JP2010165544A - 導電性樹脂材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属粒子を有機ポリマー樹脂中へ高密度に充填した複合化材料を用いて、高い導電性を有する電気配線用の樹脂材料を得る。
【解決手段】導電性粒子を有機ポリマー樹脂に充填した複合化材料からなる導電性樹脂材料であって、導電性粒子は粒子径分布の異なる混合粒子4であり、混合粒子4は、所定の平均粒子径を有する粗粒子2と、粗粒子2よりも平均粒子径の小さな微粒子3とにより構成され、粗粒子2の平均粒子径と微粒子3の平均粒子径との比が3:1以上100:1以下である。
【選択図】図1
【解決手段】導電性粒子を有機ポリマー樹脂に充填した複合化材料からなる導電性樹脂材料であって、導電性粒子は粒子径分布の異なる混合粒子4であり、混合粒子4は、所定の平均粒子径を有する粗粒子2と、粗粒子2よりも平均粒子径の小さな微粒子3とにより構成され、粗粒子2の平均粒子径と微粒子3の平均粒子径との比が3:1以上100:1以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機材料中に金属粒子を含有させて複合化した導電性樹脂材料に関するものである。
近年、樹脂などの有機ポリマー(母材)中に微粒子を混合分散させて複合化することで、微粒子の持つ特異な物性と、有機ポリマー樹脂の柔軟で容易な加工性とを併せ持たせた微粒子複合化材料が注目を集めている。
電気材料の分野では、金属の微粒子を有機ポリマー樹脂中に混合させて複合化することにより、通常では電気を導通しない樹脂が、導電性を有するようになり、電気配線用の材料としての利用が期待できる。
これらの複合化材料は、従来の金属のみからなる材料に比べて融点が低く、100℃程度の低温度での射出成形やプレス成形などの成形加工が容易である。このため、電気材料の加工コストの引き下げが可能になるという利点も有している。
また、電気配線用の材料としてこのような複合化材料を用いることにより、金属材料以上の品質安定性を維持することもできる。すなわち、電気配線用の金属材料には、従来から銅、銀などが用いられている。これらの金属材料は、大気中の酸素や水分(湿気)、また酸性の物質などに接触すると酸化して腐食し易く、導電率の低下や配線コネクタ部での接触不良などを引き起こす原因となっている。
一方、複合化材料では、導電性粒子を有機ポリマー樹脂で覆うことにより、導電性粒子の酸化や腐食を防止することができる。
しかしながら、このような複合化材料を導電性材料として用いるためには、導電性粒子を高密度で有機ポリマー樹脂に充填して、複合化材料の電気抵抗を下げることが必要である。
金属粒子と有機材料を混合した導電性材料として、粒子径の異なるニッケル粉末を混合した導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−119009号公報
有機ポリマー樹脂中に導電性の微粒子を混合させた複合化材料を導電性材料として用いる場合、有機ポリマー樹脂の電気絶縁性が大きいために、高い導電率の導電性粒子を高密度に充填しなければ、電気配線用の材料として充分な導電率が得られない。
しかしながら、導電性粒子の最大充填可能量は粒子のかさ密度で決まり、かさ密度が低くなるほど高密度で充填することが難しくなる。例えば、所定粒子径の銅の粒子を有機ポリマー樹脂に混合して導電板を形成した場合には、かさ密度を大きくすることができないものであった。そのため、銅の粒子の体積充填率は50体積%付近が上限となり、導電板の電気抵抗率は1×10−5Ω・m程度までにしか低下せず、さらに低抵抗の導電板を実現することができないといった課題を有していた。
導電性粒子の充填率を増やすために、有機ポリマー樹脂の所定体積中に混合させる導電性粒子の濃度を高くしても、導電性粒子の濃度がある値を超えると、導電性粒子と有機ポリマー樹脂とが均一に混じり合わずに複合化材料の表面に導電性粒子が析出する。この場合、析出した導電性粒子は有機ポリマー樹脂中へ充填されずに剥がれ落ちてしまい、導電性粒子の充填率を向上させることができないといった課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、金属などの導電性粒子を有機ポリマー樹脂中へ高い充填率で充填した導電性の高い導電性樹脂材料を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の導電性樹脂材料は、導電性粒子を有機ポリマー樹脂に充填した複合化材料からなる導電性樹脂材料であって、導電性粒子は粒子径分布の異なる混合粒子であり、混合粒子は、所定の平均粒子径を有する第1粒子と、第1粒子よりも平均粒子径の小さな第2粒子とにより構成され、第1粒子の平均粒子径と第2粒子の平均粒子径との比が3:1以上100:1以下である。
