JP2010168826A - 管状支柱 - Google Patents

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Hideyuki Okada
英之 岡田
Hiroshi Matsufuji
弘 松藤
Sunao Okamoto
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Abstract

【課題】衝撃エネルギの吸収量を増大させると共に、衝撃力が一方の方向から作用した場合と他方の方向から作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が等しくなるような管状支柱を提供する。
【解決手段】管状支柱100は、ベースプレート10と、ベースプレート10に形成された支柱用孔14に挿入されて溶接部W1によって固定された角形鋼管40とを有し、角形鋼管40の曲げ荷重が作用する面である正面41aと正面41aに対峙する背面41cとを連結する側面41b、41dの幅方向の中央で、下端43に近い所定範囲に縦スリット50b、50dがそれぞれ形成され、正面41aおよび背面41cが道路の車線の方向または橋梁の橋軸方向に平行になるように、中央分離帯に設置される。
【選択図】図1

Description

本発明は管状支柱、特に、道路等に設置される防護柵等の固定に用いられる管状支柱に関する。
従来、道路に設置されるガードレール、ガードパイプ、ガードケーブル、また橋梁に設置される高欄等(本明細書において、これらを「防護柵等」と総称する)は、間隔を設けて設置された支柱に固定されている。かかる支柱は、車両(二輪車を含む)が衝突した際の衝突による衝撃力(正確には衝撃エネルギ)を吸収して車両を受け止める必要があることから、所定の剛性を有する鋼管(丸形金属管や角形金属管を含む)やH形鋼によって製造され、基礎に固定されたベースプレートに溶接接合されている。
このとき、鋼管支柱とベースプレートとの溶接部に亀裂が生じて溶接部が破断したのでは、荷重が急激に低下し、鋼管支柱は所望の変位を保証するだけの変形をしていないことになり、衝撃エネルギの吸収量が増加しないという問題があった。
そして、本願の発明者等は、先行して座屈する部分を鋼管支柱の圧縮側に設け、そこを積極的に座屈させることによって鋼管支柱の広い範囲を塑性変形させると共に、溶接部の破断を防止し、これによって鋼管支柱の衝撃エネルギの吸収量を増大させる発明を開示している(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−202393号公報(第8−9頁、図6)
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、鋼管支柱に特定の方向から作用する衝撃力に対しては、衝撃エネルギの吸収量が増大するという顕著な効果を奏するものの、特定の方向とは異なる方向(例えば、180°反対方向)から作用する衝撃力に対しては、衝撃エネルギの吸収量が必ずしも増大しない。
このため、例えば、道路または橋梁の中央分離帯に設置された際、衝撃力が一方の方向(例えば、上り車線から下り車線に向かう方向)から作用した場合と、他方の方向(例えば、下り車線から上り車線に向かう方向)から作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が相違するという問題があった。
本発明は、このような問題に応えるためになされたものであり、衝撃エネルギの吸収量を増大させると共に、衝撃力が一方の方向から作用した場合と他方の方向から作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が等しくなるような管状支柱を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る管状支柱は、基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面矩形状の管体とを有し、
前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くにおいて、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面と圧縮応力が発生する側の面とを連結する一対の面の幅方向略中央位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする。
(2)また、基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面矩形状の管体とを有し、
