JP2010169813A - カラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法、カラーフィルタ、および液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法、カラーフィルタ、および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーフィルタの着色層を製造するに際して、乾燥工程でのモヤムラやピンムラの発生が抑制され、均一な硬化性組成物層を効率よく形成しうるカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法、該方法により得られた着色層を有するカラーフィルタ、及び、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、固形分比率が12質量%以上16質量%以下である硬化性組成物を、基板上にスリットコーターを用いて、乾燥後の膜厚が2.4μm以上3.5μm以下となるように塗設して硬化性組成物塗布層を形成する塗布工程、及び、塗布後の硬化性組成物塗布層を備えた基板を、真空乾燥装置を用いて、真空乾燥開始から20秒後の到達真空度が1000Pa以下となる条件で乾燥して硬化性組成物層を形成する乾燥工程を有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置等の画像表示装置に用いられるカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法、該形成方法により形成された着色層を有するカラーフィルタ、該カラーフィルタを備える液晶表示装置に関する。
近年、カラーフィルタは、液晶表示装置用途ではモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にあり、この用途拡大の傾向に伴い、色再現性、コントラストなどにおいて高度な色特性が要求されている。
カラーフィルタには、耐熱性等の必要性により着色剤としては、主として顔料が用いられており、上記した高度な色特性の要求に対して、顔料粒子はより微細なものが用いられるようになってきた。しかしながら微細化した顔料粒子は比表面積が大きく、微細化した顔料粒子を安定に微粒子で分散させるのは極めて難しく、高度な分散状態を得るために新規な分散剤等の開発を進めたり、あるいは分散剤を従来よりも多く使用して分散安定性を確保したりする手段をとって対応しているのが現状である。(特許文献1参照)
カラーフィルタの製造は主として硬化性組成物を基板上に塗設し、マスクを介して露光し、アルカリ現像処理を施すことによって製造する方法が主流である。前記したカラーフィルタに対する高色再現性の要求には、使用する着色硬化性組成物中の顔料濃度を上げる必要がある。
また、近年のカラーフィルタの大面積化の要求に対し、製造効率を向上させるため、着色硬化性組成物を基板上にスリットコーターにより塗布することが行われるようになってきたが、大面積の着色硬化性塗布液層を均一に乾燥させて優れた平面性を有する塗膜を形成するのは困難であった。
着色硬化性組成物塗布液層の乾燥工程における材料凝集等の欠陥発生を抑制するために、真空乾燥により、100Torr(約70Pa)まで6秒以上かけて排気し、ゆっくりと真空度を上げる乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法によっても塗膜面上のモヤムラや、真空乾燥装置内に塗布層を有する基板を搬入する際に用いる搬入装置のピンが基板裏面に接触した領域に起こる温度変化に起因する乾燥膜のピンムラの発生を抑制できず、また、生産効率上のために塗布工程における時間を短縮しても、乾燥工程で所定の真空度を達成するのに時間が掛かるため、生産性向上の観点からも好ましくないという問題があった。
特許第3094403号公報 特開2000−241623号公報
本発明は、カラーフィルタの着色層を製造するに際して、乾燥工程でのモヤムラやピンムラの発生が抑制され、均一な硬化性組成物層を効率よく形成しうるカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法を提供するものことを目的とするものである。
また、本発明のさらなる目的は、この方法によって得られた着色層を有する、良好な画質のカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、以下の手段によって実現できることを見出したものである。
<1> 顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、固形分比率が12質量%以上16質量%以下である硬化性組成物を、基板上にスリットコーターを用いて、乾燥後の膜厚が2.4μm以上3.5μm以下となるように塗設して硬化性組成物塗布層を形成する工程(塗布工程)、及び、塗布後の硬化性組成物塗布層を備えた基板を、真空乾燥装置(VCD)を用いて、脱気開始から20秒後の到達真空度が20Pa以上1000Pa以下となる条件で乾燥して硬化性組成物層を形成する工程(乾燥工程)、を有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
<2> 前記乾燥工程において、脱気開始から20秒後の到達真空度が200Pa以上である<1>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
<3>前記硬化性組成物が赤色又は緑色である<1>または<2>に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
<4> 前記溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
<5> 前記硬化性組成物が、さらに、重量平均分子量3000以上50000以下のフッ素系界面活性剤を0.02質量%以上1質量%以下含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
<6> 基板上に、<1>〜<5>のいずれか1項に記載されたカラーフィルタ用着色硬化性組成物層により形成された着色層を有するカラーフィルタ。
<7> <6>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定される。
即ち、本発明の方法においては、固形分比率が比較的低く、溶剤の含有量が多い硬化性組成物により、カラーフィルタの着色層として十分な膜厚の塗布層が形成されるが、これを真空乾燥装置において、急激に真空状態を形成することで乾燥するために、短時間で塗布層表面に薄膜が形成され、真空乾燥装置のピンからの熱供給に起因するピンムラ及び溶剤乾燥による塗布液の冷却とVCDピンからの熱の供給による塗布層内の温度ムラに起因するモヤムラのいずれもが効果的に抑制されるものと考えられる。
