JP2010159812A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーマチャのストッパ部分等に溝部を形成することなく、当該ストッパ部のリンキングを低減する電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁50は、軸方向の一方側に設けられるストッパ部171およびストッパ部171から軸方向の他方側に延びる部分で、その他方端部に弁部18を有する軸方向突出部172を備えたアーマチャ17と、軸方向に伸縮しアーマチャ17に弁部18側に付勢する力を作用させる第2スプリング25と、この付勢力とは逆向きの電磁駆動力を作用させてアーマチャ17を軸方向に変位させる固定子26と、軸方向突出部172が摺動可能に配置される貫通孔31が形成されたプレート部材30と、を備える。軸方向突出部172は、その外壁面172bと貫通孔31の内壁面との間に間隙が形成して配置される。第2スプリングの軸心25aは軸方向突出部の軸心172aに対してずらして配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁弁に関するものであり、特に内燃機関の燃焼室へ供給する燃料を調節する燃料噴射弁に好適である。
従来の電磁弁は、例えば内燃機関の燃料を燃焼室側に噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)に適用される電磁弁部であり、弁部が電気的に駆動されることにより燃料通路の一部である開口部が開閉されて燃料の噴射、停止の制御を行う。従来の電磁弁は、主にソレノイドを有する電磁吸引部とアーマチャとによって構成され、ソレノイドが励磁するとアーマチャが磁気吸引されて開弁され、ソレノイドが消磁するとばねの付勢力で閉弁される。そして、アーマチャがばねの付勢力に抗して電磁吸引部の端面に磁気吸着されたときに、部品間に形成される真空状態によって、上記磁気吸引が解除されても、部品間の接着状態が継続することがある。このような状態をリンキングという。
そこで、特許文献1に係る従来の電磁弁は、リンキングを防止するために、アーマチャがソレノイドによって吸着されたときにアーマチャストッパ部と当接するソレノイドストッパ部(電磁吸引部)に形成された複数の溝を備えている(特許文献1の図3参照)。この溝は、アーマチャストッパ部とソレノイドストッパ部との間に所定の間隙を形成することで、摩擦力を低下させてリンキングの軽減を図っている。また、リンキング防止のための他の従来技術として、複数の溝が、ソレノイドストッパ部と当接するアーマチャストッパ部に形成されるものもあった。
特開2006−322430号公報
しかしながら、上記の従来技術では、電磁吸引部の端面またはアーマチャの端面に溝を形成する加工や、溝が形成された端面のバリ取り工程が必要であり、工数、コスト上等について好ましくないという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アーマチャのストッパ部分等に溝部を形成することなく、当該ストッパ部のリンキングを低減する電磁弁を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の電磁弁の発明では、軸方向に移動して、流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、ストッパ部およびストッパ部から軸方向の一方側に延びる部分でありその端部に弁部を有する軸方向突出部を備えたアーマチャと、当該軸方向に伸縮する部材であって、アーマチャに弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材と、付勢力とは逆向きの電磁駆動力をアーマチャに作用させてアーマチャを当該軸方向に変位させる固定子であって、電磁駆動力が作用している場合にストッパ部の少なくとも一部と接触する部分を有する固定子と、当該軸方向に貫通する貫通孔が形成され、貫通孔をすべりながら動くようにアーマチャの軸方向突出部を保持するプレート部材と、を備え、
