JP2010171193A - 照明装置 - Google Patents

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雄右 柴原
Kiyoko Kawashima
淨子 川島
Kiyoshi Nishimura
潔 西村
Go Koyanazu
剛 小▲柳▼津
Kozo Ogawa
光三 小川
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Abstract

【課題】小型化を図ることができるとともに、各発光部での発光色のばらつきを抑制でき、しかも、発光効率及び放熱性を低下させないで半導体発光素子を埋めた封止樹脂を保護できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は装置本体と光源モジュール11を具備する。装置本体はベース壁部3a及び開放部を有する。モジュール11は、モジュール基板14、複数の青色LED17、基板14の表側面に固定されたスペーサ25、透光性封止樹脂31、透明正面ガラス(正面部材)27、蛍光体29を備える。LED17を基板14の表側面略全域に点在させて実装する。スペーサ25はLEDが収納された複数の光通孔25aを有し、光通孔内のLED17を封止樹脂31で埋設する。ガラス27をスペーサ25の表面に被着し、ガラスの裏面に光通孔25aを閉じるように点在して蛍光体29を印刷で設ける。ガラス27を装置本体の開放部に対向させてベース壁部3aにモジュール11を固定する。
【選択図】図6

Description

本発明は複数のチップ状LED(発光ダイオード)等の半導体発光素子を一斉に発光させて照明をする照明装置に関する。
従来、口金と下面が開放された反射傘が設けられたケースを有し、このケースの開口部にLED光源を取付けてなる電球型の照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この照明装置のLED光源は、多層プリント基板上に封止域とこれから外れた給電ランド域とを有している。
多層プリント基板の表面には、封止域において青色発光をする複数個のLEDベアチップが搭載されていて、これらLEDベアチップの夫々は、LEDベアチップが発する光を白色光に変換する蛍光体粉末が混ぜられた樹脂からなる蛍光体で被覆されている。これとともに、多層プリント基板の表面には、封止域においてLEDベアチップの各搭載位置に対応した位置にテーパー状の孔を有した反射板が貼着されている。更に、透光性を有したエポキシ樹脂等からなる封止樹脂が、金型を用いて反射板の各孔に夫々充填されているとともに、この封止樹脂は反射板の表面及び側面に被着されている。
又、給電ランド域は封止域の側方に外れていて、この領域にLEDベアチップに給電をするための複数の給電ランドパターンが設けられている。
特開2004−193357号公報
特許文献1の照明装置は、複数のLEDベアチップを封止した封止樹脂及び給電ランド域が反射傘の開口を通してLED光源を掃除する場合等に人体等が触れ得る状態に露出されている。このため、封止樹脂が例えば擦られて傷付く恐れがあるとともに、充電部である給電ランドに人体等が接触する場合には好ましくない状態に至る恐れも考えられる。
こうした恐れを改善するためには、反射傘の開口を透光性の保護部材で閉じる必要があるが、この構成は次の点で不利である。第1に、保護部材がLED光源から下方に離れて配置されるので、照明装置の厚みをLED光源の厚みよりかなり厚く形成する必要がある。第2に、LEDモジュールの各LEDベアチップが発した熱は、LED光源と保護部材との間の空気層での対流により保護部材に伝えられて、この保護部材から外部に放出されるので、LED光源からの放熱性が良くなく各LEDベアチップの温度が過度に上がって発光効率が低下し易い。なお、保護部材が拡散板等の拡散透光性である場合には、この保護部材での拡散に伴う光の損失により照明装置の効率(器具効率)も低下する。
更に、特許文献1の照明装置では複数のLEDベアチップ毎に蛍光体を被覆しているが、この蛍光体がいかなる技術で設けられたのかという点は特許文献1に記載がない。各LEDベアチップを被覆した蛍光体の夫々の厚みが一定ではなくばらついている場合には、これら蛍光体に含まれている蛍光体粉末の量や分布も当然にばらつくので、それに基づいてLEDベアチップと蛍光体とからなる各発光部での発光色がばらついてしまう。こうした点について対処するための技術は特許文献1には記載されていない。
