JP2010172853A - ホウ素含有水の処理方法 - Google Patents

ホウ素含有水の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010172853A
JP2010172853A JP2009020118A JP2009020118A JP2010172853A JP 2010172853 A JP2010172853 A JP 2010172853A JP 2009020118 A JP2009020118 A JP 2009020118A JP 2009020118 A JP2009020118 A JP 2009020118A JP 2010172853 A JP2010172853 A JP 2010172853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron
liquid
water
treatment step
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009020118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5157941B2 (ja
Inventor
Kenya Murakami
建也 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2009020118A priority Critical patent/JP5157941B2/ja
Publication of JP2010172853A publication Critical patent/JP2010172853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5157941B2 publication Critical patent/JP5157941B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】大量の薬品を用いることなく、また晶析設備を利用することもなく、低コストにて、ホウ素濃度を基準値以下とすることができるホウ素含有水の処理方法を提供する
【解決手段】原水を反応槽2、固液分離槽3で凝集処理し、分離液のホウ素濃度が高いときにはさらに吸着塔8で処理する。吸着塔8の吸着材の再生廃液を廃液槽13から反応槽2に返送することにより、pH調整剤の使用量を減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明はホウ素含有水の処理方法に係り、特に原水のホウ素濃度が所定値を上回ったり下回ったりするように変動する場合に好適に適用される処理方法に関する。
ホウ素含有水は、医薬品製造工程、電気メッキ工程、焼却場や石炭焚火力発電所の洗煙工程などから排出される。
このような各種工程から排出される排水は、放流基準値を下回るように処理されてから放流される。ホウ素の放流基準値は、陸水域では10mg/L、海水域では230mg/Lである。
ホウ素含有水の処理方法としてアニオン交換樹脂等のホウ素吸着材を用いた吸着処理方法が知られている。例えば、特公昭59−24876号公報には、ホウ素含有水をpH9以上で凝集処理した後、pH9以下でアニオン交換樹脂と接触させることが記載されている。また、特公平1−50476号公報には、ホウ素を吸着したアニオン交換樹脂の再生廃液からホウ素を抽出し、抽残液をアニオン交換樹脂の再生溶液として再利用することが記載されている。特許3995550号公報には、稀土類元素の水酸化物を担持した造粒体をホウ素吸着材として用いると共に、この吸着材の脱着液からホウ素を蒸発濃縮及び晶析分離すること、この晶析分離後の液を脱着処理用のアルカリ水溶液の調製に用いることが記載されている。
特開2002−346574号公報には、ホウ素含有水にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加し、凝集処理してホウ素を除去することが記載されている。
特公昭59−24876号公報 特公平1−50476号公報 特許第3995550号公報 特開2002−346574号公報
本発明は、大量の薬品を用いることなく、また晶析設備を利用することもなく、低コストにて、ホウ素濃度を基準値以下とすることができるホウ素含有水の処理方法を提供することを目的とする。
請求項1のホウ素含有水の処理方法は、ホウ素を含有する原水に凝集剤及びpH調整剤を添加して凝集処理し、固液分離する凝集処理工程と、凝集処理工程からの液の少なくとも一部をホウ素吸着材と接触させてホウ素を吸着材に吸着させる吸着工程と、ホウ素を吸着した吸着材を酸性又はアルカリ性の再生液と接触させて吸着材を再生する再生工程と、原水のホウ素濃度が所定値以下のときに、該再生工程からの再生廃液の少なくとも一部を前記pH調整剤として原水に添加する工程と、を有するものである。
請求項2のホウ素含有水の処理方法は、請求項1において、凝集処理工程からの液のホウ素濃度が規定値以下のときに、該凝集処理工程からの液を吸着工程を経ることなく排出する工程を有するものである。
請求項3のホウ素含有水の処理方法は、請求項1又は2において、前記凝集処理工程では、アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を添加してpH6〜7にて不溶性析出物を生成させ、次いで固液分離することを特徴とするものである。
