JP2010156596A - 計測装置及び計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子を用いた被写体の変異量計測において、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により測定精度を向上させる。
【解決手段】第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を用いて、それぞれ露光時間の異なる第1の画像と第2の画像とを取得し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出して出力する。
【選択図】 図8

Description

本発明は計測装置及び計測方法に係り、特に、単一の撮像素子を用いて露光時間の異なる2枚の画像を同時に撮影して移動被写体の速度等を計測する計測装置及び計測方法に関する。
単一の撮像素子を使用した速度計測器では、多重露光により得られた画像より移動被写体の移動量を計測する方法と、異なる時間で撮影した2枚の画像より移動被写体の移動量を計測する方法がある。
特許文献1には、蛍光面の蛍光寿命を利用して、移動物体の二重露光像を蛍光面状に形成し、この二重露光像を光学的にフーリエ変換して相関ピーク像を取得し、この相関ピーク像から移動物体の変異量を求める技術が記載されている。特許文献1の技術によれば、極めて高速に移動する物体の変異量を測定することが可能となる。
また、特許文献2には、移動被写体を含む撮影画像と移動被写体を除いた背景画像とを撮影し、それぞれの画像を差分処理して移動被写体の像ブレ領域を抽出し、抽出した像ブレ領域の幅と高さ及び撮影倍率と電荷蓄積時間とに基づいて、移動被写体の速度を演算する技術が記載されている。特許文献2の技術によれば、従来のカメラの構成のまま、移動被写体の速度計測を行うことができる。
特開平7−253314号公報 特開2004−117195号公報
しかしながら、特許文献1の技術には、基準画像の露光後に移動量検出用の露光を開始するため、測定時間がシリアルに長くなるという欠点があった。また、変異量を求める場合も、二重露光画像よりコヒーレント像を求めてフーリエ変換を行うため、演算が煩瑣になるという問題点があった。
また、特許文献2の技術では、移動被写体が写っている撮影画像に加えて、基準画像として移動被写体が写っていない背景画像を改めて撮影する必要がある。そのため、撮影者が意識して新たに背景画像を撮影しなければならないという問題点があった。さらに、異なる時間で2枚の画像を取得するため、背景画像に差が生じやすく、結果的に変異量の計測制度が低下するという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上させる計測装置及び計測方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の計測装置は、第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間とを異なるように制御可能な撮像手段と、一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出する検出手段と、前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を用いて、それぞれ露光時間の異なる第1の画像と第2の画像とを取得し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
請求項2に示すように請求項1に記載の計測装置において、前記算出手段は、前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間との差分、前記計測装置と被写体との距離、及び前記撮像レンズの焦点距離に基づいて前記変異する被写体の移動速度及び面積の変化量の少なくともいずれか一方を算出することを特徴とする。
これにより、適切に移動速度や面積の変化量を算出することができる。
請求項3に示すように請求項1または2に記載の計測装置において、前記出力手段は、表示手段に表示する手段、または記録手段に記録する手段であることを特徴とする。
これにより、計測結果を適切に出力することができる。
請求項4に示すように請求項3に記載の計測装置において、前記記録手段に記録する手段は、前記第1の画像および/または前記第2の画像と関連付けて前記算出結果を前記記録手段に記録することを特徴とする。
これにより、計測結果を適切に記録することができる。
請求項5に示すように請求項3に記載の計測装置において、前記記録手段に記録する手段は、前記第1の画像および/または前記第2の画像のデータ上に埋め込んで前記算出結果を前記記録手段に記録することを特徴とする。
これにより、計測結果を適切に記録することができる。
前記目的を達成するために請求項6に記載の計測装置は、第1の画像〜第nの画像を構成する第1の画素群〜第nの画素群が所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群〜第nの画素群の露光時間をそれぞれ異なるように制御可能な撮像手段と、一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出する検出手段と、前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、一度の撮影において単一の撮像素子に配置されたn種類の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御して第1〜第nの画像として取り出し、第1〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出し、検出した変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
前記目的を達成するために請求項7に記載の計測方法は、第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間とを異なるように制御可能な撮像手段を用いた計測方法であって、一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出する検出工程と、前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出工程と、前記算出工程の算出結果を出力する出力工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とからなる単一の撮像素子を用いて、それぞれ露光時間の異なる第1の画像と第2の画像とを取得し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