このような構成によれば、平均粒子径の大きな第1粒子間の空隙に平均粒子径の小さな第2粒子を充填させて導電性粒子のかさ密度を高くすることができる。その結果、複合化材料中の導電性粒子の充填率を増加させることができて、高い導電性を有する導電性樹脂材料を実現することができる。
さらに、混合粒子の全粒子の体積に対して、第2粒子の体積が20体積%以上50体積%以下であることが望ましい。このような構成によれば、導電性粒子の充填率をさらに増加させて、より低抵抗の導電性樹脂材料を実現することができる。
本発明によれば、有機ポリマー樹脂中へ導電性粒子を高密度で充填することができ、高い導電性を有し、成形加工が容易な導電性樹脂材料を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、導電性粒子として銅を用いた場合について説明する。図1は本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料の構成を示す概略図、図2は同導電性樹脂材料の製造方法を示すフローチャート、図3(a)、図3(b)は同導電性樹脂材料に用いる導電性粒子である銅粒子の粒子径分布を示す図である。また、図4は、同導電性樹脂材料の銅粒子を、平均粒子径の大きな第1粒子である粗粒子と、第1粒子よりも平均粒子径の小さな第2粒子である微粒子との混合粒子とした際の、混合粒子中の微粒子の混合率と有機ポリマー樹脂中への銅粒子の充填率との関係を示す図であり、微粒子に対する粗粒子の粒子径比をパラメータとしている。図5は同導電性樹脂材料に用いる銅粒子の粗粒子と微粒子の粒子径比と最大充填率との関係を示す図であり、図4におけるそれぞれの粒子径比における最大充填率より求めている。また、図6は同導電性樹脂材料の電気抵抗率を示す図である。
本発明の実施の形態1では、導電性粒子として銅を用いた場合について説明する。図1は本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料の構成を示す概略図、図2は同導電性樹脂材料の製造方法を示すフローチャート、図3(a)、図3(b)は同導電性樹脂材料に用いる導電性粒子である銅粒子の粒子径分布を示す図である。また、図4は、同導電性樹脂材料の銅粒子を、平均粒子径の大きな第1粒子である粗粒子と、第1粒子よりも平均粒子径の小さな第2粒子である微粒子との混合粒子とした際の、混合粒子中の微粒子の混合率と有機ポリマー樹脂中への銅粒子の充填率との関係を示す図であり、微粒子に対する粗粒子の粒子径比をパラメータとしている。図5は同導電性樹脂材料に用いる銅粒子の粗粒子と微粒子の粒子径比と最大充填率との関係を示す図であり、図4におけるそれぞれの粒子径比における最大充填率より求めている。また、図6は同導電性樹脂材料の電気抵抗率を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料1は、銅の粗粒子2と銅の微粒子3とよりなる混合粒子4が有機ポリマー樹脂5の中に充填されて形成されている。混合粒子4は粗粒子2の隙間に微粒子3が入り込むように構成されて、銅粒子のかさ密度を増加させ、有機ポリマー樹脂5への混合粒子4の充填率を増加させるようにしている。このような構成により、導電性樹脂材料1中に占める銅粒子の混合粒子4の体積割合を増加させ、有機ポリマー樹脂5による電気絶縁性を低下させて導電性樹脂材料1の電気抵抗を低減させることができる。
次に、このような導電性樹脂材料1の製造方法を図2を用いて説明する。
まず、図3(a)に示す粒子径分布を持った平均粒子径が150μmの銅の粗粒子2を28.5gと、図3(b)に示す粒子径分布を持った平均粒子径5μmの銅の微粒子3を19gと、それぞれ秤量準備する(ステップS101、ステップS102)。
その後、両者を混合して粒子全体に占める微粒子3の比率が40重量%(63体積%)となる銅の混合粒子4が47.5gとなるように調合する(ステップS103)。