請求項4のホウ素含有水の処理方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記再生廃液の少なくとも一部を濃縮処理し、前記pH調整剤として原水に添加することを特徴とするものである。
請求項5のホウ素含有水の処理方法は、請求項4において、該濃縮処理は、膜分離装置を用いた膜分離処理であり、膜分離装置の透過水を前記再生工程で吸着材の押し出し水及び/又は洗浄水の少なくとも一部として用いることを特徴とするものである。
請求項6のホウ素含有水の処理方法は、ホウ素を含有する原水にアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物とpH調整剤とを添加して凝集処理し、固液分離する第1の凝集処理工程と、該第1の凝集処理工程からの分離液の少なくとも一部にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加してpH9以上にて不溶性析出物を生成させ、次いで固液分離する第2の凝集処理工程と、原水のホウ素濃度が所定値以下のときに、該第2の凝集処理工程で固液分離された固形分の少なくとも一部を第1の凝集処理工程に返送する工程とを有するものである。
請求項7のホウ素含有水の処理方法は、請求項6において、第1の凝集処理工程からの液のホウ素濃度が規定値以下のときに、該第1の凝集処理工程からの液を第2の凝集処理工程を経ることなく排出する工程を有することを特徴とするものである。
第1発明(請求項1〜5)では、ホウ素を含有する原水に凝集剤及びpH調整剤を添加して凝集処理した後、ホウ素吸着材と接触させてホウ素を除去する。ホウ素を吸着したホウ素吸着材は、酸又はアルカリによって再生されるが、この再生処理によって生じる再生廃液は、酸又はアルカリを含んでいるため、これを凝集処理工程のpH調整剤の一部として利用する。このように再生廃液を再利用することにより、ホウ素含有水を低コストにて処理することができる。
ただし、この再生廃液はホウ素を含有しているため、原水のホウ素濃度が所定値以下であるときにのみ再生廃液をpH調整剤として利用する。
吸着材の再生廃液の濃度が低いときには、これを濃縮処理してからpH調整剤として利用するのが好ましい。これにより、原水処理系の水量増加が抑制される。
この濃縮処理を膜分離処理によって行う場合、膜透過水を再生工程での吸着材の押し出し水や洗浄水として利用することができる。
第2発明(請求項6,7)では、ホウ素を含有する原水にアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を添加して凝集処理する工程を2回(又はそれ以上)行う。そして、第2の凝集処理工程からの固形分を第1の凝集処理工程に返送し、この固形物中のアルカリ成分を第1の凝集処理工程でのpH調整剤として利用し、処理コストの低減を図る。
なお、固形分を返送すると、この固形分中のホウ素が第1の凝集処理工程に送られることになるので、原水中のホウ素濃度が所定値よりも低いときにこの固形分の返送を行うようにする。
実施の形態に係るホウ素含有水の処理方法のフロー図である。 別の実施の形態に係るホウ素含有水の処理方法のフロー図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明において処理の対象となるホウ素含有水は、通常オルトホウ酸(H3BO3)の形でホウ素を含有する水であるが、ホウ酸塩その他の形でホウ素を含むものでもよい。このようなホウ素含有水としては、医薬、化粧品、石けん、金属、半導体、その他のホウ素化合物を使用する製造工程排水、メッキ排水、原子力発電所から発生する放射性排水、地熱発電排水、ゴミ焼却場や石炭焚火力発電所の洗煙排水、排煙脱硫排水などがあげられる。
本発明は、ホウ素濃度が50〜1000mg/L程度のホウ素含有水を処理するのに好適であり、特にホウ素濃度が経時的に放流基準値とクロスする(上回ったり下回ったりする)ように変動する場合に好適である。
<第1態様>
第1態様は、ホウ素を含有する原水に凝集剤及びpH調整剤を添加して凝集処理し、固液分離する凝集処理工程と、凝集処理工程からの液の少なくとも一部をホウ素吸着材と接触させてホウ素を吸着材に吸着させる吸着工程と、ホウ素を吸着した吸着材を酸性又はアルカリ性の再生液と接触させて吸着材を再生する再生工程と、原水のホウ素濃度が所定値以下のときに、該再生工程からの再生廃液の少なくとも一部を前記pH調整剤として原水に添加する工程とを有する。
第1態様の好ましい態様では、ホウ素含有水の凝集処理工程において、アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の存在下にpH5〜8、好ましくは6〜7に調整して反応させて共存するフッ化物イオンの不溶性析出物を析出させる。反応工程に先立って沈降分離、濾過等の前処理を行って原水中の固形分等を除去しておいてもよい。
アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を存在させる量は被処理水中に共存するフッ素濃度その他の条件によって異なるが、例えば被処理水中のフッ素濃度が20〜100mg/Lの場合、アルミニウムとして30〜500mg/L、カルシウムとして40〜200mg/Lとすることが好ましい。このようなアルミニウムおよびカルシウム濃度とするために、被処理水中にこれらが不足する場合には、アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を添加する。