前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くであって、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面と圧縮応力が発生する側の面とを連結する一対の面における管軸方向の応力が略0になる位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする。
(3)また、前記(1)または(2)において、道路または橋梁の中央分離帯に設置され、前記引っ張り応力が発生する側の面および前記圧縮応力が発生する側の面が、前記道路の車線の方向または前記橋梁の橋軸方向に略平行であることを特徴とする。
(4)また、基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面円形状の管体とを有し、
前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くにおいて、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、円周方向において引っ張り応力が発生する範囲と圧縮応力が発生する範囲との一対の境界に、それぞれ管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする。
(5)また、前記(4)において、道路または橋梁の中央分離帯に設置され、前記一対の境界を結ぶ面が、前記道路の車線の方向または前記橋梁の橋軸方向に略平行であることを特徴とする。
(6)また、前記(1)〜(5)の何れかにおいて、前記縦スリットの下端が、前記ベースプレートの上面に達することを特徴とする。
(7)また、前記(1)〜(6)の何れかにおいて、前記ベースプレートに貫通孔が形成され、該貫通孔に前記管体の下端部が挿入されてなることを特徴とする。
(8)さらに、前記(1)において、前記縦スリットが、前記一対の面の幅方向略中央位置に、それぞれ2本以上設けられることを特徴とする。
(9)さらに、前記(2)において、前記縦スリットが、前記一対の面における管軸方向の応力が略0になる位置に、それぞれ2本以上設けられることを特徴とする。
本発明に係る管状支柱は以上の構成であるから、以下の効果を奏する。
(i)本発明に係る断面矩形状の管状支柱は、管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面(以下「正面」と称す)と圧縮応力が発生する側の面(以下「背面」と称す)とを連結する一対の面(以下「側面」と称す)の幅方向中央位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されている。
したがって、ベースプレートと管体との接合部の近くにおいて、断面矩形状である管体は対向する一対の縦スリットによって、一対の断面コ字状に分割されている。このため、特に、正面を含む断面コ字状部分では先端同士の間隔(一対の縦スリットの側縁の先端同士の正面に平行な距離に同じ)が外側に拡がり又は内側に侵入して塑性変形が促進されるため、正面とベースプレートとの接合部にかかる引っ張り力が減少する(正確には、引っ張り力の増加が遅くなる)から、衝撃エネルギの吸収量が増加する。
さらに、管体が一対の縦スリットを結ぶ面に対して対称であるから、正面とした面に背面とした面の方向の衝撃力が作用した場合と、背面とした面に正面とした面の方向の衝撃力が作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が等しくなる。
なお、本発明において、衝撃力とは荷重速度(単位時間当たりの荷重の大きさ、すなわち、作用する荷重の時間に対する微分値)が比較的大きい(速い)ものを意味しているが、荷重速度が小さい(遅い)ものを排除するものではないから、衝撃エネルギは塑性変形エネルギと称呼されるものに同じである。
(ii)また、管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面(仮に、正面とする)と圧縮応力が発生する側の面(仮に、背面とする)とを連結する一対の面(側面とする)における管軸方向の応力が略0になる位置に、即ち、引っ張り応力が発生する範囲と圧縮応力が発生する範囲との境界である「中立軸」に略一致する位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されている。したがって、たとえば、正面の板厚と背面の板厚が相違するような場合であっても、前記(i)と同様の効果が得られる。