続いて、軟化点90℃、比重0.92の有機ポリマー樹脂5を2.5g準備し、190℃の温度で加熱溶融して溶融有機ポリマー樹脂を準備する(ステップS104)。
この溶融有機ポリマー樹脂に上記の銅の混合粒子4(47.5g)を添加して、有機ポリマー樹脂5と、粗粒子2と微粒子3よりなる混合粒子4とを混合させ、190℃の温度の下でこの混合物を30分間攪拌する。この過程において、銅の混合粒子4が有機ポリマー樹脂5に均一に混合した溶融混合物が調製される。
次に、この溶融混合物を50℃以下の温度になるまで冷却して固化させる。このようにして、平均粒子径が150μmの粗粒子2と平均粒子径が5μmの微粒子3とからなる銅の混合粒子4(47.5g)が、有機ポリマー樹脂5(2.5g)の内部に均一に分布した導電性樹脂材料1を作製できる(ステップS105)。
このようにして作製された導電性樹脂材料1中の銅の混合粒子4の充填率は、重量百分率では95重量%となり、体積百分率に換算すると66体積%となる。
このように、粒子径分布の異なる銅の混合粒子4を有機ポリマー樹脂5に混合し、微粒子3を粗粒子2の隙間に充填するようにすると、銅の混合粒子4を高密度で充填することが可能となり、導電性の高い導電性樹脂材料1を作製することができる。
最終的には、このような導電性樹脂材料1を、例えば射出成形やプレス成形などにより、導電性部材に加工する(ステップS106)。
図4には、銅の混合粒子4のうちの微粒子3の割合である微粒子混合率(体積%)に対する、導電性樹脂材料1中の混合粒子4の充填率(体積%)を示し、粗粒子2と微粒子3との粒子径比(粗粒子平均粒子径/微粒子平均粒子径)をパラメータとして示している。
図4から、例えば、粗粒子2の平均粒子径が150μm、微粒子3の平均粒子径が5μmで粒子径比が30の混合粒子4では、微粒子3の混合率を40体積%としたときに、最大充填率76体積%が得られている。また、粒子径比が3の混合粒子4では、微粒子3の混合率を30体積%としたときに最大充填率56体積%が得られる。さらに、粒子径比が100の混合粒子4では、微粒子3の混合率を40体積%としたときに最大充填率79体積%が得られることがわかる。
図4の結果から、粗粒子2と微粒子3のいずれの粒子径比を有する混合粒子4でも、最大充填率となる微粒子3の割合(混合率)は、20体積%以上50体積%以下の範囲に存在する。したがって、この範囲の中に、微粒子の混合率を設定することによって導電性粒子の充填率を大きくすることができ、より導電性を向上させた導電性樹脂材料を実現することができる。
また、図5には、粗粒子2と微粒子3との粒子径比に対する最大充填率を示し、粒子径比が3以上100以下において最大充填率が増加し、100以上では最大充填率は飽和傾向となることがわかる。また、粒子径比が10以上であれば、銅の混合粒子4の最大充填率が70体積%以上となり、50以上であれば75体積%以上が得られる。
次に、作製した導電性樹脂材料1の導電性能について図6を参照し説明する。
図6は本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料の電気抵抗率を示す図であり、前述の図2に示す製造方法によって作製した厚み1mm、幅5mm、長さ50mmの導電性樹脂材料1と、比較例としての粗粒子のみの銅粒子で作製した導電性樹脂材料と、同じく比較例としての金属銅線の、それぞれの電気抵抗率を示している。
図6において、サンプルAは本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料1であり、平均粒子径が150μmの粗粒子2と平均粒子径が5μmの微粒子3、すなわち粒子径比が30の銅の混合粒子4を、微粒子3の混合率が63体積%となるように調整している。したがって、導電性樹脂材料1中の混合粒子4の充填率が66体積%である。また、サンプルBは、図3(a)に示した平均粒子径150μmの銅粒子のみを用いて作製した銅粒子の充填率が40体積%の導電性樹脂材料であり、サンプルCは一般の金属銅線である。
図6より明らかなように、本発明の実施の形態1における導電性樹脂材料1によるサンプルAでの電気抵抗率は20×10−8Ω・mであり、比較例としてのサンプルBの電気抵抗率750×10−8Ω・mに比べ約1/40に低下している。また、比較例としてのサンプルCの電気抵抗率1.7×10−8Ω・mと比べても10倍程度の大きさに収まっていることがわかる。
