JP2010154175A - 移動体遠隔制御システム - Google Patents
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Abstract
移動体を搬送制御する信号の電界強度を微弱に設定可能としながら、良好な通信品質を得ることができ、かつ遠方への放射を減らすことができる移動体遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】
移動体を所定の箇所に誘導するように敷設された誘導線路(平衡給電線20)と、移動体の一部に配置され、誘導線路に沿って前記移動体を搬送制御するための送受信通信用の結合器20を備え、結合器20は出力が交叉して接続される第1のループアンテナ21と第2のループアンテナ22を有し、平衡給電線20の中心から第1のループアンテナ21の中心までの距離は平衡給電線20の中心から前記第2のループアンテナ22の中心までの距離に比べて近い距離に設定され、移動体を搬送制御する信号の電界強度は微弱に設定可能とされる。
【選択図】図1
Description
図12は特許文献2に記載される結合器を用いた移動体遠隔制御システムの模式図であり、1は地上又は天井等に敷設されている誘導線路で、通常2本の平行導線1a、1bを誘電体材料1cによって支持している平衡給電線である。
また、2は移動台車3の所定の箇所に配置されている受信素子、又は送信アンテナに相当する結合器であり、ループ状に形成した単一の静電遮蔽型ループアンテナによって上記給電線1から漏洩している高周波を受信すると共に、移動台車から各種情報を送信するものである。
これらの成分は、図13に示されるとおり、1/R3に比例する成分と1/R2に比例する成分は遠距離まで到達しないが、1/Rに比例する成分は比較的遠距離に届くという特性を持っている。
付け加えるならば、他の作業機械が大きな電磁波を放射すると、その非希望波は遠方にある移動体通信システムにまで到達することになる。
一般に非希望波成分の影響度は、希望波成分と非希望波成分との比率によるD/U(Desired to UnDesired Signal ratio)比を用いて、デシベル(dB)の単位で表される。
さらに単一の静電遮蔽型ループアンテナの周辺で非希望波の強度が増したとすると、先のカーブbは上方向に移動してカーブcとなり、Uout2の出力成分を出力する。
このとき、希望波の電界強度が一定であれば、先に述べたD/U比が小さくなるので、移動体通信システムは良好な通信品質を保てなくなり、最悪の場合に通信不可能となる。
前記送受信通信用の結合器は、出力が交叉して接続される第1のループアンテナと第2のループアンテナを有し、前記誘導線路の中心から前記第1のループアンテナの中心までの距離は、前記誘導線路の中心から前記第2のループアンテナの中心までの距離に比べて近い距離に設定され、前記移動体を搬送制御する信号の電界強度は、微弱に設定可能とされることを特徴としている。
さらに、誘導線路と結合器との間の交信に必要な電界強度は、微弱に設定できる。
また、送受信の可逆性が成り立つので、結合器から遠方への放射を減らすことができる。
10は平行する2本の導線10a、10bを誘電体材料10cによって保持している平衡給電線であり、その一部が断面図としてY方向に延びている。
20は静電遮蔽するように作られた二つのループアンテナの出力を交叉して接続し、各々のループアンテナに流れる電流の差分を取り出すようにした結合器である。
結合器については後に詳しく説明する。
つまり、例えば平衡給電線10は工場内のシステムコントローラから出力されるコントロールデータで変調された高周波により誘導磁界を発生し、その誘導磁界を結合器20でピックアップして電気信号に変えた後、送受信回路40でコントロールデータに復調してデータ伝送できる。
また、結合器20から移動体30の情報を誘導磁界で平衡給電線10に送出し、平衡給電線10に接続されているシステムコントローラに対して、移動体の識別番号や状態を伝送できる。
なお、給電線10はその1端部に整合インピーダンスZ、また他端部に送信出力源S、又は受信端子が付加されることになる。
次に、本発明に適用される結合器の実施形態を説明する。
図2は図1の結合器20の周辺を拡大した図であり、結合器20は第1のループアンテナ21と第2のループアンテナ22と接続部23から構成されることを示している。
図3は図2の結合器20の中心線を含むA−A矢印方向に見た断面図である。
このとき外部導体21bは、第1のループアンテナ21の一方の端部と他方の端部の間でショートしている。
第2のループアンテナ22の内部導体22aは、スリット222においてはそのまま露出するように接続されており、一方の端部が外部導体22bに接続されて第2のループアンテナ22の一方の出力となり、他方の端部は第2のループアンテナ22の他方の出力となる。
このとき外部導体22bは、第2のループアンテナ22の一方の端部と他方の端部の間でショートしている。
具体的には、接続線23aは第1のループアンテナ21の他方の出力と第2のループアンテナ22の他方の出力とを接続し、接続線23bは第1のループアンテナ21の一方の出力と第2のループアンテナ22の一方の出力とを接続する。
なお、これら二つのループアンテナが、交叉して並列に接続したことによる動作原理については、後で詳しく説明する。
なお、これら二つのループアンテナが、交叉して直列に接続した場合の動作原理については、後で詳しく説明する。
図4は結合器20の別の実施形態を示す図であり、図1の実施形態と異なる部分のみを以下に説明する。
よって、第1のループアンテナ21と第2のループアンテナ22の端部の処理が簡略化されるため、同軸ケーブルの加工が容易となる。
次に、本発明に適用される結合器の動作原理を説明する。
図5は、図2の結合器20以後を交流回路として見た場合を示した模式図であって、前述したとおり、第1のループアンテナ21と第2のループアンテナ22は交叉して並列に接続しており、その出力が出力用同軸ケーブル50によって負荷へ接続されていることを示している。
