JP2010158168A - アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法 - Google Patents

アキシャルギャップ型回転電機及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石の減磁を防止しつつ、積層鋼板を用いて、エアギャップ精度を良好にでき、さらに高透磁率かつ低鉄損の界磁子を構成すること。
【解決手段】アキシャルギャップ型回転電機の界磁子920は、複数の永久磁石922と、回転軸18aを中心とする円の径方向に積層された複数の鋼板を有する界磁子積層鋼板部924とを備える。界磁子積層鋼板部924に各永久磁石922を収容保持可能な磁石保持凹部927が複数形成され、各永久磁石922がエアギャップに実質的に露出しないで界磁子積層鋼板部924がエアギャップに露出する態様で、各永久磁石922が各磁石保持凹部927内に収容保持されて界磁子積層鋼板部924のうちいずれかの各電機子への対向部分を介して2つの電機子のうちの一方又は双方に対して対向し、界磁子積層鋼板部924は、帯状の鋼板960を巻回することで形成されている。
【選択図】図22

Description

この発明は、回転軸に略垂直な面に沿って広がるギャップを介して電機子と界磁子とが対向するアキシャルギャップ型回転電機に関する。
アキシャルギャップ型回転電機は、回転軸方向で対向する界磁子と電機子とを備えており、薄型化し易く、また、磁極面積を大きくすることでトルク密度を向上できるという利点を有している。
このようなアキシャルギャップ型回転電機では、回転軸方向に沿ってスラスト力が発生する。そこで、例えば、2つの界磁子を1つの電機子に対して互いに反対側に設けたり、2つの電機子を1つの界磁子に対して互いに反対側に設けることで、回転電機に生じるスラスト力を打消し合うことができる。これらの中でも、1つの回転子としての界磁子の回転軸方向両側に、2つの固定子としての電機子を設けるタイプが、風損を低減できるという観点からは好ましい。
上述したタイプのアキシャルギャップ型モータを開示する先行技術としては、例えば特許文献1及び2に記載のものがある。
特許文献1では、互いに極性が異なる2つの磁極面を有する磁石を複数有する界磁子が開示されており、その磁石の一方の磁極面は一方の電機子に直接対向し、他方の磁極面は他方の電機子に直接対向している。
特許文献2では、磁石の両側に積層鋼板からなるコアを2つ配置し、当該2つのコアで磁石を挟込んで固定する構成が開示されている。また、磁石を圧粉鉄心で覆うようにして固定した構成も開示されている。
特開2001−136721号公報 特開2005−094955号公報
しかしながら、特許文献1に開示のモータでは、電機子に対向する磁石の磁極面は、電機子に対して直接露出している。このため、当該磁石は減磁界の影響を受け易く、減磁してしまう恐れがあった。
また、特許文献2に開示された構成のうち、積層鋼板からなる2つのコアで磁石を挟込んで固定する構成では、両コアを如何に合体締結させるかが問題となるし、また、磁石の寸法精度や2つのコアの寸法精度及びそれらの組合わせ精度が要因で、エアギャップ精度が悪くなる恐れがあった。また、磁石を圧粉鉄心で覆うようにして固定した構成では、透磁率が低く特に低速での鉄損が大きい点と、強度不足及び遠心力による飛散等の課題があった。
そこで、本発明は、永久磁石の減磁を防止しつつ、積層鋼板を用いて、エアギャップ精度を良好にでき、さらに、特に中低速領域において(例えば、凡そ駆動周波数500Hz〜1kHz以下)、高透磁率かつ低鉄損の界磁子を構成することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、界磁子(920,1020)と、前記前記界磁子の両側にエアギャップを隔てて設けられた2つの電機子(30、40)とを備え、前記界磁子が前記2つの電機子に対して相対的に回転軸(18a)周りに回転するアキシャルギャップ型回転電機であって、前記界磁子は、前記回転軸周りに配設され、それぞれ前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して磁極を呈する複数の永久磁石(922)と、前記回転軸を中心とする円の径方向に積層された複数の鋼板を有する界磁子積層鋼板部(924,1024)とを備え、前記界磁子積層鋼板部に前記各永久磁石を収容保持可能な磁石保持凹部(927,1027)が複数形成され、前記各永久磁石が前記エアギャップに実質的に露出しないで前記界磁子積層鋼板部が前記エアギャップに露出する態様で、前記各永久磁石が前記各磁石保持凹部内に収容保持されて前記界磁子積層鋼板部のうちいずれかの前記各電機子への対向部分を介して前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して対向し、前記界磁子積層鋼板部(924)は、帯状の鋼板(960)を巻回することで形成されている。
また、第2の態様は、第1の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各永久磁石(922)間に磁気障壁部(926c)が設けられている。
第3の態様は、第2の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各永久磁石(922)の各間に2つの磁気障壁部(926c)が設けられ、その2つの磁気障壁部間に磁性体部(1028)が設けられている。
第4の態様は、第3の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各磁性体部は、前記回転軸方向における両端部で前記回転軸を中心とする円の周方向に幅広に形成されている。
第5の態様は、第3又は第4の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各磁性体部のうちの少なくとも1つに、積層された鋼板同士を締結する締結部が設けられている。
第6の態様は、第3〜第5のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各磁気障壁部(926c)は各層で略同一形状であり、前記各磁石保持凹部(927)の幅と前記各磁性体部の幅のうち一方が各層で略同一で、他方が各層で異なる。
第7の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記界磁子積層鋼板部を構成する鋼板に、前記各磁石保持凹部内に向けて突出し、前記各磁石保持凹部内に収容保持された前記永久磁石に係止する係止爪が形成されている。
第8の態様は、第1〜第7のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記界磁子積層鋼板部の内周側及び外周側の少なくとも一方に、前記各磁石保持凹部の開口で前記各永久磁石の移動を規制する鋼板が積層されている。
第9の態様は、第1〜第8のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記界磁子積層鋼板部の内周側及び外周側の少なくとも一方に、前記各磁石保持凹部の開口で前記各永久磁石の移動を規制する非磁性体リング部材が設けられている。
第10の態様は、第1〜第9のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各永久磁石(922)は、前記回転軸方向において1層に設けられている。
第11の態様は、第1〜第9のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各永久磁石(1122)は、前記回転軸方向において2層に設けられている。
