JP2010157944A - 指向性を制御可能なアンテナを用いた無線通信システムおよびその受信装置 - Google Patents

指向性を制御可能なアンテナを用いた無線通信システムおよびその受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】好適な通信経路で通信を行い、例え、通信経路の一つが障害物によって遮断されても、他の通信経路に切り替えて途切れることなく安定して送受信することができる、指向性を制御可能なアンテナを備えた無線通信システムおよびその受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置は、好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部とを備え、好適経路選択手段は、常時、現在受信している信号波を含む、複数の信号波の受信電力と遅延分散を測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、アンテナ制御部は、指向性アンテナに好適な通信経路を通過した信号波を継続的に受信させるように動作する。
【選択図】図1

Description

本発明は、指向性を制御することが可能な指向性アンテナを備えた無線通信システムおよびその受信装置に関し、常時好適な通信経路で通信を行い、例えば、ミリ波帯などの電磁波の通信経路の一つが障害物によって遮断されても、他の通信経路に切り替えて途切れることなく安定して送受信することができる無線通信システムおよびその受信装置に関する。
ミリ波帯などの高周波帯の電磁波を用いた無線通信システムでは高いアンテナゲインをもつ指向性アンテナを用いることが一般的である。高いアンテナゲインを実現するためには、開口アンテナやアレイアンテナなど、物理的に大きなアンテナが必要となる。また、アンテナゲインの大きな指向性アンテナは通常、その指向性を変更できないため、一方向にのみ通信可能であると同時に、アンテナ間のアライメントを物理的に調整することが非常に困難である。
高いアンテナゲインを実現しながらも、その指向性の方向を変更できる指向性アンテナとして、ビームフォーミングアンテナがある。ビームフォーミングアンテナは、複数のアンテナ素子に位相と振幅を精度良く調整した信号電力を供給することにより、ビームの指向性を制御して変更するものである。
このようなビームフォーミングが可能となると、ミリ波の欠点である大きな伝搬減衰をカバーするアンテナ利得が得られると同時に、その指向性を任意の方向へ向けることができることから、端末の移動も可能となる。
ビームフォーミングアンテナなどの指向性アンテナを用いて、特に信号の直進性が強いミリ波帯の電波を用いる無線通信装置では、相手の無線通信装置からの電波の強度がもっとも強い方向にアンテナの指向性を向けるようにしていた。
一方で、ミリ波帯などの高周波帯の電磁波を用いた無線通信システムでは、伝搬による信号減衰が大きく、回折が期待できないため、通信経路に人間が侵入するだけで通信ができなくなる。このため、壁面などで反射された反射波も常時追尾し、現在使用している直接波が遮断された場合は、反射波などの他の好適な通信経路に切り替える必要があり、不安定であった。
図12と図13を参照して、例えば、ビームフォーミングアンテナなど、指向性を可変とする指向性アンテナ100a、200bを有する従来の二つの送受信機100、200が信号を送受信する場合について説明する。
送受信機100が指向性アンテナ100aを用いて指向性を有する電波(以後、「ビーム」と呼ぶ)を放射すると、送受信機200は指向性アンテナ200a用いてこのビームを受信する。図12に示すように、送受信機200は、指向性アンテナ200aによって受信されたビームを変調して復調する変復調部201と、受信したビームの中から受信電力が最大のビームを検出する受信電力検出部202と、受信電力検出部202が検出した受信電力が最大のビームを受信するように、指向性アンテナ200aを制御して指向性アンテナ200aの指向性を変更するアンテナ制御部203とを有する。送受信機100と送受信機200は略同一の構造であるので、送受信機100の詳細な説明は省略する。
図12と図13に示す例では、送受信機200の指向性アンテナ200aと送受信機100の指向性アンテナ100aの間には、好適な通信経路として、送受信機100からのビームが直接送受信機200に到来する直接波の通信経路P0と、送受信機100からのビームが壁などの反射体Rに反射して送受信機200に到来する反射波の通信経路P1とが存在し、図12では通信経路P0を用いて通信を行っているが、通信経路P0が障害物で遮断された場合には、図13に示すように送受信機100と送受信機200は通信経路P0を通信経路P1に切り替えることによって、通信の継続を維持している。
このとき、例えば、送受信機200の受信電力検出部202は受信したビームの中で、通信経路P0を通過して到来したビームと通信経路P1を通過して到来したビームとを含む、受信したビームそれぞれの電力を比較して、受信電力が最大のビームを検出し、受信電力が最大のビームの通信経路を好適な通信経路とする。アンテナ制御部203は、受信電力検出部202が検出した受信電力が最大のビームを受信するように、指向性アンテナ200aの固定ビームを変更する。
