以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1、2、6、9などに関し、実施形態2は主に請求項3などに関し、実施形態3は主に請求項4などに関し、実施形態4は主に請求項5などに関し、実施形態5は主に請求項7、8などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
<<実施形態1>>
<実施形態1の概要>
本実施形態の地図サーバ装置は、ユーザ入力に応じて所定領域の地図とともに、前記領域に関連する宣伝広告などの案内情報を端末装置のディスプレイに表示する際、従来とは異なったスタイルでそれらを表示することを特徴とする。具体的には、図1に示すように、宣伝広告などの案内情報(0102)を、端末装置のディスプレイに確保された地図を表示する領域(0101)の端領域に、長手方向が地図を表示する領域(0101)を構成する周囲枠に沿うように重畳表示する。
その結果、端末装置のディスプレイに表示される地図の視認性を損なうことなく、表示されている地図に関連する広告などの案内情報を表示することが可能となる。
<実施形態1の機能的構成>
本実施形態の地図サーバ装置の機能ブロックの一例を図2に示す。図2に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」(0200)は、「地図情報送信部」(0201)と、「案内情報保持部」(0202)と、「案内領域情報取得部」(0203)と、「案内情報取出部」(0204)と、「案内情報送信部」(0205)を有する。なお、本実施形態の地図サーバ装置は、「案内情報入力受付部」(0206)と「更新部」(0207)を有してもよい。又、「案内領域情報取得部」(0203)は「第一取得手段」を有してもよい。
なお、図2は、地図サーバ装置(0200)を1つのサーバ装置で構成するような記載になっているが、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、2つ以上のサーバ装置で「地図サーバ装置」(0200)を構成してもよい。なお、複数のサーバ装置により地図サーバ装置(0200)を構成する場合、当然に、それら複数のサーバ装置どうしは有線及び/又は無線で通信できるように構成されることとなる。前記前提は、以下のすべての実施形態において同様である。
ここで、本装置(コンテンツ表示装置、デジタルテレビ表示装置)の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやRAM、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザインターフェイスなどが挙げられる。
又これらハードウェアやソフトウェアは、RAM上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェイスを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。又、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。又、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記憶媒体に固定した記憶媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
以下、本実施形態の「地図サーバ装置」(0200)の「地図情報送信部」(0201)と「案内情報保持部」(0202)と「案内領域情報取得部」(0203)と「案内情報取出部」(0204)と「案内情報送信部」(0205)と「案内情報入力受付部」(0206)と「更新部」(0207)と「案内領域情報取得部」(0203)の「第一取得手段」の機能的構成について詳細に説明する。
「地図情報送信部」(0201)は、地図情報を端末装置に対して送信するよう構成される。具体的には、あらかじめ地図サーバ装置(0200)内に、所定縮尺ごとに格納されている地図情報の中から、ユーザ入力情報に応じて所定縮尺の所定領域の地図情報を取出す。そして、取出した地図情報を、前記ユーザ入力情報を送信してきた端末装置に対して送信する。送信される地図情報は複数の地図画像などからなり、地図情報を受信した端末装置は、複数の地図画像をタイル状に貼り付けるなどして所定縮尺の所定領域の地図を構成した地図レイヤを生成し、ディスプレイに地図を表示することとなる。
ここで、前記「ユーザ入力情報」とは、端末装置のディスプレイに表示する地図を特定するための情報であって、例えば、エリア名称(例:六本木、銀座)、住所、郵便番号、建物名(例:○○ビル)、施設名(例:東京タワー、銀座駅)などのキーワードが考えられる。又、端末装置のディスプレイに表示されている地図をスクロール移動するための入力情報なども考えられる。前記列挙はあくまで一例であり、端末装置のディスプレイに表示する地図を特定可能な情報であれば他の情報であってもよい。
なお、ユーザから前記のような情報の入力を受付ける手段や、入力を受付けたユーザ入力情報を基に端末装置のディスプレイに表示する地図を特定する手段や、特定した領域の地図情報を取出す手段などについては、従来技術に準じて実現できるのでここでの詳細な説明は省略する。
「案内情報保持部」(0202)は、地図上オブジェクトに関する案内情報を地図上の位置と関連付けて保持するよう構成される。ここで、「地図上オブジェクト」とは、地図に表示されるあらゆるオブジェクトが該当し、例えば、建物、施設、道路、川、海などが該当する。地図上オブジェクトは、地図上において、平面図形で表示されたり、又は、実際に撮影された航空写真で表示されたり、立体図形で表示されたりする。
次に、「地図上オブジェクトに関する案内情報」とは、地図上オブジェクトに関する情報であり、本実施形態においては地図とともに端末装置のディスプレイに表示される。地図上オブジェクトに関する案内情報の内容としては特段制限されないが、例えば、地図上オブジェクトとして地図上に表示される建物や施設、又は、地図上オブジェクトとして地図上に表示される建物や施設などの中に存在する店舗や会社などに関する情報であってもよい。具体的には、その施設などの名称、住所、電話番号、ホームページURLなどのプロフィールや、その施設で開催中のイベント情報などの宣伝広告などが考えられる。又は、地図上オブジェクトとして表示される道路や橋などに関する情報であってもよい。具体的には、工事情報や、通行止め情報などが考えられる。又は、地図上オブジェクトとして表示される海に関する情報であってもよい。具体的には、津波情報などが考えられる。なお、前記案内情報の列挙はあくまで一例であり、その他の情報であってもよい。
ここで、案内情報保持部(0202)は、地図上オブジェクトに関する案内情報を、地図上の位置と関連付けて保持する。前記「地図上の位置」は、案内情報を登録したユーザから受け付けた任意の地図上の位置であってもよいし、又は、その案内情報に関する地図上オブジェクトの地図上での位置であってもよい。「地図上オブジェクトの地図上での位置」は、例えば、その地図上オブジェクトが存在する地図上の位置を特徴的に表す地点(以下、「代表点」という)の「緯度・経度」などとして表現することができる。なお、前記代表点の定め方は任意の設計事項であり、例えば、地図上オブェクトの略中心の地点を代表点としてもよい。
