JP2010162777A - 加飾樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠面において、金属色の質感がより十分に得られると共に、 金属に触れたときと同等の触感や叩いたときの金属音が得られる加飾樹脂成形品を有利に製造し得る方法を提供する。
【解決手段】金属シート16を基材12の意匠面14に対応した形状に賦形する一方、かかる金属シート16の賦形に先立って、或いは金属シート16の賦形後に、金属シート16を、接着剤層18が形成された基材12の意匠面14に対して、接着剤層18を介して重ね合わせた後、金属シート16の意匠面14への重合せ面を基材12側から吸引する操作及び/又は金属シート16の意匠面14への重合せ面とは反対側の面に圧力気体を吹き付ける操作を実施して、金属シート16を基材12の意匠面14に密接せしめて、接合するようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、加飾樹脂成形品の製造方法に係り、特に、樹脂成形品からなる基材の意匠面に金属シートが接合されてなる加飾樹脂成形品の有利な製造方法に関するものである。
従来から、加飾樹脂成形品の一種として、樹脂成形品からなる基材の意匠面に対して、例えば、メタリック塗装による塗膜や、金属メッキによるメッキ膜等を形成することにより、意匠面に金属調の加飾が施されてなる加飾樹脂成形品が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。そして、この加飾樹脂成形品は、優れた成形性を有すること等から、例えば、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品、携帯電子機器等の様々な製品や物品の表皮材や部品等として、多く利用されてきている。
しかしながら、そのような加飾樹脂成形品のうち、基材の意匠面に塗膜が形成されてなるものでは、一般に、基材意匠面に対する塗装作業を複数回繰り返して、塗膜が形成される。それ故、かかる加飾樹脂成形品の製造に際しては、塗装時に色ムラやタレ等が生じないように、製造管理(塗装作業の標準化、乾燥工程での温度管理等)及び塗膜の品質管理が、厳しく行われていた。
また、基材の意匠面に塗膜が形成された加飾樹脂成形品と意匠面にメッキ膜が形成されてなる加飾樹脂成形品とにおいては、基材の意匠面にヒケやウェルド等が生じていると、塗膜やメッキ膜の形成後に、それらの成形不良が、加飾樹脂成形品の意匠面にそのまま現れてしまうことがあり、そのため、基材の成形時においても、成形条件等に対する高度な管理が必要であった。その上、空気清浄機等の設備を導入することにより、作業環境を改善して、塗装やメッキ直後に、意匠面に埃等の異物が付着しないように、品質管理を徹底する必要があった。更に、メッキ膜の形成に際しては、クロム酸や6価クロム等の環境負荷物質の廃液が生じ、それが環境問題となっている。
一方、真空蒸着やスパッタリング等にて、表面に金属薄膜が形成された樹脂フィルムを、樹脂成形品からなる基材の意匠面に接合することにより、かかる意匠面上に金属薄膜を形成してなる加飾樹脂成形品も、知られている(例えば、下記特許文献2参照)。この加飾樹脂成形品にあっては、意匠面に塗膜やメッキ膜を形成する場合とは異なり、加飾樹脂成形品の製造工程の簡略化が図られると共に、色ムラやタレ等の発生が有利に回避され得る。また、塗膜やメッキ膜の形成時に比べて、金属薄膜形成直後に埃等の付着防止の厳重な品質管理を必要としない。
ところが、そのような加飾樹脂成形品にあっては、金属薄膜が形成される樹脂フィルムが薄肉であるために、かかる樹脂フィルムが基材の意匠面に合った形状において接合され得るものの、コーナー部等で樹脂フィルムが引き延ばされた場合に、金属薄膜に透けや割れ等が生ずる恐れがあった。また、金属薄膜自体も極めて薄いものであるが故に、金属色の質感が不十分であり、しかも、手で触れたとき等に、金属を触ったときの冷たい触感を得ることが困難であることに加えて、意匠面を叩いたとき等に金属音を生じさせることが難しく、金属本来の特性を再現することが容易ではなかった。
なお、樹脂成形品からなる基材の意匠面に対して、予め、意匠面に対応した形状に賦形された金属シートを、その端部において、基材の端部にかしめ固定することにより、接合してなる加飾樹脂成形品もある。このような加飾樹脂成形品では、本物の金属シートが用いられているところから、意匠面において、金属表面が、視覚的にリアルに表現され得ると共に、金属の触感が得られるものの、金属シートが基材に部分的に固定されるだけであるために、金属シートの基材に対する接合強度を、より高いレベルで確保することが容易ではなかった。しかも、かかる加飾樹脂成形品では、金属シートが厚いものであると、例えば、絞り加工や曲げ加工等のプレス加工により賦形した後、スプリングバックによる変形によって、寸法精度が低下し、基材の意匠になじまずに接合力が低下する恐れがあった。また、金属シートが薄いものであると、プレス加工時に、意匠面の凹凸部で割れ等が生じて、意匠性が低下する懸念があった。
特開2002−262197号公報 特開2008−94038号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、金属シートが、基材に対して、より高い接合強度をもって接合されて、金属色の質感が十分に得られ、しかも、 金属に触れたときと同じ触感や叩いたときの金属音が得られる加飾樹脂成形品を有利に製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。そして、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
<1> 樹脂成形品からなる基材の意匠面に、該意匠面に対応した形状に賦形された金属シートが接合されてなる加飾樹脂成形品の製造方法であって、(a)前記基材を準備する工程と、(b)該準備された基材の前記意匠面に接着剤層を形成する工程と、(c)前記金属シートを前記基材の意匠面に対応した形状に賦形する工程と、(d)前記接着剤層が形成された前記基材の意匠面に、該接着剤層を介して、前記金属シートを重ね合わせる工程と、(e)前記基材の意匠面に重ね合わされた前記金属シートの該意匠面に対する重合せ面を該基材側から吸引する操作及び/又は該基材の意匠面に重ね合わされた該金属シートの重合せ面とは反対側の面に圧力気体を吹き付ける操作を実施することにより、該金属シートを該基材の意匠面に密接せしめて、接合する工程とを含むことを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。