第12の態様は、第11の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機であって、前記各永久磁石(1122)の層間には磁気障壁が設けられていない。
第13の態様は、第1〜第12のいずれかの態様に係るアキシャルギャップ型回転電機の製造方法であって、鋼板を打抜いてから積層することで、前記界磁子積層鋼板部(924,1024)を製造する。
第1の態様に係るアキシャルギャップ型回転電機によると、前記各永久磁石が前記エアギャップに実質的に露出しないで前記界磁子積層鋼板部が前記エアギャップに露出する態様で、前記各永久磁石が前記各磁石保持凹部内に収容保持されて前記界磁子積層鋼板部のうちいずれかの前記各電機子への対向部分を介して前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して対向するので、当該永久磁石の減磁を防止できる。また、前記界磁子積層鋼板部に前記各永久磁石を収容保持可能な磁石保持凹部が複数形成され、前記各永久磁石が前記各磁石保持凹部内に収容保持され、前記界磁子積層鋼板部のうちいずれかの前記各電機子への対向部分を介して前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して対向するので、エアギャップ精度を良好にできる。さらに、積層鋼板を用いて、高透磁率かつ低鉄損の界磁子を構成できる。
また、帯状の鋼板を巻回することで、界磁子積層鋼板部を容易に製造できるとともに、鋼板の分割による微小な空隙をなくすことができる。
第2の態様によると、各永久磁石同士を磁気的に分離し、磁束の漏洩を低減することができる。
第3の態様によると、磁気障壁部間の磁性体部によって、マグネットトルクに併せてリラクタンストルクをも有効利用することができる。
第4の態様によると、電機子に対する磁性体部の対向面積を大きくして、リラクタンストルクを増大させることができる。
第5の態様によると、積層された鋼板同士を積層状態に容易に保持することができ、凹部と磁石間の隙間を小さくできる。
第6の態様によると、各磁気障壁部(326c,626c,926c)の幅と各磁性体部(328,628)の幅とが各層で略同一であるか、又は、前記各磁気障壁部(326c,626c,926c)の幅と各磁石保持凹部(327,927)の幅とが各層で略同一であるため、これらを比較的少ない種類の金型で打抜き形成することができる。
第7の態様によると、係止爪によって永久磁石の移動、脱落を防止できる。
第8の態様によると、前記各磁石保持凹部の開口で前記各永久磁石の移動を規制する鋼板によって、永久磁石の移動、脱落を防止できる。
第9の態様によると、非磁性体リング部材によって、永久磁石の移動、脱落を防止できる。
第10の態様によると、比較的少ない数の永久磁石によって、両電機子に磁極を呈して回転運動を生じさせることができる。
第11の態様によると、両電機子に対して異なる磁極配置にして、回転むらを増やす等の設計が可能となり、回転運動を生じさせることができる。
第12の態様によると、前記各永久磁石の層間には磁気障壁が設けられていないので、構成の簡易化、小型化を図ることができる。
第13の態様によると、積層前に鋼板を打抜くので、当該打抜きを容易に行える。
第1実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機を示す分解斜視図である。 同上のアキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す分解斜視図である。 図2の部分拡大図である。 第1実施形態の変形例に係る界磁子を示す図である。 同上の変形例に係る界磁子分割積層鋼板部、永久磁石及び介在磁心の形状を示す図である。 同上の変形例に係る界磁子分割積層鋼板部、永久磁石及び介在磁心非磁性体ホルダで保持した状態を示す図である。 第2実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す斜視図である。 同上の界磁子の永久磁石及び界磁子分割積層鋼板部を示す分解斜視図である。 同上の界磁子の製造工程を示す図である。 同上の界磁子の製造工程を示す図である。 鋼板の積層状態での固定及び永久磁石の保持に係る変形例を示す図である。 同上の変形例を示す図である。 同上の変形例を示す図である。 永久磁石の保持に係る他の変形例を示す図である。 永久磁石の保持に係る他の変形例を示す図である。 介在磁性体部に係る変形例を示す図である。 第2実施形態に係る界磁子分割積層鋼板部を構成する鋼板の打抜き形状例を示す図である。 磁気障壁部を1つだけ設けた場合の鋼板の形状例を示す図である。 界磁子分割積層鋼板部に係る変形例を示す図である。 同上の変形例の製造工程を示す図である。 同上の変形例の製造工程を示す図である。 第3実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す一部分解斜視図である。 第3実施形態の変形例を示す図である。 同上の変形例の鋼板の打抜き形状例を示す図である。 同上の変形例の鋼板の打抜き形状例を示す図である。 2層に永久磁石を設けた場合において鋼板の打抜き形状例を示す図である。 2層に永久磁石を設けた場合において鋼板の他の打抜き形状例を示す図である。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機について説明する。図1は本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機を示す分解斜視図であり、図2は同アキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す分解斜視図であり、図3は図2の部分拡大図である。なお、図1において理解を容易にするため界磁子については視野方向が異なりかつ部分的に切り欠いたものを示している。
このアキシャルギャップ型回転電機10は、界磁子20と、回転軸18a方向において界磁子20の両側にエアギャップを隔てて設けられた2つの電機子30,40とを備えている。界磁子20は略円盤状に形成されており、2つの電機子30,40も略円盤状に形成されている。そして、両電機子30,40による回転磁界によって、界磁子20が電機子30,40に対して相対的に回転するようになっている。
各部についてより詳細に説明する。
電機子30、40は、回転軸18aの方向において、界磁子20の両側に、当該界磁子20に対してギャップ(ここでは僅かなギャップ)を隔てて対向するように配設されている。これらの電機子30、40は、図示省略のケーシング等に固定されており、本回転電機10において、固定子として機能する。
電機子30は、バックヨークコア32と、複数(ここでは12個)のティース34と、各ティース34に巻回された巻線36とを備えている。
バックヨークコア32は、略円盤状であり、図示省略のケーシング等に固定されている。複数のティース34は、バックヨークコア32のうち界磁子20側の面に、回転軸18aを中心として略環状に間隔をあけて配設されており、その各先端部にはつば部が設けられている。つば部は、界磁子20の磁束をより多く鎖交できるように、エアギャップにおける磁気抵抗を小さくする役割を有している。これらのバックヨークコア32、ティース34及びその先端部のつば部は、いずれも軟磁性体により形成されており、例えば、圧粉磁心(圧粉鉄心)で形成される。これらは一体として形成してもよく、いずれかを分割して形成後合体して形成してもよい。また、部分的に鋼板で形成してもよい。各ティース34のそれぞれに1つの巻線36が装着されている。つまり、この電機子30は、いわゆる12スロットの集中巻の形態で巻線36が設けられている。また、ここでは、U相、V相、W相の3相の巻線36が、回転軸18a周りにその順で、4組設けられており、界磁子20の8つの磁極に対して回転磁界を発生させて、当該界磁子20を回転させるようになっている。各相の巻線は4個全て直列、または、全て並列、または、直列と並列の組み合わせの、いずれでもよく、U相、V相、W相は、互いに中性点を共有するスター結線で接続される。