参考までに、図3に、案内情報保持部(0202)が地図上オブジェクトに関する案内情報を地図上の位置と関連付けて保持したテーブルの一例を模式的に示す。ここで、図3に示すテーブルは、案内情報と地図上の位置(緯度・経度)とを直接的に関連付けたテーブルとなっている。しかし、図3のテーブルはあくまで一例であり、例えば、「案内情報と地図上オブジェクト」とを関連付けたテーブルと、「地図上オブジェクトと地図上の位置とを関連付けたテーブル」の二つのテーブルを保持しておき、前記二つのテーブルを利用して、案内情報と地図上の位置とを間接的に関連付けるようにしてもよい。
なお、地図サーバ装置(0200)は、「案内情報入力受付部」(0206)と「更新部」(0207)を有し、案内情報保持部(0202)が保持している地図上オブジェクトに関する案内情報と地図上の位置とを関連付けたテーブル(図3参照)の内容を更新できるように構成してもよい。
「案内情報入力受付部」(0206)は、案内情報の入力を受付けるよう構成されている。案内情報の入力を受付ける具体的手段としては、例えば、図4に示すような案内情報の入力を受付けるインターフェイス画面を端末装置に送信し、端末装置のディスプレイに表示されたインターフェイス画面から入力を受付けてもよい。インターフェイス画面の送信は、インターネットを介して送信してもよいし、又は、メールなどの手段を利用してもよい。
ここで、図4に示す案内情報入力受付インターフェイス画面は、案内情報入力欄から案内情報として宣伝広告やプロフィールなどの入力を受付けるほか(例:「17時から18時の間、ビール一杯無料サービス」)、その宣伝広告の掲載期間や(例:「2008年7月1日から2008年8月31日」)、その宣伝広告を掲載する一日の中の時間帯(例:「16時から18時」)などの入力をも受付けるよう構成されている。なお、図4に示すインターフェイス画面はあくまで一例であり、本実施形態において、案内情報以外の前記情報の入力を受付けるか否かは任意の設計事項である。
又、図4に示す案内情報入力受付インターフェイス画面は、受付けた案内情報を関連付ける地図上の位置を特定するための情報の入力をも受付けるよう構成されている。
具体的には、「位置情報入力欄」から、例えば、地図上オブジェクトの名称(施設名、建物名など)、住所、代表点など、又は、地図上オブジェクト内に存在する店舗などの名称、住所、電話番号などの入力を受付けるよう構成されている。前記手段により一つの地図上オブジェクトを特定する情報の入力を受付けると、例えば、特定した地図上オブジェクトの代表点を、受付けた案内情報を関連付ける地図上の位置として特定してもよい。
又、図4に示す案内情報入力受付インターフェイス画面は、前記「位置情報入力欄」からの入力のほか、案内情報入力受付インターフェイス画面の右下領域に表示された地図上からも、地図上の位置を特定するための情報の入力を受付けるよう構成されている(カーソル位置を合わせての左クリックや決定ボタンの押下など。入力を受付けた位置にはフラッグを立てるなどしてもよい。)。なお、当該入力手段においては、カーソル位置を合わせての左クリックなどの操作により、地図上オブジェクト自体を選択できるようにしてもよい。そして、選択された地図上オブジェクトの代表点を、受付けた案内情報を関連付ける地図上の位置として特定してもよい。
なお、図4に示すインターフェイス画面はあくまで一例であり、他の手段により、「受付けた案内情報を関連付ける地図上の位置」を特定するための情報を取得してもよい。
「更新部」(0207)は、新規に受付けた案内情報により案内情報保持部(0202)を更新するよう構成されている。すなわち、更新部(0207)は、案内情報入力受付部(0206)が入力を受付けた案内情報を取得すると、図3に示すようなテーブルに、取得した地図上オブジェクトに関する案内情報を、地図上の位置と関連付けて記録することとなる。
なお、前記記録を行う際には、案内情報入力受付部(0206)が、その案内情報の登録の入力を受付けた日時(図4のインターフェイス画面の場合、「案内情報登録」ボタンの選択入力の日時)を更新日時として記録してもよい。又、更新部(0207)は、前記のようにして新規に受付けた案内情報を案内情報保持部(0202)に登録するほか、掲載期間を過ぎた案内情報を案内情報保持部(0202)から削除するよう構成してもよい。
「案内領域情報取得部」(0203)は、端末装置において案内情報を表示すべき地図上オブジェクトが存在する領域(以下、「案内領域」という)を示す案内領域情報を取得するよう構成されている。「案内領域情報」とは、地図上の所定領域を特定するための情報であって、前記特定された領域内の地図上の位置を関連付けられている案内情報が、以下で説明する「案内情報取出部」(0204)により取出されることとなる。
ここで、案内領域情報取得部(0203)が取得した案内領域情報で示される案内領域は、例えば、図5に示すように、端末装置の地図ウインドウ中に表示されている地図領域(地図表示領域(0501)に表示されている地図領域)であってもよい。「端末装置の地図ウインドウ」とは、地図を端末装置のディスプレイに表示する地図アプリケーションが確保しているウインドウ領域のことである。地図ウインドウは、図5に示すように、地図を表示するために確保された地図表示領域(0501)と、前記地図表示領域(0501)を構成する地図ウインドウ枠(0502)とからなる。「地図ウインドウ枠」(0502)とは、地図ウインドウ上に構成される枠であって、地図表示領域(0501)を構成するための枠である。すなわち、本概念によれば、地図ウインドウ上の地図表示領域(0501)以外の領域は、地図ウインドウ枠(0502)となる。なお、地図ウインドウ枠(0502)の上には、表示する地図を検索するためのキーワードを入力するためのインターフェイスが表示されたりする(その他の情報を表示してもよい)。
なお、前記地図ウインドウに表示されている地図領域を案内領域として取得する処理については、以下で説明する「第一取得手段」により実現される。
その他、案内領域情報取得部(0203)が取得する案内領域は、図11に示すように、前記地図表示領域の周辺領域(図中、斜線部分)であってもよい。この斜線領域は、端末装置の地図ウインドウ中に表示されない地図領域である。さらに、案内領域情報取得部(0203)が取得する案内領域は、地図表示領域と周辺領域を合わせた地図領域であってもよい。
前記のような案内領域を示す案内領域情報は、例えば、緯度・経度を用いて表現することができる。具体的には、案内領域が四角形や五角形などの多角形である場合には、前記多角形の頂点の緯度・経度により、案内領域情報を表現することができる。
ここで、案内領域情報取得部(0203)が、案内領域情報を取得する具体的手段としては、例えば、端末装置から案内領域情報を受信することで実現してもよいし、又は、端末装置から受信した地図検索のためのキーワードや、表示する地図をスクロール移動するベクトル情報などをもとに算出することで実現してもよい。
前記算出の具体的処理としては、例えば、(1)地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域の中心地点を示す情報(緯度・経度)を取得する。そして、(2)前記中心地点を中心とした所定の大きさの矩形の4つの頂点に対応する地点の情報(緯度・経度)を取得することで実現してもよい。
なお、「(1)地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域の中心地点を示す情報(緯度・経度)」を取得する手段としては、以下のような手段であってもよい。例えば、ユーザから地図検索のためのキーワードの入力を受付け、検索結果の地図を端末装置の地図ウインドウに表示する際、検索結果として端末装置の地図ウインドウに表示する地図の中心地点を取得することで実現してもよい。