添加するアルミニウム化合物としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩が好ましいが、水酸化アルミニウムその他のアルミニウム化合物でもよい。カルシウム化合物としては水酸化カルシウムがpH調整剤と兼用できるため好ましいが、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムその他のカルシウム化合物でもよい。このほかにpH調整剤が必要な場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを添加することができるが、場合によっては塩酸、硫酸等の酸を添加することもできる。
これらの薬剤の添加順序は特に制限されないが、水酸化カルシウムを含むpH調整剤は最後に添加するのが好ましい。従ってアルミニウム化合物およびカルシウム化合物が塩の場合は両者のいずれを先に添加してもよいが、水酸化カルシウムのようにpH調整剤として兼用する場合は水酸化カルシウムは最後に添加するのが好ましい。また、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の不溶性または難溶性化合物を添加する場合には酸性条件下で添加するなどして溶解し、イオン化してもよい。
ホウ素含有水にアルミニウム化合物、カルシウム化合物、pH調整剤等を添加して攪拌すると、アルミニウム化合物が水酸化物となって析出する。この際、共存するフッ素は、析出する不溶性析出物中に取り込まれる。カルシウム化合物は、共存するフッ化物イオンと反応してフッ化カルシウムが生成する。
このように反応を行ったのち、反応液を固液分離処理して分離液と分離汚泥に分離する。固液分離手段としては沈降分離が一般的であるが、濾過、遠心分離、膜分離その他の分離手段でもよい。分離液はホウ素濃度が許容限度以内となっている場合にはそのまま放流したり、再利用してもよいが、許容限度を超える場合にはその少なくとも一部を後述の吸着工程で処理を行う。分離された分離汚泥は、全量を排出してもよいが、一部を返送工程で返送汚泥として反応工程に返送し、残部は引抜汚泥として排出するようにしてもよい。
上記の固液分離処理により得られる分離液のホウ素濃度を低くするための吸着工程について次に説明する。
吸着材としては、無機系吸着材、イオン交換樹脂、キレート樹脂などを用いることができる。無機系吸着材としては、特許3995550号公報の第0006段落に記載されている希土類元素の水酸化物を担持した造粒体が好適である。希土類元素の水酸化物としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムの水酸化物を挙げることができる。これらの中で、セリウムの水酸化物を特に好適に用いることができる。希土類元素の水酸化物を担持する担体に特に制限はなく、例えば、マグネシア、アルミナ、チタニア、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、ゼオライト、活性炭、ケイソウ土、コージェライトなどの無機系担体、ポリアミド、セルロース系樹脂、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの有機系担体を挙げることができる。
イオン交換樹脂、キレート樹脂としては、弱塩基性アニオン交換樹脂、N−メチルグルカミン型などのN−置換グルカミン型イオン交換樹脂、グルカミン型セルロース系キレート樹脂などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
凝集処理工程からの分離液と吸着材とを接触させるには、浸漬法などでもよいが、吸着材を充填した充填塔に分離液を通水するのが好適であり、この際の通水速度SVは0.1〜10hr−1特に1〜3hr−1程度が好ましい。
ホウ素を吸着した吸着材は、再生剤によってホウ素を脱着する。再生剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液又は塩酸又は硫酸などの酸水溶液が好適である。
吸着材の再生方法としては、1〜10重量%程度の濃度の酸またはアルカリ水溶液を通液する薬注工程を行った後、純水又はそれに近い水質の水を通液する押し出し工程を行い、さらに純水又はそれに近い水質の水を通水する洗浄工程を行うのが好適である。
再生廃液のうち、酸濃度またはアルカリ濃度の高い初期の排出部分については、凝集処理工程のpH調整剤としてそのまま利用することができる。ただし、濃縮処理してからpH調整剤として用いるようにしてもよい。
ただし、この再生廃液の返送に伴ってホウ素が凝集処理工程に戻り、凝集処理工程の分離水のホウ素濃度が高くなるおそれがある。そこで、原水のホウ素濃度を測定し、それに応じて再生廃液の返送量を制御する。例えば、原水のホウ素濃度が放流基準値以下である場合に、再生廃液を凝集処理工程に供給する。
上記の押し出し水(押し出し工程の排水)または洗浄排水(洗浄工程の排水)は、アルカリ又は酸の濃度が初期廃液に比べて低いので、濃縮してpH調整剤として利用するのが好ましい。濃縮手段としては、UF膜又はRO膜などを用いた膜分離手段が好適であり、膜分離手段によって得られる透過水を再生用水として用いるのが好ましい。例えば、透過水に酸又はアルカリを溶解させて脱着液とすることができる。また、透過水をそのまま、又はイオン交換処理して純水とし、押し出し水や洗浄水として用いることができる。
第1図はこのような第1態様の一例を示す系統図であり、原水槽1から反応槽2に原水を導入し、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、pH調整剤等を注入してpH6〜7に調整し、攪拌機で攪拌混合して反応させ不溶性析出物を生成させる。
