JP2010172381A - 多針ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】複数並列状に配置される糸道部材の夫々については簡易な構成にすることにより極めて安価に提供することができるようにした多針ミシンを提供する。
【解決手段】天秤機構は、横動枠に対して連結してあって、表面には長く形成した案内条を複数並設状態で備えている表面カバーと、夫々の基体部の表側には糸道部材を備え、裏側には揺動アームに対向したときに揺動アームの揺動によって上下方向に往復動作できるように係合離脱を自在にする連繋部を備え、かつ、糸道部材と連繋部との間に位置する基体部は複数並設状態の案内条に対して夫々上下動自在に装着してある糸道案内部材とを備え、さらに、複数並設状態の案内条によって夫々上下動自在に装着支持してある複数の糸道案内部材の内、針落孔上方位置にある糸道案内部材を除く他の糸道案内部材を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】天秤機構は、横動枠に対して連結してあって、表面には長く形成した案内条を複数並設状態で備えている表面カバーと、夫々の基体部の表側には糸道部材を備え、裏側には揺動アームに対向したときに揺動アームの揺動によって上下方向に往復動作できるように係合離脱を自在にする連繋部を備え、かつ、糸道部材と連繋部との間に位置する基体部は複数並設状態の案内条に対して夫々上下動自在に装着してある糸道案内部材とを備え、さらに、複数並設状態の案内条によって夫々上下動自在に装着支持してある複数の糸道案内部材の内、針落孔上方位置にある糸道案内部材を除く他の糸道案内部材を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段とを備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多針ミシンに関し、詳しくは、複数の針棒が並設してある針棒機構と、上記複数の針棒に向けて夫々上糸を供給する為の上糸供給手段と、上糸供給手段と上記針棒機構との間における夫々の上糸の通路に並列状態で備えさせた複数の糸道部材を備える多針ミシンに関する。
従来より複数の針棒が並設してある針棒機構と、上記複数の針棒に向けて夫々上糸を供給する為の上糸供給手段と、上糸供給手段と上記針棒機構との間にあって、夫々の上糸の通路に並列状態で備えさせた天秤装置における複数の糸道部材を備える多針ミシンは、例えば特許文献1に示される多針ミシン等を含めて広く知られているので、この広く知られている点の構成を次に説明する。
なお、図1、図2は本発明の実施例を示すものであるが、これらの図において符号2〜7,9〜50、52、70〜76を付した構成は、前述のように特許文献1の多針ミシン等を含めて広く知られている構成である。また、図17には、従来の天秤装置における公知の構成を示した。
なお、図1、図2は本発明の実施例を示すものであるが、これらの図において符号2〜7,9〜50、52、70〜76を付した構成は、前述のように特許文献1の多針ミシン等を含めて広く知られている構成である。また、図17には、従来の天秤装置における公知の構成を示した。
上記の図1、2における公知の部分及び図17において、固定的に設置される基枠(アームとも称されている)2には、夫々上下動自在にしてある複数の針棒23を並設状態で備える針棒装置9と、上記複数の針棒23に向けて夫々上糸12を供給する為に上記複数の針棒23に対応させた数の上糸を供給する為の上糸供給手段7が備えられる。上記上糸供給手段7と、その下方に位置する上記針棒装置9との間には、複数の上糸を通過させる為の通路50があり、それらの上糸の通路50には天秤装置における持出アーム102、複数の糸道部材65等が上下動自在の状態(図17参照)で、かつ、上記複数の針棒23の間隔に対応させた任意の間隔で並列状に備えられている。
上記針棒装置9における針棒機構21と、天秤装置における持出アーム102、複数の糸道部材65等とは、基枠2に対して横方向に往復動自在に構成してある横動枠(針棒保持枠とも称されている)4の下方と、その上方の位置に対して夫々装着し、横動枠4と一体的に横方向に往復動するようにしてある。
上記上糸供給手段7は、支持枠10に対して必要に応じて、上記複数の針棒23に対応させた数の糸立て、テンション付与機構、糸道(糸ガイド)等を備えさせて構成してある。
上記支持枠10は、上記の基枠2に対する遠近等の場所の関係、或いは、天秤装置との位置的、機能的な関係から、要求に対応して上記の基枠2に連結固定したり、上記横動枠4に対して装着し、上記横動枠4の横方向への往復動によって針棒機構と、持出アーム102、複数の糸道部材65等(図17参照)と共に一体的に往復動するようにしてある。
上記上糸供給手段7は、支持枠10に対して必要に応じて、上記複数の針棒23に対応させた数の糸立て、テンション付与機構、糸道(糸ガイド)等を備えさせて構成してある。
上記支持枠10は、上記の基枠2に対する遠近等の場所の関係、或いは、天秤装置との位置的、機能的な関係から、要求に対応して上記の基枠2に連結固定したり、上記横動枠4に対して装着し、上記横動枠4の横方向への往復動によって針棒機構と、持出アーム102、複数の糸道部材65等(図17参照)と共に一体的に往復動するようにしてある。
さらに上記基枠2には、上記針棒機構21における複数並設の針棒23の内、上記横動枠4を横動させることによって針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒23を、選択的に上下駆動できるようにしてある針棒駆動手段22が備えさせてある。
さらに上記基枠2には、上記天秤装置における、並列状態に配置する複数の持出アーム102、複数の糸道部材65等の内、上記針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒23に対して上糸を供給する為の1つの持出アーム102、複数の糸道部材65等を、選択的に上下駆動するために1つの揺動アーム(天秤レバーとも称されている)73を有している天秤駆動手段52を備えさせている。
一方、上記複数並列状に配置される各糸道部材65は、夫々図17(特許文献1の図4相当図であって、本発明における図3に対応させた断面図)に示されるような形状をしている天秤部材100 (横動枠4に対して、往復動方向に向けて複数列設状に配置される支点軸部101、持出アーム102を備える)における持出アーム102の先部に備えさせている。
持出アーム102 の支点軸部101 における回転中心点から糸道部材65の間の持出寸法の長さL5は、周知のように、先部に備えさせた糸道部材65が「所定の上下振幅寸法L1」の範囲内を上下に円弧動作ができるように、その円弧の曲率の設定に対応させて定められる長さ、即ち、要求に対応する「所定持出長さL5」に形成してある。
なお、この明細書にて、上記「所定の上下振幅寸法L1」とは、周知のように、縫製作動のとき、針棒23の上下動に伴い、その都度、上糸12には弛みが生じるので、その上糸の弛みを吸収するために糸道部材65が上下動しなければならない範囲の上下振幅寸法L1のことである。
持出アーム102 の支点軸部101 における回転中心点から糸道部材65の間の持出寸法の長さL5は、周知のように、先部に備えさせた糸道部材65が「所定の上下振幅寸法L1」の範囲内を上下に円弧動作ができるように、その円弧の曲率の設定に対応させて定められる長さ、即ち、要求に対応する「所定持出長さL5」に形成してある。
なお、この明細書にて、上記「所定の上下振幅寸法L1」とは、周知のように、縫製作動のとき、針棒23の上下動に伴い、その都度、上糸12には弛みが生じるので、その上糸の弛みを吸収するために糸道部材65が上下動しなければならない範囲の上下振幅寸法L1のことである。
上記並列状に配置される複数の天秤部材(天秤とも称されている)100 は、上記横動枠4の横動によって針棒機構21と対をなして往復動させる必要があるので、周知のように上記横動枠4に対して装着する。その装着状態は、横動枠4に対して、横動枠4の移動軌跡に平行する状態で支持軸(支軸とも称されている)103 を配置し、その支持軸103 に対して、各天秤部材100 における持出アーム102の支点軸部101 を個別的な回動を自在に並列させて装着してある。
上記複数の持出アーム102 の夫々の支点軸部101 の後方に備えさせてある各凹状の連繋部(切り込みとも称されている)67は、基枠2の側に設けられている上記天秤駆動手段52における1つの揺動アーム73の先部に備えさせてある連係部(駆動子とも称されている)76を選択的に嵌合離脱自在に嵌合させる為のものである。