以上のように従来技術は、小型化を図り難いとともに、各発光部での発光色のばらつきを抑制し難く、しかも、放熱性及び発光効率を低下させないで半導体発光素子を埋めた封止樹脂を保護し難いという課題がある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、ベース壁部及びこの壁部に対向する開放部を有した装置本体と;モジュール基板、この基板の表側の面にこの面の略全域に点在して実装された複数の半導体発光素子、これら発光素子が収納された複数の光通孔を有して前記モジュール基板の表側の面に固定されたスペーサ、前記光通孔内に前記半導体発光素子を埋めて設けられた透光性の封止樹脂、前記スペーサの表面に被着された透光性の正面部材、及び前記光通孔の前記正面部材側開口を閉じる大きさで前記正面部材の表面又は裏面に前記光通孔を閉じるように点在して印刷された蛍光体を備えて、前記正面部材を前記開放部に対向させて前記ベース壁部に固定された光源モジュールと;を具備したことを特徴としている。
この発明で、ベース壁部は光源モジュールを支持するための部材であって、光源モジュールから伝導される熱を放出するために、ベース壁部を含んだ装置本体は金属製とすることが好ましい。この発明で、装置本体の開放部とは、透光性の照明カバーで塞がれることなく開放されたまま維持される開放部を指している。
この発明で、モジュール基板は、点光源となるチップ状LED等の半導体発光素子が実装される部材であって、アルミニウム等の熱伝導性が良好な金属製ベースに絶縁層を積層してなる金属ベース基板を用いることも可能であるが、これに対して熱伝導性は比較的低いが比較的安価であるガラスエポキシ樹脂を主体とした樹脂基板を好適に使用できる他、同様に比較的安価な紙フェノール材やガラスコンポジット等の非金属製の基板を使用可能であり、更にはセラミックスのような無機材料製の基板も使用可能である。又、モジュール基板は、半導体発光素子を所望の間隔で配設するために四角形例えば正方形や長方形に形成することが好ましいが、六角形等の多角形状、円形や楕円形状等の形状であってもよい。この発明で、モジュール基板の表側の面とは照明装置の正面側に位置される面である。この発明で、モジュール基板の裏側の面とは前記正面側の面とは反対側の面を指している。
この発明で、半導体発光素子には、チップ状のLED(発光ダイオード)、例えば青色発光をするチップ状の青色LEDを好適に用いることができるが、チップ状以外のLEDを用いることも可能である。更に、白色発光をするために、黄色蛍光体と青色LEDとを組み合わせることが好ましいが、これに代えて、紫外線を発するLEDに対し、紫外線で励起されて青色、赤色、緑色の光を放射する青色蛍光体粉末、赤色蛍光体粉末、緑色蛍光体粉末が混ぜられた蛍光体を用いることも可能である。この発明で、半導体発光素子は、例えばCOB(Chip on board)技術を用いて、モジュール基板全体に点在してマトリックス状に配置されていることが好ましいが、マトリックス状には制約されず、モジュール基板の形状に合わせて全基板体に点在して千鳥状や放射状等に配置することが可能である。
又、半導体発光素子が青色LEDである場合、白色発光をするために、青色の光で励起されて黄色の光を放射する黄色の蛍光体粉末が混ぜられた蛍光体を組み合わせることが好ましいが、演色性等を向上するために赤色蛍光体粉末や緑色蛍光体粉末が更に蛍光体に混じっていてもよい。
この発明で、スペーサは合成樹脂又はセラミック或いは金属の多孔板で形成され、その光通孔は、真っ直ぐな孔、又はモジュール基板から正面部材に行くにしたがって孔径が次第に大きくなるテーパー孔であってもよい。更に、光通孔の孔断面の形状は角孔でも差し支えないが、円形であることが好ましいとともに、光通孔の内面に反射層がコーティングされていてもよい。スペーサをアルミニウム等の軽金属製とすることは、モジュール基板から正面部材への熱伝導を良好にする上で好ましい。
この発明で、蛍光体が光通孔を閉じるように設けられるとは、蛍光体が、光通孔の光出射側の開口、つまり、正面部材側の開口径以上の大きさであって、光源モジュールを正面から見て光通孔の正面部材側の開口を覆って光通孔が配置されていることを指している。又、この発明で、正面部材からの出射光の出射方向を制御するために正面部材の表面にレンズ部を一体に設けることもできる。この発明で、正面部材には、透明ガラスの平板を好適に使用できるが、それ以外の透明材料で形成することも可能である。