なお、この態様<1>では、(a)〜(e)の各工程の実施順序が、特に限定されるものではなく、適宜に設定されるところであり、また、それら(a)〜(e)の工程のうちの幾つかの工程を同時に実施しても良い。
<2> 前記金属シートの重合せ面の吸引操作及び/又は前記金属シートの重合せ面とは反対側の面への圧力気体の吹付操作を実施することにより、該金属シートを前記基材の意匠面に対応した形状に賦形しつつ、該意匠面に接合するようにした上記態様<1>に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
<3> 表面の一部が、前記基材の意匠面と同一の形状を呈する成形面部とされると共に、互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備え、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされた多孔質セラミックス体を用い、該多孔質セラミックス体の該成形面部に、該金属シートを重ね合わせると共に、該多数の連通孔を通じて、該多孔質セラミックス体の成形面部に対する該金属シートの重合せ面を吸引して、該成形面部に密接させることにより、該金属シートを、前記基材の意匠面に対応した形状に賦形するようにした上記態様<1>に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
<4> 互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備え、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされた多孔質セラミックス体とを用いて、前記金属シートを、前記基材の意匠面又は該意匠面と同一の形状を呈する成形面部に重ね合わせると共に、該多孔質セラミックス体の多数の気孔を通じて、該基材の意匠面又は該成形面部に対する該金属シートの重合せ面とは反対側の面に圧力気体を吹き付けて、該基材の意匠面又は該成形面部に密接させることにより、該金属シートを、前記基材の意匠面に対応した形状に賦形するようにした上記態様<1>乃至<3>に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
すなわち、本発明に従う加飾樹脂成形品の製造方法にあっては、本物の金属シートを、樹脂成形品からなる基材の意匠面に接合するものであるところから、最終的に得られる加飾樹脂成形品の意匠面において、金属色の質感が十分に確保され得るだけでなく、意匠面に触れたときに、金属表面に触れたときと同等の触感が得られ、更には、叩いたときに金属音を生じさせることが出来る。そして、特に、金属シートが、真空圧空成形を利用して、基材の意匠面に密接されることにより、金属シートの全面が、基材の意匠面に対して、接着剤層を介して接合される。
従って、かくの如き本発明に従う加飾樹脂成形品の製造方法によれば、金属シートが、基材の意匠面に対して、より高い接合強度をもって接合されて、意匠面において、金属色の質感が十分に得られると共に、 金属に触れたときと同じ触感や叩いたときに金属音が得られる加飾樹脂成形品が、極めて有利に製造され得る。そして、その結果、製造される加飾樹脂成形品において、より本物の金属に近い優れた品質と更に一層高度な耐久性とが、効果的に確保され得るのである。
本発明手法に従って製造された加飾樹脂成形品の一例を示す縦断面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を成形する際に実施される一工程例を示す説明図であって、基材の意匠面に接着剤層を形成した状態を示している。 図1に示された加飾樹脂成形品を成形する際に用いられる真空成形型の縦断面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を製造する際に実施される別の工程例を示す説明図であって、図3に示された真空成形型に平板状の金属シートをセットした状態を示している。 図4に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、真空成形によって、基材の意匠面に対応した形状を呈する金属シートを得た状態を示している。 図5に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、真空成形を利用して、基材の意匠面に対応した形状を呈する金属シートを、基材の意匠面に接合している状態を示している。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を製造する際に実施される別の工程例を示す説明図であって、平板状の金属シートを真空成形型にセットして、加熱している状態を示している。 図7に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、真空成形を利用して、平板状の金属シートを、基材の意匠面に対応した形状に賦形すると共に、賦形された金属シートを、基材の意匠面に接合している状態を示している。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を製造する際に実施される別の工程例を示す説明図であって、平板状の金属シートを圧空成形型にセットして、加熱している状態を示している。 図9に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、圧空成形を利用して、平板状の金属シートを、基材の意匠面に対応した形状に賦形すると共に、賦形された金属シートを、基材の意匠面に接合している状態を示している。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を製造する際に実施される別の工程例を示す説明図であって、真空・圧空成形を利用して、平板状の金属シートを、基材の意匠面に対応した形状に賦形すると共に、賦形された金属シートを、基材の意匠面に接合している状態を示している。 本発明手法に従って、図1に示された加飾樹脂成形品を製造する際に実施される別の工程例を示す説明図であって、平板状の金属シートを成形型にセットした状態を示している。 図12に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、平板状の金属シートを基材の意匠面に対応した形状に賦形している状態を示している。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明手法に従って製造された加飾樹脂成形品の一実施形態としての自動車の内装部品が、その縦断面形態において示されている。かかる図1から明らかなように、内装部品10は、樹脂成形品からなる基材12の意匠面14上に、金属シート16が、接着剤層18を介して接着されて、形成されている。
