JP2010171982A - 画像読取装置およびラインセンサ駆動方法 - Google Patents

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淳 榊原
Koji Tanimoto
弘二 谷本
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さとみ 星野
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Abstract

【課題】モアレを低減しつつ、カラー画像の高速読取を実現できる画像読取装置およびラインセンサ駆動方法を提供する。
【解決手段】画像読取装置としてのスキャナSは、カラーの画像を構成する各色を読取るための複数のラインセンサを有する4ラインCCDセンサ9と、前記4ラインCCDセンサ9を構成する各ラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給するタイミング生成部32と、前記タイミング生成部32により独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される信号を処理する画像処理部34とを有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、たとえば、1つのモノクロ用のラインセンサとカラー用の3つのラインセンサからなる4ラインCCDセンサを有する画像読取装置、および各ラインセンサの駆動方法に関する。
従来、スキャナなどの画像読取装置では、主走査方向に光電変換素子を並べたラインセンサを用いて原稿面の画像を読取っている。近年、画像読取装置に用いられるラインセンサとして、無彩色読取用のラインセンサ(モノクロ用のラインセンサ)と、カラー用の3つのラインセンサ(赤(RED)のラインセンサ、緑(GREEN)のラインセンサ、及び、青(BLUE)のラインセンサ)で構成された4ラインCCDセンサが実用化されている。このような4ラインCCDセンサを用いた場合、有彩色のカラー原稿は、受光面に各色のフィルタを配置した3つのラインCCDセンサで読み、無彩色のモノクロ原稿は、受光面に有色フィルタを配置しないラインセンサで読取る。
このような4ラインCCDセンサでは、通常、3ラインCCDセンサによるカラーでの読取がモノクロに対して低速である。また、カラーでの高速読取のために、カラーの読取解像度を低下させると、原稿における画像の線数とスクリーン角との関係からモアレが生じ易くなるということがある。特に、カラー画像の電子ファイリングでは、データ量を削減し、かつ、処理を高速で行うために、カラーの読取解像度を低く設定することが多い。このため、スキャナによるカラー画像の読取では、効率的にモアレを低減する技術が要望されている。
たとえば、4ラインCCDセンサを用いた画像読取装置に関する技術としては、モノクロ読取を高速化し、カラー読取は高精細化する技術がある(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1には、カラー画像を高速に読取りつつ、モアレを低減するという点については考慮されていない。また、カラー用の3つのラインセンサからのR、G、B信号を加算することにより、高速化を図る技術も開示されている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2の技術では、R、G、Bの各信号をサンプリングするタイミングが同一となるため、上述したようなモアレの発生を抑制することができないという問題点がある。
この発明の一形態は、モアレを低減しつつ、カラー画像の高速読取を実現できる画像読取装置およびラインセンサ駆動方法を提供することを目的とする。
この発明の一形態としての画像読取装置は、原稿画像を読取るものにおいて、カラーの画像を構成する各色を読取るための複数のラインセンサを有するカラーラインセンサと、前記カラーラインセンサを構成する各ラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給するタイミング生成手段と、前記タイミング生成手段により独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される信号を処理する画像処理手段とを有する。
この発明の一形態としてのラインセンサ駆動方法は、原稿画像を読取る画像読取装置に用いられ、カラーの画像を構成する複数色を読取るための複数のラインセンサを有するカラーラインセンサを駆動するための方法であって、前記カラーラインセンサを構成する各ラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給し、前記独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される信号を処理する。
この発明の一形態によれば、モアレを低減しつつ、カラー画像の高速読取を実現できる画像読取装置およびラインセンサ駆動方法を提供できる。