請求項1の発明の照明装置において、装置本体のベース壁部に固定された光源モジュールの正面部材は、スペーサの光通孔内に配置された半導体発光素子を埋めている封止樹脂を覆っているので、この正面部材で封止樹脂を保護できる。しかも、正面部材は、光源モジュールの一部を構成した部品であってスペーサに被着されているので、この正面部材が封止樹脂から大きく隔たって配置されることがない。このため、装置本体の小型化、つまり、装置本体の厚みを薄くできる。更に、既述のように正面部材がスペーサに被着されているとともに装置本体の開放部に対向しているので、照明装置の点灯中において各半導体発光素子が発した熱を、スペーサを経由する熱伝導により正面部材に移動させて、この正面部材から装置本体の開放部を通して外部に放出できる。それにより、半導体発光素子が発した熱の外部への放熱性が向上されるに伴い、半導体発光素子の温度過昇による発光効率の低下を抑制できる。しかも、半導体発光素子が発した光で励起される蛍光体粉末を含んだ蛍光体は、スペーサが有した複数の光通孔を個々に閉じるように点在して正面部材に印刷されているから、各蛍光体に含まれた蛍光体粉末の量や分布にばらつきを生じ難く、これにより、半導体発光素子とその出射方向に配置されている蛍光体を有してなる各発光部での発光色のばらつきを抑制できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記光源モジュールが前記モジュール基板に設けられたスルーホールを介して前記半導体発光素子と電気的に接続して前記モジュール基板の裏側の面のみに実装された電気部品を備え、前記スペーサ及び前記正面部材が前記モジュール基板と略同じ大きさであることを特徴としている。
この請求項2の発明では、電気部品をモジュール基板の裏側の面のみに実装したので、モジュール基板の表側の面の略全域にわたって発光部を点在させて、光源モジュールを面状に発光させることができる。これとともに、照明装置を正面側から見て電気部品等が正面部材で覆われているので、この正面部材を拭き掃除する際に、電気部品に人体等が接触することがなく、安全性が高い。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記封止樹脂が前記正面部材の裏面又はこの正面部材の裏面に印刷された前記蛍光体に接して前記光通孔に充填されていることを特徴としている。
この請求項3の発明で、蛍光体が正面部材の表面に印刷されている場合、封止樹脂は正面部材の裏面に接して光通孔に充填され、又、蛍光体が正面部材の裏面に印刷されている場合、封止樹脂は蛍光体に接して光通孔に充填される。更に、この請求項3の発明で、封止樹脂が光通孔に充填されているとは、光通孔に充填樹脂が満ちていて、しかも、この充填樹脂が正面部材の裏面又は蛍光体との間に隙間を作らない状態にある状態を指している。
この請求項3の発明では、光通孔に充填された封止樹脂によって正面部材と半導体発光素子との間に空気層が存在しないので、半導体発光素子から発して正面部材を透過する光の経路において空気層との界面による光の反射損がなく、光を効率よく取出すことができる。
請求項4の発明は、請求項1から3の内のいずれか一項の発明において、前記正面部材の表面が拡散処理面で形成されていることを特徴としている。
この請求項4の発明では、正面部材に入射した光がこの正面部材の表面に沿って進行することが拡散処理面により抑制されるので、前記入射光を効率よく正面部材から光の利用方向に出射させることができる。
請求項1の発明によれば、小型化を図ることができるとともに、各発光部での発光色のばらつきを抑制でき、しかも、放熱性及び発光効率を低下させないで半導体発光素子を埋めた封止樹脂を保護できる、という効果がある。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、更に、光源モジュールの表面全体を面状に発光させることができるとともに、正面部材を拭き掃除する場合の安全性が高い、という効果がある。
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明において、半導体発光素子から発して正面部材を透過する光の経路での光の反射損がないので、光を効率よく取出すことができる、という効果がある。
請求項4の発明によれば、請求項1から3の内のいずれか一項の発明において、更に、正面部材に入射した光を効率よく正面部材から光の利用方向に出射させることができる、という効果がある。
(A)は本発明の第1の実施形態に係る照明装置をその一部を断面した状態で示す側面図である。(B)は第1の実施形態に係る照明装置を示す平面図である。 第1の実施形態に係る照明装置を示す正面図である。 図1(B)中矢印F3−F3線に沿う断面図である。 第1の実施形態に係る照明装置が備える光源モジュールを一部切欠いた状態で示す正面図である。 図4の光源モジュールの一部を拡大しかつその一部を切欠いた状態で示す正面図である。 図4の光源モジュールの一部を拡大して示す断面図である。
以下、図1〜図6を参照して本発明の第1の実施の形態について、詳細に説明する。
図1〜図3中符号1は照明装置を示している。照明装置1は、ベースライトと通称される照明器具として実現されており、屋内外の天井部に直付け又は埋め込んで例えば全般照明用として設置される。この照明装置1は、装置本体2と、点灯装置10と、一以上例えば複数の光源モジュール11を具備している。
