JP2010171285A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】集積化された半導体レーザ素子において、より容易に共振器端面を形成することが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100は、表面50aを有する青紫色半導体レーザ素子50と、GaAs基板71とGaAs基板71の一部からなる凸部71dの表面71a上に形成されたn側オーミック電極78とを含み、表面50aに、p側パッド電極77の下面が接合される赤色半導体レーザ素子70とを備える。そして、凸部71dに隣接する段差部80の底面71cは、平面的に見て、赤色半導体レーザ素子70の共振器端面70aが形成された領域近傍に共振器端面70aに接して延びるように設けられている。
【選択図】図9

Description

本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関し、特に、複数の半導体レーザ素子を接合した集積型の半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
従来、CD(コンパクトディスク)/CD−R(コンパクトディスク−レコーダブル)ドライブには、約780nmの波長を有する赤外半導体レーザ素子が光源に用いられてきた。また、DVD(デジタル多用途ディスク)ドライブには、約650nmの波長を有する赤色半導体レーザ素子が光源に用いられてきた。
一方、近年では、青紫色光を用いて記録/再生が可能なDVDの開発が進められている。このようなDVDの記録/再生のために、約405nmの波長を有する青紫色半導体レーザ素子を用いた青色DVDドライブの開発も同時に進められている。このDVDドライブでは、従来のCD/CD−RおよびDVDに対する互換性が必要とされる。
この場合、DVDドライブに赤外光、赤色光および青紫色光を個別に出射する光ディスク用ピックアップを複数設ける方法や、1つの光ディスク用ピックアップ内に赤外、赤色および青紫色半導体レーザ素子を個別に設ける方法などにより、従来のCD、DVD、および、記録/再生が可能なDVDに対する互換性が実現される。しかしながら、この方法では部品点数の増加を招くため、ピックアップ装置の小型化、構成の簡素化および低価格化が困難となる不都合があった。
このような部品点数の増加を抑制するために、従来では、赤外レーザと赤色レーザとを1チップに集積化した2波長半導体レーザ素子が実用化されている。これに対し、青紫色レーザはGaAs基板上などに形成されないため、青紫色半導体レーザ素子を赤外および赤色半導体レーザ素子とともに1チップ化するのは非常に困難であった。
そこで、従来では、青紫色半導体レーザ素子に、赤色半導体レーザ素子と赤外半導体レーザ素子とを接合した集積型半導体レーザ素子が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、青紫色半導体レーザ素子の上面および下面に、赤色半導体レーザ素子と赤外半導体レーザ素子とがそれぞれ接合された集積型半導体レーザ素子が開示されている。この特許文献1に記載の集積型半導体レーザ素子では、接合される2つの半導体レーザ素子(たとえば青紫色半導体レーザ素子および赤色半導体レーザ素子)の一方のレーザ素子の表面に凸部が設けられるとともに、他方のレーザ素子の表面が凹部が設けられることにより、一方のレーザ素子の凸部が他方のレーザ素子の凹部に嵌め込まれて位置合わせがなされた状態で接合されている。なお、この集積型半導体レーザ素子の共振器端面には、一方のレーザ素子の凸部が形成された厚みの大きい部分が存在している。
特開2006−93379号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された集積型半導体レーザ素子では、一方のレーザ素子の厚みの大きい部分において劈開を行わなければならず、素子の厚みの大きい部分で劈開を行う分、共振器端面を形成しにくいという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、集積化された半導体レーザ素子において、より容易に共振器端面を形成することが可能な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の形態による半導体レーザ装置は、第1表面を有する第1半導体レーザ素子と、第2表面側に設けられた第1基板と、第2表面側に形成され、第1基板の少なくとも一部からなる凸部の表面上に形成された電極層とを含み、第1表面に、第2表面とは反対側の第3表面が接合される第2半導体レーザ素子とを備え、凸部に隣接する凹部の底面は、平面的に見て、第2半導体レーザ素子の共振器端面に少なくとも接するように設けられている。
この発明の第1の形態による半導体レーザ装置では、上記のように、凸部に隣接する凹部の底面が、平面的に見て、第2半導体レーザ素子の共振器端面に少なくとも接するように設けられることによって、共振器端面が形成された領域近傍での共振器端面に沿った方向の第2半導体レーザ素子の厚みが、共振器端面近傍以外の領域の第2半導体レーザ素子の厚みよりも小さくなるので、共振器端面を形成する際の分割工程において、厚みの小さい凹部の底面を含む領域で第2半導体レーザ素子のウェハをより容易に分割することができる。これにより、第2半導体レーザ素子の共振器端面をより容易に形成することができる。
上記第1の形態による半導体レーザ装置において、好ましくは、凹部の底面は、平面的に見て、第2半導体レーザ素子の外周部に沿うように矩形状に形成されている。このように構成すれば、第2半導体レーザ素子の共振器端面に沿った方向の側端部近傍の厚みも、凸部における厚みよりも小さくなるので、厚みの小さい凹部の底面を含む領域において、第2半導体レーザ素子のウェハをより容易にチップに分割することができる。
上記第1の形態による半導体レーザ装置において、好ましくは、第1半導体レーザ素子は、第1表面とは反対側に形成された第2基板を含む。このように構成すれば、第1半導体レーザ素子および第2半導体レーザ素子は、基板(第2基板および第1基板)とは反対側の光導波路側の表面(第1表面および第2表面)同志が対向した状態で接合されるので、第1半導体レーザ素子からのレーザ光の出射点と、第2半導体レーザ素子からのレーザ光の出射点とを容易に近づけることができる。
この発明の第2の形態による半導体レーザ装置の製造方法は、第1表面を有する第1半導体レーザ素子を形成する工程と、第2表面側に設けられた基板と、第2表面側の基板の表面上に設けられた電極層とを含む第2半導体レーザ素子を形成する工程と、第2表面とは反対側の第2半導体レーザ素子の第3表面を第1半導体レーザ素子の第1表面に接合する工程と、接合する工程の後に、電極層の一部を残して第2表面から第1半導体レーザ素子側に向かって延びる凹部を形成することにより、凹部に隣接する領域に、基板の少なくとも一部からなり電極層が表面上に設けられた凸部を第2半導体レーザ素子に形成する工程と、凹部の底面を含む領域で分割することにより、平面的に見て、底面が共振器端面に接するように設けられた個々の第2半導体レーザ素子を形成する工程とを備える。
この発明の第2の形態による半導体レーザ装置の製造方法では、上記のように、接合する工程の後に、電極層の一部を残して第2表面から第1半導体レーザ素子側に向かって延びる凹部を形成することにより、凹部に隣接する領域に、基板の少なくとも一部からなる凸部を第2半導体レーザ素子に形成する工程と、凹部の底面を含む領域で分割することにより、平面的に見て、底面が共振器端面に接するように設けられた個々の第2半導体レーザ素子を形成する工程とを備えることによって、凹部の底面における第2半導体レーザ素子の厚みが、凸部における厚みよりも小さくなるので、共振器端面を形成する際の分割工程において、厚みの小さい凹部の底面を含む領域で第2半導体レーザ素子のウェハをより容易に分割することができる。これにより、第2半導体レーザ素子の共振器端面をより容易に形成することができる。
また、上記のように、凸部を第2半導体レーザ素子に形成する工程の前に、第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合する工程を備えることによって、第2半導体レーザ素子の基板の強度が弱くならない状態で、第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合して集積型の半導体レーザ素子を形成することができるので、基板の強度が高められる分、接合時の衝撃により基板に生じる損傷をより少なくすることができる。
上記第2の形態による半導体レーザ装置の製造方法において、好ましくは、第2半導体レーザ素子を形成する工程は、第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合する工程、および、凸部を形成する工程に先立って、電極層を合金化する工程を含む。このように構成すれば、基板と電極層との接触界面におけるオーミック特性を向上させると同時に、合金化のための熱処理済みの第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合して半導体レーザ装置を形成することができる。すなわち、熱処理前の第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合してから第2半導体レーザ素子に対して上記熱処理を行う場合、熱処理工程における処理温度が、第1半導体レーザ素子の第1表面側に形成されたオーミック電極層などに悪影響を及ぼしてオーミック特性が悪化しやすくなるという不都合がある一方、上記構成では、熱処理済みの第2半導体レーザ素子を第1半導体レーザ素子に接合することにより、第1半導体レーザ素子の電極層は、熱処理の影響を受けない。これにより、第1半導体レーザ素子のオーミック電極層の特性が悪化するのを抑制することができる。
