JP4246568B2 - セルラー移動通信方式の移動局及びセル選択方法 - Google Patents

セルラー移動通信方式の移動局及びセル選択方法 Download PDF

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本発明は、セルラー移動通信方式により基地局と通信し、セル選択を行う移動局及びセル選択方法に関し、特にアンテナ素子の用い方を切り替えながら、受信レベル又は受信品質を測定することにより属すべきセルを選択する移動局及びセル選択方法に関する。
セルラー移動通信方式においては、広範囲のサービスエリアを比較的狭い範囲を受け持つ複数のセルに分割し、セル毎に設けた基地局とサービスエリア内を自由に移動する移動局との間に通信を行わせている。移動局の移動に伴いその属すべきセルは時々刻々と変化するため、常に最適なセルと通信を行うためにセル選択を絶えず行う必要がある。例えば誤って遠方のセルに所属してしまうなどセル選択が適切に行われないと、通話の明瞭度の低下や部分的な途切れ、接続の強制的切断など通信品質の劣化が発生する。
また、CDMAなどのように同一周波数を複数の移動局で共有するようなセルラー移動通信方式では、いわゆる遠近問題の解決のために送信電力制御が適用されており、通信品質の劣化を補償するために送信電力を増加させると干渉の発生をまねき、意図した収容容量を得られなくなるという深刻な問題が生じる。
従来のセルラー移動通信方式の移動局においては、以下のようなセル選択方法が用いられている。先ず、基地局がセル固有のパイロットチャンネルと自セル識別子を含む報知チャンネルとの両方または片方を送信している。
パイロットチャンネルは、セル選択に用いられるチャンネルであるが、さらに他チャンネルの同期検波用位相基準ともなるチャンネルであり、既知信号が繰返し送出されているので捕捉や受信レベル測定が比較的容易である。
報知チャンネルは、自セル識別子をはじめとする様々な制御情報が変調されており、パイロットチャンネルよりも捕捉や受信レベル測定には手間がかかるが、ビット誤り率などの通信品質の測定が可能なチャンネルである。セルラー移動通信方式によって、両方のチャンネルを備える場合とどちらか片方のチャンネルのみ備える場合がある。
移動局は、電源投入時より、周辺セルからのパイロットチャンネルや報知チャンネルの定期的な捕捉と受信レベルおよび通信品質の測定を行っている。測定結果が予め設定された閾値を超えた測定チャンネルを相互に比較し、最も受信レベルが大きいか、または通信品質がよいものを自らが属すべきセルとして選択している(例えば特許文献1参照)。この測定の際、移動局は、移動時にあってもほぼ同地点において複数のセルからのチャンネルを比較する必要があるため、測定対象チャンネルとするセルを高速で切り替えている。従って、測定結果はレイリー変動の影響を強く受けた瞬時値となる。
一般的に、セル選択のための受信レベルや通信品質の測定結果の比較は、レイリー変動をチャンネルごとに短区間で平均処理した短区間中央値で行うことが望ましい。なぜならば、移動時において瞬時値に基づいたセル選択を行うと、測定時には最適なセル選択であったとしても通信を行う次の瞬間にはもはや最適なセルではなくなるという問題点、移動局と基地局との間で最適セルの変更を通知するやりとりの回数が頻発し、処理量が非現実的なものとなるという問題点のためである。このことから、測定結果をほぼ同地点と見なせる狭い範囲においては、チャンネルごとに時間平均した後でセル選択のためのチャンネル比較をすることが行われている。
ところで、移動局が移動している場合には、どのような指向性の受信アンテナを用いたとしても個々の測定結果は様々なレイリー変動の影響を受けた瞬時値となり、時間平均を行うことにより短区間中央値に近づく。ここで、より高精度に測定しようと思えば、アンテナをレイリー変動の波形相関が小さくなるように、すなわちアンテナ毎に独立した変動が得られるように離して複数設置すればよい。アンテナごとに測定を行えば同じ時間でアンテナの個数倍の瞬時値を得ることができ、同じ平均時間でさらに短区間中央値に近づけることができる。この場合、同時にアンテナの個数倍の測定を行うため、受信機や測定値を時間平均する演算装置を増大させればよい。
公開特許公報 特開2001−28778号公報