このような内装部品10の基材12は、略矩形平板状の天板部20と、この天板部20の外周縁部に対して、天板部20の厚さ方向一方側に突出し且つ周方向に連続して延びるように一体的に立設された矩形枠状の脚部22とを有している。そして、かかる天板部20における脚部22の突出側とは反対側の面(図1における天板部20の上面)と、天板部20と脚部22との間に形成される角部の外面とにて、意匠面14が構成されている。なお、この基材12は、例えば、ABS樹脂やAAS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート等、自動車用内装部品の形成材料として一般に使用される樹脂材料を用いて、形成されている。
一方、基材12の意匠面14に接着される金属シート16は、例えば、0.1〜1.0mm程度の厚さを有し、良好な賦形性等を確保しつつ、メタリック塗装や金属メッキによって形成される塗膜やメッキ膜、或いは真空蒸着やスパッタリング等の物理蒸着法や公知の化学蒸着法等によって形成される金属薄膜等よりも十分に厚い肉厚とされている。そして、この金属シート16が、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形されている。なお、かかる金属シート16には、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、銅や銅合金等、自動車用内装部品の意匠面に対する金属加飾において一般的に用いられ、且つ中高温で高い延伸性を発揮する特性を備えた金属材料からなるシート材が、用いられる。
また、金属シート16と基材12との間に介在せしめられる接着剤層18を形成する接着剤は、樹脂成形品と金属製品とを接着可能なものであれば、何れもが採用可能であり、その中でも、自動車用内装部品の使用環境下で、十分な接着強度を発揮し得るものが、適宜に選択されて使用され得る。
ところで、かくの如き構造を有する内装部品10は、例えば、以下のように、所定形状を有する基材12を準備する一方、それとは別に、基材12の意匠面14に対応した形状を呈する金属シート16を賦形した後、それら基材12と金属シート16とを相互に接合することによって、製造される。
より詳細には、先ず、基材12を成形して、準備する。この基材12の成形に際しては、その成形手法として、成形されるべき基材12の形状に対応した形状の成形キャビティを有する成形型を用いた、公知の各種の型成形手法が採用される。ここでは、例えば、射出成形を実施して、図2に示されるように、天板部20と、それの厚さ方向一方側の面に立設された脚部22とを一体的に有し、天板部20の脚部22の形成側とは反対側の面と、天板部20と脚部22との間に形成される角部の外面とが意匠面14とされた基材12を成形する。
そして、基材12を成形したら、図2に示されるように、基材12の意匠面14上に、接着剤層18を積層形成する。この接着剤層18は、例えば、二液性や一液性の公知の接着剤を、意匠面14上に所定厚さで塗布すること等によって形成される。
一方、平板状の金属シートを、公知の手法により作製して、或いは既製のものを用いて、準備する。そして、上記の基材12の成形作業とは別個の作業により、平板状の金属シートを賦形して、基材12の意匠面14に対応した形状を有する金属シート16を得るのであるが、その際には、例えば、図3に示される如き真空成形型24が用いられる。ここで用いられる真空成形型24は、全体として、矩形のブロック形状を呈し、高さ方向(厚さ方向)の一方の面に、凹所26が形成されている。また、凹所26の底部の中央部位には、吸引孔28が、設けられている。この吸引孔28は、真空成形型24を高さ方向に貫通している。そして、真空成形型24の凹所26の底面側とは反対側の面において開口する吸引孔28の開口部に対して、真空ポンプ等の吸引装置が、吸引ホース等(共に図示せず)を介して、接続されている。
また、凹所26内には、電気ヒータ30が、固設されている。この電気ヒータ30は、凹所26の内面の全面を覆うように配置されており、その中央には、吸引孔28に連通する連通孔32が設けられている。更に、そのような電気ヒータ30の内側には、多孔質セラミックス体34が、配設されている。
この多孔質セラミックス体34は、互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備えた三次元網目構造を有している。そして、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされている。また、多孔質セラミックス体34は、全体として、凹所26に対応した浅底の皿状を呈し、その外面が、かかる内側面の形状に対応した形状とされている一方、その内面が、基材12の意匠面14に対応した形状を呈する成形面部36とされている。そして、そのような多孔質セラミックス体34が、その外面を、電気ヒータ30の内側面の全面に接触させ、且つ吸引孔28に連通する電気ヒータ30の連通孔32を覆蓋するようにして、電気ヒータ30の内側に配設されている。
かくして、真空成形型24にあっては、電気ヒータ30の作動により、多孔質セラミックス体34の全体が加熱されて、凹所26の内側空間が加熱されるようになっており、また、図示しない吸引装置の作動により、凹所26内の空気が、多孔質セラミックス体34が有する多数の気孔を通じて、電気ヒータ30の連通孔32と吸引孔28とから外部に排出されるようになっている。
このような構造を有する真空成形型24を用いて、基材12の意匠面14に対応した形状を有する金属シート16を得るには、先ず、図4に示されるように、平板状を呈する金属シート16aを、真空成形型24にセットする。具体的には、凹所26内に配設された皿状の多孔質セラミックス体34を覆蓋するように、金属シート16aの外周部17を、真空成形型24の上面の外周部に重ね合わせるように載置する。また、その状態で、金属シート16aの外周部17上(真空成形型24側とは反対側の面上)に、かかる外周部17に対応した矩形枠体形状を呈する固定用枠体38を重ね合わせた後、図示しないクランプ部材にて、固定用枠体38を真空成形型24に対して取り外し可能に固定する。これにより、金属シート16aと真空成形型24の互いに重ね合わされたそれぞれの外周部同士の間を気密にシールして、凹所26の内側に配設された多孔質セラミックス体34の内側空間を密閉した状態で、金属シート16aを真空成形型24に固定的にセットするのである。
