JP2010172850A - マクロチップデバイス - Google Patents

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豊 高橋
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Abstract

【課題】混合物試料中の微量物質の抽出・精製操作等に広く使用できるマクロチップデバイスの提供。
【解決手段】微細流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離するマイクロチップデバイスであって、流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に異なる温度分布を形成するように、温度制御機構を配してなることを特徴とするマイクロチップデバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、混合物試料中の微量物質の抽出・精製操作等に使用できる液−液分離用マクロチップデバイス及びこれを用いた液体の処理方法に関する。
マイクロチップデバイスの微細流路を用いた溶媒抽出技術に関する研究は、比界面積がマクロな系に比べて大きいという利点があることから、近年盛んに行われている。また、流体力学により、微細流路を流れる液体はレイノルズ数が小さくなり、流れと同じ方向に並行な2層流が形成されやすい。このような微細流路内の2層流は重力の影響をほとんど受けないために比重の異なる、混ざり合わない2種類(例えば水とエーテル)の液体を横方向に接触させて同方向に流すと、左右に分離された2層流が形成される。この時、例えばエーテル中に大量の疎水性夾雑物質と微量の親水性物質(目的物)が溶解していれば、この目的物質は溶媒の流れに乗りながらエーテル層から水層に界面を移動する。そして、下流で水層とエーテル層を分岐させる流路を設けておけば、目的物質を抽出することが可能になる。
このように、微細流路では並行な2層流が形成されやすいが、溶媒の粘性やチャンネル表面との表面張力などにより、溶媒の種類によっては、安定した2層流が形成されにくい場合がある。たとえば、ジクロロメタン/水、クロロホルム/水、n−ヘキサン/水などがこの例にあたる。これに対し、1)微細流路において2層流を安定化させるために、底面に溝状のガイドを設ける方法(特許文献1)、2)底面に破線状ガイドを設ける方法(特許文献2)、3)2枚の基板に深さ幅共に異なる流路を作製してそれぞれの壁面を親水性及び疎水性とし、合わせた流路断面を凸形状にする方法(特許文献3)等がとられてきた.
しかしながら、上記1)の方法では、ガイド構造は流路底面のみに作製するため、安定な界面を形成させるには溶媒の組み合わせなどに制限がある。また、流路内壁の化学処理との併用は技術的に困難である。また、2)の方法は、ガイド構造作製の技術的難易度が高く、実用化には適していない。また、ガイドによって液−液接触面積が小さくなるため、抽出効率は低下する。また、3)の方法では、流路内壁の化学的処理は容易であるが、上下流路の断面を等しくすると界面を安定化させる効果が低下するため液−液の流速が等しい時には使い難いという問題がある。
特開2002−1102号公報 特開2005−34827号公報 特開2006−75680号公報
Anal. Chem., 68,100-115(1996)
本発明は、混合物試料中の微量物質の抽出・精製操作等に広く使用できるマクロチップデバイスを提供するものである。
すなわち、本発明は、以下の1)〜10)に係るものである。
1)微細流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離するマイクロチップデバイスであって、流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に異なる温度分布を形成するように、温度制御機構を配してなることを特徴とするマイクロチップデバイス。
2)流路断面の上下方向又は左右方向に温度分布が形成されてなる上記1)のマイクロチップデバイス。
3)上下又は左右の2つの基板からなり、それぞれの基板の接合面に設けられた溝部によって微細流路を形成する上記1)又は2)のマイクロチップデバイス。
4)異なる材質の上下基板又は左右基板が接合された上記3)のマイクロチップデバイス。
5)基板の材質が、ステンレス、ハステロイ、チタン、アルミニウム、真鍮、金、白金から選ばれる金属である上記1)〜4)のいずれかのマイクロチップデバイス。
6)流路内表面が温度感受性物質で修飾された上記1)〜5)のいずれかのマイクロチップデバイス。
7)流路内に温度感受性の微粒子を充填してなる上記1)〜5)のいずれかのマイクロチップデバイス。