反応槽2の反応液を固液分離槽3に送り、その際必要により高分子凝集剤等の凝集剤を添加してフロックを生成させ、固液分離槽3で固液分離を行う。固液分離槽2で分離した分離液は槽4に導入しホウ素濃度計5によってホウ素濃度を計測する。このホウ素濃度が放流基準値よりも低いときには、処理水ライン6から処理水として排出する。分離液のホウ素濃度が放流基準値よりも高いときには、少なくともその一部をライン7から吸着塔8に導入し、吸着材層を通過させてイオン交換を行い、ホウ素を除去して、処理水を処理水ライン9から排出し、そのまま又はライン6からの分離液と合流させて放流する。
吸着材層が飽和又はそれに近くなったときには、ライン10より酸又はアルカリ水溶液よりなる再生液を注入してホウ素を脱着させ、次いでライン11より押し出し水及び洗浄水を供給する。再生廃液のうち、再生初期における酸又はアルカリ濃度の高い部分は、ライン12により廃液槽13にそのまま収容する。押し出し水や洗浄水など濃度の低い部分は、ライン14より中継槽15に受入れた後、ポンプ16によって濃縮装置17に供給して濃縮処理し、濃縮水をライン18によって廃液槽13に送り、透過水をライン19より再生用水槽20に供給する。再生用水槽20には、ライン21から再生用水が補充される。この再生用水槽20内の水が脱着液の調製用水や押し出し水、洗浄水として用いられる。
原水のホウ素濃度が所定値よりも低いときには、廃液槽13内のアルカリ又は酸濃度の高い液を、pH調整剤として、ライン23を介して反応槽2に供給する。
なお、ライン6,7,9,12,14には流路の切替を行うための弁6a,7a,9a,12a,14aが設けられている。弁6a,7a,9aはホウ素濃度計5の検出値に応じて開閉制御される。ライン23の弁23aの開閉は、原水槽1に設けられたホウ素濃度計1aによって検出される原水のホウ素濃度に応じて制御される。
<第2態様>
第2態様に係るホウ素含有水の処理方法は、ホウ素含有水をアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物の存在下にpH6〜7に調整して共存するフッ化物イオンの析出物を固液分離する第1の凝集処理工程と、第1の凝集処理工程の分離液をアルミニウム化合物およびカルシウム化合物の存在下にpH9以上に調整して析出物を固液分離する第2の凝集処理工程とを有し、第2の凝集処理工程の析出物を第1の凝集処理工程に返送するものである。
第1の凝集処理工程においてアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を存在させる量、添加するアルミニウム化合物、カルシウム化合物、薬剤の添加順序、pH、反応時間、固液分離手段の好適例などは第1態様の場合と同様である。
第1の凝集処理工程で固液分離した分離液のホウ素濃度が許容限度以内となっている場合にはそのまま放流したり、再利用してもよいが、許容限度を超える場合にはその少なくとも一部を第2の凝集処理工程にてさらに凝集処理する。
第2の凝集処理工程では第1の凝集処理工程とほぼ同程度のアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を存在させ、pH9以上、好ましくは11以上とすることにより、アルミニウム化合物およびカルシウム化合物を析出物として析出させ、ホウ素をこの析出物に吸着させる。第2の凝集処理工程では、ホウ素が低濃度となった第1の凝集処理工程の分離液にアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を存在させることにより、ホウ素を高度に除去することができる。
一般に高濃度のホウ素含有水にアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を存在させてホウ素を高除去率で除去しようとすると、大量のアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を必要とするが、第2態様のように複数の工程により処理を行うと、薬剤使用量を減少させ、高除去率で除去することができる。
すなわち第1の凝集処理工程においては、原水のホウ素濃度が比較的高いため、アルミニウム及び/又はカルシウム量あたりのホウ素除去量が多い。第1の凝集処理工程により低濃度となった分離液に第2の凝集処理工程においてさらにアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加して凝集処理を行うと、少ないホウ素量に対して相対的に大量のアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を使用することになるため、高除去率でホウ素を除去することができる。また、第1の凝集処理工程において懸濁物質や、フッ素イオン、硫酸イオン等の共存物質も除去されているため、第2以降の凝集処理工程の除去性能が改善されると考えられる。
上記のように第2の凝集処理工程における凝集処理を行った後、固液分離を行い、分離液を処理水として取り出す。なお、さらに第3の凝集処理工程以降の処理を行ってもよい。
第2以降の凝集処理工程で分離される汚泥(固形分)はpH9〜12程度のアルカリ性であるので、その少なくとも一部を第1の凝集処理工程に返送し、該第1の凝集処理工程に新たに添加されるアルカリの量を低減させる。なお、汚泥を濃縮処理してから第1の凝集処理工程に返送するようにしてもよい。
ただし、この返送汚泥に伴ってホウ素が第1の凝集処理工程に戻り、第1の凝集処理工程の分離水のホウ素濃度が高くなるおそれがある。そこで、原水のホウ素濃度を測定し、それに応じて汚泥返送量を制御する。例えば、原水のホウ素濃度が放流基準値以下である場合に、返送汚泥を第1の凝集処理工程に供給する。