装置本体2は、本体ベース3と、一対の端板5と、本体ハウジング7を備えており、これらは何れも金属製である。この装置本体2の大きさは、例えば図1(B)において上下方向の寸法(縦寸法)が約280mm、図1(B)において左右方向の寸法(横方向)が850mmである。
図1〜図3に示すように本体ベース3は、四角形例えば長方形で平板状をなすベース壁部3a、このベース壁部3aの両側縁から斜め下方に折り曲げられた側壁部3b、及びこれら側壁部3bから例えば平状に折り曲げられたベース縁部3cを有している。ベース壁部3aに例えば四角形状の部品通し孔3dが例えば複数開けられている。部品通し孔3dは後述する光源モジュール11と同数で、かつ、これら光源モジュール11の配設間隔と同じ間隔で本体ベース3の長手方向に間隔的に設けられている。互いに対向している一対の側壁部3bの内面は反射面であることが好ましい。一対の側壁部3bは、それらの内面間の間隔がベース壁部3aから遠ざかるに従い次第に大きくなるように傾斜されている。ベース縁部3cは互いに近づく方向に折り曲げられている。
端板5は、本体ベース3の長手方向両端部にねじ6で夫々固定されていて、この本体ベース3の長手方向の端を閉じている。これら端板5の内面も反射面であることが好ましく、かつ、これら内面間の間隔がベース壁部3aから遠ざかるに従い次第に大きくなるように端板5は傾斜されている。これとともに、これらの端板5から水平状に折り曲げられた端板縁部5aは、互いに近づく方向に折り曲げられている。これら端板縁部5aとベース縁部3cは、互いに連続していて、ベース壁部3aに対向する開放部、例えばベース壁部3aの下方に対向する下面開放部4(図2及び図3参照)を形成している。
図1(A)(B)及び図3に示すように本体ハウジング7はその下面が開放された長方形の箱形状をなしている。この本体ハウジング7は本体ベース3の上面に固定されている。すなわち、図1(B)及び図3に示すようにベース壁部3aの上面にこのベース壁部3aの長手方向と同方向に延びる一対の連結金具8が固定されている。これら連結金具8間に本体ハウジング7が配置されていて、この本体ハウジング7の下縁部が連結金具8に夫々ねじ9で固定されている。
本体ハウジング7の天井壁内面に、光源モジュール11を点灯させる点灯装置10が固定されている。
複数の光源モジュール11はベース壁部3aの下面にねじ12(図2参照)により固定されている。隣接する光源モジュール11は互いに接して隙間なく連続している。それにより、各光源モジュール11は図1(B)及び図2に示すようにベース壁部3aの略全域にわたって配設されている。このように並べられた各光源モジュール11によって面状の光源部が形成されている。
各光源モジュール11は、COB(Chip on board)モジュールであって、モジュール基板14、複数の半導体発光素子例えばチップ状の青色LED(青色発光ダイオード)17、スペーサ25、正面部材例えば正面ガラス27、蛍光体29、及び透光性の封止樹脂31を備えて形成されている。
図4及び図5に示すように光源モジュール11の長手方向両端部と中央部に固定孔14aが開けられている。これら固定孔14aの夫々にベース壁部3aに螺合されるねじ12(図2参照)が上向きに通されて、これらのねじ12の締付けによって、光源モジュール11がベース壁部3aに密接して固定されている。この固定により光源モジュール11から装置本体2への放熱が可能となっている。
モジュール基板14は四角形例えば長方形をなしている。このモジュール基板14は絶縁材料例えば合成樹脂具体的にはガラスエポキシ樹脂の平板で作られている。モジュール基板14の表側の面(すなわち、下面)14bに、図5及び図6に示すように銅箔等からなる表側金属導体15が所定のパターンで配線されている。表側金属導体15は下面14bに装着された銅箔上に金又はニッケルと金とをこの記載順にメッキして形成されている。
図5に例示するように表側金属導体15は、例えば略六角形状をなした素子実装部15aと、この素子実装部15aから一体に延出した線状の延出部15bと、素子実装部15aに設けた絶縁溝部15cを有している。絶縁溝部15cの幅は延出部15bの幅より広く、この絶縁溝部15cの先端は素子実装部15aの略中央部に達している。この絶縁溝部15cには隣接して配置された表側金属導体15の延出部15bが挿入するように設けられている。各表側金属導体15の素子実装部15aはモジュール基板14に対して縦横に整列してマトリックス状に配設されている。