又、ユーザ操作に応じて、端末装置の地図ウインドウに表示される地図がスクロール移動される際には、スクロール移動の方向及び量を示すベクトル情報を端末装置から取得するように構成する。そして、あらかじめ識別していた「地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域の中心地点を示す情報(緯度・経度)」と、取得した前記ベクトル情報を基に、スクロール移動後の中心地点を算出してもよい。
又、「(2)前記中心地点を中心とした所定の大きさの矩形の4つの頂点に対応する地点の情報(緯度・経度)」を取得する手段としては、以下のようなものであってもよい。まず、あらかじめ保持している地図ウインドウ中の地図表示領域(図5中、0501)の大きさ、縦横比などを基に所定形状の所定の大きさの矩形を決定する。例えば、縦横比は一定のまま、地図表示領域(図5中、0501)の大きさを0.5倍又は2.0倍などした矩形を決定する。そして、前記(1)の手段により取得した「地図領域の中心地点(緯度・経度)」を中心とする前記決定した矩形の4つの頂点が対応する地点(緯度・経度)を取得することで実現してもよい。
ここで、案内領域情報取得部(0203)は、端末装置の地図ウインドウ中に表示される地図領域を案内領域情報として取得するため、「第一取得手段」を有してもよい。
「第一取得手段」は、端末装置の地図ウインドウ中に表示される地図領域を、案内領域情報として取得するよう構成されている。
ここで、第一取得手段が案内領域情報を取得する具体的手段については、前記案内領域情報取得部(0203)による案内領域情報の取得手段に準じて実現できる。すなわち、前記処理と同様にして「(1)地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域の中心地点を示す情報(緯度・経度)」を取得すると、前記(2)の処理において、地図ウインドウ中の地図表示領域(図5中、0501)の縦横比は一定のまま、地図表示領域(図5中、0501)の大きさを1.0倍した矩形を決定する。そして、前記(1)の手段により取得した「地図領域の中心地点(緯度・経度)」を中心とする前記決定した矩形の4つの頂点が対応する地点(緯度・経度)を取得することで実現することができる。
「案内情報取出部」(0204)は、取得した案内領域情報で示される領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報を案内情報保持部(0202)から取出すよう構成されている。具体的には、案内情報保持部(0202)が保持している案内情報に関連付けられている「地図上の位置」(図3参照)を利用し、案内領域情報で示される領域内の「地図上の位置」に関連付けられている案内情報を取出してもよい。または、案内情報を、関連付けられている地図上の位置に従い各地図画像メッシュに関連付けておき、案内領域情報で示される領域内の地図画像メッシュに関連付けられている案内情報を取出してもよい。または、空間検索を利用して案内情報を取出してもよい。
なお、案内情報取出部(0204)は、案内領域情報で示される領域内の地図上オブジェクトに関するすべての案内情報を取出すように構成してもよいし、又は、一部を取出すように構成してもよい。一部を取出すように構成する場合には、案内情報取出部(0204)は、「取出ルール保持手段」と「一部取出手段」を有してもよい。なお、「取出ルール保持手段」と「一部取出手段」の具体的構成については、以下の実施形態4で説明する。
又、「案内情報取出部」(0204)は、案内領域情報取得部(0203)が複数の案内領域情報を取得した場合には、各案内領域情報で特定される領域ごとに、案内情報を取出すように構成してもよい。以下の実施形態2又は3でこのように構成する実施形態について説明する。
「案内情報送信部」(0205)は、取出した案内情報を、端末装置において地図を表示するための地図ウインドウの端領域に長手方向が地図ウインドウ枠に沿うように重畳表示するために送信するよう構成される。案内情報を受信した端末装置は、図1の例に示すように、地図ウインドウ(0101)の端領域に長手方向が地図ウインドウ(0101)枠に沿うように案内情報(0102)を表示するための案内情報レイヤを生成し、受信した地図情報を基に生成した地図レイヤの上に重畳表示する。
ここで、「地図ウインドウの端領域」とは、地図ウインドウの地図表示領域(0101)内であって、地図ウインドウ枠を構成する4辺に沿った所定の大きさの領域のことである。なお、前記地図ウインドウの端領域の大きさ(面積)は、重畳表示する案内情報の量や文字の大きさなどに応じて任意に設計可能な概念である。しかしながら、案内情報の視認性を損なわない範囲で、可能な限り小さくするのが望ましい。このように設計することで、案内情報が地図ウインドウ中に表示されている地図の視認性を損なうという不都合を回避できる。
又、表示する案内情報の量(文字数)は任意の設計事項であるが、案内情報の内容がある程度理解できる範囲で、可能な限り少なくするのが望ましい。このように設計することで、案内情報の表示面積を小さくすることができ、案内情報が地図ウインドウ中に表示されている地図の視認性を損なうという不都合を回避できる。なお、案内情報の重畳表示は、図1に示すように、地図ウインドウの端領域にバー状アイコン(図の場合、長丸形状のバー状アイコン)を表示し、バー状アイコン上に案内情報を表示することで実現してもよいし、直接文字情報を地図上に重畳表示してもよい。バー状アイコンの形状は、図1に示すような長丸形状に制限されず、長方形などのその他の形状であってもよい。又、バー状アイコンは、半透明であってもよい。
ここで、図1の例においては4つの案内情報を重畳表示しているが、その数は任意の設計事項である。例えば、地図ウインドウ枠の上辺沿いに1つの案内情報のみを重畳表示してもよいし、又は、地図ウインドウ枠の上辺沿いに2つの案内情報を重畳表示してもよい。さらには、地図ウインドウ枠の上辺沿いと下辺沿いにそれぞれ2つの案内情報を重畳表示し、地図ウインドウ枠の左辺沿いと右辺沿いにそれぞれ1つの案内情報を重畳表示してもよい。
なお、図1に示すように地図ウインドウ(0101)の端領域に案内情報(0102)を重畳表示したインターフェイスにおいて、一つの案内情報を選択する入力(カーソル位置を一つの案内情報に合わせての決定入力、ポインタ位置を案内情報に合わせての左クリックなど)を受付けると、選択された案内情報に関する詳細な案内情報を画面に表示するようにしてもよい。すなわち、バー状アイコンには案内情報の見出しだけを表示し、案内情報の選択入力を受付けることで、詳細な案内情報を画面に表示してもよい。
又、カーソルやポインタ(0103)の表示位置が、一つの案内情報(0102)の表示領域上にある時には、その案内情報に関連付けられている地図上の位置を識別可能に表示するようにしてもよい。このような識別表示としては、例えば、図6に示すように、ポインタ(0601)の位置を合わせられた案内情報(0602)から伸びる矢印(0603)でその位置を示してもよいし、又は、その位置に星や旗などの目印を表示してもよい。
又、図1に示すように、地図ウインドウ(0101)の端領域に重畳表示される案内情報(0102)は、時間の経過にともなって異なる案内情報に入れ替わるよう構成してもよい。具体的には、案内情報をテロップ表示してもよいし、又は、所定時間おきに表示する案内情報を順次入れ替えてもよい。なお、地図ウインドウ(0101)中に複数の案内情報が表示されている場合には、案内情報ごとに表示スタイルを変えてもよい。例えば、地図ウインドウ枠の上辺沿いの案内情報はテロップ表示し、他の辺沿いの案内情報は所定時間おきに順次入れ替え表示してもよい。
