JP2010168250A - 構造色発色体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】美麗な構造色を呈し、かつ、化学的及び熱的安定性に優れた構造色発色体を提供する。
【解決手段】水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)と混合して混合溶液を形成し、次いで該混合溶液から溶媒を除去することにより得られてなる構造色発色体。溶液(A)と溶液(B)の混合比率を変えることにより、青色、緑色、赤色、金色およびその中間色を発色する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光干渉性を有する構造色発色体およびその製造方法に関する。
自然界に存在する色は、色素や顔料などによる色素色(化学的発色)と、光干渉性による構造色とに大別することができる。色素色は光のエネルギーが物質の電子エネルギーに変化するときに見える色で、例えば、反射色は物質により吸収、透過した残りの色であり、透過色は吸収、反射した残りの色のことである。
この色素色は、色素や顔料などの化学的発色剤を対象物に塗布し乾燥するだけの極めて簡便な操作で化学的に発色させることができるという利点がある一方で、色素や顔料物質を使用するため、近年、リサイクル性や環境保護の観点から問題視されるようになり、さらに紫外線による褪色という本質的に解決できない問題も抱えている。
これに対し、光干渉性による構造色は物質そのものが色素を持たないので、光と物質の間でエネルギーのやりとりがなく、可視領域の光の波長あるいは、それ以下の微細構造を持つことで生じる光学現象、例えば、光の干渉、回折、散乱およびフォトニック結晶によって発色する色のことである。代表的な構造色の例として、自然界では、モルフォ蝶の翅、孔雀の羽、玉虫の甲殻そしてオパールの遊色などがある。これらの構造色の発色原理については、例えば、モルフォ蝶の翅が独特の「きらきら光る青色」を呈するのは、モルフォ蝶の翅の鱗粉上の筋が約0.2μm間隔の規則的な棚構造になっており、これらの多層膜干渉によって、強烈な青色の構造色を発色するためであることが明らかにされている(例えば、非特許文献1、2参照)。
近年、構造色を呈する構造物(以下、「構造色発色体」と称す。)を人工的に形成する方法が注目されている。
例えば、ナノテクノロジーの一つである集束イオンビームCVD法によって、モルフォ蝶の翅の鱗粉上の棚構造とほぼ同じ構造を作り、モルフォ蝶独特の翅の構造色をほぼ再現することができるようになった(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、この方法では高価な装置を使用する必要があるため高コストであり、その製造工程も複雑で量産性に問題がある。
溶媒中の棒状または板状コロイド粒子が重力により沈降し、自己組織化することで、構造色を発現することは、以前から知られている(例えば、非特許文献4)。例えば、酸化バナジウム(V)やタバコモザイクウイルス、ミオシン、フィブリン、ベンゾパープリンなどの棒状コロイド粒子はゾル状態において集合し、光学的異方性を示す。このように自然に光学的異方性を示すゾルをタクトゾル(tactosol)といい、タクトゾルのコロイド粒子が平行に配列してできる粒子群による現象はタクトイド(tactoid)と呼ばれている。古い水酸化鉄コロイドゾルや酸化タングステンゾルなどの板状コロイド粒子は配列して層状(層間隔:約200〜400μm)をなし、容器の底の方では、層が垂直方向に規則正しく並んでいる。この規則正しい層配列のため、反射光は赤や青の構造色(干渉色)を呈する。この配列した層をシラー層(Schiller layer)または多色層(iridescent layer)といい、層の形成は非常に再現性がよく、振り混ぜてのち、静置すると、また元の状態の層が形成される。
一方、構造色発色体を人工的に形成する他の方法として、シリカのようなμmオーダーの球状粒子を規則的に配列させる方法がある。これらの球状粒子を自然沈降させて堆積させたり、電気泳動などにより、基板上に球状粒子を集積する方法などで形成される構造色発色体の研究が多方面で行われている(例えば、非特許文献5、6)。