上記複数並設の持出アーム102 は、図17においては、図の奥行き方向に重合しており、上記複数並設の凹状の連繋部67も、同形、同高に構成されていて、図の奥行き方向に重合する状態になっていて、連係部76を(横動枠4の方向へ)貫通可能にしてある。
従って、上記天秤駆動手段52における1つの揺動アーム73の先部に備えさせてある連係部76が図17の位置で静止している場合(糸道部材65が上死点にある場合)は、上記針棒機構21の針棒23を選択する為に上記横動枠4を横動させ、上記複数の持出アーム102 を一緒に横動させても、上記複数並設の凹状の連繋部67等は、揺動アーム73の先部に備えさせてある連係部76とは相対的に移動方向に向けて嵌合離脱する関係にある。
上記複数並設の持出アーム102 は、図17においては、図の奥行き方向に重合しており、上記複数並設の凹状の連繋部67も、同形、同高に構成されていて、図の奥行き方向に重合する状態になっていて、連係部76を(横動枠4の方向へ)貫通可能にしてある。
従って、上記天秤駆動手段52における1つの揺動アーム73の先部に備えさせてある連係部76が図17の位置で静止している場合(糸道部材65が上死点にある場合)は、上記針棒機構21の針棒23を選択する為に上記横動枠4を横動させ、上記複数の持出アーム102 を一緒に横動させても、上記複数並設の凹状の連繋部67等は、揺動アーム73の先部に備えさせてある連係部76とは相対的に移動方向に向けて嵌合離脱する関係にある。
上記複数の天秤部材100の表面に備えられる表面カバー107に対しては、夫々複数並設の持出アーム102の各糸道部材65が表面に露出して上下動できるように、複数並設状に上下に長く形成して、複数の持出アーム102を案内できるような案内溝を複数並設状態で備えさせるものである。各糸道部材65が案内溝に沿って急速な上下動をすることによって、上糸が暴れる状態になっても、上糸の暴れを表面カバー107における前面部の部材でもって受け止め上糸の暴れを和らげる。
上記複数の天秤部材100 の夫々の支点軸部101 の後方に備えさせてある104は、複数並設の天秤部材100 の内、針落孔上方位置に選択されて留まる一つの天秤部材100 を除く他の天秤部材100 を、上記横動枠4を横動させるときを含めて、上昇位置(上死点位置)から下降しないように保持する為に、基枠2から延設された保持手段としての板状の保持部材106(図17参照)を嵌合させるための係止部(切り込みとも称されている)である。なお、上記針落孔上方位置にある一つの天秤部材100 については、上記天秤駆動手段52における1つの揺動アーム73の先部にある連係部76が凹状の連繋部67に嵌合して、天秤部材100 を上下駆動させるので、保持部材106には、嵌合させないように特許文献1における隙間に相当する欠除部が形成してある。
この従来の多針ミシンでは、前述のように複数並列状に配置される各糸道部材65は、夫々図17に示されるように天秤部材100 の持出アーム102 の先部分に備えられている。
しかも上記各糸道部材65を備える持出アーム102 の夫々の支持は、持出アーム102 の各後方の元部側に位置する支点軸部101 を、基枠2に対して横方向に往復動自在に構成してある横動枠4の支持軸103 によって、夫々回動自在に支持してある。
従って、各持出アーム102 の支点軸部101 から糸道部材65の間の持出寸法の長さL5は、図17を用いて前述したように、先部に位置する糸道部材65の「所定の上下振幅寸法L1」に対応させて、前述したように長くなる(「所定持出長さ」が必要となる)。
しかも上記各糸道部材65を備える持出アーム102 の夫々の支持は、持出アーム102 の各後方の元部側に位置する支点軸部101 を、基枠2に対して横方向に往復動自在に構成してある横動枠4の支持軸103 によって、夫々回動自在に支持してある。
従って、各持出アーム102 の支点軸部101 から糸道部材65の間の持出寸法の長さL5は、図17を用いて前述したように、先部に位置する糸道部材65の「所定の上下振幅寸法L1」に対応させて、前述したように長くなる(「所定持出長さ」が必要となる)。
このように、従来における複数並列状に配置される各糸道部材65は、夫々図17に示されるよう「所定持出長さ」が必要となる持出アーム102 の先部分に備えさせ、後方を支持軸103 で支持する構成になるものであるから、各糸道部材65を製作する場合、上記の長細くて、「所定持出長さL5」の寸法が必要となる持出アーム102 の製作コストが高価になる問題点がある。
しかも所定持出長さL5の寸法が必要となる持出アーム102 は、高速での上下動に耐えるだけの強度と、軽量化が要求される為、必然、その材料も夫々高価な金属材料に制約され、コストを押し上げる問題点があった。
なお最近の多針ミシンにおいては、多色の要求に対応して並設させる針棒の数を多くする傾向にある。従って、1台当たり、例えば15本の針棒を並設する場合は、上記糸道部材65も15個必要となり、各糸道部材に対して、「所定持出長さL5」の寸法が必要となる持出アーム102 が夫々一体化していると、1台当たり例えば15個の糸道部材65(天秤部材100 )の製作費は大きな負担となり、製作費の低減化が望まれていた。
しかも所定持出長さL5の寸法が必要となる持出アーム102 は、高速での上下動に耐えるだけの強度と、軽量化が要求される為、必然、その材料も夫々高価な金属材料に制約され、コストを押し上げる問題点があった。
なお最近の多針ミシンにおいては、多色の要求に対応して並設させる針棒の数を多くする傾向にある。従って、1台当たり、例えば15本の針棒を並設する場合は、上記糸道部材65も15個必要となり、各糸道部材に対して、「所定持出長さL5」の寸法が必要となる持出アーム102 が夫々一体化していると、1台当たり例えば15個の糸道部材65(天秤部材100 )の製作費は大きな負担となり、製作費の低減化が望まれていた。
本件出願の目的は、複数並列状に配置される糸道部材の夫々については簡易な構成にすることにより極めて安価に提供することができるようにした多針ミシンを提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
本発明における多針ミシン1は、基枠2には、夫々上下動自在にしてある複数の針棒23が並設してある針棒機構21と、上記複数の針棒23に向けて夫々上糸12を供給する為の上糸供給手段7と、上糸供給手段7と上記針棒機構21との間における夫々の上糸の通路50には天秤機構51における複数の糸道部材65を並列状態で備えさせ、上記針棒機構21と、上記天秤機構51における複数の糸道部材65とは、基枠2に対して横方向に往復動自在に横動枠4を備えさせて、その横動枠4に対して夫々装着して横動枠4と一体的に往復動するようにしてあり、さらに上記基枠2には、上記針棒機構21における複数並設の針棒23の内、上記横動枠4を横動させることによって針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒を、選択的に上下駆動できるようにしてある針棒駆動手段22を備えさせると共に、上記並列状態の糸道部材65の内、上記針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒に対して上糸を供給する為の糸道部材65を、選択的に上下駆動するための揺動アーム73を有している天秤駆動手段52とを備えさせた多針ミシンにおいて、上記天秤機構51は、上記横動枠4に対して連結してあって、かつ、表面には、糸道案内部材60を上下方向に向けて少なくとも「所定の上下振幅寸法L1」が得られる区間案内できるように、長く形成した糸道案内部材支持用の案内条56を複数並設状態で備えている表面カバー53と、夫々の基体部61の表側には上記上糸案内用の糸道部材65を備え、裏側には、上記揺動アーム73に対向したときに揺動アーム73の上下方向への揺動によって上下方向に向けて往復動作できるように係合離脱を自在にする連繋部67を備え、かつ、糸道部材65と連繋部67との間に位置する基体部61は、上記複数並設状態の表面カバー53における案内条56に対して、夫々案内条56に案内されての上下動を自在に装着してある糸道案内部材60とを備え、さらに、上記複数並設状態の案内条56によって夫々上下動自在に装着支持してある複数の糸道案内部材60の内、針落孔上方位置にある糸道案内部材60を除く他の糸道案内部材60を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段とを備えたものである。