図6に示すように青色LED17は、電気絶縁性のサファイア等からなる素子基板17aの一面に発光層17bを設けて作られており、その発光層17bに図示しないが一対の素子電極が設けられている。これら青色LED17は、各表側金属導体15の素子実装部15aにダイボンド材18によりダイボンドされている。こうしてモジュール基板14の下面14bに実装された青色LED17は、後述する各光通孔25aの中央部に一個ずつ配置されている。したがって、各青色LED17は、前記下面14bの略全領域にわたるように各素子実装部15aの配置に応じて縦横に整列してマトリックス状に設けられている。
各青色LED17は、後述する光通孔25a内で表側金属導体15に電気的に接続されている。すなわち、図5及び図6に示すように青色LED17の一方の素子電極と素子実装部15aとが第1のボンディングワイヤ19を介して接続されているとともに、青色LED17の他方の素子電極と延出部15bとが第2のボンディングワイヤ20を介して接続されている。こうした接続によって、図4中左側二列の青色LED17群が直列接続され、図4中中央の二列の青色LED17群が直列接続され、図4中右側二列の青色LED17群が直列接続されている。これらの直列回路は、図示しない回路によって電気的に並列に接続されていて、前記点灯装置10により給電されるようになっている。そのため、照明装置1の使用時に各青色LED17は一斉に発光して照明に供される。
又、図4に示すようにモジュール基板14の長手方向に列をなして並んだ青色LED17列は、モジュール基板14の幅方向(長手方向と直交する方向)に沿って一定のピッチPで設けられている。これとともに、隣接する光源モジュール11同士が接して連続する縁14cと、この側縁14cに最も近く配置されている青色LED17列との間の距離Lは、前記ピッチPの1/2の長さである。
この構成により、隣接して連続した光源モジュール11同士の関係において、光源モジュール11の側縁14cの両側に位置された青色LED17列が、前記ピッチPと同じ距離を隔てて配置される。これにより、互いに連続された複数の光源モジュール11全体にわたり青色LED17列が同一のピッチPで配設される(図2参照)。このため、青色LED17列間が不揃いとなっている場合に比較して照明エリアの各部に明るさの差がでることを抑制できる利点があるとともに、青色LED17列同士の間隔が不揃いとなって視認されることがない点で照明装置1の見栄え上好ましい。
図4において左側二列の青色LED17群がなした第1の直列回路の両端、中央二列の青色LED17群がなした第2の直列回路の両端、及び右側二列の青色LED17群がなした第3の直列回路の両端の夫々は、各直列回路に対応して図6で代表するようにモジュール基板14にこの基板を厚み方向に貫通して設けられたスルーホール21に一体に連続されている。
モジュール基板14の上面、つまり、裏側の面14dには、図6で代表する裏面金属導体22がスルーホール21に一体に連続して所定のパターンで設けられている。この裏面金属導体22に半田付けされて、モジュール基板14の裏面のみに、非発光部品である電気部品23例えば電気コネクタ、コンデンサ、定電流素子具体的には定電流ダイオード等が実装されている。裏面金属導体22は表側金属導体15と同様に銅箔上に金又はニッケルと金とをこの記載順にメッキして形成されている。
これらの電気部品23は、モジュール基板14の周部で囲まれた中央の一部領域を占めてまとまって配置されている。これら電気部品23が配置された領域は、ベース壁部3aに既述のように光源モジュール11が固定されることにより部品通し孔3dに対向する領域である。したがって、電気部品23は図3で代表するように部品通し孔3dに通されている。このように部品通し孔3dに電気部品23を通して光源モジュール11が装置本体2のベース壁部3aに固定されていることにより、光源モジュール11の裏面側に実装された電気部品23が妨げになることなく、光源モジュール11を装置本体2のベース壁部3aに面接触させた状態に固定できる。
スペーサ25はモジュール基板14の表側の面に図示しない接着剤を用いて被着されている。スペーサ25は絶縁材料例えば合成樹脂製である。この場合、後述する正面ガラス27の表面から光源モジュール11外への外部への放熱性を良好とするために、熱伝導性がモジュール基板14の熱伝導性より高い材料でスペーサ25を形成することが好ましい。そして、こうした熱伝導性を得るためにスペーサ25をアルミニウム合金等の軽金属製とする場合には、このスペーサと表側金属導体15との間に、これらを電気的に絶縁するための絶縁層を介在させれば良い。
図4に示すようにスペーサ25は、モジュール基板14と略同じ大きさであるとともに、各素子実装部15aと同数の光通孔25aを有している。これら複数の光通孔25aの内面は反射性能を有していることが好ましく、そのためにスペーサ25をなす合成樹脂に白色の材料を用いるか、若しくは光通孔25aの内面に反射層をメッキ処理等により設けると良い。