図1は、画像読取装置としてのスキャナの構成例を示す断面図である。 図2は、スキャナを有するデジタル複合機の構成例を概略的に示すブロック図である。 図3は、スキャナにおける制御系の構成例を示すブロック図である。 図4は、4ラインCCDセンサの動作を説明するための図である。 図5は、4ラインCCDセンサを構成する各ラインセンサの構成例を示す図である。 図6は、カラー用の3つのラインセンサに共通のリセット信号を与えた場合のタイミングチャートを示すものである。 図7は、カラー用の3つのラインセンサに異なるリセット信号を与えた場合のタイミングチャートを示すものである。 図8は、原稿としての印刷物における線数とスクリーン角との例を示す図である。 図9は、ラインセンサへのリセット信号を制御する高画質読取モードによる原稿の読取処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、この発明の実施の形態に係る画像読取装置の構成例について概略的に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像読取装置の構成例を示す断面図である。
図1に示すように、画像読取装置としてのスキャナSは、光源1、リフレクタ2、第1ミラー3、第1キャリジ4、第2ミラー5、第3ミラー6、第2キャリジ7、集光レンズ8、4ラインCCDセンサ9、CCDセンサ基板10、制御基板11、白基準板12、原稿ガラス13、および原稿カバー14を有する。また、光源1、リフレクタ2および第1ミラー3は、第1キャリジ4に搭載される。第2ミラー5および第3ミラー6は、第2キャリジ7に搭載される。第1キャリジ4及び第2キャリジ7は、後述する駆動系制御部37より駆動制御されるモータ38により副走査方向に移動される。第1キャリジ4は、第2キャリジ7の速度に対して2倍の速度で移動する。
光源1は、原稿の読取面に照射される光を発する。光源1は、後述する光源制御部36により発光が制御される。リフレクタ2は、光源1から発せられた光を原稿の読取面に集光する。原稿の読取面からの反射光は、第1ミラー3により第2ミラー5へ導かれる。第2ミラー5は、第1ミラー3からの光をさらに第3ミラー6へ導く。第3ミラー6は、第1ミラー3及び第2ミラー5により導かれた原稿の読取面からの反射光を集光レンズ8へ導く。集光レンズ8は、第1、第2及び第3ミラー3、5、6により導かれた原稿の読取面からの反射光を集光し、4ラインCCDセンサ9の受光面に結像する。
また、4ラインCCDセンサ9は、モノクロ用のラインセンサ(黒(BLACK)のラインセンサ)と、カラー用の3つのラインセンサ(青(BLUE)のラインセンサ、緑(GREEN)のラインセンサ、赤(RED)のラインセンサ)とにより構成される。4ラインCCDセンサ9の構成については後述する。4ラインCCDセンサ9は、CCDセンサ基板10上に実装される。CCDセンサ基板10は、制御基板11に接続される。
白基準板12は、原稿の読み取り画像データに対する白の基準となるものである。白基準板12は、副走査方向において原稿ガラス13の手前に設置される。原稿ガラス13には、光源1側が読取面となる状態で原稿Oが載置される。原稿カバー14は、原稿ガラス13上に載置された原稿Oが浮かないように固定するためのものである。原稿カバー14は、原稿ガラス13上に置かれた原稿Oの読取り面が原稿ガラス13に密着するように押さえつける。
次に、図1に示すように構成されるスキャナSの動作を概略的に説明する。
光源1から照射された光は、原稿ガラス13を透過し、原稿Oに照射される。光源1から照射される光の配光は、一様でなく、原稿O上の照度に配光ムラが生じてしまう。このため、リフレクタ2は、光源1からの光を反射させて、原稿Oに照射することで、原稿O上の配光を一様にする。原稿Oからの反射光は、第1ミラー3、第2ミラー5、および第3ミラー6を介して、集光レンズ8を透過し、4ラインCCDセンサ9の受光面に結像される。CCDセンサ基板10上に実装されている4ラインCCDセンサ9は、制御基板11から入力される各種の制御信号により制御される。制御基板11の詳細は、図2を用いて後述する。
また、4ラインCCDセンサ9の構成の詳細は後述するが、4ラインCCDセンサ9から出力されるアナログ信号は、各光電変換部の変換効率のばらつきによる高周波歪と集光レンズ8を用いた縮小光学系であることに起因する収差からなる低周波歪とを含んでいる。このため、正規化補正を行うためには、基準となるデータが必要となる。図1においては、その基準データは、白基準板12を読取った際の画像データとする。
次に、上記画像読取装置としてのスキャナSを搭載した画像形成装置としてのデジタル複合機の構成例について説明する。
図2は、スキャナSを有するデジタル複合機の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル複合機Cは、画像読取装置(スキャナ)S、システム制御部21、コントロールパネル22、記憶装置23、画像処理部24、および画像形成部(プリンタ)25、FAXインターフェース26、およびネットワークインターフェース27などを有する。