本発明の着色硬化性組成物層の形成方法により形成された着色硬化性組成物層は、乾燥に起因する着色層表面のムラの発生が抑制され、平滑な乾燥膜となるために、その後の、露光工程及び現像工程に付する場合でも、膜質が均一で平滑な着色層を形成しうるために、このような着色層を有するカラーフィルタは高画質である。この着色層は、カラーフィルタを構成した場合、特にムラの目立ちやすい赤色の着色層、緑色の着色層を形成するのに用いることでその効果が著しいといえる。
本発明によれば、カラーフィルタの着色層を製造するに際して、乾燥工程でのモヤムラやピンムラの発生が抑制され、均一な硬化性組成物層を効率よく形成しうるカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、良好な画質のカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを備えた液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明の好ましい態様においては、硬化性組成物にフッ素系界面活性剤を含有することで、塗布層のウエット状態での液表面近傍の粘度が上昇し、表面の流動性が抑制されて面状性が改良されることから、乾燥工程でのモヤムラやピンムラの発生が、より効果的に抑制される。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法は、顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、固形分比率が12質量%以上16質量%以下である硬化性組成物を、基板上にスリットコーターを用いて、乾燥後の膜厚が2.4μm以上3.5μm以下となるように塗設して硬化性組成物塗布層を形成する工程(塗布工程)、及び、塗布後の硬化性組成物塗布層を備えた基板を、真空乾燥装置(VCD)を用いて、真空乾燥装置内に基板を搬入し、装置内の脱気を開始した時点から20秒後の到達真空度が Pa以上1000Pa以下となる条件で乾燥して硬化性組成物層を形成する工程(乾燥工程)、を有することを特徴とするものである。
以下、本発明の方法について、工程順に説明する。また、本発明の方法に適用する硬化性組成物の処方の詳細については、後述する。
<塗布工程>
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法に用いる硬化性組成物は、着色剤としての顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、固形分比率が12質量%以上16質量%以下の組成物である。
(溶剤)
この組成物に用いる溶剤としては、組成物の処方に応じて適宜選択され、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル(エトキシエチルプロピオネート)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適であり、なかでも、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを含むことが、溶解性、乾燥性、塗布性の観点から好ましい。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤としては、揮発性の低い、非極性の溶媒を選択し、揮発性(溶剤除去性)を調整することが、モヤムラ、ピンムラを抑制する点で好ましく、そのような観点からは、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートとエトキシエチルプロピオネートとを10:90〜90:10の範囲で混合してなる混合溶媒を用いることが好ましい。
溶剤の含有量は、固形分濃度が12質量%以上16質量%以下であるように添加される。固形分濃度は、好ましくは、13質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは、14質量%以上15質量%以下である、固形分濃度が16質量%を超えると、液粘度が高く粘調であるために、本発明の方法を適用してもモヤムラ、ピンムラの発生抑制効果が十分に得られない可能性が出てくる。また、12質量%未満では、溶剤の含有量が多すぎて乾燥に時間が掛かるため好ましくない。
塗布工程では、この硬化性組成物を基板に塗布する方法として、スリット・アンド・スピン法、スリット塗布法等のスリットノズルを用いる方法などのスリットコーターを用いた塗布法を適用する。
スリットコーターを用いた塗布法において、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えばスリット塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの硬化性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。
本発明に適用しうるスリットコーターとしては、東京応化工業社製、G5 spinless塗布機などが挙げられる。
基板上における硬化性組成物による塗膜(硬化性組成物塗布液層)の厚みが、乾燥後の膜厚が2.4μm以上3.5μm以下となるように塗設して硬化性組成物塗布層を形成する。膜厚は、好ましくは2.5μm〜3.2μmであり、さらに好ましくは2.6μm〜3.0μmの範囲である。膜厚が2.4μm未満であると適当な光学濃度を得ることが難しくなり、好ましくない。また、膜厚が3.5μmをこえて厚すぎる場合には、真空乾燥時に膜の深部に急激に除去し得ない溶剤が残存し、ムラの抑制効果が十分に得られない虞がある。
なお、乾燥後の膜厚は、光干渉式の膜厚計や、露光により硬化させた塗膜の厚みを触針式の膜厚計で測定するなどの方法で測定される。
(基板)
硬化性組成物塗布液を適用する基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられ、着色硬化性組成物層の使用目的に応じて選択される。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしていてもよい。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の硬化性組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作成することができる。TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
<乾燥工程>
次に、塗布工程で硬化性組成物塗布液層が形成された基板は、真空乾燥装置(以下、適宜、VCDと略称する)を用いて乾燥する。真空条件としては、真空乾燥装置内の脱気開始から20秒後の到達真空度が20Pa以上1000Pa以下、好ましくは、200Pa以上1000Pa以下となる条件で乾燥し、硬化性組成物層を形成する。
本発明に用いられる真空乾燥装置(VCD)としては、上記真空条件を達成しうるものであれば特に制限はなく、真空ポンプと真空条件制御用のバルブとを備えたチャンバーを有するものであればいずれも使用できる。具体的には、例えば、東京応化工業社製、VCD TR−63などが使用される。