(iii)また、道路または橋梁の中央分離帯に設置され、一対の縦スリットを結ぶ面が、道路の車線の方向または橋梁の橋軸方向に略平行であるから、一方の車線側から衝撃力が作用した場合と、他方の車線側から衝撃力が作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が等しくなる。
(iv)また、ベースプレートと管体との接合部の近くにおいて、断面円形状である管体は対向する一対の縦スリットによって、一対の断面半円(円弧)状に分割されているから、前記(i)と同様に、衝撃エネルギの吸収量が増加すると共に、正面または背面から衝撃力が作用した場合、衝撃エネルギの吸収量が等しくなる。
(v)また、縦スリットの下端がベースプレートの上面に達するから、特に、縦スリットの下端近傍における側縁の塑性変形が促進されるから、ベースプレートと管体との接合部にかかる引っ張り力が緩和されて亀裂の発生が遅くなるため、衝撃エネルギの吸収量が増加する。
(vi)また、ベースプレートに形成された貫通孔に管体の下端部が挿入されるから、管体の外周の外周方向の変形が、貫通孔によって拘束されるから、ベースプレートと管体とを接合する溶接部の負担が減少すると共に、管体の下端面と貫通孔の内側とを接合することができるから溶接線の長さが略倍増する。したがって、接合部における破断のおそれが減少して亀裂の発生が遅くなるため、衝撃エネルギの吸収量が増加する。
(vii)さらに、縦スリットが、一対の面(側面)に、それぞれ2本以上設けられるから、前記(i)と同様の効果が確実に得られる。
本発明の実施の形態1に係る角形管状支柱を模式的に示す正面図等。 本発明の実施の形態1に係る角形管状支柱を模式的に示す断面図。 図1に示す角形管状支柱を曲げた際の変形挙動を模式的に示す斜視図。 図1に示す角形管状支柱の縦スリットの効果を示す荷重−変位曲線。 図1に示す角形管状支柱の縦スリットのバリエーションを示す側面図。 本発明の実施の形態2に係る丸形管状支柱を模式的に示す正面図等。 柵用材設置部のバリエーションを模式的に示す正面図等。 柵用材設置部のバリエーションを模式的に示す正面図等。 柵用材設置部のバリエーションを模式的に示す正面図等。
[実施の形態1:角形鋼管]
(全体構成)
図1、図2は本発明の実施の形態1に係る角形管状支柱を模式的に示すものであって、図1の(a)は正面図、図1の(b)は側面図、図1の(c)は背面図、図1の(d)は底面図、図2の(a)は側面視の断面図、図2の(b)は平面視の断面図である。
図1、図2において、角形管状支柱100は道路や橋梁の中央分離帯に設置されるものであって、矩形状の鋼板からなるベースプレート10と、ベースプレート10に立設された角形鋼管40(断面矩形の管体に相当する)と、図示しない防護柵等を設置するために角形鋼管40に設置された柵用材設置部30と、を有している。
(ベースプレート)
ベースプレート10は、矩形状の鋼板であって、中央に角形鋼管40が挿入(または嵌入)される支柱用孔14と、図示しない基礎に設置する際に、設置用ボルトが貫通する設置用孔13と、が形成されている。なお、矩形状の鋼板に替えて、丸形の鋼板であってもよい。なお、支柱用孔14の形成を省略して、角形鋼管40の下端43をベースプレート10の上面11に当接して固定するようにしてもよい。
(角形鋼管)
角形鋼管40は、曲げ荷重が作用する面(引っ張り面に同じ)である正面41a(たとえば、車道に平行な面)と、正面41aに対峙する背面(圧縮面に同じ)41cと、正面41aと背面41cとを連結する側面(たとえば、車道に対して直角方向の面)41b、41dとを有している。さらに、角形鋼管40の上端44の近くには、柵用材設置部30を設置するための柵用材固定用孔45が形成されている。
なお、角形鋼管40は二方向から曲げ荷重が作用することを想定しているから、正面41aあるいは背面41cとは説明の便宜上のものであって、曲げ荷重が作用する方向が入れ替わった場合には、正面41aを背面41cと、背面41cを正面41aと、それぞれ読み替えるものである。
角形鋼管40の下端43は、ベースプレート10に形成された支柱用孔14に挿入(または嵌入)され、角形鋼管40の外面とベースプレート10の上面11とが溶接部W1によって、角形鋼管40の下端43とベースプレート10の支柱用孔14の内面とが溶接部W2によって、それぞれ溶接固定されている。
なお、ベースプレート10に支柱用孔14が形成されない場合には、角形鋼管40の下端43がベースプレート10の上面11に当接し、溶接部W1のみにおいて上面11に溶接固定される。
(縦スリット)