電機子40も、上記電機子30と同様構成で、バックヨークコア42と、複数のティース44と、各ティース44に巻回された巻線46とを備えている。
また、界磁子20から見ると、両電機子30,40における巻線36,46の巻回方向は反対方向である。換言すれば、回転軸18aの一方側から見れば、両電機子30,40の巻線36,46の巻回方向は同一である。ここで、巻線36,46の巻回方向が同一か又は反対とは、実際に線をどの方向に巻いているかということではなく、結線して電源を供給したとき、電源側から中性点に向けて電流が流れる方向が同一であるか反対であるかを意味している。換言すれば、電源側の端子から開始してティース34,44周りを回って中性点側の端子に至る方向をいう。これにより、両側の電機子30,40において例えばU相の巻線36,46に電流が流れたとき、一方(上方)の電機子30には下向きに磁束が流れ、他方(下方)の電機子40には同様に下向きに磁束が流れる。両界磁子20のU相のティース34,44は対向関係にあるので、界磁子20を介して連続する磁気回路が構成される。そして、各巻線36,46に3相交流を流すことで、両電機子30,40間に、界磁子20を介して共通する回転磁界が生じるようになっている。
なお、上記電機子30、40の構成は一例であり、上記に限定されるものではない。例えば、巻線36,46が分布巻又は波巻されていてもよい。
界磁子20は、軸受によって回転自在に支持されたシャフト(共に図示省略)を介して所定の回転軸18a周りに回転自在に配設されており、回転軸18a方向で上記両電機子30、40とギャップを隔てて対向している。つまり、この界磁子20は、本回転電機10において回転子として機能する。
この界磁子20は、複数の永久磁石22と、複数の界磁子分割積層鋼板部26を有する界磁子積層鋼板部24と、複数の介在磁性体部28とを有している。
各永久磁石22は、回転軸18a周りに間隔をあけて配設されている。より具体的には、各永久磁石22は、略台形板状に形成されており、その2つの平行辺部分のうち短辺部分を内周側に向けると共に長辺部分を外周側に向けた姿勢で、それぞれの間に間隔をあけて回転軸18aを中心とする略環状に配設されている。また、各永久磁石22は、回転軸18aに沿った方向、即ち、永久磁石22の厚み方向に沿って磁化されており、その両面にN極又はS極の磁極を呈する。これらの永久磁石22は、回転軸18aの周りで環状かつ交互の磁極を呈するように配設されており、両電機子30、40に対してそれぞれ回転軸18a周りに交互の磁極を呈する。ここでは、永久磁石22の数は8つであり、本界磁子20は、8極の磁極を呈している。
なお、ここでは、各永久磁石22は、回転軸18a方向において1層に設けられており、両方の電機子30,40に対して磁極を呈しているため、比較的少ない数の永久磁石22によって両電機子30,40に対して磁極を呈することができる。もっとも、各永久磁石22は、必ずしも両方の電機子30,40に対して磁極を呈する必要はなく、電機子30に対して磁極を呈する永久磁石22群と、電機子40に対して磁極を呈する永久磁石22群とが2層に設けられていてもよい。かかる構成の一形態については後にも説明する。
界磁子積層鋼板部24は、回転軸18aを中心とする円の径方向に積層された複数の鋼板を有している。ここでは、界磁子積層鋼板部24は、回転軸18a周りに分割された複数の界磁子分割積層鋼板部26を有している。各界磁子分割積層鋼板部26は、幅寸法が略同一でかつ長さ寸法が順次大きくなる帯状の鋼板を、所定方向に沿って順次積層していくことで、略台形平板状に形成されている。なお、この界磁子分割積層鋼板部26は、上記永久磁石22よりも大きく(ここでは一回り大きく)なっている。このような各界磁子積層鋼板部24が、2つの平行辺部分のうち短辺部分を内周側に向けると共に長辺部分を外周側に向けた姿勢で、回転軸18aを中心にして各間に隙間をあけつつ略環状に配設されることで、界磁子積層鋼板部24が構成されている。なお、各界磁子分割積層鋼板部26間には、界磁子20の径方向に沿って延びかつそれと略直交する方向においては等幅な隙間が設けられる。この状態では、各界磁子分割積層鋼板部26においては、鋼板は界磁子20の径方向に沿って積層された態様となっている。
各界磁子分割積層鋼板部26には、それぞれ1つの永久磁石22を挿入可能な磁石保持凹部27が形成されている。つまり、各界磁子分割積層鋼板部26を構成する鋼板には、永久磁石22を挿入可能な孔部が形成されており、この孔部の幅(界磁子20の周方向における幅)は、内周側から外周側に向かうに従って徐々に大きくなっている。これにより、各界磁子分割積層鋼板部26には、永久磁石22を挿入可能な略台形板状に広がる磁石保持凹部27が形成されている。そして、各界磁子分割積層鋼板部26の磁石保持凹部27内に永久磁石22を挿入することで、上記各永久磁石22が上記配設形態で保持される。
このような界磁子分割積層鋼板部26は、例えば、予め鋼板を長さ寸法及び孔幅が異なる各種形状に打抜いてからそれらを積層することで製造することができる。鋼板の打抜き自体は、公知方法を含む各種方法にて行うことができる。このように、積層前に打抜くことで、当該鋼板の打抜きを容易に行える。
また、上記のように界磁子分割積層鋼板部26の磁石保持凹部27内に永久磁石22が収容保持された状態で、永久磁石22のうち電機子30,40との対向部分は、界磁子分割積層鋼板部26のうち電機子30,40との対向部分26aによって覆われている。また、永久磁石22のうち周方向における側方部分は界磁子分割積層鋼板部26のうちその周方向における側方部分26bによって覆われている。
界磁子分割積層鋼板部26のうち側方部分26bの厚み寸法(界磁子20の周方向における厚み寸法)は、回転軸18a方向における永久磁石22の両極間で容易に磁気飽和する程度に小さく設定されており、永久磁石22の両極間で磁束の短絡が防止されている。
また、界磁子分割積層鋼板部26のうち対向部分26aは、前記側方部分26bよりも大きな所定厚み寸法(回転軸18a方向における厚み寸法)を有しており、各永久磁石22がエアギャップに実質的に露出しないで界磁子積層鋼板部26の対向部分26aがエアギャップに露出する態様で、各永久磁石22は、当該対向部分26aを介して電機子30,40に対向する。そして、この対向部分26aは、励磁された電機子30、40の外部磁界によって永久磁石22に減磁界が作用した場合に、各永久磁石22に作用する減磁界の影響を緩和し、もって、各永久磁石22が減磁するのを防止する。また、永久磁石22内部の高調波磁束による渦電流を抑制する役割をも有している。さらに、各永久磁石22の厚み寸法が異なっていても、磁石保持凹部27にある程度の余裕を持たせることで、当該差異を吸収することができる。これにより、ギャップ精度については、永久磁石22の厚み寸法精度に関係なく、電機子30,40のティース34,44及び界磁子分割積層鋼板部26の寸法精度によって確保でき、結果的にギャップ精度を良好にしてエアギャップ長を最小かつばらつきを少なくできる。