しかし、上記のような従来の選択方法は以下のような問題点を含んでいる。移動局が移動している場合には、測定結果は様々なレイリー変動の影響を受けた瞬時値であり、時間平均を行うことにより短区間中央値に近づけることができる。しかし、セルラー移動通信方式の主流が自動車電話から携帯電話に移るにつれて、移動局が静止状態にある時間率が増加している点に着目すべきである。
また、移動局が静止している場合においても、近傍に存在する物体が動くなど周囲の環境が変動したり、移動局が動き出したりする可能性がある場合(準静止状態)には、移動時と同様に短区間中央値に従ったチャンネル比較によるセル選択を行うことが望ましい。
そこで、本発明者らは、移動局の静止時においては、受信レベルや通信品質はレイリー分布の影響を受けるものの、移動に伴う瞬時変動が発生しないので時間平均を行っても短区間中央値を得ることができないことに着目した。また、アンテナをレイリー変動の波形相関が小さくなるように一定間隔(1/4波長以上)だけ離して複数設置すればアンテナ個数分の異なる測定結果を得ることができるが、小型の移動局に上記の有効条件を満たして実際に設置できるアンテナ数は通常2程度と小さく、それぞれに時間変動を生じないため大きな改善効果は望めないことに着目した。
さらに、本発明者らは、移動局が静止しており、近傍に存在する物体がまったく動かず、かつ、移動局がしばらく動き出す可能性がないような場合(完全静止状態)には、むしろ短区間中央値ではなくレイリー分布の影響を受けた受信レベルや通信品質の瞬時値に従ったチャンネル比較によるセル選択を行う方が望ましいことに着目した。この理由としては、完全静止状態では瞬時値によるセル選択が最もよい通信品質を提供する点、瞬時値に基づいたセル選択であっても次の瞬間においても最適なセル選択であり続けるといる点、移動局と基地局との間で最適セルの変更を通知するやりとりの回数が増加しない点などが挙げられる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的はセルラー移動通信におけるセル選択に際して、移動時および準静止状態にあっては短区間中央値に基づいたチャンネル比較、また完全静止状態にあっては瞬時値に基づいてチャンネル比較によって効率のよいセル選択を図ることと、準静止状態および完全静止状態にあっては選択したセルにとって適切なアンテナを複数のアンテナから選択して通信を行うことにより通信品質を向上させることにある。
上記の目的を達成するための本発明の一特徴に従った、セルラー移動通信方式により基地局と通信し、セル選択を行う移動局は:基地局からの信号を受信する、複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;当該移動局の移動に関する状態を判定する手段;セル選択を行う際に、移動に関する状態に応じて、アンテナ素子の用い方を選択するアンテナ選択手段;から構成される。
本発明の他の特徴に従った、セル毎に設けられる基地局との間でセルラー移動通信方式の通信を行い、複数のセルで構成されるサービスエリア内を移動する移動局は:基地局から送信されたセル固有のパイロットチャンネルまたは自セル識別子を含む報知チャンネルを受信する、指向方向の異なる複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;該アンテナ手段を介して基地局からの信号を受信する受信機;該受信機に接続するアンテナ素子を次々に切り替えながら、パイロットチャンネルの受信レベルまたは報知チャンネルの通信品質を測定することにより、属すべきセルを選択する選択手段;から構成される。
本発明のさらに他の特徴に従った、セルラー移動通信方式により基地局と通信し、セル選択を行う移動局は:複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;受信レベルや通信品質の測定を行う受信機;セル選択の結果を基地局に通知する送信機;アンテナ手段の指向性を設定するアンテナ切替器;当該移動局の移動に関する状態を判定する静止検出器;受信機、送信機又は静止検出器の指示に従ってアンテナ切替器にアンテナ指向性設定のタイミングを指示するタイミング指示器;受信レベルや通信品質に基づいてセル選択を行うセル選択器;から構成される。
さらに他の特徴に従った、セルラー移動通信方式により基地局と通信する移動局におけるセル選択方法は:複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段を用いて基地局からの信号を受信する段階;受信した信号の受信レベル又は受信品質を測定する段階;当該移動局の移動に関する状態を判定する段階;移動に関する状態に応じて、アンテナ素子の用い方を選択するアンテナ選択段階;から構成され、アンテナ素子の用い方を切り替えながら、受信レベル又は受信品質を測定することにより、属すべきセルを選択することを特徴とする。