乾燥条件としては、VCDのチャンバー中に塗布後の硬化性組成物塗布層を備えた基板を搬入し、直ちに脱気して真空度を上げ、20秒以内に到達真空度が20Pa以上1000Pa以下、好ましくは、200Pa以上300Pa以下となるように、真空ポンプとバルブを調節する。ここで、到達真空度はVCDに備えられた圧力計により確認することができる。
200Pa以上1000Pa以下の到達真空度とする時間は20秒以内であることを要するが、好ましくは10秒〜15秒である。
脱気条件は、目的とする到達真空度となるまで一気に脱気してもよく、また、1秒〜5秒程度のスロータイムをとることもできる。スロータイムをとる場合には、スロータイム0〜5秒までの脱気条件を弱排気とし、その後、強排気となるように脱気する方法などをとることができる。
チャンバー内の温度は室温(25℃)でよいが、用いる溶剤や真空度に応じて20℃〜40℃の範囲で行うことができる。
真空度が200Pa以上1000Pa以下となったのち、真空乾燥を継続し、その後、常圧に戻して基板を搬出することで乾燥工程を実施する。基板をVCDに搬入してから搬出するまでに要する時間(タクトタイム)は、20秒間〜60秒間であることが生産性の観点から好ましい。
乾燥後の着色硬化性組成物層には、所望によりプリベーク処理が施される。プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、10〜300秒の条件にて行なうことができる。温度範囲は、好ましくは70〜110℃程度である。プリベーク処理と高周波処理などを併用してもよく、また、プリベーク処理を行わず、高周波処理のみをほどこしてもよい。
上記工程を経て基板上に形成された着色硬化性組成物層(乾燥膜)は、表面のモヤムラ、ピンムラの発生が抑制され、膜厚にバラツキがなく、表面平滑性に優れる。
このようにして得られた着色硬化性組成物層を、常法によりパターン露光(露光工程)し、その後、アルカリ現像液などによる現像処理(現像工程)を行ってカラーフィルタの着色パターンとなるパターン状の着色層が形成される。
以下、露光工程、現像工程について説明する。
<露光工程>
基板上に形成された着色硬化性組成物層に、マスクを介して露光処理を施す。この際、使用する放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
液晶表示装置用のカラーフィルタは、プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機で主としてh線、i線を使用した露光が好ましく、露光量としては5〜300mJ/cm、より好ましくは10〜150mJ/cm、さらに好ましくは10〜100mJ/cmである。露光量がこの範囲であると十分な重合強度が得られ、処理タクトも良好であり好ましい。
<現像工程>
露光を施した塗布基板は、既述したアルカリ現像処理および水洗処理を経てパターン形成される。
現像は、露光処理後の着色硬化性組成物層とアルカリ現像液とを接触させることで行われる。通常は、アルカリ現像液を満たした現像浴と、露光処理後の感光層を備えた基板を搬送し、該現像浴に浸漬し、搬出する搬送手段とを備えるか、或いは、該搬送手段により搬送される基板にアルカリ現像液を接触させるための現像液供給手段を備えた現像処理装置により行われる。この現像工程において、基板上の着色硬化性組成物層における未硬化部分(未露光部)が現像液に溶出して除去され、露光処理により硬化された部分のみが残存して画像形成する。
現像液の温度としては、通常20〜30℃であり、現像液と基板との接触時間である現像時間としては通常20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部分における硬化性組成物の塗膜を溶解し、一方、硬化部分を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、下記のアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
現像に使用した液は、濾過して再度使用することができ、また現像液を補充し、濃度を均一に保つための工夫をすることが好ましい。
現像処理後は、現像液を除去するために水洗工程に付される。水洗工程に先だって、余剰の現像液を除去し、現像を停止させ、現像液に浸る時間を均一に保つことが好ましい。現像液の除去方法としては、水をカーテン状にした区域を設けて現像後の基板を通過させる方法、現像後の基板に空気を高圧でカーテン状に吐出させる、または液切り用ローラーを使う方法などが挙げられる。また現像後の基板を高速で回転させて、余剰の現像液を遠心力により除去する方法も可能であり、これらの方法を組み合わせてもよい。
水洗工程では、硬化したパターン状の着色硬化性組成物層表面に残存する現像液及び基板上に残存する未硬化の着色硬化性組成物を除去するための水洗水を、着色パターンが形成された基板上に供給する。水洗は、スプレーノズル等を用いて水洗水を噴射する手段を備えた装置を用いて行ってもよく、水洗浴内に浸漬する方法をとることもできる。
なお、水洗では通常は純水で行うが、使用した水の環境汚染の負荷軽減のために、水洗の最終段階では純水を用い、水洗の初期段階では使用済の純水を再使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりすることができる。
水洗工程を経た基板は、エアーナイフ、スピンドライ、水きりロール等の水切りを施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)を施してもよい。
加熱処理は、通常180〜250℃の温度範囲で、恒温槽、ホットプレート、赤外線加熱等の方法を用いて基板を加熱することによって行われる。
多くのカラーフィルタは赤色画素、緑色画素、青色画素の3色で構成されているので、各色をフォトリソ法で順次塗設し、露光、現像、水洗、乾燥、加熱処理を繰り返してカラーフィルタが製造される。
本発明の着色硬化性組成物層の形成方法を利用したカラーフィルタ用着色層(着色パターン)の製造方法は、上記した赤色画素、緑色画素、青色画素だけでなく、ブラックマトリックス、あるいは、他の着色画素や、アレイ基板とカラーフィルタ基板との間隙を一定に保つためのフォトスペーサーの形成、層間絶縁膜の形成、配向性制御用の突起物形成などフォトリソ法で形成される構造物の形成などに適用可能である。
<硬化性組成物>
次に、本発明の着色硬化性組成物層の形成方法に好適な硬化性組成物について述べる。本発明は、上記したように硬化性組成物を用いたパターン形状のカラーフィルタ用着色層の形成に有用である。
その中でも特に、テレビ、モニター用などに用いられる高色再現性を必要とするカラーフィルタを成形するために、固形分中の顔料分(以下、顔料濃度と称する)が高い硬化性組成物を用いても、平滑性に優れ、高画質の画像形成を阻害する着色画素上のわずかなモヤムラ、ピンムラなどの発生が抑制された、カラーフィルタを製造することができる。
本発明の方法には、顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含む硬化性組成物を用いる。
以下各構成素材、最適な構成要素について説明する。
(顔料)
本発明に係る硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、必要によって染料を顔料に併用することが可能である。