ここで、案内情報送信部(0205)は、取出したすべての案内情報を端末装置に送信してもよいし、又は、取出した案内情報の中から抽出した所定数の案内情報を送信してもよいし、又は、地図ウインドウ上に表示する案内情報の数だけを抽出して送信してもよい。複数の案内情報の中から、送信する所定数の案内情報を抽出する手段については特段制限されず、例えば、更新日時の新しいものから順に所定数の案内情報を抽出してもよい。
なお、地図情報送信部(0201)が送信した地図情報や、案内情報送信部(0205)が送信した案内情報を端末装置が受信し、それらの情報を処理することで、図1に示すような本実施形態に特有の地図表示が実現される。端末装置が行う処理については、以下の実施形態5で説明する。
<実施形態1のハードウェア構成>
図7は、本実施形態の地図サーバ装置の上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を表す図である。
以下に、図7のハードウェア図を用いて、本実施形態を実現する手段の一例を説明する。図に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」は、「地図情報送信部」、「案内情報保持部」、「案内領域情報取得部」、「案内情報取出部」、「案内情報送信部」、「案内情報入力受付部」、「更新部」、「案内領域情報取得部」の「第一取得手段」などを構成する、「CPU」(0701)、「主記憶装置」(0702)、「プログラム記憶装置」(0703)、「2次記憶装置」(0704)、「インターネットI/F」(0705)、「HDD」(0706)、「バス」(0707)などを備えている。
主記憶装置(0702)は、プログラム実行中に動的にデータ書換可能な記憶装置である。主記憶装置(0702)はプログラム記憶装置(0703)に記憶されている地図提供プログラムや地図情報出力プログラムや案内情報出力プログラムなどを実行するために必要なスタックやヒープ等のワーク領域を提供する。又、主記憶装置(0702)は、端末装置から受信した出力する地図を特定するための地図特定情報(地図検索のためのキーワードなど)や、端末装置に送信するためにHDD(0706)から取出した所定縮尺の所定領域の地図情報や、案内情報を表示すべき地図上オブジェクトが存在する領域を示す情報である案内領域情報や、前記地図に重畳表示するためにHDD(0706)から取り出した案内情報や、地図情報や案内情報などを端末装置のディスプレイに表示したり、地図検索するためのキーワードの入力を受付けたりするための地図表示インターフェイスなどのデータを保持する。
2次記憶装置(0704)はプログラム実行中に動的にデータ書換可能な記憶装置であり、装置の電源が切れても、記憶しているデータが消去されない。2次記憶装置(0704)は、地図情報や案内情報などを端末装置のディスプレイに表示したり、地図検索するためのキーワードの入力を受付けたりするための地図表示インターフェイスデータなどを保持する。
又、HDD(0706)は、複数の地図画像などからなる地図情報や、地図上の位置と関連付けられた案内情報などを保持する。
以下、本実施形態の地図検索装置が、インターネットI/F(0705)を介して、ある端末装置からユーザ入力情報の入力を受信し、受信したユーザ入力情報を基に、地図情報や案内情報を取出して、端末装置に送信する処理の一例について説明する。
まず、主記憶装置(0702)のワーク領域に展開された地図提供プログラムに従い、インターネットI/F(0705)を介して、あるユーザの端末装置(PC、携帯電話、など)から、地図特定情報として地図検索するためのキーワードを受信すると、受信した地図特定情報(キーワード)を主記憶装置(0702)のデータ領域に格納する。その後、主記憶装置(0702)のワーク領域に展開された地図情報出力プログラムに従い、前記地図特定情報(キーワード)を利用して地図上の地点を特定し、前記特定した地点を含む地図情報をHDD(0706)から取出して主記憶装置(0702)のデータ領域に格納する。
又、主記憶装置(0702)のワーク領域に展開された案内情報出力プログラムに従い、取出した地図情報を基に案内領域情報を取得し、主記憶装置(0702)のデータ領域に格納する。そして、前記案内領域情報で示される領域内の地点を関連付けられた案内情報を、HDD(0706)から取出して主記憶装置(0702)のデータ領域に格納する。
その後、主記憶装置(0702)のデータ領域に格納されている地図情報と、主記憶装置(0702)のデータ領域に格納されている案内情報を、インターネットI/F(0705)を介して端末装置に送信する。
なお、前記は、地図サーバ装置と端末装置の同期通信により、地図サーバ装置が端末装置からキーワードなどの地図特定情報を受信し、地図情報と案内情報を送信する例について説明したが、その他、非同期通信により、地図サーバ装置が端末装置からスクロール移動などするための入力情報や、スクロール移動により必要になった地図情報のリクエスト情報や、スクロール移動後の地図ウインドウ内に表示される地図領域などを受信し、それに応じて、地図サーバ装置から端末装置に対して地図情報及び/又は案内情報を送信する場合についても、前記に準じて実現される。
<実施形態1の処理の流れ>
本実施形態の地図サーバ装置の地図提供方法の処理の流れの一例を図8のフローチャートに示す。
まず、地図サーバ装置は、端末装置(PC、携帯電話、など)からインターネットを介して、地図情報のリクエストを受信すると(S0801)、受信した情報に従い、所定縮尺の所定領域の地図情報を取出す(S0802)。ステップS0801における受信は、同期通信、非同期通信のいずれであってもよい。
その後、ステップS0803に進み、案内情報を表示すべき地図上オブジェクトが存在する領域を示す案内領域情報を取得する。案内領域情報の取得は、ステップS0802で取出した地図情報と端末装置のディスプレイに表示される地図ウインドウの大きさを基に算出することで実現したり、又は、端末装置から受信した表示する地図をスクロール移動などする入力情報を基に算出することで実現したり、又は、スクロール移動後に端末装置の地図ウインドウ中に表示される地図領域を示す情報を端末装置から受信することで実現したりする。
その後、ステップS0804に進み、ステップS0803で取得した案内領域情報を利用し、案内情報を取出す。具体的には、案内領域情報で示される領域内の位置を関連付けられている案内情報を取出す。
そして、ステップS0802で取出した地図情報を、端末装置のディスプレイに表示された地図ウインドウに表示するために、又、ステップS0804で取出した案内情報を、端末装置のディスプレイに表示された地図ウインドウの端領域に長手方向が地図ウインドウ枠に沿うように重畳表示するために、端末装置に送信する(S0805)。
<実施形態1の効果>
本実施形態の地図サーバ装置により、端末装置のディスプレイに表示する地図の視認性を損なうことなく、表示されている地図に関連する広告などの案内情報を表示することが可能となる。
<<実施形態2>>
<実施形態2の概要>
本実施形態の地図サーバ装置は、実施形態1の一部を基本とし、以下の点が異なる。
本実施形態の地図サーバ装置は、図9に示すように端末装置の地図ウインドウに表示される矩形地図領域を対角線で四分割した三角形状の4つの領域それぞれに表示される地図領域を案内領域情報として取得する。
そして、それぞれの案内領域情報で示される領域ごとに案内情報を取得し、取得した案内情報をそれぞれの領域内の「地図ウインドウの端領域」に表示する。