各光通孔25aは各素子実装部15aの配置と同じ配置に設けられていて、素子実装部15aの中央部に対向している。したがって、表側金属導体15は各光通孔25aに対向した部位を除いてスペーサ25で覆われている。各光通孔25aは例えば円形で真っ直ぐな孔からなる。これらの光通孔25a内に、図5に示すように延出部15b及び絶縁溝部15cの各先端部及びボンディングワイヤ19,20が位置されているとともに、青色LED17が一個ずつ収納されている。なお、各光通孔25aは青色LED17が発した光が通過する部分であるので、光通孔25aの孔径を変えることで、後述する各発光部33の大きさを要求される仕様に適合させることができる。
正面ガラス27は、透光性好ましくは透明なガラス材により板状に形成されていて、その大きさはモジュール基板14の大きさと略同じである。正面ガラス27は、スペーサ25の平らな表面に図示しない接着剤を用いて被着されていて、各光通孔25aを覆っている。図6に示すように正面ガラス27の表面は必須ではないが微小な凹凸を有した拡散処理面27aで形成されている。この拡散処理面27aは正面ガラス27の表面に例えばブラスト処理を施すことによって形成できる。
この正面ガラス27には蛍光体29が印刷されている。本実施形態で蛍光体29は正面ガラス27の平らな裏面に印刷されている。蛍光体29は正面ガラス27の平らな表面に印刷してもよいが、以上のように裏面に印刷された蛍光体29は正面ガラス27によって保護されるので、正面ガラス27が拭き掃除される場合等において蛍光体29が傷つかないようにできる点で好ましい。
蛍光体29をなした透光性の印刷塗料中には図示しないが例えば黄色蛍光体が粉末の状態で混ぜられている。この印刷塗料は、正面ガラス27に印刷された後に加熱炉で焼成されることにより固化されて蛍光体を形成している。各蛍光体29は例えば円形であり、その大きさは、光通孔25aの正面ガラス側開口を閉じる大きさ、言い換えれば、光通孔25aの径以上、好ましくは光通孔25の径より大径である。そして、これら各蛍光体29は各光通孔25aを閉じるように各光通孔25aと同じ配置で点在して印刷されている。これによって、青色LED17が発した光の全量を蛍光体29に入射させることができ、青色光が蛍光体29を通らずに出射することがない。
封止樹脂31は透光性樹脂材料例えば透明シリコーン樹脂等からなる。図6に示すように封止樹脂31は、光通孔25a内に位置されている素子実装部15aの中央部、青色LED17、及びボンディングワイヤ19,20を埋めて設けられている。この場合、より好ましい例として本実施形態では封止樹脂31は、光通孔25aに満ちた状態で蛍光体29に接して光通孔25aに充填されている。
図2及び図4中符号33は発光部を示しており、発光部33は封止樹脂31に埋められた青色LED17と蛍光体29を含んでいる。これら発光部33の配置は青色LED17の配置と同じである。したがって、各発光部33は光源モジュール11の略全域にわたり点在してマトリックスに配設されている。各発光部33は光源モジュール11の縦横方向に夫々5〜20mmの間隔を置いて配設されている。隣接する発光部33間の間隔寸法が5mm未満であると、青色LED17を有した発光部33が密集した状態となって、単位面積当たりの光束が増え過ぎて平均輝度が高くなり、不快グレアを与え易くなる。隣接する発光部33間の間隔寸法が20mmを超えると、単位面積あたりの光束が減ることに伴い、これを補うために青色LED17の使用個数を増やす必要があるので、光源モジュール11を大きくする必要を生じて、照明装置1の大型化を招く。
以上の構成の各光源モジュール11は、それらの長手方向を、装置本体2の長手方向と直交する方向に一致させて、ベース壁部3aにねじ止めされている。これとともに、図2及び図3に示すように隣接した光源モジュール1lの側縁14c同士は接触されている。それにより、各光源モジュール11は装置本体2の長手方向に隙間なく連続して配設されている。このように配設された各光源モジュール11の最も表側に配置された正面ガラス27は、装置本体2の下面開放部4に露出するように対向されていて、この下面開放部4を通して視認可能に設けられている。
前記構成の照明装置1では、その装置本体2のベース壁部3aに固定された光源モジュール11が正面ガラス27を備えていて、この正面ガラス27で、スペーサ25の光通孔25a内に配置された青色LED17等を埋めて保護した封止樹脂31を覆っている。このため、装置本体2の下面開放部4を通して正面ガラス27が拭き掃除される場合等において、封止樹脂31が擦られて傷つかないように正面ガラス27で保護することができる。その上、正面ガラス27が光源モジュール11の充電部(表側金属導体15、青色LED17、ボンディングワイヤ19,20、裏金属導体22、及び電気部品23等)を覆っているので、正面ガラス27が拭き掃除される場合等に光源モジュール11に人体が触れることがあっても、充電部に人体等が接触することが妨げられるので、掃除など取扱い時において安全上好ましくない状態に至る恐れがない。