各介在磁性体部28(q軸磁性体ともいう)は、界磁子20の周方向において隣設する各界磁子分割積層鋼板部26間に、当該各界磁子分割積層鋼板部26にとは磁気的に独立する態様で設けられている。この介在磁性体部28は、基本的には、永久磁石22の磁極中心を示すd軸のインダクタンスLdよりも、極間を示すq軸のインダクタンスLqを大きくすることで、逆突極性を呈し、いわゆるマグネットトルクに、いわゆるリラクタンストルクを更に加えて界磁子20を回転させる役割を有している。
この介在磁性体部28は、回転軸18aに略直交する平面において、断面形状が略長方形状である略直方体形状に形成されている。そして、介在磁性体部28のうち界磁子分割積層鋼板部26に対向する面と、界磁子分割積層鋼板部26のうち介在磁性体部28に対して対向する面とが略平行になるようになるように配設されている。かかる配設形態は、界磁子分割積層鋼板部26と介在磁性体部28とを磁気的に分離しつつ、それらを面積効率(体積効率)より配設することができる形態である。もっとも、界磁子分割積層鋼板部26を略台形板状にし、介在磁性体部28を略直方体状にする形態に限らず、例えば、界磁子分割積層鋼板部26を略長方形板状にし、介在磁性体部28を略扇板状又は略三角板状に形成する形態によっても、界磁子分割積層鋼板部と介在磁性体部との間に略等幅な隙間を形成して、それら界磁子分割積層鋼板部と介在磁性体部とを効率よく配置することができる。これらの形態については後でも説明する。
また、上記介在磁性体部28は、回転軸18aに対して略直交する方向に鋼板が積層された積層鋼板で、より具体的には、略長方形状に打抜いた鋼板を回転軸18aを中心とする円の径方向に積層することで形成されている。介在磁性体部28は、略直方体形状であるため、界磁子20の径方向又はそれに直交する方向に鋼板を積層することで、略同一形状の鋼板を積層することでかかる介在磁性体部28を製造することができる。
介在磁性体部28は、必ずしも積層鋼板で形成される必要はなく、圧粉磁心で形成されていてもよい。もっとも、上記電機子30、40による磁束の通過方向は、回転軸18a方向成分が主であるため、回転軸18aに対して略直交する方向に鋼板が積層された積層鋼板で介在磁性体部28を形成することで、電機子30、40による磁束に対する透磁率を低くして、リラクタンストルクをより向上させることができ、また、本アキシャルギャップ型回転電機10が比較的低速で運転される場合でも鉄損を小さくできる。
鋼板の積層方向としては、界磁子20の径方向であっても、それに直交する方向であってもよい。鋼板の積層方向が界磁子20の径方向である場合、電機子30、40による磁束の通過方向は、主として回転軸18a方向成分と、部分的な周方向成分とを有しているため、電機子30、40による磁束に対する透磁率をより低くして、リラクタンストルクをより向上させることができる。鋼板の積層方向が界磁子20の径方向に対して略直交する方向である場合、界磁子20の径方向に長い介在磁性体部28を比較的少ない鋼板で容易に形成することができる。
上記各界磁子分割積層鋼板部26及び各介在磁性体部28は、非磁性体ホルダ50によって所定位置及び所定姿勢で保持されている。非磁性体ホルダ50は、内周ボス部52と、外周リング部材54とを有しており、内周ボス部52は回転軸18a方向において分割内周ボス部52aに2分割されている。分割内周ボス部52aは、各界磁子分割積層鋼板部26及び各介在磁性体部28の内周部を、回転軸18a方向において両側から挟込むように保持した状態で、図示省略のシャフトに固定される。また、外周リング部材54は、各界磁子分割積層鋼板部26及び各介在磁性体部28の外周側面に対応する内周形状を有しており、環状に配設された各界磁子分割積層鋼板部26及び各介在磁性体部28の外周部に外嵌めされる。これにより、上記各界磁子分割積層鋼板部26及び各介在磁性体部28が環状配列形態で、位置決め保持される。この際、各界磁子分割積層鋼板部26の内周側及び外周側が内周ボス部52と外周リング部材54とによって覆われるため、内周側及び外周側のそれぞれにおいて各永久磁石22の脱落を防止できる。
なお、上記非磁性体ホルダ50として、非磁性体金属を用いることで、強度を得ることができる。もっとも、この場合、渦電流が発生してしまうので、磁界が非磁性体ホルダ50を通過しないようにすることが望ましく、そのためには、非磁性体ホルダ50が電機子30,40と対向しないようにするとよい。
以上のように構成されたアキシャルギャップ型回転電機10によると、各永久磁石22が各磁石保持凹部27内に収容保持されて界磁子分割積層鋼板部26のうちの対向部分26aを介して電機子30,40に対向するので、当該永久磁石22の減磁を防止できる。また、各永久磁石22は磁石保持凹部27内に収容保持され、前記対向部分26aと両電機子30,40との間にエアギャップが形成されるので、永久磁石22の厚み精度と関係なくエアギャップを設定でき、当該エアギャップ精度を良好にできる。さらに、界磁子積層鋼板部24及び界磁子分割積層鋼板部26は、積層鋼板で形成されているので、高透磁率、即ち、永久磁石22の動作点磁束密度を大きくでき、かつ、低鉄損の界磁子20を構成できる。
また、界磁子積層鋼板部24を複数の界磁子分割積層鋼板部26に分割しているので、各界磁子分割積層鋼板部26を比較的容易に製造できる。
また、各界磁子分割積層鋼板部26で1つの永久磁石22を保持しているので、各界磁子分割積層鋼板部26間に隙間等を設けることで、各永久磁石22間の磁束漏洩対策が容易である。
なお、界磁子積層鋼板部24による永久磁石22の保持形態は上記例に限られず、一体化された界磁子積層鋼板部で複数の永久磁石を保持する態様、界磁子積層鋼板部を複数の界磁子分割積層鋼板部に分割し、それぞれで又は複数の界磁子分割積層鋼板部で永久磁石を保持する態様等、種々の変形が可能である。それらの保持形態のいくつかの態様については、後述する実施形態でも説明する。
図4及び図5は上記第1実施形態の変形例に係る界磁子を示す図であり、図4は界磁子分割積層鋼板部、永久磁石及び介在磁心の形状を示す図であり、図5はこれらを非磁性体ホルダで保持した状態を示す図である。
この変形例では、上記界磁子分割積層鋼板部26に対応する界磁子分割積層鋼板部126は、回転軸18aに略直交する平面における平面視形状及び断面外形状が略長方形状の板状に形成されており、その内部に回転軸18aに略直交する平面における形状が略長方形状である磁石保持凹部127が形成されている。また、永久磁石22に対応する永久磁石122は、回転軸18aに略直交する平面における平面視形状及び断面外形状が略長方形状である板状に形成されている。そして、各永久磁石122がそれぞれ界磁子分割積層鋼板部126の磁石保持凹部127内に収容保持されている。この界磁子分割積層鋼板部126が複数略環状に配設されることで、界磁子積層鋼板部124が構成される。
上記のような形状の界磁子分割積層鋼板部126は、略長方形板状でかつ略中央部に略長方形孔が形成された略同一形状の鋼板を、界磁子120の径方向に略直交する方向に積層することで形成することができる。特に、界磁子分割積層鋼板部126の周方向幅が介在磁性体部128の周方向幅より十分に大きい場合、本構造は、界磁子分割積層鋼板部126の周方向端部が径方向に対して傾斜することとなり、スキューの効果が得られ、コギングの低減が可能である。
また、介在磁性体部28に対応する介在磁性体部128は、その界磁子分割積層鋼板部126側の側面が当該界磁子分割積層鋼板部126に対して略平行となるように、回転軸18aに略直交する平面における形状が略扇形状となる板状に形成されている。なお、介在磁性体部128は、回転軸18aに略直交する平面における形状が略三角形状であってもよい。
