JP2010168856A - 昇塔防止装置 - Google Patents

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Natsuki Sawakazu
夏己 澤和
Toshimasa Kanemasa
利政 金正
Tomohiro Kajiya
智弘 梶屋
Kazunori Yoshimatsu
和則 吉松
Tatsuya Ogiwara
達也 荻原
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Abstract

【課題】送電用鉄塔の脚部に組み付けられて部外者が脚部に沿って昇塔することを防止すると共に、正規の作業員が昇塔する際には昇塔通路を開放して円滑な昇塔を可能とする昇塔防止装置において、昇塔防止装置を開放状態、閉止状態にするためのロック手段の操作を効率化して作業員の労苦を低減する。
【解決手段】送電線の脚部41に対して固定されて該脚部外周を包囲する環状本体2と、環状本体の周方向に沿った複数箇所から外径方向へ突設された昇塔阻止片30と、を備え、環状本体は、脚部に固定されると共に一部に昇塔用の開放部4を有した固定部材3と、該開放部を開閉するために該固定部材により開閉自在に支持された可動部材10と、該可動部材を閉止状態でロックするロック手段20と、を備え、ロック手段は、プッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠である。
【選択図】図1

Description

本発明は、送電用鉄塔の脚部に組み付けられて正規の作業員等の関係者以外の者が昇塔することを防止するための昇塔防止装置に関し、特に昇塔経路を閉止する際に用いるロック手段の改良に関するものである。
送電用鉄塔により支持された送電線等を正規の作業員が保守、点検するためには鉄塔は作業員が昇塔可能な構造とする必要がある一方で、安全対策上、作業員以外の非関係者が昇塔できないように構成する必要がある。
従来は、鉄塔脚部に昇塔防止装置を設けて、鉄塔脚部に沿った昇塔通路を閉止する一方で、正規の作業員が昇塔する際には昇塔防止装置により昇塔通路を開放するように構成している。
従来の昇塔防止装置は、例えば図5(a)(b)に示した如き構成を備えている。
この昇塔防止装置100は、鉄塔130の脚部(鉄骨材)131に対して固定されて脚部外周を包囲する環状本体101と、環状本体外周の周方向に沿った複数箇所から外径方向へ放射状に突設された棒状の鋼材から成る昇塔阻止片120と、を備えている。
環状本体101は、脚部に対してボルトナットを用いて固定されると共に一部に昇塔用の開放部103を有した固定部材102と、開放部102を開閉するために固定部材102により開閉自在(観音開き状)に支持された可動部材110と、可動部材110を固定部材102に対して閉止した状態でロックするロック手段115と、を備えている。固定部材102はその両端部にヒンジ部104を備え、各ヒンジ部104により各可動部材110を開閉自在に支持している。図5(b)に実線で示したように可動部材110を閉じてロック手段115をロックした状態では開放部103が閉止されているために昇塔阻止片120が障害となって鉄塔への昇塔を不可能としている。一方、破線で示したようにロック手段115を解除して可動部材110を開放することにより開放部103から露出した脚部131を利用して昇塔することが可能となる。
昇塔阻止片120は、その基端部に設けた雄螺子部120aを固定部材102、及び可動部材110に設けた穴内に挿通してから雄螺子部にナット121を締結することにより固定されている。
ロック手段115は、昇塔阻止片120を固定部材、及び可動部材に固定するナット121を外した状態で昇塔阻止片の雄螺子部120aに連設板125の穴部を挿通してから雄螺子部にナット126を締結することにより、固定部材と可動部材をロックする構成を有する。
しかし、上記従来の昇塔防止装置はロック手段としてボルトナットを用いているため、昇塔の度にスパナ等の工具を用いてナットを緩めて可動部材を開放し、作業終了時には回動部材を閉止してナットを締結するという煩雑、且つ多大な労力を伴う作業が必要であった。特に、ボルトナット部が錆によって固着している場合にはナットの取外し作業が困難になるという不具合も生じる。また、スパナ等の工具の取出し、収納に手間がかかるという問題もある。また、非関係者が工具を用いて可動部材を開放して昇塔することが可能となる。