前記目的を達成するために請求項8に記載の計測方法は、第1の画像〜第nの画像を構成する第1の画素群〜第nの画素群が所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群〜第nの画素群の露光時間をそれぞれ異なるように制御可能な撮像手段を用いた計測方法であって、一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出する検出工程と、前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出工程と、前記算出工程の算出結果を出力する出力工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、一度の撮影において単一の撮像素子に配置されたn種類の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御して第1〜第nの画像として取り出し、第1〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出し、検出した変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
本発明によれば、第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を用いて、それぞれ露光時間の異なる第1の画像と第2の画像とを取得し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出し、第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
また、本発明によれば、一度の撮影において単一の撮像素子に配置されたn種類の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御して第1〜第nの画像として取り出し、第1〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出し、検出した変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出して出力するようにしたので、非移動被写体の減算演算を簡素化し、減算精度の向上により移動被写体の変異量の測定精度を向上することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、計測装置10の電気的構成の一例を示す図である。同図に示すように、計測装置10は、レンズ11、絞り13、CCD15、CCD駆動回路16、タイミングジェネレータ19、制御部20、AFユニット22、測距用AF制御部23、画像処理回路27、差分処理回路28、変異量検出演算処理回路34、LCDパネル42、メモリカード45等を備えて構成される。
各部は制御部20に制御されて動作し、制御部20は、操作部21からの入力に基づき所定の制御プログラムを実行することにより、計測装置10の各部を制御する。
計測装置10は図示しないROMを備えており、ROMには制御部20が実行する制御プログラムのほか、制御に必要な各種データ等が記録されている。制御部20は、ROMに記録された制御プログラムをRAM24に読み出し、逐次実行することにより、計測装置10の各部を制御する。
操作部21は、図示しない電源ボタン、計測モード切替スイッチ、計測スタートボタン等を備え、それぞれの操作に応じた信号を制御部20に出力する。
レンズ11は、被写体から入射する被写体光を透過し、CCD15の受光面に結像させる。レンズ11は、図示しないズームレンズ、フォーカスレンズを含み、レンズ駆動回路12に駆動されて、ズーミング、フォーカシングを行う。
絞り13は、絞り駆動回路14の指示に応じてその開口量(F値)を調整可能となっている。絞り駆動回路14は、CCD15に結像される被写体光の露光量が適正露出となるように、絞り13の開口量を変更する。
CCD15は、絞り13の後段に配置されており、レンズ11を透過した被写体光を受光する。
CCD15の受光面は、第1の画素(フォトダイオード)15aと第2の画素15bとが交互に配置されている。また、各受光素子の上には三原色のカラーフィルタ(R=赤、G=緑、B=青)が備えられており、縦方向に隣り合う第1の画素15aと第2の画素15bとでは同じ色のカラーフィルタが配置され、さらにR画素とG画素が交互に配置された列と、B画素とG画素が交互に配置された列とが交互に配列されている。
図2(a)は、CCD15の受光面の概略図である。同図に示す「B1」は、青のカラーフィルタが備えられた第1の画素15aを示しており、同様に「G2」は、緑のカラーフィルタが備えられた第2の画素15bを示している。
また、それぞれ列毎に1つの垂直転送路15cを備えており、第1の画素15aの垂直転送路15cへの読み出しと第2の画素15bの垂直転送路15cへの読み出しは、個別の読み出しパルスによって独立して行うことが可能となっている。また、CCD15は、水平同期信号に同期してCCD駆動回路16からCCD15の図示しないオーバーフロードレイン電極に印加される電子シャッタパルスにより、第1の画素15a及び第2の画素15bに蓄積された電荷をCCD15内の基板側に排出することが可能となっている。
なお、CCD15の画素の配列は、この例に限定されるものではなく、第1の画素15aの垂直転送路15への読み出しと第2の画素15bの垂直転送路15cへの読み出しとが独立に制御可能であれば、他の画素配列のCCDを用いてもよい。
例えば、図2(b)に示すような、各列が隣の列に対して1/2ピッチずつずらして配置された所謂ハニカム画素配列を用いてもよい。同図の例では、CCD15の受光面は、第1の画素15aの列と第2の画素15bの列が交互に配列され、同図では省略されているが、それぞれ列毎に垂直転送路15cを備えている。
このように構成されたCCD15の受光面上に結像された被写体光は、各画素子によって信号電荷に変換され、蓄積される。