本発明の半導体レーザ装置の概略的な構造を説明するための断面図である。 図1の900−900線に沿った断面図である。 本発明の半導体レーザ装置の概略的な構造を説明するための平面図である。 図1に示した半導体レーザ装置の概略的な製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した半導体レーザ装置の概略的な製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した半導体レーザ装置の概略的な製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した半導体レーザ装置の概略的な製造プロセスを説明するための図である。 図1に示した半導体レーザ装置の概略的な製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図9に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図9に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図9に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図9に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図9に示した第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図14の1000−1000線に沿った断面での製造過程の状態を示した図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図16の2000−2000線に沿った断面図である。 図16の2100−2100線に沿った断面図である。 図16の2200−2200線に沿った断面図である。 図16に示した第2実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した断面図である。 図21の910−910平面に沿った断面図である。 図21に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図21に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 図21に示した第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。 図26の4000−4000線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明する前に、本発明による半導体レーザ装置40の概略的な構造について説明する。なお、図1は、図3の800−800線に沿った断面を示しており、図2は、図3の900−900線に沿った断面を示している。
本発明の半導体レーザ装置40は、図1に示すように、第1半導体レーザ素子10と、第1半導体レーザ素子10の表面10a上に接合された第2半導体レーザ素子20とを備えている。なお、表面10aは、本発明の「第1表面」の一例である。
第1半導体レーザ素子10は、第1導電型半導体層1と、活性層2と、第2導電型半導体層3とを順次積層した構造を有する。また、活性層2は、単層あるいは単一量子井戸(SQW)構造または多重量子井戸(MQW)構造からなる。
また、第1導電型半導体層1は、活性層2よりもバンドギャップの大きい第1導電型クラッド層などからなる。また、第1導電型半導体層1の活性層2側に、第1導電型半導体層1と活性層2との間のバンドギャップを有する光ガイド層を有していてもよい。また、第1導電型半導体層1と活性層2との間に、第1導電型半導体層1よりもバンドギャップの大きいキャリアブロック層を有していてもよい。また、第1導電型半導体層1の活性層2とは反対側に、第1導電型コンタクト層を有していてもよい。また、第1導電型クラッド層が、第1導電型コンタクト層を兼ねていてもよい。
また、第2導電型半導体層3は、活性層2よりもバンドギャップの大きい第2導電型クラッド層などからなる。また、第2導電型半導体層3の活性層2側に、第2導電型半導体層3と活性層2との間のバンドギャップを有する光ガイド層を有していてもよい。また、第2導電型半導体層3と活性層2との間に、第2導電型半導体層3よりもバンドギャップの大きいキャリアブロック層を有していてもよい。また、第2導電型半導体層3の活性層2とは反対側に、第2導電型コンタクト層を有していてもよい。この場合、第2導電型コンタクト層は、第2導電型半導体層3(第2導電型クラッド層)よりもバンドギャップが小さいことが好ましい。また、第2導電型クラッド層が、第2導電型コンタクト層を兼ねていてもよい。
また、各半導体層(第1導電型半導体層1、活性層2および第2導電型半導体層3)は、AlGaAs系、GaInAs系、AlGaInP系、AlGaInNAs系、AlGaSb系、GaInAsP系、窒化物系半導体、MgZnSSe系およびZnO系などからなる。また、窒化物系半導体としては、GaN、AlN、InN、BN、TlN、または、これらの混晶を用いることが可能である。
また、第1導電型半導体層1の活性層2と反対側は基板であってもよい。各半導体層をウルツ鉱構造の窒化物系半導体により構成する場合、基板は、第1導電型窒化物系半導体基板または異種基板を用いてもよい。異種基板としては、六方晶構造および菱面体構造の第1導電型α−SiC基板、第1導電型GaAs基板、第1導電型GaP基板、第1導電型InP基板および第1導電型Si基板などを用いることができる。また、第1導電型半導体層1は基板を含んでいてもよい。ただし、最も結晶性のよいAlGaInN系半導体層を得るためには、窒化物系半導体基板を用いるのが最も好ましい。
窒化物系半導体基板の成長面の面方位は、(0001)面および(000−1)面や、(11−20)面および(1−100)面などの非極性面や、(11−22)面、(11−2−2)面、(1−101)面および(1−10−1)面などの半極性面を用いることができる。
また、第1導電型半導体層1の活性層2と反対側の表面に、第1導電側電極4を形成してもよい。また、第1導電型半導体層1の活性層2とは反対側の表面に、絶縁性の基板を含んでいてもよい。この場合、サファイア基板、スピネル基板およびLiAlO基板などを用いることが可能である。また、活性層2に流れる電流を狭窄する構造が活性層2の付近に形成されている。この例では、第2導電型半導体層3の表面上に開口部5aを有する絶縁膜5が形成されている。また、開口部5aの部分の第2導電型半導体層3の表面上には、第2導電側電極6が形成される。
また、第2半導体レーザ素子20は、第1導電型基板21と、第1導電型半導体層22と、活性層23と、第2導電型半導体層24とを順次積層した構造を有する。また、活性層23は、単層あるいはSQW構造またはMQW構造からなる。なお、第1導電型基板21は、本発明の「第1基板」の一例である。なお、第1導電型半導体層22を、第1導電型基板21が兼ねていてもよい。
また、第1導電型半導体層22は、活性層23よりもバンドギャップの大きい第1導電型クラッド層などからなる。また、第1導電型半導体層22の活性層23側に、第1導電型半導体層22と活性層23との間のバンドギャップを有する光ガイド層を有していてもよい。また、第1導電型半導体層22と活性層23との間に、第1導電型半導体層22よりもバンドギャップの大きいキャリアブロック層を有していてもよい。また、第1導電型半導体層22の活性層23とは反対側に、第1導電型コンタクト層を有していてもよい。また、第1導電型クラッド層が、第1導電型コンタクト層を兼ねていてもよい。
また、第2導電型半導体層24は、活性層23よりもバンドギャップの大きい第2導電型クラッド層などからなる。また、第2導電型半導体層24の活性層23側に、第2導電型半導体層24と活性層23との間のバンドギャップを有する光ガイド層を有していてもよい。また、第2導電型半導体層24と活性層23との間に、第2導電型半導体層24よりもバンドギャップの大きいキャリアブロック層を有していてもよい。また、第2導電型半導体層24の活性層23とは反対側に、第2導電型コンタクト層を有していてもよい。この場合、第2導電型コンタクト層は、第2導電型半導体層24(第2導電型クラッド層)よりもバンドギャップが小さいことが好ましい。また、第2導電型クラッド層が、第2導電型コンタクト層を兼ねていてもよい。
また、各半導体層(第1導電型半導体層22、活性層23および第2導電型半導体層24)は、AlGaAs系、GaInAs系、AlGaInP系、AlGaInNAs系、AlGaSb系、GaInAsP系、MgZnSSe系およびZnO系などからなる。また、第1導電型半導体層22が基板を含んでいてもよい。