特許文献1に開示されたステップ付き昇塔防止器では、鉄塔の脚部に設けた足場受けに設けたネジ穴内にステップとなる足場ボルトのネジ部を螺着してナットにより固定することにより、足場ボルトを突出状態(昇塔可能状態)とする一方で、ナットを外してネジ穴から離脱させた足場ボルトを脚部と平行な姿勢(昇塔不能状態)で収納するようにしている。
しかし、この従来例にあっては、ナットの締結、緩め作業を行う際にスパナ等の工具が必須となるため、作業の煩雑さの点については現状と変わりなかった。
特開2000−27491公報
従来の昇塔防止装置にあっては、昇塔通路を閉止するためのロック作業、及び開放するためのロック解除作業や、足場ボルトを鉄塔の脚部に着脱するための作業を工具を用いて行う必要があったため、作業が繁雑となるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、送電用鉄塔の脚部に組み付けられて部外者が脚部に沿って昇塔することを防止すると共に、正規の作業員が昇塔する際には昇塔通路を開放して円滑な昇塔を可能とする昇塔防止装置において、昇塔防止装置を開放状態、閉止状態にするためのロック手段の操作を効率化して作業員の労苦を低減することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、送電用鉄塔の脚部に組み付けられる昇塔防止装置であって、前記脚部に対して固定されて該脚部外周を包囲する環状本体と、該環状本体の周方向に沿った複数箇所から外径方向へ突設された昇塔阻止片と、を備え、前記環状本体は、前記脚部に固定されると共に一部に昇塔用の開放部を有した固定部材と、該開放部を開閉するために該固定部材により開閉自在に支持された可動部材と、該可動部材を閉止状態でロックするロック手段と、を備え、前記ロック手段は、プッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠であることを特徴とする。
送電用鉄塔に作業員が昇塔する際には鉄塔の脚部から昇塔することになるが、部外者による昇塔を防止する必要から脚部には昇塔防止装置が設置される。従来の昇塔防止装置としては、脚部を構成する鉄骨材の外周に、該鉄骨材を包囲するように複数個の円弧状の鋼材をヒンジを介して開閉自在(例えば、観音開き状)に配置し、この鋼材から外径方向に放射状に棒状の鋼材を突出させた構成を備えたものがある。本発明では、脚部に固定される固定部材により開閉自在に軸支された可動部材を閉止状態でロックするためのロック手段としてプッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠を利用したので、工具を用いた煩雑なロック、ロック解除作業が不要となる。
請求項2の発明は、前記ロック手段は、前記環状本体、又は前記可動部材の何れか一方に設けられたロック手段本体と、他方に設けられた被ロック部材と、を備えていることを特徴とする。
ロック手段本体にはプッシュボタン等の操作部を設け、被ロック部材はこのロック手段本体に設けたロック機構によって係止される。
請求項3の発明は、前記ロック手段を覆う開閉自在な開閉蓋を備えたことを特徴とする。
この昇塔防止装置は屋外に配置されるため、雨水によりロック手段が浸食されて発錆する虞があるが、開閉蓋により保護することにより雨水による耐久性の低下を防止できる。
本発明の昇塔防止装置では、鉄塔の脚部に対して固定されて脚部外周を包囲する環状本体は、脚部に固定されると共に一部に昇塔用の開放部を有した固定部材と、該開放部を開閉するために該固定部材により開閉自在に支持された可動部材と、該可動部材を閉止状態でロックするロック手段と、を備え、ロック手段は、プッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠である。このため、昇塔防止装置を開放状態、閉止状態にするためのロック手段の操作を効率化して作業員の労苦を低減することができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態としての昇塔防止装置を鉄塔の脚部に組み付けた状態を示す斜視図、及び開放状態の平面図であり、図2(a)(b)(c)及び(d)はロック手段の一例の構成説明図である。
