JP2010163960A - ヘッドカバー - Google Patents

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Junya Saito
純也 齋藤
Yukio Konishi
幸生 小西
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Abstract

【課題】振動の低減を実現することが可能なヘッドカバーを提供する。
【解決手段】エンジン10のシリンダヘッド20a、20bの上部に設けられ、動弁機構を覆うヘッドカバー22a、22bには、その上部から側面の中間部にかけてシリンダ軸線Xaに対して傾斜する第1凹部50が設けられる。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関のシリンダヘッドの上部に設けられ、動弁機構を覆うヘッドカバーに関する。
エンジン部品の一つとしてヘッドカバーが知られている。ヘッドカバーは、シリンダヘッドの動弁機構等の部材を覆って保護するものであり、エンジンの上部に配置される。ヘッドカバーは、振動条件によっては騒音源となり得るものであり、また、エンジンオイルの漏れ防止等のため、ヘッドカバーは、高いシール性が要求される。そこで、ヘッドカバーの振動抑制やシール性向上を企図した技術が開発されている(特許文献1)。特許文献1では、振動伝達の防止及びシール性の向上を目的として、ヘッドカバー(10)の下部の全周にわたってシール部材(24)を設ける(特許文献1の図1及び第11欄2〜20行目)。また、特許文献1では、ヘッドカバー(10)を強固に形成し、ボルトによる締付け力を周フランジ(20)により均一に分散するため、ヘッドカバー(10)の側壁(14、16)にU字状の垂直コラム(36)を形成する(特許文献1の図1〜図3及び第13欄8〜11行目参照)。
特公平01−040219号公報
しかしながら、特許文献1では、シール部材(24)がヘッドカバー(22)の下部の全周にわたって垂直コラム(36)により湾曲して形成されているため、振動の低減の点で未だ改善の余地が存在する。すなわち、垂直コラム(36)は、その名の通り垂直に形成されていることから、シリンダ軸線方向(特許文献1の図1の上下方向)に沿って一様な形状の複数の凹部を形成する。このため、ヘッドカバー(22)の側面(14、16)は、平面視で蛇腹構造のようになっており、その結果、ヘッドカバー(22)は、気筒列方向(特許文献1の図1の左下から右上に向かう方向)に伸縮し易く、振動(共振を含む。)が発生し易い。
また、シール部材(24)がヘッドカバー(22)の下部の全周にわたって垂直コラム(36)により部分的な湾曲部が形成されているため、シール部材(24)への力の加わり方が場所によって異なってしまう。従って、シール部材(24)のシール性が不均一となり、結果として、シール性の低下を招く可能性がある。
本発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、振動の低減を実現することが可能なヘッドカバーを提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、シール性低下の抑制を実現することが可能なヘッドカバーを提供することである。
この発明に係るヘッドカバーは、内燃機関のシリンダヘッドの上部に設けられ、動弁機構を覆うものであって、上部から側面の中間部にかけてシリンダ軸線に対して傾斜する凹部が設けられることを特徴とする。
この発明によれば、ヘッドカバーには、その上部から側面の中間部にかけてシリンダ軸線に対して傾斜する凹部が設けられる。これにより、ヘッドカバーの膜面振動が抑制される。
前記ヘッドカバーの上部とは、シリンダ軸線方向においてシリンダヘッドから離れた側の部位を指し、これに対するヘッドカバーの下部は、シリンダ軸線方向においてシリンダヘッドに面する側の部位を指す。ヘッドカバーの中間部とは、上部と下部の間の部位を指す。
前記内燃機関には、複数の気筒が並列し、前記凹部は、気筒列方向に沿って前記ヘッドカバー内に設けられるカムホルダ間に設けてもよい。これにより、カムホルダ間の部位を有効利用しつつ、振動を低減することが可能となる。
前記ヘッドカバーを略直方体状とし、前記凹部が設けられる側面を平坦とし、前記凹部を曲面で構成してもよい。