このような介在磁性体部128は、互いに異なる形状に打抜いた鋼板を回転軸18aに略直交する方向に積層することで形成できるし、また、圧粉鉄心等の圧粉磁心でも製造することができる。介在磁性体部128を圧粉磁心で製造した方が形状自由度に優れ容易に製造できるという点で好ましい。
上記各界磁子分割積層鋼板部126及び介在磁性体部128は、非磁性体ホルダ150によって所定の配列形態で保持される(図5参照)。非磁性体ホルダ150は、界磁子分割積層鋼板部126及び介在磁性体部128とは別途形成され、後から組込まれた界磁子分割積層鋼板部126及び介在磁性体部128を保持する構成であってもよい。或は、非磁性体ホルダ150は、界磁子分割積層鋼板部126及び介在磁性体部128を金型内に配設した状態で、それらと一体的に金型成型されたもの、すなわち、インサート成型されたものであってもよい。後者の場合、界磁子分割積層鋼板部126及び介在磁性体部128のうちエアギャップ側の面は、当該エアギャップに対して露出するか、或は、極めて薄く非磁性体で覆われているようにするとよい。
この変形例によると、略同一形状に打抜かれた鋼板を積層することで界磁子分割積層鋼板部126を形成することができるので、界磁子分割積層鋼板部126の製造が容易となる。
図6は界磁子分割積層鋼板部の変形例を示す図である。この変形例では、上記界磁子分割積層鋼板部126に対応する界磁子分割積層鋼板部226のうち電機子30,40に対する対向部分226aが、回転軸18aを中心とする円の周方向略中間部で最も厚みが大で、当該周方向両端部に向うに従って徐々に厚みが小さくなるように形成されている。これにより、界磁子分割積層鋼板部226と電機子30,40間のエアギャップが、永久磁石122の磁極中心(前記周方向における磁極中心)が最も小さくなり、当該周方向端部へ向うに従って大きくなるようになっている。
この変形例では、各ギャップで、回転軸18aを中心とする周方向に沿って略正弦波化された磁束密度分布を呈するため、磁束密度分布の高調波成分を抑制して、鉄損を小さくすることができると共に、コギングをも低減することができる。
{第2実施形態}
第2実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機について説明する。図7は本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す斜視図であり、図8は同界磁子の永久磁石及び界磁子分割積層鋼板部を示す分解斜視図であり、図9及び図10は同界磁子の製造工程を示す図である。なお、界磁子320の両側に設けられる2つの電機子30,40については第1実施形態と同様構成であるためその説明を省略し、ここでは界磁子320を中心に説明する。
界磁子320は、略円盤状(より具体的には略正多角形状、ここでは略正8角形状)に形成されており、シャフトを介して所定の回転軸18a周りに回転自在に配設されている。
この界磁子320は、複数の永久磁石322と、複数の界磁子分割積層鋼板部326を有する界磁子積層鋼板部324とを有している。
各永久磁石322は、回転軸18a周りに間隔をあけて配設されている。より具体的には、永久磁石322は、回転軸18aに対して略直交する平面において、全体として略V字状をなす帯板状部材である。この各永久磁石322は、その略V字状凹み部分を内周側に向けると共にその略V字状突出部分を外周側に向けた姿勢で、それぞれの間に間隔をあけて回転軸18aを中心とする略環状に配設されている。この各永久磁石322も、上記各永久磁石22と同様に着磁されており、両電機子30、40に対してそれぞれ回転軸18a周りに交互の磁極を呈するようになっている。
この各永久磁石322は、回転軸18aを中心とする円の周方向における略中央部で当該円の径方向長さが最大となり、その周方向における両端部に向うに従って当該円の径方向長さが徐々に短くなる形状である。これにより、本界磁子320により呈される磁束密度分布を回転軸18a周りで正弦波に近づけることができ、磁束密度分布の高調波成分を抑制して、鉄損を小さくすることができると共に、コギングをも低減することができる。
界磁子積層鋼板部324は、回転軸18aを中心とする円の径方向に積層された複数の鋼板を有している。ここでは、界磁子積層鋼板部324は、回転軸18a周りに分割された複数の界磁子分割積層鋼板部326を有している。各界磁子分割積層鋼板部326は、幅寸法が順次大きくなる帯状の鋼板を所定方向に沿って順次積層することで、略台形平板状に形成されている。このような界磁子分割積層鋼板部326が、2つの平行辺部分のうち短辺部分を内周側に向けると共に長辺部分を外周側に向けた姿勢で、回転軸18aを中心にして密接状に略環状に配設されることで、界磁子積層鋼板部324が構成されている。この状態では、各界磁子分割積層鋼板部326において、鋼板は界磁子320の径方向に沿って積層された態様となっている。
また、各界磁子分割積層鋼板部326には、各永久磁石322のうち回転軸18aを中心とする円の周方向における略半分部分を収容保持可能な磁石部分保持凹部327aが形成されている。この磁石部分保持凹部327aは、界磁子分割積層鋼板部326の周方向端部に開口しており、内周側から外周側に向けて前記周方向における凹部深さが徐々に深くなる形状に形成されており、上記界磁子分割積層鋼板部326のうち前記周方向の両端部に形成されている。そして、隣設する2つの界磁子分割積層鋼板部326の磁石部分保持凹部327aによって、永久磁石322全体を収容保持可能な磁石保持凹部327が構成されるようになっている。また、全ての界磁子分割積層鋼板部326が上記のように環状に配設されることによって、複数の磁石保持凹部327が環状に配設され、上記各永久磁石322が環状配設形態で保持されるようになっている。ここで、各界磁子分割積層鋼板部326は略台形板状に形成されているので、永久磁石322の保持部分の周方向略中央部でその径方向長さを最大にすることができる。従って、上記のように、回転軸18aを中心とする円の周方向における略中央部で当該円の径方向長さが最大となり、その周方向における両端部に向うに従って当該円の径方向長さが徐々に短くなる形状を有する永久磁石322を収容するのに適した空間を持つ磁石保持凹部327を構成することができる。これにより、後述するように永久磁石322の磁極面全体を界磁子分割積層鋼板部326で覆うことができる。
上記のような磁石部分保持凹部327aは、積層される鋼板に当該磁石部分保持凹部327aに応じた凹部形状を打抜き形成しておくことで、形成することができる。
また、上記のように永久磁石322が各磁石保持凹部327内に収容された状態で、永久磁石322のうち電機子30,40との対向部分は、界磁子分割積層鋼板部326のうち電機子30,40との対向部分326aによって覆われている。そして、永久磁石322の磁極面略全体が、当該対向部分326aを介して電機子30,40に対向するようになっている。なお、永久磁石322の磁極面は、界磁子分割積層鋼板部326にほぼ覆われており実質的にエアギャップに露出していなければば良いので、永久磁石322の一部がはみ出していてもよい。例えば、永久磁石322が円弧板状であってもよい。
界磁子分割積層鋼板部326の対向部分326aは、上記対向部分26aと同様に、各永久磁石322が減磁するのを防止すると共に、永久磁石322内部の高調波磁束による渦電流を抑制する役割を有している。さらに、各永久磁石322の厚み寸法が異なっていた場合でも、磁石保持凹部327にある程度の余裕を持たせることで、当該差異を吸収し、電機子30,40のティース34,44及び界磁子分割積層鋼板部326の寸法精度によってギャップ精度を確保することで、ギャップ精度を良好にしてエアギャップ長を最小かつばらつきを少なくできる。