ここで、本発明では、図1に示すように、第1導電型基板21の表面21a側に、第1導電型基板21と第1導電型半導体層22の一部とからなる凸部30が、B方向の素子の中央部に形成されている。また、凸部30の平坦な上面30a上に第1導電側電極25が形成されている。また、凸部30には、側面30bが第1導電型基板21の表面21aから第1半導体レーザ素子10側に向かって延びるとともに、凸部30のB方向の両側に隣接するとともに、B方向の素子の側端部に接するように形成される凹部31の底面31aが、第1導電型半導体層22の層内に位置するように形成されている。したがって、第2半導体レーザ素子20は、上面30aにおける素子の厚みよりも、底面31aにおける素子の厚みが小さく形成されている。なお、この例では、凹部31の底面31aを第1導電型半導体層22の層内に位置するように形成しているが、これに限らず、凹部31の底面31aを、第1導電型基板21の内部に位置するように形成してもよい。この場合、凸部は、第1導電型基板21のみによって形成される。
また、本発明では、図2に示すように、凸部30は、共振器の延びる方向(A方向)の素子の中央部に延びるように形成されるとともに、凸部30に隣接する凹部31の底面31aが一対の共振器端面20aに接して形成されている。なお、図2では、半導体レーザ装置40において、900−900平面(開口部26aが形成された位置における第2半導体レーザ素子20の共振器方向(A方向)に沿った方向)における半導体レーザ装置40の断面構造を示している。なお、表面21aおよび第1導電側電極25は、それぞれ、本発明の「第2表面」および「電極層」の一例である。
また、本発明では、半導体レーザ装置40を平面的に見た場合、図3に示すように、第2半導体レーザ素子20には、凸部30の周囲を囲むように凹部31が形成されている。すなわち、凹部31の底面31aは、共振器端面20aに沿ってB方向に延びるとともに、B方向の側端部近傍においてA方向に沿って延びるように形成されている。これにより、凹部31の底面31aは、第2半導体レーザ素子20の外周部に沿って延びるように矩形状に形成されている。
また、図1に示すように、活性層23に流れる電流を狭窄する構造が活性層23の付近に形成されている。この例では、第2導電型半導体層24の下面上に前述の開口部26aを有する絶縁膜26が形成されている。また、開口部26aの部分の第2導電型半導体層24上には、第2導電側電極27が形成される。そして、第2導電側電極27のC1側の表面(下面)が第1半導体レーザ素子10の表面10aに接合されている。なお、第2導電側電極27の表面は、本発明の「第3表面」の一例である。
また、第1半導体レーザ素子10および第2半導体レーザ素子20のレーザ光出射側の共振器端面には、低反射率の誘電体多層膜が形成されている。また、レーザ光反射側の共振器端面には、高反射率の誘電体多層膜が形成されている。ここで、誘電体多層膜としては、GaN,AlN、BN,Al、SiO、ZrO、HfO、Ta、Nb、La、SiN、AlONおよびMgFや、これらの混成比の異なる材料であるTiやNbなどからなる多層膜を用いることができる。
次に、図1〜図8を参照して、本発明の半導体レーザ装置40の概略的な製造プロセスについて説明する。
まず、図4に示すように、第1導電型半導体層1、活性層2および第2導電型半導体層3からなる半導体素子層10bを形成するとともに、第2導電型半導体層3の表面上に開口部5aを有する絶縁膜5を形成する。そして、開口部5aと開口部5aの近傍領域の絶縁膜5とを覆うように第2導電側電極6を形成する。これにより、第1導電側電極4を除く第1半導体レーザ素子10のウェハが形成される。
次に、図5に示すように、第1導電型基板21の上面上に、第1導電型半導体層22、活性層23および第2導電型半導体層24からなる半導体素子層20bを形成するとともに、第2導電型半導体層24の表面上に開口部26aを有する絶縁膜26を形成する。そして、開口部26aと開口部26aの近傍領域の絶縁膜26とを覆うように第2導電側電極27を形成する。なお、第1導電型基板21は、本発明の「基板」の一例である。
続いて、第1導電型基板21の下面上の所定の領域に第1導電側電極25を形成する。その後、第1導電型基板21と第1導電側電極25とを合金化するために、窒素雰囲気中で熱処理を行う。これにより、第2半導体レーザ素子20の接合前のウェハが形成される。
その後、図6に示すように、第2半導体レーザ素子20の第2導電側電極27の表面(下面)と第1半導体レーザ素子10の表面10a側の絶縁膜5とを対向させてウェハ同志を接合する。
その後、図7に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いて、第1導電型基板21の表面21a側に底面31aが第1導電型半導体層22の層内に達する凹部31を形成する。この際、図8に示すように、凹部31は、底面31aがチップへの分割後の第2半導体レーザ素子20(図3参照)の外周部を囲むように第1導電型基板21に形成される。これにより、第2半導体レーザ素子20の外周部の厚みが素子の中央部の凸部30(図1参照)を含めた厚みよりも小さくなるようなウェハが形成される。
その後、第1導電型半導体層1が所定の厚みを有するように第1導電型半導体層1の下面を研磨した後、真空蒸着法を用いて、第1導電型半導体層1の下面上に第1導電側電極4(図7参照)を形成する。
その後、凸部30が残るように半導体素子層20bの一部を、図7に示した第2半導体レーザ素子20の分離位置(2箇所)において除去することにより、図7に示すB方向に所定の幅を有する第2半導体レーザ素子20を形成する。ここで、A方向に第2半導体レーザ素子20をスクライブすることなどにより、半導体素子層20bの不要な部分を分離してもよく、ウェットエッチングやドライエッチングなどで不要な部分を除去してもよい。
その後、図8に示した劈開位置で、所定の共振器長を有するように第1半導体レーザ素子10のウェハをバー状に劈開して、第1半導体レーザ素子10および第2半導体レーザ素子20の共振器端面20a(図2参照)を形成する。
その後、第1半導体レーザ素子10および第2半導体レーザ素子20の光出射側の共振器端面に低反射率の誘電体多層膜を形成するとともに、光反射側の共振器端面に高反射率の誘電体多層膜を形成する。最後に、図7の素子分割位置でバーを共振器方向に沿って素子分割することにより半導体レーザ装置40(図1参照)の複数個のチップが形成される。
本発明では、上記のように、凸部30に隣接する凹部31の底面31aを、平面的に見て、第2半導体レーザ素子20の共振器端面20aが形成された領域近傍に共振器端面20aに沿ってB方向に延びるように設けることによって、共振器端面20aが形成された領域近傍での共振器端面20aに沿った方向(B方向)の第2半導体レーザ素子20の厚みが、共振器端面20a近傍以外の領域(凸部30が形成されている領域)の厚みよりも小さくなるので、共振器端面20aを形成する際の分割工程において、厚みの小さい凹部31の底面31aを含む領域で第2半導体レーザ素子20のウェハをより容易に分割することができる。これにより、第2半導体レーザ素子20の共振器端面20aをより容易に形成することができる。
また、本発明では、凹部31の底面31aを、平面的に見て、第2半導体レーザ素子20の外周部に沿うように矩形状に形成することによって、第2半導体レーザ素子20のB方向の側端部近傍の厚みも、凸部30における厚みよりも小さくなるので、厚みの小さい凹部31の底面31aを含む領域において、第2半導体レーザ素子20のウェハをより容易にチップに分割することができる。
また、本発明では、第1半導体レーザ素子10の第1導電型半導体層1が、第2半導体レーザ素子20が接合される表面10aとは反対側(C1側)に基板を含む場合、第1半導体レーザ素子10および第2半導体レーザ素子20は、半導体層が形成された側の表面(表面10aおよび第2導電側電極27の下面)同志が対向した状態で接合されるので、第1半導体レーザ素子10からのレーザ光の出射点と、第2半導体レーザ素子20からのレーザ光の出射点とを容易に近づけることができる。
また、本発明では、第2半導体レーザ素子20の第1導電型基板21が、P、AsおよびSbの少なくともいずれかを含むIII−V族半導体からなる場合、第1導電型基板21と第1導電側電極25とを合金化することにより、第1導電型基板21および第1導電側電極25間のオーミック特性を向上させて、接触抵抗をより小さくすることができる。
また、本発明の製造プロセスでは、上記のように、第1半導体レーザ素子10と第2半導体レーザ素子20とのウェハを接合する工程の後に、第1導電側電極25の一部を残して第2半導体レーザ素子20の表面21aから第1半導体レーザ素子10側に向かって延びる凹部31を形成することにより、第2半導体レーザ素子20の凹部31に隣接する領域に、第1導電型基板21の一部からなる凸部30を形成する工程と、凹部31の底面31aを含む領域で分割することにより、平面的に見て、凹部31の底面31aが少なくとも共振器端面20aが形成される領域近傍に共振器端面20aに沿って延びるように設けられた個々の第2半導体レーザ素子20を形成する工程とを備えることによって、凹部31の底面31aにおける第2半導体レーザ素子20の厚みが、凸部30における厚みよりも小さくなるので、共振器端面20aを形成する際の分割工程において、厚みの小さい凹部31の底面31aの部分で第2半導体レーザ素子20のウェハをより容易に分割することができる。これにより、第2半導体レーザ素子20の共振器端面20aをより容易に形成することができる。
また、上記のように、第2半導体レーザ素子20のウェハに凸部30を形成する工程の前に、第1半導体レーザ素子10に第2半導体レーザ素子20のウェハを接合する工程を備えることによって、第1導電型基板21の強度が弱くならない状態で、第1半導体レーザ素子10に第2半導体レーザ素子20のウェハを接合して半導体レーザ装置40のウェハを形成することができるので、第1導電型基板21の強度が高められる分、接合時の衝撃により第1導電型基板21に生じる損傷をより少なくすることができる。