図14を参照して、このように構成された送受信機同士が通信を行う場合について説明する。図14では送受信機100を家庭に配置したパーソナルコンピュータ、送受信機200を携帯電話として示されている。送受信機100と送受信機200とは直接波の通信経路P0を好適な通信経路として用いているが(図14の(a))、人が通過するなどして、通信経路P0が障害物によって遮られると(図14の(b))、それぞれの送受信機の受信電力検出部は他の好適な通信経路を探索して検出し(図14の(c))、それぞれの送受信機のアンテナ制御部は、検出した通信経路P1の方向に指向性アンテナ200aの指向性を変更して通信を再開するようになっている(図14の(d))。
しかしながら、従来の指向性アンテナを用いた通信では、どうしても通信経路が遮断されてから(図14の(b))別の好適な通信経路を探索して検出するまで(図14の(c))時間を要し、通信を再開(図14の(d))するまで通信が中断されてしまうという問題があった。さらに、図14の(d)に示す、別の好適な通信経路を検出する際に、適当な通信経路が検出されなければ通信が途絶えてしまうこともあった。
さらに図15に示すように、特に指向性または直進性の強いミリ波などの高周波数帯を用いた無線通信においては、双方の送受信機の後方に、ビームの向きに対して垂直で、反射率の高い壁面があったり、双方の送受信機の周囲にスチール家具などがあると、往復反射波が主波と重畳して受信アンテナに入力される。このような場合、往復した反射波が干渉波として受信信号に重畳されるため、受信信号の電力は高くなるが、遅延分散が増加してビット誤り率が低下するという問題があった。
このように、受信電力が高くとも、特に直進性の高いミリ波などの電磁波では、複数の通信経路を通過して到来したビームが重畳した信号や往復反射ビームが主ビームと重畳した信号などは遅延分散が大きくなり、通信に好適とはならない。
そこで本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされ、指向性を制御可能なアンテナを備えた無線通信システムにおいて常時好適な通信経路で通信を行い、例えば、ミリ波帯などの電磁波の通信経路の一つが障害物によって遮断されても、通信経路を切り替えて途切れることなく安定して送受信することができる無線通信システムおよびその受信装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、受信電力以外の指標を設定して好適な通信経路を選択することにより、直進性の高い電磁波を用いた通信、または指向性アンテナを用いた通信の品質の安定性を確保した無線通信システムおよびその受信装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によると、指向性を有する指向性アンテナを備えて信号波を受信する受信装置であって、該受信装置はさらに、好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部と、を備え、前記好適経路選択手段は、複数の信号波の受信電力と遅延分散(Delay Spread)を測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段の測定に基づいて、前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を安定して受信させることを特徴とする、信号波を安定して受信する受信装置を提供する。なお、「信号波を受信」するとは、通信に使用する信号波として受信することを意味する。
特に、指向性の強いアンテナを用いてミリ波帯などの減衰の大きな電磁波を受信する場合、時分割多重アクセス方式でCTA(Channel Time Allocation)で割り当てられたタイムスロットを占有して通信を行う場合であっても、受信電力が大きくともBERが劣化することがある。これは多重反射波の可能性が非常に高い。従来、受信した信号波の受信電力とBER(Bit Error Rate:ビット誤り率)を測定して信号波を評価して処理する場合、主に、1.受信電力が大きく、BERが良好のケース、2.受信電力が大きく、BERが低いケース、3.受信電力が小さく、BERも低いケース、の三つのケースを想定し、1.のケースは受信状態が良好である、2.のケースでは干渉波が影響している、3.のケースではそもそも受信電力が足りないという前提で受信波を選別し、2.のケースではイコライザやノイズキャンセラなどを用いて対応してきた。このため、特に2.のケースでは、特殊なデジタル処理を必要とし、その結果、処理時間の遅延が発生し、構成自体が高価になった。また、例えBERが低いと測定されても、信号波自体の問題ではなく、その時の装置側の状態、例えば、バッテリの状態や、装置の不具合などが原因の場合もあるので、BER自体が正確に信号の品質を評価しうる指標とはなりえないことがあった。
