JP2010159811A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】開弁時および閉弁時の両方において弁部の応答性向上が図れる電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁50では、軸方向突出部172は、ストッパ部171に対して軸方向に変位するとともに、電磁駆動力によって付勢力の作用する向きと逆向きにストッパ部171が移動されるときにはストッパ部171からの力を受けて一体になって付勢力の逆向きに移動するように構成される。第1スプリング25は、第2スプリング28よりも単位縮み長さ当たりの付勢力が大きく構成される。弁部18によって流体通路が全開される全開弁状態では、ストッパ部171には第1スプリング25の付勢力が作用し、軸方向突出部172には第2スプリング28の付勢力が作用する。弁部18によって燃料流路が閉じられる閉弁状態では、軸方向突出部172には第2スプリング28の付勢力が作用するが、ストッパ部171には第1スプリング25の付勢力は作用しない。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁弁に関するものであり、特に内燃機関の燃焼室へ供給する燃料を調節する燃料噴射弁に好適である。
従来の電磁弁は、例えば内燃機関の燃料を燃焼室側に噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)に適用される弁装置であり、弁部が電気的に駆動されることによって燃料通路の一部である開口部が開閉されて燃料の噴射、停止の制御を行う。従来の電磁弁は、主にソレノイドを有する電磁吸引部と、弁部を駆動するアーマチャとによって構成され、ソレノイドが励磁するとアーマチャが磁気吸引されることによって開弁され、ソレノイドが消磁するとばねの付勢力で弁部が駆動されて閉弁されるようになっている。そして、従来の電磁弁では、アーマチャに与える付勢力は1個のばねによって実施されているものが多い。しかしながら、1個のばねでは、弁部による燃料通路の開弁時および閉弁時におけるばねのセット荷重をそれぞれ適切に調整することが困難であった。このように、開弁時と閉弁時の両方で適切な当該セット荷重を設定できないことにより、開弁時と閉弁時の両方における弁部の応答性を向上させることができない。
一方、弁部に対して付勢力を作用させるために、2個のばねを使用する従来の電磁弁として、例えば特許文献1記載の装置が知られている。特許文献1に係る従来の電磁弁は、コイル、第1制御弁、第2制御弁、第1スプリング、第2スプリング等で構成されている。第2制御弁は、内部に挿入された第1制御弁を内周壁によって往復移動自在に支持しており、第2スプリングの付勢力によりボデーに形成した弁座に着座可能である。第1制御弁は第1スプリングの付勢力によりプレートに着座可能である。第1制御弁の上部のコアは、コイルへの通電により発生する励起吸引力によって第1スプリングの付勢力に反して上方に吸引される。
そして、第1制御弁が当該励起吸引力により上方にリフトし、第2制御弁の下方端部に当接するまでのリフト量は第1リフト量である。コイルに供給される電流値がさらに高くなると、第1制御弁のコアを吸引する力がさらに大きくなり、第1スプリングと第2スプリングとの付勢力の和に抗して第1制御弁および第2制御弁がともに上昇し、第2制御弁がアーマチャの係止部に当接して停止する。第1制御弁が第2制御弁に当接してから第2制御弁がアーマチャの係止部に当接するまでリフト量は第2リフト量である。以上から、弁部を開閉する第1制御弁は、第1リフト量と第2リフト量の和となる最大リフトをする。
特開2001−140724号公報(特許文献1の図4参照)
特許文献1に記載の従来技術は、直接的に弁座に対して接触したり離れたりすることによって燃料通路を開閉する第1制御弁と、第1制御弁に対して付勢力を与える第1スプリングと、第1制御弁を往復移動自在に支持する第2制御弁と、第2制御弁に対して付勢力を与える第2スプリングと、を有している。この構成により、第1制御弁を段階的にリフトさせることによって、エンジンの全領域において所望の燃料噴射率を得ようとするものである。しかしながら、当該従来技術は、開弁時および閉弁時の両方において、弁部が次の動作に移行しやすくするものではなく、弁部の応答性を向上することはできない。