また、角形鋼管40の側面41b、41dの幅方向の略中央で、下端43に近い所定範囲に、縦スリット50b、50dがそれぞれ形成されている。したがって、当該範囲における底面図(平面視の断面図に同じ)では、正面41aを含む断面コ字状部分42aと、背面41cを含む断面コ字状部分42cと、に分割されている。
すなわち、正面側の断面コ字状部分42aは、正面41aと、側面41bの正面41a側の部分41baと、側面41dの正面41a側の部分41daと、から形成される。また、背面側の断面コ字状部分42cは、背面41cと、側面41bの背面41c側の部分41bcと、側面41dの背面41c側の部分41dcと、から形成される。
なお、以下の説明において、縦スリット50bおよび縦スリット50dを、まとめてまたはそれぞれを「縦スリット50」と総称する場合がある。縦スリット50は、角形鋼管40の下端43に到達する貫通溝であって、その長さおよび幅は限定するものではない。
たとえば、図2に示すように、ベースプレート10の上面11からの距離(H)が40mm以上で75mm以下(40mm≦H≦75mm)の場合、後記するように、縦スリット50近傍の変形が促進され、溶接部W1の正面41aの範囲に作用する引っ張り力が緩和されることになる。
また、縦スリット50の幅(隙間)を広くするほど、角形鋼管40の塑性変形をする体積が減少するから、約5mm以下に抑えるのが好適である。そして、縦スリット50を挟んで正面41a側と、背面41c側との間で、力の受け渡しが不能(力学的に絶縁状態)であればよいから、隙間がなくてもよい(当接してもよい)。
なお、縦スリット50は下端43に到達しているが、本発明はこれに限定するものではなく、下端43に到達しないもの、すなわち、支柱用孔14に挿入された範囲では全周が連続した矩形状であってもよい。このとき、溶接部W2は全周が連続しても、断続してもよい。
(柵用材設置部)
柵用材設置部30の一例として、角形鋼管40の上端44の近くの正面(道路側)に設置される矩形部材31であって、柵用材を固定するための柵用材固定用孔33a、33b、35が形成されている。柵用材固定用孔35(正面側)と角形鋼管40に形成された柵用材固定用孔45(背面側)と対峙しているため、両者を貫通する共通のボルトによって柵用材を固定することができる。なお、柵用材固定用孔35を省略した場合には、角形鋼管40に柵用材固定用孔45は形成されない。また、柵用材設置部30の形態(構造・形状)はこれに限定するものでなく、設置される柵用材の形状に応じて、適宜変更されるものである。
(変形挙動)
図3は、図1に示す角形管状支柱100を曲げた際の変形挙動を模式的に示す斜視図であって、図3の(a)は変形の初期の状態、図3の(b)は変形が進んだ状態である。なお、図中の各部位の寸法(大小関係)は限定するものではなく、また、局部変形による増肉や減肉については図示しない。また、図面を簡単にするため、設置用ボルトがベースプレート10の設置用孔13を貫通しているが、これらを図示しない。
図3の(a)において、角形管状支柱100は、正面41aから背面41cの方向に作用する略水平方向の荷重が、正面41aに作用した場合、正面側の断面コ字状部分42aの部分41baの先端(縦スリット50bの側縁に相当する)と部分41daの先端(縦スリット50dの側縁に相当する)には圧縮応力が発生して、両者間の正面41aに平行な距離が変動して、それぞれ外部に向かって湾曲する。
すなわち、正面側の断面コ字状部分42aは、縦スリット50の存在によって、縦スリット50のない(正面側の断面コ字状部分42aと背面側の断面コ字状部分42bとが連続した断面矩形状である)場合に比較して、塑性変形が容易に進行するから、その分、溶接部W1の正面41aの範囲に作用する引っ張り力が低下する。よって、当該位置における亀裂の発生時期が遅くなり衝撃エネルギ(塑性変形エネルギに同じ)の吸収量が増大する。
さらに、図3の(b)において、変形が進むに伴って正面側の断面コ字状部分42aは、前記変形が促進され、部分41ba、41daの先端(縦スリット50b、50dの側縁に相当する)は略円弧になって外側に突出する。したがって、縦スリット50の側面視における見掛け上の高さは、当初の高さ(長さ)より低くなっている。なお、正面41aは、引っ張り力が作用するため、曲率半径の大きな滑らかな面を保っている。
一方、背面側の断面コ字状部分42cは、背面41cに圧縮力が作用しているから、背面41cは座屈して、内側に侵入する方向に大きく湾曲し、その両脇の部分41bc、41dcは、外部に向かってさらに大きく湾曲している。
すなわち、側面41b、41dが縦スリット50b、50dによって分断されているため、背面41cの両脇の拘束が低下し、背面41cの座屈(塑性変形)が進んだものと考えられる。