また好ましくは、上記針落孔上方位置にある糸道案内部材60を除く他の糸道案内部材60を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段80は、上記夫々の糸道案内部材60における基体部61の裏側に対して、夫々掛止部材86と掛かり合いさせて上記糸道案内部材60を個別に上昇位置において留める為の掛合部85を備えさせる一方、上記表面カバー53の側においては、上記各糸道案内部材60を上昇位置において個別に留める為に上記各掛合部85に対応させて夫々掛合部85に対する係合離脱を可能にしてある掛止部材86を配設し、さらに、上記基枠2には、上記横動枠4の横動により選択移動されて針落孔上方位置に移動してきた糸道案内部材60について、当該糸道案内部材60を上昇位置に留める為の掛止部材86に当接して、当該糸道案内部材60の上下動作を自在にする為の外し部材92を備えさせたものであればよい。
以上のように本発明は、天秤機構51の表面に備えられる表面カバー53に対して、糸道案内部材60を上下方向に向けて案内できるように長く形成した糸道案内部材支持用の案内条56を複数並設状態で備えさせるものであるから、糸道案内部材支持用の案内条56に沿って上下動する糸道案内部材60が急速な上下動をすることによって、上糸が暴れる状態になっても、上糸の暴れを表面カバー53における前面部の部材でもって受け止め、上糸の暴れを和らげる効果がある。
しかも、本発明にあっては、上記表面カバー53に備えさせてある上下方向に長い案内条56によって、糸道案内部材60を支持する構成だから、その糸道案内部材60の構成は、上記の上下方向に長い案内条56によって支持される基体部61と、その基体部61によって支持される小さな糸道部材65と、上記の上下方向に長い案内条56によって支持される基体部61の後方に付設状態で備えられる連繋部67とでもって極めて小型コンパクトに構成できる特長がある。
このことは、図17(特許文献1の図4)に示される糸道部材65が、後方に遠く離れている支持軸103で支持する為に糸道部材65の後部から長い持ち出しアーム102が必要があった従来の問題点を解決するばかりか、上記のように糸道案内部材60に係る部材を極めて小型コンパクトに構成できることから、その糸道案内部材60に係る部材を製造するときに必要な材料は極めて僅かで足り、製造コストを低減させる上で画期的効果がある。
その上、上記のように小型コンパクトに構成される糸道案内部材60に係る部材は、上記のように上下方向に長い案内条56によって支持されるので、上記糸道案内部材60には大きな強度は要求されることが無く、従って、使用材料の選択幅が広く、安価で軽い材料を用いて、製造コストをより大きく低下させる効果がある。
このことは、図17(特許文献1の図4)に示される糸道部材65が、後方に遠く離れている支持軸103で支持する為に糸道部材65の後部から長い持ち出しアーム102が必要があった従来の問題点を解決するばかりか、上記のように糸道案内部材60に係る部材を極めて小型コンパクトに構成できることから、その糸道案内部材60に係る部材を製造するときに必要な材料は極めて僅かで足り、製造コストを低減させる上で画期的効果がある。
その上、上記のように小型コンパクトに構成される糸道案内部材60に係る部材は、上記のように上下方向に長い案内条56によって支持されるので、上記糸道案内部材60には大きな強度は要求されることが無く、従って、使用材料の選択幅が広く、安価で軽い材料を用いて、製造コストをより大きく低下させる効果がある。
針落孔上方位置にある糸道案内部材60を除く他の糸道案内部材を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段について、表面カバー53の側において、上記各糸道案内部材60を上昇位置において個別に留める為に上記糸道案内部材60の各掛合部85に対応させて夫々掛合部85に対する係合離脱を可能にしてある掛止部材86を配設し、一方、上記基枠2に、針落孔上方位置に到来した糸道案内部材60における掛合部85に対して係合させてある掛止部材86を離脱させるための外し部材92を備えさせる構成にする場合には、メンテナンス作業に際し、横動枠4から表面カバー53を取り外した場合でも、上記多数の糸道案内部材60は、夫々表面カバー53に定着した状態を維持するので、上記多数の糸道案内部材60が表面カバー53から外れて散乱することを防止する作業上の効果がある。
以下本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は多針ミシン1を説明する為の断面図で、基枠2と上糸供給手段7と天秤装置8と針棒装置9との関係を説明する為の図。天秤装置8の天秤機構51における糸道案内部材60が上死点位置Uにある状態を示す。糸道案内部材60が天秤駆動手段52における揺動アーム73によって下死点位置Dに揺動された状態を一点鎖線で示す(その場合における伝達レバー71及び揺動アーム73の位置を一点鎖線で示す)。
図2は多針ミシン1を説明する為の正面図で、上糸供給手段7と天秤装置8と針棒装置9との関係を説明する為の図。上糸供給手段7は一点鎖線でその存在を示す。
図3は、図2におけるIII−III線位置の破断図(針落孔3a上方に位置する糸道案内部材60位置説明用の破断図)で、横動枠4と、天秤機構51における表面カバー53、糸道案内部材60と保持手段80と、天秤駆動手段52における揺動アーム73の関係を説明する為の図。下死点位置Dの糸道案内部材60の存在を一点鎖線で示す。
図4は表面カバー53を説明する為の断面図で、(A)は図2におけるIVA−IVA線断面図、(B)は図2におけるIVB−IVB線断面図。
図5は、保持手段80と、揺動アーム73と、糸道案内部材60との関係を説明する為の概略斜視図。
図6(A)は、図3におけるVIA−VIA線破断図。この図は、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60とそれ以外の糸道案内部材60と、天秤駆動手段52における揺動アーム73との関係、表面カバー53に対する糸道案内部材60の装着状態を説明する為の図。
図6(B)は図3におけるVIB−VIB線破断図。この図は、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60とそれ以外の糸道案内部材60と、保持手段80との関係、表面カバー53に対する糸道案内部材60の装着状態を説明する為の図。
図16は天秤機構51における糸道案内部材60と針棒23と枠移動との周知の動作関係を説明する為の図。
図1は多針ミシン1を説明する為の断面図で、基枠2と上糸供給手段7と天秤装置8と針棒装置9との関係を説明する為の図。天秤装置8の天秤機構51における糸道案内部材60が上死点位置Uにある状態を示す。糸道案内部材60が天秤駆動手段52における揺動アーム73によって下死点位置Dに揺動された状態を一点鎖線で示す(その場合における伝達レバー71及び揺動アーム73の位置を一点鎖線で示す)。
図2は多針ミシン1を説明する為の正面図で、上糸供給手段7と天秤装置8と針棒装置9との関係を説明する為の図。上糸供給手段7は一点鎖線でその存在を示す。
図3は、図2におけるIII−III線位置の破断図(針落孔3a上方に位置する糸道案内部材60位置説明用の破断図)で、横動枠4と、天秤機構51における表面カバー53、糸道案内部材60と保持手段80と、天秤駆動手段52における揺動アーム73の関係を説明する為の図。下死点位置Dの糸道案内部材60の存在を一点鎖線で示す。
図4は表面カバー53を説明する為の断面図で、(A)は図2におけるIVA−IVA線断面図、(B)は図2におけるIVB−IVB線断面図。
図5は、保持手段80と、揺動アーム73と、糸道案内部材60との関係を説明する為の概略斜視図。
図6(A)は、図3におけるVIA−VIA線破断図。この図は、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60とそれ以外の糸道案内部材60と、天秤駆動手段52における揺動アーム73との関係、表面カバー53に対する糸道案内部材60の装着状態を説明する為の図。
図6(B)は図3におけるVIB−VIB線破断図。この図は、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60とそれ以外の糸道案内部材60と、保持手段80との関係、表面カバー53に対する糸道案内部材60の装着状態を説明する為の図。
図16は天秤機構51における糸道案内部材60と針棒23と枠移動との周知の動作関係を説明する為の図。
