JP2010170242A - 集合宅地の警備システム - Google Patents

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Abstract

【課題】集合宅地において、不審者が建物へ不法に侵入することに対して抑止力を好適に発揮する。
【解決手段】分譲地10は、その周囲が公道R1,R2、公園P、宅地Hにより囲まれており、私道14と敷地15a〜15hとを有している。敷地15a〜15hには、庭24とアプローチ25とが設けられており、アプローチ25は敷地出入口27を介して私道14に通じている。敷地15a〜15hには、外側敷地センサ34、内側敷地センサ35及びアプローチ用敷地センサ36がそれぞれ設けられており、分譲地10には公道側外部センサ31、隣地側外部センサ32及び私道センサ33が設けられている。各センサ31〜36の検知信号は管理サーバに対して出力され、管理サーバは各検知信号に基づいて人が敷地15a〜15hの庭24に進入したことを検知するとともに警戒制御を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、集合宅地の警備システムに関するものである。
複数の宅地を有する分譲地等の集合宅地においては、各宅地に住宅等の建物がそれぞれ構築されている。このような集合宅地においては、集合宅地全体に対して防犯機能が付与されている場合がある。例えば特許文献1には、公道と建物とに通じる共用部分としての私道が設けられているとともに公道と私道との境界部に防犯ゲートが設置された構成が記載されている。この構成によれば、公道から集合宅地内に出入りする人や車両を防犯ゲートによって規制することにより、不審者が防犯ゲートを通って集合宅地内に進入することを抑制できる。
特開2006−63582号公報
しかしながら、不審者は防犯ゲートを通って集合宅地内へ進入するとは限らず、集合宅地においては他にもさまざまな進入ルートが存在する。しかも、不審者に集合宅地内へ一旦進入されてしまうと、その不審者にとって各宅地へ進入することは容易であると考えられる。ここで、仮に、不審者が集合宅地内へ進入したことを集合宅地全体へ報知する警備システムが設けられていても、実際に不審者が存在する宅地と不審者が存在しない宅地とに対して一様に報知を行うことしかできないため、集合宅地の警備システムに関して改善の余地がある。
本発明は、集合宅地において、不審者が建物へ不法に侵入することに対して抑止力を好適に発揮することを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、複数の宅地を有し、宅地ごとに通常出入りする出入口が設けられた集合宅地を警戒対象とし、前記複数の宅地における各屋外領域の人の存在をそれぞれ人検知センサにより検知し、その検知結果に基づいて警戒制御を実施する警備システムであり、前記宅地を囲む外周境界部における出入口以外での人の通過を検出する通過検出手段と、前記人検知センサにより人の存在が検知され、かつ前記通過検出手段により前記出入口以外での人の通過が検出された場合に、当該検知された人の通過位置を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された人の通過位置に基づいて、前記宅地ごとに前記警戒制御を実施する警戒制御手段と、を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、人が宅地の出入口を通過せずに屋外領域へ進入した場合にその進入位置に応じて警戒制御が行われる。ここで、居住者や訪問者は出入口を通って宅地内へ入るとともに建物まで進むと考えられるが、建物へ不法に侵入しようとしている不審者は人目に付かないように出入口を通らずに宅地内へ進入すると考えられる。したがって、居住者や訪問者に対して警戒制御が行われてしまうことを抑制しつつ、不審者に対して警戒制御を行うことができる。また、警戒制御は集合宅地において宅地ごとに実施されるため、不審者の進入先に合わせて各宅地に対する警戒制御の内容を異なるものとすることが可能となる。例えば、不審者が進入した宅地においては防犯性能の高い内容の警戒制御を行い、不審者の進入先から離間した宅地においては防犯性能の低い内容の警戒制御を行う。これにより、進入先となった宅地においては不審者が建物に不法に侵入することに対して抑止力を発揮しつつ、不審者が不法侵入する可能性の低い宅地においては過剰な警戒制御が行われることを抑制できる。
以上の結果、集合宅地において、不審者が建物へ不法に侵入することに対して抑止力を好適に発揮できる。
第2の発明では、前記特定手段は、前記複数の宅地間の宅地間境界部を前記通過位置として特定するものであり、前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定する。
第2の発明によれば、不審者が隣り合う宅地間を直接移動した場合に、警戒制御の警戒レベルが高くされる。ここで、不審者は集合宅地のうちいずれかの宅地へ進入した後、目立たないように宅地間を直接移動すると考えられる。したがって、人が宅地間を直接移動した場合に警戒レベルが高くされることは、集合宅地における防犯性能を高める上で効果的である。また、居住者や訪問者は宅地間を直接移動することは少ないと考えられるため、それら居住者や訪問者を対象として警戒制御が行われてしまうことを抑制できる。
第3の発明では、前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定された場合に、人の存在が検知された宅地に加えて人の存在が検知されていない宅地を対象として前記警戒制御を実施する。
第3の発明によれば、不審者が複数の宅地間を渡り歩くように所定の宅地から他の宅地へ直接移動している場合、不審者が存在していない宅地を対象として警戒制御が行われる。このため、不審者が現在いる宅地から他の宅地へ移動することに対して抑止力を発揮できる。ここで、不審者に複数の宅地を渡り歩かれると侵入対象となる建物が物色されるおそれがあるため、他の宅地への不審者の移動に対して抑止力を発揮することは、分譲地における防犯性能を高める上で効果的である。
なお、前記警戒制御手段は、前記通過位置に各々異なる宅地間境界部が連続して特定された場合に、前記宅地間境界部の通過が繰り返されるほど前記警戒レベルを高く設定することが好ましい。この場合、集合宅地においては不審者が複数の宅地に進入する可能性が高いと考えられるため、複数の宅地間を移動している不審者に対して警戒レベルを高く設定することは集合宅地における防犯性能を高める上で効果的である。