各画素に蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路16から供給される第1の画素15aに対する読み出しパルス、及び第2の画素15bに対する読み出しパルスによって、垂直転送路15cに独立して読み出される。垂直転送路15cは、この読み出された信号電荷をタイミングジェネレータ19から供給されるクロックに同期して、1ラインずつ水平転送路15dに転送する。さらに水平転送路15dは、垂直転送路15cから転送された1ライン分の信号電荷を、タイミングジェネレータ19から供給されるクロックに同期して出力部15eに入力する。
出力部15eは、フローティングデフュージョンアンプ構成となっており、入力された信号電荷に対応する電圧信号を出力する。
CCD15から出力された画像信号はA/D変換器17に入力され、A/D変換器17において、所定のゲインで増幅された後に所定ビットの階調幅を持ったデジタルの画像信号に変換される。この画像信号は、いわゆるRAWデータであり、画素毎にR、G、Bの濃度を示す階調値を有している。このデジタルの画像信号は、バッファメモリ18に格納される。
画像入力部25は、バッファメモリ18に格納された画像データを取得し、I/Oゲート26を介して画像処理回路27に入力する。画像処理回路27は、入力されたR、G、Bの各色の画像信号に対して所定の信号処理を施し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとからなる画像信号(Y/C信号)を生成する。生成したY/C信号は、I/Oゲートを介してRAM24に格納される。
圧縮伸張処理回路43は、制御部20からの圧縮指令に従い、RAM24に格納されたY/C信号に所定形式(たとえば、JPEG)の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。生成されたデータは、R/W回路44を介してメモリカード45に記録される。
なお、メモリカード45は、計測装置10の本体に設けられたカードスロットに装填されており、計測装置10の本体に対して着脱自在となっている。
また、画像処理回路27は、制御部20からの指令に従い、LCDパネル42への表示を制御する。すなわち、制御部20からの指令に従い、バッファメモリ18に格納された画像信号をLCDパネル42に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換し、LCDドライバ41を介してLCDパネル42に出力する。また、必要に応じてLCDパネル42に表示する文字、図形、記号等の信号を画像信号に混合して、LCDパネル42に所定の文字、図形、記号等を表示させる。
さらに、画像処理回路27には、差分処理回路28が接続されている。差分処理回路28は、画像処理回路27に入力された第1の画素15aの信号に基づいて生成された第1の画像と、第2の画素15bの信号に基づいて生成された第2の画像との差分を抽出する回路であり、特徴点検出部29、閾値演算部30、差分画像演算部31、及び移動被写体検出部32を備えている。
特徴点検出部29は、第1の画像と第2の画像のそれぞれの画像から特徴点を検出する。差分画像演算部31は、第1の画像と第2の画像とを、特徴点検出部29において検出された特徴点を基準として重ね合わせ、この重ね合わせた画像の差分画像を生成する。
この差分画像は、速度等を計測しようとする移動物体とノイズ成分により構成されており、この移動物体とノイズ成分とを分離するために、差分画像に対して最適な閾値を決める処理を行う必要がある。閾値演算回路30は、この最適な閾値を決定する。移動被写体検出部32は、閾値演算回路30によって決定された閾値に基づいて差分画像中のノイズ成分を除去し、純粋な移動物体の成分を取り出す。
AFユニット22は、被写体に赤外線を照射するための図示しない赤外線照射部、及び照射した赤外線の反射派を受光するための図示しない赤外線センサを備え、測距用AF制御部23に制御されて赤外線の照射及び受光を行う。距離演算部35は、AFユニット22が被写体に赤外線を照射してからその反射波が戻るまでの時間に基づいて、被写体と計測装置10との距離を算出する。なお、被写体との距離を算出する方法は、この例に限定されるものではなく、例えば位相差検出を用いて算出する方法や、三角測距の原理を用いて算出する方法を使用してもよい。また、被写体が人物である場合は、人物の顔を検出し、検出した顔の大きさから距離を算出してもよい。
その他に、計測装置10は、演算処理回路33、変異量検出演算処理回路34を備えている。変異量検出演算処理回路34は、移動被写体検出部32が抽出した移動被写体の変異量を検出する回路であり、距離演算部35、時間演算部36、軌跡演算部37、位置演算部38、速度演算部39、及び面積演算部40を備えている。
距離演算部35は、前述したように、被写体と計測装置10との距離を算出する。時間演算部36は、第1の画像と第2の画像の露光時間の差を算出する。軌跡演算部37、位置演算部38、速度演算部39、面積演算部40は、それぞれ移動被写体の軌跡、位置、速度、面積を算出する。
<第1の実施の形態>
次に、図3を用いて、第1の実施の形態の計測装置10の速度計測モードの動作について説明する。計測装置10は、速度計測モードに設定されると、撮影された画像内に存在する移動被写体の移動速度を計測する。
計測装置10は、操作部21により電源がオンされると、ユーザによる撮影モードの選択が可能となる。制御部20は、選択された撮影モードが速度計測モードであるか否かを判定する(ステップS1)。速度計測モード以外のモードが選択された場合は、選択された撮影モードに従った撮影処理を行う(ステップS2)が、ここでは詳細な説明は省略する。
速度計測モードが選択された場合は、制御部20は、第1の画素15aの露光時間をtS秒、第2の画素15bの露光時間をtL秒に設定する(ステップS3)。ここでは、tS<tLとする。ここで重要なのは、露光時間の差(tL−tS)であり、この露光時間の差をユーザが設定できるように構成してもよい。ユーザは、速度を計測しようとする移動被写体の移動速度のオーダーに応じて、この値を設定する。なお、この露光時間の設定は、後述する測光処理の後に行なってもよい。
次に、制御部20は、測光処理を実行する(ステップS4)。制御部20は、バッファメモリ18に格納されたR、G、Bの画像信号を取り込み、積算値を算出する。また制御部20は、積算値から輝度値を算出し、輝度値から露出値を求める。さらに、露出値から所定のプログラム線図に従って、ステップS3において設定した露光時間に応じた絞り値を決定する。ここでは、tL秒で露光される第2の画素15bが適正露出となるように、絞り値を決定するが、第1の画素15aが適正露出となるように絞り値を決定してもよい。なお、露光時間の差(tL−tS)が大きい場合は、第1の画素15aが適正露出となるように絞り値を決定すると、第2の画素15bが露出オーバーとなり、第2の画像が白トビする可能性があるので、このような場合は、第2の画素15bが適正露出となるように絞り値を決定する必要がある。