Shuichi Kinoshita, Shinya Yoshioka and Kenji Kawagoe「Mechanisms of structural color in the Morpho butterfly: cooperation of regularity and irregularity in an iridescent scale」Proc. R. Soc. Lond. (2002). B269、第1417頁〜第1422頁 木下修一、吉岡伸也「昆虫、特にモルフォチョウの構造色」繊維と工業 (Seni to Kogyo)Vol.59(2003)第35頁〜第39頁 Keiichiro Watanabe、Takayuki Hoshino、Kazuhiro Kanda、Yuichi Haruyama、 Shinji Matsui「Brilliant Blue Observation from a Morpho-Butterfly-Scale Quasi-Structure」 Jpn. J. Appl. Phys. (2005)、Vol.44、第L48頁〜第L50頁 H. Zocher「 Die optischen Methoden zur Untersuchung der Anisotropie in Kolloiden」Z. Anorg. Allg. Chem. 147, 91 (1925). 吉永 耕二、小林 恒定、辛川 弘行、「単分散な高分子電解質−修飾コロイダルシリカの調製と表面ゼータ電位の制御」高分子論文集(Koubunshi Ronbunsyu)、Vol.57、No.4(2000)、第244頁〜第250頁 Hiroshi Fudouzi, Younan Xia,「Photonic Papers and Inks: Color Writing with Colorless Materials」, Advanced Materials,(2003)、Vol.15、No.11、June 5、第892頁〜第896頁
このようにナノテクノジーの発展により微細な構造が造られるようになって、構造色発色体の応用研究・開発は急速に進んできた。
しかしながら、構造色発色体として現在、主として使用されているものは、非特許文献5、6等で開示されているシリカなどからなる球状粒子であるが、このシリカ等の球状粒子の自己集合化によって形成されたコロイド結晶薄膜(構造色発色体)は、その基体への固定化に長時間を必要とし、量産性に問題がある。また、単一粒径のシリカ球状粒子は、高価なものが多く、形成されるコロイド結晶薄膜(構造色発色体)は高コストである。
一方で、安価な水酸化鉄(III)コロイドの自己組織化によって形成される構造色発色体は、ゾル状態でのみ安定であり、構造色を呈した状態で、乾燥させてゾル中から取り出すことは極めて困難である。
このように、色素や顔料などの化学的発色剤を対象物に塗布し乾燥するだけの極めて簡便な操作で発色させることができる色素色(化学的発色)に対し、このような簡便な操作で安定した耐久性のある構造発色を可能にする構造色発色体は未だに開発されていないのが実情である。
かかる状況下、本発明の目的は、塗布・乾燥などの簡便な操作で形成することが可能であり、かつ、機械強度、化学的安定性および熱的強度の高い構造色発色体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸化鉄(III)コロイドとハロゲン化鉛との混合物を含む混合溶媒の蒸発する過程で自己組織化して形成される薄膜状の構造物発色体が鮮明な構造色を呈し、かつ、この構造物発色体が機械的強度、化学的安定性および熱的強度に極めて優れていることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記の発明に係るものである。
<1> 水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)と混合して混合溶液を形成し、次いで該混合溶液から溶媒を除去することにより得られてなる構造色発色体。
<2> 前記混合溶液に含まれる水酸化鉄(III)とハロゲン化鉛のモル比が、1.0〜25の範囲である請求項1記載の構造色発色体。
<3> 溶液(A)の溶媒が水であり、かつ、溶液(B)の溶媒が、エタノールである前記<1>または<2>に記載の構造色発色体。
<4> 前記混合溶液の溶媒の除去を、温度20〜35℃、かつ、相対湿度40〜80%の条件で溶媒を蒸発させて、乾燥させることで行う前記<3>記載の構造色発色体。
<5> ハロゲン化鉛が、ヨウ化鉛(II)である前記<1>から<4>のいずれかに記載の構造色発色体。
<6> 前記溶液(A)を、予め、孔径または保留粒子径0.2〜5μmのフィルターまたはろ紙でろ過した後に前記溶液(B)と混合する前記<1>から<5>のいずれかに記載の構造色発色体。
<7> 水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)と混合して混合溶液を形成する工程と、該混合溶液から溶媒を蒸発させて、乾燥させる工程とを含む構造色発色体の製造方法。