システム制御部21は、当該デジタル複合機C全体を統括的に制御するものである。システム制御部21には、当該デジタル複合機C内の主要な各部が接続される。コントロールパネル22は、ユーザに案内を報知したり、ユーザからの操作を受け付けたりするものである。コントロールパネル22は、たとえば、ハードキー群とタッチパネル内蔵の表示装置などにより構成される。また、コントロールパネル22では、たとえば、後述する原稿モードのユーザによる選択などが入力される。コントロールパネル22に入力された情報は、システム制御部21へ通知される。記憶装置23は、画像情報などを格納する記憶媒体である。たとえば、上記画像読取装置Sで読取った画像データは、記憶装置23に格納される。画像処理部24では、取得した画像データに対する画像処理を行う。たとえば、画像処理部24は、スキャナSから取得した画像データを画像形成部25での画像形成に適した印刷用の画像に変換する画像処理を行う。たとえば、画像処理部24は、色変換処理、色補正、画像縮小拡大等などの各種の画像処理を行う。
画像形成部25は、用紙などの被画像形成媒体に画像を形成するためのユニットである。画像形成部25は、様々な画像形成方式のプリンタが適用可能である。たとえば、画像形成部25には、電子写真方式のプリンタ、インクジェット方式のプリンタ、あるいは熱転写方式のプリンタなどが適用可能である。電子写真方式のプリンタである場合、画像形成部25は、画像データに応じてレーザ光を発生させるレーザ光学系、このレーザ光を受けて画像が形成される像担持体としての感光体ドラム、感光体ドラム上の画像を現像する現像器、現像器により原稿された画像を用紙上に転写する転写部、転写した画像を用紙に定着させる定着部などにより構成される。また、画像形成部25は、各色(例えば、イエロー(YELLOW)、マゼンタ(MAGENTA)、シアン(CYAN)、黒(BLACK))の画像を重ねて印刷することにより、用紙上にカラー画像を形成する。
また、FAXインターフェース26およびネットワークインターフェース27は、スキャナSにより読取った画像を画像データを外部へ送信するためのインターフェースである。FAXインターフェース26は、公衆電話回線を介してファクシミリ通信を行うためのユニットである。FAXインターフェース26は、スキャナSにより読取った原稿の画像データをFAX送信する。ネットワークインターフェース27は、ネットワーク通信を行うためのインターフェースである。ネットワークインターフェース27は、ネットワークを介して接続されているPCなどへスキャナSにより読取った原稿の画像データを送信する。
次に、上記画像読取装置としてのスキャナSにおける制御系の構成について説明する。
図3は、画像読取装置としてのスキャナSにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御基板11は、CPU31、タイミング生成部32、アナログ処理部33、および画像処理部34などを有する。さらに、制御基板11には、CCDセンサ基板10、光電制御部36、駆動系制御部37、およびインターフェース39が接続される。
CPU31は、スキャナS全体の制御を司るものである。たとえば、CPU31は、タイミング生成部32によりCCDセンサ基板10に実装されるCCDセンサ制御部35へ供給する各種の制御信号の出力タイミングを設定したり(設定手段)、光源制御部36により光源1の発光制御を行ったり、駆動系制御部37により第1キャリジ4および第2キャリジ7を移動させるためのモータ38を駆動制御したり、原稿における画像の線数および各印刷色のスクリーン角を判定したり(判定手段)する。また、デジタル複合機Cにおいては、CPU31は、システム制御部21からの命令を受けてスキャナS内における各部の制御を行う。
上記タイミング生成部32は、各種を出力するタイミングを制御するタイミング生成手段として機能するものである。タイミング生成部32は、各ラインセンサを駆動させるための各種の信号を出力するタイミングを制御する。たとえば、タイミング生成部32は、CPU31により設定されるタイミングで各ラインセンサへそれぞれリセット信号を出力する。アナログ処理部33は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログ処理部33は、4ラインCCDセンサ9からのアナログ信号を処理し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログ処理部33は、デジタル信号を画像処理部34へ出力する。
画像処理部34は、スキャナS内での画像処理を行うものである。画像処理部34は、各ラインセンサからの出力として、アナログ処理部33から出力されるデジタル信号に対して画像処理を施す。画像処理部34は、たとえば、上述した高周波及び低周波歪を補正するシェーディング補正、後述する複数のリセット信号に応じた主走査方向における各画素の位置ズレを補正する位置合せ処理、あるいは、複数のラインセンサ間における副走査方向における各ラインの位置ズレを補正するためのライン間補正処理等の画像補正を行う。また、画像処理部34は、画像データを保存するための画像メモリ34aを有する。たとえば、画像処理部34は、ライン間補正処理を行う際にライン単位で画像データを遅延させるためのラインメモリなどを有する。