制御部20は、決定した絞り値に応じた絞りになるように、絞り駆動回路14を制御して絞りを駆動する。
次に、制御部20は、合焦処理を行う(ステップS5)。前述したように、測距用AF制御部23は、AFユニット22により被写体に赤外線を照射し、その反射波を受光する。距離演算部35は、照射から受光までの時間に基づいて被写体と計測装置10との距離を算出する。制御部20は、この算出した被写体までの距離に基づいて、レンズ駆動回路12を介してレンズ11の図示しないフォーカスレンズの焦点位置を駆動することにより、フォーカスレンズを合焦位置へと移動させる。
なお、合焦処理は、図示しないフォーカスレンズの焦点位置を駆動させ、その都度バンドパスフィルタの出力値等のAF評価値を算出し、最もAF評価値の高い焦点位置を合焦位置と判断してもよい。
次に、被写体と計測装置10との距離を演算する(ステップS6)。本実施の形態では、ステップS5において算出した距離を用いる。
その後、ユーザによる操作部21の計測スタートボタンの操作にしたがって、CCD15への露光を開始する(ステップS7)。制御部20は、CCD駆動回路16を介して、露光開始からtS秒経過後にCCD15の第1の画素15aの読み出しを行い(ステップS8)、露光開始からtL秒経過後に第2の画素15bの読み出しを行い(ステップS9)、さらに、読み出した電荷の転送を行う(ステップS10)。
このステップS7〜ステップS10の動作について、図4、図5を用いて説明する。図4は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートであり、図5は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。
ユーザの計測開始指示が入力されると、図4のタイミングt1〜t2の期間において、前述の電子シャッタパルス(VOD)により、第1の画素15a及び第2の画素15bに蓄積された電荷が排出される。電荷の排出が終了するタイミングt2から、CCD15への露光が開始される。
露光開始であるタイミングt2からtS秒経過してタイミングt3になると、第1の画素15aの読み出し電極であるφ2Bに読み出しパルスが印加され、図5(a)に示すように、第1の画素15aに蓄積された電荷だけが垂直転送路15cに読み出される。
さらに、露光開始であるタイミングt2からtL秒経過してタイミングt4になるまで、第1の画素15a及び第2の画素15bに露光が継続し、図5(b)に示すように、それぞれの画素に電荷が蓄積される。
タイミングt4になると、第2の画素15bの読み出し電極であるφ2Aに読み出しパルスが印加され、図5(c)に示すように、第2の画素15bに蓄積された電荷だけが垂直転送路15cに読み出される。
その後、タイミングt5において、垂直転送(V転送)及び水平転送(H転送)を行い、図5(d)に示すように、第1の画素15aから読み出した電荷及び第2の画素15bから読み出した電荷を転送する。
以上のように、露光時間tS秒間に第1の画素15aに蓄積された電荷と、露光時間tL秒間に第2の画素15bに蓄積された電荷を読み出すことができる。なお、この例では、第1の画素15aの露光と第2の画素15bの露光とを同時に開始したが、それぞれ異なる露光時間で電荷を蓄積させるための露光タイミングは、この例に限定されるものではない。
この、露光タイミングの変形例の動作について、図6、図7を用いて説明する。図6は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートであり、図7は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。
ユーザの計測開始指示が入力されると、図6のタイミングt1〜t2の期間において、電子シャッタパルスにより、第1の画素15a及び第2の画素15bに蓄積された電荷が排出される。電荷の排出が終了するタイミングt2から、CCD15への露光が開始される。
露光開始であるタイミングt2から(tL−tS)秒経過後のタイミングt3の直前に、第1の画素15aの読み出し電極であるφ2Bに読み出しパルスが印加され、図7(a)に示すように、第1の画素15aに蓄積された不要電荷が垂直転送路15cに読み出される。その後、タイミングt3において読み出しパルスが終了し、第1の画素15aの露光が開始する。
さらに、露光開始であるタイミングt2からtL秒経過してタイミングt4になるまでの間に高速で垂直転送を行い、図7(b)に示すように、垂直転送路15cに読み出された不要電荷の掃き出しを行う。また、この間に第1の画素15a及び第2の画素15bに露光が継続し、それぞれの画素に電荷が蓄積される。
タイミングt4になると、第1の画素15aの読み出し電極であるφ2B及び第2の画素15bの読み出し電極であるφ2Aに読み出しパルスが共に印加され、図7(c)に示すように、第1の画素15aに蓄積された電荷及び第2の画素15bに蓄積された電荷が垂直転送路15cに読み出される。
その後、タイミングt5において、垂直転送(V転送)及び水平転送(H転送)を行い、図7(d)に示すように、第1の画素15aから読み出した電荷及び第2の画素15bから読み出した電荷を転送する。
以上のように、第1の画素15aの露光と第2の画素15bの露光とを同時に終了して、露光時間tS秒間に第1の画素15aに蓄積された電荷と、露光時間tL秒間に第2の画素15bに蓄積された電荷を読み出してもよい。
なお、第1の画素15aに蓄積された電荷と第2の画素15bに蓄積された電荷とをそれぞれ独立した電子シャッタパルスで基板側に排出可能に構成してもよい。このように構成することで、第1の画素15aの露光時間と第2の画素15bの露光時間を簡単に異ならせることが可能となる。
図3の説明に戻り、ステップS10において全ての電荷の転送が終了したら、画像処理回路27は、バッファメモリ18に格納された画像信号から、第1の画素15aにおいて撮影された画像(第1の画像)と第2の画素15bにおいて撮影された画像(第2の画像)とをそれぞれ生成する(ステップS11)。ここでは、第1の画像は、露光時間がtS秒であり、適正露出となる露光時間tL秒よりも短いため、A/D変換する前の増幅処理におけるゲインを露光時間に応じて高く設定してもよい。