本発明の発明者は、遅延分散が多重反射波の存在を明確に示すことに着目し、ミリ波などの他の無線装置からの干渉の可能性が非常に低い高周波帯の電磁波を用いた通信には極めて有効であること、そして、遅延分散を測定することによって、BERを計測するよりも容易かつ正確に信号波に干渉があるか否かを判定できることから、指向性アンテナを用い、伝搬減衰が大きく多重反射波の到来の期待値が低いミリ波などの場合は、遅延分散が通信経路の品質を直接表す指標として効果的に利用できることを発見した。したがって、本発明の受信装置は、好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部と、を備え、好適経路選択手段は、常時、現在受信している信号波を含む、複数の信号波の受信電力と遅延分散を測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、アンテナ制御部は、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を安定して受信させるので、常時、良質の信号波を受信することができる。
さらに、本発明の受信装置は、前記好適経路選択手段の測定に基づいて、前記指向性アンテナが受信している信号波の品質が所定のレベルより劣化したと判断すると、前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を継続して受信させることようにしてもよい。この構成によって、本発明の受信装置は、通信経路の一つが障害物によって遮断されても、途切れることなく継続して信号波を受信することができる。このため、例えば、ミリ波帯などの直進性が強く、伝搬による減衰が大きく、回折が期待できない電磁波で無線通信を行う場合にも適用可能である。
本発明の受信装置によると、前記好適経路選択手段は、さらに、現在受信している信号波を含む、複数の信号波の信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)、信号対干渉・雑音比(SINR: Signal to Interference and Noise Ratio)、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率のうち少なくとも一つを常時測定し、前記複数の信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率の少なくとも一つを考慮して前記好適な信号波の通信経路を選択してもよい。さらに、前記好適経路選択手段は、さらに、現在受信している信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率のうち少なくとも一つを常時測定し、前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段が測定した、前記現在受信している信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率の少なくとも一つを考慮して前記指向性アンテナが受信している信号波の劣化を判断してもよい。さらに、前記好適経路選択手段は、前記複数の信号の信号波の受信電力、信号対雑音比、信号対干渉・雑音比を、受信信号強度検出を用いて測定してもよい。前記好適経路選択手段は、前記複数の信号波の各々の遅延分散を、前記信号波の各々の伝達関数を求めて算出してもよい。また、前記複数の信号波は離散して伝播する複数のビームであってもよい。
本発明は、指向性を制御可能なアンテナを備えた無線通信システムにおいて、常時好適な通信経路によって通信を行い、例え、通信経路の一つが障害物によって遮断されても、通信経路を切り替えて途切れることなく安定して送受信することができる無線通信システムおよびその受信装置を提供することができる。さらに、本発明は、受信電力以外の指標を設定して好適な通信経路を選択することにより、直進性の高く、伝搬による減衰が大きく、回折が期待できない電磁波を用いた通信、または指向性アンテナを用いた通信であっても品質の安定性を確保することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の無線通信システム1の概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態の無線通信システム1は、指向性アンテナ10aを有する送受信機10と、指向性アンテナ20aを有する送受信機20と、複数の反射体R1〜R4を含む。指向性アンテナ10aおよび20aはそれぞれ、物理的に一つの指向性を有し、かつその指向性を可変とする。本発明は3以上の送受信機を含む無線通信システムにも適応可能であるが、理解を容易にするため、本実施の形態では、送受信機10と送受信機20の2つとし、送受信機10が時間タイミングを制御するマスタの役割を担当し、送受信機20がスレーブの役割を担当するものとして説明する。また、送受信機10は送信機、送受信機20は受信機としてのみ構成してもよい。
図1に示すように、送受信機10は、さらに、指向性アンテナ10aを介して信号を送受信する送受信部11と、指向性アンテナ10aに到来したビームの中から好適な通信経路で到来したビームを選択する通信経路選択部12と、送信する情報を所定のフレームに形成するフレーム形成部13と、指向性アンテナ10aを制御して、通信経路選択部12が選択した通信経路に指向性アンテナ10aの指向性を合わせる指向性制御部14と、送受信機10の全体の機能と動作を制御するCPU(図示していない)と、を含む。