なお、本発明の実施例を示す図1乃至図6、図16の説明に当り、図1〜図6の符号2〜7,9〜50、52、70〜76に関しては、以下の説明に於て加える新規な部材構成、組合せ等の説明に係わる事項を除き、前述の背景技術において説明した図1、図2、図16の符号2〜7,9〜50、52、70〜76を用いた公知の基枠、横動枠、上糸供給手段、針棒装置、天秤駆動手段に係る構成、部材、手段等の機能、性質、特徴、手段等と同旨である。よって、重複する説明は一部省略する。
図1、2において、2は基枠、3はベッド、3aは針落孔を示し、4は基枠2に対して図2の左右方向へ向けての往復動自在に備えさせた横動枠を示す。
横動枠4は、周知の構成、例えば自体の引掛部材4bを基枠2におけるガイドレール40に載せると共に、引っ掛け爪4aを基枠2における係合爪2aに係わり合いさせる等して図2の左右方向へ向けての往復動を自在に構成してある。
45は横動枠4に連結された横動駆動軸で、針落孔位置に対して複数の針棒の内の一つを図2の左右方向に向けて選択移動させる(当然のことながら天秤機構51の糸道部材65も一体的に移動させる)場合に、周知の駆動手段で矢印43の方向に往復動させるようにしてある。なお、多針ミシン1が複数台並列している場合は、周知のように上記横動駆動軸45は、夫々の横動枠4に連結されており、複数台の多針ミシンにおける横動枠4は連動する。5は周知の主軸を示す。
横動枠4は、周知の構成、例えば自体の引掛部材4bを基枠2におけるガイドレール40に載せると共に、引っ掛け爪4aを基枠2における係合爪2aに係わり合いさせる等して図2の左右方向へ向けての往復動を自在に構成してある。
45は横動枠4に連結された横動駆動軸で、針落孔位置に対して複数の針棒の内の一つを図2の左右方向に向けて選択移動させる(当然のことながら天秤機構51の糸道部材65も一体的に移動させる)場合に、周知の駆動手段で矢印43の方向に往復動させるようにしてある。なお、多針ミシン1が複数台並列している場合は、周知のように上記横動駆動軸45は、夫々の横動枠4に連結されており、複数台の多針ミシンにおける横動枠4は連動する。5は周知の主軸を示す。
多針ミシン1における基枠2には、図1,2の如く(周知の如く)、夫々上下動自在にしてある複数(図においては、15本のものを示す)の針棒23が並設してある針棒機構21を備える針棒装置9と、上記複数の針棒23に向けて夫々上糸12を供給する為の上糸供給手段7とを備えている。更に、上糸供給手段7と、上記針棒装置9における針棒機構21との間における夫々の上糸の通路50がある。その通路50には、天秤装置8の天秤機構51における複数の糸道部材65を並列状態で備えさせている。
なお、図示の上糸供給手段7における支持枠10は、取付部11を公知のように、例えば、横動枠4に対して連動可能に装着してある。横動枠4の前側においては、上糸12の通路50に該当する位置に周知の糸道13a、13b、14が左右方向への連動可能に配設されている。上糸12は周知のように、上糸供給手段7から糸道14、13a、66、13bによって順に通されて針24の糸通し孔へ向けて案内されている。
なお、図示の上糸供給手段7における支持枠10は、取付部11を公知のように、例えば、横動枠4に対して連動可能に装着してある。横動枠4の前側においては、上糸12の通路50に該当する位置に周知の糸道13a、13b、14が左右方向への連動可能に配設されている。上糸12は周知のように、上糸供給手段7から糸道14、13a、66、13bによって順に通されて針24の糸通し孔へ向けて案内されている。
次に、上記針棒装置9について説明する。
図1,2に示されるように、針棒装置9は、横動枠4に備えさせた針棒機構21と、基枠2に備えさせた針棒駆動手段22を備える。
針棒機構21において、23は横動枠4に対して上下動可能に支持される複数の針棒、24は針を示す。25は係合部で、針棒駆動手段22における係合ピン35と係合する為の係合溝25aを備える。38は周知の布押え部材を示す。
図1,2に示されるように、針棒装置9は、横動枠4に備えさせた針棒機構21と、基枠2に備えさせた針棒駆動手段22を備える。
針棒機構21において、23は横動枠4に対して上下動可能に支持される複数の針棒、24は針を示す。25は係合部で、針棒駆動手段22における係合ピン35と係合する為の係合溝25aを備える。38は周知の布押え部材を示す。
次に、上記針棒駆動手段22は、上記針棒機構21における複数並設の針棒23の内、上記横動枠4を横動させることによって針落孔3a上方位置に選択移動せられる1本の針棒を、選択的に上下駆動できるようにしてある。
針棒駆動手段22において、図1の29は主軸5に取付けられた偏心カム、30はクランクロッド、31は一端31aを基枠2に枢着したリンク、32はリンク31と昇降体34を連結するレバー、33は基枠2に取付けられた案内棒、34は案内棒33に対し上下動自在に装着した昇降体を示す。35は昇降体34における係合ピンで、周知のように針落孔3a上方位置の針棒23における係合溝25aに係合する。
針棒駆動手段22にあっては、周知のように主軸5が回動すると、符号29〜32の部材を介して昇降体34が上下動し、針棒機構21における複数の針棒23の内、針落孔3a上方位置に選択的に移動された針棒23を上下動する。
針棒駆動手段22において、図1の29は主軸5に取付けられた偏心カム、30はクランクロッド、31は一端31aを基枠2に枢着したリンク、32はリンク31と昇降体34を連結するレバー、33は基枠2に取付けられた案内棒、34は案内棒33に対し上下動自在に装着した昇降体を示す。35は昇降体34における係合ピンで、周知のように針落孔3a上方位置の針棒23における係合溝25aに係合する。
針棒駆動手段22にあっては、周知のように主軸5が回動すると、符号29〜32の部材を介して昇降体34が上下動し、針棒機構21における複数の針棒23の内、針落孔3a上方位置に選択的に移動された針棒23を上下動する。
次に、天秤装置8について説明する。天秤装置8は、天秤駆動手段52と、天秤機構51とを備えている。天秤機構51は、表面カバー53と、糸道案内部材60と、保持手段80とを備える。
天秤駆動手段52は、並列状態の糸道部材65の内、上記針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒に対して上糸を供給する為の糸道部材65を、選択的に上下駆動するための揺動アーム73を有している。
天秤駆動手段52は周知の任意の構成であれば良く、例えば、主軸5が回動すると、天秤カム70も連動し、カム溝70aに嵌合している一端71bが揺動し、伝達レバー71が軸71aを中心にして揺動する。この動きは、駆動子72と受動部74を介して揺動アーム73に伝達され、揺動アーム73は、揺動軸75を軸に揺動する。この動きにより、連係部76は連繋部67に着脱自在に嵌合していることにより、糸道案内部材60を図1に示されるように所定の上下振幅寸法L1の範囲内で上下動させる。
さらに、上記の場合、広く知られているように、針棒23と糸道案内部材60とを同期させて(図16に示すように関連動作させて)縫製に用いるようにすればよい。
天秤駆動手段52は、並列状態の糸道部材65の内、上記針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒に対して上糸を供給する為の糸道部材65を、選択的に上下駆動するための揺動アーム73を有している。
天秤駆動手段52は周知の任意の構成であれば良く、例えば、主軸5が回動すると、天秤カム70も連動し、カム溝70aに嵌合している一端71bが揺動し、伝達レバー71が軸71aを中心にして揺動する。この動きは、駆動子72と受動部74を介して揺動アーム73に伝達され、揺動アーム73は、揺動軸75を軸に揺動する。この動きにより、連係部76は連繋部67に着脱自在に嵌合していることにより、糸道案内部材60を図1に示されるように所定の上下振幅寸法L1の範囲内で上下動させる。
さらに、上記の場合、広く知られているように、針棒23と糸道案内部材60とを同期させて(図16に示すように関連動作させて)縫製に用いるようにすればよい。
なお、図において伝達レバー71における駆動子72の断面形状が円形のものを例示したが、駆動子72の断面形状を四角形に形成して、揺動アーム73の受動部74に係合させてもよい。そのように構成した場合は、両者の係合は面接触により摩耗少なく長寿命で使用できる。
さらに、伝達レバー71と揺動アーム73の二部材で構成してあるが、周知のように、これらを一部材にして、針棒23との動きのタイミングと関連動作するように、カム溝70aの形状を技術的事項に基づき変更すればよい。