また、前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記人検知センサにより人の存在が検知されている又は既に検知された宅地に隣接する宅地を対象として前記警戒制御を実施することが好ましい。この場合、不審者が隣の宅地へ進入すること自体に対して抑止力を発揮できる。
第4の発明では、隣り合う2つの宅地における前記人検知センサの各検知エリアが前記宅地間境界部で一部重複して設けられており、前記特定手段は、前記隣り合う2つの宅地において、一方の宅地での人検知、両方の宅地での人検知、及び他方の宅地での人検知がこの順序で連続して行われた場合に、前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定する。
第4の発明によれば、隣り合う2つの宅地において一方から他方へ不審者が移動した場合、その不審者はまず一方の宅地で検知され、次に両方の宅地で検知され、最後に他方の宅地で検知される。これに対して、例えば、各宅地においてそれぞれ別の人が存在している場合は、それらの人が両方の宅地でそれぞれ検知される。したがって、各宅地にそれぞれ別の人がいる場合に、それら宅地間を人が移動したと誤検出してしまうことを回避できる。つまり、居住者や近隣の住人に対して警戒制御が行われてしまうことを回避できる。
第5の発明では、前記特定手段は、前記集合宅地に隣接する外部領域と前記集合宅地内の宅地との外部側境界部を前記通過位置として特定するものであり、前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記外部側境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定する。
第5の発明によれば、不審者が外部領域から宅地へ進入した場合に、警戒制御の警戒レベルが高くされる。ここで、不審者は人目に付かないように分譲地における私道等の共用部分を通らずに外部領域から宅地へ直接進入すると考えられる。したがって、人が外部領域から宅地へ直接進入した場合に警戒レベルが高くされることは、集合宅地における防犯性能を高める上で効果的である。また、居住者や訪問者は外部領域から宅地へ直接進入することは少ないと考えられるため、それら居住者や訪問者を対象として警戒制御が行われてしまうことを抑制できる。
第6の発明では、前記特定手段は、前記集合宅地に隣接する道路と前記集合宅地内の宅地との道路側境界部、及び前記道路以外と前記集合宅地内の宅地との非道路側境界部を前記外部側境界部として、前記通過位置を特定するものであり、前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記非道路側境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記道路側境界部が前記通過位置であると特定された場合に比べて前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定する。
第6の発明によれば、不審者が外部領域における道路以外の領域から宅地へ進入した場合、不審者が道路から宅地へ進入した場合に比べて警戒レベルが高くされる。ここで、不審者は見通しが良く目立ちやすい道路からではなく、物陰に隠れ易く目立ちにくい非道路領域から宅地へ進入すると考えられる。したがって、人が道路以外の領域から宅地へ進入した場合に警戒レベルが高くされることは、集合宅地における防犯性能を高める上で効果的である。
第7の発明では、前記警戒制御手段は、前記人検知センサにより人の存在が検知された前記宅地について、該宅地の前記集合宅地における位置に応じて前記警戒制御の警戒レベルを設定する。
第7の発明によれば、不審者が宅地へ進入した場合、その宅地の集合宅地における位置に応じた内容の警戒制御が実行される。この場合、例えば、不審者が進入しやすい位置にある宅地については防犯性能の高い警戒制御を行うことが可能となり、近隣の住人が進入しやすい位置にある宅地については防犯性能の低い警戒制御を行うことが可能となる。これにより、近隣の住人に対して過剰な警戒制御を実行してしまうことを回避できる。
本実施形態における分譲地周辺の平面図。 分譲地及びその周辺における設定エリアを示す図。 分譲地の警備システムに関する電気的な構成を示すブロック図。 人の動きを示すタイムチャート 警備システムの制御処理を示すフローチャート。 進入直前居場所処理を示すフローチャート。 警戒制御の内容を示す図。 不審者の居場所と警戒レベル及び警戒制御との関係を示す図。 検知領域の別例を示す図。 別例における人の動きを示すタイムチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は分譲地10周辺の平面図、図2は分譲地10及びその周辺における設定エリアを示す図である。
図1に示すように、国道や県道といった公道R1,R2が平行に延びている地域において、その間に集合宅地としての分譲地10と非道路領域としての公園P及び宅地Hとが配置されている。公道R1,R2は公衆の通行が可能となっており、人は公道R1,R2から分譲地10や公園P、宅地Hへ出入りすることが可能となっている。分譲地10は公園P及び宅地Hの間に配置されており、平面視で略矩形状に形成されている。
分譲地10の周囲は塀13により囲まれている。塀13は、分譲地10を公道R1,R2や公園P、宅地H等の外部領域に対して仕切る仕切体となっており、それら分譲地10と外部領域との境界部に立設されている。なお、仕切体として塀13に加えて又は代えて柵や垣根が設けられていてもよい。
分譲地10は複数の領域に区画されており、それら領域により共用部分としての私道14と宅地としての敷地15とが形成されている。私道14は公道R1,R2から分岐しており、それら公道R1と公道R2とを掛け渡すように分譲地10の略中央に配置されている。私道14の両端には分譲地出入口17がそれぞれ設けられており、私道14は分譲地出入口17を介して公道R1,R2に通じている。分譲地出入口17は塀13の一部が開放されることで形成されており、人や車両は分譲地出入口17を通ることで分譲地10と公道R1,R2とを出入りすることができる。
各分譲地出入口17には共用門灯18がそれぞれ設けられている。共用門灯18は赤色やオレンジ色にて点灯又は点滅する表示灯となっており、例えば分譲地出入口17を構成する門やゲートに取り付けられている。