昇塔防止装置1は、鉄塔40の脚部(鉄骨材)41に固定されて脚部外周を包囲する環状本体2と、環状本体外周の周方向に沿った複数箇所から外径方向へ放射状に突設された棒状の鋼材から成る昇塔阻止片30と、を概略備えている。
環状本体2は、脚部41に対してボルトナットを用いて固定されると共に一部に昇塔用の開放部4を有した固定部材3と、開放部4を開閉するために固定部材3の両端部に設けたヒンジ部5により開閉自在(観音開き状)に支持された2つの可動部材10(10A、10B)と、両可動部材10を閉止した状態でロックするロック手段20と、を備えている。固定部材3はその両端部にヒンジ部5を備え、各ヒンジ部5により各可動部材10A、10Bを開閉自在に支持している。固定部材3には、脚部41に固定するための連結部材6が組み付けられており、脚部41を挟んだ状態でボルトナットにより固定する。
なお、固定部材3の一端部に設けたヒンジ部により一つの可動部材を開閉自在に支持することにより開閉部を開閉する構成も本発明の範囲内に含まれるが、以下の実施形態では2つの可動部材を開閉自在に支持した構成例について説明する。
図1(a)のように両可動部材10A、10Bを閉じてロック手段20によりロックした状態では開放部4が閉止されているために昇塔阻止片30が障害となって鉄塔への昇塔が不可能となる。一方、(b)中に破線で示すようにロック手段20を解除して可動部材10を開放することにより開放部4から露出した脚部41を利用して昇塔(降塔)することが可能となる。
昇塔阻止片30は、その基端部に設けた雄螺子部30aを固定部材3、及び可動部材10に設けた穴内に挿通してから雄螺子部にナット31を締結することにより固定される。
ロック手段20は、2つの可動部材10の何れか一方(10A)に固定されたロック手段本体21と、他方の可動部材10Bに固定された被ロック部材25と、を備えている。
本実施形態に係るロック手段20は、プッシュボタン錠、又は回転式ダイヤル錠であるが、図2では、プッシュボタン錠を用いた例を示している。
プッシュボタン錠20は、周知のようにロック手段本体21を構成する複数個のプッシュボタン22と、予め決められた所定のプッシュボタンを所定の順序で所要回数押圧することによって作動して開錠状態となる図示しないロック機構と、開錠状態となったロック機構を閉錠状態に移行させるための操作レバー23と、を備えている。
なお、ロック手段本体21が雨水により浸食されることを防止するために、開閉蓋24を設けても良い(図2(d))。即ち、昇塔防止装置は屋外に配置されるため、雨水によりロック手段が浸食されて発錆する虞があるが、開閉蓋により保護することにより雨水による耐久性の低下を防止できる。
他方の可動部材10Bに設けた被ロック部材25は、ロック手段本体21側に設けたロック機構(可動部材から出没するピン25b)により係止される凹所25a(或いは、突起)を備え、プッシュボタン22の操作によってロック機構がロック解除された状態にある時にはピン25bが非突出状態となるため、被ロック部材25はロック機構(ピン25b)に対して着脱可能となる。開錠状態にあるロック機構を閉錠状態にするためには操作レバー23を所定方向に回動させてピン25bと突出させればよい。従って、図2(a)の閉錠状態を、図2(c)の開錠状態にするためには、プッシュボタン22を操作してロック機構を解除すれば(ピン25bを引っ込めれば)、一方の可動部材10Aを他方の可動部材10Bから離脱させて開放部4を開放させて昇塔可能な状態とすることができる。ロック機構を閉錠状態とするためには、被ロック部材25をロック機構内に差し込んだ状態で操作レバー23を操作すればよい。
ロック機構は、家屋の扉に設けられるプッシュボタン錠に用いられる機構と同様であり、あらゆるロック機構を適用することができるが、例えば、特開2006−118270に示されたロック機構を例示することができる。