さらに、伝達レバー71と揺動アーム73の二部材で構成してあるが、周知のように、これらを一部材にして、針棒23との動きのタイミングと関連動作するように、カム溝70aの形状を技術的事項に基づき変更すればよい。
次に表面カバー53は、例えば図1、2の如く天秤機構51の表面を覆える広さに構成されており、正面からの形状は図2、側面(断面)からの形状は図1に示されるような弯曲させた構成にしてある。この図において、53aはフレーム部分、53bは上糸の暴れ防止部分を示し、材質としては、周知の硬質材(例えば、金属材料、合成樹脂材等)で一体的に形成されている。表面カバー53の板厚としては、例えば2〜3mm程度にすればよい。
表面カバー53の横動枠に対する連結は、表面カバー53の上部にある連結部58の取付け孔58aを用いてビスなど任意の固着具で横動枠4に着脱自在に連結されている。さらに、表面カバー53の下端59を、横動枠4に装着された針棒カバー6の上側に形成されている凹溝6aに差し込んだ状態で係合させて連結させてある。これにより、表面カバー53は横動枠4と共に一体的に往復動する。
表面カバー53の横動枠に対する連結は、表面カバー53の上部にある連結部58の取付け孔58aを用いてビスなど任意の固着具で横動枠4に着脱自在に連結されている。さらに、表面カバー53の下端59を、横動枠4に装着された針棒カバー6の上側に形成されている凹溝6aに差し込んだ状態で係合させて連結させてある。これにより、表面カバー53は横動枠4と共に一体的に往復動する。
上記暴れ防止部分53bにおいては、案内条56を複数並設状態で備えさせてある。この案内条56は、案内溝55の一方の側又は両側の側方に形成してある(図2、図6参照)。
上記複数並設状態で備えている糸道案内部材支持用の各案内条56は、糸道案内部材60を上下方向に向けて少なくとも「所定の上下振幅寸法L1」が得られる区間案内できるように、長く形成してある。
表面カバー53に形成されている案内条56の曲率は、図3における揺動アーム73の軸75の軸心75aを中心にした円弧に沿わせて形成してある。従って、糸道案内部材60が案内条56の曲面に沿って上下動するときの連繋部67と、軸心75aとの距離は常に一定になる。なお、針棒装置9において設置されるように揺動運動を直線運動に変換する為の装置(例えば昇降体34のような機構)を伝達レバー71と連繋部67との間に介在させる場合は、上記表面カバー53は直線状態であってもよい。
表面カバー53に形成されている複数並設状態の案内溝55の間に存在する上糸暴れ防止用の各表面部材54は、案内条56に沿って上下動する糸道案内部材60が急速な上下動をすることによって、上糸が暴れる状態になっても、上糸の暴れを表面カバー53における表面部材54でもって受け止めて上糸の暴れを和らげることができる。
上記複数並設状態で備えている糸道案内部材支持用の各案内条56は、糸道案内部材60を上下方向に向けて少なくとも「所定の上下振幅寸法L1」が得られる区間案内できるように、長く形成してある。
表面カバー53に形成されている案内条56の曲率は、図3における揺動アーム73の軸75の軸心75aを中心にした円弧に沿わせて形成してある。従って、糸道案内部材60が案内条56の曲面に沿って上下動するときの連繋部67と、軸心75aとの距離は常に一定になる。なお、針棒装置9において設置されるように揺動運動を直線運動に変換する為の装置(例えば昇降体34のような機構)を伝達レバー71と連繋部67との間に介在させる場合は、上記表面カバー53は直線状態であってもよい。
表面カバー53に形成されている複数並設状態の案内溝55の間に存在する上糸暴れ防止用の各表面部材54は、案内条56に沿って上下動する糸道案内部材60が急速な上下動をすることによって、上糸が暴れる状態になっても、上糸の暴れを表面カバー53における表面部材54でもって受け止めて上糸の暴れを和らげることができる。
次に、上記表面カバー53における複数並設状態の表面部材54を支持する為のフレーム部分53aは、図2に表れているように表面カバー53の上部に備えさせ、複数並設の各表面部材54の下部を自由端にしたが、これと異なり、上記表面カバー53における下部に備えさせて複数並設の表面部材54を下部で連結させる状態で支持しても良い。また上部のフレーム部分53aを省略して、複数並設の各表面部材54の上部を自由端にして、溝55の上方を開放させてもよい。
次に、上記天秤機構51における複数並設された糸道案内部材60は、夫々の基体部61の表側には上記上糸案内用の糸道部材65を備えている。66は糸道部材65に形成された糸道を示す。
上記糸道案内部材60の裏側には、上記揺動アーム73に対向したときに、揺動アーム73の上下方向への揺動によって上下方向に向けて往復動作できるように、連係部76に対して係合離脱を自在にする連繋部67を備える。
上記糸道部材65と連繋部67との間に位置する基体部61は、上記複数並設状態の表面カバー53における案内条56に対して、夫々案内条56に案内されての「所定の上下振幅寸法L1」の上下動を自在に装着してある。
具体的には、図5、図6(A)(B)に示される63は基体部61に対して凹溝状に形成した遊嵌部を示す。遊嵌部63は、上記表面カバー53における案内溝55の両側の案内条56に対して係合可能な対応形状に形成されており、図6(A)(B)のように案内条56に係合した状態で装着されている。糸道案内部材60は、所定の曲率に形成された案内条56に沿って「所定の上下振幅寸法L1」の間を上下動する。
具体的には、図5、図6(A)(B)に示される63は基体部61に対して凹溝状に形成した遊嵌部を示す。遊嵌部63は、上記表面カバー53における案内溝55の両側の案内条56に対して係合可能な対応形状に形成されており、図6(A)(B)のように案内条56に係合した状態で装着されている。糸道案内部材60は、所定の曲率に形成された案内条56に沿って「所定の上下振幅寸法L1」の間を上下動する。
糸道案内部材60は、周知の硬質材料(例えば、比重が小さくて、丈夫な合成樹脂材・軽金属材で一体的に形成されている。
糸道案内部材60の表面側の糸道部材65の表面カバー53からの突出寸法は、従来と同様に小さく形成できる。さらに、裏側に備える連繋部67の長さ寸法は、揺動アーム73の連係部76に嵌合できるだけの短小な長さがあれば足りる。糸道案内部材60の全長L3は(例えば、26〜29mm程度)に形成してある。
糸道案内部材60の表面側の糸道部材65の表面カバー53からの突出寸法は、従来と同様に小さく形成できる。さらに、裏側に備える連繋部67の長さ寸法は、揺動アーム73の連係部76に嵌合できるだけの短小な長さがあれば足りる。糸道案内部材60の全長L3は(例えば、26〜29mm程度)に形成してある。
案内条56の断面構造は、図6(A)、(B)に示されるように、遊嵌部63に対して凸状の対応形状に形成してある。案内条56の断面形状は、案内溝55の両側に備えさせて、上記糸道案内部材60の両側の遊嵌部63に係合させ、糸道案内部材60を両側から支持して案内するようにした。
しかし、案内条56は、図6(C)のように案内溝55の一方の側に備え、糸道案内部材60の片側を支持して案内するようにしてもよい。
さらに、案内条56の断面形状は、図6(A)、(B)のように凸状に形成したが、図6(D)のように凹状に形成して、糸道案内部材60を上下方向に向けて「所定の上下振幅寸法L1」が得られる区間案内するようにしてもよい。その場合は、糸道案内部材60の遊嵌部63の断面形状は、図6(D)のように案内条56に係合可能に対応形状に形成すればよい。
なお、上記表面カバー53における案内溝55の下方(上方)を開放させて、上記複数並設させる糸道案内部材60を、表面カバーの案内条65に対して簡易で迅速に装着離脱できるようにしてある。
しかし、案内条56は、図6(C)のように案内溝55の一方の側に備え、糸道案内部材60の片側を支持して案内するようにしてもよい。
さらに、案内条56の断面形状は、図6(A)、(B)のように凸状に形成したが、図6(D)のように凹状に形成して、糸道案内部材60を上下方向に向けて「所定の上下振幅寸法L1」が得られる区間案内するようにしてもよい。その場合は、糸道案内部材60の遊嵌部63の断面形状は、図6(D)のように案内条56に係合可能に対応形状に形成すればよい。
なお、上記表面カバー53における案内溝55の下方(上方)を開放させて、上記複数並設させる糸道案内部材60を、表面カバーの案内条65に対して簡易で迅速に装着離脱できるようにしてある。