<8> 前記混合溶液の溶媒の除去を、温度20〜35℃、かつ、相対湿度40〜80%の条件で溶媒を蒸発させて、乾燥させることで行う前記<7>記載の構造色発色体の製造方法。
<9> ハロゲン化鉛が、ヨウ化鉛(II)である前記<7>または<8>に記載の構造色発色体の製造方法。
本発明の構造色発色体は、機械的強度、化学的安定性および熱的強度に極めて優れており、構造発色を長期にわたって維持することができる。また、本発明の構造色発色体の原料化合物は安価であるため、製造コストを低く抑えることができる。
実施例2の構造色発色体(青色)の写真である。 実施例6の構造色発色体(緑色)の写真である。 実施例7の構造色発色体(赤色)の写真である。 実施例8の構造色発色体(金色)の写真である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明は、水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)と混合して形成した混合溶液から、次いで該混合溶液から溶媒を除去することにより得られてなる構造色発色体に係るものである。
本発明の構造色発色体の特徴は、水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)とを混合し、溶媒を蒸発させて、乾燥するなどにより、混合溶液の溶媒を除去するという簡単な操作によって、機械的強度や化学的安定性および熱的強度に極めて優れており、様々な色彩(青色、緑色、赤色、金色または、それらの中間色からなる単色の構造色)を呈する薄膜状の構造色発色体を形成できることにある。
このような簡単な操作によって顕著な構造色を発色する構造色発色体を形成できる理由については、現段階では完全に明らかでないが、混合液の溶媒(好適にはアルコールと水の混合溶媒)が徐々に蒸発する過程で、水酸化鉄(III)コロイドが自己組織化して、規則性のある構造体が形成され、その構造体の安定性の向上にハロゲン化鉛が寄与している、と推測される。
なお、構造色発色体が美麗に構造色を発色するためには、前記混合溶液に含まれる水酸化鉄(III)とハロゲン化鉛のモル比が、1.0〜25の範囲であることが好ましく、2.5〜10の範囲であることが特に好ましい。
水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)において、溶液(A)の溶媒としては、水酸化鉄(III)コロイドが分散できる溶媒であればよく、具体的には、水、メタノールやエタノールなどの低級アルコール類を挙げることができ、これらは1種類または2種類以上を混合して使用してもよい。
特に、水酸化鉄(III)コロイドの安定性の観点からは、溶液(A)の溶媒は、水を含むことが好ましく、特には水であることが好ましい。
溶液(A)の水酸化鉄(III)コロイドの濃度は、Fe原子換算濃度で、1×10-4〜2×10-3mol/Lの範囲であることが好ましく、5×10-4〜1×10-3mol/Lであることが特に好ましい。
濃度が1×10-4mol/L未満の場合は、構造色の発色が不明瞭になるという問題があり、逆に2×10-3mol/Lを超える場合には、後述する溶媒除去を行う際に水酸化鉄(III)コロイドの配列が乱れ、構造発色を呈しにくくなるという問題がある。
溶液(A)において、水酸化鉄(III)コロイド粒子を形成する方法は、特に限定されないが、塩化鉄(III)の加水分解反応を利用する場合には、沸騰した水に塩化鉄(III)の水溶液を添加することで、以下の反応式(1)により、水酸化鉄(III)のコロイドが形成される。

FeCl+3HO → Fe(OH)+3HCl (1)
水酸化鉄(III)コロイド粒子は脱水縮合により、4配位の鉄(Fe)原子が2箇所で酸素(O)原子を介して共有結合することによって成長する無機高分子化合物であり、重合度が増すにつれて細長くなる板状構造の多核錯体と考えられている。通常のコロイド粒子の大きさは0.001〜0.1μmであるが、塩化鉄(III)の加水分解反応で調製した水酸化鉄(III)コロイド粒子には、重合度の大きな粒子が含まれており、これが構造色発色の妨げとなるので、フィルターやろ紙などでこれを除去することが好ましい。孔径または保留粒子径が0.2〜5μmのフィルターまたはろ紙でろ過したものから構造色が発現するが、輝度の高い良好な構造色発色体を再現性よく得るためには、特に保留粒子径が5μmのろ紙でろ過することが好ましい。ろ紙としては、アドバンテック東洋 定性ろ紙(No.2)を好適な具体例として挙げることができる。