前記内燃機関をV型エンジンとし、気筒数に応じた複数の前記凹部をエキゾーストパイプの鉛直真上に配置してもよい。エキゾーストパイプの鉛直真上に凹部を設けることにより、エキゾーストパイプが発する熱を逃がし易くすることができる。
前記凹部が設けられるヘッドカバーの側面は、例えば、前記ヘッドカバーが前記V型エンジンに取り付けられた状態で鉛直下側に面する下側側面であり、この下側側面と対向する上側側面には、前記ヘッドカバーの上部から下部にかけて前記シリンダ軸線と略平行な第2凹部を設けてもよい。一般に、ヘッドカバーにはエンジンオイルが飛散し、当該エンジンオイルを再利用のために回収する必要がある。飛散したエンジンオイルは、ヘッドカバーの鉛直上側よりも鉛直下側に溜まり易い。この発明によれば、ヘッドカバーの下側側面では、凹部の位置をヘッドカバーの上部から中間部までとしてシール性を高めることが可能となると共に、ヘッドカバーの上側側面では、第2凹部の位置をヘッドカバーの上部から下部までとしてヘッドカバーの剛性を高めることができる。
前記内燃機関に複数の気筒が並列する場合、複数の前記凹部を不等間隔で配置してもよい。これにより、振動の低減効果を高めることができる。
この発明によれば、ヘッドカバーには、その上部から側面の中間部にかけてシリンダ軸線に対して傾斜する凹部が設けられる。これにより、ヘッドカバーの膜面振動が抑制される。
本実施の形態に係るヘッドカバーが適用されたエンジンの斜視図である。 本実施の形態に係るヘッドカバーの斜視図である。 本実施の形態に係るヘッドカバーの側面図である。 本実施の形態に係るヘッドカバーの平面図である。 図4のV−V線における断面図である。 図4のVI−VI線における断面図である。 変形例に係るヘッドカバーの平面図である。
以下、本発明に係るヘッドカバーについて実施の形態を挙げ、添付の図1〜図6を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態に係るヘッドカバー22a、22bが適用されるエンジン10の概略構成について説明する。
図1に示すように、エンジン10は、第1気筒列12aと第2気筒列12bが90°バンクを形成する車両用のV型10気筒エンジンである。エンジン10は、ベースとなる部分が下側からロアオイルパン14、アッパオイルパン16、シリンダブロック18、シリンダヘッド20a、20b及びヘッドカバー22a、22bの順に積み重ねられて構成されている。ヘッドカバー22a、22bは、シリンダヘッド20a、20bの上部における動弁機構を覆う部材であって、マグネシウム材によって軽量に構成されている。エンジン10の側方には、トランスミッションが取り付けられる環状リブ24が形成されている。第2気筒列12bにおけるヘッドカバー22bには、レベルゲージ26が設けられている。
ロアオイルパン14には潤滑用のオイルが溜められている。アッパオイルパン16はロアオイルパン14とシリンダブロック18とを接続してクランクケースを構成する部分であり、カウンタウェイトが回転するスペースが確保されている。シリンダブロック18は、第1気筒列12a及び第2気筒列12bの主要部を構成する側面視Y字形の部分であって、片バンク当たり5つのシリンダを形成している。シリンダにはピストンが昇降するように構成されて、コネクティングロッドを介してクランクシャフト28を回転させる。各ピストンは、振動を相殺するように異なる位相で回転をする。
シリンダヘッド20a、20bは、シリンダ上部を覆って燃焼室を形成するとともに、該燃焼室を開閉するバルブとその動弁機構及び点火プラグ等が設けられる部分である。シリンダヘッド20a、20bには、各シリンダの燃焼室に連通する吸気路及び排気路が形成されており、各吸気路は第1気筒列12aと第2気筒列12bによって形成されるV字形状の内側でインテークマニホールド30を形成し、各排気路はV字形状の外側でエキゾーストマニホールド32を形成している。
インテークマニホールド30は、図示しないインテークパイプ及びフューエルインジェクタに接続される。エキゾーストマニホールド32は、第1気筒列12a及び第2気筒列12b毎に、先端部が1つに集合する5本のエキゾーストパイプ34に接続されている。5本のエキゾーストパイプ34は、それぞれ適度な長さになるとともに、第1気筒列12a及び第2気筒列12bの下方部でコンパクトにまとまるように屈曲しており、集合部34aに集合している。2つの集合部34aは第1気筒列12a及び第2気筒列12bでそれぞれ同方向を指向しており、図示しないマフラー及び触媒に接続される。