また、本発明の製造プロセスでは、第2半導体レーザ素子20を形成する工程が、ウェハ状態の第2半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子10に接合する工程、および、凸部30を第2半導体レーザ素子20に形成する工程に先立って、第1導電側電極25および第1導電型基板21を熱処理によって合金化する工程を含むことによって、第1導電型基板21と第1導電側電極25との接触界面におけるオーミック特性を向上させると同時に、合金化のための熱処理済みの第2半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子10に接合して半導体レーザ装置40を形成することができる。すなわち、熱処理前の第2半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子10に接合してから第2半導体レーザ素子20に対して上記熱処理を行う場合、熱処理工程における処理温度が、第1半導体レーザ素子10の表面10a側に形成されたオーミック電極層などに悪影響を及ぼしてオーミック特性が悪化しやすくなるという不都合がある一方、上記構成では、熱処理済みの第2半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子10に接合することにより、第1半導体レーザ素子10の電極層(第1導電側電極4や第2導電側電極6)は、熱処理の影響を受けない。これにより、第1半導体レーザ素子10のオーミック電極層の特性が悪化するのを抑制することができる。
また、本発明の製造プロセスでは、第2半導体レーザ素子20に凸部30を形成する工程が、平面的に見て、個々の第2半導体レーザ素子20の外周部が形成される領域に沿って凹部31の底面31aが配置されるように凹部31を形成することにより、第2半導体レーザ素子20に凸部30を形成する工程を含むことによって、レーザ素子の側端部近傍の厚みも、レーザ素子の凸部30における厚みよりも小さくなるので、厚みの小さい底面31aを含む領域において第2半導体レーザ素子20のウェハをより容易にチップに分割することができる。
(第1実施形態)
まず、図9〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100の構造について説明する。なお、図9は、図11の1000−1000線に沿った断面を示しており、図10は、図11の1000−1000線に沿った断面を示している。
第1実施形態による半導体レーザ装置100は、図9に示すように、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子50の表面50a上に、約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子70と、約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子90とがそれぞれ接合されている。なお、青紫色半導体レーザ素子50は、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例であり、表面50aは、本発明の「第1表面」の一例である。
また、図9に示すように、青紫色半導体レーザ素子50は、約400μmの幅および約100μmの厚みを有するn型GaN基板51の上面上に、Siドープn型Al0.05Ga0.95Nからなるn型クラッド層52、In組成の高いInGaNからなる量子井戸層とIn組成の低いInGaNからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層53、および、Mgドープp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層54が形成されている。なお、n型GaN基板51は、本発明の「第2基板」の一例である。
また、図9に示すように、p型クラッド層54は、素子の略中央部に形成された凸部と、凸部の両側(B方向)に延びる平坦部とを有している。また、p型クラッド層54の凸部上にはp型クラッド層54から近い順に、Pt層、Pd層、Pt層およびAu層からなるp側オーミック電極層55が形成されている。このp型クラッド層54の凸部とp側オーミック電極層55とによって、光導波路を構成するためのリッジ56が形成されている。また、リッジ56は、B方向に約1.5μmの幅を有するとともに共振器方向(図10のA方向)に沿って延びるように形成されている。
また、p型クラッド層54の平坦部の上面とリッジ56の側面とを覆うようにSiOからなる電流ブロック層57が形成されている。また、リッジ56および電流ブロック層57の上面を覆うように、Au層などからなるp側パッド電極58が形成されている。
また、図9および図10に示すように、リッジ56のB1側の電流ブロック層57の上面上に、Auなどからなるパッド電極60aが形成されている。また、リッジ56のB2側の電流ブロック層57の上面上に、Auなどからなるパッド電極60bが形成されている。また、パッド電極60aおよび60bは、青紫色半導体レーザ素子50のA方向に沿って延びるように形成されている。これにより、赤色半導体レーザ素子70は、パッド電極60aが設けられた位置で青紫色半導体レーザ素子50に接合されるとともに、赤外半導体レーザ素子90は、パッド電極60bが設けられた位置で青紫色半導体レーザ素子50に接合されている。
また、n型GaN基板51の下面上に、n型GaN基板51から近い順に、島状のPt層、Al層、Pt層およびAu層からなるn側電極59が形成されている。
また、赤色半導体レーザ素子70は、図9に示すように、約140μmの厚みを有するn型のGaAs基板71の下面上に、約2μmの厚みを有するAlGaInPからなるn型クラッド層72と、GaInPからなる量子井戸層とAlGaInPからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層73、および、約1μmの厚みを有するAlGaInPからなるp型クラッド層74とが形成されている。
また、p型クラッド層74は、素子の略中央部からB2側に若干寄せられた位置に形成された凸部と、B方向に延びる平坦部とを有している。このp型クラッド層74の凸部によって、光導波路を構成するためのリッジ75が形成されている。また、リッジ75は、B方向に約2μmの幅を有するとともに共振器方向に沿って延びるように形成されている。
また、p型クラッド層74のリッジ75以外の下面上およびp型クラッド層74から活性層73、n型クラッド層72およびGaAs基板71の側面を覆うように、SiOからなる電流ブロック層76が形成されている。また、リッジ75(p型クラッド層74)および電流ブロック層76の下面を覆うように、約10nmの厚みを有するCr層と約2.2μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側パッド電極77が形成されている。
ここで、第1実施形態では、図9に示すように、GaAs基板71の表面71aのB2側(リッジ56側)に、斜面71bを介して表面71aと異なる位置に底面71cを有する段差部80が形成されている。この段差部80により、底面71cから見て表面71aの領域はC2方向に突出するともにGaAs基板71の一部からなる凸部71dが形成されている。ここで、表面71aと斜面71bとにより鈍角の稜が形成されている。また、底面71cは、赤色半導体レーザ素子70のB2側の外側面に露出している。なお、凸部71dの表面71aからGaAs基板71の下面までは約140μmの厚みを有する一方、底面71cからGaAs基板71の下面までは約60μmの厚みを有している。なお、GaAs基板71は、本発明の「基板」および「第1基板」の一例であり、表面71aおよび段差部80は、それぞれ、本発明の「第2表面」および「凹部」の一例である。
また、凸部71dの表面71a上に、下層から上層に向かってAuGe層およびNi層の順に積層されたn側オーミック電極78が形成されている。また、n側オーミック電極78の上面上に、Au層からなるパッド電極79が形成されている。なお、n側オーミック電極78は、本発明の「電極層」の一例である。
また、赤色半導体レーザ素子70は、p側パッド電極77の下面とパッド電極60aの上面とが導電性接着層9を介して接合されている。なお、p側パッド電極77の下面は、本発明の「第3表面」の一例である。
また、赤外半導体レーザ素子90は、図9に示すように、約140μmの厚みを有するGaAs基板91の下面上に、約2μmの厚みを有するAlGaAsからなるn型クラッド層92と、Al組成の低いAlGaAsからなる量子井戸層とAl組成の高いAlGaAsからなる障壁層とが交互に積層されたMQW構造を有する活性層93、および、約1μmの厚みを有するAlGaAsからなるp型クラッド層94とが形成されている。
また、p型クラッド層94は、素子の略中央部からB1側に若干寄せられた位置に形成された凸部と、B方向に延びる平坦部とを有している。このp型クラッド層94の凸部によって、光導波路を構成するためのリッジ95が形成されている。また、リッジ95は、B方向に約3μmの幅を有するとともに共振器方向に沿って延びるように形成されている。
また、p型クラッド層94のリッジ95以外の下面上およびp型クラッド層94から活性層93、n型クラッド層92およびGaAs基板91のB2側の側面を覆うように、SiOからなる電流ブロック層96が形成されている。また、リッジ95(p型クラッド層94)および電流ブロック層96の下面を覆うように、約10nmの厚みを有するCr層と約2.2μmの厚みを有するAu層とが積層されたp側パッド電極97が形成されている。