なお、孔径が0.2μmのフィルターでろ過した水酸化鉄(III)コロイドゾルからはモルフォ蝶の翅の色に極めてよく似ている美麗な青色構造色を発現させることができる。フィルターとしては、0.2μm Supor Syringe Filters(Pall PharmAssure HP1002, LOT.NO. 21441 2010-07)を好適な具体例として挙げることができる。
ハロゲン化鉛を含む溶液(B)の溶質であるハロゲン化鉛としては、具体的には、フッ化鉛(II)、塩化鉛(II)、臭化鉛(II)、ヨウ化鉛(II)を挙げることができ、これらは1種類または2種類以上を混合して使用してもよい。この中でも、安定性の高い構造色発色体を得ることができる点で、ヨウ化鉛(II)を含むことが好ましく、ヨウ化鉛(II)のみであることが特に好ましい。
溶液(B)の溶媒としては、ハロゲン化鉛が溶解でき、かつ、溶液(A)の溶媒と相溶性のある溶媒であればよく、具体的には水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール類を挙げることができ、これらは1種類または2種類以上を混合して使用してもよい。この中でも、人体に対する安全性の観点からはエタノールが特に好適であり、エタノールのみであることが特に好ましい。
溶液(B)におけるハロゲン化鉛の好適な濃度は、混合する溶液(A)の水酸化鉄(III)コロイドの濃度に依存する。具体的には、Pb原子換算濃度で、1×10-5〜2×10-4mol/Lの範囲であることが好ましく、5×10-5〜1×10-4mol/Lであることが特に好ましい。
ハロゲン化鉛の濃度が1×10-5mol/L未満の場合は、ハロゲン化鉛による水酸化鉄(III)コロイド粒子から安定化効果が小さくなり、2×10-4mol/Lを超える場合には、逆にハロゲン化鉛の存在により、水酸化鉄(III)コロイド粒子の自己組織化が阻害されるため、それぞれ安定した構造色発色体を得ることが困難になる。
なお、溶液(B)には、本発明の目的を損なわない範囲で、ハロゲン化鉛以外の成分を含んでもよい。
本発明の構造色発色体を製造する方法として、溶液(A)の溶媒に水、溶液(B)の溶質にヨウ化鉛(II)、溶媒にエタノールを使用した場合を例に具体的に説明する。
溶液(A)として、所定量の沸騰した純水に所定量の塩化鉄を添加して、所定時間攪拌することにより、上記反応式(1)により、水酸化鉄(III)の水溶液を形成することができる。得られた水酸化鉄(III)の水溶液(溶液(A))は、必要に応じて、ろ過やイオン交換などの手段によって精製して使用することもできる。
なお、上述のように特に薄膜状の構造色発色体を得る観点からは、水酸化鉄(III)の好適な濃度は、Fe原子換算濃度で、5×10-4〜1×10-3mol/Lである。
溶液(B)の溶質として、使用するヨウ化鉛(II)は、従来公知の方法で製造することができ、例えば、酸化鉛(I)をヨウ化メチルの存在下加熱する方法や、酢酸鉛(II)水溶液とヨウ化カリウム水溶液とを混合して沈殿させる方法などが挙げられる。
また、構造色発色体を再現性よく製造することができるため、ヨウ化鉛(II)を再結晶して使用することが好ましい。
溶液(B)の溶媒として使用されるエタノールは、水との相溶性が高く、そのヨウ化鉛(II)の飽和濃度が約8.0×10-5mol/Lであり、薄膜状の構造色発色体の形成に適した希薄なヨウ化鉛(II)溶液を得ることができるため好適である。
溶液(A)と溶液(B)との混合割合は、目的及び用途に合わせて適宜決定すればよく、それぞれの溶液の水酸化鉄(III)あるいはヨウ化鉛(II)の濃度によって任意であるが、溶液を迅速に均一混合できるという観点からは、溶液(A)と溶液(B)との体積比で3:7から7:3が好ましい。
溶液(A)と溶液(B)とを混合する方法としては特に制限はなく、混合する温度も特に制限はないが、溶解したハロゲン化鉛が析出しない条件が選択され、通常、20〜40℃である。
なお、溶媒を蒸発除去させる工程において、溶液(A)と溶液(B)以外にも、必要に応じて、それぞれの溶媒であるエタノールや水をさらに添加すると、形成される構造色発色体が呈する色彩を変化させることができる。
溶液(A)と溶液(B)を混合して得られた混合溶液から、溶媒を蒸発除去することで本発明の構造色発色体を得ることができる。溶媒を蒸発除去し、乾燥させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥などのいずれの方法を用いてもよいが、均一性の高い構造を有する構造色発色体を得るためには、急激な溶媒の蒸発は好ましくないため、自然乾燥が好ましい。好適な乾燥条件としては、温度20〜35℃(より好適には、25〜32℃)であり、かつ、相対湿度40〜80%(より好適には、55〜70%)を挙げることができる。