上述の通り、ヘッドカバー22a、22bは、シリンダヘッド20a、20bの上部に配置されており、シリンダヘッド20a、20bに設けられた動弁機構を覆っている。ヘッドカバー22a、22bには、複数の第1凹部50及び第2凹部52(図4)が形成されている。
なお、図中、矢印Xで示される方向(以下「X方向」という。)は、エンジン10の長さ方向(気筒列方向)であり、矢印Yで示される方向(以下「Y方向」という。)は、エンジン10の幅方向であり、矢印Zで示される方向(以下「Z方向」という。)は、エンジン10の上下方向(鉛直方向)である。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交している。X方向は、カムシャフトやクランクシャフト28の軸方向でもある。
また、図中、矢印αで示される方向(以下「α方向」という。)は、ヘッドカバー22aの長さ方向(気筒列方向)であり、矢印βで示される方向(以下「β方向」という。)は、ヘッドカバー22aの幅方向であり、矢印γで示される方向(以下「γ方向」という。)は、ヘッドカバー22aの上下方向である。α方向、β方向及びγ方向は、互いに直交している。α方向は、X方向と同じである。β方向は、吸気側と排気側に亘る方向である。γ方向は、シリンダ軸線方向Axと等しく、鉛直方向に対して傾いている。
さらに、各図の表面部に表された細線は、いずれも立体表面の形状を表す線である。例えば、第1凹部50中の細線は、形状を示すために付したものであり、第1凹部50に模様や筋が存在することを示すものではない。
次に、図2〜図6を用いて、第1気筒列12aのヘッドカバー22a及びその周辺について説明する。第2気筒列12bのヘッドカバー22bは、ヘッドカバー22aと対称構造であることからその詳細な説明は省略する。図2は、ヘッドカバー22a及びその周辺の斜視図である。図3は、ヘッドカバー22a及びその周辺の側面図である。図4は、ヘッドカバー22a及びその周辺の平面図である。図5は、図4のV−V線における断面図であり、図6は、図4のVI−VI線における断面図である。但し、図6では、後述するカムホルダ64の手前に位置する部材については省略している。
以下では、排気側に面し、エンジン10全体ではV字の外側に位置するヘッドカバー22aの側面を第1側面54という。また、ヘッドカバー22aの吸気側に面し、エンジン10全体では、V字の内側に位置するヘッドカバー22aの側面を第2側面56(図4等)という。
ヘッドカバー22aは、略直方体状のマグネシウム合金製の薄板で構成され、シリンダヘッド20aのうち、動弁機構を構成するカムホルダユニット60と、ブリーザチャンバ62(図5及び図6)を覆っている。
カムホルダユニット60は、ヘッドカバー22aの上下方向(γ方向)に立設し気筒列方向(α方向)に等間隔に配列された6つのカムホルダ64と、気筒列方向に延在し幅方向(β方向)の略中央に配置されてカムホルダ64を連結する連結部66とを備える。各カムホルダ64は、上側部材68と下側部材70とを備え(図5及び図6)、各カムホルダ64では、上側部材68及び下側部材70により図示しない吸気カムシャフト及び排気カムシャフトを軸受部72a、72bにより軸支する。また、下側部材70では、ロッカーアーム用のロッカーシャフト(図示せず)を軸受部74a、74bにより軸支している。連結部66には、図示しない点火プラグの挿入孔76が形成されている。
上側部材68及び下側部材70は、4本のボルト78a〜78dによりシリンダヘッド20aに固定されている。連結部66は、4本のボルト78a〜78dによりシリンダヘッド20aに固定されている。
ヘッドカバー22aの頂面80には、第1開口部84を形成する縁部82が設けられている。第1開口部84は、ヘッドカバー22aの頂面80の幅方向(β方向)中間部において気筒列方向(α方向)に沿って形成されており、この第1開口部84からカムホルダユニット60の一部が露出している。また、縁部82には、ヘッドカバー22aの下方に開口したシール収容部86が形成されている。このシール収容部86には、シール部材88が収容される。