上記天秤機構51における保持手段80は、上記複数並設状態の案内条56によって夫々上下動自在に装着支持してある複数の糸道案内部材60の内、針落孔上方位置にある糸道案内部材60を除く他の糸道案内部材60を、上昇位置Uにおいて下降しないように保持する為のものである。
具体的には、図1、3,5,6(B)の81は、保持手段80としての保持部材を示し、基枠2に対して装着、例えば固着部84の取付孔を用いてビスなど任意の固着具で固着されている。保持部材81において、82は板状の掛止部で、周知のように天秤機構51の横動範囲に亘る長さに対応する長さに形成されている。83は掛止部82に形成された切欠状の非掛止部を示し、図3,6に示されるように、針落孔上方に位置する糸道案内部材60の係止部68に対応する位置に形成されている。その巾寸法W2は、図6(B)のように、糸道案内部材60の係止部68が通過できる範囲で狭く設定して、針落孔上方位置に選択される一つの糸道案内部材60の係止部68の上下動を阻止しないようにしてある。
一方、前述の揺動アーム73の連係部76は、掛止部82の非掛止部83の下側に配置されていて、それの巾寸法W1は、連繋部67の巾寸法よりも広くして、針落孔上方位置に移動してくる糸道案内部材60又は、針落孔上方位置から左方向、又は右方向に逃げた位置、即ち、退避位置に向かう糸道案内部材60が不用意に脱落しないようにしてある。
複数並設の糸道案内部材60の内、針落孔上方位置に選択される一つの糸道案内部材60は、揺動アーム73の揺動に伴って上下動され、それ以外の退避位置の糸道案内部材60は、図6(B)のように、係止部68と掛止部82が嵌合して上昇位置Uに維持される。
具体的には、図1、3,5,6(B)の81は、保持手段80としての保持部材を示し、基枠2に対して装着、例えば固着部84の取付孔を用いてビスなど任意の固着具で固着されている。保持部材81において、82は板状の掛止部で、周知のように天秤機構51の横動範囲に亘る長さに対応する長さに形成されている。83は掛止部82に形成された切欠状の非掛止部を示し、図3,6に示されるように、針落孔上方に位置する糸道案内部材60の係止部68に対応する位置に形成されている。その巾寸法W2は、図6(B)のように、糸道案内部材60の係止部68が通過できる範囲で狭く設定して、針落孔上方位置に選択される一つの糸道案内部材60の係止部68の上下動を阻止しないようにしてある。
一方、前述の揺動アーム73の連係部76は、掛止部82の非掛止部83の下側に配置されていて、それの巾寸法W1は、連繋部67の巾寸法よりも広くして、針落孔上方位置に移動してくる糸道案内部材60又は、針落孔上方位置から左方向、又は右方向に逃げた位置、即ち、退避位置に向かう糸道案内部材60が不用意に脱落しないようにしてある。
複数並設の糸道案内部材60の内、針落孔上方位置に選択される一つの糸道案内部材60は、揺動アーム73の揺動に伴って上下動され、それ以外の退避位置の糸道案内部材60は、図6(B)のように、係止部68と掛止部82が嵌合して上昇位置Uに維持される。
次に、図1〜図6の多針ミシンとは、保持手段80に係る構成、詳しくは、退避位置の糸道案内部材60を上昇位置Uにおいて下降しないように保持する構成と、針落孔上方位置にある糸道案内部材60の保持を外す手段の構成の点において異なる例を示す図7〜図11について説明する。
図7は針落孔上方に位置する糸道案内部材60の破断図で、図3に対応させて示す図。
図8は、表面カバー53と、保持手段80における掛止部材86との関係を説明する為の一部省略して示す正面図。
図9は、揺動アーム73と、糸道案内部材60と、保持手段80における掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92との関係を説明する為の概略斜視図。
図10は図7におけるX−X線拡大断面図で、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60及びそれ以外の糸道案内部材60と、表面カバー53と、保持手段80における掛止部材86と外し部材92との関係を説明する為の断面図。
図11は図10の符号XI−XI線位置の破断図(糸道案内部材60(針落孔3a上方に位置しない糸道案内部材60)説明用概略破断図)、保持手段80とそれにより上昇位置Uにおいて下降しないように保持された糸道案内部材60を説明する為の図。
なお、図7〜図11において前述の図1〜図6のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図1〜図6と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図7は針落孔上方に位置する糸道案内部材60の破断図で、図3に対応させて示す図。
図8は、表面カバー53と、保持手段80における掛止部材86との関係を説明する為の一部省略して示す正面図。
図9は、揺動アーム73と、糸道案内部材60と、保持手段80における掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92との関係を説明する為の概略斜視図。
図10は図7におけるX−X線拡大断面図で、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60及びそれ以外の糸道案内部材60と、表面カバー53と、保持手段80における掛止部材86と外し部材92との関係を説明する為の断面図。
図11は図10の符号XI−XI線位置の破断図(糸道案内部材60(針落孔3a上方に位置しない糸道案内部材60)説明用概略破断図)、保持手段80とそれにより上昇位置Uにおいて下降しないように保持された糸道案内部材60を説明する為の図。
なお、図7〜図11において前述の図1〜図6のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図1〜図6と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
保持手段80は、掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92を備えさせたものであればよい。
掛合部85は図7、図9示されるように上記の複数並設された糸道案内部材60における基体部61の裏側に対して、夫々一体的に備えさせてある。掛合部85の形状は、後述する掛止部材86における掛合爪89と掛合可能に対応形状に形成してあり、図11に示されるように掛止部材86と掛り合いさせた状態では、上記糸道案内部材60は上昇位置Uにおいて留まる。
掛合部85は図7、図9示されるように上記の複数並設された糸道案内部材60における基体部61の裏側に対して、夫々一体的に備えさせてある。掛合部85の形状は、後述する掛止部材86における掛合爪89と掛合可能に対応形状に形成してあり、図11に示されるように掛止部材86と掛り合いさせた状態では、上記糸道案内部材60は上昇位置Uにおいて留まる。
次に、掛止部材86は、上記表面カバー53の側に配設し、上記各糸道案内部材60を上昇位置Uにおいて個別に留める為に上記各掛合部85に対応させて、夫々掛合部85に対する係合離脱を可能にしてある。
具体的には、上記の複数配設された掛止部材86は、図7,8のように、元部87を連結部材90で連結して一体的に形成してある。各掛止部材86の表面カバー53に対する連結は、例えば図7,8のように、連結部材90をねじ止など任意の固着手段で表面カバー53のフレーム部分53aに対して着脱自在に連結されている。
各掛止部材86において、89は糸道案内部材60の掛合部85に係合させる為の掛爪を示す。88は弾性部を示し、矢印88a方向(図9参照)に力が加わることにより、弾力的に撓むようにしてある。
具体的には、上記の複数配設された掛止部材86は、図7,8のように、元部87を連結部材90で連結して一体的に形成してある。各掛止部材86の表面カバー53に対する連結は、例えば図7,8のように、連結部材90をねじ止など任意の固着手段で表面カバー53のフレーム部分53aに対して着脱自在に連結されている。
各掛止部材86において、89は糸道案内部材60の掛合部85に係合させる為の掛爪を示す。88は弾性部を示し、矢印88a方向(図9参照)に力が加わることにより、弾力的に撓むようにしてある。
外し部材92は、上記横動枠4の横動により選択移動されて針落孔上方位置に移動してきた糸道案内部材60について、その糸道案内部材60に対応する上記掛止部材86に当接して、当該糸道案内部材60の上下動作を自在にする為のものである。