また、上記界磁子分割積層鋼板部326には、各永久磁石322間に位置して磁気障壁部326cが設けられている。この磁気障壁部326cは、永久磁石322及び両電機子30,40に十分に近接する領域まで形成された孔(ここでは略角孔)であり、磁気障壁部326cを囲む部分は容易に磁気飽和できる程度に十分断面積が小さくなっている。この磁気障壁部326cにより、隣設する各永久磁石322同士が磁気的に分離されると共に、後述する介在磁性体部328と永久磁石322とが磁気的に分離されている。なお、永久磁石322のうち周方向における側方部分は、磁石部分保持凹部327aと磁気障壁部326c間の側方部分326bによって覆われている。この側方部分326bの厚み寸法(界磁子320の周方向における厚み寸法)は、回転軸18a方向における永久磁石322の両極間で容易に磁気飽和する程度に小さく設定されており、永久磁石22の両極間で磁束の短絡が防止されている。
また、ここでは、各永久磁石322間に、界磁子320の周方向に間隔をあけて2つの磁気障壁部326cが設けられており、2つの磁気障壁部326c間に略直方体状の介在磁性体部328が設けられている。
この介在磁性体部328は、各永久磁石322間に配設されると共に、界磁子320の回転軸18a方向両端に達する程度の大きさに形成されている。そして、本介在磁性体部328は、上記介在磁性体部28と同様に、永久磁石322の中心を示すd軸のインダクタンスLdよりも、極間を示すq軸のインダクタンスLqを大きくすることで、逆突極性を呈し、いわゆるマグネットトルクに、いわゆるリラクタンストルクを更に加えて界磁子320を回転させる役割を有している。
上記のような磁気障壁部326cは、積層される鋼板に当該形状に応じた孔部形状を打抜き形成しておくことで、形成することができる。
このような界磁子320は、例えば、次のようにして製造される。まず、複数の界磁子分割積層鋼板部326及び複数の永久磁石322を準備し、各永久磁石322の略半分部分をそれぞれ磁石部分保持凹部327a内に挿入し、永久磁石322で各界磁子分割積層鋼板部326を略環状に連結する(図9参照)。この後、内周側に非磁性体で形成された内周側リング部材350を内嵌めすると共に(図10参照)、外周側に非磁性体で形成された外周側リング部材352外嵌めする(図7参照)。これらのリング部材350,352は非磁性体ホルダを構成する。なお、内周側リング部材350はシャフトに連結固定される。また、外周側リング部材352は、略多角形状(より具体的には略正8角形状)のリング状に形成されている。これにより、上記各界磁子分割積層鋼板部326が上記所定の配設形態で保持される。
本実施形態に係る界磁子320によると、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数の界磁子分割積層鋼板部326を永久磁石322で連結するようにして組合わせることができる。
本実施形態を前提にして変形例ないしより具体的な構成について説明する。なお、下記の説明で既に説明したものと同様構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図11〜図13は鋼板の積層状態での固定及び永久磁石の保持に係る変形例を示す図である。図12及び図13は、回転軸18aに略直交する平面における断面を示している。
本変形例では、界磁子分割積層鋼板部326を構成する鋼板に、各磁石保持凹部327内に向けて突出し、その内部に収容保持された永久磁石322に係止する係止爪327bが形成されている。係止爪327bは、鋼板を所定形状に打抜く際に、各磁石部分保持凹部327a形成用の凹部内に向けて一体的に突出するように形成された延設片であり、ここでは、界磁子分割積層鋼板部326を構成する鋼板のうち積層方向両端部及び積層方向略中央部のものに、係止爪327bが形成されている。そして、係止爪327bを撓み変形させつつ、各磁石保持凹部327内に永久磁石322を挿入できるようになっている(図11参照)。なお、磁石保持凹部327内に永久磁石322に挿入する際、その挿入方向の前方の開口部にある係止爪327bについては撓み変形させる必要はない。また、永久磁石322が磁石保持凹部327内に収容された状態では、鋼板の積層方向両端部では係止爪327bは原姿勢に弾性復帰し、永久磁石322の内周側端面及び外周側端面に当接して当該永久磁石322の脱落を防止している(図12参照)。また、鋼板の積層方向略中央部では係止爪327bは弾性復元力により永久磁石322の側面に押し当てられ、当該永久磁石322の移動を抑制している(図12参照)。これらの各係止爪327bによって、永久磁石322の脱落、移動を有効に防止することができる。なお、これらの各係止爪327b全てを設ける必要はなく、内周側及び外周側、及びその中間部の少なくとも一箇所に設けられていてもよい。
また、ここでは、各介在磁性体部328に、積層された鋼板同士を締結する締結部329が設けられている。締結部329としては、各鋼板にダボ状又は切り起し状の凹凸部を形成し、これらを積層された鋼板間で相互に絡ませるようにして鋼板を積層状態に保つ構成(カラマセ、金型方式クランプ、カシメ等とも呼ばれる)や、ボルト等を用いた構成を採用することができる。
これにより、各鋼板を積層状態で保持することができる。特に、界磁子分割積層鋼板部326では、介在磁性体部328部分が最も面積が大きい部分であるため、このような介在磁性体部328部分に比較的容易に締結部329を組込むことができる。
図14は永久磁石の保持に係る他の変形例を示す図である。この変形例では、界磁子分割積層鋼板部426の磁石部分保持凹部427aの深さ寸法が内周側及び外周側で深さ寸法が小さくなるように設定されており、一対の磁石部分保持凹部427aで構成される磁石部分保持凹部の内周側部分及び内周側部分がそれよりも中間側部分よりも狭くなるように形成されている。これにより、永久磁石322が当該狭くなった部分で位置決めされ、永久磁石322の移動、脱落を有効に防止できる。
なお、上記永久磁石322は、上記磁石部分保持凹部427aの形状に応じて、内周側及び外周側で幅が狭まる形状であってもよい。
また、このような界磁子分割積層鋼板部426を用いた場合、複数の界磁子分割積層鋼板部426を実際の外径よりも大きい外径を描くように配設しておき、各界磁子分割積層鋼板部426に永久磁石322を嵌め込んだ後、各界磁子分割積層鋼板部426を内周側に向けて移動させることで、界磁子を組立てることができる。特に、各界磁子分割積層鋼板部426には、各永久磁石322のうち回転軸18aを中心とする円の周方向における略半分部分を収容保持可能な磁石部分保持凹部427aが形成されている構造であるので、上記組立が可能となる。
また、一対の磁石部分保持凹部427aで構成される上記磁石部分保持凹部の内周側部分及び内周側部分の一方側だけで狭くなるように形成されていてもよい。このとき、他方は非磁性ホルダを用いて保持していても良い。
図15は永久磁石の保持に係る他の変形例を示す図である。この変形例では、上記界磁子分割積層鋼板部526の内周側及び外周側に、各磁石部分保持凹部327aの開口で永久磁石322の移動を規制する鋼板526dが積層されている。ここでは、鋼板526dは孔が無い帯状の部材である。永久磁石322の移動を規制する鋼板としては、永久磁石322の開口からの脱落を抑制できればよく、上記磁気障壁部326cに対応する部分については孔が形成されていてもよく、また、磁石部分保持凹部327aの開口に対応する部分に永久磁石322が通過できない程度の孔が形成されていてもよい。また、鋼板526dは内周側及び外周側の一方だけに設けられていてもよく、また、内周側及び外周側のそれぞれにおいて複数枚設けられていてもよい。もちろん、非磁性体の金属(ステンレスや真鍮等)を用いても良い。この場合、材質が異なるため製造が煩雑になるが、漏れ磁束の低減という効果を有することとなる。