ここで、第1実施形態では、図9に示すように、GaAs基板91の表面91aのB1側(リッジ56側)に、斜面91bを介して表面91aと異なる位置に底面91cを有する段差部80が形成されている。この段差部80により、底面91cから見て表面91aの領域はC2方向に突出するとともにGaAs基板91の一部からなる凸部91dが形成されている。ここで、表面91aと斜面91bとにより鈍角の稜が形成されている。また、底面91cは、赤外半導体レーザ素子90のB1側の外側面に露出している。なお、凸部91dの表面91aからGaAs基板91の下面までは約140μmの厚みを有する一方、底面91cからGaAs基板91の下面までは約60μmの厚みを有している。なお、GaAs基板91は、本発明の「基板」および「第1基板」の一例であり、表面91aは、本発明の「第2表面」の一例である。
また、凸部91dの表面91a上に、下層から上層に向かってAuGe層およびNi層の順に積層されたn側オーミック電極98が形成されている。また、n側オーミック電極98の上面上に、Au層からなるパッド電極99が形成されている。なお、n側オーミック電極98は、本発明の「電極層」の一例である。
また、赤外半導体レーザ素子90は、p側パッド電極97の下面とパッド電極60bの上面とが導電性接着層9を介して接合されている。なお、p側パッド電極97の下面は、本発明の「第3表面」の一例である。
また、第1実施形態では、図10および図11に示すように、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90の段差部80は、それぞれのレーザ素子の共振器端面70a(90a)近傍において、共振器端面70a(90a)の延びるB方向に沿って延びる底面71cおよび91cをそれぞれ有している。さらに、図11に示すように、底面71cは、赤色半導体レーザ素子70のB2側の側端部に対応する領域近傍においてA方向に延びるように形成されるとともに、底面91cは、赤外半導体レーザ素子90のB1側の側端部に対応する領域近傍においてA方向に延びるように形成されている。これにより、オーミック電極78(98)およびパッド電極79(99)は、共振器端面70a(90a)から底面71c(91c)を隔てた素子の内側にのみ形成されている。
また、図9に示すように、青紫色半導体レーザ素子50は、p側パッド電極58の上面にワイヤボンディングされた金属線81を介してリード端子に接続されるとともに、n側電極59が導電性接着層9を介して台座61に電気的に固定される。また、赤色半導体レーザ素子70は、パッド電極60aにワイヤボンディングされた金属線82(図11参照)を介してリード端子に接続されるとともに、パッド電極79にワイヤボンディングされた金属線83を介して台座61に電気的に接続される。また、赤外半導体レーザ素子90は、パッド電極60bにワイヤボンディングされた金属線84(図11参照)を介してリード端子に接続されるとともに、パッド電極99にワイヤボンディングされた金属線85を介して台座61に電気的に接続される。
また、パッド電極60aのワイヤボンド部は、青紫色半導体レーザ素子50のB1側に延びた部分に形成されるとともに、パッド電極60bのワイヤボンド部は、青紫色半導体レーザ素子50のB2側に延びた部分に形成されている。これにより、半導体レーザ装置100は、各半導体レーザ素子のp側パッド電極(58、77および97)が互いに絶縁されたリード端子に電気的に接続されるとともに、n側電極(59、78および98)が共通の負極端子に電気的に接続される状態(カソードコモン)に構成されている。
次に、図9および図11〜図15を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。なお、図13および図15は、それぞれ、図14の1000−1000線に沿った断面での製造過程での状態を示している。
第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスでは、まず、MOCVD法を用いて、約400μmの厚みを有するn型GaN基板51の上面上に、n型クラッド層52、活性層53およびp型クラッド層54を順次形成する。そして、リッジ56を形成した後に、電流ブロック層57、p側オーミック電極層55およびp側パッド電極58を形成する。さらに、真空蒸着法を用いて、電流ブロック層57の所定の領域上に青紫色半導体レーザ素子50の共振器方向に沿って短冊状に延びるパッド電極60aおよび60bを形成することにより、図13に示すように、n側電極59(図9参照)を除く青紫色半導体レーザ素子50が形成されたウェハを作製する。
次に、図12に示すように、GaAs基板71(91)の上面上に、赤外半導体レーザ素子90となるn型クラッド層92、活性層93、およびp型クラッド層94を順次形成する。その後、n型クラッド層92、活性層93、およびp型クラッド層94の一部をエッチングしてGaAs基板71の一部を露出させて、その露出した部分の一部に、凹部62a(幅約200μm)および凹部62b(幅約60μm)となる領域を残して、赤色半導体レーザ素子70となるn型クラッド層72、活性層73、およびp型クラッド層74を順次形成する。
そして、リッジ75(95)、および、電流ブロック層76(96)を形成した後、真空蒸着法を用いて、リッジ75および電流ブロック層76の上面を覆うようにp側パッド電極77を形成するとともに、リッジ95および電流ブロック層96の上面を覆うようにp側パッド電極97を形成する。また、GaAs基板71の下面の所定の領域上に、n側オーミック電極78(98)を形成する。
その後、積層後の電極に対して、約500℃の温度条件下の窒素雰囲気中で約3分間の熱処理を行う。これにより、n側オーミック電極78(98)およびGaAs基板71間における合金化がなされる。その後、図12に示すように、真空蒸着法を用いて、n側オーミック電極78(98)の下面上にパッド電極79(99)を形成する。
その後、図13に示すように、青紫色半導体レーザ素子50が形成されたウェハと、赤色および赤外半導体レーザ素子が形成されたウェハとを接合する。この際、パッド電極60aの上面とp側パッド電極77の下面、および、パッド電極60bの上面とp側パッド電極97の下面をそれぞれ対向させながら導電性接着層9を介して接合する。これにより、赤色半導体レーザ素子70のp側パッド電極77とパッド電極60aとが電気的に接続されるとともに、赤外半導体レーザ素子90のp側パッド電極97とパッド電極60bとが電気的に接続される。
ここで、第1実施形態の製造プロセスでは、接合後のウェハに対してエッチングにより凹部80aを形成する。具体的には、図13に示すように、HSO:H=約3:1に調整されたエッチャントを用いてウェットエッチングを行うことにより、GaAs基板71の表面71aの所定の領域に青紫色半導体レーザ素子50に向かって窪む凹部80aを形成する。この際、図14に示すように、凹部80aは、互いにA方向およびB方向に所定の間隔だけ隔てられるとともに島状に分離された状態でGaAs基板71に複数形成される。これにより、凹部80aは、斜面71b(91b)がGaAs基板71(91)の表面71a(上面)から基板内部に向かって延びるとともに、GaAs基板71(91)の表面71aと異なる位置に底面71c(91c)を有して形成される。
その後、図15に示すように、約100μmの厚みになるまでn型GaN基板51の下面を研磨した後、真空蒸着法を用いて、n型GaN基板51の下面上にn側電極59を形成する。
その後、図14の素子分離位置(1つのチップにつき4箇所)において、GaAs基板71(91)の表面71a(上面)をA方向にスクライブすることにより、図15に示すように、凹部62aに対応する領域のGaAs基板71(91)の部分と、凹部80aの一部とを除去する。これにより、GaAs基板71側のウェハがB方向に分離されて、B方向に約70μmの幅を有する短冊状の赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90がそれぞれ形成される。なお、凹部80aの一部が除去されることにより、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90に、A方向に延びる段差部80とGaAs基板71(91)の一部からなる凸部71d(91d)とが形成される(図9参照)。
その後、図14に示した劈開位置で、約900μmの共振器長を有するように青紫色半導体レーザ素子50のウェハをバー状に劈開することにより各半導体レーザ素子の共振器端面を形成する。この際、第1実施形態の製造プロセスでは、GaAs基板71(91)に形成された凹部80aの底面71c(91c)を含む領域において青紫色半導体レーザ素子50のウェハをB方向に沿ってバー状に劈開することにより、底面71c(91c)を含む領域に赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90の共振器端面70aおよび90a(図11参照)をそれぞれ形成する。
その後、各半導体レーザ素子の光出射側の共振器端面に低反射率の誘電体多層膜を形成するとともに、光反射側の共振器端面に高反射率の誘電体多層膜を形成する。その後、青紫色半導体レーザ素子50の部分のバーをA方向に沿って素子分割(図15参照)することにより半導体レーザ装置100(図9参照)の複数個のチップが形成される。
最後に、セラミック製のコレット(図示せず)を用いて、半導体レーザ装置100を導電性接着層9を介して台座61に対して押圧しながら固定する。このようにして、第1実施形態による半導体レーザ装置100(図9参照)が形成される。
