JP2010154885A - 墜落防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者が高所において作業を確実に安全な状態で行ないうる墜落防止装置を提供する。
【解決手段】作業者を保持する墜落防止装置10は、墜落防止装置を所定の位置に連結する吊り下げロープ23と、作業者を保持する保持ロープ27とを含む。墜落防止装置10の円周上の一端には、吊り下げ用貫通孔21が設けられ、本体部20と吊り下げロープ23とを、吊り下げ用貫通孔21を介してシャックル22で接続する。シャックル22はU字状部材を含み、U字状部材の対向する両端部は板状であり、板の中央部には、両端部間を接続するためのシャックルピンが貫通可能な貫通孔が設けられ、シャックルはシャックルピンと、シャックルピンに係合可能なナット部材とを含み、ナット部材がシャックルピンに係合したときシャックルピンとナット部材との係合が緩まないようにするためのシャックルピン回り止め手段を含む。
【選択図】図2
【解決手段】作業者を保持する墜落防止装置10は、墜落防止装置を所定の位置に連結する吊り下げロープ23と、作業者を保持する保持ロープ27とを含む。墜落防止装置10の円周上の一端には、吊り下げ用貫通孔21が設けられ、本体部20と吊り下げロープ23とを、吊り下げ用貫通孔21を介してシャックル22で接続する。シャックル22はU字状部材を含み、U字状部材の対向する両端部は板状であり、板の中央部には、両端部間を接続するためのシャックルピンが貫通可能な貫通孔が設けられ、シャックルはシャックルピンと、シャックルピンに係合可能なナット部材とを含み、ナット部材がシャックルピンに係合したときシャックルピンとナット部材との係合が緩まないようにするためのシャックルピン回り止め手段を含む。
【選択図】図2
Description
この発明は高所作業において、作業者が墜落するのを防止する墜落防止装置に関し、特に、作業者を確実に安全に保持できる墜落防止装置に関する。
従来の、高所作業における作業者の墜落防止装置が、たとえば、特開平11−164898号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によれば、墜落防止装置は、所定の箇所に固定されるロープを巻き取り可能な巻き取りリールを有する本体部と、本体部の上端部に設けられ、所定の固定部に固定される吊り下げロープとを含む。リールから取出されたロープのリールとは反対側の端部は、本体部の下端部に設けられた開口から外部に延び、その先端部には連結金具が設けられ、連結金具が作業者の有する安全ベルト等に連結される。
特開平11−164898号公報(要約)
従来の墜落防止装置は上記のように構成されていた。従来の墜落防止装置の本体部の上端部における本体部と吊り下げロープとの連結構造を図6に示す。ここでは、吊り下げロープ30と本体部20との接続部のみを示す。
図6を参照して、墜落防止装置10の本体部20と吊り下げロープ30とはカラビナ50を用いて行なわれている。図6(A)および(B)はカラビナ50を用いて本体部20と吊り下げロープ30とを接続する手順を示す図である。図6(A)、(B)を参照して、カラビナ50は相互に対面する連結端部51a,51bを有し、通常は図6(B)に示すようにこの連結端部51a,51bは内部にネジ機構を有するカバー53で覆われている。まず、このカバー53を図6(A)に示すように下方向にずらして、ヒンジ54を中心として連結部52を図中矢印で示すように回転させ、空間連結端部51a下端部とヒンジ54との間に空間を形成し、この空間を用いて本体部20と吊り下げロープ30とを接続する。
通常は図6(B)に示す状態で本体部20と吊り下げロープ30とが接続されるが、使用中に振動等によりカバー53が回転されてずれるという問題があった。また、連結部52がヒンジ54を中心として回転し、連結端部51a,51b間が開くという問題があった。また、取付け作業中に、カラビナ50が図6(C)に示す状態で本体部20と吊り下げロープ30とを接続することが生じえた。カラビナ50は図6(C)に示すような状態で対向する2辺が引っ張られると、2辺に荷重がかかり、この荷重が大きすぎると、荷重に耐え切れなくなって破壊する恐れがあり、重大事故に繋がるという問題生じえた。
この発明は上記のような問題に鑑みてなされたもので、作業者が高所において作業を確実に安全な状態で行ないうる墜落防止装置を提供することを目的とする。