次に、電気ヒータ30を作動させて、多孔質セラミックス体34を加熱すると共に、その内側空間内の空気を加熱して、かかる内側空間を密封する金属シート16aを加熱する。このとき、金属シート16aは、例えば、200〜500℃程度にまで加熱される。なお、この金属シート16aの加熱温度は、金属シート16aが容易に賦形可能となる温度であれば、特に限定されるものではない。
そして、金属シート16aが所定の加熱温度に到達したら、図示しない吸引装置を作動させて、金属シート16aにて密閉された多孔質セラミックス体34の内側空間内の空気を、多孔質セラミックス体34の多数の気孔を通じて、電気ヒータ30の連通孔32と吸引孔28とから外部に排出する。このとき、多孔質セラミックス体34の内側面の全面において、多数の気孔が開口しているため、図4に矢印で示されるように、多孔質セラミックス体34の内側空間内の空気が、多孔質セラミックス体34の内側面の全面から吸引されるようになる。
これにより、真空成形型24にセットされた金属シート16aにおける多孔質セラミックス体34の内側空間の覆蓋部分を、その全面において、多孔質セラミックス体34側に、略均一に吸引して、多孔質セラミックス体34の成形面部36に密接せしめる。その結果、図5に示されるように、金属シート16aの外周部17よりも内側の部分を、成形面部36に対応した形状、つまり基材12の意匠面14に対応した形状に賦形する。そうして、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16を得るのである。
次いで、上記のようにして得られた基材12と金属シート16とを接合するのであるが、ここでは、特に、その作業が、図6に示されるような公知の真空成形型40を用いた真空成形手法を利用して、実施される。
すなわち、図6に示されるように、真空成形型40は、全体として、矩形のブロック形状を呈し、その上面の外周部から内側に入り込んだ部分に、基材12の脚部22の厚さ寸法よりも所定寸法だけ大きな幅を有して、かかる脚部22の全体が嵌入可能とされた環状溝42が設けられている。また、環状溝42にて囲まれた真空成形型40の上面部分が、基材12の意匠面14側とは反対側の面に対応した形状を呈する支持面部44とされている。更に、環状溝42の底面には、その周上の複数箇所(図6には2箇所のみを示す)に、真空成形型40を高さ(厚さ)方向に貫通する吸引孔46が、それぞれ設けられている。それら各吸引孔46は、図示しない真空ポンプ等の吸引装置に接続されている。
そして、このような真空成形型40を用いて、基材12と金属シート16との接合操作を実施する際には、先ず、意匠面14上に接着剤層18が形成された、図2に示されるような構造を有する基材12を真空成形型40にセットする。このとき、基材12の脚部22の全体が、真空成形型40の環状溝42内に嵌入されると共に、基材12の内側面の全体が、支持面部44に接触して、支持される。それによって、基材12が、真空成形型40に嵌合固定されて、セットされることとなる。また、そのような基材12の真空成形型40へのセット状態下では、真空成形型40の複数の吸引孔46が、環状溝42の外側側面と、環状溝42内に嵌入された基材12の脚部22の外面との間の隙間(基材12の脚部22が嵌入された環状溝42内に形成される隙間)内に連通した状態とされる。
次いで、真空成形型40にセットされた基材12の意匠面14に対して、この意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16を、接着剤層18を介して重ね合わせる。その一方で、金属シート16の賦形された部分の外周縁部から側方に延びる外フランジ状の外周部17を、真空成形型40の上面の外周部上に載置する。その後、金属シート16の外周部17上(真空成形型40側とは反対側の面上)に、かかる外周部17に対応した矩形枠体形状を呈する固定用枠体48を重ね合わせた後、図示しないクランプ部材にて、固定用枠体48を真空成形型40に対して取り外し可能に固定する。これにより、金属シート16の外周部17と真空成形型40の外周部との間を気密にシールしつつ、金属シート16を、基材12の意匠面14に重ね合わせた状態で、真空成形型40に固定的にセットする。このとき、基材12の脚部22が嵌入された環状溝42内に形成される隙間が、金属シート16と基材12の意匠面14との重合せ面間に形成される空隙に連通される。
そして、真空成形型40の各吸引孔46に接続された、図示しない吸引装置を作動させて、図6に矢印で示されるように、金属シート16と基材12の意匠面14との重合せ面間に形成される空隙内の空気を、環状溝42と各吸引孔46を通じて外部に排出する。なお、かかる空隙内の空気を外部に排出する際には、例えば、基材12に対して、それを板厚方向に貫通する貫通孔を複数設けると共に、それらの貫通孔に連通する吸引孔46を真空成形型40に形成し、それらの貫通孔や吸引孔46を通じて、金属シート16と基材12の意匠面14との重合せ面間に形成される空隙内の空気を外部に排出するようにしても良い。
これにより、基材12の意匠面14に重ね合わされた金属シート16を、その全面において、基材12側に吸引して、基材12の意匠面14に密接せしめる。以て、基材12の意匠面14と金属シート16との間に介在する接着剤層18により、金属シート16を基材12の意匠面14に強固に接着させる。
その後、基材12の意匠面14上に、この意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16が接合された接合品を真空成形型40から離型して、金属シート16の外フランジ部状に延びる外周部17を公知の方法により切除する。そうして、図1に示される如き構造を有する、目的とする内装部品10を得るのである。
このように、本実施形態では、本物の金属シート16を、樹脂成形品からなる基材12の意匠面14に接合して、目的とする内装部品10を得るものであるため、最終的に得られた内装部品10の意匠面において、金属色の質感が十分に得られる。また、金属シート16の厚さが、従来の金属調の加飾樹脂成形品において、基材の意匠面に、物理蒸着法や化学蒸着法によって形成される金属薄膜等よりも十分に厚くされているため、意匠面に触れたときに、金属表面を触れたときと同等の触感や叩いたときの金属音が得られるようになる。更に、塗膜やメッキ膜が設けられた従来の加飾樹脂成形品とは異なって、意匠面14に色ムラやタレ等が発生したり、基材12の成形不良が意匠面14にそのまま現れたりしないようにする品質管理や、基材12の意匠面14への金属シート16の接着直後に埃等が付着しないようにする品質管理を厳密に行う必要もない。そして、特に、基材12の意匠面14に対する金属シート16の接着操作が、真空成形を利用して実施されているところから、金属シート16が、基材12の意匠面14に対して、より確実に且つ強固に接着されるようになる。