本発明の実施例に従った移動局によれば、当該移動局の移動の状態を判定し、複数のアンテナ素子を切り替えながら、パイロットチャンネルや報知チャンネルの測定に基づく好ましいセル選択を行い、適切なアンテナを選択しての通信を行うことにより通信品質を向上させることができる。また、単に複数のアンテナ素子を切り替えることで実現できるので、受信機や測定値を時間平均する演算装置などを増大させる必要がない。
以下に図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例に従った指向性アンテナ切替可能な移動局のブロック図である。移動局100は、基地局(図示せず)からのデータを受信する3基(3素子)の指向性アンテナから構成されるアンテナ10,送信信号と受信信号の分離を行う送受共用器110,受信機112,セル選択器120,静止検出器140,タイミング指示器150,指向性アンテナ(素子)切替器160,スイッチ170、送信機180を有する。セル選択器120の内部には、受信レベル・通信品質平均器122及びセル選択判定器124が設けられている。
本実施例では、説明の便宜のためにパターンが等しく指向方向の異なる3素子の指向性アンテナを移動局に装備して、これらを切り替えて用いている。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるわけではなく、パターンが同一でなくても指向方向が異なっていればよく、また指向性アンテナの個数(素子数)も3基(3素子)に限られず、他の個数(素子数)でもよい。
アンテナ10は、送受共用器110を介して受信機112に接続される。受信機112は、アンテナ10で受信したデータから、フレーム周期を検出してタイミング指示器150に伝える。フレームとは、送受する情報の構造を規定する一定時間長のブロックを意味する。
アンテナ切替器160及びスイッチ170によりアンテナ素子を切り替えたときには、受信データの位相が不連続になり、また受信データに欠損が生ずるため瞬間的に通信品質が劣化してしまう。しかし、受信データのフレーム中には無音区間や、当該移動局にとっての有意な情報が存在しない区間など、受信しなくても障害のない時間帯がある。そこで、タイミング指示器150は、それを検出してアンテナ(素子)切替器160に伝える。アンテナ(素子)切替器160は、タイミング指示器150からの指示に基づいて、送受信共用器へと接続すべき指向性アンテナ素子を次々に切り替える。
受信機112は、パイロットチャンネルの受信レベルや、報知チャンネルの通信品質の測定結果をセル選択器120へと出力する。パイロットチャンネルの受信レベルや、報知チャンネルの通信品質は、セル選択器120内の受信レベル・通信品質平均器122において、時間平均処理することができる。受信レベル・通信品質平均器122は、時間平均値又は短区間中央値を出力することができる。さらに、受信レベル・通信品質平均器122は、受信レベル・通信品質の瞬時値を出力することもできる。
セル選択判定器124は、受信レベル・通信品質平均器122から出力される平均受信レベル若しくは中央値、又は平均通信品質若しくは中央値に従って、それら平均値又は中央値が予め設定された閾値を超える測定チャンネルを相互に比較する。セル選択判定器124は、相互に比較したチャンネルのうち、最も受信レベルが大きいチャンネル、又は最も通信品質が良いチャンネルを自局が属すべきセルのチャンネルとして選択する。
セル選択判定器124は、受信レベル・通信品質の瞬時値が予め設定された閾値を超える測定チャンネルを相互に比較することもできる。セル選択判定器124は、相互に比較したチャンネルのうち、最も瞬時受信レベルが大きいチャンネル、又は最も瞬時通信品質が良いチャンネルを自局が属すべきセルのチャンネルとして選択する。
図2は、受信レベル・通信品質に基づくセル判定処理動作を示す。セル判定タイミングT1において、閾値を越える測定チャンネルはセルAのチャンネルとセルCのチャンネルであり、受信レベル又は受信品質の平均値、中央値又は瞬時値の順位はACの順になるので、セルAが選択セル、セルCが選択候補セルとなる。この例では、次のセル判定タイミングT2においては、セル選択結果が変化している。すなわち、セル判定タイミングT2において、閾値を越える測定チャンネルはAとCとDであり、受信レベル又は受信品質の順位はADCの順になるので、Aが選択セル、セルC、セルDが選択候補セルとなる。