アーマチャの軸方向突出部は、その外壁面と貫通孔の内壁面との間に間隙が形成されるように配置されており、付勢部材の軸心は、アーマチャの軸方向突出部の軸心に対してずらして配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、付勢部材の軸心がアーマチャの軸方向突出部の軸心に対してずらして配置されているため、アーマチャのストッパ部に作用する付勢力は、アーマチャの軸方向突出部の軸心に対して付勢部材の軸心が存在する側の方が大きくなる。つまり、アーマチャのストッパ部に作用する付勢力は、軸方向に対して垂直な方向に不均一な分布を形成するように作用する。これにより、電磁駆動力の作用によってアーマチャのストッパ部の少なくとも一部と固定子の少なくとも一部が接触している状態から電磁駆動力の作用が停止または低減されたときに、上記付勢力の作用によって上記の荷重分布の大きい部位でストッパ部と固定子との接触を解除し始めることができる。換言すれば、当該荷重の大きい部位を起点として、ストッパ部と固定子との接触部分の引き剥がしが行われるため、両部品間の接着状態を解消しやすくなる。
さらに、アーマチャの軸方向突出部がその外壁面と貫通孔の内壁面との間に間隙を形成して配置され、すべりながら動くようになっている。この構成により、上記のストッパ部と固定子との接触部分の引き剥がしの開始時に、アーマチャの軸方向突出部は貫通孔に支持されながら上記不均一な荷重分布の大きい部位側に傾き始める。このため、接触部分が剥がれやすくなるとともに、アーマチャは必要以上に大きく傾くことなく貫通孔に対して所定の範囲内の傾きを保ちつつ、所定の機能を発揮可能に動くようになる。したがって、リンキング防止ための溝部をアーマチャのストッパ部分等に形成することなく、両部品間を容易に剥がしやすく、リンキングを低減できる電磁弁が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてアーマチャの重心の位置は、固定子と接触するストッパ部側の接触部分の中心軸に対してずれていることを特徴とする。この発明によれば、さらにアーマチャの重心の位置がストッパ部側の接触部分の中心軸に対してずれていることにより、上記付勢力によってストッパ部側の接触部分に作用する荷重は当該重心に対して一方側に偏った偏荷重になるため、当該一方側の偏荷重の大きい部位でストッパ部と固定子との接触を解除し始めることができる。したがって、偏荷重の大きい部位を起点として、ストッパ部と固定子との接触部分の引き剥がしが一層確実に行われるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明においてアーマチャの重心の位置は、アーマチャの軸方向突出部の軸心上にあり、付勢部材の軸心上にないことを特徴とする。この発明によれば、さらにアーマチャの重心の位置がアーマチャの軸方向突出部の軸心上であって付勢部材の軸心上にないことにより、当該重心に対して一方側に上記付勢力が作用するため、ストッパ部を当該一方側に確実に傾かせつつ、ストッパ部と固定子との接触を解除し始めることができる。したがって、当該重心からずれた付勢部材の軸心寄りの部位を起点として、ストッパ部と固定子との接触部分の引き剥がしが一層確実に行われるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において付勢部材は、アーマチャの軸方向突出部の軸心に対してコイル軸をずらして配置されたコイルスプリングであることを特徴とする。
この発明によれば、付勢部材の作用中心(軸心)の設定を、アーマチャの軸方向突出部の軸心に対するずれ量に基づいて行えばよいので、正確な位置に付勢部材を配置することを実施しやすくなる。
第1実施形態の電磁弁50を備えた燃料噴射弁100を模式的に示した縦断面図である。 第1実施形態の電磁弁50の要部を模式的に示す縦断面図である。 第2実施形態の電磁弁50Aの要部を模式的に示す縦断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である電磁弁50は、ソレノイドコイルによる電磁駆動力を利用した電気的駆動弁であり、例えば、自動車のオートマチックトランスミッションに使用される電磁弁や、自動車の燃料タンクで発生する蒸発燃料をエンジンへ送り出すシステムで蒸発燃料の流路を開閉する電磁弁に適用することができる。
本実施形態で示す電磁弁50が用いられる燃料噴射弁は、例えば、ディーゼルエンジンまたは筒内噴射式火花点火内燃機関(以下、直噴ガソリンエンジン)の気筒内へ直接的に噴射する直噴型エンジンに使用する装置である。また、燃料噴射弁は、例えば吸気ポートへ燃料を噴射するものにも使用可能である。