以下、第2態様の実施の形態を図面により説明する。
第2図は第2態様の実施の形態に係るホウ素含有水の処理方法を示すフロー図である。
ホウ素濃度計31を備えた原水槽30から原水を第1反応槽32に供給し、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物及び/又は水酸化カルシウム等のカルシウム化合物を添加し、攪拌機で攪拌してpH9以上、好ましくは11以上に調整し、析出物を析出させる。第1反応槽32の反応液は第1固液分離槽33に導入して固液分離を行うことにより、析出物を分離して汚泥として排出し、分離液を槽34に導入してそのホウ素濃度をホウ素濃度計35で計測する。この分離液のホウ素濃度が放流基準値以下であるときには、ライン36から処理水として排出する。分離液のホウ素濃度が許容値を超えるときには、分離水の少なくとも一部をライン37から第2反応槽38に導入する。
第2反応槽38ではアルミニウム化合物およびカルシウム化合物を添加して、攪拌機で攪拌してpH9以上、好ましくは11以上に調整し、第2の凝集処理を行い、析出物を析出させる。反応液を第2固液分離槽39に導入して固液分離することにより、析出物を分離し、分離液は処理水ライン40から取り出し、そのまま又はライン36からの処理水と合流させて放流する。
原水のホウ素濃度が所定値よりも低いときには、第2固液分離槽39から排出される汚泥を貯槽39aからライン41を介して第1反応槽32に返送する。これにより、第1反応槽32におけるカルシウム化合物の添加量を少なくすることができる。また、析出物がホウ素を吸着するので、処理水中のホウ素濃度が低下する。
なお、ライン36,37に設けられた弁36a,37aは、ホウ素濃度計35の検出値に応じて制御される。また、ライン41に設けられた弁41aは、原水槽30のホウ素濃度計31によって検出される原水中のホウ素濃度に応じて制御される。
以下、実施例及び比較例について説明する。
<実施例1>
第1図の装置を用いて排煙脱硫排水の処理を行った。なお、吸着塔8には吸着材として含水酸化セリウムを樹脂に担持させた造粒物を充填した。
ホウ素濃度500mg/L、フッ素濃度45mg/Lの脱硫排水にPACを3.2mL/L添加し、さらにNaOHを添加しpH6.8とした。固液分離後の凝集処理水中のホウ素濃度は500mg/L、フッ素濃度は5.0mg/Lであった。そこで、この凝集処理水の一部(約60%)を吸着塔8に導入して吸着処理し、前記凝集処理水と合流させ、ホウ素濃度205mg/L、フッ素濃度2.6mg/Lの処理水として放流した。
原水のホウ素濃度が230mg/Lよりも高いときには、上記条件で運転を継続した。なお、2基の吸着塔8に交互に通水し、一方に通水している間に他方をNaOH2重量%の水溶液で脱着し、その後押し出し及び洗浄して再生するようにした。再生廃液のうち脱着時の廃液(pH約13.2)についてはそのまま廃液槽13に導入した。押し出し及び洗浄廃液についてはRO装置よりなる濃縮装置17にて濃縮してから廃液槽13に導入した。RO装置の透過水は再生用水槽20に導入した。この再生用水槽20内の水は、イオン交換樹脂によって処理して押し出し水及び洗浄水に利用した。
原水のホウ素濃度が230mg/L以下となったときには、この廃液槽13内の廃液(pH約12.8)を反応槽2に供給し、反応槽2へのNaOHの添加を停止した。
<比較例1>
実施例1において、原水のホウ素濃度が230mg/L以下となっても廃液を反応槽2に供給せず、NaOHを反応槽2に添加するようにしたこと以外は同様にして運転を行った。
30日間運転を行ったところNaOH使用量が実施例1よりも20%多くなることが認められた。
1,30 原水槽
1a,5,31,35 ホウ素濃度計
2,32,38 反応槽
3,33,39 固液分離槽
8 吸着塔
13 廃液槽
17 濃縮装置
20 再生用水槽

Claims (7)

  1. ホウ素を含有する原水に凝集剤及びpH調整剤を添加して凝集処理し、固液分離する凝集処理工程と、
    凝集処理工程からの液の少なくとも一部をホウ素吸着材と接触させてホウ素を吸着材に吸着させる吸着工程と、
    ホウ素を吸着した吸着材を酸性又はアルカリ性の再生液と接触させて吸着材を再生する再生工程と、
    原水のホウ素濃度が所定値以下のときに、該再生工程からの再生廃液の少なくとも一部を前記pH調整剤として原水に添加する工程と、
    を有するホウ素含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、凝集処理工程からの液のホウ素濃度が規定値以下のときに、該凝集処理工程からの液を吸着工程を経ることなく排出する工程を有することを特徴とするホウ素含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記凝集処理工程では、アルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物を添加してpH6〜7にて不溶性析出物を生成させ、次いで固液分離することを特徴とするホウ素含有水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記再生廃液の少なくとも一部を濃縮処理し、前記pH調整剤として原水に添加することを特徴とするホウ素含有水の処理方法。
  5. 請求項4において、該濃縮処理は、膜分離装置を用いた膜分離処理であり、
    膜分離装置の透過水を前記再生工程で吸着材の押し出し水及び/又は洗浄水の少なくとも一部として用いることを特徴とするホウ素含有水の処理方法。