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、開弁時および閉弁時の両方において弁部の応答性向上が図れる電磁弁を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の電磁弁の発明では、以下の特徴を有する。電磁弁は、軸方向に移動して、流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、ストッパ部、およびストッパ部から軸方向の一方側に延びる部分でありその端部に弁部を有する軸方向突出部を備えたアーマチャと、軸方向に伸縮する部材であって、ストッパ部に対して弁部側に付勢する力を作用させる第1の付勢部材と、軸方向に伸縮する部材であって、軸方向突出部に対して弁部側に付勢する力を作用させる第2の付勢部材と、弁部側に付勢する付勢力とは逆向きの電磁駆動力をストッパ部に作用させてストッパ部を軸方向に変位させる固定子と、を備える。
軸方向突出部は、ストッパ部に対して軸方向に変位するように構成されるとともに、電磁駆動力の作用によって付勢力の作用する向きと逆向きにストッパ部が移動されるときには、ストッパ部からの力を受けてストッパ部と一体になって移動するように構成される。第1の付勢部材は、第2の付勢部材よりも単位縮み長さ当たりの付勢力が大きくなるように構成される。弁部によって流体通路が全開されている全開弁状態においては、ストッパ部には第1の付勢部材による付勢力が作用し、軸方向突出部には第2の付勢部材による付勢力が作用する。弁部によって流体通路が閉じられている閉弁状態においては、軸方向突出部には第2の付勢部材による付勢力が作用するが、ストッパ部には第1の付勢部材による付勢力は作用しない。
この発明によれば、電磁弁の開弁時には第1の付勢部材がストッパ部に対して閉弁する方向に付勢力を作用させ、第2の付勢部材が軸方向突出部に対して閉弁する方向に付勢力を作用させる。また、電磁弁の閉弁時には、第1の付勢部材による付勢力はストッパ部に対して作用せず、第2の付勢部材は軸方向突出部に対して閉弁する方向に作用する。これにより、電磁弁の開弁時には弁部を閉弁する力が第1の付勢部材と第2の付勢部材の両方から加えられることになり、弁部が開弁状態から閉弁状態に移行しやすくなる。さらに、電磁弁の閉弁時には弁部を閉弁する力が単位縮み長さ当たりの付勢力が小さい方の第2の付勢部材からしか加わらないため、電磁駆動力の作用によって弁部が閉弁状態から開弁状態に移行しやすくなる。したがって、開弁時および閉弁時の両方において、弁部の動作の応答性が良好である電磁弁が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記閉弁状態から上記全開弁状態に移行する途中で、ストッパ部に第1の付勢部材による付勢力が作用し始めることを特徴とする。この発明によれば、閉弁状態から全開弁状態に移行する途中のどこかでストッパ部に第1の付勢部材による付勢力が作用し始める構成を有することにより、閉弁状態ではストッパ部に作用していない第1の付勢部材の付勢力は、流体通路の開度が大きくなるにつれて次第に大きく働くようになる。このため、弁部は閉弁状態で第2の付勢部材よる軽い付勢力に打ち勝って開き始めると、その後、第1の付勢部材の付勢力が働き始めることで徐々に負荷が大きくなるため、弁部の挙動を安定したものにすることができる。したがって、弁部の応答性向上とともに、安定した挙動を提供できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、第1の付勢部材および第2の付勢部材はコイルスプリングで構成されていることを特徴とする。この発明によれば、第1の付勢部材および第2の付勢部材それぞれの単位縮み長さ当たりの付勢力を各コイルスプリングのばね定数に基づいて容易に設定することができる。さらに開弁時および閉弁時の各付勢部材の付勢力の働き具合についても、各コイルスプリングの自然長に基づいて容易に設定することができる。したがって、本発明の特徴を備える付勢部材の選択が実施しやすくなる。
電磁弁50を備えた燃料噴射弁100を模式的に示した縦断面図である。 閉弁状態における電磁弁50を模式的に示した縦断面図である。 全開弁状態における電磁弁50を模式的に示した縦断面図である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である電磁弁50は、ソレノイドコイルによる電磁駆動力を利用した電気的駆動弁であり、例えば、自動車のオートマチックトランスミッションに使用される電磁弁や、自動車の燃料タンクで発生する蒸発燃料をエンジンへ送り出すシステムで蒸発燃料の流路を開閉する電磁弁に適用することができる。