第1実施形態では、上記のように、赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90の各々の共振器端面位置(図14の劈開位置)にn側オーミック電極78(98)およびパッド電極79(99)が形成されていないので、共振器端面を形成する際の分割工程において、ウェハのバー状劈開を良好に行うことができる。これにより、各半導体レーザ素子に良好な劈開面(共振器端面)を形成することができる。
また、第1実施形態では、第2半導体レーザ素子(赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90)の凸部71d(91d)上のパッド電極79(99)に金属線83(85)をワイヤボンディングすることによって、第2半導体レーザ素子の厚みの大きい部分においてワイヤボンディングされるので、ワイヤボンディングの際の衝撃によって第2半導体レーザ素子(赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90)が損傷するのを抑制することができる。なお、第1実施形態のその他の効果は、上記半導体レーザ装置の概略的な構造および概略的な製造プロセスにおける効果と同様である。
(第2実施形態)
図16〜図19を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、赤色および赤外半導体レーザ素子がGaAs基板251上にモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子250における共振器端面近傍の厚みが、GaAs基板251側から半導体素子層に向かって形成された段差部280によってレーザ素子の中央領域の厚みよりも小さく形成される場合について説明する。なお、GaAs基板251は、本発明の「基板」および「第1基板」の一例であり、段差部280は、本発明の「凹部」の一例である。なお、図17は、図16の2000−2000線に沿った断面を示しており、図18は、図16の2100−2100線に沿った断面を示している。また、図19は、図16の2200−2200線に沿った断面を示している。
第2実施形態による半導体レーザ装置200では、図17に示すように、青紫色半導体レーザ素子210の表面210a上に、約200μmの幅を有する2波長半導体レーザ素子250が導電性接着層9を介して接合されている。なお、青紫色半導体レーザ素子210は、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、2波長半導体レーザ素子250は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。また、表面210aは、本発明の「第1表面」の一例である。
また、図18に示すように、2波長半導体レーザ素子250は、n型のGaAs基板251の下面上に、エッチングストッパ層252(図19参照)およびn型コンタクト層271を介して赤色半導体レーザ素子270と赤外半導体レーザ素子290とがB方向に所定の間隔を隔てて形成されている。なお、赤色半導体レーザ素子270と赤外半導体レーザ素子290の詳細な半導体素子構造は、上記第1実施形態と同様である。
ここで、第2実施形態では、図18に示すように、GaAs基板251の表面251aのB方向の両側端部近傍に、斜面251bを介して表面251aと異なる位置に底面280cを有する段差部280が形成されている。この段差部280により、底面280cから見て表面251aの領域は、C2方向に突出するとともにGaAs基板251からなる台形状の凸部251dが形成されている。また、底面280cは、2波長半導体レーザ素子250のB方向の外側面に露出している。また、凸部251dの平坦な表面251a上に、n側オーミック電極278とパッド電極279とが形成されている。なお、表面251aおよびn側オーミック電極278は、それぞれ、本発明の「第2表面」および「電極層」の一例である。
また、第2実施形態では、2波長半導体レーザ素子250を共振器方向(A方向)に沿った断面(図16の2200−2200断面)で見た場合、図19に示すように、段差部280は、一対の共振器端面290a近傍に凸部251dに隣接する段差部280の底面280cが形成されている。また、n型コンタクト層271からなる底面280cは、A方向の端部が共振器端面290aに露出している。また、底面280cは、図16に示すように、2波長半導体レーザ素子250の共振器端面270aおよび290aが形成された領域近傍において共振器端面270a(290a)に沿ってB方向に延びるとともに、2波長半導体レーザ素子250のB方向の側端部近傍においてA方向に沿って延びるように形成されている。これにより、底面280cは、2波長半導体レーザ素子250の外周部に沿って延びるように形成されているので、2波長半導体レーザ素子250の外周部における素子の厚みが、2波長半導体レーザ素子250の内側の厚みよりも小さく形成されている。
また、図17に示すように、パッド電極260aのワイヤボンド部は、青紫色半導体レーザ素子210のB1側に延びた部分に形成されている。また、図16に示すように、A方向に延びるパッド電極260b(図18参照)には、平面的に見て、赤外半導体レーザ素子290が接合されている位置からB2側に凸状に突出するワイヤボンド領域260cが形成されている。ここで、ワイヤボンド領域260cは、p側パッド電極258上に絶縁膜240を介して形成され、p側パッド電極258と絶縁されている。これにより、赤外半導体レーザ素子290は、ワイヤボンド領域260cにワイヤボンディングされた金属線282を介してリード端子に接続されている。また、図18に示すように、2波長半導体レーザ素子250は、パッド電極279にワイヤボンディングされた金属線283を介して基台205に接続されている。
また、青紫色半導体レーザ素子210は、p側パッド電極258のワイヤボンド領域258aにワイヤボンディングされた金属線284を介してリード端子に接続されるとともに、n側電極59(図17参照)が導電性接着層9を介して基台205に電気的に接続されている。
次に、図16〜図20を参照して、第2実施形態による半導体レーザ装置200の製造プロセスについて説明する。なお、図17は、図20の2000−2000線に沿った断面を示しており、図18は、図20の2100−2100線に沿った断面を示している。
まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、青紫色半導体レーザ素子210(図17参照)のウェハを作製する。その後、図16に示すように、ワイヤボンド領域258aが露出するように、p側パッド電極258上と電流ブロック層57の一部分上に絶縁膜240を形成する。その後、絶縁膜240と電流ブロック層57の所定の領域上を覆うようにパッド電極260aおよび260bをパターニングする。
次に、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、約400μmの厚みを有するGaAs基板251上に2波長半導体レーザ素子250のウェハを作製する。なお、2波長半導体レーザ素子250のウェハが形成された時点では、n側オーミック電極278およびGaAs基板251間における合金化がなされている。
その後、青紫色半導体レーザ素子210が形成されたウェハと、2波長半導体レーザ素子250が形成されたウェハとを接合する。
ここで、第2実施形態の製造プロセスでは、接合後のウェハに対してエッチングにより凹部280aを形成する。具体的には、図20に示すように、アンモニア系エッチャントを用いてウェットエッチングを行うことにより、GaAs基板251のn型コンタクト層271とは反対側の表面251a(図18および図19参照)の所定の領域に凹部280aを形成する。この際、エッチングは、エッチングストッパ層252(図19参照)とGaAs基板251(図19参照)との界面で停止する。これにより、B方向の幅約200μmおよびA方向の幅約700μmの長方形の凸部251d(図19参照)となる部分を残して凹部280aが形成される。
その後、n型GaN基板51の下面を研磨した後、真空蒸着法を用いて、n型GaN基板51の下面上にn側電極59を形成する。さらに、図20に示した劈開位置で、約800μmの共振器長を有するように青紫色半導体レーザ素子210のウェハをバー状に劈開する。さらに、2波長半導体レーザ素子250を所定の幅に分離する。最後に、共振器方向に沿って幅約400μmに素子分割することにより、半導体レーザ装置200(図16参照)の複数個のチップが形成される。
第2実施形態では、上記のように、GaAs基板251とn型コンタクト層271との間にエッチングストッパ層252を形成することによって、製造プロセス上、GaAs基板251の表面251aから開始されたエッチングを、エッチングストッパ層252まで確実に継続させることができる。これにより、エッチングストッパ層252を形成しない場合と比較して、凹部280aにおける厚みを確実により薄くすることができる。