次に、図3に示したプッシュボタン錠(ロック手段)の構成例では、ロック機構として軸部26aを中心として上下動するフック部材26を用いており、開錠状態ではフック部材26が破線で示したように開放位置にあるために、他方の回動部材に設けた被ロック部材25の係止突起25cと離間している。一方、閉錠状態では実線で示したようにフック部材は閉止位置にあってその凹所によって係止突起25cを係止することによって可動部材10を開放不能としている。係止突起25cはその頭部を大径の脱落防止部とすることにより、フック部材26の凹所からの脱落を防止できる。
次に、図4(a)及び(b)は他の実施形態に係るロック手段(南京錠タイプ)の構成説明図であり、この南京錠タイプのロック手段20は、プッシュボタン(或いは、回転式ダイヤル)22を備え且つ内部にロック機構を備えたロック手段本体21と、ロック手段本体21から出没するように支持されたU字錠の係止片27と、被ロック部材25と、を備えている。ロック機構のロックが解除された状態で突出した係止片27を被ロック部材25に設けた係止突起25cに係止させてから係止片27をロック手段本体21側に収納してロックすることにより、係止片27によって係止突起25cをロックすることができる。係止片27は頭部を大径の脱落防止部とすることにより係止片27による係止状態を安定させることができる。
なお、ロック手段20として、特開2008−156844公報に開示された如きプッシュ式ダイヤル錠を適用してもよい。
本発明の昇塔防止装置によれば、ロック手段としてプッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠を利用したので、従来のように工具を用いなければ開閉できなかったボルトとナットの締結構造のような煩雑な開閉作業が不要となり、作業員の負担を軽くして作業性を高めることができる。しかも、これらのロック手段の開錠方法を知らない部外者には昇塔防止装置設置箇所からの昇塔が不可能となり、保安性を高めることができる。
これらのロック手段は、ボルト・ナットに比べて錆に強いが、開閉蓋により雨水から保護することにより更にその耐久性を高めることができる。
(a)及び(b)は本発明の一実施形態としての昇塔防止装置を鉄塔の脚部に組み付けた状態を示す斜視図、及び開放状態の平面図である。 (a)(b)(c)及び(d)はロック手段の一例の構成説明図である。 本発明の他の実施形態に係る昇塔防止装置の要部構成を示す裏面図である。 (a)及び(b)は他の実施形態に係るロック手段(南京錠タイプ)の構成説明図である。 (a)及び(b)は従来例の説明図である。
1…昇塔防止装置、2…環状本体、3…固定部材、4…開放部、5…ヒンジ部、6…連結部材、10、10A、10B…可動部材、20…ロック手段、21…ロック手段本体、22…プッシュボタン、23…操作レバー、24…開閉蓋、25…被ロック部材、25a…凹所、25b…ピン、25c…係止突起、26…フック部材、26a…軸部、27…係止片、30…昇塔阻止片、30a…雄螺子部、31…ナット、40…鉄塔、41…脚部

Claims (3)

  1. 送電用鉄塔の脚部に組み付けられる昇塔防止装置であって、
    前記脚部に対して固定されて該脚部外周を包囲する環状本体と、該環状本体の周方向に沿った複数箇所から外径方向へ突設された昇塔阻止片と、を備え、
    前記環状本体は、前記脚部に固定されると共に一部に昇塔用の開放部を有した固定部材と、該開放部を開閉するために該固定部材により開閉自在に支持された可動部材と、該可動部材を閉止状態でロックするロック手段と、を備え、
    前記ロック手段は、プッシュボタン錠、回転式ダイヤル錠、プッシュ式ダイヤル錠、又は南京錠であることを特徴とする昇塔防止装置。
  2. 前記ロック手段は、前記環状本体、又は前記可動部材の何れか一方に設けられたロック手段本体と、他方に設けられた被ロック部材と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の昇塔防止装置。
  3. 前記ロック手段を覆う開閉自在な開閉蓋を備えたことを特徴とする請求項1、又は2に記載の昇塔防止装置。
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