JP2010161765A - 耳あな式補聴器 - Google Patents

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清和 大山
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Abstract

【課題】耳あな式補聴器に特有のこもり感や閉塞感を、可及的に通気管によらないで緩和することである。また通気管を設ける場合にも、ハウリングの危険度を低く保つことができ、かつ装着時に耳道への圧迫感の少ないシェルの構造を提供することである。
【解決手段】外耳道入口の形状に適合するように先細短筒状に形成され、鼓膜側を指向する先端部に音孔(112)が設けられた中空のシェル部材(11)と、このシェル部材の音孔とは反対側の端面を塞ぐフェースプレート(12)とを具え、一対の電池接片(13)及びマイク(14)をフェースプレート(12)の内面に配置し、アンプ(15)及びレシーバ(16)をシェル部材(11)の内部に収容してなる耳あな式補聴器(10)において、シェル部材(11)の表面に複数のディンプル(111)を一様に分布させて設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、シェル部材の表面形状に特徴を有する耳あな式補聴器に関する。
軟質のシェル部材を介して外耳道(耳の穴)へ挿入して用いる耳あな式補聴器が1990年頃から出現した。これはシェル内に受信部、マイク、電池などが内蔵され、受信部の音の出る先端を鼓膜側へ向けて全体を外耳道内に保持する形式の補聴器である。
耳あな式補聴器の一つの問題点は、外耳道がシェルで塞がれると400Hz付近の低い音が共鳴して「こもり感」や「閉塞感」を生じる点である。
これを改善するために、特許文献1のように、シェル内外を連絡する通気管(ベント)を設ける例があるが、ハウリングが起こり易くなるという危険がある。本発明者はハウリングを防止するためシェルの外形を外耳道のサイズより大きくすることを試みたが、皮膚に不快な圧迫感を生じるという問題点を生じた。
発明者が調べた特許文献1〜3の範囲では、上記の問題に関連して、シェルの表面構造について特に工夫した発明・考案は見当たらないようである。
特開2008-199193号公報 特開平10-066196号公報 特開平10-098797号公報
本発明の課題は、耳あな式補聴器に特有のこもり感や閉塞感を、可及的に通気管によらないで緩和することである。また通気管を設ける場合にもハウリングの危険度を低く保つことができ、かつ装着時に耳道への圧迫感の少ないシェルの構造を提供することである。
上記の課題は、外耳道入口の形状に適合するように先細短筒状に形成され、鼓膜側を指向する先端部に音孔が設けられた中空のシェル部材と、このシェル部材の音孔とは反対側の端面を塞ぐフェースプレートとを具え、一対の電池接片及びマイクを前記フェースプレート内面に配置し、アンプ及びレシーバを前記シェル部材内部に収容してなる耳あな式補聴器において、前記シェル部材の表面に複数のディンプルを一様に分布させて設けることにより解決することができる。
前記ディンプルは、それぞれが、円形、楕円形又はn角形(nは3〜6)から選択される平面形状を有してシェル部材の表面から内部へ落ち込む浅い凹面をなし、隣合う個々のディンプル、又は複数個のディンプルからなる隣合う群が互いに異なる平面形状を有し、隣合う前記各ディンプルの間が、幅の細い溝で結ばれても良い。
本発明ではディンプルを設けることにより、シェル部材の表面と皮膚との間にわずかな隙間ができ通気性が付与されるので、ベントと同様な効果、すなわちこもり感や閉塞感を改善することができる。これによりベントを形成する必要性が低下するので、ベントによるハウリングの危険を回避することができる。
またベントを形成し、かつシェルの外形を外耳道のサイズに対してやや大き目に形成してハウリングを防止しようとする場合にも、ディンプルを設けることにより、シェルの外面と皮膚との接触面積が減少するため、皮膚への圧迫感が軽減され、快適な装着感が得られる。
本発明の好適な実施の形態を以下の実施例により説明する。