従って、かくの如き本実施形態によれば、より本物の金属に近い優れた品質と更に一層高度な耐久性とを兼備した内装部品10が、極めて有利に得られるのである。
また、本実施形態においては、多孔質セラミックス体34の多数の気孔を吸引孔として利用した真空成形型24を用いて、平板状の金属シート16aの変形されるべき部分の厚さ方向一方の面の全面を略均一に吸引する真空成形を行って、平板状の金属シート16aを基材12の意匠面14に対応した形状に賦形するようになっている。それ故、樹脂シートに比して剛性が高いために吸引による賦形(変形)が困難な金属シート16aが、意匠面14に対応した所望の形状となるように、極めて確実に且つ変形量が部分的にばらつくことなしに、安定的に賦形され得る。その結果として、目的とする内装部品10の意匠面が、より確実に所望の形状とされると共に、基材12の意匠面14と金属シート16とが一致した形状とされていることにより、それらの間の接合強度の向上が有利に図られ得、以て、更に一層高品質な内装部品10が、極めて有利に製造され得ることとなる。
ところで、前記実施形態では、平板状の金属シート16aを基材12の意匠面14に対応した形状に賦形する作業と、賦形された金属シート16を基材12の意匠面14に接合する作業とが、互いに異なる別個の真空成形型24,40とを用いて、別々に実施されていたが、金属シート16aの賦形と、賦形された金属シート16の基材12の意匠面14への接合とを同時に行うことも可能である。
その際には、例えば、図7に示されるように、前記第一実施形態において、賦形された金属シート16を基材12の意匠面14に接合するのに用いられる真空成形型40と略同様な構造を有するものの、平板状の金属シート16aを固定可能とした構造を有する点のみにおいて、かかる真空成形型40とは異なる別個の真空成形型52が、用いられる。なお、本実施形態を示す図7、及び後述する図8、更には別の実施形態を示す図9乃至図13については、前記第一実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、図1乃至図6と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
すなわち、ここで用いられる真空成形型52は、意匠面14に接着剤層18が形成された基材12の脚部22が嵌入される環状溝42と、基材12の意匠面14とは反対側の面(基材12の内側面)に対応した形状の支持面部44と備えている。また、かかる環状溝42の底部には、複数の吸引孔46が、周方向に所定間隔をおいて複数設けられている(図7には、2個のみを示す)。それら吸引孔46は、何れも図示しない真空ポンプ等の吸引装置に接続されている。更に、真空成形型52の外周部には、上方に突出し且つ周方向に連続して延びる、先端面が平坦な環状面とされた環状突部54が、一体的に設けられている。
そして、このような真空成形型52を用いて、目的とする内装部品10を得る際には、先ず、前記第一実施形態と同様にして、平板状の金属シート16aを準備する一方、意匠面14に接着剤層18が積層形成された基材12を作製して、準備する。
その後、図7に示されるように、真空成形型52の環状溝42内に、意匠面14に接着剤層18が積層形成された基材12の脚部22を環状溝42内に嵌入すると共に、基材12の内側面の全体を、支持面部44に接触させて、支持させる。それによって、基材12を、真空成形型52に嵌合固定して、セットする。このような基材12の真空成形型52へのセット状態下では、真空成形型52の複数の吸引孔46が、基材12の脚部22が嵌入された環状溝42内に形成されて、環状溝42の開口部を通じて、上方に開口する隙間内に連通した状態とされる。
次に、真空成形型52にセットされた基材12の意匠面14上に、平板状の金属シート16aを、接着剤層18を介して重ね合わせる。このとき、金属シート16aの外周部17を、真空成形型52の外周部に設けられた環状突部54の先端面に重ね合わせて、かかる環状突部54の上方への開口部を覆蓋するように載置する。また、その状態で、環状突部54に載置された金属シート16aの外周部17の環状突部54側とは反対側の面上に、固定用枠体56を重ね合わせた後、図示しないクランプ部材にて、固定用枠体56を真空成形型52に対して取り外し可能に固定する。これにより、金属シート16aと真空成形型52の互いに重ね合わされたそれぞれの外周部同士の間を気密にシールして、環状突部54の内側において、真空成形型52にセットされた基材12と環状突部54との間に形成される空隙を密閉した状態で、金属シート16aを真空成形型52に固定的にセットするのである。
その後、図7に示されるように、例えば、板状の電気ヒータ30を用いて、真空成形型52にセットされた金属シート16aを加熱する。このときの金属シート16aの加熱温度は、前記第一実施形態での金属シート16aの加熱温度と同じ程度とされる。
そして、金属シート16aを所定温度にまで加熱したら、各吸引孔46に接続された吸引装置を作動させて、金属シート16aにて密閉された基材12と環状突部54との間の空隙内の空気を、基材12の脚部22が嵌入された環状溝42内に形成される隙間と各吸引孔46を通じて外部に排出する。
これにより、図8に示されるように、真空成形型52にセットされた金属シート16aを、基材12側に吸引して、基材12の意匠面14に密接させる。その結果、金属シート16aの外周部17よりも内側の部分を、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形する。
また、この金属シート16aの賦形時には、金属シート16aと基材12の意匠面14との間の隙間内の空気も、基材12の脚部22が嵌入された環状溝42内に形成される隙間と各吸引孔46を通じて外部に排出される。
かくして、ここでは、意匠面14に対応した形状を有する金属シート16を得ると同時に、この金属シート16を基材12側に吸引して、基材12の意匠面14に密接せしめ、、以て、基材12の意匠面14と金属シート16との間に介在する接着剤層18により、金属シート16を基材12の意匠面14に強固に接着させる。
その後、基材12の意匠面14上に、この意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16が接合された接合品を真空成形型40から離型して、金属シート16の外フランジ部状に延びる外周部17を公知の方法により切除する。そうして、図1に示される如き構造を有する、目的とする内装部品10を得るのである。