以下、本発明の一例である第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の要部である電磁弁50を備える燃料噴射弁100を模式的に示した断面図である。図2は、電磁弁50を模式的に示した部分拡大図である。
図1に示すように、電磁弁50を備える燃料噴射弁100は、ノズルボデー1と下部ボデー2と上部ボデー3とを接続部材等を用いて一体化し構成されたボデーを備えている。電磁弁50は、下部ボデー2の一部と上部ボデー3とに収納される弁装置である。下部ボデー2には、高圧燃料を噴射装置内に導入するための流入ポート4が形成されている。流入ポート4は、下部ボデー2に形成された第1部分通路5、ノズルボデー1に形成された第2部分通路6を順に介して、ノズルボデー1に形成された燃料溜まり室7に連通している。燃料溜まり室7の先端側にはノズルボデー1に形成された噴射孔8が設けられている。燃料溜まり室7と噴射孔8は、ニードル9の先端部の弁部10によって、互いに連通状態または遮断状態となる。また、燃料噴射弁100は、燃料を噴出するために先端に形成される噴射孔8が図示しない気筒内の燃焼室に接続されるように、シリンダヘッドに取り付けられている。
また、流入ポート4は、下部ボデー2に形成された他の第3部分通路11、オリフィスボデー12に形成された第4部分通路13を順に介して、下部ボデー2に形成された制御室14に連通している。制御室14は、オリフィスボデー12に形成されたオリフィス15に連通しており、オリフィス15の先には、低圧室16が位置している。プレート部材30には軸方向に貫通する貫通孔31が形成されている。プレート部材30は、貫通孔31をすべりながら動く(以下、摺動と称することもある)ようにアーマチャ17の軸方向突出部172を保持する。
オリフィス15と低圧室16との間にはアーマチャ17の先端部に配された弁部18が位置しており、オリフィス15と低圧室16は、弁部18によって、互いに連通状態又は遮断状態となる。低圧室16は下部ボデー2に形成された低圧燃料通路19に連通している。低圧燃料通路19は、燃料タンク(図示せず)に連通している。また、低圧室16は、低圧燃料通路19を介して、下部ボデー2に形成されたばね収容室23に連通している。
下部ボデー2の内部空間には、第1制御棒21がその軸方向(図1のX方向、Y方向)へ移動可能に収容されている。第1制御棒21は、第1制御棒21よりも噴射孔8寄りに配される第2制御棒22を介してニードル9と軸方向に連動するようになっている。ニードル9の軸方向の一部は燃料溜まり室7に配されている。ニードル9の先端部は噴射孔8を開閉する弁部10を構成している。第1制御棒21はその後端部(図1におけるY方向の端部)が制御室14に位置するように設けられている。第1制御棒21の先端部(図1におけるX方向の端部)は、ばね収容室23に配され、第3スプリング24が外側に嵌められている。第1スプリング24は、軸方向においてコイル径が一定の圧縮コイルスプリングで構成され、ばね収容室23に収容されている。第1スプリング24は、ニードル9に対し、ノズルボデー1の弁部10を押し付ける方向(図1のX方向)に付勢力(勢いを増加させる力)を常時加えている。
低圧室16にはアーマチャ17が配置されている。アーマチャ17は、磁性材で構成されており、後端部(図1におけるY方向の端部)側に位置するストッパ部171と、先端部(図1におけるX方向の端部)側に位置する軸方向突出部172と、を備えている。アーマチャ17の縦断面(軸方向に沿った断面)形状は、T字状を呈している。ストッパ部171は、ソレノイド27を備える固定子26とプレート部材30との間に配置された部分であり、ソレノイド27による電磁駆動力と第2スプリング25の付勢力とを直接受けて、両者の間を往復移動する。軸方向突出部172は、ストッパ部171と一体に軸方向に延びる形状であり、ストッパ部171よりも、径方向(軸方向に対して垂直な方向であり、図のZ方向)について長さが短く、軸方向に長さが長い形状である。軸方向突出部172は、ストッパ部171とともに軸方向に往復運動し、プレート部材30の貫通孔31内を摺動する摺動部でもある。