静止検出器140は、セル選択判定器124のセル選択結果の変化の様子を監視して、自局が移動状態、準静止状態、又は完全静止状態のいずれの状態にあるのかを検出して、それをタイミング指示器150に伝える。また、セル選択判定器124のセル選択結果は、送信機180によって無線変調され基地局(図示せず)に通知される。
送信機180は、データ送信中にアンテナ素子切り替えが発生すると送信データに欠損が生ずるので、タイミング指示器150に現在送信中であることを伝えてアンテナ切り替えの発生を抑制することができる。
図3は、移動局の状態の遷移を表す概念図である。セル選択判定器124により判定された選択セル(例えばセルA)及び選択候補セル(例えばセルC)が変化しない状態が、予め設定された時間Lより長く継続した場合に、静止検出器140は、移動局が準静止状態にあると判断する。
準静止状態にあっては、セル選択の際に、指向性アンテナ素子を切り替えながらセル選択処理が行われる。すなわち、上述したように、複数のアンテナ素子を経由して受信した複数の受信レベルや通信品質が、受信レベル・通信品質平均器122において平均処理される。セル選択判定器124は、受信レベル・通信品質平均器122から出力される受信レベルまたは通信品質の平均値又は中央値に従って、それら平均値又は中央値が予め設定された閾値を超える測定チャンネルを相互に比較する。セル選択判定器124は、相互に比較したチャンネルのうち、最も受信レベルが大きいチャンネル、又は最も通信品質が良いチャンネルを自局が属すべきセルのチャンネルとして選択する。
セル選択後の実際の通信は、選択セルに対して最も受信レベルが大きいか、或いは最も通信品質の良い指向性アンテナ素子に固定して行われる。このようにして、近傍に存在する物体が動くなど周囲の環境が変動したり、移動局が動き出す可能性があったりしても、最適なセル選択を行うことができるとともに、最も通信品質のよい状態を維持することができる。
一方、セル選択判定器124による選択セルおよび選択候補セルが変化しない状態が予め設定された時間M(M>L)以上継続した場合には、静止検出器140は、移動局が完全静止状態にあると判断する。
完全静止状態にあっては、セル選択の際に、最も受信レベルが大きいか、或いは最も通信品質の良い指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理が行われる。すなわち、受信レベル・通信品質平均器122から出力された最大受信レベル・通信品質の瞬時値が、予め設定された閾値を超える測定チャンネルを相互に比較する。セル選択判定器124は、相互に比較したチャンネルのうち、最も瞬時受信レベルが大きいチャンネル、又は最も瞬時通信品質が良いチャンネルを自局が属すべきセルのチャンネルとして選択する。
セル選択後の実際の通信は、選択セルに対して最も受信レベルが大きいか、或いは最も通信品質の良い指向性アンテナ素子に固定して行われる。従って完全静止時には、セル選択処理および実際の通信は、同じ指向性アンテナ素子で行われる。このようにして、最適なセル選択を行うことができるとともに、最も通信品質の良い通信状態を維持することができる。このことは、完全静止状態においてはいったん最も受信レベルが大きいか、或いは最も通信品質の良いと判定された指向性アンテナ素子は、その後も最適な指向性アンテナ素子でありつづける可能性が高いということに基づいている。ただし、この場合でも指向性アンテナ素子を固定してのセル選択動作を継続し、選択セルと選択候補セルに変化があったときには、指向性アンテナ素子の固定を解いて移動状態のセル選択動作に入る。
他方、セル選択判定器124による選択セルおよび選択候補セルに変化が見られる場合には、静止検出器140は移動局が移動状態にあると判断する。
移動状態にあっては、セル選択の際に、任意の指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理が行われる。すなわち、受信レベル・通信品質平均器122から出力された任意固定指向性アンテナ素子の受信レベル・通信品質の時間平均値が、予め設定された閾値を超える測定チャンネルを相互に比較する。セル選択判定器124は、相互に比較したチャンネルのうち、最も時間平均受信レベルが大きいチャンネル、又は最も時間平均通信品質が良いチャンネルを自局が属すべきセルのチャンネルとして選択する。このことは、移動に伴う瞬時変動が発生しており、測定結果を時間平均することにより短区間中央値に近づけることができるのでアンテナ切り替え動作を行う必要が無いことに基づく。