分譲地10において敷地15は一団となるように複数設けられており、それら敷地15は私道14に沿って並ぶように配置されており、私道14を挟んで一方が敷地15a〜15dとされ、他方が敷地15e〜15hとされている。敷地15a〜15hには住宅等の建物23がそれぞれ構築されている。また、敷地15には庭24とアプローチ25とがそれぞれ設けられており、アプローチ25は私道14と建物23とに通じている。アプローチ25における私道14側の端部には敷地出入口27が設けられており、通常、人は敷地出入口を通って敷地15へ出入する。
敷地出入口27には敷地用門灯28が設けられている。敷地用門灯28は、共用門灯18と同様に赤色やオレンジ色にて点灯又は点滅する表示灯となっており、例えば敷地出入口27を構成する門やゲートに取り付けられている。
分譲地10には、人がいることを検知する人検知センサとして、公道R1,R2にて人を検知する公道側外部センサ31と、公園P及び宅地Hにて人を検知する隣地側外部センサ32と、私道14にて人を検知する私道センサ33と、敷地15における庭24にて人を検知する外側敷地センサ34及び内側敷地センサ35と、敷地15におけるアプローチ25にて人を検知するアプローチ用敷地センサ36が設けられている。
図2に示すように、各センサ31〜36の検知領域は分譲地10及びその周辺に設定されている。例えば、分譲地10の外部において、公道側外部センサ31の検知領域は公道側外部エリアS1として公道R1,R2における塀13近傍に設定されており、隣地側外部センサ32の検知領域は隣地側外部エリアS2として公園P及び宅地Hにおける塀13近傍に設定されている。これら外部エリアS1,S2はそれぞれ塀13に沿って延びている。
分譲地10の内部において、私道センサ33の検知領域は、私道エリアS3として私道14に設定されている。各敷地15において、外側敷地センサ34の検知領域は、外側敷地エリアS4として庭24における建物23から離間した位置に設定されており、内側敷地センサ35の検知領域は、内側敷地エリアS5として庭24における建物23近傍に設定されている。この場合、外側敷地エリアS4は内側敷地エリアS5の外側に配置されている。アプローチ用敷地センサ36の検知領域は、アプローチ敷地エリアS6としてアプローチ25に設定されている。この場合、敷地15は敷地エリアS4〜S6により分割されており、敷地15に進入した人は敷地センサ34〜36のいずれかにより検知される。
分譲地10においては、不審者の侵入に対して警備を行う警備システムが構築されている。ここでは、分譲地10の警備システムに関する電気的な構成について、図3を参照しつつ説明する。
図3に示すように、分譲地10の警備システムは制御手段としての管理サーバ41を含んで構成されている。管理サーバ41はCPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを備えており、分譲地10及びその周辺におけるエリアS1〜S6にて人の有無を取得するとともに、人の有無に基づいて敷地15ごとに警戒制御を行う。
管理サーバ41には、公道側外部センサ31、隣地側外部センサ32、私道センサ33、外側敷地センサ34、内側敷地センサ35、アプローチ用敷地センサ36が接続されており、これらセンサ31〜36は検知信号を管理サーバ41に対して出力する。管理サーバ41は、外部センサ31,32の各検知信号に基づいて分譲地10の外側における人の居場所を取得する。また、私道センサ33や敷地センサ34〜36の各検知信号に基づいて分譲地10内における人の居場所を取得する。特に、敷地センサ34〜36は敷地15ごとに設置されているため、管理サーバ41は敷地15ごとに人の有無を取得することが可能となっている。
また、管理サーバ41には共用門灯18及び共用警報装置48が接続されており、管理サーバ41は指令信号を出力することによりこれら共用門灯18及び共用警報装置48の動作制御を行う。共用警報装置48は、警報音や音声を出力するスピーカを含んで構成されており、私道14に設置されている。
さらに、管理サーバ41には敷地15a〜15hのそれぞれに対応したホームサーバ51a〜51hが接続されており、管理サーバ41は、ホームサーバ51a〜51hに対して指令信号を個別に出力する。
ホームサーバ51a〜51hは、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを備えており、敷地15a〜15hの各建物23にそれぞれ設置されている。ここでは、敷地15a〜15hのうち敷地15aに設置されたホームサーバ51aについて説明する。なお、ホームサーバ51b〜51hについてもホームサーバ51aと同様の構成となっている。
ホームサーバ51aには、敷地用門灯28と防犯灯61とセキュリティ盤62と監視カメラ63と監視モニタ64と報知装置65と通信装置66とが建物側設備として接続されており、ホームサーバ51は、管理サーバ41から受信した指令信号に基づいてこれら建物側設備の動作制御を行う。
防犯灯61、セキュリティ盤62及び監視カメラ63は例えば建物23における外壁の屋外側面に取り付けられており、防犯灯61は庭24やアプローチ25を照射するように点灯又は点滅する。セキュリティ盤62は赤色やオレンジ色にて点灯又は点滅する表示灯を有しており、監視カメラ63は庭24やアプローチ25の画像を撮影可能となっている。
監視モニタ64、報知装置65及び通信装置66は例えば建物23の廊下に設置されており、監視モニタ64は監視カメラ63により撮影された画像を表示可能となっている。報知装置65は報知音や音声を出力可能なスピーカを有しており、通信装置66は携帯電話との無線通信が可能になっている。なお、通信装置66は警察や警備会社といった外部施設との通信が可能となっていてもよい。
管理サーバ41は、各センサ31〜36の検知信号に基づいて人が敷地15の庭24に進入したことを取得し、その進入状況に応じて警戒レベルLVを設定するとともに、警戒レベルLVに合わせて、警戒制御として共用門灯18や共用警報装置48の動作制御や、ホームサーバ51を介した建物側設備(防犯灯61など)の動作制御を行う。また、管理サーバ41は、隣り合う敷地15間の境界部を進入者が通過した回数を敷地間境界部の通過回数Nとしてカウントし、その通過回数Nにより進入者が渡り歩くように進入した敷地15の数を算出する。例えば、通過回数Nが1であれば進入者が2つの敷地15を渡り歩いたことになり、通過回数Nが2であれば進入者が3つの敷地15を渡り歩いたことになる。なお、警戒レベルLV及び境界通過回数Nは敷地15の庭24に進入者がいない通常時には初期値にそれぞれ設定されており、各初期値は0とされている。