顔料は、無機顔料または有機顔料を問わず、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
前記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、特開2008−224982号公報の段落番号〔0031〕〜〔0048〕に記載のものや、C.I.PigmentGreen 58,C.I.PigmentBlue 79のCl置換基をOHに変更したものなどが挙げられ、これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7
本発明において、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化は、顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物として、摩砕する工程である。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。しかし少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しないならばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いても良く、また必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
本発明において水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
水溶性無機塩の使用量は顔料の1〜50倍重量であり、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10倍重量で、さらに水分が1%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤の使用量は、顔料に対して50重量%から300重量%の範囲であり、好ましくは100重量%から200重量%の範囲である。 本発明における湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きい方が、摩砕効果が大きく好ましい。運転時間は乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ球形が好ましい。
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。
このような組み合わせの具体例については、特開平2008−26627公報段落番号〔0094〕〜〔0098〕に詳細に記載され、これらの記載を本発明にも適用することができる。
本発明において、顔料に併用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
これらのなかでも、光透過性の観点からモヤムラなどの影響を受けやすい、赤色、緑色の顔料や染料を用いた赤色、緑色の画素を形成する場合に本発明の効果が著しい。
本発明の硬化性組成物中における顔料の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、20〜60質量%であり、30〜50質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明では特に顔料として有機顔料を用い、且つ顔料の微細化工程あるいは分散工程で、顔料を高分子化合物で被覆したものを用いることが好ましい。顔料を高分子化合物で被覆することによって微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された被覆顔料、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた被覆顔料を用いることができる。
本発明で好適な態様である被覆顔料とは、高分子化合物で顔料が被覆されたものであるが、被覆とは微細化で生じた表面活性の高い顔料の新界面が、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物との強い静電的作用によって、該高分子化合物の強固な被覆層を形成するため、より高い分散安定性を有する被覆顔料が得られるものと考えられる。即ち、本発明においては、被覆処理後の顔料は、高分子化合物を溶解する有機溶剤で洗浄しても、殆ど被覆した高分子化合物は遊離しない。
本発明で言う被覆顔料は、有機顔料などのi)顔料粒子がiv)側鎖に複素環等の極性基を有する高分子化合物で被覆されていることを特徴とし、該高分子化合物が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることで本発明の効果を奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
本発明の被覆処理後の顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機により室温で3時間、振とうさせた。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出した。
市販等の顔料の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
被覆処理は、顔料の微細化工程で同時に行うことが好ましく、具体的には、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、およびiv)高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(ソルトミリング工程と称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。
上記したソルトミリングについて、さらに具体的に説明する。まず、i)有機顔料とii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性の有機溶剤を加え,ニーダー等で強く練り込んだ後,この混合物を水中に投入し,ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に,このスラリーを濾過,水洗して必要により乾燥することにより,微細化された顔料が得られる。なお,油性のワニスに分散して用いる場合には,乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で,水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は,処理顔料は乾燥する必要がなく,濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
本発明においては、ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面がiv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ないものが得られる。