セル選択後の実際の通信も、その任意固定指向性アンテナ素子に固定して行われる。また、通信に用いる指向性アンテナ素子をどの指向性アンテナ素子に固定しても、得られる通信品質には変わりはない。誤判定や制御誤差により移動状態でアンテナ素子切り替えが発生したとしても、必要な信号の受信中や送信中にはアンテナ素子切り替えを発生させないので、無駄な処理が発生する以外には何ら問題は生じない。
図4は、本発明の実施例に従った移動局に用いる指向性アンテナ素子のパターン例を示す。3基のそれぞれの指向性アンテナ素子は、指向方向を変えることで波形相関を小さくしているので間隔を離して設置する必要がない。従って、アンテナ自体を省スペース化することにより、小型の移動局にも多数設置可能である。アンテナ素子は指向特性を持つため、周囲から到来する素波を受信できる方位が無指向性アンテナに比べて限定されるが、その分正面方向に大きな利得を持つことになり、1指向性アンテナ素子当りの受信可能なエネルギは変わらない。
移動局が静止状態にある場合には、上記の3つの指向性アンテナ素子の受信レベルや通信品質は時間変動しないが、3指向性アンテナ素子分の瞬時値を得ることができるために例えば2つの同じ指向性の受信アンテナ素子を一定間隔おいて設置した場合よりも精度よく短区間中央値を推定することができる。また、3指向性アンテナ素子の全ての受信レベルや通信品質が同時に低下する確率は小さいので、結果として通信品質を向上させることができる。切り替える指向性アンテナ素子数を増加させることにより、短区間中央値の推定精度と通信品質はより向上させることができる。
図5は、セル選択処理工程を示すフローチャートである。静止検出器140により状態を判定する、静止検出状態フローについて説明する。カウンタ(後述)を初期化した後に、先ずセル選択判定器124からセル選択結果を読出し、セル選択結果に変化があるかどうかを監視する。変化があれば移動局が“移動状態”にあると判定する。セル選択判定器124により判定された選択セル及び選択候補セルが変化しない状態が、予め設定された時間Lより長く継続した場合に、静止検出器140は、移動局が準静止状態にあると判断する。経過時間Lを測定するためにカウンタC1を用いることができ、カウンタC1の回数値が所定値Lに対応する回数(便宜上、L回と表す)を越えたか否かを判断することにより、“移動状態”にあるかどうかを判定できる。カウンタC1の回数値がL回以上になっても、セル選択結果に変化がなければ“準静止状態”と判定する。さらに、カウンタC1の回数値がM回を越えるまで、継続してセル選択結果に変化がなければ“完全静止状態”と判定することができる。
タイミング指示器150の指示動作を示す、タイミング指示器状態フローについて説明する。先ず、カウンタ(後述)を初期化した後、静止検出器140から移動局の状態を読出し、“完全静止状態”又は“移動状態”である場合には、タイミング指示器150を“OFF”に設定する。移動局が“準静止状態”である場合には、前回のタイミング指示器“ON”設定時からの経過時間がN以上であるか否かを判断する。経過時間Nを測定するためにカウンタC2を用いることができる。カウンタC2の回数値が所定値Nに対応する回数(便宜上、N回と表す)を越えたか否かを判断することにより、経過時間N以上であるかどうかを判定できる。
経過時間がN以上であると判定されたときには、移動局がデータの送信中又は受信中でないか否かの判定を行う。送信中でも受信中でもなければ、タイミング指示器を“ON”に設定する。
次に、セル選択処理に係るアンテナ切替及びセル選択判定タイミングを示す、セル選択判定フローについて説明する。先ず、タイミング指示器150の状態を読出し、タイミング指示器150の状態が“ON”である場合には、指向性アンテナ素子の切替を行う。タイミング指示器150の状態が“OFF”である場合には、指向性アンテナ素子の切替は行わない。その後、受信レベルまたは通信品質の測定を行い、予め設定されたセル選択判定を行うタイミングかどうかを調べる。セル選択判定タイミングでない場合には、測定結果を蓄積して、タイミング指示器状態読出し工程に戻る。セル選択判定タイミングである場合には、蓄積された測定結果を平均化処理を行ない、平均受信レベル又は平均通信品質を計算する。これらの平均値を用いてセル選択判定を実行し、セル選択結果(選択セル、選択候補セル)が決定される。