また、第2実施形態では、2波長半導体レーザ素子250の光導波路(リッジ75下部の活性層73およびリッジ95下部の活性層93)を、凸部251dの表面251aと対向する領域の活性層73および93に形成することによって、光導波路は、レーザ素子の厚みの大きな部分に形成されるので、レーザ素子の厚みが大きい分、2波長半導体レーザ素子250の接合時に光導波路へ熱歪が加えられることを抑制できる。この結果、赤色半導体レーザ素子270および赤外半導体レーザ素子290の長寿命化を図ることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図21および図22を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、赤色および赤外半導体レーザ素子がGaAs基板351上にモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子350における共振器端面近傍の厚みが、GaAs基板351側から半導体素子層に向かって形成された段差部380によってレーザ素子の中央領域の厚みよりも小さく形成される場合について説明する。なお、GaAs基板351は、本発明の「基板」および「第1基板」の一例であり、段差部380は、本発明の「凹部」の一例である。なお、図22では、半導体レーザ装置300において、910−910平面(リッジ部13a以外の部分における青紫色半導体レーザ素子310の共振器方向(A方向)に沿った方向)における半導体レーザ装置300の断面構造を示している。
第3実施形態による半導体レーザ装置300では、図21に示すように、赤色半導体レーザ素子370および赤外半導体レーザ素子390からなる2波長半導体レーザ素子350の表面350aに、青紫色半導体レーザ素子310の表面310a(p側パッド電極58の下面)が導電性接着層9を介して接合されている。なお、青紫色半導体レーザ素子310は、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、2波長半導体レーザ素子350は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。また、表面310aは、本発明の「第1表面」の一例であり、表面350aは、本発明の「第3表面」の一例である。
また、青紫色半導体レーザ素子310は、n型クラッド層52の上面上にn側オーミック電極318およびパッド電極319が形成されている。
また、2波長半導体レーザ素子350は、n型のGaAs基板351の上面上に、Al0.5Ga0.5Asエッチングストッパ層252およびn型コンタクト層271を介して赤色半導体レーザ素子370と赤外半導体レーザ素子390とが約110μmの間隔を隔てて形成されている。
ここで、第3実施形態では、2波長半導体レーザ素子350をA方向に沿った図21の910−910平面における断面で見た場合、図22に示すように、GaAs基板351の表面351a(下面)のA方向の側端部近傍に、斜面351bを介して表面351aと異なる位置に底面380cを有する段差部380が形成されている。この段差部380により、底面380cから見て表面351aの領域はC1方向に突出するとともにGaAs基板351からなる台形状の凸部351dが形成されている。また、一対の底面380cは、端部が2波長半導体レーザ素子350の一対の共振器端面355に露出している。また、底面380cは、2波長半導体レーザ素子350の共振器端面355が形成された領域近傍において共振器端面355に沿ってB方向(図21参照)に延びるように形成されている。これにより、2波長半導体レーザ素子350における共振器端面355近傍の素子の厚みが、半導体レーザ装置300のA方向の中央領域の厚みよりも小さく形成されている。
また、凸部351dの平坦な表面351a上に、n側オーミック電極378とパッド電極379とが形成されている。なお、表面351aおよびn側オーミック電極378は、それぞれ、本発明の「第2表面」および「電極層」の一例である。
また、2波長半導体レーザ素子350は、パッド電極379の下面に形成された導電性接着層9を介して基台205に電気的に固定されている。
また、2波長半導体レーザ素子350のB1側の電流ブロック層57の上面上に、パッド電極360が形成されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子310は、パッド電極360が設けられた位置において2波長半導体レーザ素子350に接合されている。
次に、図21〜図25を参照して、第3実施形態による半導体レーザ装置300の製造プロセスについて説明する。なお、図23および図24は、図25の3000−3000線に沿った断面における製造過程での状態を示している。
まず、n型GaN基板311の上面上に、剥離層312を形成する。そして、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、青紫色半導体レーザ素子310(図21参照)のウェハを作製する。
次に、上記第2実施形態と同様の製造プロセスにより、2波長半導体レーザ素子350のウェハ(図23参照)を作製する。なお、2波長半導体レーザ素子350のウェハが形成された時点では、すでにn側オーミック電極378およびGaAs基板351間における合金化がなされている。
その後、青紫色半導体レーザ素子310が形成されたウェハと、2波長半導体レーザ素子350が形成されたウェハとを接合する。
ここで、第3実施形態の製造プロセスでは、接合後のウェハに対してエッチングにより凹部380aを形成する。具体的には、図25に示すように、アンモニア系エッチャントを用いてウェットエッチングを行うことにより、GaAs基板351のn型コンタクト層271とは反対側の表面351a(図22参照)の所定の領域にB方向に延びる凹部380aを形成する。これにより、エッチングストッパ層252の表面からなる凹部380aの底面380cが、約100μmの幅でB方向に沿って延びるように形成される。また、凹部380aの斜面351bには、GaAs基板351が露出する。
その後、図24に示すように、n型GaN基板311の上面側から剥離層312に向かってレーザ照射を行う。その際、Nd:YAGレーザ光の第2高調波(波長:約532nm)を、約500〜約2000mJ/cmのエネルギ密度に調整して、n型GaN基板311の上方からn型GaN基板311に向けて断続的に照射する。これにより、剥離層312の結晶結合が分解されて蒸発するとともに、n型GaN基板311が半導体素子層から剥離される。
その後、図25に示した劈開位置で、所定の共振器長を有するように2波長半導体レーザ素子350のウェハをバー状に劈開して、共振器端面355(図22参照)を含む各半導体レーザ素子の共振器端面を形成する。この際、段差部380の底面380cのみが劈開位置に位置するように劈開を行う。最後に、A方向に沿って素子分割することにより、半導体レーザ装置300(図21参照)の複数個のチップが形成される。
第3実施形態では、上記のように、凸部351dに隣接する凹部380aの底面380cを、平面的に見て、2波長半導体レーザ素子350の共振器端面355が形成された領域近傍に共振器端面355に沿ってB方向に延びるように設けることによって、共振器端面355が形成された領域近傍での共振器端面355に沿った方向(B方向)の2波長半導体レーザ素子350の厚みが、共振器端面355近傍以外の領域(凸部351dが形成されている領域)の厚みよりも一様に小さくなるので、共振器端面355を形成する際の分割工程において、厚みの小さい凹部380aの底面380cを含む領域で2波長半導体レーザ素子350のウェハを容易に分割することができるので、共振器端面355をより容易に形成することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図26および図27を参照して、この第4実施形態では、緑色および青色半導体レーザ素子からなる2波長半導体レーザ素子450の表面450a上に赤色半導体レーザ素子470を接合する場合について説明する。なお、2波長半導体レーザ素子450は、本発明の「第1半導体レーザ素子」の一例であり、赤色半導体レーザ素子470は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。また、表面450aは、本発明の「第1表面」の一例である。
第4実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置400では、図27に示すように、緑色半導体レーザ素子410および青色半導体レーザ素子420からなるモノリシック型の2波長半導体レーザ素子450上に、赤色半導体レーザ素子470が導電性接着層9を介して接合されている。
また、赤色半導体レーザ素子470は、図27に示すように、約60μmの厚みを有するn型のGaAs基板471の下面上に、Al0.5Ga0.5Asエッチングストッパ層252、n型クラッド層72、活性層73およびp型クラッド層74が形成されている。また、リッジ75は、素子の略中央部に形成されている。
ここで、第4実施形態では、GaAs基板471の表面471aのB方向の両側端部近傍に、斜面471bを介して表面471aと異なる位置に底面471cを有する段差部480が形成されている。この段差部480により、底面471cから見て表面471aの領域はC2方向に突出するとともにGaAs基板471の一部からなる凸部471dが形成されている。ここで、表面471aと斜面471bとにより鈍角の稜が形成されている。また、底面471cは、赤色半導体レーザ素子470のB方向の外側面に露出している。また、凸部471dの表面471a上に、n側オーミック電極78とパッド電極79とが形成されている。なお、GaAs基板471は、本発明の「基板」および「第1基板」の一例であり、表面471aおよび段差部480は、それぞれ、本発明の「第2表面」および「凹部」の一例である。