ここで、管理サーバ41により実行される進入者の特定処理について、図2,図4を参照しつつ説明する。図4は人の動きを示すタイムチャートである。
図4においては、時間を横軸とするとともに人の検知の有無を縦軸とし、公道側外部エリアS1と、分譲地10におけるいずれかの敷地15の外側敷地エリアS4とに人が検知された場合のタイムチャートを示しており、外側敷地エリアS4にて人が検知されたタイムチャートについては3つのパターンを挙げている。
公道側外部エリアS1においてはt1〜t2の期間にて人が検知されており、パターン1の外側敷地エリアS4においては、人の検知されるタイミングが公道側外部エリアS1における人検知終了のタイミングt2と連続している。この場合、公道側外部エリアS1において人が検知されてから引き続いて外側敷地エリアS4において人が検知されていることになる。つまり、人が公道R1,R2から敷地15の庭24に進入したことになる。
これに対して、パターン2の外側敷地エリアS4においては、人の検知されるタイミングが公道側外部エリアS1における人検知終了のタイミングt2から遅れている。また、パターン3の外側敷地エリアS4においては、人の検知されるタイミングが公道側外部エリアS1における人検知の期間と重複している。したがって、パターン2やパターン3の場合、別の人が公道側外部エリアS1と外側敷地エリアS4とそれぞれ個別に検知されたことになり、人が公道R1,R2から敷地15の庭24に進入したことにはならない。
続いて、管理サーバ41によって実行される警備システムの制御処理について、図5,図6,図7を参照しつつ説明する。図5は警備システムの制御処理を示すフローチャート、図6は進入直前居場所処理を示すフローチャート、図7は警戒制御の内容を示す図である。なお、管理サーバ41は警備システムの制御処理を所定の時間周期にて繰り返し実行する。
図5において、ステップS101では、公道側外部センサ31、隣地側外部センサ32、私道センサ33、外側敷地センサ34、内側敷地センサ35、アプローチ用敷地センサ36の各検知信号を取得する。また、それら検知信号をメモリに一時的に(例えば10分だけ)記憶する。ステップS102では、外側敷地センサ34及び内側敷地センサ35の各検知信号に基づいて、分譲地10において人に進入された敷地15の庭24があるか否かを判定する。進入者のいる庭24がある場合、ステップS103に進み、進入者が進入した敷地15及び敷地エリアS4,S5を特定する。例えば、進入者が敷地15aの外側敷地エリアS4にいることを特定する。
ステップS104では、図6に示すように、進入者の進入直前の居場所に関する進入直前居場所処理を行う。
図6において、ステップS201では、各センサ31〜36の検知信号に基づいて進入者がどこから敷地15の庭24へ進入したのかを特定する。つまり、進入者の進入直前の居場所を特定する。ステップS202では、進入直前の居場所が分譲地10内であるか否かを判定する。進入直前の居場所が分譲地10内でない場合、ステップS203に進み、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを1段階だけ高いレベルに変更する。この結果、人が進入した庭24を有する敷地15を対象として、警戒レベルLVをその時の設定レベルより高く設定することになる。
ステップS204では、進入直前の居場所が公園P又は宅地Hであるか否かを判定する。進入直前の居場所が公園P又は宅地Hでない場合、人が公道R1,R2から敷地出入口27を通らずに道路側境界部を通って敷地15の庭24へ進入したとして、そのまま本処理を終了し、進入直前の居場所が公園P及び宅地Hのいずれかである場合、人が公園P又は宅地Hから敷地出入口27を通らずに非道路側境界部を通って敷地15の庭24へ進入したとして、ステップS205に進み、進入者の居る敷地15を対象として警戒レベルLVを更に1段階だけ高いレベルに変更する。これは、人が公園P又は宅地Hから敷地15の庭24へ直接進入した場合、人が公道R1,R2から敷地15の庭24へ直接進入した場合に比べて警戒レベルLVを高く設定することになる。
進入直前の居場所が分譲地10内である場合(ステップS202がYES判定の場合)、人がステップS206に進み、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを2段階だけ高いレベルに変更する。つまり、この場合、進入直前の居場所が公道R1,R2等の外部領域である場合に比べて警戒レベルLVを高く設定することになる。
ステップS207では、進入直前の居場所が隣の敷地15の庭24であるか否かを判定し、ステップS208では、進入直前の居場所が私道14であるか否かを判定する。進入直前の居場所が隣の敷地15の庭24及び私道14のいずれでもない場合、人がアプローチ25から庭24へ進入したとして、そのまま本処理を終了し、進入直前の居場所が私道14である場合、ステップS209に進み、人が私道14から敷地出入口27を通らずに敷地15の庭24へ進入したとして、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを1段階だけ高いレベルに変更する。これは、人が私道14から敷地15の庭24に直接進入した場合、人が敷地15においてアプローチ25から庭24に進入した場合に比べて警戒レベルLVを高く設定することになる。
また、進入直前の居場所が隣の敷地15の庭24である場合、既に敷地15に進入している人が敷地出入口27を通らずに隣の敷地15の庭24へ進入したとして、ステップS210に進み、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを2段階だけ高いレベルに変更する。これは、人が敷地15間を移動して庭24に進入した場合に、人が私道14から敷地15の庭24に進入した場合よりも更に警戒レベルLVを高く設定することになる。その後、ステップS211に進み、隣り合う敷地の敷地間境界部の通過回数Nを1だけ加算する。これは、進入者が移動した敷地15の数をカウントすることになる。