本実施形態で示す電磁弁50が用いられる燃料噴射弁は、例えば、ディーゼルエンジンまたは筒内噴射式火花点火内燃機関(以下、直噴ガソリンエンジン)の気筒内へ直接的に噴射する直噴型エンジンに使用する装置である。また、燃料噴射弁は、例えば吸気ポートへ燃料を噴射するものにも使用可能である。
以下、本発明の一例である第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の要部である電磁弁50を備える燃料噴射弁100を模式的に示した断面図である。図2は、弁部18によって流体が流れる流体通路(例えばオリフィス15)が閉じられている閉弁状態における電磁弁50を模式的に示した縦断面図である。図3は、弁部18によって当該流体通路が全開されている全開弁状態(弁部18の最大リフト状態)における電磁弁50を模式的に示した縦断面図である。
図1に示すように、電磁弁50を備える燃料噴射弁100は、ノズルボデー1と下部ボデー2と上部ボデー3とを接続部材等を用いて一体化し構成されたボデーを備えている。電磁弁50は、下部ボデー2の一部と上部ボデー3とに収納される弁装置である。下部ボデー2には、高圧燃料を噴射装置内に導入するための流入ポート4が形成されている。流入ポート4は、下部ボデー2に形成された第1部分通路5、ノズルボデー1に形成された第2部分通路6を順に介して、ノズルボデー1に形成された燃料溜まり室7に連通している。燃料溜まり室7の先端側にはノズルボデー1に形成された噴射孔8が設けられている。燃料溜まり室7と噴射孔8は、ニードル9の先端部の弁部10によって、互いに連通状態または遮断状態となる。また、燃料噴射弁100は、燃料を噴出するために先端に形成される噴射孔8が図示しない気筒内の燃焼室に接続されるように、シリンダヘッドに取り付けられている。
また、流入ポート4は、下部ボデー2に形成された他の第3部分通路11、オリフィスボデー12に形成された第4部分通路13を順に介して、下部ボデー2に形成された制御室14に連通している。制御室14は、オリフィスボデー12に形成されたオリフィス15に連通しており、オリフィス15の先には、低圧室16が位置している。プレート部材30には軸方向に貫通する貫通孔31が形成されている。プレート部材30は、貫通孔31をすべりながら動く(以下、摺動と称することもある)ようにアーマチャ17の軸方向突出部172を保持する。
オリフィス15と低圧室16との間にはアーマチャ17の先端部に配された弁部18が位置しており、オリフィス15と低圧室16は、弁部18によって、互いに連通状態又は遮断状態となる。低圧室16は下部ボデー2に形成された低圧燃料通路19に連通している。低圧燃料通路19は、燃料タンク(図示せず)に連通している。また、低圧室16は、低圧燃料通路19を介して、下部ボデー2に形成されたばね収容室23に連通している。
下部ボデー2の内部空間には、第1制御棒21がその軸方向(図1のX方向、Y方向)へ移動可能に収容されている。第1制御棒21は、第1制御棒21よりも噴射孔8寄りに配される第2制御棒22を介してニードル9と軸方向に連動するようになっている。ニードル9の軸方向の一部は燃料溜まり室7に配されている。ニードル9の先端部は噴射孔8を開閉する弁部10を構成している。第1制御棒21はその後端部(図1におけるY方向の端部)が制御室14に位置するように設けられている。第1制御棒21の先端部(図1におけるX方向の端部)は、ばね収容室23に配され、第3スプリング24が外側に嵌められている。第3スプリング24は、軸方向においてコイル径が一定の圧縮コイルスプリングで構成され、ばね収容室23に収容されている。第3スプリング24は、ニードル9に対し、ノズルボデー1の弁部10を押し付ける方向(図1のX方向)に付勢力(勢いを増加させる力)を常時加えている。