アーマチャ17は、軸方向突出部172の先端部(図のX方向の端部)に弁部18を有している。アーマチャ17のストッパ部171の後面(図のY方向の端面)には、付勢部材である第2スプリング25がアーマチャ17のストッパ部171、固定子26および上部ボデー3に亘って配されている。第2スプリング25の他方側の端部(図のY方向の端部)は上部ボデー3内に嵌入されて固定され、一方側の端部(図のX方向の端部)はストッパ部171の凹部174に同心上に嵌入されてアーマチャ17に係止(互いに係わり合って止まっている)されている。第2スプリング25は、軸方向においてコイル径が一定の圧縮コイルスプリングで構成され、アーマチャ17に対し、弁部18をオリフィス15の出口に押し付ける方向(図1のX方向)の付勢力を常時加えている。
上部ボデー3の内部空間には、ソレノイド27を有する固定子26が設けられている。固定子26は、ソレノイド27に電流が通電された時に、第2スプリング25の付勢力に打ち勝ってアーマチャ17を磁気吸引し、弁部18をオリフィス15の出口から離すように動作させる。ターミナル28は、ソレノイド27と外部の制御装置(図示せず)とに電気的に接続されている。ターミナル28を通じてソレノイド27には、制御装置の制御指令値に応じた時間、電流が供給される。
このようにアーマチャ17の軸方向突出部172は、第2スプリング25による付勢力とソレノイド27による電磁駆動力とによって、貫通孔31の内壁面の摺動案内作用を受けながら軸方向に往復移動される。
次に、アーマチャ17と固定子26の詳細構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、ストッパ部171における固定子26側(図のY方向)の端面には、固定子26側に向かって突出する形状の環状突部173が形成されている。環状突部173は、電磁駆動力の作用によって、アーマチャ17が固定子26側にリフトされたときに、固定子26と接触するストッパ部側の接触部分である。環状突部173が固定子26の端面に突き当たっている状態(当接状態)では、ストッパ部171のプレート部材側の端面(X方向の端面)とプレート部材30のストッパ部側の端面(Y方向端面)との間には、軸方向に所定長さの隙間が形成されている。アーマチャ17はこの所定長さ分、軸方向に変位可能であり、この所定長さはアーマチャ17の最大リフト量に相当する。
環状突部173の端面は、軸方向に対して垂直な平面であり、固定子26におけるストッパ部171側の端面に沿った形状の平面である。環状突部173の端面には溝部分等の特殊な加工は施されていない。環状突部173は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に偏心した位置にある。環状突部173の軸方向の中心軸である環状突部の軸心173a(ストッパ部側の接触部分の中心軸)は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に距離D1分ずらして配置されている。
ストッパ部171に形成された凹部174は、環状突部173の内側に形成される凹部である。凹部174は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に偏心した位置にあり、軸方向において一定径に形成されている。凹部174に係止(互いに係わり合って止まっている)される第2スプリングの軸心25a(コイル軸)は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に距離D1分ずらして配置されている。つまり、凹部174の軸心、環状突部の軸心173aおよび第2スプリングの軸心25aは、同軸上にある。環状突部173および凹部174は、軸方向突出部の軸心172aについて非対称な位置に配置されている。第2スプリング25は、軸方向突出部の軸心172aについて対称な位置に配置されている。
アーマチャ17は、その重心Oの位置が軸方向突出部の軸心172a上にあって、第2スプリングの軸心25a上にないように配されている。アーマチャ17の重心Oの位置に対する環状突部の軸心173a、凹部174の軸心および第2スプリングの軸心25aの偏心量は、軸方向突出部の軸心172aに対するこれらの偏心量と略同一(略同一は同一も含む)に設定されている。また、アーマチャ17の軸方向突出部172は、軸方向突出部の外壁面172bと貫通孔31の内壁面との間に間隙が形成されるように配置されている。換言すれば、アーマチャ17の軸方向突出部172の外径寸法は、貫通孔31の内径寸法よりも所定長さ小さく設定されており、軸方向突出部の軸心172aは貫通孔31の中心軸と同軸となるように設定されている。