上記のように、ステップS104にて進入直前居場所処置を実行した後、ステップS105〜S107において進入者の滞在時間に関する処理を行う。まず、ステップS105では、敷地15の庭24における進入者の滞在時間を例えばタイマにより計測する。ステップS106では、進入者の滞在時間が所定滞在時間(例えば1分)より長いか否かを判定する。進入者の滞在時間が所定滞在時間以下である場合、そのままステップS108に進む。これに対して、進入者の滞在時間が所定滞在時間より長い場合、ステップS107に進み、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを1段階だけ高いレベルに変更する。この結果、進入者が所定滞在時間より長い時間に亘って敷地15の庭24に滞在している場合に、滞在時間が所定滞在時間以下である場合に比べて警戒レベルLVを高く設定したことになる。
ステップS108,S109においては進入者の居場所に関する処理を行う。まず、ステップS108では、進入者の居場所が敷地15の庭24のうち内側敷地エリアS5であるか否かを判定する。進入者の居場所が外側敷地エリアS4である場合、そのままステップS110に進む。これに対して、進入者の居場所が内側敷地エリアS5である場合、ステップS109に進み、進入者のいる敷地15を対象として警戒レベルLVを4段階だけ高いレベルに変更する。この結果、進入者が敷地15の庭24における内側敷地エリアS5にいる場合に、進入者が外側敷地エリアS4にいる場合に比べて警戒レベルLVを高く設定したことになる。さらに言えば、この場合は、進入者の他の移動パターンよりも警戒レベルLVを高く設定したことになる。
ステップS110では、進入者のいる敷地15を対象として、すなわち警戒レベルLVが設定されている敷地15を対象として、警戒レベルLVに応じて警戒制御を実行する。具体的には、警戒レベルLVが1である場合に第1警戒制御を実行し、警戒レベルLVが2〜4である場合に第2警戒制御を実行する。また、警戒レベルLVが5以上である場合には第3警戒制御を実行する。
図7に示すように、第1警戒制御〜第3警戒制御は共用門灯18や敷地用門灯28などを対象として行われる。例えば、共用部分に設けられた共用門灯18及び共用警報装置48について、共用門灯18は第1警戒制御によりオレンジ色にて点滅され、第2警戒制御及び第3警戒制御により赤色にて点滅される。第3警戒制御では共用門灯18がオレンジ色にて点滅されるとともに共用警報装置48から警報音や音声が出力される。これにより、分譲地10全体を対象として警戒レベルLVに応じた警戒制御が実行される。
一方、敷地15ごとに設けられている敷地用門灯28などの建物側設備について、敷地用門灯28とセキュリティ盤62の表示灯とは第1警戒制御によりそれぞれオレンジ色にて点滅され、第2警戒制御によりそれぞれ赤色にて点滅される。第3警戒制御ではセキュリティ盤62の表示灯が赤色にて点灯されるとともに、敷地用門灯28の点滅に代えて防犯灯61が点灯される。また、監視カメラ63及び監視モニタ64は、第2警戒制御及び第3警戒制御により庭24の画像を監視モニタ64に表示させる。さらに、第3警戒制御では、報知装置65から報知音や音声が出力されるとともに、通信装置66から携帯電話に対して報知メールが送信される。
以上のように警戒制御が実行された場合、共用門灯18と共用警報装置48と敷地用門灯28等の建物側設備とは、第1警戒制御、第2警戒制御、第3警戒制御の順番で徐々に防犯性能の高い内容にて動作するようになっている。
図5の説明に戻り、ステップS111では、進入者が存在せず且つ警戒レベルLVの設定されていない敷地15を対象として、敷地間境界部の通過回数Nに応じて警戒制御を実行する。具体的には、通過回数が1である場合、すなわち進入者が分譲地10において2つ目の敷地15における庭24に進入した場合、進入者のいる敷地15に隣接し且つ警戒レベルLVの設定されていない敷地15を対象として第2警戒制御を実行する。これにより、進入者が隣の敷地15の庭24に進入することに対して抑止力が発揮される。
通過回数が2以上である場合、すなわち進入者が分譲地10において3つ目以上の敷地15における庭24に進入した場合、進入者のいる敷地15に隣接し且つ警戒レベルLVの設定されていない敷地15を対象として第2警戒制御を実行するとともに、分譲地10におけるその他の敷地15を対象として第1警戒制御を実行する。これにより、隣の敷地15の庭24だけでなく、進入者が分譲地10における全ての敷地15の庭24に進入することに対して抑止力が発揮される。
分譲地10において進入者のいる庭24がない場合(ステップS102がNO判定の場合)、ステップS112に進み、警戒レベルLVと敷地間境界部の通過回数Nがそれぞれ初期値(0)であるか否かを判定する。警戒レベルLV及び通過回数Nの少なくとも一方が初期値ではない場合、ステップS113に進み、分譲地10において進入者のいない時間を進入者無し継続時間として例えばタイマにより計測する。
ステップS114では、進入者無し継続時間が所定継続時間(例えば10分)より長いか否かを判定する。進入者無し継続時間が所定継続時間より長い場合、ステップS115に進み、警戒レベルLV及び通過回数Nをそれぞれ初期値に設定する。すなわち、警戒レベルLV及び通過回数Nをそれぞれ0にリセットする。これにより、仮に、進入者が分譲地10から出て行った後に別の人が分譲地10に進入したとしても、その進入に対して警戒レベルLV及び通過回数Nを設定するとともに警戒制御を実行することが可能となる。
一方、進入者無し継続時間が所定継続時間以下である場合、警戒レベルLV及び通過回数Nを初期化せずにそのまま本処理を終了する。これにより、仮に、進入者が分譲地10から出た後に再び分譲地10の敷地15へ進入したとしても、警戒レベルLV及び通過回数Nがそのまま維持されているとともに警戒制御が継続して実行されているため、その進入者に対して防犯性能が発揮される。
さらに、警戒レベルLV及び通過回数Nがいずれも初期値である場合(ステップS112がYES判定の場合)、分譲地10に人が進入していないとして、そのまま本制御処理を終了する。
次いで、分譲地10に不審者が進入した場合における各敷地15を対象とした警戒レベルLV及び警戒制御について、図2,図8を参照しつつ説明する。図8は不審者の居場所と警戒レベル及び警戒制御との関係を示す図である。
図2に示すように、黒丸にて図示した不審者Mが公道R1にて分譲地10の塀13に近付くとともにその塀13を乗り越えて敷地15aに進入し、さらに、柵21を乗り越えつつ敷地15bを通って敷地15cに進入し、敷地15cの建物23に接近した場合、図8に示すように、各敷地15a〜15hについて警戒レベルLVが個別に設定されるとともに警戒制御が個別に実行される。