また、第4実施形態では、図26および図27に示すように、赤色半導体レーザ素子470の段差部480は、共振器端面470a(図26参照)近傍において、共振器端面470aの延びるB方向に沿って延びる底面471cを有している。さらに、図26に示すように、底面471cは、赤色半導体レーザ素子470のB方向の側端部に対応する領域近傍において共振器方向(A方向)に延びるように形成されている。
また、図27に示すように、緑色半導体レーザ素子410は、n型GaN基板411の上面上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層412、活性層413、p型AlGaNからなるp型クラッド層414およびp側オーミック電極層415が形成されている。また、青色半導体レーザ素子420は、n型GaN基板411の上面上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層422、活性層423、p型AlGaNからなるp型クラッド層424およびp側オーミック電極層425が形成されている。なお、n型GaN基板411は、本発明の「第2基板」の一例である。
また、緑色半導体レーザ素子410のp型クラッド層414の平坦部の上面およびリッジ401の側面と、青色半導体レーザ素子420のp型クラッド層424の平坦部の上面およびリッジ421の側面とを覆うように電流ブロック層416が形成されている。また、リッジ421から見てp型クラッド層424のB2側の下面上を覆うように電流ブロック層426が形成されている。また、リッジ401および電流ブロック層416の上面にp側パッド電極417が形成されるとともに、リッジ421、電流ブロック層416および426の上面にp側パッド電極427が形成されている。また、n型GaN基板411の下面上に、n側電極419が形成されている。
また、2波長半導体レーザ素子450のB1側の電流ブロック層416の上面上に、Auなどからなるパッド電極460が形成されている。これにより、赤色半導体レーザ素子470(p側パッド電極77の下面)は、パッド電極460が設けられた位置において2波長半導体レーザ素子450の表面450aに接合されている。
また、図27に示すように、緑色半導体レーザ素子410は、p側パッド電極417にワイヤボンディングされた金属線481を介してリード端子に接続されるとともに、青色半導体レーザ素子420は、p側パッド電極427にワイヤボンディングされた金属線482を介してリード端子に接続される。また、赤色半導体レーザ素子470は、パッド電極460にワイヤボンディングされた金属線483(図26参照)を介してリード端子に接続されるとともに、パッド電極79の上面にワイヤボンディングされた金属線484を介して基台205に電気的に接続される。また、2波長半導体レーザ素子450のn側電極419は、導電性接着層9を介して基台205に電気的に接続されている。
なお、第4実施形態によるRGB3波長半導体レーザ装置400のその他の構造および製造プロセスは、上記第1実施形態と同様である。また、第4実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、青紫色半導体レーザ素子50上に赤色半導体レーザ素子70および赤外半導体レーザ素子90を接合して半導体レーザ装置を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、青紫色半導体レーザ素子上に赤色半導体レーザ素子または赤外半導体レーザ素子のいずれか1つを接合して2波長半導体レーザ素子を形成してもよい。
また、上記第2〜第4実施形態では、2波長半導体レーザ素子250、350および450が接合される基台205を、AlNからなる基板により構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、基台205を、FeやCuなどからなる熱伝導率の良好な導電材料を用いて構成してもよい。
また、上記第4実施形態では、緑色半導体レーザ素子および青色半導体レーザ素子を共に共通のn型GaN基板411上に形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、緑色半導体レーザ素子および青色半導体レーザ素子を共に共通のn型GaN層などの半導体層上に形成してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、リッジ導波型半導体レーザを形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体のブロック層を有するリッジ導波型半導体レーザや、埋め込みヘテロ構造(BH)の半導体レーザや、平坦な上部クラッド層上にストライプ状の開口部を有する電流ブロック層を形成した利得導波型の半導体レーザを形成してもよい。
また、上記第1および第4実施形態では、段差部(80)の底面(71c)をGaAs基板に形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、段差部(凹部)の底面を、n型コンタクト層内やn型クラッド層内に位置するように形成してもよい。
10 第1半導体レーザ素子
10a、50a、210a、310a、450a 表面(第1表面)
20 第2半導体レーザ素子
20a、70a、90a、270a、290a、355、470a 共振器端面
21 第1導電型基板(第1基板、基板)
21a、71a、91a、251a、351a、471a 表面(第2表面)
25 第1導電側電極(電極層)
30、71d、91d 凸部
31、80a、280a、380a 凹部
31a、71c、91c、280c、380c 底面
50、210、310 青紫色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
51、411 n型GaN基板(第2基板)
70、270、370 赤色半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
71、91、251、351 GaAs基板(第1基板、基板)
78、98、278、378 n側オーミック電極(電極層)
80、280、380、480 段差部(凹部)
90、290、390 赤外半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
250、350 2波長半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
310 青紫色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
350a 表面(第3表面)
450 2波長半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
470 赤色半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)

Claims (5)

  1. 第1表面を有する第1半導体レーザ素子と、
    第2表面側に設けられた第1基板と、前記第2表面側に形成され、前記第1基板の少なくとも一部からなる凸部の表面上に形成された電極層とを含み、前記第1表面に、前記第2表面とは反対側の第3表面が接合される第2半導体レーザ素子とを備え、
    前記凸部に隣接する凹部の底面は、平面的に見て、前記第2半導体レーザ素子の共振器端面に少なくとも接するように設けられている、半導体レーザ装置。
  2. 前記凹部の底面は、平面的に見て、前記第2半導体レーザ素子の外周部に沿うように矩形状に形成されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第1半導体レーザ素子は、前記第1表面とは反対側に形成された第2基板を含む、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 第1表面を有する第1半導体レーザ素子を形成する工程と、
    第2表面側に設けられた基板と、前記第2表面側の前記基板の表面上に設けられた電極層とを含む第2半導体レーザ素子を形成する工程と、
    前記第2表面とは反対側の前記第2半導体レーザ素子の第3表面を前記第1半導体レーザ素子の第1表面に接合する工程と、
    前記接合する工程の後に、前記電極層の一部を残して前記第2表面から前記第1半導体レーザ素子側に向かって延びる凹部を形成することにより、前記凹部に隣接する領域に、前記基板の少なくとも一部からなり前記電極層が表面上に設けられた凸部を前記第2半導体レーザ素子に形成する工程と、
    前記凹部の底面を含む領域で分割することにより、平面的に見て、前記底面が共振器端面に接するように設けられた個々の前記第2半導体レーザ素子を形成する工程とを備える、半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記第2半導体レーザ素子を形成する工程は、前記第2半導体レーザ素子を前記第1半導体レーザ素子に接合する工程、および、前記凸部を形成する工程に先立って、前記電極層を合金化する工程を含む、請求項4に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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JP2006278576A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Sanyo Electric Co Ltd 半導体レーザ装置、半導体レーザ装置の製造方法および光ピックアップ装置

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