外し部材92は、固着部93の取付孔を用いて、ビスなど任意の固着具で基枠2に対して固着されている。外し部材92において、95は上記掛止部材86における弾性部88に当接させる為の当片を示す。当片95は、アーム94に対して軸95aによって回動自在に取付けられ、糸道案内部材60を横動させる場合には、当片95に対する抵抗を少なく移動させることができる。当片95の外径寸法は、図10のように、退避位置の糸道案内部材60に対応する掛止部材86に当接することなく、針落孔上方位置の掛止部材86にのみ当接して、その掛爪89と掛合部85の掛合を外すことができる範囲で小さく設定してある。
外し部材92は、固着部93の取付孔を用いて、ビスなど任意の固着具で基枠2に対して固着されている。外し部材92において、95は上記掛止部材86における弾性部88に当接させる為の当片を示す。当片95は、アーム94に対して軸95aによって回動自在に取付けられ、糸道案内部材60を横動させる場合には、当片95に対する抵抗を少なく移動させることができる。当片95の外径寸法は、図10のように、退避位置の糸道案内部材60に対応する掛止部材86に当接することなく、針落孔上方位置の掛止部材86にのみ当接して、その掛爪89と掛合部85の掛合を外すことができる範囲で小さく設定してある。
図10、11に示されるように、複数並設の糸道案内部材60の内、退避位置の糸道案内部材60は、掛合部85に対して掛止部材86の掛爪89が係合し、上昇位置Uに保持される。一方、針落孔上方位置の糸道案内部材60は、図7、10のように外し部材92が掛止部材86に当接することによって、掛合部85に対する掛爪89の係合は外され、揺動アーム73の揺動に伴って上下動される。
複数並列状の糸道案内部材60の横動に伴い、針落孔上方位置から退避位置に移動する糸道案内部材60において、掛止部材86は、外し部材92における当片95の当接が外れると弾力的に常態に戻り、掛合部85に対して係合して糸道案内部材60を上昇位置Uに保持する。
複数並列状の糸道案内部材60の横動に伴い、針落孔上方位置から退避位置に移動する糸道案内部材60において、掛止部材86は、外し部材92における当片95の当接が外れると弾力的に常態に戻り、掛合部85に対して係合して糸道案内部材60を上昇位置Uに保持する。
上記構成のものを用いて糸道案内部材60を交換、修理等のメンテナンス作業に際し、横動枠4から表面カバー53を取り外した場合でも、上記多数の糸道案内部材60は、夫々表面カバー53に定着した状態を維持するので、上記多数の糸道案内部材60が表面カバー53から外れて散乱することを防止する作業上の効果がある。
次に、図7〜図11の保持手段とは外し部材に係る構成の点において異なる例を示す図12〜図14について説明する。
図12は外し部材92における当り部材96とその下方に重合状に備えられる板状の保持部材98を説明する為の斜視図。
図13は針落孔上方に位置する糸道案内部材60説明用の破断図(図7に対応させて示す破断図)で、揺動アーム73と、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60と、保持手段80における、掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92(当り部材96と保持部材98)との関係を説明する為の図。
図14(A)は、図13におけるXIVA−XIVA線断面図で、複数並設された糸道案内部材60と、保持手段80における掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92の当り部材96の関係を説明する為の断面図。
図14(B)は図13におけるXIVB−XIVB線断面図で、複数並設された糸道案内部材60と、保持手段80における外し部材92の保持部材98との関係を説明する為の断面図。
なお、図12〜図14において前述の図7〜図11のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図7〜図11と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図12は外し部材92における当り部材96とその下方に重合状に備えられる板状の保持部材98を説明する為の斜視図。
図13は針落孔上方に位置する糸道案内部材60説明用の破断図(図7に対応させて示す破断図)で、揺動アーム73と、針落孔上方位置に選択移動された一つの糸道案内部材60と、保持手段80における、掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92(当り部材96と保持部材98)との関係を説明する為の図。
図14(A)は、図13におけるXIVA−XIVA線断面図で、複数並設された糸道案内部材60と、保持手段80における掛合部85と、掛止部材86と、外し部材92の当り部材96の関係を説明する為の断面図。
図14(B)は図13におけるXIVB−XIVB線断面図で、複数並設された糸道案内部材60と、保持手段80における外し部材92の保持部材98との関係を説明する為の断面図。
なお、図12〜図14において前述の図7〜図11のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図7〜図11と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
外し部材92は当り部材96と保持部材98を備える。
当り部材96は、図12,13に示されるように、保持部材98に対してアーム96aの一端をビスなど任意の固着具で固着されている。97は掛止部材86における弾性部88に当接させる為の当接片を示し、図14(A)に示されるような長さ、即ち、針落孔上方位置の糸道案内部材60に対応する掛止部材86を中心にして左右2個ずつの掛止部材86に亘る長さに対応する長さに形成されている。当接片97の表面側の平面形状は、図14(A)のように、中心位置97a(針落孔上方位置の掛止部材86に対向する位置)から左右両側(97bの側)に向かって、緩やかな傾斜になるように形成してある。中心位置97aの突出寸法は、図13、14(A)のように対向する掛止部材86の弾性部88に当接して、糸道案内部材60の掛合部85に対する掛爪89の係合を外せるような寸法に設定してある。当接片97を上記平面形状にすることにより、複数並列状の糸道案内部材60を横動(図14の矢印99方向に相対移動)させる場合、針落孔上方位置に移動してくる掛止部材86の弾性部88を、徐々に当接片97で押すことになる。よって、当接片97に当接する掛止部材86の弾性部88の1つ当りの押圧量を小さくして抵抗少なく移動させることができ、さらに騒音を防止することもできる。
当り部材96は、図12,13に示されるように、保持部材98に対してアーム96aの一端をビスなど任意の固着具で固着されている。97は掛止部材86における弾性部88に当接させる為の当接片を示し、図14(A)に示されるような長さ、即ち、針落孔上方位置の糸道案内部材60に対応する掛止部材86を中心にして左右2個ずつの掛止部材86に亘る長さに対応する長さに形成されている。当接片97の表面側の平面形状は、図14(A)のように、中心位置97a(針落孔上方位置の掛止部材86に対向する位置)から左右両側(97bの側)に向かって、緩やかな傾斜になるように形成してある。中心位置97aの突出寸法は、図13、14(A)のように対向する掛止部材86の弾性部88に当接して、糸道案内部材60の掛合部85に対する掛爪89の係合を外せるような寸法に設定してある。当接片97を上記平面形状にすることにより、複数並列状の糸道案内部材60を横動(図14の矢印99方向に相対移動)させる場合、針落孔上方位置に移動してくる掛止部材86の弾性部88を、徐々に当接片97で押すことになる。よって、当接片97に当接する掛止部材86の弾性部88の1つ当りの押圧量を小さくして抵抗少なく移動させることができ、さらに騒音を防止することもできる。
次に、保持部材98は、上記当り部材96の下側に配置され、基枠2に対して固着部98aの取付孔を用いてビスなど任意の固着具で固着されている。保持部材98における掛止部82は、上記当り部材96の長さに対応する長さに形成されている。非掛止部83は、上記当り部材96における当接片97の中心位置97a下側に配置されており、図14のように、針落孔上方位置に選択される一つの糸道案内部材60の係止部68の上下動を阻止しないようにしてある。
図14に示されるように、退避位置の複数の糸道案内部材60の内、外し部材92(当り部材96、保持部材98)に対向しない糸道案内部材60は、掛合部85と掛爪89との係合により上昇位置Uに保持される。退避位置の糸道案内部材60の内、外し部材92に対向するものは、係止部68と保持部材98における掛止部82との嵌合により、上昇位置Uに維持される。一方、針落孔上方位置の糸道案内部材60は、外し部材92によって、掛合部85に対する掛爪89の係合は外され、揺動アーム73の揺動に伴って上下動される。