この2枚の画像から、移動被写体検出部32は、非移動被写体部分(背景部分)を減算して移動被写体の抽出を行い(ステップS12)、変異量検出演算処理回路34は、抽出した移動被写体の移動量を画素数単位で算出する。さらに、変異量検出演算処理回路34は、レンズ11の焦点距離を取得し、取得した焦点距離と移動画素数、及びステップS6で算出した計測装置10と移動被写体との距離に基づいて、移動被写体の移動距離を算出する(ステップS13)。
最後に、算出した実際の移動量と、第1の画素15aの露光時間と第2の画素15bの露光時間の差分(tL−tS)秒とに基づいて、移動被写体の移動速度を算出し、算出した移動速度をLCDパネル42に表示する(ステップS14)。
なお、ステップS13で算出される移動距離は、移動被写体の実際の移動距離のうちCCD15の受光面に対する平行成分を示す距離であり、ステップS14で算出される移動速度は、移動被写体の実際の移動速度のうちCCD15の受光面に対する平行成分を示す速度である。
図8は、計測装置10の速度計測モードにおいて移動被写体100を撮影した画像を示す図であり、図8(a)は第1の画像、図8(b)は第2の画像を示している。同図に示すように、それぞれの画像は露光時間が異なるために、移動被写体100の移動量が異なっている。図8(a)における移動被写体100の移動量をm1画素分、図8(b)における移動被写体の移動量をm2画素分とすると、これらの移動量の差は、x=(m2−m1)画素分となる。図8(c)は、移動量の差xを示す図である。
この移動量の差に相当する実際の距離yを、事前に取得したレンズ11の焦点距離と移動被写体100との距離に基づいて算出する。このyを移動した時間が露光時間の差△t=(tL−tS)秒であるから、移動被写体の速度は、y÷△tとして算出される。算出した速度をLCDパネル42に表示することで、ユーザは、移動被写体100の移動速度を知ることができる。
図3に戻り、次に、データの保存を行うか否かを判断する(ステップS15)。データの保存の有無は、予め計測装置10の仕様として決められておいてもよいし、速度計測のたびにユーザが選択してもよい。データの保存を行う場合は、制御部20は、第1の画素15aの露光時間tS,第2の画素15bの露光時間tL,算出した移動被写体の速度データ、移動被写体の画像内の位置座標等を第1の画像の画像データに埋め込んで、R/W回路44を介してメモリカード45に保存する(ステップS16)。
これらの露光時間等のデータは、第1の画像データ内に埋め込むのではなく、第2の画像データ内に埋め込んでもよいし、第1の画像データや第2の画像データに関連付けて保存してもよい。また、保存するデータはこれらに限定されるものでなく、例えば計測装置10と移動被写体との距離、速度計測を行った日時、GPS情報等を保存してもよい。
最後に、計測装置10の電源がオフされたか否かを判定し(ステップS17)、電源がオフされていれば処理を終了し、オフされていない場合はステップS1に戻って処理を継続する。
このように、露光時間の異なる第1の画像と第2の画像を同時に撮影し、露光時間の差における移動被写体の移動量を算出することで、移動被写体の移動速度を計測することが可能となる。この露光時間の差は、図4に示すように、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングによって決定できるため、計測装置10の速度計測の時間分解能は、CCD15の駆動パルスの最小周期(1fH)、即ちCCD15の駆動周波数によって決まる。
図9に、CCD15の駆動周波数と時間分解能、及び転送画素数との関係を示す。同図に示すように、駆動周波数が32MHzの場合には、最小周期である31.3nsが速度計測における時間分解能となる。同様に、駆動周波数が36MHzの場合の時間分解能は27.8ns、40MHzの場合の時間分解能は25nsとなる。また、2枚の画像を同時に読み出した後に演算を行うため、時間分解能にはCCD15の画素数による依存性はない。
また、図10に、従来の速度計測可能な撮像装置の、時間分解能と転送画素数との関係について示す。同図に示すように、A社のデジタルカメラのハイスピード動画モードでは、フレームレート1200fpsで撮影を行っているため、連続する2枚の画像における移動被写体の移動量から移動速度を算出する場合の時間分解能は、1/1200秒=833μsとなる。また、このときの転送画素数は336×96ピクセルであり、画素数が増加すると、フレームレートが低下して時間分解能は下がると考えられる。
同様に、B社のハイスピードカメラでは、フレームレート5400fpsで撮影を行っているため、時間分解能は1/5400秒=185μsとなる。転送画素数は10Mピクセルであるが、画素数が増加すると、同様にフレームレートが低下して時間分解能は下がると考えられる。
また、C社の100万分の1秒ハイスピードカメラであっても、時間分解能は1/1000000秒=1μsである。
このように、本発明によれば、従来の技術と比較して、移動被写体の変異量の測定精度を2桁程度向上することが可能となる。また、従来と比較して、2枚の画像を同時に撮影することにより非移動被写体(背景)の同時性が高くなるため、2枚の画像の差分を精度よく抽出することも可能となり、さらに測定精度を高めることができる。
ここで、図2(b)に示すようなハニカム画素配列のCCD15を用いた場合の、第1の画素15aと第2の画素15bとで露光時間を異ならせる駆動について、図11、図12を用いて説明する。図11は、ハニカム画素配列のCCD15の第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートであり、図12は、ハニカム画素配列のCCD15の第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。
ユーザの計測開始指示が入力されると、図11のタイミングt1〜t2の期間において、電子シャッタパルス(VOD)により、第1の画素15a及び第2の画素15bに蓄積された電荷が排出される。電荷の排出が終了するタイミングt2から、CCD15への露光が開始される。
露光開始であるタイミングt2からtS秒経過してタイミングt3になると、第1の画素15aの読み出し電極であるφ3に読み出しパルスが印加され、図12(a)に示すように、第1の画素15aに蓄積された電荷だけが垂直転送路15cに読み出される。
さらに、露光開始であるタイミングt2からtL秒経過してタイミングt4になるまで、第1の画素15a及び第2の画素15bに露光が継続し、図12(b)に示すように、それぞれの画素に電荷が蓄積される。
タイミングt4になると、第2の画素15bの読み出し電極であるφ1に読み出しパルスが印加され、図12(c)に示すように、第2の画素15bに蓄積された電荷だけが垂直転送路15cに読み出される。