なお、iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
顔料の被覆に用いる高分子化合物は、顔料への吸着性基を有するものであれば特に制限はないが、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆処理したものが好ましい。このような高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される単量体、または、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましく、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
Figure 2010169813
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、Rは、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものであってもよい。
一般式(1)中、Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。炭素数が6以上である含窒素複素環構造として具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記(2)、(3)又は(4)で表される構造であることが特に好ましい。
Figure 2010169813
一般式(2)中、Eは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるEとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(4)中、Y及びYは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びYとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びYの組み合わせとしては、Y及びYのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
一般式(2)、(3)、および(4)で、環B、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(2)における環B及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(2)、(3)および(4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(2)又は(4)においては、ベンゼン環がさらに好ましく、一般式(3)においては、ナフタレン環がさらに好ましい。
これらの具体的化合物は、特開2008−83089公報の段落番号〔0029〕〜〔0030〕、及び、特開2008−26627公報の段落番号〔0044〕〜〔0047〕に開示されているものや、下記のようなものが使用できる。
Figure 2010169813
Figure 2010169813
Figure 2010169813
上記した被覆処理した顔料を用いる場合でも、分散剤の少なくとも1種を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することがさらに好ましい。この分散剤の含有により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77、P84、F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
上記した顔料分散組成物は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機等を用いて微分散させることによって行なえる。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
このほか、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。ここで(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR1112、CH=C(R11)(COOR13)〔ここで、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R12は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、R13は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR1112、CH=C(R11)(COOR13)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR1112、CH=C(R11)(COOR13)である。
アルカリ可溶性樹脂の硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは、2〜18質量%であり、特に好ましくは、3〜15質量%である。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
重合性化合物は、1種単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いることができる。重合性化合物の硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分100質量部に対して、3〜55質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号明細書、欧州特許出願公開第88050号明細書等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン系又はアクリジン系化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン系又はビイミダゾール系の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
前記光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン類系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等を好適に挙げることができる。
前記ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
前記キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