  6. ホウ素を含有する原水にアルミニウム化合物及び/又はカルシウム化合物とpH調整剤とを添加して凝集処理し、固液分離する第1の凝集処理工程と、
    該第1の凝集処理工程からの分離液の少なくとも一部にアルミニウム化合物及びカルシウム化合物を添加してpH9以上にて不溶性析出物を生成させ、次いで固液分離する第2の凝集処理工程と、
    原水のホウ素濃度が所定値以下のときに、該第2の凝集処理工程で固液分離された固形分の少なくとも一部を第1の凝集処理工程に返送する工程と
    を有するホウ素含有水の処理方法。
  7. 請求項6において、第1の凝集処理工程からの液のホウ素濃度が規定値以下のときに、該第1の凝集処理工程からの液を第2の凝集処理工程を経ることなく排出する工程を有することを特徴とするホウ素含有水の処理方法。
JP2009020118A 2009-01-30 2009-01-30 ホウ素含有水の処理方法 Active JP5157941B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009020118A JP5157941B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 ホウ素含有水の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009020118A JP5157941B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 ホウ素含有水の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010172853A true JP2010172853A (ja) 2010-08-12
JP5157941B2 JP5157941B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=42704311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009020118A Active JP5157941B2 (ja) 2009-01-30 2009-01-30 ホウ素含有水の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5157941B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102372339A (zh) * 2011-10-09 2012-03-14 东莞市威迪膜科技有限公司 电镀前处理污水回收利用系统以及方法
JP2013017905A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc ホウ素及びフッ素含有排水の処理方法
CN103523994A (zh) * 2013-10-12 2014-01-22 常州大学 一种养猪场厌氧消化液预处理方法
JP2014184391A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Taiheiyo Cement Corp 両性イオン交換樹脂の再生方法
JP2014188444A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Chiyoda Corp ホウ素含有排水の処理方法
CN104211225A (zh) * 2014-09-12 2014-12-17 中南林业科技大学 一种重金属污水的多重复合处理方法
JP2015181972A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 株式会社化研 水溶液からヨウ素を除去するヨウ素除去剤、除去装置および除去方法
JP2019155209A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 住友金属鉱山株式会社 ホウ素含有水の処理設備および処理方法
JP2020062584A (ja) * 2018-10-15 2020-04-23 奥多摩工業株式会社 有害物質含有排水の処理方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104485141B (zh) * 2014-12-11 2017-01-18 中国核动力研究设计院 一种核电站硼浓度测量系统测量参数的校准装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58193786A (ja) * 1982-05-06 1983-11-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ホウ素含有廃水の処理方法
JPH01207199A (ja) * 1988-02-15 1989-08-21 Kubota Ltd 廃水処理方法
JPH0338294A (ja) * 1989-07-03 1991-02-19 Chiyoda Corp 排水凝集処理方法
JP2001187386A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法
JP2001232372A (ja) * 2000-02-21 2001-08-28 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58193786A (ja) * 1982-05-06 1983-11-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ホウ素含有廃水の処理方法