8)微粒子が、その表面又は細孔内が温度感受性物質で修飾されたものである上記7)のマイクロチップデバイス。
9)更に磁気分離機構を備えてなる上記1)〜6)のいずれかのマイクロチップデバイス。
10)流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に温度分布を形成するように温度制御モジュールを配したマイクロチップデバイスを用い、流路内に導入された2種以上の混合液体について、流路内に異なる温度分布を形成するように温度制御して、流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離することを特徴とする液体の処理方法。
本発明のマイクロチップデバイスによれば、液体の比重に依存せず、流路の壁面修飾等を特に行うことなく、安定した液−液分離が可能となる。従って、壁面修飾を施す従来のデバイスに比べて作成が容易で安価に作成できると云う利点を有する。すなわち、本発明のマイクロチップデバイスは、複雑な混合物試料中の微量物質の抽出・精製操作、例えば、環境水中の農薬など環境汚染物質の抽出や、生体試料中の薬物やタンパク質の精製の他、合成化学における生成物の連続且つハイスループットな精製等を簡易に行うためのデバイスとして有用である。
本発明デバイスの断面図 液-液分離部の流路断面図 低温側に冷媒冷却装置を配置したデバイスの断面図 温度制御媒体を2箇所配置したデバイスの断面図 流路内に温度感受性官能基を修飾した微粒子を充填したデバイスの断面図 液体の混合・分散を一体化させたデバイスの断面図 磁気分離機構を備えたデバイスの断面図
本発明のマイクロチップデバイスは、マイクロ空間である微細流路を具備した、微量物質の抽出、分離、精製等を行うための3次元構造体である。
微細流路は、多相層流を実現するための領域(液-液分離部)と各層を分離・回収するための領域(分離・回収部)を具備する。分離・回収部の構造は、形成される多相層流に応じて各層の液体を分離・回収できる構造であればよく、例えば、流路下流で、流路を分岐させ、流路外へ導く構造が挙げられる。
また、流体をデバイス流路内へ導くための流体導入部は、一箇所であっても、複数であってもよい。すなわち、流体の導入は、予め多相層流を形成させる2種以上の液体を混合・分散させたものをデバイス内の流路に導くこと(実施例1〜2)、或いは当該2種以上の液体を別々の流路によりデバイス内に導入し、液−液分離する前に合流させること(実施例3)の何れでもよい。
微細流路は、マイクロメートルサイズの幅・高さ・直径を有し、液体を流すことが可能な通路であればよく、例えば、幅・深さ・直径は、それぞれ20〜1,000μm程度であればよく、幅100〜300μm、高さ50〜150μm、直径100〜500μmであるのが好ましい。尚、液-液分離部における流路の長さは、液体の導入量によって適宜調整するのが好ましい。
本発明のマイクロチップデバイスは、例えば、流路となる溝部を有する上下又は左右の2つの基板を接合することによって作成することができ、流路は両基板の接合面に設けられた溝部が合わさることで形成される。ここで、接合される上下基板又は左右基板の材質は、同一のものでも良いが、異なる材質のものを自由に組み合わせてもよい。
尚、基板の接合に際しては、テフロン(登録商標)製等の断熱シートを間に挟み込むのが好ましい。
基板の材質としては、例えばステンレス、ハステロイ、チタン、アルミニウム、真鍮、金、白金などの金属、テフロン(登録商標)、ダイフロン、PEEなどの合成樹脂、硼珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ硼珪酸ガラス、石英ガラス等などのガラスを用いることができるが、熱伝導率が高く、耐久性、対薬品性に優れる点から金属を用いるのが好ましく、加工性、耐久性の点からステンレスを用いるのがより好ましい。また、ステンレス基材の流路部に金などをメッキしてもよい。
尚、異なる材質の基板を接合する場合、その組み合わせは特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、高温側の基板に金、アルミニウム等を用い、低温側の基板にステンレス等を用いることが挙げられる。
斯かる基板において流路となる溝部は、多相層流の形成し易さ等の点から、その表面を温度感受性物質でコーティングする等して改質することができる。
温度感受性物質としては、例えば、温度感受性高分子(ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド誘導体等)が挙げられる。当該高分子は、32℃以下で親水性を呈して液化する一方、32℃を超えるとゲル化し急速に疎水性を呈する。
