JP2005045326A - 移動体通信用結合器 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体に載置される結合器と誘導線路の結合感度が向上するようにする。
【解決手段】平行2線路からなる平衡給電線10に対して、金属板等からなる電界結合器20と、ループ状に形成されているシールデッド磁界結合器30を近接して移動体に取り付け、移動体と給電線10の結合を行う。
上記電界結合器と、磁界結合器の出力レベルの高い方を選択的に出力するようにしているので、給電線に定在波が乗っているような場合でも変動の少ない送受信を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】平行2線路からなる平衡給電線10に対して、金属板等からなる電界結合器20と、ループ状に形成されているシールデッド磁界結合器30を近接して移動体に取り付け、移動体と給電線10の結合を行う。
上記電界結合器と、磁界結合器の出力レベルの高い方を選択的に出力するようにしているので、給電線に定在波が乗っているような場合でも変動の少ない送受信を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば誘導線路に沿って移動する移動体に信号を供給すると共に、移動体から前記誘導線路に対して信号を伝達する際に好適な移動体通信用結合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、超精密加工を施す半導体回路(IC回路)の製造工場、または機械部品製造工場等では、省力化のために多くの自動作業機械が導入されており、これらの各部の作業機械に供給する材料や、加工後の製品、及び各種のツールを搬送するために、誘導線路に沿って所定の箇所まで自動的に移動できるように設定される移動体、例えば輸送ロボットや、搬送台車が利用されている。
【0003】
これらの移動体には、工場や、倉庫内に敷設されている誘導線路、(例えば平衡給電線)と電磁誘導結合により非接触の状態で通信を行う結合器が配設されており、該結合器を介して、移動体への制御信号または移動体からの各種信号で変調された高周波を相互に送受信することにより、誘導線路に接続されている固定通信装置等の間で双方向の通信が行われるようになっている。
【0004】
図9はかかる移動体の概要を示す模式図であって、1は地上又は天井等に敷設されている誘導線路で、通常2本の平行導線1a、1bを誘電体材料1cによって支持している平衡給電線である。
また、2は移動台車3の所定の箇所に配置されている受信素子、又は送信アンテナに相当する結合器であり、通常は空心のコイル2aによって上記誘導線路1から漏洩している電磁波を受信し、または移動台車3からの応答信号を外部に送出する。
受信された電磁波から図示しない受信回路によって復調された制御信号は、移動台車3の駆動機構等を制御する。例えば、移動台車3の走向及び停止を制御すると同時に、制御信号によっては搬送している製品の積み替え、積み卸し等を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような移動台車3の設置環境には多くの自動制御機械や、駆動機構が混在しているため、できるだけ外部に放射される電磁波のレベルは小さくすることが要請されるが、誘導線路1に注入される電磁波の強度が小さくなると、受信時、または送信時に結合器2の入出力信号のS/Nが低下し誤動作の原因になる。
また、誘導線路としての2本の導体1a、1bによって構成されている平衡給電線1が長くなったり、その敷設方向等が変化すると、給電線の特性インピーダンスZが変化することにより、インピーダンスのミスマッチが容易に発生し、これによって平衡給電線1に定在波が乗りこの定在波によって受信信号強度が移動体の位置で変動し誤作動を生じるという問題が生じる。
【0006】
図8(a)(b)は先に示した従来のコイル2aを備えたソレノイド型結合器をアンテナとして載置した移動体の周波数変化に対する結合度の変化を測定したもので、横軸はセンター周波数が550MHz、1目盛が100MHzとされ、縦軸が結合度を示す信号レベル(1目盛ー10dB)である。
図8(a)は信号レベルは平衡給電線のインピーダンスが200Ω、その終端インピーダンスを100Ωとして定在波が発生している状態の移動台車の位置Aのデータであり、(b)は位置Aと異なる他の位置Bにおけるものであるが、送信周波数として使用されている220MHzの点(白3角)点のレベルは位置A点と位置B点で8dB差以上あることが観測されている。これは、コイル2aが平衡給電線に対して磁気的に結合すると共に、電界的(容量的)にも結合しているため、電界による定在波と磁界による定在波の双方の影響を受けて結合度が位置によっても大きく変動するものと考えられる。
【0007】
そこで、結合器2として方向性結合器を使用し、例えば誘導線路に発生している定在波の進行波、又は逆方向の反射波のみを受信するようにすることが考えられるが、通常上記したような移動台車3は、誘導線路上で常に一方向のみで走行するとは限らないので、このような方向性結合器を使用すると移動体の走行方向に制約を受けることになる。
【0008】
また、下記引用文献にみられるように、結合器を2カ所所定の間隔(波長)だけはなして、定在波による影響をキャンセルするように合成することが考えられているが、この場合、波長により結合器の載置位置に制約があり、移動体の設計の自由度が失われるという問題がある。
【特許文献】特開2001−7744号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動体通信用結合器はかかる問題点を低減することを目的としてなされたもので、
平板状に形成された導体により形成した電界結合器と、ループ状に形成した導体の表面を外部導体によってシールドすることによって構成された磁界結合器とを近接して移動体の一部に配置し、上記電界結合器または磁界結合器が誘導線路に近接して上記移動体と共に移動するように配置すると共に、上記誘導線路と上記磁界結合器または上記電界結合器との間の誘導電磁界により得られる上記磁界結合器、または上記電界結合器の出力信号の大きい方の信号をスイッチ手段を介して上記移動体の制御部に取り込むことにより上記移動体の各種制御を行うようにしたものである。