以上説明したように、本発明によれば、導電性粒子の微粒子と粗粒子とを混合することにより、粗粒子間の隙間に微粒子が充填されて、複合化材料内へ充填可能な充填率が増加し、導電性樹脂材料中での金属粒子同士の接触が多くなり、電気抵抗を低減することができる。
なお、上記では導電性粒子として銅の金属粒子を用いたが、電気抵抗率が1×10−7Ω・m以下の高い導電性を有する金属であれば、同様に高い導電性能を有する樹脂材料を実現することができる。
また、上述の本発明の実施の形態1では、銅粒子を、溶融した有機ポリマー樹脂に混合して複合化材料を作製したが、複合化材料の作製方法に限定はなく、例えば、トルエンなどの有機溶媒中に金属粒子を分散した分散液を作製し、この分散液中に有機ポリマー樹脂を溶解させた後に、有機溶媒を留去して複合化材料を作製してもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、導電性粒子として銅と金の両方を用いた場合について説明する。図7は本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料の構成を示す概略図、図8は同導電性樹脂材料に用いる導電性粒子の粒子径分布を示す図であり、図8(a)は粗粒子として用いた銅粒子の粒子径分布、図8(b)は微粒子として用いた金粒子の粒子径分布を示す。また、図9は同導電性樹脂材料の電気抵抗率を示す図である。
本発明の実施の形態2では、導電性粒子として銅と金の両方を用いた場合について説明する。図7は本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料の構成を示す概略図、図8は同導電性樹脂材料に用いる導電性粒子の粒子径分布を示す図であり、図8(a)は粗粒子として用いた銅粒子の粒子径分布、図8(b)は微粒子として用いた金粒子の粒子径分布を示す。また、図9は同導電性樹脂材料の電気抵抗率を示す図である。
図7に示すように、本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料10は、銅の粗粒子6と金の微粒子7とよりなる混合粒子8が有機ポリマー樹脂9の中に充填されて形成されている。実施の形態1と同様に、銅の粗粒子6の隙間に金の微粒子7が入り込むことにより、混合粒子8のかさ密度を増加させ、有機ポリマー樹脂9への混合粒子8の充填率を増加させている。
これにより、導電性樹脂材料10中に占める導電性粒子である混合粒子8の体積割合を増加させて、有機ポリマー樹脂9の電気絶縁性を低下させ、導電性樹脂材料10の電気抵抗を低下させることができる。
次に、本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料10の製造方法を、図2に示すフローチャートを再度参照しながら詳しく説明する。
まず、図8(a)に示す粒子径分布を持った平均粒子径が5μmの銅の粗粒子6を3.5g(体積0.39cm3に相当)と、図8(b)に示す粒子径分布を持った平均粒子径が0.1μmの金の微粒子7を5.0g(体積0.26cm3に相当)と、それぞれ秤量し、準備する(ステップS101、ステップS102)。
その後、両者を混合して粒子全体に占める金の微粒子7の体積比率が40体積%となるように混合粒子8を8.5g(体積0.65cm3に相当)調合する(ステップS103)。したがって、粗粒子6と微粒子7との粒子径比は50である。
続いて、軟化点90℃、比重0.92の有機ポリマー樹脂9を0.32g(体積0.35cm3に相当)準備し、190℃の温度で加熱溶融して溶融有機ポリマー樹脂を準備する(ステップS104)。この溶融有機ポリマー樹脂に上記の混合粒子8を添加して、有機ポリマー樹脂8と、銅の粗粒子6と金の微粒子7よりなる混合粒子8とを混合させ、190℃の温度の下でこの混合物を30分間攪拌する。この過程において、銅の粗粒子6と金の微粒子7とからなる混合粒子8が均一に分散混合した有機ポリマー樹脂9の溶融混合物が調製される。
次に、この溶融混合物を50℃以下の温度になるまで冷却して固化させる。このようにして、平均粒子径5μmの銅の粗粒子6と平均粒子径0.1μmの金の微粒子7が混合された8.5gの混合粒子8が、0.32gの有機ポリマー樹脂9の内部に均一に分布した導電性樹脂材料10を作製できる(ステップS105)。