前記活性ハロゲン光重合開始剤(トリアジン系,オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メチルビフェニル)−s−トリアジン、p−ヒドロキシエトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル−s−トリアジン、3,4−ジメトキシスチリル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−ベンズオキソラン−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン,2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
前記アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
前記ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明では、以上の光重合開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも使用することができる。例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
光重合開始剤の硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
−増感色素−
本発明において必要に応じて増感色素を添加することが好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
(分光増感色素又は染料)
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
(その他)
本発明の硬化性組成物には、多官能エポキシ化合物を添加することができる。これによって、多官能エポキシ化合物が熱架橋することによって架橋密度が高くなり、耐薬品性の向上が図られる。
本発明に使用可能な多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などである。
例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなどがあげられる。
脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
多官能エポキシ化合物の硬化性組成物中における含有量としては、顔料を除いた全固形分に対して、2〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、膜の耐溶剤性に優れる。また、多すぎるとベーク後の黄着色により、カラーフィルタの品質が損なわれたり、少なすぎると耐NMP性に劣ってしまう問題が生じる。
本発明における硬化性組成物は、上記各成分と共に溶剤を用いて調製される。溶剤の種類と添加量は前述したとおりである。
本発明に係る硬化性組成物には、さらに必要に応じて、連鎖移動剤、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、着色剤、光重合開始剤、その他充填剤、上記のアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
本発明に係る硬化性組成物に添加し得る連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善でき、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、基板と塗布液との界面張力を低下させて基板への濡れ性が改善され、基板への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が前記範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物をであって、重量平均分子量3000以上50000以下のフッ素系界面活性剤であることが好ましい。なお、ここで重量平均分子量はポリスチレンを標準物質としてゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した値を表す。
本発明に好適に用いることができる具体的市販品としては、例えば、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭ガラス(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
フッ素系有機化合物は特に、塗布膜を薄くしたときの塗布ムラや厚みムラの防止に効果的である。また、更には液切れを起こしやすいスリット塗布においても効果的である。
フッ素系有機化合物の添加量は、硬化性組成物の全質量に対して、0.02質量%以上1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.04〜0.1質量%である。
本発明に係る硬化性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明に係る硬化性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、前述のフッソ系界面活性剤の他にノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、前記のフッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤の例として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が特に好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、エチレンジアミンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物などのノニオン系界面活性剤があり、これらは花王(株)、日本油脂(株)、竹本油脂(株)、(株)ADEKA、三洋化成(株)などから市販されているものが適宜使用できる。上記の他に前述の分散剤も使用可能である。
上記以外に、硬化性組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂などがある。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、硬化性組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明に係る硬化性組成物には、以上のほかに更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明に係る硬化性組成物は、既述の顔料にアルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
本発明に係る硬化性組成物の製造方法の一例を以下に示す。
顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類との混合物を、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えながら顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩を除去した後、乾燥し、微細化された顔料が得られる。微細化処理前に高分子化合物を添加して、顔料を被覆することが好ましい。