上記構成の燃料噴射弁100の作動について説明する。ソレノイド27に通電されていないときには、磁気吸引力はアーマチャ17に働かず、第2スプリング25の付勢力がストッパ部171にX方向に作用し、ストッパ部171の環状突部173は固定子26の端面と接触していない状態である。このため、アーマチャ17の弁部18はX方向に移動してオリフィス15を塞いでおり、制御室14および燃料溜まり室7が高圧燃料で満たされている。ニードル9には、第1制御棒21および第2制御棒22を介して伝達される制御室14の高圧燃料によるX方向に作用する力F1と、第1スプリング24によるX方向に作用する力F2と、燃料溜まり室7の高圧燃料によるY方向の力F3とが働いている。そして、F1とF2の合成力がF3を上回るため、弁部10は噴射孔8を塞いでおり(閉弁)、燃料は噴射されない。
そして、ソレノイド27に通電されると、固定子26およびアーマチャ17によって磁気回路が形成され、固定子26とアーマチャ17との間に電磁駆動力としての磁気吸引力が発生する。アーマチャ17は磁気吸引力によって第2スプリング25の付勢力に逆らってY方向へ移動する。このとき、アーマチャ17のストッパ部171は固定子26の端面に磁気吸着される。このアーマチャ17の移動により、弁部18はオリフィス15の出口から離れるため、制御室14の高圧の燃料はオリフィス15を経て低圧室16に放出される。このため、制御室14内の圧力が急激に低下してF1とF2の合成力がF3よりも小さくなる。また、ばね収容室23は低圧燃料通路19に連通しているので、ニードル9は燃料溜まり室7の高圧の燃料に押されてY方向に移動し、第1スプリング24の付勢力に抗して第2制御棒22をY方向に変位させる。また、この第2制御棒22のY方向への変位により、第1制御棒21がY方向に変位される。このようにして、弁部10は開弁され、燃料溜まり室7の高圧燃料が噴射孔8から噴射されるようになる。
その後、ソレノイド27への通電が遮断されると、第2スプリング25の付勢力によってX方向に押されてアーマチャ17はX方向へ移動し、弁部18はオリフィス15を塞ぐようになる。このため、制御室14内の圧力が急激に上昇し、F1とF2の合成力がF3を上回るため、ニードル9はX方向に移動し、弁部10は噴射孔8を塞ぎ(閉弁)、燃料は噴射されなくなる。
このように、アーマチャ17が固定子26の端面に磁気吸着された状態から上記磁気吸引力が解除されても、密着している環状突部173の端面と固定子26の端面との間に形成される真空状態等によって、両者の接着状態が継続することがある。このような状態をリンキングという。
そこで、本実施形態では両者が接着された状態から磁気吸引力が解除されたときに、第2スプリング25による付勢力がアーマチャ17の重心Oの位置とは図のZ方向にずれた位置に作用するようになる。この作用によって、アーマチャ17には、重心Oを通る軸線(軸方向突出部の軸心172a)に対して図のZ方向(径方向)に不均一な荷重が作用する。この不均一な荷重によって、アーマチャ17には軸方向突出部172を支点として、傾くような横方向、つまり径方向の力が働くため、接着状態となった接触面部同士に横方向に不均一な力が働く。そして、この不均一な力のうち大きい力がかかっている部分を起点として接触面部同士が互いに引き剥がれるようになる。このようにして、接着状態となった接触面部に働く力のバランスが部分的に崩れるため、接触面部間の摩擦力を低下し、リンキング状態が解消されやすくなる。
以下、本実施形態の電磁弁50がもたらす作用効果について述べる。電磁弁50は、軸方向に移動して、流体が流れる流体通路を開閉する弁部18と、軸方向の一方側に設けられるストッパ部171、およびストッパ部171から軸方向の他方側に延びる部分でありその他方端部に弁部18を有する軸方向突出部172を備えたアーマチャ17と、軸方向に伸縮する部材であって、アーマチャ17に弁部側に付勢する力を作用させる第2スプリング25と、この付勢力とは逆向きの電磁駆動力をアーマチャ17に作用させてアーマチャ17を軸方向に変位させ、電磁駆動力が作用している場合にストッパ部171の少なくとも一部と接触する部分を有する固定子26と、軸方向に貫通する貫通孔31が形成され、貫通孔31をすべりながら動くようにアーマチャ17の軸方向突出部172を保持するプレート部材30と、を備える。アーマチャの軸方向突出部172は、その外壁面172bと貫通孔31の内壁面との間に間隙が形成されるように配置されている。第2スプリングの軸心25aはアーマチャ17の軸方向突出部の軸心172aに対してずらして配置されている。