(縦スリットの効果)
図4は、図1に示す角形管状支柱100における縦スリットの効果を確認するための試験結果を示す荷重−変位曲線である。すなわち、辺の長さが100mmmで肉厚が4.5mmの角形鋼管(100×100×4.5)の管状支柱について、ベースプレートから800mmの位置でベースプレートに平行な荷重をかけた曲げ試験を実施した。なお、この角形鋼管支柱100は、角形鋼管40の下端43を支柱用孔14に挿入していない形態のもの、即ち、ベースプレート10の上面11に当接して固定した形態である。
図4の(a)は縦スリットが有る場合であって、最大荷重は35.7kNに達し、目標変位300mmを過ぎても荷重が落ちていない。すなわち、縦スリットの効果によって、引っ張り側の面とベースプレートとの接合部に亀裂が発生することなく、角形鋼管の変形が進んでいる。
一方、図4の(b)は縦スリットがない場合であって、最大荷重は縦スリットが有る場合と略同じであるものの、最大荷重を過ぎた後は、早期に引っ張り側の面とベースプレートとの接合部に亀裂が発生して、荷重が急激に減少している。
なお、図4の(a)における縦スリットは、幅10mm、高さ(長さ)50mm、側面視において上端隅部は半径5mmの半円状、縦スリットの下端は角形鋼管の下端に達しているものであるが、縦スリットの幅や高さを変更しても、前記と同様に、縦スリットの効果が得られている。
なお、角形管状支柱100は、縦スリット50bと縦スリット50dとを結ぶ面を対称面とする対称形であるから、背面41cに正面41a方向の曲げ荷重が作用した場合には、背面41cを正面41aと、正面41aを背面41cと読み替えることができる。
そして、角形管状支柱100は、正面41aおよび背面41cが走行車線の方向と平行になる(前記対称面が走行車線に対して平行になるに同じ)ように道路や橋梁の中央分離帯に設置されるものであるから、たとえば、上り車線から下り車線に向かって衝撃力が作用した場合も、下り車線から上り車線に向かって衝撃力が作用した場合も、同じ量の衝撃エネルギを吸収することができる。
さらに、以上は、角形管状支柱100の肉厚が、いずれの面においても同一である場合を例示しているが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、正面41aの肉厚と背面41cの肉厚とが相違してもよい。このとき、縦スリット50bと縦スリット50dとは、「中立軸」に略相当する位置に形成されることになる。
なお、中立軸とは、正面41aまたは背面41cの一方に他方に向けて曲げ荷重が作用した場合、少なくとも弾性変形の範囲(曲げ荷重が小さい)において、側面における引っ張り応力が発生する範囲と圧縮応力が発生する範囲との境界、すなわち、側面における管軸方向の応力が0(ゼロ)になる位置を指している。
さらに、側面41b、41dにおける縦スリット50b、50dは、それぞれ1本であるものに限定するものではなく、それぞれ2本以上にして、側面41b、41dの幅方向略中央部(中立軸を含む所定幅の範囲)に所定の間隔を設けて配置してもよい。
(縦スリットのバリエーション)
図5は、図1に示す角形管状支柱における縦スリットのバリエーションを模式的に示す側面図である。図5の(a)は、下端43に到達する長方形の縦スリット(貫通溝に同じ)50である。なお、上端隅部を円弧にしているが、略矩形状や略Λ(ラムダ)字状にしてよい。また、長方形の幅(短辺の長さ)は限定されるものではなく、離反可能に当接してもよい。また。長方形に替えて、三角形や台形にしてもよい。
図5の(b)は、下端43に到達する略菱形(略六角形)の縦スリット51である。したがって、変形の初期において、側縁の中央(幅が広い)に変形が集中する。なお、上端隅部を円弧にしたり、上端(台形においては底辺)を円弧にしたりしてもよい。さらに、く字状の側縁を円弧にしてもよい。
図5の(c)は、下端43に到達する幅の狭い縦スリット52であり、その管軸方向の中央に貫通孔53が形成されている。したがって、変形の初期において、貫通孔53に変形が集中する。なお、縦スリット52の幅(側縁同士の隙間)は限定されるものではない。
図5の(d)、(e)、(f)はそれぞれ図5の(a)、(b)、(c)に対応している。図5の(d)は、下端43に到達しない長方形の縦スリット(貫通溝に同じ)60である。しかしながら、角形鋼管40がベースプレート10に設置された状態では、下端部は支柱用孔14に挿入されているから、縦スリット60の下端はベースプレート10の上面11よりも下方または略同一面に位置している。なお、角形鋼管40の下端43は全周が繋がっているから、溶接部W2の形成が容易になる。