この発明に係る作業者を保持する墜落防止装置は、墜落防止装置の本体を所定の位置に固定する吊り下げ手段と、本体に対して伸縮自在に設けられ作業者を保持する保持ロープと、本体と吊り下げ手段とを接続するシャックルとを含む。本体の上端には吊り下げ用貫通孔が設けられ、吊り下げ用貫通孔を介して本体と吊り下げ手段とが接続され、シャックルのU字状部材の端部は板状であり、板の中央部には、両端部間を接続するためのシャックルピンが貫通可能な貫通孔が設けられ、シャックルピンは頭部と軸部材とを含む。シャックルピンは頭部と軸部とを含み、軸部にはネジ部が設けられ、シャックルはネジ部に係合するナット部を含み、シャックルは、ナット部材がネジ部に係合したときシャックルピンとネジ部との係合が緩まないようにするためのシャックルピン回り止め手段を含む。
好ましくは、シャックルは沈シャックルである。
さらに好ましくは、ナット部材はU字状部材の端部に設けられ、貫通孔に形成されたネジ溝であり、ネジ部はネジ溝に係合し、回り止め手段は、ネジ溝に係合したネジ部が回転しないように固定する固定手段を含む。
固定手段は、止めネジであってもよいし、ピンであってもよいし、ネジ部に係合する止め輪であってもよい。
吊り下げ用貫通孔の径は、U字状部材の両端部の板が挿通できない寸法であるのが好ましい。
墜落防止装置の本体と吊り下げ手段とはシャックルで接続されるため、従来のカラビナの場合に生じた事態は生じない。また、シャックルのU字状部材の対向する両端部はシャックルピンで接続され、シャックルピンの軸部にはネジ部が設けられ、シャックルはネジ部に係合するナット部を含み、シャックルは、ナット部材がネジ部に係合したときシャックルピンが回転して緩まないようにするためのシャックルピン回り止め手段を含む。したがって、ナット部材が緩んでネジ部と離れるという事態は生じない。
その結果、作業者が高所において作業を確実に安全な状態で行ないうる墜落防止装置を提供できる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る墜落防止装置10の使用方法を説明するための図であり、図2は墜落防止装置10の要部を示す図である。図2(A)は側面図であり、図2(B)は、図2(A)において、IIB-IIBで示す部分の矢視図である。
図1を参照して、作業者が高所で作業するときは、墜落防止装置10を用いて行なう。墜落防止装置10は、作業者の有する安全帯29の一部に安全フック28を介して接続される巻取りランヤード(以下、「保持ロープ」という)27と、保持ロープ27を巻き取り可能な巻き取りリールを有する円板状のリトラクタ式墜落阻止器具(以下、「本体部」という)20と、本体部20の上端部に設けられ、所定の固定部に固定される吊り下げ手段として作動する吊り下げロープ23とを含む。保持ロープ27は図示のないぜんまいばねを用いて、本体部20の内部へ引き込まれるように付勢されている。また、保持ロープ27は急に降下方向へ引っ張られて繰り出されると、内部に設けられたロック機構が作動し、作業者の墜落を防止する。なお、吊り下げ手段としては、ロープ以外のベルト等の任意のものを使用できる。
図2(A)および(B)を参照して、墜落防止装置10は、上記したように、保持ロープ27を巻き取り可能な巻き取りリールを有する本体部20と、本体部20の上端部に設けられ、所定の固定部に固定される吊り下げロープ23と、本体部20と吊り下げロープ23とを接続するシャックル22とを含む。
円板状の本体部20の外周部の一端部には吊り下げ用貫通孔21設けられ、吊り下げ用貫通孔21にはシャックル22が設けられ、シャックル22を介して吊り下げロープ23が接続されている。
吊り下げ用貫通孔21とはほぼ180度離れた位置には、図示のない巻き取りリールから取出された保持ロープ27が取出される開口(図示なし)が設けられ、開口から保持ロープ27が外部に延びる。ロープの先端部には安全フック28が設けられ、安全フック28が作業者の有する安全ベルト等に連結される。
次に、シャックル22と本体部20との接続状態について説明する。図3はシャックル22と本体部20との接続状態を示す図である。なお、ここでは、吊り下げロープの図示を省略している。図3(A)はシャックル22と本体部20との接続部の拡大図であり、従来の図6(B)に対応する。図3(B)は図3(A)において矢印IIIB−IIIBで示す部分の拡大矢視図である。図3(C)は図3(A)において、IIIC-IIICで示す部分の拡大断面図である。図3(D)は図3(A)に対応する図であり、墜落防止装置の本体部20が、シャックル22のU字状部材22cで支持される状態を示す図である。