送受信機20は、指向性アンテナ20aを介して信号を送受信する送受信部21と、通信に使用しているビームも含めて、指向性アンテナ20aに到来した複数のビームの品質を常時略同時にモニタする品質モニタ部22と、品質モニタ部22でモニタしたビームの品質B、B、・・・Bを記憶するメモリ23と、指向性アンテナ20aに到来したビームの中から好適な通信経路を経て到来したビームを選択する通信経路選択部24と、指向性アンテナ20aを制御して、通信経路選択部24が選択した通信経路に指向性アンテナ20aの指向性を合わせる指向性制御部25と、送受信機20の全体の機能と動作を制御するCPU(図示していない)と、を含む。品質モニタ部22とメモリ23と通信経路選択部24とが好適経路選択手段を構成する。
送受信機10と送受信機20の間に位置する複数の反射体R1〜R4は、人為的に通信経路を形成するために設けたものである。反射体R1〜R4は、後に詳述するが、例えば、壁、反射率の高い金属板、壁やパソコンなどに貼り付けた金属テープなどでもよい。
送受信機20は、品質モニタ部22によって、直接波による通信経路P0、例えば、壁や棚などの既存の物体R1を反射体とする通信経路P1、人為的に設置した反射体R2〜R4により人為的に形成された通信経路P0〜P4を通過する信号を全て、または一部追尾してその品質をモニタし、モニタした信号の品質B、B、・・・Bをメモリ23に記憶する。通信経路選択部24は、メモリ23に記憶した信号の品質B、B、・・・Bに基づいて、通信に用いる好適な通信経路を選択する。指向性制御部25は、指向性アンテナ20aを制御して、通信経路選択部24が選択した好適な通信経路に、指向性アンテナ20aの指向性を向けて、送受信機10と送受信機20とが安定した通信を行えるようにする。この構成によって、送受信機20は、現在使用している到来波だけでなく、常時2つ以上の到来波を追尾して、品質をモニタし、通信に用いることができる到来波を選択して、その通信経路に指向性アンテナ20aの指向性を向けることができる。したがって、送受信機20は、人が横切るなどして、例え、現在通信に利用している通信経路の信号の品質が劣化したとしても、直ちに他の好適な通信経路を選択して、通信することができるので、通信を中断することなく、安定した通信を行うことができる。
本実施の形態では、送受信機10と送受信機20は、時分割多重アクセス方式(TDMA)で通信を行う。送受信機10は、フレーム形成部13が形成したフレーム(「スーパーフレーム」とも呼ばれる)を有する構成で信号を送信する。図2に、送受信機10のフレーム形成部13が形成するフレーム構造の例を示す。
フレームは、時分割多重アクセスを行う際の基本単位となる複数のタイムスロット(以後、「スロット」と呼ぶ)からなる。本実施の形態では、説明を容易にするため、送受信機10が通信を行う対象を一つの送受信機20としているが、本発明は、これに限定されず、このフレームを反復させて複数の送受信機20と通信をしてもよい。フレームは、時間の基準となる同期信号を送信するビーコンBと、通信経路ごとに追尾用の信号を送信する追尾スロットTS0〜TSNと、通信に用いる通信スロットCSと、を有する。
具体的には、送受信機10は、フレームごとに時間の基準を示すビーコンを送信する。その後、直接波の通信経路P0と複数の反射波P1〜P4の方向に対して、追尾スロットにて追尾用の信号を送信する。本実施の形態では、追尾スロットはTS0〜TS4と5個用いるものとする。追尾スロットTS0〜TS4各々のタイミングなどは、ビーコンにて報知する。送受信機10と送受信機20との間に存在する通信経路P0〜P4の全て、もしくは一部に対して、時間的に独立した追尾スロットTS0〜TS4を確保することによって、送受信機20は常時複数の通信経路P0〜P4の全て、もしくは一部に対してのアンテナ指向性を制御するための追尾を行うことが可能となる。また、追尾スロットTS0〜TS4の後の通信スロットCSでデータ送受信のための時間を確保する。
送受信機20はフレームに含まれるビーコンBの情報に基づき、通信経路P0を通過して到来した直接波と通信経路P1〜P4のいずれかを通過して到来した反射波、もしくは複数の反射波から成る、複数の到来波に対して指向性を調整して追尾を行い、同時にこれら複数の到来波の信号品質をモニタする。モニタの結果から、通信経路を選択決定し、送受信部21によって通信を行う。使用している到来波が遮断された場合は、信号品質が急激に劣化することから、直ちに品質モニタ部22が検知できる。品質モニタ部22が通信に使用している到来波の品質が所定の程度を超えて劣化していることを検出した場合は、ただちに、通信経路選択部24は、品質モニタ部22が追尾してモニタしている他の到来波の中で品質が好適の通信経路に切り替えて、通信を継続する。これによって、通信に使用している通信経路が、人が通などして遮断された場合であっても、通信を中断することなく、安定した通信を確保することができる。品質モニタ部22は、従来の検出部と同様に、受信した信号の受信電力として、例えば、受信信号強度検出(RSSI:Receive Signal Strength Indication)をモニタしてもよいが、さらに、送受信機10が送信する信号のフレームから、受信電力以外に遅延分散をモニタする。また、信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)、信号対干渉・雑音比(SINR: Signal to Interference and Noise Ratio)、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率のうち少なくとも一つを常時測定し、前記複数の信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率などをモニタしてもよい。その手法について、以下、詳細に説明する。