また、縦スリット61、62についても同様であって、角形鋼管40の下端43に到達していない。縦スリット62には、貫通孔63が形成されている。
[実施の形態2:丸形鋼管]
図6は本発明の実施の形態2に係る丸形管状支柱を模式的に示すものであって、図6の(a)は側面視の断面図、図6の(b)は平面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6において、丸形管状支柱200は、実施の形態1における角形鋼管40を丸形鋼管80に変更したものであって、ベースプレート10に溶接部W3によって固定されている。
すなわち、丸形鋼管80の対称位置(軸心を通過する面内)には、下端83に到達する一対の縦スリット50b、50dが設けられ、一対の略半円状の断面円弧状部分82a、82cと、に分割されている。
そして、断面円弧状部分82aの幅方向の略中央に、断面円弧状部分82cの幅方向の略中央に向かう曲げ荷重が作用した場合、断面円弧状部分82a(引っ張り側)の両先端(縦スリット50bの側縁、および縦スリット50dの側縁に相当する)には圧縮応力が発生して、両者間の距離が変動して、それぞれ外部に向かって湾曲する。
すなわち、引っ張り側である断面円弧状部分82aは、圧縮側である断面円弧状部分82cと一体の場合(円環状である場合)に比較して塑性変形が容易に進行するから、その分、溶接部W3の作用する引っ張り応力が低減され、当該位置における亀裂の発生時期が遅くなり衝撃エネルギ(塑性変形エネルギに同じ)の吸収量が増大する。
そして、丸形管状支柱200は道路や橋梁の中央分離帯に設置され、縦スリット50bと縦スリット50dとを結ぶ面(対称面に同じ)が車線の方向に対して垂直になるように設置されるから、実施の形態1と同様に、たとえば、上り車線から下り車線の方向に向かって衝撃力が作用した場合も、下り車線から上り車線の方向に向かって衝撃力が作用した場合も、同じ量の衝撃エネルギを吸収することができる。
なお、ベースプレート10には、支柱用孔14が形成されていないから、丸形鋼管80の下端83は、ベースプレート10の上面11に当接し、溶接部W3において溶接固定されているが、実施の形態1と同様に、支柱用孔14を形成して、丸形鋼管80の下端83が支柱用孔14に挿入され、下端83が支柱用孔14の内面との間でも溶接されるようにしてもよい。
(柵用材設置部のバリエーション)
図7〜図9は柵用材設置部のバリエーションを模式的に示すものであって、それぞれ(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、柵用材設置部230は、角形鋼管40の上端44の近くの正面(道路側)と管軸方向の中央部の正面(道路側)とに、それぞれブラケット232a、232bを介して設置される柵用材(鋼管部材)231a、231bである。なお、柵用材設置部230の形態はこれに限定するものでなく、設置される柵用材の数量や形状に応じて、適宜変更されるものである。
図8において、柵用材設置部330は、正面視(背面視に同じ)において略コ字状に曲げられ板材(水平部331、鉛直部332a、332bを具備する)であって、鉛直部332a、332bには、角形鋼管40に形成された取付孔46a、46bを貫通する取付ボルト(図示しない)が貫通する取付孔334a、334bが形成されている。
また、鉛直部331a、331bの正面側はそれぞれ折り曲げられ、柵用材固定部333a、333bが形成されている。そして、柵用材固定部333aおよび柵用材固定部333bには、それぞれ柵用材を固定するための柵用材固定用孔335a、336aおよび柵用材固定用孔335b、336bが形成されている。
図9において、柵用材設置部430は、角形鋼管40の上端44に形成された段差部47に設置される断面L字状部材431(鉛直部432および水平部433を具備する)と、角形鋼管40の管軸方向の略中央に設置される矩形部材435とから形成されている。
断面L字状部材431の水平部433および矩形部材435には、それぞれ柵用材を固定するための柵用材固定用孔434a、434bおよび柵用材固定用孔436a、436bが形成されている。
本発明は以上の構成であるため、2つの対向する面は対称であるので、対向する面の一方側(仮に正面とする)から衝撃力が作用した場合と、対向する面の他方側(仮に背面とする)から衝撃力が作用した場合とで、衝撃エネルギの吸収量が等しく、しかも、衝撃エネルギの吸収能力を保証することができるから、道路や橋梁の中央分離帯に設置される支柱として利用されるだけでなく、二方向からの荷重に対して当該荷重のエネルギを吸収することが要求される各種支柱として広く利用することができる。