低圧室16にはアーマチャ17が配置されている。アーマチャ17は、軸方向一方の先端部(図1におけるX方向の端部)側に位置する軸方向突出部172と、軸方向他方の後端部(図1におけるY方向の端部)側に位置し、磁性のある材料で構成されているストッパ部171と、を備えている。アーマチャ17は、軸方向突出部172の先端部(図のX方向の端部)に弁部18を有している。軸方向突出部172は、ストッパ部171に対して軸方向に変位するように構成されている。つまり、ストッパ部171と軸方向突出部172は、例えば元々が別体の両部品を組み立てて一体に構成したものであり、軸方向突出部172は、外力を受けると、ストッパ部171に対してすべるように動く(以下、「摺動する」とも称する)ようになっている。アーマチャ17の縦断面(軸方向に沿った断面)形状は、T字状を呈している。
磁性体であるストッパ部171は、ソレノイド27を備える固定子26とプレート部材30との間に配置された部分であり、ソレノイド27による電磁駆動力と、軸方向に伸縮する第1の付勢部材である第1スプリング25の付勢力(軸方向に勢いを増加させる力)とを直接受けて、両者の間を往復移動する。
軸方向突出部172は、ストッパ部171とは別体の部品であるが、ストッパ部171の中央部に形成された貫通孔171cを貫通して設けられ、ストッパ部171によって摺動するように保持されている。軸方向突出部172は、ストッパ部171に対して軸方向に延びる形状であり、ストッパ部171よりも径方向(軸方向に対して垂直な方向)について長さが短く、軸方向に長さが長い形状である。
軸方向突出部172は、軸方向他方側の端部(図のY方向の端部)に、ストッパ部171の貫通孔171cに挿入される部分よりも径方向外方に突出する形状である鍔部175と、鍔部175の軸方向他方側の端面から軸方向他方側に突出する突起部174と、を備えている。鍔部175は、その軸方向一方側の端面(図のX方向の端面)がストッパ部171の軸方向他方側の端面171a(図のY方向の端面)に当接する(突き当たる)ことにより、軸方向一方側(図のX方向)への移動が規制されるようになっている。突起部174と鍔部175とによって形成されて軸方向に垂直な平面である座部173には、第2の付勢部材である第2スプリング28の軸方向一方側の端部(図のX方向の端部)が載置される。つまり、軸方向突出部172には、ストッパ部171の軸方向他方側(図のY方向)への移動量(変位)によっては、第2スプリング28による軸方向一方側(図のX方向)へ作用する付勢力(スプリングの弾性力)に反する外力(図のY方向)をストッパ部171から受ける。
軸方向突出部172は、プレート部材30の貫通孔31内を摺動する摺動部でもあり、軸方向一方側の端面(図のX方向の端面)がストッパ部171の軸方向他方側の端面171a(図のY方向の端面)に当接していない状態では単独で軸方向に移動し、当該当接している状態ではストッパ部171とともに軸方向に往復運動する。このようにして、軸方向突出部172は、第2スプリング28による付勢力と、当該付勢力の逆向きに作用するストッパ部171による力(図の上方に軸方向突出部172を押し上げる力)と、を直接受けて、両者の間を往復移動する。
ストッパ部171の後面(図のY方向の端面)には、付勢部材である第1スプリング25がストッパ部171、固定子26および上部ボデー3に亘って配されている。第1スプリング25は、ストッパ部171に対して弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材である。第1スプリング25の一端部(図のX方向の端部)は、鍔部175の外周面に同心上に嵌入されてストッパ部171の軸方向他方側の端面171a(図のY方向の端面)に当接されており、他端部(図のY方向の端部)は上部ボデー3に形成された凹部41に固定されないで収納されている。つまり、第1スプリング25は、その軸方向一方側の端部が固定端であり、軸方向他方側の端部が自由端となっている。また、第1スプリング25のばね定数(単位縮み長さ当たりの付勢力(弾性力))は、第2スプリング28のばね定数よりも大きい。つまり、第1スプリング25は、軸方向に受ける同じ力に対して第2スプリング28よりも縮み量が小さい。
第2スプリング28は、軸方向に伸縮する部材であり、軸方向突出部172に対して弁部側に付勢する力を作用させる付勢部材である。第2スプリング28は、軸方向においてコイル径が一定の圧縮コイルスプリングで構成され、軸方向突出部172に対し、弁部18をオリフィス15の出口に押し付ける方向(図1のX方向)の付勢力(軸方向に勢いを増加させる力)を常時加えている。第2スプリング28の一端部(図のX方向の端部)は、突起部174の外周面に同心上に嵌入されて座部173に当接されており、他端部(図のY方向の端部)はリング状の調整シム40を介在させて上部ボデー3内に収納されている。調整シム40は、第2スプリング28のセット荷重を調整する働きをする。第2スプリング28は、その軸方向一方側の端部および軸方向他方側の端部が固定端となっている。