まず、不審者が公道R1の公道側外部エリアS1から敷地15aの庭24に進入した場合、敷地15aを対象として警戒レベルLVが1に設定されるとともに第1警戒制御が実行される。その後、進入者が敷地15aの外側敷地エリアS4から移動せずにその滞在時間が所定時間に達すると、敷地15aを対象として警戒レベルLVが2に設定されるとともに第2警戒制御が実行される。
そして、不審者が敷地15aから敷地15bへ移動すると、移動先である敷地15bを対象として警戒レベルLVが4に設定されるとともに第2警戒制御が実行される。この場合、不審者の移動元である敷地15aに対しては警戒レベルLVの高さが保持されるとともに警戒制御が継続して行われる。また、移動先の隣にある敷地15cを対象として第2警戒制御が実行される。
さらに、不審者が敷地15bから敷地15cへ移動すると、移動先である敷地15cを対象として警戒レベルLVが4に設定されるとともに第2警戒制御が実行される。この場合、不審者の移動元である敷地15a,15bの両者に対しては警戒レベルLVの高さが保持されるとともに、警戒制御が継続して行われる。また、移動先の隣にある15dを対象として第2警戒制御が実行される。加えて、その他の敷地15a,15e〜15hを対象として第1警戒制御が実行される。
その後、不審者が敷地15cにおいて建物23に近付くことで内側敷地エリアS5に進入すると、敷地15cを対象として警戒レベルLVが7に設定されるとともに第3警戒制御が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
分譲地10において、人が敷地15a〜15hの各庭24へ敷地出入口27を通らずに進入すると、進入された敷地15を対象として警戒レベルLVが設定されるとともに第1警戒制御〜第3警戒制御のいずれかが実行される。ここで、敷地出入口27を通らずに庭24へ進入する人は不審者であると考えられるため、不審者が庭24から建物23へ不法に侵入することに対して抑止力を発揮できる。また、居住者や訪問者は敷地出入口27を通って敷地15内に入ると考えられるため、居住者や訪問者に対して警戒制御が行われてしまうことを回避できる。
さらに、敷地15a〜15hごとに警戒レベルLVが設定されるとともに警戒制御が実行されるため、分譲地10内において警戒レベルLVが同一に設定されるとともに警戒制御が同一に実行される構成とは異なり、不審者のいる敷地15に対しては防犯能力の高い警戒制御を実施しつつ、不審者の居場所から離間している敷地15に対しては過剰な警戒制御を実施してしまうことが回避できる。
以上の結果、分譲地10において、不審者が敷地15a〜15hの各建物23へ不法に侵入することに対して抑止力を好適に発揮できる。
不審者が公園P又は宅地Hから敷地15の庭24へ進入した場合、不審者が公道R1,R2から敷地15の庭24へ進入した場合より警戒レベルLVが高く設定される。このため、公園Pや宅地Hにおいて物陰に隠れつつできるだけ目立たないように敷地15へ進入しようとしている不審者に対して高い防犯性能を発揮することができる。
不審者が分譲地10内における他の領域(例えば私道14)から敷地15の庭24へ進入した場合、不審者が公道R1,R2などの外部領域から敷地15の庭24へ進入した場合より警戒レベルLVが高く設定される。ここで、不審者は外部領域から分譲地10における敷地15へ進入するよりも分譲地10において敷地15へ進入する方が容易であると考えられるため、分譲地10内に存在する不審者に対して高い防犯性能を発揮することは効果的である。
分譲地10において、既に敷地15に進入している不審者が隣の敷地15の庭24へ移動した場合、不審者が私道14から敷地15へ進入した場合より警戒レベルLVが高く設定される。このため、敷地15内において物陰に隠れつつできるだけ目立たないように隣の敷地15へ侵入しようとしている不審者に対して高い防犯性能を発揮することができる。
不審者が2つの敷地15を渡り歩いた場合に、不審者の現在の居場所である敷地15の隣の敷地15を対象として警戒制御が実行される。したがって、不法侵入可能な建物23を物色するためにさらに他の敷地15へ進入すると予想される不審者を対象として、隣の敷地15の庭24へ進入すること自体に対して抑止力を発揮できる。さらに、不審者が3つ以上の敷地15を渡り歩いた場合に、分譲地10における全ての敷地15a〜15hを対象として警戒制御が実行されるため、分譲地10全体の防犯性能を高めることができる。
敷地15の庭24において、不審者が内側敷地エリアS5に進入した場合、不審者が外側敷地エリアS4に進入した場合よりリスクが高いとして警戒レベルLVが高く設定される。ここで、不審者の居場所が建物23に近いほど建物23へ侵入する可能性が高いと考えられるため、不審者が建物23に内側敷地エリアS5に進入して建物23に近付いた場合には、建物23への侵入に対する抑止力の高い警戒制御を実行することが効果的である。また、不審者が建物23へ侵入する可能性が低い場合には、過剰な内容の警戒制御を実行することを抑制できる。
敷地15へ進入した不審者の滞在時間が所定時間に達した場合、その滞在時間が所定時間に達していない場合より警戒レベルLVが高く設定されるため、敷地15において建物23へ侵入するタイミングを計っている不審者に対して高い防犯性能を発揮することができる。
分譲地10及びその周辺において、各エリアS1〜S6は互いの境界部において隣接しているため、互いに境界部において離間している構成とは異なり、エリア間の人の移動をより確実に検知することができる。
不審者が敷地15の庭24へ進入した場合に、共用部分としての私道14に設置された共用門灯18や共用警報装置48を対象として動作制御が行われるため、分譲地10内に不審者が存在することを分譲地10全体の住人等に知らせることができる。この結果、分譲地10全体の防犯性能を高めることができる。
第1警戒制御〜第3警戒制御は各敷地15a〜15hを対象として個別に実行される。例えば、複数の敷地15を渡り歩いている不審者が存在する敷地15に対して実行される警戒制御と、その他の敷地15に対して実行される警戒制御とが異なる内容とされるため、居住者や近隣の住人は不審者の居場所を知ることが可能となる。これにより、居住者や近隣の住人の安全性を高めることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)敷地15において、人が庭24へ進入した場合に加えて又は代えて人がアプローチ25に進入した場合に警戒制御が実行されてもよい。例えば、人が庭24又はアプローチ25へ進入した場合に警戒制御が実行される構成とする。この場合でも、進入者が敷地出入口27を通ったことを検知する通過検知手段が設けられていれば、不審者に対して警戒制御を行うことができるとともに、居住者や訪問者に対して警戒制御を行ってしまうことを回避できる。