しかも、正面ガラス27は、光源モジュール11の一部を構成した部品であってスペーサ25に被着されているので、この正面ガラス27は封止樹脂31から大きく隔たって配置されることがない。このため、ベース壁部3aから下面開放部4までの厚み寸法S(図3参照)を、光源モジュール11の厚みに応じて薄くでき、それに伴い装置本体2の小型化、つまり、装置本体2の厚みを薄くできる。
前記構成の照明装置1が備える光源モジュール11では、複数の青色LED17とこれら以外の発光しない電気部品23とは、モジュール基板14の同じ面に配置されておらず、各青色LED17はモジュール基板14の表側の面に配置され、これら青色LED17の配置領域に重なるような位置関係で電気部品23がモジュール基板14の裏側の面に配置されている。
そのため、各青色LED17と発光しない電気部品23とをモジュール基板14の同一面に配置する場合に比較して、モジュール基板14の大きさを小さくできるので、こうしたモジュール基板14を有した光源モジュール11が複数並べられて面状の光源部を形成した照明装置1を小型化するのに有利である。
前記構成の照明装置1が点灯されると、各発光部33が有した青色LED17が一斉に青色の光を発して、照明装置1の照明対象である下方空間が照明される。すなわち、青色LED17の発光層17bが発して封止樹脂31を通った青色光の一部が、蛍光体29を透過する際に、この蛍光体29に含まれている黄色の蛍光体粉末を励起する。そのため、励起によって生成された黄色の光と、発光層17bが発した光の内で蛍光体粉末を励起しなかった青色の光とが混じり合って、白色の光が作られる。そして、この白色光が正面ガラス27を通って発光部33の下方に出射されて、光の利用方向である照明装置1の下方を照明する。
こうした照明での発光部33での発光色のばらつきは以下の理由により抑制できる。すなわち、発光層17bが発した青色の光で励起される黄色の蛍光体粉末を含んだ蛍光体29は、スペーサ25が有した各光通孔25aを個々に閉じるように点在して正面ガラス27に印刷されている。このように印刷により設けられた蛍光体29は定量化が容易であることによって、各蛍光体29に含まれた蛍光体粉末の量にばらつきを生じ難いとともに、各蛍光体29内での蛍光体粉末の分布にもばらつきを生じ難い。したがって、青色LED17とその出射方向に配置されている蛍光体29を含んだ各発光部33での発光色のばらつきを抑制できる。
又、以上の照明では光を効率よく取出すことができる。すなわち、光通孔25a内に配置されたボンディングワイヤ19,20等の部材をガスや水分等から保護するために用いられた封止樹脂31が、光通孔25aに充填されていて光通孔25aを満たしているので、正面ガラス27と青色LED17との間に空気層が存在していない。このため、青色LED17から発して正面ガラス27を透過する光の経路において空気層との界面による光の反射損をなくすことができる。これにより、光の取出し効率を向上でできる。
更に、正面ガラス27の表面が拡散処理面27aで形成されているので、正面ガラス27に入射した光が、この正面ガラス27の表面に沿って進行することを拡散処理面27aにより抑止できる。これにより、前記入射光を効率よく正面ガラス27から光の利用方向に出射させることができる。しかも、拡散処理面27aで出射光が拡散されることにより、各発光部33が明確な高輝度の光点として「つぶつぶ」に視認されることが緩和されるので、照明装置1が視認された場合の見栄えもが良くなる。
又、既述のようにモジュール基板14に対して各青色LED17とその他の電気部品23とがモジュール基板14の表裏に分けて配置されているから、モジュール基板14の表側の面に対する複数の青色LED17の配置が、モジュール基板14の裏側の面に対する電気部品23の配置の影響を受けることがない。それにより、モジュール基板14の略全域に点在させて各青色LED17を配設できるに伴い、面状に発光する光源モジュール11の各部の明るさに、電気部品23の配置を原因として暗くなるところを生じないようにできる。したがって、前記照明において、均一な明るさで光源モジュール11を面状に発光させることができる。
前記構成の照明装置1は、蛍光体粉末に黄色の蛍光体粉末を用いているので、各発光部33は黄色い。しかし、各発光部33がマトリックス状に点在して光源モジュール11全体にわたり分散して配設されているので、光源モジュール11全体が黄色を呈することがない。このため、消灯状態等において光源モジュール11が視認された場合に、照明装置1が黄色味を強く帯びて視認され難くなるので、この照明装置1の商品性を向上できる利点がある。