上記構成により、弁部18によって流体通路が全開されている全開弁状態(開度100%)においては、ストッパ部171には第1スプリング25による付勢力(第1スプリング25が伸長しようとする弾性力)が作用し、軸方向突出部172には第2スプリング28による付勢力(第2スプリング28が伸長しようとする弾性力)が作用している。さらに、弁部18によって流体通路が閉じられている閉弁状態においては、軸方向突出部172には第2スプリング28による付勢力(第2スプリング28が伸長しようとする弾性力)が作用するが、第1スプリング25の軸方向他端部(図のY方向の端部)と上部ボデー3の凹部41の底面との間には所定長さ寸法H1の隙間が形成されているため、第1スプリング25は自然長の状態であり、ストッパ部171には第1スプリング25による大きな付勢力は作用しないようになっている。
また、上記の所定長さ寸法H1の隙間が形成されていることにより、第1スプリング25は、閉弁状態から全開弁状態に移行する途中で、ストッパ部171に付勢力(第1スプリング25が伸長しようとする弾性力)が作用し始めるように設けられている。つまり、閉弁状態からのストッパ部171のリフト量が軸方向に長さH1を超えるまでは、ストッパ部171には第1スプリング25の大きな付勢力は作用しないようになっており、軸方向突出部172には、小さい方の第2スプリング28の付勢力のみが作用する。
上部ボデー3の内部空間には、ソレノイド27を有する固定子26が設けられている。固定子26は、ソレノイド27に電流が通電された時に、第1スプリング25の付勢力に打ち勝ってストッパ部171を磁気吸引し、弁部18をオリフィス15の出口から離すように動作させる。ターミナル29は、ソレノイド27と外部の制御装置(図示せず)とに電気的に接続されている。ターミナル29を通じてソレノイド27には、制御装置の制御指令値に応じた時間、電流が供給される。
このようにアーマチャ17の軸方向突出部172は、第1スプリング25による付勢力および第2スプリング28による付勢力の少なくともいずれか一方と、ソレノイド27による電磁駆動力とによって、貫通孔31の内壁面の摺動案内作用を受けながら軸方向に往復移動される。
ストッパ部171が固定子26の軸方向一方(図のX方向)側の端面に突き当たっている状態(全開弁状態)では、ストッパ部171のプレート部材側の端面(図のX方向の端面)とプレート部材30のストッパ部側の端面(図のY方向の端面)との間には、所定長さH1より大きい軸方向長さの隙間が形成されるようになる。一方、ストッパ部171がプレート部材30の軸方向他方(図のY方向)側の端面に突き当たっている状態(閉弁状態)では、ストッパ部171の固定子側の端面(図のY方向の端面)と固定子26のストッパ部側の端面(図のX方向の端面)との間には、所定長さH1より大きい軸方向長さの隙間が形成されるようになる。アーマチャ17は、所定長さH1より大きい軸方向長さの隙間分、軸方向に変位可能であり、この長さはアーマチャ17の最大リフト量に相当する。
上記構成の燃料噴射弁100の作動について説明する。図2に示すように、ソレノイド27に通電されていないときには、磁気吸引力はストッパ部171に働かず、第1スプリング25の付勢力はストッパ部171に作用していないが、第2スプリング28の付勢力のみが軸方向突出部172にX方向に作用しており、ストッパ部171の固定子26側の端面と固定子26のストッパ部171側の端面とは接触していない状態である。このため、弁部18は最大限X方向に移動した状態で、オリフィス15を塞いでおり、制御室14および燃料溜まり室7が高圧燃料で満たされている。ニードル9には、第1制御棒21および第2制御棒22を介して伝達される制御室14の高圧燃料によるX方向に作用する力F1と、第3スプリング24によるX方向に作用する力F2と、燃料溜まり室7の高圧燃料によるY方向の力F3とが働いている。そして、F1とF2の合成力がF3を上回るため、弁部10は噴射孔8を塞いでおり(閉弁状態)、燃料は噴射されない。