図4に示すように、縁部82は、排気側(第1凹部50が形成されている側)において直線状に形成されている。このため、排気側(すなわち、エンジン10全体ではV字の外側)では、シール部材88を湾曲させることがないため、シール部材88のシール性に影響を及ぼすことがない。また、吸気側では、縁部82は、直線と曲線を組み合わせた形状となっている。このため、吸気側(すなわち、エンジン10全体ではV字の内側)では、縁部82の湾曲により、ヘッドカバー22aの剛性を高めることができる。
さらに、縁部82の近傍には又はその一部として、ヘッドカバー22aをカムホルダユニット60に固定する図示しないボルトを取り付けるためのボルト取付部89が形成されている。当該ボルト取付部89にボルトを取り付けることで、ヘッドカバー22aの上部は、カムホルダユニット60に固定される。
ヘッドカバー22aの底面90には、第2開口部92が形成されている。第2開口部92は、カムホルダユニット60を収納可能な大きさに形成されており、この第2開口部92を介してヘッドカバー22aがシリンダヘッド20aに被される。
上述の通り、ヘッドカバー22aの第1側面54には、5つの第1凹部50が設けられている。図5及び図6に示すように、第1側面54の上側には、傾斜部94が形成されている。傾斜部94を形成することで、多角形を構成することにより剛性を高め、振動を抑制することができる。また、図5に示すように、第1側面54のうち第1凹部50が形成されていない箇所は平坦であり、ヘッドカバー22aの下方に向かうに連れて若干外側に拡がっている。
さらに、図1、図2及び図6に示すように、第1凹部50は、ヘッドカバー22aの上部から中間部にかけてシリンダ軸線Axに対して傾斜して(上部へ向かってシリンダ軸線Axに近づく方向に)形成されている。各第1凹部50は、カムホルダ64間において等間隔で設けられており、図1に示すように、エンジン10ではエキゾーストパイプ34の鉛直方向真上(図1中Z方向)に位置している。第1凹部50は、第1側面54に円柱を押し当ててその傾き及び上下方向(γ方向)の位置を徐々に変えながら移動していったような形状を有しており、第1凹部50全体が曲面で形成されている。すなわち、第1凹部50は、気筒列方向(α方向)、幅方向(β方向)及び上下方向(γ方向)の全ての方向で曲線的に構成されている。このため、あらゆる方向からの押圧力に対して強度が大きい。その結果、ヘッドカバー22aの膜面振動を抑制することが可能であり、ヘッドカバー22aの振動に起因する振動を低減することができる。
また、図6に示すように、第1凹部50は、縁部82には至らないように形成されている。このため、第1凹部50の存在にかかわらず、縁部82を直線状に形成することができる。その結果、シール部材88を直線的に配置することが可能となり、シール部材88のシール性を低下させることがない。ヘッドカバー22aとカムホルダユニット60の連結部には雨水などの水が溜まることがあり、シール部材88を湾曲させるとその水が凹んだ箇所に溜まってしまうことがある。シール部材88を直線的に配置することにより水が溜まることを防ぎ、エンジン10の搭載角によって気筒列方向(α方向)端部まで水を流して排水することが可能となる。
図4及び図6に示すように、第1側面54に対向する第2側面56には、ヘッドカバー22aの上部から下部にわたって5つの第2凹部52が形成されている。各第2凹部52は、カムホルダ64間に等間隔で設けられており、エンジン10では鉛直上側(図1中Z方向)に位置している。その結果、平面視では、第2側面56は、滑らか(緩やか)に湾曲する波状に構成される。また、図6に示すように、第2凹部52は、ヘッドカバー22aの下方に向かうに連れて直線状に若干外側に拡がっている。
ヘッドカバー22aの下部には、全周に亘って外側に突出するフランジ部100が形成されている。フランジ部100は、第1側面54では、平面視で直線状であり、第2側面56では、平面視で滑らか(緩やか)に湾曲する波状(曲線状)である。なお、「滑らか(緩やか)」であるとは、第2側面56の湾曲を形成する円の半径が、10mm以上(好ましくは30〜50mm)であることを意味する。この点に関連して第2凹部52の気筒列方向(α方向)の長さは、幅方向(β方向)の長さの4倍以上(好ましくは8〜10倍)とされる。このように、第2凹部52が形成されて第2側面56が平面視で滑らか(緩やか)に湾曲することにより、吸気側はシール性に影響がなく、剛性が高められてむしろシール性が向上する。