図3(A)〜(C)を参照して、シャックル22は沈シャックルである。ここで、沈シャックルとは、シャックルのU字状部材の両端部を接続するシャックルピンがU字条部材の外部に突出しない、図3(A)に示すような形状のシャックルである。
シャックル22はU字状部材22cを含み、U字状部材22cの対向する両端部は円板22a,22bである。なお、円板以外の形状であってもよい。U字条部材22cの一端側の円板22aの中央部には開口部が円形のテーパ状であるテーパ状凹部22eが設けられ、円形のテーパ状凹部eの中央部には貫通孔22fが設けられている。U字条部材22cの他端側の円板22bの中央部には貫通孔22gが設けられている。
貫通孔22gにはネジ溝22dが形成されている。テーパ状凹部eおよび、貫通孔22f,22gには、両円板22a,22bを接続するためのシャックルピン24が挿入される。シャックルピン24は頭部24aと軸部24bとを含み、軸部24bの端部側にネジ山(ネジ部)が形成され、それによって軸部24bの端部がネジ溝22dに係合する。シャックルピン24の頭部24aがテーパ状凹部e内に回転可能に収容され、それによって、図3(A)に示すように、シャックルピン24の頭部24aが円板22aの外部に突出しない。なお、シャックルピン24の頭部24aにはシャックルピン24を締め付けるための凹部24iが設けられている。
吊り下げロープ23と本体部20とを接続するときは、吊り下げロープ23の端部の係合用貫通孔をシャックル22のU字条部材22cに通し、その後、シャックル22のU字状の端部に位置する円板22a,22bの中心部と本体部20の吊り下げ用貫通孔21とを一致させた状態でシャックルピン24を円板22a側から通し、軸部24bをネジ溝22dに係合させる。なお、このネジ溝22dがナット部材として機能する。
図3(C)に示すように、円板22bには外周部から内周部に向かって貫通孔22hが設けられるとともに、シャックルピン24の軸部24bの貫通孔22hに対応する位置には、貫通孔24cが設けられている。なお、この貫通孔24cは底部のある穴であってもよい。これらの貫通孔22h、および、24cにはナット部材24の回り止め(シャックルピン回り止め手段)として、止めネジ25が挿通されうる。貫通孔22h、24cは内径部にネジ溝を有し、止めネジ25は外周部にネジ山を有し、ねじ山が穴24cのネジ溝に相互に係合する。なお、貫通孔24cは軸部24bの外周方向に複数設けられてもよい。ここで、止めネジ25がネジ溝に係合したネジ部が回転しないように固定する固定手段として機能しているが、これ以外にピンや、それ以外の任意の方法で固定してもよい。
ここで、ピンで固定する場合は、テーパピン、平行ピン、ダウエルピン等の任意のピンを用いてもよいが、波型スプリングピンや溝付きスプリングピン等のスプリングピンが好ましい。
なお、吊り下げ用貫通孔21の径は、U字状部材22Cの両端部の円板22a,22bが挿通できない寸法である。このようにすることによって、図3(D)に示すような事態は生じない。
また、上記実施の形態においては、沈シャックル22にネジ溝22dを設けて、これをナット部材として使用する場合について説明したが、沈シャックルに限らず、円板22bの外側においてシャックルピン24の軸部24bに係合する通常のナットを設け、このナットに上記と同様の貫通孔を設けてシャックルピン回り止め手段として作動させてもよい。
次にこの発明の他の実施の形態について説明する。図4はこの発明の他の実施の形態に係るシャックル50を示す斜視図である。ここでは、シャックル50をシャックルピン54の軸端部54b側から見ている。図4を参照して、このシャックル50においては、シャックルピン回り止め手段の固定手段として、止めネジ51が円板52と軸端部54bとの境界部に設けられる。ここで、止めネジ51は先の実施の形態と同様に、軸方向の円周面にねじ山を有し、円板52と軸端部54bの対応する部分にはネジ穴が設けられている。その結果、図4に示すように円板52と軸端部54bの端部内に埋め込まれる。
なお、止めネジやピンの取り付け位置は、シャックルピンの軸端部側に限らず、頭部側に設けてもよい。
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。図5はこの発明の他の実施の形態に係るシャックル60を示す図である。図5(A)はこの実施の形態におけるシャックル60の全体構成を示す図であり、図5(B)はC型止め輪67の平面図である。図5を参照して、シャックル60はU字状部材63の両端部に設けられた円板61,62を含み、この両端部を頭部64aと軸部64bとを有するシャックルピン64で接続している。