その他、親水性高分子(ポリエチレングリコール誘導体)の共重合体、あるいは温度応答性キトサン等が挙げられる。
本発明のマイクロチップデバイスにおいて、温度制御機構は、多相層流を実現するための領域である液−液分離部において、流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に異なる温度分布を形成するように配置される。
当該異なる温度分布は、例えば、層流を流れ方向に対して上下に形成する場合には流路の上部と下部に、層流を流れ方向に対して左右に形成する場合には流路の左部と右部に形成され、上部下部又は左部右部をそれぞれ高温側(30〜50℃)と低温側(10〜30℃)に分けることが挙げられる。
斯かる高温側と低温側の温度差は、用いる液体の種類、組み合わせによっても異なるが、例えば10℃以上、好ましくは10〜25℃、より好ましくは15〜25℃である。
温度制御は、例えば高温側に加温媒体、低温側に冷却媒体を設けることによって行われ、具体的には、層流を流路断面の上下方向に形成する場合には上下の基盤、層流を当該流路断面の左右方向に形成する場合には左右の基盤のそれぞれに加温媒体、冷却媒体を設ければよい。加温媒体としては、ロッドヒーター、シートヒーター、ペルチェモジュール等が挙げられる。
また、冷却媒体としては、冷媒導入装置、ペルチェモジュール等が挙げられる。
斯かる温度制御媒体の設置部位は、その機能に応じて基板の内部又は表面の何れでもよく、また複数設置してもよい。例えば、流路の流れ方向に対して直列に2箇所温度制御媒体を配置して、下流側のみ制御あるいは両方制御という切り替えを行うことも可能であり、このような制御を行うことにより広範な液体導入量に対して対応が可能となる。また、導入する液体の流速に応じて加温・冷却を行うことにより、所望の流速範囲、例えば、1〜200μL/minで液−液分離を行うことが可能となる。
尚、上記温度分布が外気温の影響を受け難いように、デバイス全体は断熱材で覆うのが好ましい。
斯かる温度分布の形成により、多相層流が実現される。例えば、水/シクロヘキサン系やアセトニトリル/シクロヘキサン系では、低温側が水又はアセトニトリル、高温側がシクロヘキサンの2相層流が形成される。また、制御する温度範囲や表面への温度感受性物質コーティングの有無によって、2相層流が形成される方向は異なる場合がある。このとき、例えば水又はアセトニトリルに大量の親水性物質と微量の疎水性物質が溶解していれば、混合によって微量の疎水性物質はシクロヘキサンへ移動し、親水性物質の精製が可能となる。
本発明のマイクロチップデバイスによって、多相層流が実現することが可能な溶媒の組み合わせとしては、基本的に混ざり合わない2種類以上の液体同士であればよく、例えば水又はアセトニトリルに対してシクロヘキサン、水に対してヘキサン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。
微細流路内には、多相層流の実現を補助するための充填剤が充填されていてもよい。
充填剤としては、シリカゲル、ジルコニア、合成ポリマー等の微粒子が挙げられ、また、当該微粒子の表面又は細孔内が温度感受性物質で修飾されていてもよい。
温度感受性物質としては、例えば、温度感受性高分子(ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド誘導体)や親水性高分子(ポリエチレングリコール誘導体)の共重合体、あるいは温度応答性キトサン等を用いることができる。
斯くして、本発明のマイクロチップデバイスを用い、流路内に導入された2種以上の混合液体について、流路内に異なる温度分布を形成するように温度制御して、流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離するような液体処理を行うことにより、例えば混合物試料中の微量物質の抽出や精製等を行うことが可能となる。
また、本発明のマイクロチップデバイスは、他の分離精製手段と組み合わせて用いることもできる。例えば、機能性磁性体含有粒子を用いて試料の前処理や精製、回収を行うための磁気分離機構を組み合わせることができる(実施例4参照)。
すなわち、マイクロ流路内において、目的成分を含む試料溶液(例えば、水、アセトニトリル)と、それと多相層流が実現可能な溶媒(例えば、シクロヘキサン)であって、当該目的成分に対して吸着能を有する磁性体含有粒子(例えば酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト等の磁性体粒子と目的成分に対して吸着能を有するチタニア、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、ジルコニア等を含有する粒子)を分散させた分散溶液とを用いて連続流を形成させ、磁気の作用と温度制御によって多相層流を実現しつつ磁気分離を行うことにより、より精度の高い試料の分離・回収が可能となる。この場合磁気分離を行うための磁気分離機構としては、例えばドライブシャフトとベルト状磁石を備えた可動式磁石を流路の側面に配置することが挙げられる。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
