ落ちることなどを抑制することが可能になり、組み立てが煩雑になるのを抑えることができる。
本実施形態に係る液体噴出容器1は、図1から図4に示されるように、口部11を有する容器本体12と、下端の吸込み口21aが口部11から容器本体12内に挿入されて容器本体12に固定されたシリンダ20と、シリンダ20に回動可能に取り付けられた回動環40と、回動環40に取り付けられるとともに、上部に吐出弁51が設けられ下部開口がシリンダ内20に位置する吐出管50と、シリンダ20の吸込み口21aに配設され該シリンダ20内への流入を許容しかつ該シリンダ20外への流出を阻止する吸込弁29と、シリンダ20内に配置されるとともに吐出管50に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられスプリング(付勢機構)47により下方に付勢された筒状のプランジャ60と、回動環40とプランジャ60との間に設けられ回動環40のシリンダ20に対する回転動作をプランジャ60のシリンダ20に対する上昇動作に変換する変換機構と、吐出弁51に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁51を開弁させて噴出ノズル56aから内容液を噴出可能な噴出ヘッド56と、を備えている。
容器本体12は、内部に内容液が充填される胴部14を備えた有底筒状に形成されるとともに、前記口部11の外周面に雄ねじ部が形成されている。
ねじ筒部25の内周面には雌ねじ部が形成されており、ねじ筒部25が容器本体12の口部11に螺着されることにより、シリンダ20が容器本体12に装着されている。なお、口部11の上端開口縁とシリンダ20との間にはパッキン13が配設されている。
第1筒部21の内側が前記吸込み口21aになっていて、第1筒部21には下端が容器本体12の底部近傍に位置する吸込管28の上端部が嵌着されている。
吸込弁29は弁座部26に当接離反可能に設けられ、吸込弁29が弁座部26に着座して閉弁となり、弁座部26から上方に離反して開弁となる。
なお、第2筒部22の内側には筒状のスリーブ30が固定されており、このスリーブ30は、後述する加圧室93内への内容液の吸引時や噴出時等の別を問わず常に動かず、シリンダ20の一部を構成している。
回動環40は上端にネック筒部41を有しており、ネック筒部41の下部に、吐出弁51とともに吐出管50が固定され、ネック筒部41に前記噴出ヘッド56が外嵌されている。
噴霧ヘッド56の外周面に形成された噴出ノズル56aは、噴出ヘッド56内に形成された通路を通して出口管53内に連通している。
なお、ダンパシート65cは、例えばニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、熱可塑性エラストマー若しくはウレタン等の軟材質で形成されている。
スカート部62は、下筒部63内に嵌合された支持筒部66と、支持筒部66の下端縁から下方に向かうに従い漸次拡径された脚筒部67と、これらの両筒部66、67の接続部分から下方に向けて延びる押さえ部材68と、を備えている。
以下、シリンダ20と吸込弁29と吐出管50とプランジャ60のスカート部62とによって囲まれた空間を加圧室93という。
押さえ部材68は、周方向に間隔をあけて複数配設されている。そして、図1に示されるように、プランジャ60がシリンダ20内の最下端位置に位置したときに、押さえ部材68が吸込弁29を上方から押さえて弁座部26との間で挟み込むことで、吸込み弁29を閉弁するようになっている。
そして、この案内溝70と前述したシリンダ20の第2縦溝31とによりボール71が回転自在に径方向に挟み込まれている。
中継部材42は、前記軸線Oと同軸に配設されたリング状の頂板部46と、頂板部46の外周縁に下方に向けて延設された外側下延筒部43と、頂板部46の内周側部分に下方に向けて延設された内側下延筒部44と、頂板部46の上面に立設された上延筒部45と、を備えている。
頂板部46において上延筒部45よりも径方向の外側に位置する部分には、上下方向に貫通する空気孔46aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。
外側下延筒部43の内周面には、シリンダ20における第4筒部24の突起24aにアンダカット嵌合する突起43aが突設されている。
内側下延筒部44は、プランジャ60の前記上筒部64内に配置され、プランジャ60の上下動に伴って上筒部64内に対して相対的に進退移動するようになっている。また、内側下延筒部44の外周面には、上下方向の全長にわたって延びる歯部が全周にわたって形成されており、この歯部が、プランジャ60の前記上筒部64の内周面に、上下方向の全長にわたって延在しかつ全周にわたって形成された歯部に噛合うことによって、中継部材42およびプランジャ60の前記軸線O回りの相対的な回転移動を規制している。