本発明の構造色発色体は、それ自体を自立膜として使用することもできるが、溶液(A)と溶液(B)を混合して得られた混合溶液を各種の基材に塗布し、基材表面に形成される場合が多い。
基材としては、特に限定はなく、基材表面の性質(親水性あるいは疎水性、凹凸など)に応じて、使用する溶媒を適宜選択することで、ガラスをはじめとした無機系基材、プラスチックをはじめとした有機系基材のいずれにも使用できる。
本発明の構造色発色体は、特にその意匠性の観点からは、透明ガラスや陶磁器へ好適に使用することができ、また、加熱工程を必要としないことから樹脂からなる基材へも好適に使用することができる。
また、基材への塗布方法は特に限定されず、従来公知の塗布方法で行うことができる。すなわち、刷毛塗り塗装、バーコーター塗装、スポンジ塗装、スプレー塗装などが挙げられる。
基材へ塗布した構造色発色体の硬化時間は、溶液(A)と溶液(B)のそれぞれの溶質濃度やその混合割合、塗布量及び溶媒の蒸発方法などで変化するが、通常、1時間から1日程度で溶媒の蒸発除去(乾燥)を行うことで、十分な硬度を有する構造色発色体を得ることができる。
本発明の構造色発色体は、空気中において各種照明下で長期間(数ヶ月以上)放置しても、その構造色の輝きは損なわれることはない。また、本構造発色薄膜は水に全く溶解せず、塩酸、硝酸などの酸性溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性溶液、ベンゼン、トルエンなどをはじめとする有機溶媒に対して高い耐久性を有し、これらの溶液(溶媒)中に浸漬してもほとんど変化することはない。
本発明の構造色発色体は、青色、緑色、赤色、金色または、その中間色からなる単色の構造色を呈する。構造色発色体の構造色は、原料組成や構造色発色体の厚みなどに依存する。構造色発色体の厚みは任意に調節することができるが、欠陥のない連続膜とするためには1〜20μmにすることが望ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
使用した試薬及び評価装置を以下に示す。
塩化鉄(III)六水和物(関東化学(株)試薬特級、99.0%)
ヨウ化カリウム(関東化学(株)試薬特級、99.5%)
フッ化カリウム二水和物(関東化学(株)試薬一級、98.0%)
塩化カリウム(関東化学(株)試薬特級、99.5%)
臭化カリウム(関東化学(株)試薬特級、99.0%)
酢酸鉛(II)三水和物(関東化学(株)試薬特級、99.5%)
エタノール(関東化学(株)試薬特級、99.5%)
メタノール(関東化学(株)試薬特級、99.8%)
「水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)の作製」
ビーカーに約1000mLの純水をとり、沸騰させながら新しく作った20重量%塩化鉄(III)水溶液50mLをガラス棒でかき混ぜながら加えて、水酸化鉄(III)コロイドを含む水溶液(以下、溶液(A))を作製した。
得られた溶液(A)の水酸化鉄(III)コロイド水溶液の濃度は8.0×10-4mol/Lであった。
さらに得られた溶液(A)を、以下のろ紙1、ろ紙2、ろ紙3、ろ紙(フィルター)4でろ過して得た溶液をそれぞれ溶液(A1)、溶液(A2)、溶液(A3)、溶液(A4)とした。

ろ紙1: No.2ろ紙(保留粒子径:5μm アドバンテック東洋 定性ろ紙)
ろ紙2: No.131ろ紙(保留粒子径:3μm アドバンテック東洋 定性ろ紙)
ろ紙3: ガラス繊維ろ紙GS−25(保留粒子径:0.6μm アドバンテック東洋 分析ろ紙)
ろ紙(フィルター)4: シリンジフィルター(孔径:0.2μm Pall PharmAssure
HP1002, LOT.NO. 21441 2010-07)
「ハロゲン化鉛を含む溶液(B1)の作製(飽和ヨウ化鉛(II)エタノール溶液)」
200mLビーカーに純水50mLを入れ、これに酢酸鉛(II)6.0gを加えてガラス棒でよくかき混ぜて溶解させ、酢酸鉛(II)溶液を作製した。
100mLビーカーに純水50mLを入れ、これにヨウ化カリウム6.0gを加えてガラス棒でよくかき混ぜて溶解させ、ヨウ化カリウム溶液を作製した。
このヨウ化カリウム溶液と酢酸鉛(II)溶液とを混合すると生じる黄色沈殿を吸引ろ過装置でろ過し、ろ紙上の粉末を純水で洗浄した。得られた粉末を再結晶により精製を行ってヨウ化鉛(II)を作製した。
得られたヨウ化鉛(II)粉末約2gをエタノール(関東化学(株)試薬特級、99.5%)300mLに入れ、マグネチックスターラーで2日間撹拌し、6時間静置後、ろ紙(アドバンテック東洋 定性ろ紙、No.2)でろ過することで、ヨウ化鉛(II)がエタノール溶媒に飽和溶解した溶液(B1)を得た。