この構成によれば、第2スプリングの軸心25aが軸方向突出部の軸心172aに対してずらして配置されているため、ストッパ部171に作用する付勢力は、軸方向突出部の軸心172aに対して第2スプリングの軸心25a存在する側の方が大きくなる。これにより、環状突部173と固定子26との接触状態から電磁駆動力の作用が停止または低減されたときに、径方向における荷重分布の大きい部位を起点としてストッパ部171と固定子26との接触が剥がれ始めるようになる。したがって、固定子26やストッパ部171の接触面部に溝等の加工を施さずとも、リンキングを容易に解消することができる。
さらに、軸方向突出部の外壁面172bと貫通孔31の内壁面との間に間隙を形成している構成により、ストッパ部171と固定子26との接触部分の引き剥がしの開始時に、軸方向突出部172は貫通孔31に支持されながら不均一な荷重分布の大きい部位側に傾き始める。このため、上記のように当該接触部分が剥がれやすくなることに加え、アーマチャ17は必要以上に大きく傾くことなく貫通孔31に対して所定の範囲内の傾きを保ちながら、所定の機能を発揮するように軸方向に変位するようになる。
また、アーマチャ17の重心Oの位置は、固定子26と接触するストッパ部側の接触部分の中心軸(環状突部の軸心173a)に対してずれている。この構成によれば、付勢力によってストッパ部側の接触部分には重心Oに対して一方側に偏った偏荷重が作用するようになる。このため、当該一方側の偏荷重の大きい部位でストッパ部171と固定子26との接触が剥がれ始めるようになる。したがって、当該接触部分の引き剥がしが偏荷重の大きい部位を起点としてさらに確実に行われるようになる。
また、アーマチャ17の重心Oの位置は、軸方向突出部の軸心172a上にあり、第2スプリングの軸心25a上にない。この構成によれば、第2スプリング25の付勢力が当該重心Oに対して一方側に偏って作用するため、ストッパ部171と固定子26との接触面部分にかかる引き剥がし力を径方向に不均一に発生させることができる。よって、ストッパ部と固定子との接触部分の引き剥がしが、当該重心からずれた第2スプリングの軸心25a寄りの部位を起点として、一層確実に行われるようになる。
また、第2スプリング25は、軸方向突出部の軸心172aに対してコイル軸(第2スプリングの軸心25a)をずらして配置されたコイルスプリングである。この構成によれば、第2スプリング25の作用中心の設定を、軸方向突出部の軸心172aに対するずれ量に基づいて行えばよい。したがって、第2スプリング25を正確な位置に配置することが容易となる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、付勢部材の軸心とアーマチャの軸方向突出部の軸心との位置関係についての他の形態である電磁弁50Aを図3にしたがって説明する。図3は、本実施形態の電磁弁50Aの要部を模式的に示す縦断面図である。図3において前述の第1実施形態で説明した図面中と同一符号を付した構成部品は、同様の構成部品であって同様の作用効果を奏するものである。また、電磁弁50Aは図1の燃料噴射弁100に適用可能な弁装置である。
図3に示すように、電磁弁50Aにおいてアーマチャ17Aは、アーマチャ17と異なり、ストッパ部171Aに対して軸方向突出部172が偏心して設けられている。この特徴的な構成により、環状突部173は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に偏心した位置にある。つまり、環状突部の軸心173a(ストッパ部側の接触部分の中心軸)は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に距離D1分ずらして配置されている。そして、凹部174は、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に偏心した位置にあり、第2スプリングの軸心25a(コイル軸)も、軸方向突出部の軸心172aに対して一方側(図のZ方向の反対側)に距離D1分ずらして配置されている。