(2)人の検知が可能な各エリアS1〜S6のうち隣り合うエリアは互いの境界部において一部が重なっていてもよい。例えば、図9に示すように、敷地15aと敷地15bとの境界部において、それら敷地15a,15bの境界線71に対して、敷地15aの外側敷地エリアS4は敷地15b側にはみ出しているとともに、敷地15bの外側敷地エリアS4は敷地15a側にはみ出している構成とする。つまり、敷地15a,15b間の重なり部分がそれら境界部に沿って延びている構成とする。なお、例えば、各外側敷地エリアS4のはみ出し幅をそれぞれ0.5m程度とする。すなわち、境界部において各外側敷地エリアS4の重なり幅を1m程度とする。
この構成によれば、例えば人が敷地15aから敷地15bへ移動する場合、図10に示すタイムチャートのように、敷地15aにて人の検知された期間と敷地15bにて人の検知された期間とがt3〜t4において重なっている。つまり、まず敷地15aだけにて人が検知され、次に敷地15a,15bの両方にて人が検知され、それから敷地tbだけにて人が検知される。したがって、管理サーバ41は敷地15aでの人検知、敷地15a,15b両方での人検知、敷地15bでの人検知といった順序で連続した人検知が行われた場合に限って、人が敷地15aから敷地15bへ移動したと特定する。このため、例えば敷地15a,15bにおいて別の人がそれぞれ存在している場合、上記順序にて人検知が行われないため、管理サーバ41が敷地15aから敷地15bへ人が移動したと誤検知することがない。つまり、エリアS1〜S6間における人の移動の検知精度を高めることができる。
また、人の検知が可能な各エリアS1〜S6のうち隣り合うエリアは互いに離間していてもよい。例えば、敷地15aと敷地15bとの境界部において、敷地15a,15bの各外側敷地エリアS4が境界部からそれぞれ離間している構成とする。この場合、敷地15a,15bの境界部にて人の通過を検知する通過検知手段が設けられていることが好ましい。この構成によれば、例えば人が敷地15aから敷地15bへ移動する場合に、まず敷地15aにて人が検知され、その後に敷地15a,15bの境界部にて人の通過が検知され、最後に敷地15bにて人が検知される。したがって、管理サーバ41は、このような順序で連続的に人検知が行われた場合に限って、人が敷地15aから敷地15bへ移動したと特定する。なお、通過検知手段に代えて又は加えて、敷地15a,15bの境界部に人がいることを検知する人検知手段が設けられていてもよい。
(3)人が敷地15の庭24に進入した場合に、その敷地15の分譲地10における位置に応じて警戒レベルLVが設定される構成としてもよい。例えば、敷地15a〜15hのうち公園Pに隣接している敷地15a〜15dに人が進入した場合は、公園Pに隣接していない敷地15e〜15hに人が進入した場合に比べて警戒レベルLVを低く設定する。この場合、例えば公園Pにて遊んでいる子供が、誤って入れてしまったボールを取るために敷地15a〜15dに進入しても、その子供の進入に対して過剰な内容の警戒制御を実行してしまうことを抑制できる。
また、分譲地10において、公道R1,R2等の外部領域に隣接していない敷地15があれば、その敷地15に対して人が進入した場合は、外部領域に隣接している敷地15に人が進入した場合に比べて警戒レベルLVを低く設定する。ここで、外部領域に隣接していない敷地15については、庭24に進入した人が居住者や近隣の住人である可能性が高いため、過剰な警戒制御を実行しないことが好ましい。
(4)人が敷地15に進入した場合に、その敷地15の使用状況に応じて警戒レベルLVが設定されてもよい。例えば、人感センサが設けられており、管理サーバ41は、敷地15の使用状況を取得するために、人感センサの検知信号により建物23における人の有無を判定し、その判定結果に基づいて警戒レベルLVを設定する構成とする。この構成によれば、建物23内に人がいない場合、建物23内に人がいる場合に比べて警戒レベルLVを高く設定することが可能となる。これにより、例えば居住者が外出中の建物23や空き家となっている建物23について、不審者の不法侵入に対する抑止力を効果的に発揮できる。さらに、居住者が在宅の場合には、その居住者に対して過剰な警戒制御を実行してしまうことを回避できる。
また、人の就寝を検知する就寝センサが設けられており、管理サーバ41は、敷地15の使用状況を取得するために、就寝センサの検知信号により人が就寝中であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて警戒レベルLVを設定する構成とする。この構成によれば、人が就寝中である場合、人が起きている場合に比べて警戒レベルLVを高く設定することが可能となる。ここで、人は就寝中に不審者の存在に気付くことが困難であるため、就寝中に警戒レベルLVを高くすることは防犯性能を高める上で効果的である。
さらに、管理サーバ41やホームサーバ51が時計機能を有しており、管理サーバ41は、敷地15の使用状況を取得するために現在時刻を取得し、その現在時刻に基づいて警戒レベルLVを設定する構成とする。この構成によれば、昼間に比べて夜間の警戒レベルLVを高く設定することが可能となる。ここで、不審者は人目に付きにくい夜間を狙って敷地15に進入する可能性が高いと考えられるため、夜間の警戒レベルLVを高くすることは防犯性能を高める上で効果的である。
(5)人が敷地15に進入した場合に、進入直前の居場所が公道R1と公道R2とで警戒レベルLVを異なる高さに設定してもよい。例えば、公道R1が人通りの多い表通りであるとともに、公道R2が人通りの少ない裏通りであれば、進入直前の居場所が公道R2である場合、進入直前の居場所が公道R1である場合に比べて警戒レベルLVを高く設定する。これにより、不審者が人目についくい裏通りから敷地15へ進入しようとしてもそれを防止することができる。また、進入直前の居場所が公園Pと宅地Hとで警戒レベルLVを異なる高さに設定してもよい。
(6)分譲地10において、敷地15a〜15hのいずれかに人が進入した場合に、各敷地15a〜15hに対する警戒レベルLVを同一の高さに設定してもよい。これにより、分譲地10における全ての建物23の防犯性能を高めることができる。また、この場合、全ての敷地15a〜15hを対象として同一内容の警戒制御を実行してもよい。