その後、タイミングt5において、垂直転送(V転送)及び水平転送(H転送)を行い、図12(d)に示すように、第1の画素15a及び第2の画素15bから読み出した電荷を転送する。
このように、ハニカム画素配列のCCD15においても、露光時間tL秒間に第1の画素15aに蓄積された電荷と、露光時間tL秒間に第2の画素15bに蓄積された電荷を読み出すことが可能である。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態の計測装置10の移動被写体検出の動作について説明する。第2の実施の形態の計測装置10の電気的構成は、図1に示す第1の実施の形態の計測装置10と同様であり、CCD15は、第1の画素15aに蓄積された電荷と第2の画素15bに蓄積された電荷を異なるタイミングで読み出すことが可能となっている。
図13は、移動被写体検出モードの動作について示したフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。計測装置10は、移動被写体検出モードに設定されると、撮影画角の中に移動する被写体が存在するか否かを判断し、存在する場合はその移動する被写体の画像内の位置を検出する。
制御部20は、選択された撮影モードが移動被写体検出モードであるか否かを判定する(ステップS21)。移動被写体検出モード以外のモードが選択された場合は、選択された撮影モードに従った撮影処理を行う(ステップS2)。
移動被写体検出モードが選択された場合は、第1の実施の形態と同様に、第1の画素15aの露光時間をtS秒、第2の画素15bの露光時間をtL秒に設定し(ステップS3)、測光処理を実行し(ステップS4)、合焦処理を行う(ステップS5)。
さらに、第1の実施の形態と同様に、操作部21からのユーザの計測開始指示に従って、CCD15への露光を開始し(ステップS7)、露光開始からtS秒経過後にCCD15の第1の画素15aの読み出しを行い(ステップS8)、露光開始からtL秒経過後に第2の画素15bの読み出しを行い(ステップS9)、読み出した電荷の転送を行う(ステップS10)。
全ての電荷の転送が終了したら、画像処理回路27は、第1の画素15aから読み出した電荷と第2の画素15bから読み出した電荷から第1の画像と第2の画像とをそれぞれ生成する(ステップS11)。この2枚の画像から、移動被写体検出部32は、非移動被写体部分(背景部分)を減算して移動被写体の抽出を行う(ステップS12)。
ステップS12において移動被写体が抽出された場合は、位置演算部38は、抽出された移動被写体の画像内の座標を算出する(ステップS22)。
これらの処理が終了したら、移動被写体の有無と、移動被写体が抽出された場合は移動被写体の画像内の位置をLCDパネル42に表示する(ステップS23)。移動被写体の画像内の位置は、XY座標の数値を表示してもよいし、LCDパネル42に表示した第1の画像または第2の画像の上に、移動被写体部分にマーカを重ねて表示したり、移動被写体の色を変えて表示したりしてもよい。
最後に、データの保存を行うか否かを判断する(ステップS15)。データの保存を行う場合は、露光時間tS、tL,移動被写体の有無、移動被写体の画像内の位置座標等を第1の画像の画像データに埋め込んでメモリカード45に保存する(ステップS24)。
このように、露光時間の異なる第1の画像と第2の画像を同時に撮影し、それぞれの画像の差分を算出することで、移動被写体の有無を検出することが可能となる。この2枚の画像は同時に撮影したものであるので、非移動被写体の同時性が高いため、非移動被写体の減算演算が簡素化できるうえ、演算精度が向上するため、移動被写体の検出精度も向上する。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態の計測装置10の移動被写体の進行方向検出の動作について説明する。第3の実施の形態の計測装置10の電気的構成は、図1に示す第1の実施の形態の計測装置10と同様となっている。
図14は、移動被写体進行方向検出モードの動作について示したフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。計測装置10は、移動被写体進行方向検出モードに設定されると、撮影された画像内の移動被写体の進行方向を検出する。
制御部20は、選択された撮影モードが移動被写体進行方向検出モードであるか否かを判定する(ステップS31)。移動被写体進行方向検出モード以外のモードが選択された場合は、選択された撮影モードに従った撮影処理を行う(ステップS2)。
移動被写体進行方向検出モードが選択された場合は、第2の実施の形態と同様に、第1の画素15aの露光時間をtS秒、第2の画素15bの露光時間をtL秒として撮影を行う(ステップS3〜S10)。
全ての電荷の転送が終了したら、画像処理回路27は、第1の画素15aから読み出した電荷と第2の画素15bから読み出した電荷から第1の画像と第2の画像とをそれぞれ生成する(ステップS11)。この2枚の画像から、移動被写体検出部32は、非移動被写体部分(背景部分)を減算して移動被写体の抽出を行う(ステップS12)。
次に、軌跡演算部37は、2枚の画像から抽出された移動被写体の軌跡を算出し、移動被写体の進行方向を検出する(ステップS32)。
これらの処理が終了したら、移動被写体の進行方向をLCDパネル42に表示する(ステップS33)。移動被写体の進行方向は、移動被写体の進行方向の角度を表示してもよいし、LCDパネル42に表示した第1の画像または第2の画像の上から、移動被写体部分に進行方向を示す矢印を表示してもよい。
最後に、データの保存を行うか否かを判断する(ステップS15)。データの保存を行う場合は、露光時間tS、tL,移動被写体の進行方向、移動被写体の画像内の位置座標、移動被写体の軌跡の座標等を第1の画像の画像データ内に埋め込んでメモリカード45に保存する(ステップS34)。
このように、露光時間の異なる第1の画像と第2の画像を同時に撮影し、それぞれの画像の差分を算出することで、移動被写体の軌跡や進行方向を検出することが可能となる。この2枚の画像は同時に撮影したものであるので、非移動被写体の同時性が高いため、非移動被写体の減算演算が簡素化できるうえ、演算精度が向上するため、移動被写体の軌跡の検出精度も向上する。
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態の計測装置10の移動被写体の面積変化検出の動作について説明する。第4の実施の形態の計測装置10の電気的構成は、図1に示す第1の実施の形態の計測装置10と同様となっている。