フランジ部100には、ヘッドカバー22aの下方に開口したシール収納部102が形成されている。このシール収納部102には、シール部材104が収納されている。シール部材104は、ヘッドカバー22aとシリンダヘッド20aとの間において、上下方向(γ方向)に潰れることでシール性能を発揮する。その際、ヘッドカバー22aに対する反力が発生するが、ヘッドカバー22aでは、第1凹部50が当該反力に抗う。これにより、ヘッドカバー22aの屈曲を抑制することができる。
フランジ部100のさらに外側には、ヘッドカバー22aをシリンダヘッド20aに固定する図示しないボルトを取り付けるためのボルト取付部106が形成されている。当該ボルト取付部106にボルトを取り付けることで、ヘッドカバー22aの下部は、シリンダヘッド20aに固定される。上述のように、ヘッドカバー22aの上部は、カムホルダユニット60に固定されることから、第1凹部50は、上下の固定部間に設けられることとなり、一層剛性を高めることができる。また、ヘッドカバー22aの膜面振動の振幅は、固定部から離れた位置において大きくなるため、本実施の形態のように、上下の固定部の中間位置に第1凹部50を形成することで、膜面振動の抑制を効果的に行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、ヘッドカバー22aには、その上部から第1側面54の中間部にかけてシリンダ軸線Axに対して傾斜する第1凹部50が設けられる。これにより、ヘッドカバー22aの膜面振動が抑制されると共に、当該膜面振動に起因する振動を低減することができる。併せて、第1凹部50の位置をヘッドカバー22aの上部から第1側面54の中間部までとすることにより、ヘッドカバー22aの下部を直線形状とすることが可能となる。その結果、ヘッドカバー22aの下部にシール部材104を設ける構成では、シール部材104のシール性に影響を及ぼすことがない。従って、振動の低減とシール性の維持とを実現することが可能となる。
例えば、上記特許文献1では、垂直コラム(36)によりシリンダ軸線方向に沿って一様な形状の複数の凹部が形成されていることから、ヘッドカバー(10)はいずれの高さにおいても気筒列方向(特許文献1の図1の上下方向)に同構成となっている。これにより、蛇腹構造のように気筒列方向に伸縮し易く、振動(共振を含む。)が発生し易い。
これに対して、本実施の形態では、第1凹部50のいずれの高さにおいても気筒列方向(α方向)に異なる構成であり、仮にいずれかの高さで共振条件が成立しても、他の高さ部分が制振作用を奏することとなる。
また、シリンダヘッド20aの上面の鉛直方向下側である排気側にはシリンダヘッド20aの上面に溜まるオイルをロアオイルパン14へ戻す図示しないオイル落し通路が設けられる。特許文献1のように、シール部材(24)の排気側のシール面が湾曲に形成されると、そのオイル落し通路をシール部材(24)の凸部(凹部が存在しない部位)に形成せざるを得なくなる。しかし、本実施の形態のように、シール部材104を直線状にするとそのような制約を受けることがなく、またオイルが湾曲の凸部(凹部が存在しない場所)に溜まってしまうこともない。
本実施の形態では、第1凹部50は、気筒列方向(α方向)に沿ってヘッドカバー22a内に設けられるカムホルダ64間に設けられる。これにより、カムホルダ64間の部位を有効利用しつつ、振動を低減することが可能となる。
本実施の形態では、V型エンジンであるエンジン10において、第1凹部50は、エキゾーストパイプ34の鉛直真上に配置される。エキゾーストパイプ34の鉛直真上に第1凹部50を設けることにより、エキゾーストパイプ34が発する熱を逃がし易くすることができる。
本実施の形態では、第1凹部50が設けられるヘッドカバー22aの第1側面54は、ヘッドカバー22aがV型のエンジン10に取り付けられた状態で鉛直下側に面する下側側面であり、この第1側面54と対向する上側側面としての第2側面56には、ヘッドカバー22aの上部から下部にかけてシリンダ軸線Axと平行な第2凹部52が設けられる。一般に、ヘッドカバーにはエンジンオイルが飛散し、当該エンジンオイルを再利用のために回収する必要がある。飛散したエンジンオイルは、ヘッドカバーの鉛直上側よりも鉛直下側に溜まり易い。本実施の形態によれば、ヘッドカバー22aの第1側面54では、第1凹部50の位置をヘッドカバー22aの上部から中間部までとして、フランジ部100のうち鉛直下側を直線状にすることができ、オイル落し通路のレイアウトを制約しない。併せて、ヘッドカバー22aの第2側面56では、第2凹部52の位置をヘッドカバー22aの上部から下部までとしてヘッドカバー22aの剛性を高めることができる。