図6は、セル選択後に通信を行う際のアンテナ選択処理を示すフローチャートである。アンテナ切替器160が、静止検出器140の状態を読出し、移動局が“移動状態”にある場合には、任意の指向性アンテナ素子を選択してそれに固定する。移動局が、その他の状態、すなわち“完全静止状態”又は“準静止状態”にあれば、受信レベルが最も大きい、或いは通信品質が最も良い指向性アンテナ素子を選択してそれに固定する。
図7は、本発明の他の実施例に従った移動局のブロック図である。本実施例における移動局700においては、複数の指向性アンテナ素子を用いる代わりに、アンテナ素子の位相制御によりアレイアンテナの指向方向の操作を行う。本明細書及び特許請求の範囲においては、アンテナ素子とは、指向性を有する各アンテナ及びアレイアンテナを構成する各アンテナ素子の両方を意味する。
移動局700は、基地局(図示せず)からのデータを受信する2つの無指向性アンテナ素子から構成されるアレイアンテナ70,送信信号と受信信号の分離を行う送受共用器710,受信機712,セル選択器720,静止検出器740,タイミング指示器750,受信位相制御器760,送信機780を有する。セル選択器720の内部には、受信レベル・通信品質平均器722及びセル選択判定器724が設けられている。
本実施例では、説明の便宜のために2つの無指向性アンテナ70によるアレイを移動局に装備している。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるわけではなく、各アンテナ素子が指向性を有してもよく、或いはアンテナ素子数は他の個数でもよい。受信位相制御器760は、アンテナ素子毎の信号の位相を変化させることで、アレイアンテナのアンテナパターンを変化させることができる。変化させる位相量に応じて、図8に示すように、アンテナパターンを変化させることができる。図8において、斜線を引いたハッチング部分がアンテナパターンを示し、矢印が到来素波を示している。変化させる位相量は予め設定されていてもよいし、その都度計算してもよい。図7に示す移動局700は、タイミング指示器750からの指示でアンテナ素子切替を行う代わりに受信位相制御器760で位相を次々と変化させる点、及び送信機780の出力が任意の1つのアンテナに接続する点以外は、図1示す移動局100と同様な動作を行う。
本発明に従った、移動局及びセル選択方法は、セルラー移動電話システムの移動局に用いることができ、セル選択を必要とする多種多様な無線通信分野において利用することができる。
本発明の実施例に従ったアンテナ切替可能な移動局のブロック図である。 本発明の実施例における受信レベル・通信品質に基づくセル判定処理動作を示す。 本発明の実施例における移動局の状態の遷移を表す概念図である。 本発明の実施例における移動局に用いるアンテナのパターン例を示す。 本発明の実施例におけるセル選択処理工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例におけるセル選択後に通信を行う際のアンテナ選択処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例に従った移動局のブロック図である。 アレイアンテナのアンテナパターンを示す図である。
符号の説明
10, 70 アンテナ
100, 700 移動局
110, 710 送受共用器
112, 712 受信機
120,
720 セル選択器
122, 722 受信レベル・通信品質平均器
124, 724 セル選択判定器
140, 740 静止検出器
150, 750 タイミング指示器
160, アンテナ切替器
170, スイッチ
180, 780 送信機
760 受信位相制御器

Claims (7)

  1. セルラー移動通信方式により基地局と通信し、セル選択を行う移動局であって:
    基地局からの信号を受信する、複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;
    当該移動局の移動に関する状態を判定する手段;
    セル選択を行う際に、前記の移動に関する状態に応じて、前記アンテナ素子の用い方を選択するアンテナ選択手段;及び
    受信レベルや通信品質に基づいてセル選択を行うセル選択器;
    から構成され