実施例1
(1)構成
図1に、本発明マイクロチップデバイス(上下分割式)の基本的な構成例を示す。
本例は、層流を流れ方向に対して上下に形成するデバイスの例であり、基板1の上部表面に設けられた被処理液体を流入させる流入口2から、処理後の液体を流路断面方向の上下に分割し外部へ導出する流出口3a、3bへ至る微細流路4が形成されている。
基板1は、溝が刻まれた2つのブロック5a及び5bと1枚のスリット入り断熱シート6(テフロン(登録商標)など)から構成され、上下ブロック5a及び5bを、溝が刻まれた面を合わせるように接合し、間に断熱シート6を挟み込んでネジで固定して組み立てられる(図2参照)。
温度分布は、流路の上側ブロック5aの表面にシートヒーター7を設置して高温(30〜50℃)とし、下側ブロック5bの下側にペルチェクーラー8を設置して低温(10〜30℃)とし、両者が異なる温度分布を形成するように制御される。尚、上側ブロック5aを低温、下側ブロック5bを高温としてもよい。
図3に、温度制御媒体として、上側ブロック5a(高温側)にロッドヒーター、下側ブロック5b(低温側)に冷媒による冷却装置を設置した例を示す。当該構成によれば、温度制御媒体を流路4に近い位置に設置できることから、温度制御媒体に対する流路内の温度感受性が良く、より高速での液体導入量に対応できる。
図4に、温度制御媒体を、流路の流れ方向に対して直列に2箇所配置した例を示す。当該構成によれば、下流側のみ制御あるいは両方制御という切り替えを行うことで、より広範な液体導入量に対応できる。また、導入する液体の流速に応じて加温・冷却を制御することにより、所望の流速範囲(例えば、1〜200μL/min)で液-液分離を行うことが可能となる。
また、デバイス全体は、外気温の影響を受け難いように、断熱材で覆うのが好ましい。
尚、層流を流れ方向に対して左右に形成するデバイスを構築することも可能であり、この場合は、基板1として、溝が刻まれた2つのブロックを、溝が刻まれた面を左右に接合し、間に断熱シートを挟み込んで固定して組み立てればよい。また、この場合、微細流路4は流路下流で流路断面方向の左右に分岐させ、外部へ導出するように形成される。そして、温度分布は、流路断面方向の右側ブロックを高温(又は低温)とし、左側ブロックを低温(又は高温)にすることによって行われる。
(2)動作
流入口2から、被処理液体である、水/シクロヘキサンやアセトニトリル/シクロヘキサンなどの混合・分散液を導入する。この時、例えば水あるいはアセトニトリルに大量の親水性物質と微量の疎水性物質が溶解していれば、混合によって微量の疎水性物質はシクロヘキサンへ移動する。2液の混合・分散は、デバイスに導入する手前でミキサーを用いて行うか、デバイス内の液−液分離部の上流に混合部を設けて行えばよい。
流入口2から導入された分散液は、流路4を通り、温度が異なる2つの基板ブロック5a及び5bと断熱シートのスリットに囲まれた部分(液−液分離部)で相分離され、下流で各層が分割され、流出口3a、3bから排出される。
実施例2
図5に、温度感受性官能基を修飾したシリカゲルを充填した本発明マイクロチップデバイス(上下分割式)の構成例を示す。
(1)構成
流路内部に温度感受性官能基を修飾したシリカゲルを充填したこと以外は、実施例1と同様の構成である。流出口3a、3bには、内部に充填するシリカゲルよりも小さな孔径のフィルター(図示せず)を装着し、流路内部に温度感受性官能基を修飾したシリカゲルが充填される。
(2)動作
流路内に充填されている温度感受性官能基を修飾したシリカゲルは、その表面がデバイス温度に応じて親水性あるいは疎水性を帯びている。デバイス内の液−液分離部では温度分布が生じているため、内部のシリカゲル表面の性質にも分布が生じる。導入された分散液は、液−液分離部で、流路壁面及びシリカゲル表面の性質分布に応じて徐々に上下に相分離され、下流の分岐点で分離される。
実施例3
図6に、流体をデバイス流路内へ導くための流体導入部を複数設け、デバイス内で合流させるようにした、液体の混合・分散を一体化させた構成例を示す。
(1)構成
流入口2a及び2bは、2種類の液体を別々に導入されるための液体導入部であり、デバイスの合流部で混合され、液-液分離部へ繋がる。
合流部と液-液分離部の間には、温度制御を行う液-液分散部を温度隔離するため、に断熱シート6が配置されている。