この変形例では、上記鋼板526dによって永久磁石322の移動、脱落を防止できる。
図16は介在磁性体部に係る変形例を示す図である。この変形例に係る界磁子分割積層鋼板部626では、上記磁気障壁部326cに対応する磁気障壁部626cと上記介在磁性体部328に対応する介在磁性体部628とを有している。磁気障壁部626cのうち介在磁性体部628側の部分が回転軸18a方向の両端側に向けて磁石部分保持凹部327a側に傾斜しており、介在磁性体部628に、回転軸18a方向における両端側で回転軸18aを中心とする円の周方向に幅広となる幅広部628aが形成されている。
この幅広部628aにより、電機子30,40に対向する介在磁性体部628の対向面積を大きくすることができ、介在磁性体部628により多くの磁束を導くことで、q軸インダクタンスを大きくし、もって、リラクタンストルクを増大させることができる。なお、この変形例でも、介在磁性体部628に締結部329を設けている。
図17は第2実施形態に係る界磁子分割積層鋼板部を構成する鋼板の打抜き形状例を示す図である。すなわち、上記界磁子分割積層鋼板部326では、介在磁性体部328及び各磁気障壁部326cの形状は各層で略同一形状に形成されており、各磁石部分保持凹部327aの幅が各層で異なっている。そこで、長尺帯状の鋼板760を準備し、これに介在磁性体部328及び各磁気障壁部326c形成用の孔762と、磁石部分保持凹部327a形成用の孔763とを所定ピッチで打抜いておく。この後、磁石部分保持凹部327a形成用の孔763部分で、鋼板を分断する場合に、カットする位置をそれぞれ異ならせる。例えば、内周側の位置で積層される鋼板を分断する場合には、磁石部分保持凹部327a形成用の孔763の両端側近傍のカットラインC1で分断する。また、外周側の位置で積層される鋼板を分断する場合は、磁石部分保持凹部327a形成用の孔763の中央部近傍のカットラインC3で分断する。さらに、これらの中間の位置で積層される鋼板を分断する場合には、磁石部分保持凹部327a形成用の孔763の端部と中央の間のカットラインC2で分断する。これにより、介在磁性体部328及び各磁気障壁部326c形成用の孔762については同一形状で、かつ、幅寸法及び磁石部分保持凹部327a形成用の凹部763aの幅が異なる複数の鋼板を得ることができる。そして、これらを積層することで、界磁子分割積層鋼板部326を製造することができる。
これにより、比較的種類の少ない金型で異なる形状の鋼板を得ることができる。
なお、上記実施形態において介在磁性体部328は必ずしも設ける必要はない。この場合、磁気障壁部を1つだけ設ければよく、界磁子分割積層鋼板部を構成する鋼板726dとしては、図18に示すように、1つの磁気障壁部形成用の孔部726eを有するものを用いればよい。この場合、永久磁石をより多く埋設できるようになる。
図19〜図21は界磁子分割積層鋼板部に係る変形例を示す図である。
この変形例に係る界磁子820では、弧状に曲げられた鋼板を積層することで、扇板状の界磁子分割積層鋼板部826を構成している。また、この界磁子分割積層鋼板部826を環状に連結することで、略円盤状の界磁子積層鋼板部824を構成している。また、永久磁石822も界磁子分割積層鋼板部826の内周形状及び外周形状に対応させて略扇板状に形成されている。そして、界磁子積層鋼板部824に外周囲にリング状部材850(好ましくは薄いリング状部材)を外嵌めすることで、界磁子積層鋼板部824を略円盤状に保持し、かつ、永久磁石822をも外周側に抜けでないように保持している。
この変形例では、界磁子820の外周形状を凹凸の無い円形状に近づけることができ、界磁子820が回転する際の風損を低減できる。
なお、第1実施形態においても同様に鋼板を弧状に曲げて、界磁子20の外形状を略円形状に近づけることができる。
{第3実施形態}
第3実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機について説明する。図22は本実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の界磁子を示す一部分解斜視図である。なお、界磁子920の両側に設けられる2つの電機子30,40については第1実施形態と同様構成であるためその説明を省略し、ここでは界磁子920を中心に説明する。界磁子920は、略円盤状に形成されており、シャフトを介して所定の回転軸18a周りに回転自在に配設されている。
界磁子920は、略円盤状(より具体的には略正多角形状、ここでは略正8角形状)に形成されており、シャフトを介して所定の回転軸18a周りに回転自在に配設されている。
この界磁子920は、複数の永久磁石922と、界磁子積層鋼板部924とを有している。
各永久磁石922は、回転軸18a周りに間隔をあけて配設されている。より具体的には、永久磁石922は、回転軸18aに対して略直交する平面において、略扇板状に形成されている。各永久磁石922は、その幅狭部分を内周側に向けると共にその幅広部分を外周側に向けた姿勢で、それぞれの間に間隔をあけて回転軸18aを中心とする略環状に配設されている。この各永久磁石922も、上記各永久磁石22と同様に着磁されており、両電機子30、40に対してそれぞれ回転軸18a周りに交互の磁極を呈するようになっている。
界磁子積層鋼板部924は、一枚の帯状の鋼板960を、回転軸18a周りに巻回してその径方向に積層することで形成されている。より具体的には、一枚の帯状の鋼板960に、各永久磁石922を収容する磁石保持凹部927を形成するための孔と、上記磁気障壁部326cと同様構成の磁気障壁部926cを形成するための孔とを、それらの形成位置に応じた位置に打抜き形成し、これを回転軸18a周りに巻回することで、界磁子積層鋼板部924が形成される。そして、巻回を終了し、各鋼板960の積層状態を図示省略の保持部で保持することで、一体化された界磁子積層鋼板部924を得ることができる。この界磁子積層鋼板部924には、上記永久磁石922を収容可能な略扇板状の磁石保持凹部927が形成され、また、各永久磁石922間に、上記磁気障壁部326c及び介在磁性体部328と同様構成の磁気障壁部926c及び介在磁性体部928が設けられる。つまり、本実施形態では、永久磁石922は、界磁子920の径方向に略直交する方向の幅が外周側に向けて順次大きくなっており、磁気障壁部926c及び介在磁性体部928は、界磁子920の径方向においてその径方向に略直交する方向の幅が略等幅である。
この実施形態では、帯状の鋼板960を巻回することで、界磁子積層鋼板部924を容易に製造することができる。
特に、帯状の鋼板960の巻回状態を保持するだけでよいので、積層状態の保持も比較的簡易である。
また、界磁子積層鋼板部を分割することによる利点等を除いて、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、必ずしも一枚の帯状の鋼板で界磁子積層鋼板部924を形成する必要はなく、複数枚の帯状の鋼板を順次巻回して界磁子積層鋼板部924を形成してもよい。
また、図23に示す変形例のように、磁石保持凹部1027及び永久磁石1022、磁気障壁部1026cを、界磁子1020の径方向に沿って、当該径方向に略直交する幅寸法を略等幅にすると共に、介在磁性体部1028を、内周側から外周側に向けて順次幅を大きくするようにしてもよい。この場合、介在磁性体部1028は回転軸18aに略直交する方向において略扇形状を呈するようになる。つまり、磁気障壁部1026c及び磁石保持凹部1027は各層で略同一形状であり、介在磁性体部1028の幅が各層で異なっている。