図3に、フレームを構成する追尾スロットTS0の内部構造を追尾スロットの一例として示す。フレームを構成する追尾スロットの内部構造は略同一であるので、他の追尾スロットの内部構造については詳細な説明を省略する。
図3の(A)に示すようにフレームの内部の追尾スロットTS0には、品質モニタ部22が、ビーム、すなわち信号を追尾するための追尾トラッキングパターンと、ビーム、すなわち信号の品質をモニタするための品質モニタ用のパターンが含まれる。品質モニタ用パターンを、例えば、図3の(B)に示すように、後に詳述する遅延分散測定に用いてもよい。通信経路選択部24は、主にビームの受信電力と遅延分散に基づいて好適な通信経路を選択するが、本発明はこれに限定されない。品質モニタ用パターンを、図3の(C)に示すように、BER測定に用いてもよい。さらに、トラッキングパターンの中で信号の追尾と通信経路の品質モニタとを同時に行ってもよい。また、例えば、図3の(D)に示すように、トラッキングと品質モニタを同時に行うことができるパターンを用いてもよい。この他にも同様の構成で、例えば、信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、フレーム誤り率、パケット誤り率をモニタするためのパターンを設けてもよい。さらに、遅延分散、信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、フレーム誤り率、パケット誤り率などのいずれか二つ以上の測定値を品質の評価に用いる場合は、例えば、遅延分散の測定値を高く重み付けするなど、それぞれの測定値に対して重要度に応じて重み付けをして評価してもよい。または、まず遅延分散を比較して、略同一だった場合は、信号対雑音比を比較する、または、遅延分散が高ければ受信電力が高くとも選択しないなど、優先順位をつけて、最も優先順位の高い測定値が略同一だった場合に、次の測定値を比較するなどしてもよい。これらは使用する信号波の特性、および実装に応じて選択可能である。
また、従来の追尾トラッキングは、信号に用いるビームとその隣接するビームしか追尾してこなかったが、本実施の形態の品質モニタ部22は、複数のビーム、すなわち信号の到来方向の大きく異なる離散して伝播する複数のビーム、すなわち複数の信号の塊を追尾する動作を行う。以下、このようなに構成された本実施の形態の品質モニタ部22が実行する追尾トラッキングについて詳細に説明する。
図4は、送受信機10、20の配置とビームの通信経路P0〜P2との関係を示す図である。図5は、送受信機20から図4の断面Aで見た三つの通信経路P0〜P2により形成される離散した信号の塊(以後、「クラスタ」と呼ぶ)を示す図である。図4および図5を参照して、本実施の形態の品質モニタ部22が実行する追尾トラッキングについて説明する。
図4で示すように、この例では、二つの送受信機10、20は正対して配置され、見通し直接波による通信経路P0と、反射体R1、R2による二つの反射波の通信経路P1、P2が存在している。図5に示すように、見通し直接波による通信経路P0はクラスタC0を、反射体R1、R2による二つの反射波の通信経路P1、P2はクラスタC1、C2を形成する。このため、クラスタC1、C2、C3は離間して存在しており、したがって離散した信号波として送受信機20に受信される。
従来の追尾トラッキングでは、通信に用いるビームと隣接ビームのみをトラッキングしていたため、図5に示すように、通信に用いるビームから離散して伝播する他のビームを検出することはできない。したがって、通信に用いるビームが遮断されると、同時に隣接ビームも遮断されることから、通信の継続が困難となった。本実施の形態の品質モニタ部22は、従来の追尾トラッキングとは異なり、まず、大きく到来方向の異なる通信経路、例えば、P0、P1、P2により形成される、離散して存在する複数のクラスタC0、C1、C2に対しても常時追尾を行うので、離散して伝播する他の好適なビームも追尾できる。
各クラスタには、複数のビームが含まれる。図5では、クラスタC1に9個、クラスタC2に6個、クラスタC3に4個のビームが含まれている。クラスタごとに、クラスタに含まれる複数のビームの中から通信に好適なビームを選択する。この動作は従来のビームトラッキングと同等である。図5では、クラスタC1、C2、C3の中で、それぞれビームBC0、BC1、BC2が通信に好適なビームとして選択されており、そのビームに隣接するビームは隣接ビームとなる。このようにしてクラスタごとに通信に適したビームBC0、BC1、BC2を常時選択し、このクラスタごとに選択した複数の通信に適したビームの中から、通信に用いるビームを選択しているので、人が通過するなどして、通信に使用している通信経路のクラスタが遮断されたとしても、瞬時に他の通信経路のクラスタの中の好適な通信ビームに切り替えて通信を行うことができるので、通信を継続して維持することができる。