そして、ソレノイド27に通電されると、固定子26およびストッパ部171によって磁気回路が形成され、固定子26とストッパ部171との間に電磁駆動力としての磁気吸引力が発生する。このとき、ストッパ部171には、第2スプリング28の付勢力が軸方向突出部172を介して作用しているが、第1スプリング25の付勢力は作用していないため、ストッパ部171は磁気吸引力によって容易にY方向へ移動し始める。そして、ストッパ部171が開弁状態からY方向にH1長さリフトされると、さらに第1スプリング25の付勢力が作用し始める。さらにストッパ部171がリフトされ続けると、図3に示すように、ストッパ部171は固定子26のストッパ部側の端面に磁気吸着されるようになる。このストッパ部171のY方向の移動により、軸方向突出部172も連れだってY方向にリフトし、弁部18はオリフィス15の出口から離れるため、制御室14の高圧の燃料はオリフィス15を経て低圧室16に放出される(全開弁状態)。このため、制御室14内の圧力が急激に低下してF1とF2の合成力がF3よりも小さくなる。また、ばね収容室23は低圧燃料通路19に連通しているので、ニードル9は燃料溜まり室7の高圧の燃料に押されてY方向に移動し、第3スプリング24の付勢力に抗して第2制御棒22をY方向に変位させる。また、この第2制御棒22のY方向への変位により、第1制御棒21がY方向に変位される。このようにして、弁部10は開弁され、燃料溜まり室7の高圧燃料が噴射孔8から噴射されるようになる。
その後、ソレノイド27への通電が遮断されると、軸方向突出部172が第2スプリング28の付勢力によってX方向に押され、ストッパ部171が第1スプリング25の付勢力によってX方向に押されるため、両方のスプリングによってストッパ部171はX方向へ容易に移動し始め、ついには弁部18はオリフィス15を塞ぐようになる。このため、制御室14内の圧力が急激に上昇し、F1とF2の合成力がF3を上回るため、ニードル9はX方向に移動し、弁部10は噴射孔8を塞ぎ(閉弁)、燃料は噴射されなくなる。
以下、本実施形態の電磁弁50がもたらす作用効果について述べる。電磁弁50は以下の特有の構成を備える。電磁弁50において、軸方向突出部172は、ストッパ部171に対して軸方向に変位するように構成されるとともに、電磁駆動力の作用によって付勢力の作用する向きと逆向きにストッパ部171が移動されるときにはストッパ部171からの力を受けて一体になって付勢力の逆向きに移動するように構成される。第1スプリング25は、第2スプリング28よりも単位縮み長さ当たりの付勢力が大きくなるように構成される。弁部18によって流体通路が全開されている全開弁状態においては、ストッパ部171には第1スプリング25による付勢力が作用し、軸方向突出部172には第2スプリング28による付勢力が作用する。弁部18によって流体通路が閉じられている閉弁状態においては、軸方向突出部172には第2スプリング28による付勢力が作用するが、ストッパ部171には第1スプリング25による付勢力は作用しないようになっている。
この構成によれば、開弁時には第1スプリング25がストッパ部171に対して閉弁する方向に弾性力を作用させ、第2スプリング28が軸方向突出部172に対して閉弁する方向に弾性力を作用させる。また、閉弁時には、第1スプリング25による弾性力はストッパ部171に対して作用せず、第2スプリング28の弾性力は軸方向突出部172に対して閉弁する方向に作用する。これにより、開弁時には弁部18を閉弁する力が第1スプリング25と第2スプリング28の両方から加えられるため、弁部18が開弁状態から閉弁状態に移行しやすくなる。さらに、閉弁時には弁部18を閉弁する力がばね定数が小さい方の第2スプリング28からしか加わらないため、弁部18を閉じるほう方向に移動させる力は小さく、電磁駆動力の作用によって弁部18が閉弁状態から開弁状態に移行しやすくなる。したがって、開弁時および閉弁時の両方において、弁部の動作の応答性が良好になる。このように弁部の応答性が良好に保たれることは、開弁時の吸引力の余裕度向上や、閉弁時における弁部18のバウンド現象(バルブバウンス)軽減にとって有用である。
また、アーマチャ17は、別体のストッパ部171と軸方向突出部172とを互いに変位可能なように一体にして構成される。この構成により、特に閉弁しようとするときに、まず、ばね定数の大きい方の第1スプリング25の付勢力によってストッパ部171が移動し、次にばね定数の小さい方の第2スプリング28の付勢力によって軸方向突出部172が移動する傾向にある。したがって、閉弁時に向かう場合のアーマチャ17の動作が軽くなり、全開弁状態から閉弁状態への応答性にすぐれた電磁弁を提供できる。