なお、上記実施の形態におけるエンジン10は、V型10気筒エンジンであったが、これに限らない。例えば、V型8気筒エンジン、V型6気筒、直列3気筒エンジン、直列4気筒エンジン、水平対向4気筒エンジン、及び水平対向6気筒エンジン等にも本発明を適用可能である。
上記実施の形態では、第1凹部50の上端や下端の位置を図6等に示す位置としたが、これに限らず、第1凹部50がヘッドカバー22aの上部から第1側面54の中間部にかけてシリンダ軸線Xaに対して傾斜していればよい。また、第1凹部50や第2凹部52の位置は、カムホルダ64間に限らず、別の位置(例えば、気筒列方向(α方向)においてカムホルダ64と同じであって、ヘッドカバー22aの幅方向(β方向)においてカムホルダ64よりも外側の位置)に第1凹部50及び第2凹部52の少なくとも一方を配置させることもできる。
上記実施の形態では、第1凹部50及び第2凹部52それぞれを等間隔に配置したが、これに限らない。例えば、図7のヘッドカバー110に示すように、一部の第1凹部50及び第2凹部52を省略すると共に、残余のものの位置を変える等して、第1凹部50や第2凹部52を不等間隔にしてもよい。これにより、気筒列方向(α方向)に伝わる振動及びその反射波が、所定の周波数で増幅されることを防止できる。
上記実施の形態では、第1側面54に第1凹部50を第2側面56に第2凹部52を設けたが、例えば、第1側面54と第2側面56の両方に第1凹部50を設けてもよい。
これら以外にも、本発明は、上記実施の形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…エンジン 20a、20b…シリンダヘッド
22a、22b、110…ヘッドカバー 34…エキゾーストパイプ
50…第1凹部 52…第2凹部
54…第1側面(下側側面) 56…第2側面(上側側面)
64…カムホルダ(動弁機構) Ax…シリンダ軸線

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドの上部に設けられ、動弁機構を覆うヘッドカバーであって、
    上部から側面の中間部にかけてシリンダ軸線に対して傾斜する凹部が設けられる
    ことを特徴とするヘッドカバー。
  2. 請求項1記載のヘッドカバーにおいて、
    前記内燃機関には、複数の気筒が並列し、
    前記凹部は、気筒列方向に沿って前記ヘッドカバー内に設けられるカムホルダ間に設けられる
    ことを特徴とするヘッドカバー。
  3. 請求項1又は2記載のヘッドカバーにおいて、
    前記ヘッドカバーは、略直方体状であり、
    前記凹部が設けられる側面は平坦であり、前記凹部は曲面で構成される
    ことを特徴とするヘッドカバー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドカバーにおいて、
    前記内燃機関は、V型エンジンであり、
    気筒数に応じた複数の前記凹部が、各エキゾーストパイプの鉛直真上に配置される
    ことを特徴とするヘッドカバー。
  5. 請求項4記載のヘッドカバーにおいて、
    前記凹部が設けられるヘッドカバーの側面は、前記ヘッドカバーが前記V型エンジンに取り付けられた状態で鉛直下側に面する下側側面であり、この下側側面と対向する上側側面には、前記ヘッドカバーの上部から下部にかけて前記シリンダ軸線と略平行な第2凹部が設けられる
    ことを特徴とするヘッドカバー。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドカバーにおいて、
    前記内燃機関には、複数の気筒が並列し、
    複数の前記凹部が不等間隔で配置される
    ことを特徴とするヘッドカバー。
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