JPH01207199A (ja) * 1988-02-15 1989-08-21 Kubota Ltd 廃水処理方法
JPH0338294A (ja) * 1989-07-03 1991-02-19 Chiyoda Corp 排水凝集処理方法
JP2001187386A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法
JP2001232372A (ja) * 2000-02-21 2001-08-28 Kurita Water Ind Ltd ホウ素含有水の処理方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013017905A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc ホウ素及びフッ素含有排水の処理方法
CN102372339A (zh) * 2011-10-09 2012-03-14 东莞市威迪膜科技有限公司 电镀前处理污水回收利用系统以及方法
JP2014184391A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Taiheiyo Cement Corp 両性イオン交換樹脂の再生方法
JP2014188444A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Chiyoda Corp ホウ素含有排水の処理方法
CN103523994A (zh) * 2013-10-12 2014-01-22 常州大学 一种养猪场厌氧消化液预处理方法
JP2015181972A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 株式会社化研 水溶液からヨウ素を除去するヨウ素除去剤、除去装置および除去方法
CN104211225A (zh) * 2014-09-12 2014-12-17 中南林业科技大学 一种重金属污水的多重复合处理方法
JP2019155209A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 住友金属鉱山株式会社 ホウ素含有水の処理設備および処理方法
JP2020062584A (ja) * 2018-10-15 2020-04-23 奥多摩工業株式会社 有害物質含有排水の処理方法
JP7177656B2 (ja) 2018-10-15 2022-11-24 奥多摩工業株式会社 有害物質含有排水の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5157941B2 (ja) 2013-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5157941B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
US8877049B2 (en) Water treatment equipment
JP4880656B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP2007181833A (ja) テトラアルキルアンモニウムイオン含有液の処理方法
JPH1085743A (ja) 硼素含有水の処理装置及び方法
WO2018096700A1 (ja) 超純水製造システム及び超純水製造方法
JP2011092822A (ja) 被処理水中のアンモニア成分およびリン成分の同時回収方法、並びに同時回収システム
JP3995554B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP4618937B2 (ja) 排水のリン除去方法。
WO2015063147A1 (en) Water purification method
JP3319053B2 (ja) フッ化物含有水の処理方法
JP2004050069A (ja) ホウ素含有水の処理方法及び処理装置
JP2008073639A (ja) ホウ素の回収装置
JP2008000664A (ja) リン含有排水の処理方法
JP4297663B2 (ja) ホウ素の回収方法
JP4543478B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP5443059B2 (ja) 水処理装置
JP4058787B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP2008264661A (ja) 吸着剤の脱着方法
JP3963101B2 (ja) バナジウム含有水のイオン交換方法および装置
JP4665279B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP3891189B2 (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP3674368B2 (ja) 純水製造方法
JP2003080269A (ja) ホウ素含有水の処理方法
JP2004283767A (ja) 地熱水処理方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5157941

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250