すなわち、0901で示される案内情報は、図中(1)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、0902で示される案内情報は、図中(2)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、0903で示される案内情報は、図中(3)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、0904で示される案内情報は、図中(4)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報である。
このように構成することで、地図を閲覧するユーザは、地図上に重畳表示される案内情報を掲載している店舗や会社などの地図上の大体の位置を、直感的に把握することが可能となる。
<実施形態2の機能的構成>
本実施形態の地図サーバ装置の機能ブロックの一例を図10に示す。図10に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」(1000)は、「地図情報送信部」(1001)と、「案内情報保持部」(1002)と、「案内領域情報取得部」(1003)と、「案内情報取出部」(1004)と、「案内情報送信部」(1005)を有し、「案内領域情報取得部」(1003)は「第二取得手段」を有する。
以下、本実施形態の「案内領域情報取得部」(1003)の「第二取得手段」の機能的構成について詳細に説明する。なお、「地図情報送信部」(1001)と、「案内情報保持部」(1002)と、「案内情報取出部」(1004)と、「案内情報送信部」(1005)の機能的構成については実施形態1と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
「案内領域情報取得部」(1003)の「第二取得手段」は、端末装置の地図ウインドウ中に表示される矩形地図領域であって、前記地図領域を対角線で分割した三角形状の4つの地図領域を、案内領域情報として取得するよう構成される。「端末装置の地図ウインドウ中に表示される矩形地図領域を対角線で分割した三角形状の4つの地図領域」とは、図9に示すように、地図ウインドウ中に表示される矩形地図領域を2本の対角線で分割した三角形状の4つの領域(図中、(1)〜(4)で示す)それぞれに表示される地図領域のことである。すなわち、第二取得手段は、4つの案内領域情報を取得することとなる。
なお、案内領域情報取得部(1003)の第二取得手段が4つの案内領域情報を取得すると、案内情報取出部(1004)はすべての案内領域情報を利用して、各案内領域情報で示される領域ごとに案内情報を取出すこととなる。そして、各案内領域情報で示される領域ごとに取出された案内情報は、それぞれの案内領域情報で示される領域内に重畳表示される。すなわち、図9中(1)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、0901で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(2)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、0902で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(3)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、0903で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(4)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、0904で示される地図ウインドウの端領域に表示される。
ここで、案内情報送信部(1005)は、前記のような表示を実現するため、送信する案内情報がいずれの案内領域情報を基に取出されたものか識別可能に送信するように構成してもよい。例えば、図9の(1)の領域から取出した案内情報には「U」又は「1」などの識別情報を付与して送信し、(2)の領域から取出した案内情報には「L」又は「2」などの識別情報を付与して送信し、(3)の領域から取出した案内情報には「D」又は「3」などの識別情報を付与して送信し、(4)の領域から取出した案内情報には「R」又は「4」などの識別情報を付与して送信してもよい。前記のような識別情報を付与された案内情報を受信した端末装置は、受信した案内情報を、付与された前記識別情報に対応するバー状アイコンに表示することとなる。
<実施形態2のハードウェア構成>
本実施形態の地図サーバ装置の上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成は、実施形態1の地図サーバ装置に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態2の処理の流れ>
本実施形態の地図サーバ装置の地図提供方法の処理の流れについては、実施形態1の地図サーバ装置の地図提供方法に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態2の効果>
本実施形態の地図サーバ装置及び地図提供方法により、ユーザは、地図上に重畳表示されている案内情報(宣伝広告など)を掲載している店舗や会社などの地図上の大体の位置を、直感的に把握することが可能となる。
<<実施形態3>>
<実施形態3の概要>
本実施形態の地図サーバ装置は、実施形態1の一部を基本とし、以下の点が異なる。
本実施形態の地図サーバ装置は、図11に示すように端末装置の地図ウインドウの矩形地図表示領域に地図を表示した状態で、前記矩形の地図領域の周囲に位置する4つの地図領域(図中、(1)〜(4)で示す斜線領域)を案内領域情報として取得する。なお、図に示す4つの地図領域(図中、(1)〜(4)で示す斜線領域)の形状(台形)はあくまで一例である。
そして、それぞれの案内領域情報で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報を、各案内領域(図中、(1)〜(4)で示す斜線領域)の一辺を構成する矩形地図表示領域の辺沿いの「地図ウインドウの端領域」に表示する。
すなわち、1101で示される案内情報は、図中(1)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、1102で示される案内情報は、図中(2)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、1103で示される案内情報は、図中(3)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報であり、1104で示される案内情報は、図中(4)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報である。
このように構成することで、地図を閲覧するユーザは、表示されている地図領域の近傍領域に位置する店舗などの案内情報を取得することが可能となる。そして、現在表示している地図領域の周辺領域についても地図を閲覧してみようという興味を抱くことが期待される。
<実施形態3の機能的構成>
本実施形態の地図サーバ装置の機能ブロックの一例を図12に示す。図12に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」(1200)は、「地図情報送信部」(1201)と、「案内情報保持部」(1202)と、「案内領域情報取得部」(1203)と、「案内情報取出部」(1204)と、「案内情報送信部」(1205)を有し、「案内領域情報取得部」(1203)は「第三取得手段」を有する。