図6は、このようにして構成された本実施の形態の無線通信システム1の動作の概要を説明する図である。図6では送受信機10を家庭に配置したパーソナルコンピュータ、送受信機20を携帯電話として描いている。図6を参照して、このように構成された本実施の形態の無線通信システム1において送受信機10、20が同士が通信を行う場合について説明する。
図6に示すように、送受信機20は、例えば、直接波の通信経路P0で通信しているが、送受信機20の品質モニタ部22は、同時に他の好適な通信経路、例えば、通信経路P1を追尾してモニタしている(図6の(A))。人が通過するなどして、通信経路P0が障害物によって遮られ、通信に利用できない状況に陥いると、送受信機20の品質モニタ部22が検知し、送受信機20の通信経路選択部24は、品質モニタ部22が追尾して品質モニタ部22が品質をモニタしている他の通信経路の中から直ちに好適な通信経路P1を選択し、指向性制御部25は、選択した通信経路P1の方向に指向性アンテナ20aの指向性を変更して通信を継続する(図6の(B))。通信経路をP0からP1に切り替えた後も、送受信機20の品質モニタ部22は、好適な通信経路P2を新たに探索し、同様に通信経路P2を常時追尾することで、通信経路を選択できる状況を常時確保する(図6の(C))。このため、無線通信システム1は常時、好適な通信経路を用いて通信を行い、通信は途絶えることがない。
以上のように、本実施の形態の品質モニタ部22は、複数のクラスタを追尾し、かつクラスタ内の複数のビームの中から常時好適な通信ビームを選択しているので、常時好適な通信経路で通信を行い、通信に用いている通信経路が突然遮断されても他のビームへ瞬時に切り替え通信を継続することが可能となる。なお、本実施の形態では時分割多重アクセス方式で通信を行うものとして、品質モニタ部22は複数のビームの品質を複数のスロットを用いて略同時にモニタするものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。品質モニタ部22が複数のビームの品質をモニタしている間隔は可能な限り短い方が好ましいが、実装に応じて、品質モニタ部22が通信に使用している到来波の品質が所定の程度を超えて劣化していることを検出した場合、ただちに、通信経路選択部24が、品質モニタ部22が追尾してモニタしている他の到来波の中で品質が好適の通信経路に切り替えて、通信を継続可能な程度を目安に決定してもよい。
既に説明したように、良好な通信を実現するためには遅延分散を最小にすることが好ましい。遅延分散を伝達係数を求めてデジタル処理をして補償することは可能であるが、処理が複雑になり、コストもかかるため、簡便なシステムにはそぐわない。遅延分散の少ない環境を創出する、または探索することが信頼性のある通信には必須である。以下、遅延分散を算出する手法について説明する。
<遅延分散>
特にミリ波などの直進性の高い信号を扱う場合、受信電力が高くとも、複数の通信経路を通過して到来したビームから形成される信号などは遅延分散が大きくなり、通信に好適ではない。本実施の形態では、品質モニタ部22は、指向性アンテナ20aに到来したビームの遅延分散を算出する遅延分散算出部を有し、通信経路選択部24は、遅延分散部で算出した遅延分散が所定の値より大きなビームは、受信電力が高くとも好適なビームとして選択しないようになっている。以下、本実施の形態の品質モニタ部22が、ビームの遅延分散を算出する方法の一例について説明する。
図7に、品質モニタ部22が有する遅延分散算出部50の一例を示す。図7に示す遅延分散算出部50は、相関器によって構成され、アナログデジタル変換器(「ADC」と呼ぶ)51と、N段シフトレジスタ部52と、参照用符号データ列部53と、算積回路55とを含む。
図8〜図11に、送受信部10のフレーム形成部13が形成する遅延分散測定用のフレームの例を示す。図8に示すように、フレーム形成部13が形成する遅延分散測定用のフレームは、フレームの先頭にPHY(Physical Coding Sublayer)プリアンブルが配置してあり、フレームヘッダと、フレームペイロードとFCS(Frame Check Sequence)が続く。図9に示すように、PHYプリアンブルは、SYNCシーケンスとSFD(Start Frame Delimiter)とCES(Channel Estimation Sequence)とを含む。図10はSYNCシーケンスの構造の一例を、図11はCESシーケンスの構造の一例を示す図である。図9および図10に示すように、SYNCシーケンスは128ビット、CESシーケンスは256ビットでもよい。