ここで、回動環40において上下方向の中間に位置する中間部分の内面には、上下方向に延びる噛合筒48が延設されており、この噛合筒48の内周面に、上下方向の全長にわたって延びる歯部が全周にわたって形成されている。
そして、噛合筒48内に上延筒部45が挿入されて、噛合筒48の歯部と上延筒部45の歯部とが互いに噛合うことによって、中継部材42および回動環40の前記軸線O回りの相対的な回転移動を規制している。
以上より、回動環40を前記軸線O回りに回転させると、その力が中継部材42を介してプランジャ60に伝達されることで、プランジャ60も前記軸線O回り回転するようになっている。
この際、ボール71が、第1縦溝70bの上端からこの第1縦溝70bに周方向で隣り合う他の第1縦溝70bの下端に向けて傾斜溝70aに沿って移動することで、プランジャ60が、中継部材42との間でスプリング47を上下方向に圧縮変形させながらシリンダ20に対して上昇させられる。
以上より、前記変換機構は、中継部材42、案内溝70、第2縦溝31およびボール71を備えている。なお、本実施形態では、プランジャ60をシリンダ20に対して上昇させるために回動環40を前記軸線O回りに回転させる方向が、容器本体12の口部11における雄ねじ部とシリンダ20のねじ筒部25における雌ねじ部とを締め込む方向と一致している。
シリンダ20とプランジャ60との間には、等圧弁80を間に挟んで下側に液圧逃がし通路91が形成され、上側に空気流入通路92が形成されている。
空気流入通路92は、プランジャ60の駆動筒部61とシリンダ20の第4筒部24との間の隙間、案内溝70、シリンダ20の第2縦溝31、中継部材42の空気孔46a等を通して容器外に連通し、大気を導入できるようになっている。
吐出弁51については、噴出ヘッド56を押し下げない限り、閉弁状態に維持される。
ボール71は、プランジャ60の第1縦溝70bの上端に位置している。
この際、押さえ部材68が吸込弁29から上方に離反することで吸込弁29が開弁可能となる。また、プランジャ60がシリンダ20内の最下端位置から上昇して、プランジャ60のテーパー筒部67aがスリーブ30の内周面に液密状態で摺接すると、加圧室93が負圧となり、この負圧によって吸込弁29が弁座部26から上方に離反して開弁し、その結果、容器本体12内の内容液が吸込管28を通り吸込み口21aから加圧室93内に流入する。
また、液圧逃がし通路91と空気流入通路92とは等圧弁80によって遮断された状態に保持される。
さらに、内容液の容器本体12内から加圧室93内への流入に伴い、容器本体12内は減圧されて負圧になり、この負圧によって等圧弁80がスリーブ30の外周面およびプランジャ60の外周面から離反して開弁し、空気流入通路92および液圧逃がし通路91を介して外気が等圧孔27から容器本体12内に導入される。
これにより、内容液の加圧室93内への吸引は終了し、吸込弁29が弁座部26に着座して吸込弁29は閉弁する。なお、吐出弁51が閉弁されている限り加圧室93は密閉空間となるので、スプリング47の弾性復元力がプランジャ60に作用していても、内容液が加圧されることによりこのままではプランジャ60が下降することはない。
分割部72は、図6および図7に示されるように、第4筒部24の上端部において突起24aよりも上方に位置する上端縁部24bにおける内半径および外半径と同等の曲率半径を有し、かつ周方向に間隔をあけて配設された2つの主部72aと、周方向に沿って延在し2つの主部72a同士を連結する連結部72bと、を備えている。主部72aの両周端部にはそれぞれ、径方向の外側に向かうに従い漸次、周方向に沿った主部72aの外側に向けて突出する第1突出部72cおよび第2突出部72dが各別に設けられている。これらの突出部72c、72dのうち、周方向に沿った分割部72の内側に位置する第1突出部72cに連結部72bが接続され、周方向に沿った分割部72の外側に位置する第2突出部72dにおいて分割部72の周端面を構成する表面は第2縦溝31の内面の一部を構成している。
一方、シリンダ20およびプランジャ60の相対的な周方向位置を、第1縦溝70bの下部と第2縦溝31の上部とが径方向で互いに対向するように合わせた状態で、シリンダ20内にプランジャ60をその上部を残して下部だけ差し込む。この際、プランジャ60は、ダンパシート65cがシリンダ20の第4筒部24の内周面に当接することで、シリンダ20に対する位置が仮固定される。