次に、図1〜図14の多針ミシンにおける糸道案内部材とは、表面側に上糸の横振れ防止枠69を備える点において異なる例を示す図15について説明する。なお、図15において前述の図1〜図14のものと機能、性質、手段又は特徴等が同一又は均等構成と考えられる部分には、前述の図1〜図14と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図15において、69は糸道案内部材60aの表面側に一体的に備えさせた横振れ防止枠を示す。66aは糸道66に対する上糸挿通時の利便を図る為に、横振れ防止枠69に形成した欠如部を示す。上糸12は、糸道14から横振れ防止枠69内を通って糸道13aへ向かい、糸道13aを折り返して横振れ防止枠69の内側から外側へ糸道66を通って糸道13bへ向けて案内される。
上記構成の糸道案内部材60aによれば、糸道案内部材支持用の案内条56に沿って上下動する糸道案内部材60aが急速な上下動をする場合に、図示のように糸道14から糸道13aに向けて供給される上糸12の横方向の振れを横振れ防止枠69によって受け止め、上糸の暴れを和らげる効果がある。
図15において、69は糸道案内部材60aの表面側に一体的に備えさせた横振れ防止枠を示す。66aは糸道66に対する上糸挿通時の利便を図る為に、横振れ防止枠69に形成した欠如部を示す。上糸12は、糸道14から横振れ防止枠69内を通って糸道13aへ向かい、糸道13aを折り返して横振れ防止枠69の内側から外側へ糸道66を通って糸道13bへ向けて案内される。
上記構成の糸道案内部材60aによれば、糸道案内部材支持用の案内条56に沿って上下動する糸道案内部材60aが急速な上下動をする場合に、図示のように糸道14から糸道13aに向けて供給される上糸12の横方向の振れを横振れ防止枠69によって受け止め、上糸の暴れを和らげる効果がある。
1・・・多針ミシン、2・・・基枠、3・・・ベッド、4・・・横動枠、5・・・主軸、6・・・針棒カバー、7・・・上糸供給手段、8・・・天秤装置、9・・・針棒装置、10・・・支持枠、11・・・取付部、12・・・上糸、13、14・・・糸道、21・・・針棒機構、22・・・針棒駆動手段、23・・・針棒、24・・・針、25・・・係合部、34・・・昇降体、40・・・ガイドレール、45・・・横動駆動軸、50・・・通路、51・・・天秤機構、52・・・天秤駆動手段、53・・・表面カバー、54・・・表面部材、54・・・案内溝、56・・・案内条、58・・・連結部、59・・・下端、60・・・糸道案内部材、61・・・基体部、63・・・遊嵌部、65・・・糸道部材、66・・・糸道、67・・・連繋部、68・・・係止部、71・・・伝達レバー、72・・・駆動子、73・・・揺動アーム、74・・・受動部、75・・・揺動軸、76・・・連係部、80・・・保持手段、81・・・保持部材、82・・・掛止部、83・・・非掛止部、84・・・固着部、85・・・掛合部、86・・・掛止部材、87・・・元部、88・・・弾性部、89・・・掛爪、90・・・連結部材、92・・・外し部材、93・・・固着部、94・・・アーム、95・・・当片、96・・・当り部材、96a・・・アーム、97・・・当接片、98・・・保持部材、98a・・・固着部、100・・・天秤部材、101・・・支点軸部、102・・・持出アーム、L1・・・所定の上下振幅寸法
Claims (2)
- 本発明における多針ミシンは、
基枠には、夫々上下動自在にしてある複数の針棒が並設してある針棒機構と、
上記複数の針棒に向けて夫々上糸を供給する為の上糸供給手段と、
上糸供給手段と上記針棒機構との間における夫々の上糸の通路には天秤機構における複数の糸道部材を並列状態で備えさせ、
上記針棒機構と、上記天秤機構における複数の糸道部材とは、基枠に対して横方向に往復動自在に横動枠を備えさせて、その横動枠に対して夫々装着して横動枠と一体的に往復動するようにしてあり、
さらに上記基枠には、上記針棒機構における複数並設の針棒の内、上記横動枠を横動させることによって針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒を、選択的に上下駆動できるようにしてある針棒駆動手段を備えさせると共に、
上記並列状態の糸道部材の内、上記針落孔上方位置に選択移動せられる1本の針棒に対して上糸を供給する為の糸道部材を、選択的に上下駆動するための揺動アームを有している天秤駆動手段とを備えさせた多針ミシンにおいて、
上記天秤機構は、上記横動枠に対して連結してあって、かつ、表面には、糸道案内部材を上下方向に向けて少なくとも「所定の上下振幅寸法」が得られる区間案内できるように、長く形成した糸道案内部材支持用の案内条を複数並設状態で備えている表面カバーと、 夫々の基体部の表側には上記上糸案内用の糸道部材を備え、裏側には、上記揺動アームに対向したときに揺動アームの上下方向への揺動によって上下方向に向けて往復動作できるように係合離脱を自在にする連繋部を備え、かつ、糸道部材と連繋部との間に位置する基体部は、上記複数並設状態の表面カバーにおける案内条に対して、夫々案内条に案内されての上下動を自在に装着してある糸道案内部材とを備え、さらに、
上記複数並設状態の案内条によって夫々上下動自在に装着支持してある複数の糸道案内部材の内、針落孔上方位置にある糸道案内部材を除く他の糸道案内部材を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段とを備えたことを特徴とする多針ミシン。 - 上記針落孔上方位置にある糸道案内部材を除く他の糸道案内部材を、上昇位置において下降しないように保持する為の保持手段は、上記夫々の糸道案内部材における基体部の裏側に対して、夫々掛止部材と掛かり合いさせて上記糸道案内部材を個別に上昇位置において留める為の掛合部を備えさせる一方、上記表面カバーの側においては、上記各糸道案内部材を上昇位置において個別に留める為に上記各掛合部に対応させて夫々掛合部に対する係合離脱を可能にしてある掛止部材を配設し、さらに、上記基枠には、上記横動枠の横動により選択移動されて針落孔上方位置に移動してきた糸道案内部材について、当該糸道案内部材を上昇位置に留める為の掛止部材に当接して、当該糸道案内部材の上下動作を自在にする為の外し部材を備えさせたことを特徴とする請求項1記載の多針ミシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009015784A JP2010172381A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 多針ミシン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009015784A JP2010172381A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 多針ミシン |
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JP2010172381A true JP2010172381A (ja) | 2010-08-12 |
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Family Applications (1)
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JP2009015784A Pending JP2010172381A (ja) | 2009-01-27 | 2009-01-27 | 多針ミシン |
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JP (1) | JP2010172381A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104695143A (zh) * | 2015-04-02 | 2015-06-10 | 东莞市名菱工业自动化科技有限公司 | 缝纫机的天平结构 |
-
2009
- 2009-01-27 JP JP2009015784A patent/JP2010172381A/ja active Pending
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