図15は、面積変化計測モードの動作について示したフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。計測装置10は、面積変化計測モードに設定されると、撮影された画像内の移動被写体の2次元的な面積の変化量を計測する。
制御部20は、選択された撮影モードが面積変化計測モードであるか否かを判定する(ステップS41)。面積変化計測モード以外のモードが選択された場合は、選択された撮影モードに従った撮影処理を行う(ステップS2)。
面積変化計測モードが選択された場合は、第1の実施の形態と同様に、第1の画素15aの露光時間をtS秒、第2の画素15bの露光時間をtL秒として撮影を行う(ステップS3〜S10)。
全ての電荷の転送が終了したら、画像処理回路27は、第1の画素15aから読み出した電荷と第2の画素15bから読み出した電荷とから第1の画像と第2の画像とをそれぞれ生成する(ステップS11)。この2枚の画像から、移動被写体検出部32は、非移動被写体部分(背景部分)を減算して移動被写体(面積が変化する被写体)の抽出を行う(ステップS12)。
次に、面積演算部40は、2枚の画像それぞれにおける移動被写体の面積を算出し、算出した面積の差分を算出する。また、レンズ11の焦点距離を取得し、取得した焦点距離と画像内の面積の差分、及びステップS6で算出した計測装置10と移動被写体との距離に基づいて、被写体の実際の面積の差分を算出する。
さらに、第1の画素15aの露光時間と第2の画素15bの露光時間の差分(tL−tS)秒とに基づいて、移動被写体の実際の面積の変化量を算出し(ステップS42)、算出した面積の変化量をLCDパネル42に表示する(ステップS43)。
図16は、計測装置10の面積変化量計測モードにおいて移動被写体100を撮影した画像を示す図であり、図16(a)は第1の画像、図16(b)は第2の画像を示している。同図に示すように、それぞれの画像は露光時間が異なるために、2次元的に面積が変化する被写体101の画面内の面積が異なっている。図16(a)における被写体101の画像内の面積をs1、図16(b)における被写体の画像内の面積をs2とすると、これらの画像内の面積の差は、y=(s2−s1)となる。図16(c)は、画像内の面積の差yをグレー部分で示した図である。算出した面積の変化量を表示する際に、図16(c)のように面積の差yを示す画像を同時にLCDパネル42に表示してもよい。
最後に、データの保存を行うか否かを判断する(ステップS15)。データの保存を行う場合は、露光時間tS、tL,被写体の面積変化量、被写体の画像内の位置座標等を第1の画像の画像データ内に埋め込んでメモリカード45に保存する(ステップS44)。
このように、露光時間の異なる第1の画像と第2の画像を同時に撮影し、それぞれの画像の差分を算出することで、被写体の面積の変化量を検出することが可能となる。この2枚の画像は同時に撮影したものであるので、背景の同時性が高いため、背景の減算演算が簡素化できるうえ、演算精度が向上するため、被写体の面積の変化量の検出精度も向上する。
第1〜第4の実施の形態においては、図17(a)に示すように、第1の画素15aと第2の画素15bとを備えたCCD15を用いて露光時間の異なる2枚の画像を取得したが、CCD15の画素の制御は3つ以上に分割して行なってもよい。
例えば、図17(b)に示すCCD15は、第1〜第4の画素の4つに分けて制御可能に構成されている。同図に示す「R3」は、赤のカラーフィルタが備えられた第3の画素15fを示しており、同様に「G4」は、緑のカラーフィルタが備えられた第4の画素15gを示している。
このように、CCD15の受光面は、第1の画素15aと第3の画素15fとが交互に配列された列と、第2の画素15bと第4の画素15gとが交互に配列された列を備えている。また、それぞれの列は、R画素とG画素が交互に配置された列と、B画素とG画素が交互に配置された列とから構成されている。
また、それぞれ列毎に1つの垂直転送路15cを備えており、第1〜第4の画素の垂直転送路15cへの読み出しは、それぞれ独立して行うことが可能となっている。したがって、第1〜第4の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御し、露光時間の異なる4枚の画像を取得することが可能である。
図18に、第1〜第4の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御する場合のタイミングチャートを示す。第1〜第4の画素の読み出し電極をそれぞれφ7、φ5、φ3、φ1とすると、同図に示すように、露光開始からtX1経過後にφ7、露光開始からtX2経過後にφ5、露光開始からtX3経過後にφ3、露光開始からtX4経過後にφ1に対して読み出しパルスを印加することにより、第1の画素15aの露光時間をtX1秒、第2の画素15bの露光時間をtX2秒、第3の画素15fの露光時間をtX3秒、第4の画素15gの露光時間をtX4秒とすることができる。すなわち、1度の撮影において、露光時間がtX1秒、tX2秒、tX3秒、及びtX4秒の4枚の画像を取得することができる。
このように構成されたCCD15を用いて4枚の画像を取得し、取得した4枚の画像から移動被写体の速度計測、移動被写体検出、移動方向検出、面積の変化量計測を行うことで、時間軸に対する測定点が増加し、測定精度を向上させることが可能となる。また、露光時間が異なる3枚以上の画像を用いることで、移動被写体のトラッキング(軌跡)を検出することや、移動被写体の加速度を算出することも可能となる。
なお、第1〜第4の実施の形態では、それぞれ移動被写体の速度計測、移動被写体検出、移動方向検出、面積の変化量計測を行っているが、これらを適宜組み合わせて計測や検出を行い、計測結果や検出結果をLCDパネル42に表示し、メモリカード45に保存してもよい。例えば、移動被写体の速度と移動方向を検出し、それぞれをLCDパネル42に表示する等が考えられる。
また、第1〜第4の実施の形態においては、撮像素子としてCCDイメージセンサを用いているが、CMOSイメージセンサを用いることも可能である。