この実施の形態においては、円板62の内部に設けられたネジ溝に係合したシャックルピン64の図示のないネジ部が回転しないように固定する固定手段として、C型止め輪67を用いている。なお、止め輪としては、C型に限らず任意の止め輪を使用できる。
なお、図7は図3に示したシャックルの斜視図である。図8は図7に示したシャックルの六面図である。図8(A)は正面図であり、図8(B)は左側面図であり、図8(C)は右側面図であり、図8(D)は背面図であり、図8(E)は平面図であり、図8(F)は底面図である。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る墜落防止装置は、作業者が高所において作業を確実に安全な状態で行ないうるため、墜落防止装置として有利に使用される。
10 墜落防止装置、20 本体部、21 貫通孔、22 シャックル、23 吊り下げロープ、24 シャックルピン、27 保持ロープ、29 安全帯。
Claims (6)
- 作業者を保持する墜落防止装置であって、
前記墜落防止装置の本体を所定の位置に固定する吊り下げ手段と、
前記本体に対して伸縮自在に設けられ作業者を保持する保持ロープと、
前記本体と前記吊り下げ手段とを接続するシャックルとを含み、
前記本体の上端には吊り下げ用貫通孔が設けられ、
前記吊り下げ用貫通孔を介して前記本体と前記吊り下げ手段とが接続され、
前記シャックルのU字状部材の端部は板状であり、前記板の中央部には、前記両端部間を接続するためのシャックルピンが貫通可能な貫通孔が設けられ、
前記シャックルピンは頭部と軸部とを含み、前記軸部にはネジ部が設けられ、
前記シャックルは前記ネジ部に係合するナット部材を含み、
前記シャックルは、前記ナット部材が前記ネジ部に係合したとき前記シャックルピンとネジ部との係合が緩まないようにするためのシャックルピン回り止め手段を含む、墜落防止装置。 - 前記シャックルは沈シャックルである、請求項1に記載の墜落防止装置。
- 前記ナット部材は前記U字状部材の端部に設けられ、前記貫通孔に形成されたネジ溝であり、
前記ネジ部は前記ネジ溝に係合し、
前記回り止め手段は、前記ネジ溝に係合した前記ネジ部が回転しないように固定する固定手段を含む、請求項1または2に記載の墜落防止装置。 - 前記固定手段は止めネジまたはピンである、請求項3に記載の墜落防止装置。
- 前記固定手段は、前記ネジ部に係合する止め輪である、請求項3に記載の墜落防止装置。
- 前記吊り下げ用貫通孔の径は、前記U字状部材の両端部の板が挿通できない寸法である、請求項1〜5のいずれかに記載の墜落防止装置。
Priority Applications (1)
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JP2008333502A JP2010154885A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 墜落防止装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017001849A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | エレベータの改修方法 |
JP2017007820A (ja) * | 2015-06-23 | 2017-01-12 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | エレベータの改修方法 |
CN114482514A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-05-13 | 上海二十冶建设有限公司 | 一种用于房建高空施工的安全悬挂结构 |
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2008
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CN114482514B (zh) * | 2021-12-30 | 2023-05-30 | 上海二十冶建设有限公司 | 一种用于房建高空施工的安全悬挂结构 |
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