遅延分散算出部50は、この受信信号のPHYプリアンブルの符号と、元の符号との相関値から、受信信号が通過してきた通信経路のインパルスリスポンスの関数h(t)を求めることができる。送受信機20内で信号はADC51によって、シンボルレート以上の速度でデジタルデータにサンプリングされるため、信号からサンプリングされたデジタルデータによって受信電力などの値を算出できる。通信経路のインパルスリスポンスの関数h(t)に基づいて、受信電力の時間的変化f(t)を算出することによって、総受信電力P、平均遅延時間T、遅延分散Sを以下の式に従って算出できる。
Figure 2010157944
このように、本発明の無線通信システムは、指向性を有する指向性アンテナを用いた無線通信システムであって、送信装置は、信号波を所定のフレームの形式で送信し、受信装置は、好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部と、を備え、好適経路選択手段は、信号波に含まれる所定のフレームに基づいて、遅延分散を算出し、さらに、好適経路選択手段は、常時、現在受信している信号波を含む、複数の信号波の受信電力と遅延分散(Delay Spread)を測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、アンテナ制御部は、好適経路選択手段の測定に基づいて、指向性アンテナが受信している信号波の品質が所定のレベルより劣化したと判断すると、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適な通信経路を通過した信号波を途切れることなく安定して受信させるので、常時、好適な通信経路で通信を行い、例え、通信経路の一つが障害物によって遮断されても、途切れることなく継続して信号波を受信することができる。このため、例えば、ミリ波帯などの直進性が強く、伝搬による減衰が大きく、回折が期待できない電磁波で無線通信を行う場合にも適用可能である。
さらに、本発明の受信装置も同様に、好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部と、を備え、好適経路選択手段は、常時、現在受信している信号波を含む、複数の信号波の受信電力と遅延分散を測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、アンテナ制御部は、好適経路選択手段の測定に基づいて、指向性アンテナが受信している信号波の品質が所定のレベルより劣化したと判断すると、好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、指向性アンテナの指向性の方向を向けて、指向性アンテナに好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を安定して受信させるので、常時好適な通信経路で通信を行い、例え、通信経路の一つが障害物によって遮断されても、途切れることなく継続して信号波を受信することができる。このため、例えば、ミリ波帯などの直進性が強く、伝搬による減衰が大きく、回折が期待できない電磁波で無線通信を行う場合にも適用可能である。また、本実施の形態では、遅延分散を通信するフレームの先頭に埋め込んだ符号によって算出する。このため、遅延分散に基づく信号の品質の推定は即在に行うことが可能である。したがって、本実施の形態では、通信経路の品質評価に起因する遅延を最小にすることができる。また、遅延分散の算出方法について、PHYプリアンブルの符号を用いた手法について説明したが、自己相関特性がデルタ関数に近いものであれば、様々な符号を利用可能である。
以上、実施の形態の無線通信システムおよびその送受信装置について説明した。本発明の無線通信システムを構成する送受信装置は、制御可能な指向性アンテナと指向性アンテナの指向性を制御する指向性制御部を備えていれば、携帯電話やコンピュータなど様々な通信機器に適用可能であり、例えば、CPUとメモリを含む、一般的なコンピュータを上述した各手段として機能させるプログラムによって動作させることもできる。また、本発明の無線通信システムで使用可能なミリ波などの高周波数の電磁波は規制が少ないため、広帯域を利用することができ、例えば、車載ミリ波レーダー、60GHz帯ミリ波映像システム(無線ホームリンク)、120GHz帯高精細動画非圧縮伝送システム、車々間・路車間無線システム、放送用55GHz帯ミリ波モバイルカメラ、武器・危険物透視スキャナ(カメラ)コンクリートひび割れ検査装置、異物混入検査装置、封筒内危険物検査システム、さらに、家庭におけるHDTV(High Definition Television)無線伝送など、様々な用途に利用可能である。
本発明の一実施の形態の無線通信システムの概略構成図である 図1の無線通信システムを構成する送受信機のフレーム形成部が形成するフレーム構造の一例を示す図である。 図2のフレームに含まれる追尾スロットの一例を示す図である。 本発明の一実施の形態の無線通信システムを構成する送受信機の配置と通信経路との関係を示す図である。 図1の無線通信システムを構成するスレーブ側の送受信機から見た通信経路により形成されるクラスタを示す図である。 図1の無線通信システムの動作の概要を説明する図である。 本発明の一実施の形態の遅延分散部の構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態のフレーム形成部が形成する遅延分散測定用のフレームの例を示す図である。 本発明の一実施の形態のフレーム形成部が形成する遅延分散測定用のフレームの例を示す図である。 本発明の一実施の形態のフレーム形成部が形成する遅延分散測定用のフレームの例を示す図である。 本発明の一実施の形態のフレーム形成部が形成する遅延分散測定用のフレームの例を示す図である。 従来の送受信機が直接波を用いて通信をしている状態を示す図である。 直接波に障害物で遮られた場合に、従来の送受信機が間接波に切り替えて通信をしている状態を示す図である。 従来の送受信機が通信経路を切り替えながら通信を行う工程を説明する図である。 従来の送受信機が直接波で通信を行う場合の課題を説明する図である。