10 ベースプレート
11 上面
13 設置用孔
14 支柱用孔
30 柵用材設置部
31 矩形部材
33a 柵用材固定用孔
35 柵用材固定用孔
40 角形鋼管(実施の形態1)
41a 正面
41b 側面
41ba 部分
41bc 部分
41c 背面
41d 側面
41da 部分
41dc 部分
42a 断面コ字状部分
42c 断面コ字状部分
43 下端
44 上端
45 柵用材固定用孔
46a 取付孔
47 段差部
50 縦スリット
50a 縦スリット
50b 縦スリット
50d 縦スリット
51 縦スリット
52 縦スリット
53 貫通孔
60 縦スリット
61 縦スリット
80 丸形鋼管(実施の形態2)
82a 断面円弧状部分
82c 断面円弧状部分
83 下端
100 角形管状支柱(実施の形態1)
200 丸形管状支柱(実施の形態2)
230 柵用材設置部
232a ブラケット
330 柵用材設置部
331 水平部
331a 鉛直部
332a 鉛直部
333a 柵用材固定部
333b 柵用材固定部
334a 取付孔
335a 柵用材固定用孔
335b 柵用材固定用孔
430 柵用材設置部
431 L字状部材
432 鉛直部
433 水平部
434a 柵用材固定用孔
435 矩形部材
436a 柵用材固定用孔
W1 溶接部
W2 溶接部
W3 溶接部

Claims (9)

  1. 基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面矩形状の管体とを有し、
    前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くにおいて、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面と圧縮応力が発生する側の面とを連結する一対の面の幅方向略中央位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする管状支柱。
  2. 基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面矩形状の管体とを有し、
    前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くであって、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、引っ張り応力が発生する側の面と圧縮応力が発生する側の面とを連結する一対の面における管軸方向の応力が略0になる位置に、管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする管状支柱。
  3. 道路または橋梁の中央分離帯に設置され、前記引っ張り応力が発生する側の面および前記圧縮応力が発生する側の面が、前記道路の車線の方向または前記橋梁の橋軸方向に略平行であることを特徴とする請求項1または2記載の管状支柱。
  4. 基礎に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに立設された断面円形状の管体とを有し、
    前記ベースプレートと前記管体との接合部の近くにおいて、前記管体が片持ち梁状に曲げられた際、円周方向において引っ張り応力が発生する範囲と圧縮応力が発生する範囲との一対の境界に、それぞれ管軸方向に長い貫通する縦スリットが形成されていることを特徴とする管状支柱。
  5. 道路または橋梁の中央分離帯に設置され、前記一対の境界を結ぶ面が、前記道路の車線の方向または前記橋梁の橋軸方向に略平行であることを特徴とする請求項4記載の管状支柱。
  6. 前記縦スリットの下端が、前記ベースプレートの上面に達することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の管状支柱。
  7. 前記ベースプレートに貫通孔が形成され、
    該貫通孔に前記管体の下端部が挿入されてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の管状支柱。
  8. 前記縦スリットが、前記一対の面の幅方向略中央位置に、それぞれ2本以上設けられることを特徴とする請求項1記載の管状支柱。
  9. 前記縦スリットが、前記一対の面における管軸方向の応力が略0になる位置に、それぞれ2本以上設けられることを特徴とする請求項2記載の管状支柱。
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