顔料、好ましくは高分子化合物で被覆した顔料と、分散剤と、必要によって顔料誘導体と、溶剤とで、ビーズ分散を行なう。主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。また、顔料を微細化する処理を省くことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flowand Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
そして、上記のようにして得られた顔料分散組成物に、重合性化合物、重合開始剤、およびアルカリ可溶性樹脂などを添加して、本発明で使用可能な硬化性組成物を得る。
(カラーフィルタ)
このようにして得られた硬化性組成物は、前記本発明の着色硬化性組成物層の形成方法に従い、直接又は他の層を介して基板にスリットコーターにより塗布され、VCDにより乾燥された後、所定のマスクパターンを介して露光し、露光後に既に上述した方法で、現像し、水洗することによって、各色(3色あるいは4色以上)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタとすることができる。
これにより、液晶表示装置に用いられる高画質のカラーフィルタを、高品質で作製することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<顔料被覆のための高分子化合物の合成例>
(高分子化合物1の合成)
M-11 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱撹拌の後、高分子化合物1の30質量%溶液を得た。得られた高分子化合物1の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
(高分子化合物2の合成)
M-6 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.80g加え、3時加熱撹拌拌の後、高分子化合物2の30質量%溶液を得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物2の重量平均分子量を測定した結果、2.1万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、99mgKOH/gであった。
Figure 2010169813
(被覆顔料1の調製)
顔料(C.I.Pigment Red254 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 CROMOPHTAL RED BP) 50g、塩化ナトリウム 500g、上記した高分子化合物1の溶液 25g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して被覆顔料1を調製した。
(被覆顔料2の調製)
被覆顔料1の調整で、Pigment Red254の代わりに、C.I.Pigment Green 36(日本ルーブリゾール社製 Monastral Green 6Y−CLを用いて、また高分子化合物1の代わりに高分子化合物2を用いて、他は被覆顔料1の調製と同様にして被覆顔料2を調製した。
(被覆顔料3の調製)
被覆顔料2の調整で、Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Blue 15:6(BASF社製 HELIOGEN Blue L6700Fを用いて、他は被覆顔料2の調製と同様にして、被覆顔料3を調製した。
(被覆顔料4の調製)
被覆顔料2の調整で、Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Yellow 150(Bayer社製E4GN)を用いて、他は被覆顔料2の調製と同様にして、被覆顔料4を調製した。
(顔料の1次粒子径の分布測定)
顔料の1次粒子径の分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した。
(顔料の被覆度の評価)
得られた顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、80,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の量を求め、処理に使用した高分子化合物との比から、遊離率(%)を算出した。遊離率は小さいほど顔料への被覆度が高い。
上記で得た被覆顔料1〜4は、いずれも20質量%以下の遊離量を示し、被覆された顔料であることがわかった。
(顔料分散組成物1の調製)
下記組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製した。
・Pigment Red 254(SEM観察での平均粒子径25nm)
上記被覆顔料1の顔料相当分 15部
・分散剤: 3部
商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製30%溶液
・アルカリ可溶性樹脂: 8.7部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=70/30[質量比]共重合体、重量平均分子量:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 71.05部

続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて6時間分散処理を行なった。
(赤色硬化性組成物の調整)
上記顔料分散組成物に、更に下記組成の成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物を調製した。
・前記顔料分散組成物1: 34.5部
・多官能エポキシ化合物: 0.75部
商品名:EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製
・重合性化合物: 2.79部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・重合開始剤: 0.603部
4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン
・重合開始剤: 0.26部
ビスクロロフェニルイミダゾール
・重合開始剤:ジエチルアミノベンゾフェノン 0.122部
・メルカプトベンゾチアゾール 0.158部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
・フッ素系界面活性剤: 0.042部
商品名:Megafac F−781、大日本インキ化学工業(株)製
重量平均分子量:25000
・ノニオン系界面活性剤: 0.45部
商品名:ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)社製)
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.2部