このような本実施形態にあっても、基材12の意匠面14に、本物の金属シート16が、真空成形を利用して接合されているため、より本物の金属に近い優れた品質と更に一層高度な耐久性とを兼備した内装部品10が、極めて有利に得られる。
そして、本実施形態では、特に、一回の真空成形操作を実施するだけで、基材12の意匠面14に賦形された金属シート16を得ると同時に、かかる金属シート16を、基材12の意匠面14に対して強固に接合することが出来る。従って、基材12の意匠面14に賦形された金属シート16を得る作業と、かかる金属シート16を、基材12の意匠面14に接合する作業とを別個に行う場合に比して、目的とする内装部品10が、より簡略で、安価な設備と容易な作業にて、低コストに且つ効率的に得られることとなるのである。
ところで、第二実施形態では、一回の真空成形操作にて、平板状の金属シート16aの賦形作業と、賦形された金属シート16の基材12の意匠面14への接合作業とが一挙に行われるようになっていたが、真空成形操作に代えて、一回の圧空成形操作にて、かかる賦形作業と接合作業とを一挙に行うことも出来る。
その際には、例えば、図9に示されるような圧空成形型58が用いられる。この圧空成形型58は、位置固定の上型60と、かかる上型60の下方に対向位置して、図示しない油圧機構等により上下方向に移動可能とされた下型62とを有している。この下型62の上下動に伴って、上型60と下型62とが型閉じ又は型開きされるようになっている。
下型62は、全体として、略矩形のブロック形状を呈し、その上面に、意匠面14に接着剤層18が形成された基材12の脚部22が嵌入される環状溝42と、基材12の意匠面14とは反対側の面(基材12の内側面)に対応した形状の支持面部44とが設けられ、また、かかる上面の外周部には、上方に突出し且つ周方向に連続して延びる、先端面が平坦な環状面とされた環状突部54が、環状溝42や支持面部44を外側から取り囲むように、一体形成されている。
一方、上型60は、その下面の外周部に、所定高さで突出し且つ周方向に連続して延びる環状の挟持突起63が一体形成されている。また、上型60の下面における環状の挟持突起63の内側には、収容凹部64が設けられて、この収容凹部64内に、長手矩形ブロック形態を呈する多孔質セラミックス体66が、複数(ここでは10個)収容配置されている。それら各多孔質セラミックス体66は、互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備えた三次元網目構造を有しており、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされている。そして、このような多孔質セラミックス体66の複数が、収容凹部64内に、相互に接触して並列的に並び且つ下面を外部に露呈させるように収容配置された状態で、固定されている。
また、上型60の収容凹部64の底部には、複数の通気孔68が、収容凹部64内に収容された複数の多孔質セラミックス体66に対してそれぞれ1個ずつ対応位置して、上型60を上下方向に貫通するように設けられている。そして、それら各通気孔68は、下側開口部において、対応する多孔質セラミックス体66の気孔にそれぞれ連通せしめられている一方、上側開口部に、通気パイプ70が、それぞれ接続されている。この通気パイプ70は、図示しないコンプレッサ等の圧力気体(例えば圧縮空気)を供給する圧力気体供給装置に接続されている。また、かかる通気パイプ70の各通気孔68への接続部付近には、電磁弁72が、それぞれ設けられている。
かくして、圧力気体供給装置の作動により、圧力気体が、通気パイプ70から各通気孔68内に供給されて、各多孔質セラミックス体66の下面から、下方に向かって吹き出されるようになっている。また、各通気孔68に対応して通気パイプ70に設けられた電磁弁72の開閉により、圧力気体を吹き出す多孔質セラミックス体66が任意に選択され得るようになっている。更に、各電磁弁72は、図示しないコントローラにて、作動制御されるようになっている。
そして、このような圧空成形型58を用いて、目的とする内装部品10を得る際には、先ず、前記第一実施形態と同様にして、平板状の金属シート16aを準備する一方、意匠面14に接着剤層18が積層形成された基材12を作製して、準備する。
その後、図9に示されるように、上型60と下型62との型開き状態下で、下型62の環状溝42内に、意匠面14に接着剤層18が積層形成された基材12の脚部22を嵌入させると共に、基材12の内側面の全体を、支持面部44に接触させて、支持させる。それによって、基材12を、下型62に嵌合固定して、セットする。
次に、下型62にセットされた基材12の意匠面14上に、平板状の金属シート16aを、接着剤層18を介して重ね合わせる。このとき、金属シート16aの外周部17を、下型62の外周部に設けられた環状突部54の先端面に重ね合わせて、かかる環状突部54の上方への開口部を覆蓋するように載置する。
その後、図9に示されるように、例えば、板状の電気ヒータ30を用いて、下型62にセットされた金属シート16aを加熱する。このときの金属シート16aの加熱温度は、前記第一実施形態での金属シート16aの加熱温度と同じ程度とされる。
そして、金属シート16aを所定温度にまで加熱したら、図10に示されるように、下型62と上型60とを型閉じする。このとき、下型62の環状突部54に載置された金属シート16aの外周部17を、下型62の環状突部54と上型60の挟持突起63との間で挟持する。これにより、金属シート16aの外周部17と下型62の環状突部54との間、及び金属シート16aの外周部17と上型60の挟持突起63との間を気密にシールする。以て、金属シート16aを、上型60と下型62との対向面間に形成される密閉空間内において、上型60に設けられた複数の多孔質セラミックス体66の下面に対向させた状態で、固定的に位置させる。
その後、図示しない圧力気体供給装置を作動させると共に、全ての電磁弁72を開作動させて、各多孔質セラミックス体66の下面から圧力気体を吹き出させることにより、かかる圧力気体を、金属シート16aの外周部17を除く部分の基材12との重合せ面とは反対側の上面の全面に向かって、略均一に吹き付ける。そうして、図10に示されるように、圧空成形型58にセットされた金属シート16aを基材12の意匠面14に密接させる。その結果、金属シート16aの外周部17よりも内側の部分を、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形する。
また、この金属シート16aの賦形時には、金属シート16aに対する圧力気体の吹付により、賦形前の金属シート16aも賦形後の金属シート16も、基材12の意匠面14上に形成された接着剤層18を介して、意匠面14に強く押し付けられる。