以下、本実施形態の「案内領域情報取得部」(1203)の「第三取得手段」の機能的構成について詳細に説明する。なお、「地図情報送信部」(1201)と、「案内情報保持部」(1202)と、「案内情報取出部」(1204)と、「案内情報送信部」(1205)の機能的構成については実施形態1と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
「案内領域情報取得部」(1203)の「第三取得手段」は、端末装置の地図ウインドウ中に表示される矩形地図領域を表示した状態で、前記地図領域の周囲に位置する4つの地図領域を、案内領域情報として取得するよう構成されている。「端末装置の矩形地図ウインドウ中に表示される地図領域」の概念については、実施形態1の「第一取得手段」で説明した「端末装置の地図ウインドウ中に表示される地図領域」と同様の概念であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
ここで、「端末装置の地図ウインドウ中に表示される矩形地図領域を表示した状態で、前記地図領域の周囲に位置する4つの地図領域」とは、例えば、図11の(1)〜(4)で示す4つの斜線領域などが該当する。すなわち、地図ウインドウの矩形地図表示領域に表示されている地図領域の周辺地図領域であって、矩形地図表示領域の各辺から所定領域内に位置する領域などのことである。なお、前記所定領域の大きさについては任意の設計事項である。また、その形状についても任意の設計事項であり、図11に示すような台形のほか、図20に示すように三角形(図中、(1)〜(4)で示す4つの斜線領域)であってもよいし、その他、長方形、正方形などであってもよい。
なお、第三取得手段が、前記領域を案内領域情報として取得する具体的手段については、例えば、図11の(1)〜(4)で示す4つの斜線領域を案内領域情報として取得する場合には、実施形態1の「案内領域情報取得部」や「第一取得手段」に準じて地図ウインドウ中に表示される地図領域を示す情報(「矩形の地図表示領域の4つの頂点にあたる緯度・経度」など)を取得すると、その情報を利用して所定のルールに従い容易に算出することができる。例えば、図13に示すように、矩形の地図表示領域の4つの頂点(A、B、C、D)を取得すると、矩形の中心点の緯度・経度を算出し、中心点と各頂点を結ぶ線分を所定の割合で伸ばした先の位置(A´、B´、C´、D´)の緯度・経度を算出する。そして、矩形の地図表示領域の4つの頂点(A、B、C、D)の緯度・経度と、前記算出した位置(A´、B´、C´、D´)の緯度・経度を利用して、案内領域情報を取得することができる。例えば、「A、B、B´、A´」の4つの位置の緯度・経度を、(1)で示す案内領域の案内領域情報として取得する。
他の形状の領域を案内領域情報として取得する場合にも、前記手段及び従来技術を利用して、容易に実現できる。
ここで、案内領域情報取得部(1203)の第三取得手段が4つの案内領域情報を取得すると、案内情報取出部(1204)はすべての案内領域情報を利用して、各案内領域情報で示される案内領域ごとに案内情報を取出すこととなる。そして、各案内領域情報で示される案内領域ごとに取出された案内情報は、各案内領域の一辺を構成する矩形の地図表示領域の辺沿いの「地図ウインドウの端領域」に重畳表示される。すなわち、図11中(1)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、1101で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(2)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、1102で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(3)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、1103で示される地図ウインドウの端領域に表示され、図中(4)で示される案内領域内の地図上オブジェクトに関する案内情報は、1104で示される地図ウインドウの端領域に表示される。図20のような案内領域情報(図中、(1)〜(4)で示す4つの三角形の斜線領域)を取得した場合にも、前記に準じた案内情報と各案内領域の関係性が保たれる。なお、案内情報送信部(1105)は、前記のような表示を実現するため、送信する案内情報がいずれの案内領域情報を基に取出されたものか識別可能に送信するように構成してもよい。その具体的手段については、実施形態2に準じて実現可能である。
ここで、本実施形態のように、地図ウインドウに表示される地図領域の外側領域に位置する店舗などの案内情報を地図に重畳表示する場合には、図11に示すように、案内情報に矢印を付し(図中、各案内情報(1101〜1104)の最初と最後に表示されている矢印)、その旨を識別可能にしてもよい。
また、一つの案内情報を選択する入力(カーソル位置を案内情報に合わせての決定入力、ポインタ位置を案内情報に合わせての左クリックなど)を受付けると、選択された案内情報に関する詳細な案内情報を画面に表示するとともに、その案内情報が関連付けられている地図上の位置が地図ウインドウの中心になるよう地図表示を切替えてもよい。さらに、カーソルやポインタの表示位置が、一つの案内情報(1101〜1104)の表示領域上にある時には、その案内情報に関連付けられている地図上の位置が地図ウインドウ中に表示されるように地図表示を切替えてもよい。そして、カーソルやポインタの表示位置が、その案内情報(1101〜1104)の表示領域上からずらされると、元の地図領域を表示するようにしてもよい。
<実施形態3のハードウェア構成>
本実施形態の地図サーバ装置の上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成は、実施形態1の地図サーバ装置に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態3の処理の流れ>
本実施形態の地図サーバ装置の地図提供方法の処理の流れについては、実施形態1の地図サーバ装置の地図提供方法に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態3の効果>
本実施形態の地図サーバ装置及び地図提供方法により、ユーザは、表示されている地図領域の近傍領域に位置する店舗などの案内情報を取得することが可能となる。そして、現在表示している地図領域の周辺領域についても地図を閲覧してみようという興味を抱くことが期待される。
<<実施形態4>>
<実施形態4の概要>
本実施形態の地図サーバ装置は、実施形態1乃至3の一部又は全部を基本とし、さらに、保持されている複数の案内情報の中から一部の案内情報を取出すためのルールを保持し、前記ルールに従い取出した案内情報を、端末装置に対して送信することを特徴とする。
前記ルールとしては、例えば、案内情報(宣伝広告など)に、案内情報を掲載(地図上に重畳表示)する一日の中の時間帯(例:「16時から18時」)を関連付けて保持するよう構成し、その時間帯が現在時間に合致する案内情報のみを取出すようなルールであってもよい。
<実施形態4の機能的構成>