溶液(B1)の色は、淡黄色であり、溶液(B1)の一定量を完全に蒸発させた時の重量変化からヨウ化鉛(II)の溶解量を測定した結果、その濃度が8.0×10-5mol/Lであることが判明した。
「ハロゲン化鉛を含む溶液(B2)の作製(飽和フッ化鉛(II)エタノール溶液)」
ヨウ化カリウム6.0gの代わりにフッ化カリウム2.14gを使用した以外は上記
ヨウ化鉛(II)と同様の操作を行い、フッ化鉛(II)がエタノール溶媒に飽和溶解した溶液(B2)を得た。
溶液(B2)の色は、無色であり、溶液(B2)の一定量を完全に蒸発させた時の重量変化からフッ化鉛(II)の溶解量を測定した結果、その濃度が2.78×10-3mol/Lであることが判明した。
「ハロゲン化鉛を含む溶液(B3)の作製(飽和塩化鉛(II)エタノール溶液)」
ヨウ化カリウム6.0gの代わりに塩化カリウム2.75gを使用した以外は上記ヨウ化鉛(II)と同様の操作を行い、塩化鉛(II)がエタノール溶媒に飽和溶解した溶液(B3)を得た。
溶液(B3)の色は、無色であり、溶液(B3)の一定量を完全に蒸発させた時の重量変化から塩化鉛(II)の溶解量を測定した結果、その濃度が4.67×10-5mol/Lであることが判明した。
「ハロゲン化鉛を含む溶液(B4)の作製(飽和臭化鉛(II)エタノール溶液)」
ヨウ化カリウム6.0gの代わりに臭化カリウム4.39gを使用した以外は上記ヨウ化鉛(II)と同様の操作を行い、臭化鉛(II)がエタノール溶媒に飽和溶解した溶液(B4)を得た。
溶液(B4)の色は、無色であり、溶液(B4)の一定量を完全に蒸発させた時の重量変化から臭化鉛(II)の溶解量を測定した結果、その濃度が9.73×10-4mol/Lであることが判明した。
(実施例1)
室温28℃、相対湿度55%の環境下で、50mLビーカー(IWAKIガラス(株)製)に溶液(A)をスポイトで1滴(1滴は約0.05mL)滴下し、次にエタノール4滴を滴下して、よく振り混ぜて混合し、ビーカー底面に均一に塗布する。約5分後、最後に、溶液(B1)を4滴加えてよく混合し、約1日間静置することでビーカー底部に実施例1の構造色発色体を形成した。実施例1の構造色発色体は、青色の構造色を呈していた。
(実施例2)
溶液(A)の代わりに溶液(A1)を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2の構造色発色体を形成した。実施例2の構造色発色体は、特に美麗な青色の構造色を呈していた(図1)。
(実施例3)
溶液(A)の代わりに溶液(A2)を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3の構造色発色体を形成した。実施例3の構造色発色体は、不鮮明ながら青色の構造色を呈していた。
(実施例4)
溶液(A)の代わりに溶液(A3)を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例4の構造色発色体を形成した。実施例4の構造色発色体は、不鮮明ながら青色の構造色を呈していた。
(実施例5)
溶液(A)の代わりに溶液(A4)を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例4の構造色発色体を形成した。実施例4の構造色発色体は、モルフォ蝶の翅の色に極めてよく似た高輝度の美麗な青色構造色を呈していた。
(実施例6)
室温28℃、相対湿度55%の環境下で、50mLビーカー(IWAKIガラス(株)製)に溶液(A1)をスポイトで3滴(1滴は約0.05mL)滴下し、溶液(B1)を3滴加えてよく混合し、約1日間静置するとビーカー底部に実施例6の構造色発色体を形成した。実施例6の構造色発色体は、美麗な緑色の構造色を呈していた(図2)。
(実施例7)
室温28℃、相対湿度55%の環境下で、50mLビーカー(IWAKIガラス(株)製)に溶液(A1)をスポイトで2滴(1滴は約0.05mL)を滴下し、さらにエタノール1滴を滴下して、よく振り混ぜて混合し、最後に、溶液(B1)を3滴加えてよく混合し、約1日間静置するとビーカー底部に実施例7の構造色発色体を形成した。実施例7の構造色発色体は、美麗な赤色の構造色を呈していた(図3)。
(実施例8)
エタノールの代わりに同量の水を使用した以外は実施例7と同様にして、実施例8の構造色発色体を形成した。実施例8の構造色発色体は、特に美麗な金色の構造色を呈していた(図4)。
(実施例9)