かくして、ここでは、意匠面14に対応した形状を有する金属シート16を得ると同時に、この金属シート16を、基材12の意匠面14と金属シート16との間に介在する接着剤層18により、基材12の意匠面14に強固に接着させる。
その後、基材12の意匠面14上に、この意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16が接合された接合品を圧空成形型58から離型して、金属シート16の外フランジ部状に延びる外周部17を公知の方法により切除する。そうして、図1に示される如き構造を有する、目的とする内装部品10を得るのである。
このような本実施形態にあっても、本物の金属シート16が、基材12の意匠面14に対して、圧空成形により、強固に接合されているため、より本物の金属に近い優れた品質と更に一層高度な耐久性とを兼備した内装部品10が、極めて有利に得られる。
そして、本実施形態では、特に、多孔質セラミックス体66の多数の気孔を圧力気体の吹出孔として利用した圧空成形型58を用いて、平板状の金属シート16aの変形されるべき部分の上面の全面に、圧力気体を略均一に吹き付ける圧空成形を行って、平板状の金属シート16aを基材12の意匠面14に対応した形状に賦形し、且つ賦形された金属シート16を基材12の意匠面14に接合するようになっている。それ故、樹脂シートに比して剛性が高いために吸引による賦形(変形)が困難な金属シート16aが、意匠面14に対応した所望の形状となるように、極めて確実に且つ変形量が部分的にばらつくことなしに、安定的に賦形され、それと同時に、基材12の意匠面14の全面に対して、均一に接合され得る。その結果として、目的とする内装部品10の意匠面が、より確実に所望の形状とされると共に、基材12の意匠面14と金属シート16とが一致した形状とされて、それらの間の接合強度の向上が有利に図られ得る。その結果として、更に一層高品質な内装部品10が、極めて有利に製造され得ることとなる。
また、本実施形態においては、圧空成形型58の上型60の各通気孔68に接続された通気パイプ70上の複数の電磁弁72の任意のものを開作動することにより、複数の多孔質セラミックス体66のうちの任意のものから圧力気体を吹き出し得るようになる。それ故、例えば、互いに形状の異なる内装部品10の複数種類を製造する場合に、製造されるべき内装部品10の基材12の形状に応じて、上型60に配設された複数の多孔質セラミックス体66のうちの圧力気体が吹き出されるものを適宜に選択するように為せば、基材12がセットされる下型62のみを種々交換しつつ、一つの上型60を汎用的に使用することが可能となる。それによって、目的とする各種の内装部品10が、より効率的に且つ低コストに製造され得るのである。
上記の第一乃至第三実施形態とは異なって、真空成形操作と圧空成形操作とを同時に行うことにより、目的とする内装部品10を製造することも出来る。
その際には、例えば、図11に示されるような真空・圧空成形型74が用いられる。この真空・圧空成形型74は、第二実施形態で用いられる、図8に示される如き構造を備えた真空成形型(40)を下型76として用いる一方、第三実施形態で用いられる、図9に示される如き構造を備えた圧空成形型(58)の上型60とを有している。
そして、そのような真空・圧空成形型74を用いて、目的とする内装部品10を製造する際には、先ず、前記第三実施形態と同様に、意匠面14に接着剤層18が形成された基材12を下型76にセットする一方、この基材12の意匠面14上に、平板状の金属シート16aを、接着剤層18を介して重ね合わせる。その状態で、例えば、板状の電気ヒータ30にて、金属シート16aを所定温度まで加熱する(図9参照)。
次いで、図11に示されるように、上型60と下型76とを型閉じして、金属シート16aの外周部17を、下型76の環状突部54と上型60の挟持突起63との間で挟持する。これにより、上型60と下型76との間に、金属シート16aの外周部17を除く部分が収容された密閉空間78を形成する。
その後、下型76の各吸引孔46と環状溝42の隙間とを通じて、密閉空間78内の空気と、基材17と金属シート16aとの間の隙間内の空気とを吸引する一方で、上型60に配設された複数の多孔質セラミックス体66の下面から、金属シート16aの上面に向かって圧力気体を吹き出させる。
そうして、図11に示されるように、真空・圧空成形型74にセットされた金属シート16aを基材12の意匠面14に密接させる。その結果、金属シート16aの外周部17よりも内側の部分を、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形して、かかる形状に賦形された金属シート16を得る。また、それと同時に、金属シート16を、基材12の意匠面14と金属シート16との間に介在する接着剤層18により、基材12の意匠面14に強固に接着させる。
その後、基材12の意匠面14上に、この意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16が接合された接合品を真空・圧空成形型74から離型して、金属シート16の外フランジ部状に延びる外周部17を公知の方法により切除する。そうして、図1に示される如き構造を有する、目的とする内装部品10を得るのである。
このような本実施形態にあっても、本物の金属シート16が、基材12の意匠面14に対して、真空・圧空成形により、強固に接合されているため、より本物の金属に近い優れた品質と更に一層高度な耐久性とを兼備した内装部品10が、極めて有利に得られる。
そして、本実施形態では、特に、金属シート16aの賦形と金属シート16の基材12への接合に際して、真空成形と圧空成形とが同時に実施されるものであるため、目的とする内装部品10が、金属シート16と基材12との間の更に優れた接合強度と所望の形状とをもって、より迅速に且つ確実に製造され得ることとなる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、それらは、あくまでも例示であって、本発明は、そのような実施形態における具体的な記述によって何等限定的に解釈されるものでない。