    当該移動局が移動状態である場合には、任意の指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理を行い、完全静止状態の場合には、受信レベル又は受信品質の良い指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理を行い、準静止状態の場合には、指向性アンテナ素子を切り換えながらセル選択処理を行う、ことを特徴とする移動局。
  2. セル毎に設けられる基地局との間でセルラー移動通信方式の通信を行い、前記複数のセルで構成されるサービスエリア内を移動する移動局であって:
    基地局から送信されたセル固有のパイロットチャンネルまたは自セル識別子を含む報知チャンネルを受信する、指向方向の異なる複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;
    該アンテナ手段を介して基地局からの信号を受信する受信機;
    当該移動局の移動に関する状態を判定する手段;
    当該移動局が移動状態である場合には任意の指向性アンテナ素子に固定し、完全静止状態の場合には受信レベル又は受信品質の良い指向性アンテナ素子に固定し、準静止状態の場合には指向性アンテナ素子を切り換えながら、前記パイロットチャンネルの受信レベルまたは前記報知チャンネルの通信品質を測定することにより、属すべきセルを選択する選択手段;
    から構成される移動局。
  3. 請求項1に記載の移動局であって:
    前記アンテナ手段がアレイアンテナ手段であり;
    前記アンテナ選択手段が、前記の移動に関する状態に応じて、該アレイアンテナ手段の指向性を固定的に或いは順次的に選択する;
    ことを特徴とする移動局。
  4. 請求項2又は3に記載の移動局であって:
    前記アンテナ手段の指向性を切り替えて測定した受信レベルまたは通信品質を蓄積し、複数の指向方向について測定した受信レベルまたは通信品質をチャンネルごとに平均し、平均受信レベルまたは平均通信品質をセル間で比較することによりセルを選択することを特徴とする移動局。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の移動局であって:
    当該移動局がデータを受信中か送信中であるかを判定し、受信中または送信中の際には前記アンテナ手段の指向性を切り替えないことを特徴とする移動局。
  6. セルラー移動通信方式により基地局と通信し、セル選択を行う移動局であって:
    複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段;
    受信レベルや通信品質の測定を行う受信機;
    セル選択の結果を基地局に通知する送信機;
    アンテナ手段の指向性を設定するアンテナ切替器;
    当該移動局の移動に関する状態を判定する静止検出器;
    受信機、送信機又は静止検出器の指示に従ってアンテナ切替器にアンテナ指向性設定のタイミングを指示するタイミング指示器;
    受信レベルや通信品質に基づいてセル選択を行うセル選択器;
    から構成され
    当該移動局が移動状態である場合には、任意の指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理を行い、完全静止状態の場合には、受信レベル又は受信品質の良い指向性アンテナ素子に固定してセル選択処理を行い、準静止状態の場合には、指向性アンテナ素子を切り換えながらセル選択処理を行う、ことを特徴とする移動局。
  7. セルラー移動通信方式により基地局と通信する移動局におけるセル選択方法であって:
    複数のアンテナ素子から構成されるアンテナ手段を用いて基地局からの信号を受信する段階;
    受信した信号の受信レベル又は受信品質を測定する段階;
    当該移動局の移動に関する状態を判定する段階;
    前記の移動に関する状態に応じて、前記アンテナ素子の用い方を選択するアンテナ選択段階;
    から構成され、
    当該移動局が移動状態である場合には任意の指向性アンテナ素子に固定し、完全静止状態の場合には受信レベル又は受信品質の良い指向性アンテナ素子に固定し、準静止状態の場合には指向性アンテナ素子を切り換えながら、受信レベル又は受信品質を測定することにより、属すべきセルを選択する、
    ことを特徴とするセル選択方法。
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