(2)動作
液体導入口2a及び2bから、2種類の液体が別々にデバイス内に導入され、合流部にて混合され、液−液分離部で2相層流が形成され、液−液分離が行われる。
実施例4
図7に、磁気分離機構を備えたデバイスの構成例を示す。
(1)構成
13は、試料成分を含む液体導入孔であり、14は試料成分中の目的成分を吸着する磁性体含有粒子を分散させた溶液を導入するための液体導入孔である。液体導入孔13及び14からの流路はY字型流路とされ両液体が混合される。16は液−液分離を行うための本発明の温度制御機構である。
分離・回収部の手前に、可動式磁石20が流路近傍に配置されている。可動式磁石はドライブシャフト17とベルト状の駆動式磁石18から構成され、流路に沿って、流路の上流から下流に向かって駆動するものであり、磁性体含有粒子も当該磁石の動きに合わせて上流から下流へと流路壁面に沿って移動する。
(2)動作
試料成分を含む水/メタノール等の溶液が、液体導入孔13に導入され、試料成分の中から目的成分を特異的に吸着するための磁性体含有粒子は、シクロヘキサンなどの無極性溶媒に分散させて、導入孔14から導入される。ここで、磁性体含有粒子とは、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト等の磁性体粒子と目的成分に対して吸着能を有するチタニア、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、ジルコニア等を含有する粒子等が挙げられる。
Y字型の混合部15で両液体が混合され、試料中の目的成分が磁性体含有粒子に吸着される。尚、目的成分の磁性体含有粒子への吸着は、マイクロ流路へ導入する前段階に、試料成分を含む溶液と磁性体含有粒子分散溶液とを均一に混合可能な高混合性ミキサー等を設置し、予め両液体を混合した後に流路内へ導入することでもよい。
3で生成した混合分散液は、16の温度制御機構で上下に分割される。目的成分を吸着した磁性体含有粒子は、ドライブシャフト17とベルト状磁石18かなる可動式磁石の磁力によって引き付けられ下層(無極性溶媒層)へ移動し、下流のY字分岐点で無極性溶媒層が分離、回収され、回収された磁性粒子に目的成分を剥離する処理(光照射、加温、試薬混合等)を行い、目的成分が回収される。
1 基板
2、2a、2b 流入口
3a、3b 流出口
4 流路
5a 上側ブロック
5b 下側ブロック
6a 右側ブロック
6b 左側ブロック
7 シートヒーター
8 ペルチェクーラー
9 ロッドヒーター
10 冷媒入口
11 冷媒出口
12 粒子
13 液体導入孔
14 液体(磁性体含有粒子)導入孔
15 混合部
16 温度制御機構
17 ドライブシャフト
18 ベルト状磁石

Claims (10)

  1. 微細流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離するマイクロチップデバイスであって、流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に異なる温度分布を形成するように、温度制御機構を配してなることを特徴とするマイクロチップデバイス。
  2. 流路断面の上下方向又は左右方向に温度分布が形成されてなる請求項1記載のマイクロチップデバイス。
  3. 上下又は左右の2つの基板からなり、それぞれの基板の接合面に設けられた溝部によって微細流路を形成する請求項1又は2記載のマイクロチップデバイス。
  4. 異なる材質の上下基板又は左右基板が接合された請求項3記載のマイクロチップデバイス。
  5. 基板の材質が、ステンレス、ハステロイ、チタン、アルミニウム、真鍮、金、白金から選ばれる金属である請求項1〜4のいずれか1項記載のマイクロチップデバイス。
  6. 流路内表面が温度感受性物質で修飾された請求項1〜5のいずれか1項記載のマイクロチップデバイス。
  7. 流路内に温度感受性の微粒子を充填してなる請求項1〜5のいずれか1項記載のマイクロチップデバイス。
  8. 微粒子が、その表面又は細孔内が温度感受性物質で修飾されたものである請求項7記載のマイクロチップデバイス。
  9. 更に磁気分離機構を備えてなる請求項1〜6のいずれか1項記載のマイクロチップデバイス。
  10. 流路内が流れ方向に直交する流路断面方向に温度分布を形成するように温度制御機構を配したマイクロチップデバイスを用い、流路内に導入された2種以上の混合液体について、流路内に異なる温度分布を形成するように温度制御して、流路内で多相層流を実現し、流れ方向の下流で各層を分離することを特徴とする液体の処理方法。
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