この際、シリンダ構成部材73における分割部72の連結部72bが、シリンダ20の第4筒部24における係合突起72eと突起24aとによって上下方向に挟み込まれる。また、シリンダ20の第4筒部24における開口部20aが、シリンダ構成部材73における分割部72の主部72aにより閉塞される。さらに、分割部72の第2突出部72dの前記表面が、第2縦溝31の上端部における内面を構成することにより、第2突出部72dの前記表面に連結されたボール71が、第2縦溝31内に位置させられるとともに、プランジャ60の第1縦溝70b内に進入させられる。
また、ボール71、傾斜溝70a、第2縦溝70bおよび第1縦溝31の個数は適宜変更してもよい。
さらに、ボール71を案内溝70と第2縦溝31との間に配設する際に、プランジャ60における傾斜溝70aの上壁面70cによりシリンダ構成部材73のボール71を下方に押し込ませることで、該ボール71をシリンダ構成部材73から分離してもよい。
また、前記実施形態では、ねじ筒部25がシリンダ20と一体に形成された構成を示したが、ねじ筒部25をシリンダ20とは別体に形成してもよい。この場合、シリンダ20の外周面にフランジ部を突設し、このフランジ部を、ねじ筒部25と容器本体12の口部11の開口端縁との間で挟み込んでもよい。
さらに、前記実施形態では、プランジャ60の駆動筒部61における下筒部63の外周面にダンパシート65cを設けたが、これに代えて例えば、プランジャ60の外周面に一体に形成された複数の突起を採用してもよく、シリンダ20の内周面に当接してプランジャ60のシリンダ20に対する位置を仮固定可能な構成であれば、その形態は特に限られるものではない。
11 口部
12 容器本体
20 シリンダ
21a 吸込み口
29 吸込弁
31 第2縦溝(変換機構)
40 回動環(変換機構)
42 中継部材
47 スプリング(付勢機構)
50 吐出管
51 吐出弁
56a 噴出ノズル
56 噴出ヘッド
60 プランジャ
65c ダンパシート(摺動抵抗体)
70 案内溝(変換機構)
70a 傾斜溝(変換機構)
70b 第1縦溝(変換機構)
70c 上壁面
71 ボール(変換機構)
72 分割部
73 シリンダ構成部材
Claims (2)
- 口部を有する容器本体と、
下端の吸込み口が前記口部から容器本体内に挿入されて容器本体に固定されたシリンダと、
前記シリンダに回動可能に取り付けられた回動環と、
前記回動環に取り付けられるとともに上部に吐出弁が設けられ下部開口が前記シリンダ内に位置する吐出管と、
前記シリンダの吸込み口に配設され該シリンダ内への流入を許容しかつ該シリンダ外への流出を阻止する吸込弁と、
前記シリンダ内に配置されるとともに前記吐出管に液密に外嵌して上下摺動可能に設けられ付勢機構により下方に付勢された筒状のプランジャと、
前記回動環とプランジャとの間に設けられ回動環のシリンダに対する回転動作をプランジャのシリンダに対する上昇動作に変換する変換機構と、
前記吐出弁に連結され下方に押し下げ可能になっていて押し下げ動作により吐出弁を開弁させて噴出ノズルから内容液を噴出可能な噴出ヘッドと、を備える液体噴出容器であって、
前記プランジャの外周面には、周方向に間隔をあけて配置された複数の第1縦溝、および上下方向に傾斜する一方向に沿って延在し周方向で隣り合う各第1縦溝の上端と下端とを連結する傾斜溝を有する案内溝が形成され、
前記シリンダの内周面には、上方に向けて開口する第2縦溝が形成され、
前記変換機構は、前記案内溝、第2縦溝、およびこれらの案内溝と第2縦溝との間に回転自在に配設されたボールを備え、
前記シリンダの上端部のうち、少なくとも前記第2縦溝が位置する部分を含む一部は、着脱可能な分割部により構成され、
この分割部において前記第2縦溝の内面を構成する部分に分離可能に前記ボールが連結されこれらの分割部およびボールが一体に成形されたシリンダ構成部材を、前記プランジャがその上部を残して下部だけ差し込まれた前記シリンダの上端部に、前記ボールがプランジャの案内溝内に位置するように装着した状態で、前記プランジャをさらに前記シリンダ内に進入させることで前記案内溝の上壁面により前記ボールを下方に押し込ませ、該ボールを前記シリンダ構成部材から分離することによって、前記ボールが前記案内溝と第2縦溝との間に配設されていることを特徴とする液体噴出容器。 - 請求項1記載の液体噴出容器であって、
前記プランジャの上下方向に沿った中間部分の外周面には、前記シリンダの内周面に当接して該プランジャのシリンダに対する位置を仮固定可能な摺動抵抗体が設けられていることを特徴とする液体噴出容器。
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