符号の説明
10 送受信機(送信装置)
10a 指向性アンテナ
11 送受信部
12 通信経路選択部
13 フレーム形成部
14 指向性制御部(アンテナ制御部)
20 送受信機(受信装置)
20a 指向性アンテナ
21 送受信部
22 品質モニタ部(好適経路選択手段)
23 メモリ(好適経路選択手段)
24 通信経路選択部(好適経路選択手段)
25 指向性制御部 (アンテナ制御部)
P0 直接波の通信経路
P1〜P4 反射波の通信経路
50 遅延分散算出部
51 ADC
52 N段シフトレジスタ部
53 参照用符号データ列部
55 算積回路
100 従来の送受信機(送信装置)
100a 指向性アンテナ
200 従来の送受信機(受信装置)
200a 指向性アンテナ

Claims (7)

  1. 指向性を有する指向性アンテナを備えて信号波を受信する受信装置であって、該受信装置はさらに、
    好適な信号波の通信経路を選択する好適経路選択手段と、
    前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに好適な通信経路を通過した信号波を受信させるアンテナ制御部と、を備え、
    前記好適経路選択手段は、複数の信号波の受信電力と遅延分散(Delay Spread)を常時略同時に測定し、測定した受信電力と遅延分散に基づいて好適な信号波の通信経路を選択し、
    前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を受信させることを特徴とする、信号波を安定して受信する受信装置。
  2. 前記好適経路選択手段の測定に基づいて、前記指向性アンテナが受信している信号波の品質が所定のレベルより劣化したと判断すると、前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路に、前記指向性アンテナの指向性の方向を向けて、前記指向性アンテナに前記好適経路選択手段が選択した好適な通信経路を通過した信号波を継続して受信させることを特徴とする、信号波を安定して受信することを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
  3. 前記複数の信号波は離散して伝播する複数のビームである、請求項1記載の受信装置。
  4. 前記好適経路選択手段は、さらに、現在受信している信号波を含む、複数の信号波のそれぞれの信号波に関する信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)、信号対干渉・雑音比(SINR: Signal to Interference and Noise Ratio)、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率のうち少なくとも一つを常時測定し、前記複数の信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率の少なくとも一つを考慮して前記好適な信号波の通信経路を選択することを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
  5. 前記好適経路選択手段は、さらに、現在受信している信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率のうち少なくとも一つを常時測定し、
    前記アンテナ制御部は、前記好適経路選択手段が測定した、前記現在受信している信号波の信号対雑音比、信号対干渉・雑音比、ビット誤り率、フレーム誤り率、パケット誤り率の少なくとも一つを考慮して前記指向性アンテナが受信している信号波の劣化を判断することを特徴とする、請求項2記載の受信装置。
  6. 前記好適経路選択手段は、前記複数の信号の信号波の受信電力、信号対雑音比、信号対干渉・雑音比を、受信信号強度検出(RSSI:Receive Signal Strength Indication)を用いて測定することを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
  7. 前記好適経路選択手段は、前記複数の信号波の各々の遅延分散を、前記信号波の各々の伝達関数を求めて算出することを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
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