ここで作製された導電性樹脂材料10中の混合粒子8の充填率は、重量百分率では96重量%となり、体積百分率に換算すると65体積%となる。
このような導電性樹脂材料10を、例えば射出成形やプレス成形などにより導電性部材に加工する(ステップS106)。
上述の実施の形態2における複合化した導電性樹脂材料10では、前述の実施の形態1における導電性樹脂材料1に比べて、導電性粒子の粒子径を小さくすることによって、導電性樹脂材料10の薄肉化、薄膜化が容易となる。そのため、フィルム状の電気配線部材や帯電防止膜を実現することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2において作製した導電性樹脂材料10の導電性能について図9を参照しながら説明する。図9において、サンプルDは本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料10で作製した厚さ0.05mm、幅5mm、長さ50mmの薄膜状導電性樹脂材料であり、比較例としてのサンプルEは、平均粒子径5μmの銅粒子のみを用いて充填率が40体積%の導電性樹脂材料、また、比較例としてのサンプルFは金属銅線である。
図9より明らかなように、本発明の実施の形態2における導電性樹脂材料10によるサンプルDでの電気抵抗率は24×10−8Ω・mであり、比較例としてのサンプルEの電気抵抗率1200×10−8Ω・mに比べ約1/50に低下している。また、比較例としてのサンプルFの電気抵抗率1.7×10−8Ω・mと比べても14倍程度の大きさに収まっていることがわかる。
以上説明したように、本発明によれば、導電性粒子の微粒子と粗粒子とを混合することにより、粗粒子間の隙間に微粒子が充填されて、複合化材料内へ充填可能な充填率が増加し、導電性樹脂材料中での金属粒子同士の接触が多くなり、電気抵抗を低減することができる。
なお、実施の形態2においては、銅の粗粒子6と金の微粒子7とを混合した導電性粒子としての混合粒子8を有機ポリマー樹脂9中に分散混合して導電性樹脂材料10を得ているが、粗粒子6に用いる金属よりも電気抵抗率が小さい微粒子7の金属を用いれば、さらに導電性能の向上効果が期待できる。例えば、銅の粗粒子6に銀の微粒子7を混合する場合や、金の粗粒子6に銅の微粒子7を混合する場合などが好ましい例として挙げられる。
また、導電性粒子としては、上述した金属以外にアルミニウムやその他の金属を任意に選択して用いることが可能であり、さらには、金属材料以外に、導電性の酸化物や有機物などを用いることも可能である。
また、上述した実施の形態2では、銅または金の粒子を溶融した有機ポリマー樹脂中に添加混合させて導電性樹脂材料を作製した例を記載した。しかし、導電性樹脂材料の作製方法は上記の方法に限定されることはない。例えば、有機ポリマー樹脂が溶解可能な溶媒中に、異なる粒子径分布を持つ導電性粒子を混合分散させた溶媒液を調合し、有機ポリマー樹脂中に添加して有機ポリマー樹脂を溶解させ、有機ポリマー樹脂と金属粒子とを均一に混合させた後に、溶媒を留去する方法も可能である。
また、有機溶媒としてはトルエン、キシレン、シクロヘキサン、エタノールなどを利用でき、これらの溶媒を単独または複数種で混合して用いることもできる。
本発明は、高い導電性を有する樹脂材料として、例えば、射出成形やプレス成形などによる様々な形状の電気配線用部材としての利用や、薄膜形成による帯電防止膜などに有用である。
1,10 導電性樹脂材料
2,6 粗粒子
3,7 微粒子
4,8 混合粒子
5,9 有機ポリマー樹脂
2,6 粗粒子
3,7 微粒子
4,8 混合粒子
5,9 有機ポリマー樹脂
Claims (2)
- 導電性粒子を有機ポリマー樹脂に充填した複合化材料からなる導電性樹脂材料であって、前記導電性粒子は粒子径分布の異なる混合粒子であり、前記混合粒子は、所定の平均粒子径を有する第1粒子と、前記第1粒子よりも平均粒子径の小さな第2粒子とにより構成され、前記第1粒子の平均粒子径と前記第2粒子の平均粒子径との比が3:1以上100:1以下であることを特徴とする導電性樹脂材料。
- 前記混合粒子の全粒子の体積に対して、前記第2粒子の体積が20体積%以上50体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂材料。
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