ヨウ化鉛の代わりに同量のフッ化鉛を含む溶液(B2)使用した以外は実施例2と同様にして、実施例9の構造色発色体を形成した。実施例9の構造色発色体は、青色の構造色を呈していた実施例2と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例10)
ヨウ化鉛の代わりに同量のフッ化鉛を含む溶液(B2)使用した以外は実施例6と同様にして、実施例10の構造色発色体を形成した。実施例10の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例6と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例11)
ヨウ化鉛の代わりに同量のフッ化鉛を含む溶液(B2)使用した以外は実施例7と同様にして、実施例11の構造色発色体を形成した。実施例11の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例7と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例12)
ヨウ化鉛の代わりに同量のフッ化鉛を含む溶液(B2)使用した以外は実施例8と同様にして、実施例11の構造色発色体を形成した。実施例11の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例8と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例13)
ヨウ化鉛の代わりに同量の塩化鉛を含む溶液(B3)使用した以外は実施例2と同様にして、実施例9の構造色発色体を形成した。実施例13の構造色発色体は、青色の構造色を呈していた実施例2と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例14)
ヨウ化鉛の代わりに同量の塩化鉛を含む溶液(B3)使用した以外は実施例6と同様にして、実施例14の構造色発色体を形成した。実施例14の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例6と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例15)
ヨウ化鉛の代わりに同量の塩化鉛を含む溶液(B3)使用した以外は実施例7と同様にして、実施例15の構造色発色体を形成した。実施例15の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例7と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例16)
ヨウ化鉛の代わりに同量の塩化鉛を含む溶液(B3)使用した以外は実施例8と同様にして、実施例16の構造色発色体を形成した。実施例16の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例8と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例17)
ヨウ化鉛の代わりに同量の臭化鉛を含む溶液(B4)使用した以外は実施例2と同様にして、実施例17の構造色発色体を形成した。実施例17の構造色発色体は、青色の構造色を呈していた実施例2と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例18)
ヨウ化鉛の代わりに同量の臭化鉛を含む溶液(B4)使用した以外は実施例6と同様にして、実施例18の構造色発色体を形成した。実施例18の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例6と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例19)
ヨウ化鉛の代わりに同量の臭化鉛を含む溶液(B4)使用した以外は実施例7と同様にして、実施例19の構造色発色体を形成した。実施例19の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例7と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(実施例20)
ヨウ化鉛の代わりに同量の臭化鉛を含む溶液(B4)使用した以外は実施例8と同様にして、実施例20の構造色発色体を形成した。実施例20の構造色発色体は、緑色の構造色を呈していた実施例8と比較するとその色彩は鮮明ではなかった。
(比較例1)
ハロゲン化鉛の代わりに同量の酢酸鉛を使用した以外は実施例2と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたが、ビーカー底部に形成された薄膜は、構造色を呈さなかった。