・溶剤:エチルエトキシプロピオネート 17.0部
・アルカリ可溶性樹脂: 4.12部
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=70/30[質量比]共重合体、重量平均分子量:5000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)
この赤色硬化性組成物塗布液の固形分濃度は、15質量%である。
(着色硬化性組成物層の形成)
硬化性組成物を、550×650基板にスリットコーター(東京応化工業 社製、G5 spinless塗布機)を用いて、塗布速度100mm/sec、塗布ギャップ150μmで、乾燥後の膜厚が2.4μmとなるように塗布した。
塗布層が形成された基板を、真空乾燥装置(東京応化工業社製、VCD TR63)内に配置し、脱気、減圧開始後20秒後の真空度が500Paとなる条件でバルブ開度25%にて脱気して乾燥させ、常圧に戻して装置内から搬出し、基板上に乾燥された着色硬化性組成物層を形成した。タクトタイムは、40秒である。
着色硬化性組成物層を100℃で80秒間ホットプレートにより加熱してプリベークを行い、実施例1の着色硬化性組成物層を形成した。
硬化性組成物塗布液層の膜厚、組成物中のフッ素界面活性剤の量、及び、真空乾燥装置の条件を下記表1におけるように代えた他は、実施例1と同様にして実施例2〜実施例6、比較例1〜2の着色硬化性組成物層を形成した。
(着色硬化性組成物層の評価)
〔モヤムラ〕
(評価方法)
ナトリウムランプの反射光で塗膜に観察されるピン部分以外のムラの濃淡模様の繰り返しピッチの細かさを評価する。
(評価基準)
◎:濃淡ムラがほとんど観察されない
○:最も暗く見える部分と最も明るく見える部分の距離が5cm以上
△:最も暗く見える部分と最も明るく見える部分の距離が2cm以上5cm未満
×:最も暗く見える部分と最も明るく見える部分の距離が2cm未満
〔ピンムラ〕
(評価方法)
ナトリウムランプの反射光で塗膜に観察されるVCDピン部分の濃淡模様の濃さと繰り返しピッチの細かさを評価する。
(評価基準)
◎:ピン部分に跡が観察されない。
○:ピン部分に薄い跡が観察される。
△:ピン部分の濃淡ムラの直径が1cm以上2cm未満
×:ピン部分の濃淡ムラの直径が2cm以上
××:ピン部分の濃淡ムラがドーナツ状に観察される
評価結果を、下記表1に示す。
Figure 2010169813
表1に明らかなように、本発明の形成方法で得られた着色硬化性組成物層は、モヤムラやピンムラの発生が抑制され、面状性が良好であった。到達真空度が好ましい範囲である200Pa以上で効果がさらに良好であることがわかる。他方、脱気開始後20秒で1000Paを超える到達真空度の比較例では、モヤムラは実施例に比較して劣り、ピンムラの発生は抑制されず、実用上問題となるレベルのピンムラが発生していることが確認された。
(カラーフィルタの作製)
(緑色硬化性組成物の調整)
前記赤色硬化性組成物に用いた顔料分散組成物1において、被覆顔料1を被覆顔料2に換えた以外は、赤色硬化性組成物の調製と同様の組成で、撹拌、混合して緑色硬化性組成物を調製した。
(青色硬化性組成物の調整)
前記赤色硬化性組成物に用いた顔料分散組成物1において、被覆顔料1を、被覆顔料3と被覆顔料4との100:50の混合物に変更する以外は、赤色硬化性組成物の調製と同様の組成で、撹拌、混合して青色硬化性組成物を調製した。
前記実施例1で用いた赤色硬化性組成物を用い、線幅が25μmの低反射Cr−BMを有する基板上に、赤色光硬化性組成物を用いて、上記した塗布条件で乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗布した。
赤色着色硬化性組成物層が形成された基板を、マスクと基板の間隙100μmで、60mJ/cm(照度20mJ/cm)となるように、プロキシミティ露光機で露光した。その後、以下の条件で現像した。
現像液はアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて25℃で、60秒間となるように行った。その後、水洗し、エアーナイフを用いて乾燥し、さらに恒温槽中で、220℃、30分の条件で加熱処理した。
次いで、BM層、赤色層を付与した上記で得た基板上に、緑色硬化性組成物を用いて、上記した塗布条件で乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗布し、線幅が100μmとなるようにマスク露光した後、上記した現像、水洗、乾燥及び加熱処理を行った。
次いで、BM層、赤色層、緑色層を有する上記で得た基板上に、青色硬化性組成物を用いて、上記した塗布条件で乾燥後の膜厚が2.5μmとなるように塗布し、線幅が100μmとなるようにマスク露光した後、上記した現像、水洗、乾燥及び加熱処理を行った。このようにしてBM、赤色、緑色、および青色層を有するカラーフィルタ基板を得た。
得られたカラーフィルタは、均一な着色パターンを備え、コントラストも良好であった。

Claims (7)

  1. 顔料、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、固形分比率が12質量%以上16質量%以下である硬化性組成物を、基板上にスリットコーターを用いて、乾燥後の膜厚が2.4μm以上3.5μm以下となるように塗設して硬化性組成物塗布層を形成する工程(塗布工程)、及び、
    塗布後の硬化性組成物塗布層を備えた基板を、真空乾燥装置(VCD)を用いて、脱気開始から20秒後の到達真空度が20Pa以上1000Pa以下となる条件で乾燥して硬化性組成物層を形成する工程(乾燥工程)、
    を有するカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
  2. 前記乾燥工程において、脱気開始から20秒後の到達真空度が200Pa以上である請求項1に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
  3. 前記硬化性組成物が赤色又は緑色である請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
  4. 前記溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
  5. 前記硬化性組成物が、さらに、重量平均分子量3000以上50000以下のフッ素系界面活性剤を0.02質量%以上1質量%以下含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法。
  6. 基板上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色硬化性組成物層の形成方法により形成された着色層を有するカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備える液晶表示装置。
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