また、画像処理部34は、スキャナSによる原稿の読み取り結果としての画像データを出力するためのインターフェース39に接続されている。インターフェース39は、画像処理部34により処理したスキャン画像を外部へ出力するためのものである。たとえば、インターフェース39は、画像処理部24、画像形成部25、FAXインターフェース26、あるいは、ネットワークインターフェース27へ画像データを出力する。
また、CCDセンサ基板10は、4ラインCCDセンサ9、およびCCDセンサ制御部35が搭載される。CCDセンサ制御部35は、4ラインCCDセンサ9の動作を制御するものである。CCDセンサ制御部35は、タイミング生成部32からの各種の制御信号に応じた信号を4ラインCCDセンサ9の各部に供給することにより、ラインCCDセンサ9の動作を制御する。
次に、4ラインCCDセンサ9の構成について説明する。
図4は、スキャナSとしての画像読取装置が有する4ラインCCDセンサの構成例を示す図である。
図4に示すように、赤(RED)のラインセンサRは、REDフォトダイオードアレイR1、シフトゲートR2、アナログシフトレジスタR3、および出力アンプR4を有する。REDフォトダイオードアレイR1は、REDの有色フィルタ(図示せず)を受光面上に配置したフォトダイオードにより構成される。REDフォトダイオードアレイR1は、リセット信号RS1によりリセットされた後、光電変換によって、受光した光量を電荷量に変換し、各フォトダイオードに電荷を蓄積する。蓄積された電荷は、シフトゲートR2に印加する制御信号SH1によりシフトゲートR2を通り、アナログシフトレジスタR3に転送される。アナログシフトレジスタR3に転送された電荷は、サンプル信号φにより順次後段の出力アンプR4の方に移動し、出力アンプR4から外部に出力される。そのときの出力信号をOUTRDとする。
同様に、緑(GREEN)のラインセンサGは、GREENフォトダイオードアレイG1、シフトゲートG2、アナログシフトレジスタG3、および出力アンプG4を有する。GREENフォトダイオードアレイG1は、GREENの有色フィルタ(図示せず)を受光面上に配置したフォトダイオードにより構成される。GREENフォトダイオードアレイG1は、リセット信号RS2によりリセットされた後、光電変換によって、受光した光量に応じてこれを電荷量に変換し、各フォトダイオードに電荷を蓄積する。蓄積された電荷は、シフトゲートG2に印加する制御信号SH2によりシフトゲートG2を通り、アナログシフトレジスタG3に転送される。アナログシフトレジスタG3に転送された電荷は、サンプル信号φにより順次後段の出力アンプG4の方に移動し、出力アンプG4から外部に出力される。そのときの出力信号をOUTGRとする。
同様に、青(BLUE)のラインセンサBは、BLUEフォトダイオードアレイB1、シフトゲートB2、アナログシフトレジスタB3、および出力アンプB4を有する。BLUEフォトダイオードアレイB1は、BLUEの有色フィルタ(図示せず)を受光面上に配置したフォトダイオードにより構成される。BLUEフォトダイオードアレイB1は、リセット信号RS3によりリセットされた後、光電変換によって、受光した光量を電荷量に変換し、各フォトダイオードに電荷を蓄積する。蓄積された電荷はシフトゲートB2に印加する制御信号SH3によりシフトゲートB2を通りアナログシフトレジスタB3に転送される。アナログシフトレジスタB3に転送された電荷は、サンプル信号φにより順次後段の出力アンプB4の方に移動し、出力アンプB4から外部に出力される。
同様に、モノクロ(BLACK)のラインセンサKは、BLACKフォトダイオードアレイK1、シフトゲートK2、アナログシフトレジスタK3、出力アンプK4、シフトゲートK5、アナログシフトレジスタK6、および出力アンプK7を有する。BLACKフォトダイオードアレイK1は、有色フィルタを受光面上に配置しないフォトダイオードにより構成される。BLACKフォトダイオードアレイK1は、リセット信号RS4によりリセットされた後、光電変換によって、受光した光量を電荷量に変換し、各フォトダイオードに電荷を蓄積する。蓄積された電荷の奇数画素目の電荷は、シフトゲートK2に印加する制御信号SH4によりシフトゲートK2を通りアナログシフトレジスタK3に転送され、偶数画素目の電荷はシフトゲートK5に印加する制御信号SH4により、シフトゲートK5を通りアナログシフトレジスタK6に転送される。アナログシフトレジスタK3に転送された電荷は、サンプル信号φにより順次後段の出力アンプK4の方に移動し、出力アンプK4から外部に出力される。そのときの出力信号をOUTKO(BLACKのODD画素)とする。又、アナログシフトレジスタK6に転送された電荷は、サンプル信号φにより順次後段の出力アンプK7の方に移動し、出力アンプK7から外部に出力される。そのときの出力信号をOUTKE(BLACKのEVEN画素)とする。