(7)宅地間境界部の通過が繰り返されるほど進入先の敷地15を対象とした警戒レベルLVが高く設定されてもよい。例えば、敷地間境界部の通過回数Nが2である場合に、進入者がいる敷地15を対象とした警戒レベルLVが5に設定され、通過回数Nが3である場合に、警戒レベルLVが8に設定される構成とする。これにより、分譲地10において複数の敷地15を渡り歩いている不審者に対して防犯性能がより一層高い警戒制御を実行することができる。
(8)分譲地10において、警戒レベルLVが1以上に設定されている敷地15が複数存在している場合に、進入者のいない敷地15を対象として警戒制御が行われる構成としてもよい。この場合、人が、隣り合う敷地15の境界部(宅地間境界部)を通過することで複数の敷地15に進入するのではなく、敷地15に進入した後に敷地15から出て再び他の敷地15に進入している場合でも、分譲地10全体の防犯性能を高めることができる。
(9)人が敷地15の庭24に進入した場合に認証処理が行われてもよい。例えば、携帯電話等の移動端末との無線通信可能な通信装置が管理サーバ41に電気的に接続されており、移動端末にID情報等の認証情報が記憶されている構成とする。この構成によれば、敷地15の庭24に進入した人を対象として認証処理が行われることにより、その進入者が居住者であるか否かの判定を行うことができる。したがって、進入者が不審者である場合には防犯性能の高い警戒制御を行い、進入者が居住者である場合には警戒制御を行わないことが可能となる。
(10)人検知センサとして、分譲地10やその周辺における地面又は床面に荷重センサが設置されていてもよい。この場合、荷重センサにより検知した荷重に基づいて、犬や猫等の動物が敷地15の庭24に進入したことも検知することが可能となる。したがって、動物が敷地15へ進入した場合にその旨を居住者や近隣の住人に知らせる報知制御が実行される構成とすれば、仮にペットが逃げ出してしまっても飼い主はそのペットを容易に発見することができる。
(11)敷地センサ34〜36等の人検知センサはホームサーバ51a〜51h各敷地15に電気的に接続されていてもよい。この例では、人検知センサの検知信号に基づいて進入者の有無をホームサーバ51a〜51hがそれぞれ判定し、その判定結果を管理サーバ41に送信する構成とすることが好ましい。これにより、分譲地10における不審者の居場所を特定することができる。
また、ホームサーバ51は設けられていなくてもよい。この例では、ホームサーバ51a〜51hが互いに通信可能なネットワークが構築されていることが好ましい。これにより、分譲地10において敷地15ごとに進入者の検知を行うとともに警戒制御を実行することが可能となる。
(12)本警備システムは分譲地10でなく、複数の宅地が一団となった集合宅地に対して適用されていてもよい。
10…集合宅地としての分譲地、15…宅地としての敷地、31…人検知センサとしての公道側外部センサ、32…人検知センサとしての隣地側外部センサ、33…人検知センサとしての私道センサ、34…人検知センサとしての外側敷地センサ、35…人検知センサとしての内側敷地センサ、36…人検知センサとしてのアプローチ用敷地センサ、41…通過検出手段、特定手段及び警戒制御手段としての管理サーバ、H…外部領域としての宅地、P…外部領域としての公園、R1…外部領域としての公道、R2…外部領域としての公道。

Claims (7)

  1. 複数の宅地を有し、宅地ごとに通常出入りする出入口が設けられた集合宅地を警戒対象とし、前記複数の宅地における各屋外領域の人の存在をそれぞれ人検知センサにより検知し、その検知結果に基づいて警戒制御を実施する警備システムであり、
    前記宅地を囲む外周境界部における出入口以外での人の通過を検出する通過検出手段と、
    前記人検知センサにより人の存在が検知され、かつ前記通過検出手段により前記出入口以外での人の通過が検出された場合に、当該検知された人の通過位置を特定する特定手段と、
    前記特定手段の特定内容に基づいて前記宅地ごとに前記警戒制御を実施する警戒制御手段と、
    を備えることを特徴とする集合宅地の警備システム。
  2. 前記特定手段は、前記複数の宅地間の宅地間境界部を前記通過位置として特定するものであり、
    前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の集合宅地の警備システム。
  3. 前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定された場合に、人の存在が検知された宅地に加えて人の存在が検知されていない宅地を対象として前記警戒制御を実施することを特徴とする請求項2に記載の集合宅地の警備システム。
  4. 隣り合う2つの宅地における前記人検知センサの各検知エリアが前記宅地間境界部で一部重複して設けられており、
    前記特定手段は、前記隣り合う2つの宅地において、一方の宅地での人検知、両方の宅地での人検知、及び他方の宅地での人検知がこの順序で連続して行われた場合に、前記宅地間境界部が前記通過位置であると特定することを特徴とする請求項2又は3に記載の集合宅地の警備システム。
  5. 前記特定手段は、前記集合宅地に隣接する外部領域と前記集合宅地内の宅地との外部側境界部を前記通過位置として特定するものであり、
    前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記外部側境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定することを特徴とする請求口1乃至4のいずれか1項に記載の集合宅地の警備システム。
  6. 前記特定手段は、前記集合宅地に隣接する道路と前記集合宅地内の宅地との道路側境界部、及び前記道路以外と前記集合宅地内の宅地との非道路側境界部を前記外部側境界部として、前記通過位置を特定するものであり、
    前記警戒制御手段は、前記特定手段により前記非道路側境界部が前記通過位置であると特定された場合に、前記道路側境界部が前記通過位置であると特定された場合に比べて前記警戒制御の警戒レベルをその時の設定レベルよりも高く設定することを特徴とする請求項5に記載の集合宅地の警備システム。
  7. 前記警戒制御手段は、前記人検知センサにより人の存在が検知された前記宅地について、該宅地の前記集合宅地における位置に応じて前記警戒制御の警戒レベルを設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の集合宅地の警備システム。
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