(比較例2)
ハロゲン化鉛の代わりに同量の酢酸鉛を使用した以外は実施例6と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたが、ビーカー底部に形成された薄膜は、構造色を呈さなかった。
(比較例3)
ハロゲン化鉛の代わりに同量の酢酸鉛を使用した以外は実施例7と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたが、ビーカー底部に形成された薄膜は、構造色を呈さなかった。
(比較例4)
ハロゲン化鉛の代わりに同量の酢酸鉛を使用した以外は実施例8と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたが、ビーカー底部に形成された薄膜は、構造色を呈さなかった。
(実施例21)
構造色発色体の作製容器を50mLビーカーから100mLビーカー(IWAKIガラス(株)製)に替えて同様の実験を行った。なお、50mLと100mLビーカーの底面の直径は、それぞれ4.0cmと5.0cmなので、ビーカー底面の面積比は1:1.56である。
薄膜(構造色発色体)の膜厚を50mLビーカーと100mLビーカーとで等しくするため、100mLビーカーの場合は滴下する液量を50mLビーカーの場合の約1.6倍量を使用した以外は実施例2、実施例6、実施例7、実施例8と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたところ、それぞれ青、緑、赤、金の美麗な構造色を呈する構造色発色体が得られた。
(実施例22)
薄膜(構造色発色体)の作製面をガラスから陶磁器に替えた以外は実施例2、実施例6、実施例7、実施例8と同様の工程で構造色発色体の作製を試みたところ、それぞれ青、緑、赤、金の美麗な構造色を呈する構造色発色体が得られた。
その表面に構造色発色体を形成した陶器をガスバーナーの炎の最高温度部分(約1800℃)で1時間加熱した後に、表面の観察を行ったが、構造色発色体にはまったく変化が確認されなかった。
さらに、この構造色発色体を形成した陶器を液体窒素(−196℃)中に浸漬し、8時間後に引き上げて、表面の観察を行ったが、構造色発色体にはまったく変化が確認されなかった。
本発明によれば、従来は玉虫の甲殻、モルフォ蝶の翅、鳥の羽などでしか見ることができなかった美しい構造色を呈する構造色発色体を容易に製造することができる。また、本発明の構造色発色体の原料化合物は安価であるため、製造コストを極めて低く抑えることができる。さらに、本発明で得られた構造色発色体を塗料、インク、絵の具、繊維、化粧品、プラスチックに用いることにより、様々な構造色を発色するそれらの製品の製造が可能であるため、工業的にきわめて有望である。

Claims (9)

  1. 水酸化鉄(III)コロイドを含む溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含む溶液(B)と混合して混合溶液を形成し、次いで該混合溶液から溶媒を除去することにより得られてなることを特徴とする構造色発色体。
  2. 前記混合溶液に含まれる水酸化鉄(III)とハロゲン化鉛のモル比が、1.0〜25の範囲である請求項1記載の構造色発色体。
  3. 溶液(A)の溶媒が水であり、かつ、溶液(B)の溶媒が、エタノールである請求項1または2に記載の構造色発色体。
  4. 前記混合溶液の溶媒の除去を、温度20〜35℃、かつ、相対湿度40〜80%の条件で溶媒を蒸発させて、乾燥させることで行うことを特徴とする請求項3記載の構造色発色体。
  5. ハロゲン化鉛が、ヨウ化鉛(II)である請求項1から4のいずれかに記載の構造色発色体。
  6. 前記溶液(A)を、予め、孔径または保留粒子径0.2〜5μmのフィルターまたはろ紙でろ過した後に前記溶液(B)と混合する請求項1から5のいずれかに記載の構造色発色体。
  7. 水酸化鉄(III)コロイドを含む水溶液(A)と、ハロゲン化鉛を含むエタノール溶液(B)と混合して混合溶液を形成する工程と、該混合溶液から溶媒を蒸発させて、乾燥させる工程とを含むことを特徴とする構造色発色体の製造方法。
  8. 前記混合溶液の溶媒の除去を、温度20〜35℃、かつ、相対湿度40〜80%の条件で溶媒を蒸発させて、乾燥させることで行うことを特徴とする請求項7記載の構造色発色体の製造方法。
  9. ハロゲン化鉛が、ヨウ化鉛(II)である請求項7または8に記載の構造色発色体の製造方法。
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