上記のように、本実施の形態の4ラインCCDセンサ9において、各ラインセンサR、G、B、KのフォトダイオードアレイR1、G1、B1、K1は、それぞれCCDセンサ制御部35から供給されるリセット信号によりリセットされる。本実施の形態において、CCDセンサ制御部35は、各ラインセンサR、G、B、Kに供給する各リセット信号RS1、RS2、RS3、RS4をそれぞれ制御することが可能である。
次に、4ラインCCDセンサ9の各ラインセンサにおける各画素の構成例について説明する。
図5は、各ラインセンサにおける画素面積の関係を示す図である。図5に示すように、REDフォトダイオードアレイR1、GREENフォトダイオードG1、BLUEフォトダイオードB1、およびBLACKフォトダイオードK1の各画素は、それぞれサイズが異なっている。REDフォトダイオードアレイR1、GREENフォトダイオードG1およびBLUEフォトダイオードB1の各画素は、主走査方向のサイズが同様であるが、BLACKフォトダイオードK1の各画素は、主走査方向におけるサイズがREDフォトダイオードアレイR1、GREENフォトダイオードG1、あるいはBLUEフォトダイオードB1の各画素と異なっている。
たとえば、BLACKフォトダイオードK1の各画素のサイズをa×ck、BLUEフォトダイオードB1の各画素のサイズをa×cb、GREENフォトダイオードG1の各画素のサイズをa×cg、および、REDフォトダイオードアレイR1の各画素のサイズをb×crとすると、各画素サイズの条件は、a≧b、cb≧ck、cg≧ck、cr≧ckを満たすものである。
すなわち、図5に示す構成例において、カラー用の各ラインセンサR、G、Bの各画素は、モノクロ用のラインセンサの各画素に比べて主走査方向のサイズが小さい。これは、主走査方向におけるカラー用の各ラインセンサR、G、Bの画素数がモノクロ用のラインセンサの画素数よりも多く、主走査方向におけるカラーラインセンサの解像度がモノクロラインセンサ以上であることを意味している。ただし、カラー用の各ラインセンサR、G、Bでは、フォトダイオードの受光面上に有色フィルタが配置されるため、モノクロ用のラインセンサよりも受光する光量が低減される。このため、図5に示す構成例では、副走査方向において、カラー用の各ラインセンサR、G、Bにおける各画素の副走査方向のサイズを、モノクロ用のラインセンサにおける各画素の副走査方向のサイズよりも大きくしている。
次に、カラー用の3つのラインセンサの駆動タイミングについて説明する。
図6は、カラー用の3つのラインセンサに共通のリセット信号を与えた場合のタイミングチャートを示すものである。図7は、カラー用の3つのラインセンサに異なるタイミングでリセット信号を与えた場合のタイミングチャートを示すものである。
まず、図6に示すように、カラー用の3つのラインセンサに共通のリセット信号を与えた場合、各ラインセンサR、G、Bは、それぞれ同じタイミングで信号を出力する。このように、3つのラインセンサが同じタイミングで信号を出力すると、読み取り結果には、モアレが出現し易くなる。特に、低解像度で画像を読取ると、周期的な濃淡が強調され易くなり、モアレが出現し易くなる。
原稿を高い解像度でカラーで読取ると、データ量が大きく、処理が遅くなる。このため、一般的には、カラーで原稿を読取る場合、低解像度で読取処理を実行することが多い。たとえば、原稿の画像を電子ファイリング(保管)することが目的である場合、解像度を低く設定して、高速でカラー読取りを行うことが多い。低解像度でカラー読取りを行う場合、カラー用の3つのラインセンサに与えるリセット信号を共通(同じタイミング)とすると、上述した理由により、モアレが生じ易くなる。
上述したように、スキャナSでは、タイミング生成部32により各ラインセンサR、G、Bに与えるリセット信号をそれぞれ独立のタイミングとすることが可能である。図7に示すタイミングチャートでは、カラー用の3つのラインセンサにそれぞれが異なるタイミングとなるリセット信号を与えている。
図7に示すタイミングチャートでは、図6に示すタイミングチャートに比べて、各ラインセンサR、G、Bに与えるリセット信号を間引くことにより、各ラインセンサR、G、Bに与えるリセット信号のタイミングを変えている。図7に示す例では、BLUEのラインセンサB、GREENのラインセンサG、REDのラインセンサRの順に、読取信号が出力されるようになっている。また、図7に示すタイミングチャートでは、各ラインセンサR、G、Bに与えれるリセット信号が間引かれるため、各ラインセンサR、G、Bが蓄える電荷が重畳される。つまり、各ラインセンサR、G、Bでは、リセット信号が間引かれる分だけ長く光を受光することが可能となる。この結果として、リセット信号を間引くことで、カラー用の各ラインセンサR、G、Bでは、小さい画素サイズでもダイナミックレンジを確保することができる。