例えば、前記第一の実施形態では、基材16aが、真空成形により、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形されていたが、基材16aを、圧空成形により、或いは真空成形と圧空成形とを同時に行って、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形しても良い。即ち、基材16aを圧空成形のみにより賦形する際と、真空成形と圧空成形とを同時に行って賦形する際には、例えば、基材12の意匠面14に対応する形状とされた、成形面部としての底面を有する成形凹部を備えた成形型を用いて、この成形型に対して、成形凹部を覆蓋するように、平板状の金属シート16aを固定的にセットする。その後、この金属シート16aの成形凹部の底面側とは反対側の面に圧力気体を吹き付けたり、或いは金属シート16aの成形凹部の底面側の面を吸引する。これにより、金属シート16aを成形面部に密接せしめて、基材12の意匠面14に対応した形状に賦形するのである。
勿論、基材16aに対する真空成形及び/又は圧空成形を行って賦形する以外に、公知の絞り加工や曲げ加工等の各種のプレス成形によって、基材16aを賦形することも出来る。
また、基材16aの賦形に際しては、以下の方法も採用され得る。即ち、例えば、図12に示されるように、基材12の意匠面14に対応した形状の内面を有する成形凹部80を備えた成形型82を用いて、この成形型82に対して、成形凹部80を覆蓋するように、平板状の金属シート16aを固定的にセットする一方、かかる成形型82の成形凹部80の上方に、ゴム等の弾性体からなる袋体84を位置させる。その後、図13に示されるように、袋体84内に空気を吹き込んで、袋体84を膨らませる。そうして、成形型82にセットされた金属シート16aを、かかる袋体84にて、成形凹部80の底面に押し付けて、密接させる。これにより、意匠面14に対応した形状に賦形された金属シート16を得るのである。そして、かくして得られた金属シート16を、真空成形及び/又は圧空成形を利用して、基材12の意匠面14に接合するのである。
このような手法によれば、1個の袋体84を汎用的に利用しつつ、様々な形状を有する基材12の意匠面14に対応した成形凹部80の底面の全面に対して、金属シート16aを押し付けることが出来る。それにより、金属シート16aを各種の形状に容易に賦形することが出来、以て、目的とする内装部品10を、より効率的に得ることが可能となる。
前記幾つかの実施形態では、金属シート16を基材12の意匠面14に接合した後、金属シート16の外周部17を切除する操作が実施されていたが、この外周部17の切除による金属シート16の端末処理は、必須のものではなく、必要に応じて実施されるものである。また、そのような外周部17を切除することなく、基材12の脚部22の端部に巻き込むことにより、金属シート16の端末処理を行うようにしても、何等差し支えない。
基材12の全体形状や意匠面14の形状は、例示のものに、特に限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車の内装部品の製造方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、樹脂成形品からなる基材の意匠面に対して、その意匠面に対応した形状に賦形された金属シートが接合されてなる加飾樹脂成形品の製造方法の何れに対しても、それぞれ有利に適用されるものであることは、勿論である。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、各種の形態において実施され得るものである。従って、当業者の知識に基づいて採用される本発明についての種々なる変更、修正、改良に係る各種の実施の形態が、何れも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
10 内装部品 12 基材
14 意匠面 16 金属シート
18 接着剤層 24,40,52 真空成形型
28,46 吸引孔 34,66 多孔質セラミックス体
58 圧空成形型 68 通気孔
74 真空・圧空成形型

Claims (4)

  1. 樹脂成形品からなる基材の意匠面に、該意匠面に対応した形状に賦形された金属シートが接合されてなる加飾樹脂成形品の製造方法であって、
    前記基材を準備する工程と、
    該準備された基材の前記意匠面に接着剤層を形成する工程と、
    前記金属シートを前記基材の意匠面に対応した形状に賦形する工程と、
    前記接着剤層が形成された前記基材の意匠面に、該接着剤層を介して、前記金属シートを重ね合わせる工程と、
    前記基材の意匠面に重ね合わされた前記金属シートの該意匠面に対する重合せ面を該基材側から吸引する操作及び/又は該基材の意匠面に重ね合わされた該金属シートの重合せ面とは反対側の面に圧力気体を吹き付ける操作を実施することにより、該金属シートを該基材の意匠面に密接せしめて、接合する工程と、
    を含むことを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記金属シートの重合せ面の吸引操作及び/又は前記金属シートの重合せ面とは反対側の面への圧力気体の吹付操作を実施することにより、該金属シートを前記基材の意匠面に対応した形状に賦形しつつ、該意匠面に接合するようにした請求項1に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  3. 表面の一部が、前記基材の意匠面と同一の形状を呈する成形面部とされると共に、互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備え、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされた多孔質セラミックス体を用い、該多孔質セラミックス体の該成形面部に、該金属シートを重ね合わせると共に、該多数の連通孔を通じて、該多孔質セラミックス体の成形面部に対する該金属シートの重合せ面を吸引して、該成形面部に密接させることにより、該金属シートを、前記基材の意匠面に対応した形状に賦形するようにした請求項1に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  4. 互いに連通し、且つ表面において開口する多数の気孔を内部に備え、それら多数の気孔を通じて気体が透過可能とされた多孔質セラミックス体とを用いて、前記金属シートを、前記基材の意匠面又は該意匠面と同一の形状を呈する成形面部に重ね合わせると共に、該多孔質セラミックス体の多数の気孔を通じて、該基材の意匠面又は該成形面部に対する該金属シートの重合せ面とは反対側の面に圧力気体を吹き付けて、該基材の意匠面又は該成形面部に密接させることにより、該金属シートを、前記基材の意匠面に対応した形状に賦形するようにした請求項1乃至請求項3に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
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