また、ストッパ部171には、閉弁状態から全開弁状態に移行する途中で、第1スプリング25による付勢力が作用し始めるに構成されている。この構成によれば、閉弁状態から全開弁状態に移行する途中のどこかでストッパ部171に第1スプリング25の付勢力が作用し始めることため、第1スプリング25の付勢力は、閉弁状態ではストッパ部171に作用していないが、オリフィス15の開度が大きくなるにつれて次第に大きく働くようになる。したがって、弁部18は閉弁状態で第2スプリング28よる小さい方の付勢力に打ち勝って容易に開き始め、その後、第1スプリング25の大きな付勢力が働き始めるので、徐々にアーマチャ17にかかる負荷が次第に大きくなる。このようなアーマチャ17に対する負荷の変化により、弁部18の安定した挙動を提供することができる。
また、第1スプリング25および第2スプリング28はコイルスプリングで構成されていることにより、第1スプリング25および第2スプリング28の各コイルスプリングのばね定数に基づいて、開弁時および閉弁時の付勢部材のセット荷重を容易に設定することができる。したがって、開弁時と閉弁時の両方において応答性に優れた付勢部材を実現しやすくなる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態において第1の付勢部材、第2の付勢部材は、それぞれ第1スプリング25、第2スプリング28のような圧縮コイルスプリングであるが、この形態に限定されるものではない。例えば、付勢部材としては他に、板ばね、軸方向に作用する外力によって軸方向に伸縮する伸縮性の素材からなる部材等、その材質、形状に関わりなく広く採用することができる。
また、上記実施形態において、ノズルボデー1、下部ボデー2、上部ボデー3、プレート部材30等は特にその材質を限定するものではない。各部品に求められる機能を発揮できる素材であれば、適宜採用することができる。
15…オリフィス(流体通路)
17…アーマチャ
18…弁部
25…第1スプリング(第1の付勢部材)
26…固定子
28…第2スプリング(第2の付勢部材)
50…電磁弁
171…ストッパ部
172…軸方向突出部

Claims (3)

  1. 軸方向に移動して、流体が流れる流体通路を開閉する弁部と、
    ストッパ部、および前記ストッパ部から前記軸方向の一方側に延びる部分でありその端部に前記弁部を有する軸方向突出部を備えたアーマチャと、
    前記軸方向に伸縮する部材であって、前記ストッパ部に対して前記弁部側に付勢する力を作用させる第1の付勢部材と、
    前記軸方向に伸縮する部材であって、前記軸方向突出部に対して前記弁部側に付勢する力を作用させる第2の付勢部材と、
    前記弁部側に付勢する前記付勢力とは逆向きの電磁駆動力を前記ストッパ部に作用させて前記ストッパ部を前記軸方向に変位させる固定子と、
    を備え、
    前記軸方向突出部は、前記ストッパ部に対して前記軸方向に変位するように構成されるとともに、前記電磁駆動力の作用によって前記付勢力の作用する向きと逆向きに前記ストッパ部が移動されるときには、前記ストッパ部からの力を受けて一体になって前記逆向きに移動するように構成され、
    前記第1の付勢部材は、前記第2の付勢部材よりも単位縮み長さ当たりの付勢力が大きくなるように構成され、
    前記弁部によって前記流体通路が全開されている全開弁状態においては、前記ストッパ部には前記第1の付勢部材による付勢力が作用し、前記軸方向突出部には前記第2の付勢部材による付勢力が作用しており、
    前記弁部によって前記流体通路が閉じられている閉弁状態においては、前記軸方向突出部には前記第2の付勢部材による付勢力が作用するが、前記ストッパ部には前記第1の付勢部材による付勢力は作用しないことを特徴とする電磁弁。
  2. 前記閉弁状態から前記全開弁状態に移行する途中で、前記ストッパ部に前記第1の付勢部材による付勢力が作用し始めることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記第1の付勢部材および前記第2の付勢部材はコイルスプリングで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁。
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