図7に示すように、各ラインセンサR、G、Bに異なるタイミングでリセット信号を供給する場合、画像処理部34は、主走査方向における各ラインセンサの出力信号の位置合せ補正を行うようにしても良い。すなわち、画像処理部34は、各ラインセンサR、G、Bへ供給したリセット信号のタイミングに基づいて、アナログ処理部33を介して各ラインセンサR、G、Bから供給される信号を補正する。これにより、異なるタイミングでリセットされた信号の位置合せが可能となる。なお、画像処理部34は、4ラインCCDセンサ9における各ラインセンサR、G、B、Kの副走査方向における位置関係に基づいて、ライン間補正を行う機能も有している。
また、図7に示すタイミングチャートでは、BLACKのラインセンサKについては、記載していないが、一般な4ラインCCDセンサでは、カラー読み取りの場合にもモノクロ用のラインセンサが動作していることが多い。モノクロ用のラインセンサとカラー用の複数のラインセンサとが同一チップ内に並べられた4ラインCCDセンサ9のような構成では、各ラインセンサR、G、Bの出力信号は、微弱なアナログ信号であるため、他のラインセンサの影響を受けやすい。たとえば、図6及び図7に示すように、リセット信号に伴うリセットノイズ、あるいはサンプル信号φによる誘導ノイズなどがノイズの要因として想定される。
このため、本スキャナSでは、カラー用の3つのラインセンサで原稿をカラー画像で読取る場合、モノクロ用のラインスキャナからのノイズを低減させるため、モノクロ用のラインスキャナからの出力信号を無効化するようにしても良い。たとえば、モノクロ用のラインスキャナへの制御信号を完全に停めることができない場合、モノクロ用のラインスキャナからの出力信号を無効化する手段として、モノクロ用のラインスキャナのシフトゲートを開放(光蓄積しない)状態で固定するようにしても良い。
次に、原稿における画像の線数とスクリーン角とについて説明する。
読み取り対象物としての原稿が印刷物であれば、原稿に印刷されている画像は、特定の線数で各画素が印刷されている。また、一般に、カラー画像である場合、カラーを構成する各印刷色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン)の画素は、それぞれが異なるスクリーン角で印刷される。このような各印刷色のスクリーン角は、印刷結果において各色を視覚的に混合させるための手法である。
図8は、線数が150線で、かつ、スクリーン角が15度の例を示す図である。
印刷物の線数は、1インチ(25.4mm)に幾つのラインペアが打てるかを示す周期である。図8に示す例において、印刷線は、150線である。つまり、図8に示す例では、各画素は、1インチ(25.4mm)に150ラインペアが打てる周期で行方向の各画素が印刷されている。また、スクリーン角は、主走査方向に対する画素行の傾きを示している。言い換えれば、スクリーン角は、印刷線の主走査方向に対する傾きを示している。図8に示す例では、スクリーン角は、15度である。つまり、図8に示す例では、各画素行が主走査方向に対して15度傾いて印刷されている。
上記のように、印刷物の線数とスクリーン角とが判別されると、当該印刷物における主走査方向の網点ピッチが算出できる。たとえば、スクリーン角が「θ」である場合の主走査方向の網点ピッチ(aθ)は、以下の式により算出される。
aθ=線数に対応する線間の長さ×cos(θ)
従って、図8に示すように、線数が150線で、かつ、スクリーン角が15度である印刷物では、主走査方向における網点のピッチ(a15)は、以下のように算出される。
aθ=84.67um×cos(15°)
=81.78um
なお、上記式によれば、最大は、COS(0°)である。
上記のような印刷物であれば、原稿の画像を読取った結果から線数とスクリーン角とが算出できる。たとえば、書籍あるいは新聞等の低解像度の原稿では、線数が100線以下となっているものが多い。また、カラーカタログ等の高解像度の原稿では、線数が200線以上となっているものが多い。さらに、一般的なプリンタなどで印刷される印刷物では、線数が133〜175線であるものが多い。このような原稿における線数とスクリーン角とが判定できれば、モアレの発生を予測することができ、モアレを回避するためのリセット信号の設定が可能となる。
次に、カラー用の各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号を制御して原稿画像を読取る場合の動作について説明する。
図9は、カラー用の各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号を制御することによりモアレを低減させる読取モードによる原稿の読取処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで、カラー用の各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号を制御することによりモアレを低減させる読取モードを高画質読取モードとも称するものとする。