本実施形態の地図サーバ装置の機能ブロックの一例を図14に示す。図14に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」(1400)は、「地図情報送信部」(1401)と、「案内情報保持部」(1402)と、「案内領域情報取得部」(1403)と、「案内情報取出部」(1404)と、「案内情報送信部」(1405)を有し、「案内情報取出部」(1404)は「取出ルール保持手段」と「一部取出手段」を有する。
以下、本実施形態の「案内情報取出部」(1404)の「取出ルール保持手段」と「一部取出手段」の機能的構成について詳細に説明する。なお、「地図情報送信部」(1401)と、「案内情報保持部」(1402)と、「案内領域情報取得部」(1403)と、「案内情報送信部」(1405)の機能的構成については実施形態1、2、3と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
「案内情報取出部」(1404)の「取出ルール保持手段」は、複数の案内情報が保持された案内情報保持部(1402)から一部の案内情報を取出すための案内情報取出ルールを保持するよう構成される。すなわち、取出ルール保持手段は、案内情報取出部(1404)が案内領域情報を利用して取出した案内情報の中から、一部の案内情報を取出すための案内情報取出ルールを保持する。
案内情報取出ルールの内容としては特段制限されず、あらゆるルールが考えられる。例えば、案内情報(宣伝広告など)に、案内情報を掲載(地図上に重畳表示)する一日の中の時間帯(例:「16時から18時」、「一日中」)を関連付けて保持するよう構成している場合には、その時間帯が現在時間に合致する案内情報のみを取出すようなルールであってもよい。または、前記ルールに、さらに、関連付けられている案内情報掲載時間帯が短い案内情報から順に所定数量(任意の設計事項)の一部の案内情報を取出すルールをプラスしたものであってもよい。又は、案内情報を地図上に表示するために、その案内情報の掲載主から料金を徴収している場合には、支払っている料金が多い掲載主の案内情報から順に所定数量(任意の設計事項)の一部の案内情報を取出すようなルールであってもよい。又は、案内情報保持部(1402)に登録された日時が新しい案内情報から順に所定数量(任意の設計事項)の一部の案内情報を取出すようなルールであってもよい。又は、地図上に重畳表示された案内情報の詳細情報を見るためにユーザが操作した回数(カーソル位置を案内情報に合わせての決定入力、ポインタ位置を案内情報に合わせての左クリックなど)が多い案内情報から順に所定数量(任意の設計事項)の一部の案内情報を取出すようなルールであってもよい。又は、地図上に重畳表示された回数が少ない案内情報から順に所定数量(任意の設計事項)の一部の案内情報を取出すようなルールであってもよい。又は、地図を閲覧するユーザが、本実施形態の地図サーバ装置が地図を提供するサイトにログインしており、そのユーザの性別、年齢、趣向などのユーザ情報を識別できる場合には、そのユーザ情報に適した案内情報を取出すようなルールであってもよい。なお、前記は一例であり、取出ルール保持手段はその他の内容の案内情報取出ルールを保持してもよい。
「案内情報取出部」(1404)の「一部取出手段」は、取出ルール保持手段に保持されている案内情報取出ルールを利用して複数の案内情報の中から一部の案内情報を取出すよう構成されている。一部取出手段により取出された案内情報は、案内情報送信部(1405)が端末装置に対して送信する。
<実施形態4のハードウェア構成>
本実施形態の地図サーバ装置の上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成は、実施形態1の地図サーバ装置に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態4の処理の流れ>
本実施形態の地図サーバ装置の地図提供方法の処理の流れについては、実施形態1の地図サーバ装置の地図提供方法に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態4の効果>
本実施形態の地図サーバ装置及び地図提供方法は、地図上に重畳表示する案内情報を、所定のルールに従い選択することができる。その結果、より宣伝効果の高い案内情報を表示することが可能となる。又は、すべての案内情報を平等に表示することも可能となる。
その結果、地図上に案内情報を表示させる利用者が増加することが期待される。
<<実施形態5>>
<実施形態5の概要>
本実施形態の地図サーバ装置は、実施形態1乃至4の一部又は全部を基本とし、さらに、案内情報を地図上に重畳表示するために端末装置で実行されるプログラムを保持し、前記プログラムを端末装置に送信することを特徴とする。
その結果、端末装置のディスプレイ上に、図1に示すような「案内情報を地図上に重畳表示した画面」を表示することが実現される。
<実施形態5の機能的構成>
本実施形態の地図サーバ装置の機能ブロックの一例を図15に示す。図15に示すように、本実施形態の「地図サーバ装置」(1500)は、「地図情報送信部」(1501)と、「案内情報保持部」(1502)と、「案内領域情報取得部」(1503)と、「案内情報取出部」(1504)と、「案内情報送信部」(1505)と、「格納部」(1508)と、「プログラム送信部」(1509)を有する。
以下、本実施形態の「格納部」(1508)と「プログラム送信部」(1509)の機能的構成について詳細に説明する。なお、「地図情報送信部」(1501)と「案内情報保持部」(1502)と「案内領域情報取得部」(1503)と「案内情報取出部」(1504)と「案内情報送信部」(1505)の機能的構成については実施形態1、2、3、4と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
「格納部」(1508)は、端末装置の地図ウインドウに、案内情報を重畳表示するために端末装置で実行されるプログラムを格納するよう構成されている。前記プログラムは、「受信ステップ」と、「構成ステップ」と、「表示ステップ」とからなる。なお、「入替ステップ」を有してもよい。
「受信ステップ」は、案内情報を受信するためのステップである。当該ステップは、同期通信又は非同期通信により、端末装置が地図サーバ装置(1500)から案内情報を受信する際に実行されるステップである。例えば、地図ウインドウ中に表示されている地図をスクロール移動などするユーザ操作に応じて、端末装置が地図サーバ装置(1500)から案内情報を受信する際などに実行される。
「構成ステップ」は、長手方向が地図ウインドウ枠の各辺に沿うように表示されるバー状アイコンを構成するステップである。具体的には、端末装置のディスプレイに表示される地図ウインドウ内に、地図ウインドウ枠の各辺に長手方向が沿うようにバー状アイコンを重畳表示するためのレイヤを生成する。
「表示ステップ」は、バー状アイコン上に受信した案内情報を表示するステップである。すなわち、前記構成ステップで構成したバー状アイコン上に、受信ステップで受信した案内情報を表示する。当該ステップが実行されると、図1に示すような、地図ウインドウ(0101)中に表示された地図の所定位置(地図ウインドウの端領域)に案内情報(0102)を重畳表示した画面が、端末装置のディスプレイに表示される。
なお、表示ステップは、複数の案内情報を受信した場合には、「(1)受信ステップで受信した複数の案内情報の中のいずれの案内情報をバー状アイコン上に表示するか」、及び/又は、「(2)受信ステップで受信した案内情報をいずれのバー状アイコン上に表示するか」を判断し、前記判断結果に応じて、案内情報を表示する判断表示サブステップを有してもよい。