なお、図2と対応する部位には同一符号を付しており、加えてi1は第1のループアンテナに入る磁力線の変化によって第1のループアンテナに流れる電流であり、i2は第2のループアンテナに入る磁力線の変化によって第2のループアンテナに流れる電流であり、i3は結合器から外部負荷に出力される電流である。
これとは逆に、第1のループアンテナと第2のループアンテナとに入る磁力線の変化量が異なると、それに相当する電流がi3として出力される。
同様にして、図6は、結合器20の別の実施形態として述べた、第1のループアンテナ21と第2のループアンテナ22は交叉して直列に接続した場合について、結合器20以後を交流回路として見た場合の電流経路を示した模式図である。
次に、本発明に適用される結合器が、希望波と非希望波に対応する出力の比(D/U比)を大きくできる理由について、図7を用いて説明する。
さらに、結合器は、二つのループアンテナの出力を交叉して接続していることで、電磁波を受信した場合に各々のループアンテナに流れる電流の差分を取り出すことができるものである。
また、非希望波の波源は、図3に示したとおり結合器20より距離d3を離れた位置にあるものとする。
結合器20と平衡給電線10との距離d1は、使用周波数の波長λに対して十分に小さいλ/30〜λ/200とし、結合器20と平衡給電線10とが図13で示した1/R3に比例する成分によって十分に結合する距離に設定される。一例をあげると200MHzにおいての距離d1は7.5〜50mmの近距離となる。
結合器20が受信する非希望波は平衡給電線10が放射する電磁波以外が放射する電磁波と言うことができ、非希望波の代表例として他の作業機械が放射する電磁波が上げられる。
つまり、非希望波の波源は結合器20と平衡給電線10の距離d1に比べて十分に遠方と言える距離d3を離れた位置にあると言えることから、非希望波の波源が横軸のゼロの位置にあるとした非希望波の波源からの距離と電磁界強度の関係を示すカーブbは図13で示した1/Rに比例する成分が適用される。
次に、本発明に適用される結合器の結合強度の測定例について説明する。
よって、例えば平成20年12月時点の電波法施行規則に規定するとおり、3mの距離だけ離間したときに500μV/m以下の電界強度となるようにすれば移動体の型式認定の申請を不要とできるなど、使用周波数範囲の条件を緩和できる。また、他国の例では電界強度を使用周波数によって3m、10m等の距離だけ離間したときに200μV/m以下等とすることで使用認定可能となる。
さらに、他の通信機器にとっての不要波の放射を減らせると共に、他の設備機器に誤動作を与える恐れがない。
「実施形態1」
次に、図2と図3を用いて、平衡給電線と結合器との配置についての実施形態を説明する。
そして、距離d1と距離d2は、d1≦d2の関係にあることが望ましい。
さらに、図10は平衡給電線と結合器との配置についての二番目の実施形態を示した図である。
図2の実施形態と異なるのは、平衡給電線10の中心が第1のループアンテナ21のループ面と同一平面上に位置していることである。
さらに、図11は平衡給電線と結合器との配置についての三番目の実施形態を示した図である。
図10の実施形態と異なるのは、平衡給電線10の中心と、第1のループアンテナ21のループ面と、第2のループアンテナ22のループ面とが同一平面上に位置していることである。
本発明に適応される結合器は、受信素子であると共に、送信アンテナとしても動作する。
つまり、1個の結合器を例えばスイッチまたは分波器で切換ながら、平衡給電線から放射する誘導磁界の受信用と、移動台車から各種情報を送信用とを兼ねることができる。
そして、各国の電波使用の規定は3m、10m等の遠方の電界強度を規定していることから、当該規定を満足しながら結合器が発生する1/R3に比例する成分の信号強度を上げることができので、誤りデータの発生率を低下することができ、より良い通信品質が得られる。
1a,1b,10a,10b 導線
1c,10c 誘電体材料
2,20 結合器
3,30 移動体
4,40 送受信回路
5,50 出力用同軸ケーブル
21 第1のループアンテナ
22 第2のループアンテナ
21a,22a,50a 内部導体
21b,22b,50b 外部導体
23 接続部
23a,23b 接続線
Claims (3)
- 移動体を所定の箇所に誘導するように敷設された誘導線路と、
前記移動体の一部に配置され、前記誘導線路に沿って前記移動体を搬送制御するための送受信通信用の結合器を備え、
前記誘導線路は誘電体によって所定の間隔で支持されている2本の平行導体によって形成されている平衡給電線によって構成される移動体遠隔制御システムにおいて
前記送受信通信用の結合器は、出力が交叉して接続される第1のループアンテナと第2のループアンテナを有し、
前記誘導線路の中心から前記第1のループアンテナの中心までの距離は、前記誘導線路の中心から前記第2のループアンテナの中心までの距離に比べて近い距離に設定され、
前記移動体を搬送制御する信号の電界強度は、微弱に設定可能とされることを特徴とする移動体遠隔制御システム - 前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナは、外層の遮蔽体の一部にスリットを入れた同軸ケーブルをループ状に曲げて形成された静電遮蔽型ループであり、前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナの寸法及び、前記第1のループアンテナと前記平衡給電線間の離間距離は、前記移動体を搬送制御する信号の波長λに対して1/30〜1/200となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の移動体遠隔制御システム
- 前記誘導線路と前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナの中心は、同一直線上にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動体遠隔制御システム
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110607 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111025 |