まず、原稿の読み取りが指示された場合、CPU31は、原稿の読み取りモードがモアレを低減させるための高画質読取モードであるか否かを判断する(S11)。モアレ低減の高画質読取モードでないと判断した場合(S11、NO)、CPU31は、デフォルト値として設定されている基準のタイミングを各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号の出力タイミングをセットし(S12)、原稿の読取を開始する。たとえば、高画質読取モードでない場合、CPU31は、図6に示すように、カラー用の3つのラインセンサR、G、Bへの各リセット信号を共通のタイミングで出力するようにしても良い。
モアレ低減の高画質読取モードであると判断した場合(S11、YES)、CPU31は、原稿モードの設定を自動で実行するか手動の設定に従うかを判断する(S13)。原稿モードの設定を手動で行うと判断した場合(S13、手動)、CPU31は、ユーザが指定する原稿モードの設定に従って原稿モードを設定する(S14)。たとえば、ユーザは、コントロールパネルにより原稿モードを指定する。ここでは、ユーザが手動で選択可能な原稿モードには、カラー用の3つのラインセンサに対するリセット信号の出力タイミングが予め設定されているものとする。
たとえば、原稿モードとしてユーザが複数の解像度(例えば、低解像度モード、通常モードおよび高解像度モード)から原稿の解像度を選択する場合、選択可能な各解像度に対応したカラー用の3つのラインセンサR、G、Bに対するリセット信号の出力タイミングが予め設定される。これにより、CPU31は、ユーザが選択した原稿モードに応じたカラー用の3つのラインセンサR、G、Bに対するリセット信号の出力タイミングを判定し、判定した各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号の出力タイミングをタイミング生成部32にセットし(S15)、原稿の読取を開始する。
また、原稿モードの設定を自動で行うと判断した場合(S13、自動)、CPU31は、原稿面の画像をプリスキャンする(S16)。このプリスキャンでは、各ラインセンサR、G、Bが所定の解像度で原稿画像を読取る。また、プリスキャンにおいては、各ラインセンサR、G、Bに与えるリセット信号は共通のタイミングで良い。なお、プリスキャンでは、原稿モードを設定するための情報が得られれば良いため、全原稿を読取る必要がないことも多い。このため、プリスキャンでは、たとえば、1頁目の原稿のみを読取りようにしても良いし、原稿の一部のみを読取るようにしても良い。
原稿の画像をプリスキャンすると、CPU31は、プリスキャンした原稿の画像を画像データとして記憶装置23あるいは画像メモリ34aに一時的に格納する(S17)。画像メモリにプリスキャンした画像データを格納すると、CPU31は、当該画像メモリに格納した画像データにおける各印刷色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の周期をそれぞれ検出する(S18)。各印刷色の周期を検出すると、CPU31は、それらの周期から周期の最大のものを基本線数に設定することにより印刷線数を算出する(S19)。印刷線数を算出すると、CPU31は、各印刷色のスクリーン角を算出する(S20)。各印刷色のスクリーン角を算出すると、CPU31は、算出した線数と各印刷色のスクリーン角とを補色データ補正値として図示しない内部メモリに保存する(S21)。
原稿における補色データ補正値が特定されると、CPU31は、原稿における補色データ補正値とカラー用の3つのラインセンサとの相関関係に基づいて、モアレが低減される各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号の出力タイミングを判定し、判定した各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号の出力タイミングをタイミング生成部32にセットし(S22)、原稿の読取を開始する。たとえば、CPU31は、原稿における補色データ補正値とカラー用の3つのラインセンサと関係により、モアレが出現しやい原稿あるいは箇所(画像領域)が算出可能である。このようなモアレが出現しやすい原稿あるいは箇所については、各ラインセンサR、G、Bへのリセット信号を間引いて信号の出力タイミングをずらすことにより、モアレを低減することが可能となる。
上記のように、本実施の形態のスキャナでは、カラー画像を読取るための複数色のラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給し、独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される画像信号を処理する。これにより、本スキャナによれば、モアレを低減しつつ、カラー画像の高速読取を実現できる。