図1は本実施例に係るディンプルを具える耳あな式補聴器を外耳道へ挿入、装着した状態を示すカットアウト図、図2はディンプルを具える耳あな式補聴器の分解図、図3はシェル部材表面のディンプルを示す部分拡大図及び断面図を伴う斜視図である。
本実施例に係る耳あな式補聴器10は、外耳道2の入口の形状に適合するように先細短筒状に形成され、鼓膜側を指向する先端部に音孔112が設けられた中空のシェル部材11と、このシェル部材の音孔とは反対側の端面を塞ぐフェースプレート12とを具え、一対の電池接片13及びマイク14がフェースプレート12の内面に配置され、アンプ15及びレシーバ16がシェル部材11の内部に収容される。
シェル部材11の表面には複数のディンプル111が一様に分布するように設けられ、それぞれのディンプル111は、シェル部材11の表面から内部へ落ち込む凹状の浅い球面をなす。
本実施例では、ディンプル111を設けることにより、シェル部材11の表面と皮膚との間にわずかな隙間ができ通気性が付与されるので、こもり感や閉塞感を改善することができる。
図4は第2実施例としての、ディンプル及びベントを具えるシェル部材の断面を示す側面図である。
本実施例に係る耳あな式補聴器10のシェル部材11の内面には、音孔112の近傍及びフェースプレート12の近傍においてそれぞれ外部へ開口する通気孔113、113が設けられ、かつこれら通気孔をシェル部材11内部から隔離しつつ連通させる通気管114が、シェル部材11の内面に沿って配置される。
シェル部材11の表面には実施例1と同様に複数のディンプル111が一様に分布するように設けられており、ハウリングを防止するためシェル部材11のの外形を外耳道2よりもやや大き目に形成する場合にも、シェルの外面と皮膚との接触面積が減少するため皮膚への圧迫感が軽減され、快適な装着感が得られる。
図5及び図6は、第3実施例としてのディンプルを具えるシェル部材の斜視図である。
本実施例の場合も、第2実施例と同様に、シェル部材11の内面に通気孔113、113及びこれら通気孔を連通させる通気管114を設けても良い。
本実施例では、第1及び第2実施例と異なり、ディンプル111が同形ではなく、円形、楕円形又はn角形(nは3〜6)から選択される任意の平面形状を有し、隣合う個々のディンプル、又は複数個のディンプルからなる隣合う群が、互いに異なる平面形状を有し、或いは隣合うディンプル111の間が幅の細い溝110で結ばれても良い。
ディンプルを具える耳あな式補聴器を外耳道へ挿入、装着した状態を示すカットアウト図である。 ディンプルを具える耳あな式補聴器の分解図である。 シェル部材表面のディンプルを示す部分拡大図及び断面図を伴う斜視図である。 ディンプル及びベントを具えるシェル部材の断面を示す側面図である。 各種形状のディンプルを混合して具えるシェル部材の斜視図である。 各ディンプルの間を溝で連ねたシェル部材の斜視図である。
1…耳殻
2…外耳道
10…耳あな式補聴器
11…シェル部材
110…ディンプル間を結ぶ溝
111…ディンプル
112…音孔
113…通気孔
114…通気管(ベント)
12…フェースプレート
13…電池接片
14…マイク
15…アンプ
16…レシーバ
17…配線

Claims (5)

  1. 外耳道入口の形状に適合するように先細短筒状に形成され、鼓膜側を指向する先端部に音孔が設けられた中空のシェル部材と、このシェル部材の音孔とは反対側の端面を塞ぐフェースプレートとを有し、一対の電池接片及びマイクを前記フェースプレート内面に配置し、アンプ及びレシーバを前記シェル部材内部に収容してなる耳あな式補聴器において、前記シェル部材の表面に複数のディンプルを一様に分布させて設けることを特徴とする前記補聴器。
  2. 前記ディンプルは、それぞれが、シェル部材の表面から内部へ落ち込む浅い凹面をなす請求項1記載の補聴器。
  3. 前記ディンプルは、それぞれが、円形、楕円形又はn角形(nは3〜6)から選択される平面形状を有する、請求項1記載の補聴器。
  4. 前記ディンプルは、隣合う個々のディンプル、又は複数個のディンプルからなる隣合う群が、互いに異なる平面形状を有する、請求項3記載の補聴器。
  5. 隣合う前記ディンプルの間が、幅の細い溝で結ばれる、請求項4記載の補聴器。
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