判断表示サブステップの「(1)受信ステップで受信した複数の案内情報の中のいずれの案内情報をバー状アイコン上に表示するか」の判断は、例えば、実施形態1で説明したように、案内領域情報取得部が「地図ウインドウの地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域と周辺領域」を案内領域情報として取得するように構成した場合などに実行されてもよい。具体的には、判断表示サブステップでは、端末装置の地図ウインドウの地図表示領域に表示される地図領域を識別し、受信ステップで受信した複数の案内情報の中から、前記識別した地図領域内の位置を関連付けられている案内情報のみを抽出し、バー状アイコン上に表示してもよい。
又、判断表示ステップの「(2)受信ステップで受信した案内情報をいずれのバー状アイコン上に表示するか」の判断は、例えば、実施形態2又は3で説明したように、案内情報を表示すべき「地図ウインドウの端領域」(地図ウインドウ枠上辺沿い、地図ウインドウ枠下辺沿い、地図ウインドウ枠左辺沿い、地図ウインドウ枠右辺沿いなど)が定まっている場合に実行されたりする。具体的には、端末装置の地図ウインドウの地図表示領域に表示される矩形地図領域を識別し、その後、前記矩形地図表示領域の二つの対角線で分割した4つの地図領域を識別する。そして、受信ステップで受信した複数の案内情報の中から、前記4つの地図領域それぞれの中の位置を関連付けられている案内情報を、それぞれの地図領域に関連付けて抽出する。そして、抽出した案内情報を、それぞれの地図領域内に重畳表示されたバー状アイコン上に表示したりする。
「入替ステップ」は、複数の案内情報を受信した場合、バー状アイコンに表示させる案内情報を、時間の経過にともなって異なる案内情報に入れ替えるステップである。具体的には、取得した案内情報を、バー状アイコン上でテロップ表示したり、所定時間(任意の設計事項)おきに表示する案内情報を順次入れ替えたりする。なお、複数の案内情報を入替表示する際の表示する順番については任意の設計事項であるが、次のようにして表示順を定めてもよい。例えば、実施形態4で説明したように、案内情報取出ルールに従って案内情報を取出すように構成する場合であって、所定の順番(例:新しく案内情報保持部に登録された順)に所定数量の案内情報を取出す場合には、取出した順に表示してもよい。
「プログラム送信部」(1509)は、格納部(1508)に格納されているプログラムを、端末装置に実行させるため、端末装置に送信するよう構成される。なお、プログラム送信部(1509)は、端末装置からのリクエストに応じプログラムを送信する。前記プログラムのリクエスト要求は、地図を表示するための地図インターフェイス(図3参照)のリクエストと同時になされる場合などが考えられる。
<実施形態5のハードウェア構成>
本実施形態の地図サーバ装置の上記機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成は、実施形態1の地図サーバ装置に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
<実施形態5の処理の流れ>
本実施形態の地図サーバ装置の地図提供方法の処理の流れについては、実施形態1の地図サーバ装置の地図提供方法に準じて実現することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
ここでは、図19を用いて、本実施形態の地図サーバ装置からプログラム及び案内情報などを受信した端末装置が行う処理の流れについて説明する。具体的には、地図サーバ装置から地図情報及び案内情報を受信し、地図とともに案内情報をディスプレイの地図ウインドウに表示する処理、及び、ディスプレイの地図ウインドウに地図を表示したいている状態でユーザから表示地図をスクロール移動する操作を受付け、前記操作に従い表示地図をスクロール移動した後の地図及び案内情報を表示する処理の流れについて説明する。
まず、ステップS1901で、端末装置は、地図サーバ装置に所定領域の地図のリクエストを送信すると、前記リクエストの応答として、地図情報及び案内情報を受信する。例えば、ユーザから地図検索のためのキーワードと地図検索の指示入力を受付けると、地図サーバ装置に対して前記キーワードに合致する地図のリクエストを送信する。そして、前記キーワードの検索結果である所定縮尺の所定領域の地図情報及び、検索結果の地図領域に応じて取出された案内情報を受信する。
ステップS1902では、ステップS1901で受信した案内情報を表示するためのバー状アイコンを構成する。例えば、長丸形状のバー状アイコンであって、長手方向が地図ウインドウ枠の各辺に沿うように表示されるバー状アイコンを構成する。
ステップS1903では、ステップS1901で受信した複数の案内情報の中から、バー状アイコン上に表示する案内情報を抽出する。例えば、地図ウインドウ上の地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域を識別し、識別した地図領域内の位置を関連付けられている案内情報を抽出する。
ステップS1904では、ステップS1903で抽出した案内情報を、ステップS1902で構成したバー状アイコン上に表示する。当該ステップが実行されることにより、地図ウインドウ上に案内情報が重畳表示される。
ステップS1905では、地図ウインドウに表示している地図をスクロール移動する操作の入力を受付ける。
ステップS1905でスクロール操作を受付けると、ステップS1906では、スクロール移動する方向・距離などを示すベクトル情報を取得し、スクロール移動後の地図領域の地図情報及び/又は前記地図領域とともに表示されるべき案内情報が、現在端末装置内で保持している情報で足りるか判断する。
ステップS1906で、現在端末装置内で保持している情報で足りると判断した場合には、ステップS1909に進み、ステップS1901で受信した複数の案内情報の中から、バー状アイコン上に表示する案内情報を抽出する。例えば、スクロール移動後に、地図ウインドウ上の地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域を識別し、識別した地図領域内の位置を関連付けられている案内情報を抽出する。
そして、ステップS1910では、ステップS1909で抽出した案内情報を、ステップS1902で構成したバー状アイコン上に表示する。
一方、ステップS1906で、現在端末装置内で保持している情報で足りないと判断した場合には、ステップS1907に進み、不足する地図情報及び/又は案内情報を地図サーバ装置に対してリクエストする。
そして、ステップS1908で、ステップS1907のリクエストに対する応答である、案内情報などを受信する。その後、ステップS1909に進み、ステップS1901で受信した複数の案内情報及びステップS1908で受信した複数の案内情報の中から、バー状アイコン上に表示する案内情報を抽出する。例えば、スクロール移動後に、地図ウインドウ上の地図表示領域(図5中、0501)に表示される地図領域を識別し、識別した地図領域内の位置を関連付けられている案内情報を抽出する。
そして、ステップS1910では、ステップS1909で抽出した案内情報を、ステップS1902で構成したバー状アイコン上に表示する。
<実施形態5の効果>
本実施形態の地図サーバ装置及び地図提供方法により、端末装置のディスプレイ上に、図1に示すような「案内情報を地図上に重畳表示した画面」を表示することが実現される。
その結果、ユーザは、端末装置のディスプレイに表示されている地図の視認性を損なわれることなく、表示されている地図に関連する広告などの案内情報を取得することが可能となる。