また、本実施の形態のスキャナでは、プリスキャンした原稿画像に基づいて原稿における画像の線数とスクリーン角とを判定し、判定した原稿における線数とスクリーン角とに応じて各ラインセンサに供給するリセット信号のタイングを制御するようにしたものである。これにより、印刷物に状態に応じて効率的にモアレを低減できるリセット信号の制御が可能となる。
また、本実施の形態のスキャナでは、ユーザが選択した原稿の読取モード(例えば、原稿の解像度)に応じて各ラインセンサに供給するリセット信号のタイングを制御するようにしたものである。これにより、ユーザが指定した原稿モードに応じて効率的にモアレを低減できるリセット信号の制御が可能となる。
また、本実施の形態のスキャナは、モノクロ用のラインセンサとカラー用の3つのラインセンサとからなる4ラインCCDセンサを有し、原稿をカラーで読取る場合、モノクロ用のラインセンサのシフトゲートを開放状態で固定することによりモノクロ用のラインセンサによる画像の読取りを無効にするようにしたものである。これにより、モノクロ用のラインセンサの駆動によってカラー用の3つのラインセンサの出力信号にノイズが生じることを防止できる。
S…スキャナ、O…原稿、C…デジタル複合機、R、G、B、K…ラインセンサ、R1、G1、B1、K1…フォトダイオードアレイ、R2、G2、B2、K2、K5…シフトゲート、R3、G3、B3、K3、K6…アナログシフトレジスタ、R4、G4、B4、K4、K7…出力アンプ、SH1、SH2、SH3、SH4…制御信号SH、RS1、RS2、RS3、RS4…リセット信号、9…CCDセンサ、10…CCDセンサ基板、11…制御基板、21…システム制御部、22…コントロールパネル、23…記憶装置、24…画像処理部、25…画像形成部、31…CPU、32…タイミング生成部、33…アナログ処理部、34…画像処理部、35…CCDセンサ制御部。
特開2004−80537号公報 特開2006−319607号公報

Claims (7)

  1. 原稿画像を読取る画像読取装置において、
    カラーの画像を構成する各色を読取るための複数のラインセンサを有するカラーラインセンサと、
    前記カラーラインセンサを構成する各ラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給するタイミング生成手段と、
    前記タイミング生成手段により独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される信号を処理する画像処理手段と、
    を有することを特徴とする画像読取装置。
  2. さらに、原稿における画像の線数とスクリーン角とを判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定した原稿における線数とスクリーン角とに応じて前記タイミング生成手段が各ラインセンサに供給するリセット信号のタイミングを設定する設定手段と、を有する、
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。
  3. さらに、原稿の読取モードを選択するための操作手段と、
    前記操作手段により選択された原稿の読取モードに応じて前記タイミング生成手段が各ラインセンサに供給するリセット信号のタイミングを設定する設定手段と、を有する、
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。
  4. さらに、前記原稿における画像の解像度を選択するための操作手段と、
    前記操作手段により選択された原稿における画像の解像度に応じて前記タイミング生成手段が各ラインセンサに供給するリセット信号のタイミングを設定する設定手段と、を有する、
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。
  5. さらに、画素をモノクロで読取るためのモノクロ読取用のモノクロラインセンサを有し、
    前記カラーラインセンサを構成する各ラインセンサは、主走査方向における画素数が前記モノクロラインセンサよりも多い、
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。
  6. さらに、前記カラーラインセンサで原稿画像を読取る場合に、前記モノクロラインセンサによる画素の読取りを無効にする無効化手段を有する、
    ことを特徴とする前記請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 原稿画像を読取る画像読取装置に用いられ、カラーの画像を構成する複数色を読取るための複数のラインセンサを有するカラーラインセンサを駆動するためのラインセンサ駆動方法であって、
    前記カラーラインセンサを構成する各ラインセンサに対してそれぞれ独立したタイミングでリセット信号を供給し、
    前記独立したタイミングで各ラインセンサに供給したリセット信号に基づいて各ラインセンサが出力される信号を処理する、
    ことを特徴とするラインセンサ駆動方法。
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