この場合、界磁子積層鋼板部1024を構成する帯状の鋼板1060としては、図24及び図24に示すように、磁石保持凹部1027を形成するための孔1062及び磁気障壁部1026cを形成するための孔1064を一組として同一形状で打抜くと共に、介在磁性体部1028の幅に応じて鋼板の送り量を変えて打抜き位置を変更したものを用いることができる。このため、打抜き用の金型の刃形状として、1種類を準備すればよく、製造設備を簡略化できる。
なお、上記各実施形態では、永久磁石が回転軸方向において1層に設けられた例で説明したが、永久磁石が回転軸方向において2層に設けられ、各層の各永久磁石がそれぞれ電機子30,40に対して磁極を呈するようにしてもよい。永久磁石を2層に配置することで、両電機子30,40に対して異なる磁極配置にして、回転運動を生じさせることができる。
本実施形態に係る上記変形例において、永久磁石が回転軸方向において2層に設けられた構成を適用すると、図26に示すように、帯状の鋼板1160の両側のそれぞれに、磁石保持凹部を形成するための孔1162及び磁気障壁部を形成するための孔1164を形成するとよい。この場合、各層の永久磁石1122(図26の2点鎖線参照)で挟まれる部分は、バックヨークとして働くため、その部分に磁気障壁を設ける必要はない。磁気障壁を設けない構成とすることで、構成の簡易化及び小型化を図ることができる。なお、この場合、各層の永久磁石1122はそれぞれ異なる磁気回路を構成することになるので、各層で永久磁石1122の位置が同じである必要はない。この場合にも、各永久磁石1122はエアギャップに実質的に露出しないで界磁子積層鋼板部がエアギャップに露出する態様で、各永久磁石1122が当該界磁子積層鋼板部の対向部分を介して電機子に対向している。
この場合に、帯状の鋼板1260に形成される磁石保持凹部を形成するための孔1262及び磁気障壁部を形成するための孔1264とが連なって一体となっていてもよい。この場合、永久磁石1122が移動しないように、永久磁石1122が当接可能な段部1266を設ける等、位置決め部を設けるとよい。
{変形例}
なお、上記した各実施形態及び各変形例に係る構成は、互いに相反しない限りにおいて適宜組合わせることができる。
また、上記説明では、界磁子が回転子であり、電機子が固定子である場合で説明したが、界磁子が固定子であり、電機子が固定子であってもよい。つまり、界磁子が電機子に対して相対的に回転すればよい。
18a 回転軸
920,1020 界磁子
922 永久磁石
924,1024 界磁子積層鋼板部
927,1027 磁石保持凹部
1028 介在磁性体部
30,40 電機子
926c 磁気障壁部
960 鋼板

Claims (13)

  1. 界磁子(920,1020)と、前記前記界磁子の両側にエアギャップを隔てて設けられた2つの電機子(30、40)とを備え、前記界磁子が前記2つの電機子に対して相対的に回転軸(18a)周りに回転するアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記界磁子は、
    前記回転軸周りに配設され、それぞれ前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して磁極を呈する複数の永久磁石(922)と、
    前記回転軸を中心とする円の径方向に積層された複数の鋼板を有する界磁子積層鋼板部(924,1024)と、
    を備え、
    前記界磁子積層鋼板部に前記各永久磁石を収容保持可能な磁石保持凹部(927,1027)が複数形成され、前記各永久磁石が前記エアギャップに実質的に露出しないで前記界磁子積層鋼板部が前記エアギャップに露出する態様で、前記各永久磁石が前記各磁石保持凹部内に収容保持されて前記界磁子積層鋼板部のうちいずれかの前記各電機子への対向部分を介して前記2つの電機子のうちの一方又は双方に対して対向し、
    前記界磁子積層鋼板部(924)は、帯状の鋼板(960)を巻回することで形成されている、アキシャルギャップ型回転電機。
  2. 請求項1記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各永久磁石(922)間に磁気障壁部(926c)が設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  3. 請求項2記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各永久磁石(922)の各間に2つの磁気障壁部(926c)が設けられ、その2つの磁気障壁部間に磁性体部(1028)が設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  4. 請求項3記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各磁性体部は、前記回転軸方向における両端部で前記回転軸を中心とする円の周方向に幅広に形成されている、アキシャルギャップ型回転電機。
  5. 請求項3又は請求項4記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各磁性体部のうちの少なくとも1つに、積層された鋼板同士を締結する締結部が設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各磁気障壁部(926c)は各層で略同一形状であり、
    前記各磁石保持凹部(927)の幅と前記各磁性体部の幅のうち一方が各層で略同一で、他方が各層で異なる、アキシャルギャップ型回転電機。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記界磁子積層鋼板部を構成する鋼板に、前記各磁石保持凹部内に向けて突出し、前記各磁石保持凹部内に収容保持された前記永久磁石に係止する係止爪が形成された、アキシャルギャップ型回転電機。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記界磁子積層鋼板部の内周側及び外周側の少なくとも一方に、前記各磁石保持凹部の開口で前記各永久磁石の移動を規制する鋼板が積層された、アキシャルギャップ型回転電機。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記界磁子積層鋼板部の内周側及び外周側の少なくとも一方に、前記各磁石保持凹部の開口で前記各永久磁石の移動を規制する非磁性体リング部材が設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各永久磁石(922)は、前記回転軸方向において1層に設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各永久磁石(1122)は、前記回転軸方向において2層に設けられた、アキシャルギャップ型回転電機。
  12. 請求項11記載のアキシャルギャップ型回転電機であって、
    前記各永久磁石(1122)の層間には磁気障壁が設けられていない、アキシャルギャップ型回転電機。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載のアキシャルギャップ型回転電機の製造方法であって、
    鋼板を打抜いてから積層することで、前記界磁子積層鋼板部(924,1024)を製造する、アキシャルギャップ型回転電機の製造方法。
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