アーマチャ17は、アーマチャ17の重心Oの位置が軸方向突出部の軸心172a上になく、環状突部の軸心173aおよび第2スプリングの軸心25a寄りにあるように形成されている。固定子26は、第2スプリングの軸心25aについて対称な形状に形成されている。軸方向突出部172はストッパ部171に対して非対称な位置に設けられ、軸方向突出部の軸心172aはアーマチャ17において偏心している。プレート部材30は第2スプリングの軸心25aについて非対称な形状に形成されている。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において付勢部材は、第2スプリング25のような圧縮コイルスプリングであるが、この形態に限定されるものではない。例えば、付勢部材としては他に、板ばね、軸方向に作用する外力によって軸方向に伸縮する伸縮性の素材からなる部材等、その材質、形状に関わりなく広く採用することができる。
また、上記実施形態において、アーマチャ17のストッパ部171と軸方向突出部172は、一体となって軸方向に往復運動する部材であればよく、例えば元々が別体の両部品を組み立てて一体に構成してもよい。
また、上記実施形態において、ノズルボデー1、下部ボデー2、上部ボデー3、プレート部材30等は特にその材質を限定するものではない。各部品に求められる機能を発揮できる素材であれば、適宜採用することができる。
15…オリフィス(流体通路)
17…アーマチャ
18…弁部
25…第2スプリング(付勢部材)
25a…第2スプリングの軸心(付勢部材の軸心)
26…固定子
27…ソレノイド
30…プレート部材
31…貫通孔
50,50A…電磁弁
171…ストッパ部
172…軸方向突出部
172a…軸方向突出部の軸心
172b…外壁面
173…環状突部(ストッパ部側の接触部分)
173a…環状突部の軸心(ストッパ部側の接触部分の軸心)
O…アーマチャの重心

Claims (4)

  1. 軸方向に移動して、流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、
    ストッパ部および前記ストッパ部から前記軸方向の一方側に延びる部分でありその端部に前記弁部を有する軸方向突出部を備えたアーマチャと、
    前記軸方向に伸縮する部材であって、前記アーマチャに前記弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材と、
    前記付勢力とは逆向きの電磁駆動力を前記アーマチャに作用させて前記アーマチャを前記軸方向に変位させる固定子であって、前記電磁駆動力が作用している場合に前記ストッパ部の少なくとも一部と接触する部分を有する固定子と、
    前記軸方向に貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔をすべりながら動くように前記アーマチャの前記軸方向突出部を保持するプレート部材と、
    を備え、
    前記アーマチャの前記軸方向突出部は、その外壁面と前記貫通孔の内壁面との間に間隙が形成されるように配置されており、
    前記付勢部材の軸心は、前記アーマチャの前記軸方向突出部の軸心に対してずらして配置されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記アーマチャの重心の位置は、前記固定子と接触する前記ストッパ部側の接触部分の中心軸に対してずれていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記アーマチャの重心の位置は、前記アーマチャの前記軸方向突出部の軸心上にあり、前記付勢部材の軸心上にないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁。
  4. 前記付勢部材は、前記アーマチャの前記軸方向突出部の軸心に対してコイル軸をずらして配置されたコイルスプリングであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電磁弁。
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