図1は、計測装置10の電気的構成の一例を示す図である。 図2は、CCD15の受光面の概略図である。 図3は、第1の実施の形態の計測装置10の速度計測の動作について示したフローチャートである。 図4は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートである。 図5は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。 図6は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートである。 図7は、第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。 図8は、計測装置10の速度計測モードにおいて移動被写体100を撮影した画像を示す図である。 図9は、CCD15の駆動周波数と時間分解能・転送画素数との関係を示す図である。 図10は、従来の速度計測可能な撮像装置の、時間分解能と転送画素数との関係について示す図である。 図11は、ハニカム画素配列のCCD15の第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しタイミングと転送タイミングを示したタイミングチャートである。 図12は、ハニカム画素配列のCCD15の第1の画素15aと第2の画素15bの読み出しと転送の動作を示す模式図である。 図13は、移動被写体検出の動作について示したフローチャートである。 図14は、移動被写体進行方向検出モードの動作について示したフローチャートである。 図15は、面積変化計測モードの動作について示したフローチャートである。 図16は、面積変化量計測モードにおいて移動被写体100を撮影した画像を示す図である。 図17は、複数の画素に分割して読み出し制御可能に構成されているCCD15を示す図である。 図18は、第1〜第4の画素の露光時間をそれぞれ異なるように制御する場合のタイミングチャートである。
符号の説明
10…計測装置、11…レンズ、15…CCD、15a…第1の画素、15b…第2の画素、15c…垂直転送路、15d…水平転送路、15e…出力部、15f…第3の画素、15g…第4の画素、16…CCD駆動回路、20…制御部、21…操作部、27…画像処理回路、28…差分処理回路、29…特徴点検出部、30…閾値演算部、31差分画像演算部、32…移動被写体検出部、34…変異量検出演算処理回路、35…距離演算部、36…時間演算部、37…軌跡演算部、38…位置演算部、39…速度演算部、40…面積演算部、42…LCDパネル、45…メモリカード、100…移動被写体、101…2次元的に面積が変化する被写体

Claims (8)

  1. 第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間とを異なるように制御可能な撮像手段と、
    一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出する検出手段と、
    前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出手段と、
    前記算出手段の算出結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする計測装置。
  2. 前記算出手段は、前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間との差分、前記計測装置と被写体との距離、及び前記撮像レンズの焦点距離に基づいて前記変異する被写体の移動速度及び面積の変化量の少なくともいずれか一方を算出することを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記出力手段は、表示手段に表示する手段、または記録手段に記録する手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の計測装置。
  4. 前記記録手段に記録する手段は、前記第1の画像および/または前記第2の画像と関連付けて前記算出結果を前記記録手段に記録することを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
  5. 前記記録手段に記録する手段は、前記第1の画像および/または前記第2の画像のデータ上に埋め込んで前記算出結果を前記記録手段に記録することを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
  6. 第1の画像〜第nの画像を構成する第1の画素群〜第nの画素群が所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群〜第nの画素群の露光時間をそれぞれ異なるように制御可能な撮像手段と、
    一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出する検出手段と、
    前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出手段と、
    前記算出手段の算出結果を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする計測装置。
  7. 第1の画像を構成する第1の画素群と第2の画像を構成する第2の画素群とが所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群の露光時間と前記第2の画素群の露光時間とを異なるように制御可能な撮像手段を用いた計測方法であって、
    一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像と第2の画像との差分に基づいて変異する被写体を検出する検出工程と、
    前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出工程と、
    前記算出工程の算出結果を出力する出力工程と、
    を備えたことを特徴とする計測方法。
  8. 第1の画像〜第nの画像を構成する第1の画素群〜第nの画素群が所定の配列形態にしたがって交互に配列された単一の撮像素子を有し、一度の撮影において前記第1の画素群〜第nの画素群の露光時間をそれぞれ異なるように制御可能な撮像手段を用いた計測方法であって、
    一度の撮影において露光時間が異なるように撮影された第1の画像〜第nの画像の差分に基づいて変異する被写体を検出する検出工程と、
    前記差分に基づいて前記変異する被写体の画像内の位置、移動速度、移動方向、及び面積の変化量のうち少なくとも1つを算出する算出工程と、
    前記算出工程の算出結果を出力する出力工程と、
    を備えたことを特徴とする計測方法。
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