しかも、既述のように各発光部33が、光源モジュール11の略全体にわたり点在し、かつ、マトリックス状に配設されているので、蛍光体29の使用量及び封止樹脂31の使用量が少ない。これらの材料はコスト的に廉価ではないので、以上のように使用量を少なくできるに伴い、照明装置1のコストを低減できる。
照明装置1の点灯中において各青色LED17は発熱する。この熱は、素子実装部15aに伝わってこの素子実装部15aの面積に対応して拡散されて、モジュール基板14に伝わった後に、このモジュール基板14が面接触しているベース壁部3aに伝わり、装置本体2の各部から外部に放出される。この場合、モジュール基板14の裏側の面が受熱面であるベース壁部3aの下面に密接されていて、この密接に既述のように光源モジュール11の裏面側の電気部品23が妨げになることがないので、前記面接触によりモジュール基板14から装置本体2への良好な放熱性能を確保できる。
その上、既述のように光源モジュール11はスペーサ25に被着された正面ガラス27を備えていて、この正面ガラス27は装置本体2の下面開放部4に露出するように対向している。このため、照明装置1の点灯中において各青色LED17が発した熱を、空気の対流によることなく、素子実装部15a及びスペーサ25を経由する熱伝導により正面ガラス27に移動させて、この正面ガラス27から装置本体2の下面開放部4を通して外部に放出できる。それにより、青色LED17が発した熱の外部への放熱性能を向上できる。
以上のように各青色LED17の熱を、モジュール基板14を経由して金属製の装置本体2に効率よく放出できるだけではなく、正面ガラス27からも効率よく放出できる。そのため、各青色LED17の温度過昇が抑制され、各青色LED17での発光効率の低下及び発光色の変化を抑制できる。
1…照明装置、2…装置本体、3a…ベース壁部、4…下面開放部(装置本体の開放部)、11…光源モジュール、14…モジュール基板、14b…モジュール基板の下面(表側の面)、15…表側金属導体、17…青色LED(半導体発光素子)、21…スルーホール、23…電気部品、25…スペーサ、25a…光通孔、27…正面ガラス(正面部材)、27a…拡散処理面、29…蛍光体、31…封止樹脂、33…発光部

Claims (4)

  1. ベース壁部及びこの壁部に対向する下面開放部を有した装置本体と;
    モジュール基板、この基板の表側の面にこの面の略全域に点在して実装された複数の半導体発光素子、これら発光素子が収納された複数の光通孔を有して前記モジュール基板の表側の面に固定されたスペーサ、前記光通孔内に前記半導体発光素子を埋めて設けられた透光性の封止樹脂、前記スペーサの表面に被着された透光性の正面部材、及び前記光通孔の前記正面部材側開口を閉じる大きさで前記正面部材の表面又は裏面に前記光通孔を閉じるように点在して印刷された蛍光体を備えて、前記正面部材を前記開放部に対向させて前記ベース壁部に固定された光源モジュールと;
    を具備したことを特徴とする照明装置。
  2. 前記光源モジュールが前記モジュール基板に設けられたスルーホールを介して前記半導体発光素子と電気的に接続して前記モジュール基板の裏側の面のみに実装された電気部品を備え、前記スペーサ及び前記正面部材が前記モジュール基板と略同じ大きさであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記封止樹脂が前記正面部材の裏面又はこの正面部材の裏面に印刷された前記蛍光体に接して前記光通孔に充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 前記正面部材の表面が拡散処理面で形成されていることを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013037851A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Toshiba Lighting & Technology Corp 発光装置及び照明器具
JP2014194957A (ja) * 2014-07-04 2014-10-09 Toshiba Lighting & Technology Corp 発光装置及び照明器具
WO2017078441A1 (ko) * 2015-11-03 2017-05-11 엘지이노텍 주식회사 반도체 소자

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