【0010】
なお、上記磁界結合器と、電界結合器の位置は移動台車上でほぼ同一の位置に配置されるが、電界結合器を磁界結合器よりも誘導線路に対して近接するように配置しても良く、さらに、上記誘導線路の反対側に相互に電界結合器と、磁界結合器を分けて配置するようにしてもよい。
【0011】
また、上記誘導線路は、平衡する2線の導体によって構成することにより安価に敷設することができるようにするとともに、上記平衡線路から放射される漏洩電磁界、または移動体の電界結合器、及びまたは磁界結合器から放射される電磁波の強度は、国内の微弱電波の規格内とされるように設定し、電波の利用が有効に行われるようにした。
【0012】
【作用】
給電線と移動体を接続するための結合器が、磁気結合をするような磁界結合器と、静電的にのみ結合する電界結合器の組み合わせによって構成されているので、誘導線路に定在波が乗っているときでも、磁界による定在波は磁界結合器によってのみ受信され、磁界による定在波に対してほぼ180度の強度変化の位置の差を有している電界による定在波は、電界結合器によって受信されるので、移動体の位置に応じて電界強度が変化したときでも、磁界、または電界による定在波のいずれか受信レベルの高い方の信号を移動体の制御信号として常に取り込むことができ、受信時に結合度の変動に基づく受信レベルの変動が減少し、安定した制御を行うことができるようになる。
また、特に磁界結合器はループ状の導体を静電的にシールドしているので、送信に使用した場合、主に、1/R3成分の磁界によってのみ結合される磁気結合となるので、伝送媒体となる電波の出力を国内法に定める微弱電波規格としたときでも、従来の結合器に比較して平衡線路に発生する受信電力を大きくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の移動体通信用結合部の要部を模式的に示したもので、10は平行する2本の導線10a、10bを誘電物10cによって保持している平衡給電線(以下、単に給電線という)であり、その一部が断面図とされY方向に延びている。
20は分割された2枚の平板状の非磁性体からなる金属板20a、20bを給電線10に沿って近接(例えば距離d=10mm〜50mm)して配置し、給電線10から漏洩している電界成分に結合するように配置された電界結合器である。
【0014】
30はループ状に形成され、前記電界結合器20に距離d1だけ近接して配置されている磁界結合器を示し、この磁界結合器30は、後述するようにほぼ円形に加工されている内部導体と外部導体によって構成されている同軸ケーブルを加工することにより構成される。
【0015】
そして、電界結合器20、および磁界結合器30は給電線10と例えば距離d+d1で、x、y平面上に載置されるように、図示されていない移動体に固定され、先に述べたようにこの移動体50の送受信回路40に接続され、給電線10との間でデータの送受信を行う。
すなわち、例えば工場内のシステムコントローラから出力されるコントロールデータで変調された高周波により前記給電線10から放射される際の漏洩電磁界をピックアップすると共に、この電界結合器20、および、または磁界結合器30により、当該移動体の情報で変調した高周波を前記給電線10に送出し、給電線10に接続されているコントロールシステムに対して、移動体の識別番号や状態を伝送するようにしている。
なお、給電線10はその1端部に整合インピーダンスZ、また他端部に送信出力源Sが付加されることになる。
【0016】
図2(a)(b)は磁界結合器30の詳細な内容の実施例を示したもので(a)の場合は2本の同軸ケーブル、(b)の場合は1本の同軸ケーブルの加工によって形成される。
これらの図において、例えば、直径が数mm程度の同軸ケーブル31を直径Dが数十mm程度の円形に加工し、この円形の同軸ケーブル31の上下にスリット(切り込み)32及び33を入れている。但し図2の(b)の場合は下方のスリットが必要でない。
内部導体31aは切り込み32においてはそのまま露出するように接続されており、図2(a)の場合では、切り込み33においては内部導体31aの一方の端部は第2の同軸ケーブル34の内部導体31aと接続され、他方の端部は外部導体31bと接続されているが、図2(b)の場合は他方の端部はそのまま外部導体31bに接続されている。
図2の(a)の場合は同軸ケーブル31と信号の入出力を行っている第2の同軸ケーブル34の外部導体31bの部分は、同時にアース点となるように接続されているが、図2の(b)の場合は1本の同軸ケーブルで構成できるため外部導体31bの接続が容易になる。
この磁界結合器30の入出力端子は第2の同軸ケーブル34の部分の他方の端子から送受信機回路40に接続されることにより、整合状態で信号の入力及び出力が行われる。
【0017】
上記したような磁界結合器30の主要部の構成は、いわゆるシ−ルデッドループアンテナの構造となっており、外部導体31bが給電線10に対して静電遮蔽効果を示すと共に、ループ状に形成されている内部導体31aが給電線10の漏れ磁束に対して磁界結合することになる。したがって、給電線10から放射される電界成分に対して殆ど影響されることなく磁界結合を行うことができる。
【0018】
図3は給電線10から漏れている電磁界をピックアップする電界結合器20、および磁界結合器30の入力回路例を示したものである。
この図において電界結合器20の誘電出力は高入力インピーダンスの整合回路41に入力され、磁界結合器30の誘導出力は低インピーダンスの整合回路42に入力されている。
そして、 整合回路41の出力及び整合回路42の出力はそれぞれ高周波増幅器、復調、及び復号を行っている受信回路43,および44に供給される。
【0019】
受信回路43,及び44の復調出力はそれぞれエラー判定回路45に入力され、入力された磁界検出信号、又は電界検出信号の復調されたデータの例えばエラー発生率等を監視し、電界結合器30または磁界結合器20の何れの受信出力のエラー発生率が大きいかによって、出力信号がHレベル及びLレベルとなる信号を出力する。
このデジタル信号はスイッチ回路46の制御信号として供給され、例えば電界結合器20側の出力が磁界結合器30側の検出出力より高いと判断したときは、スイッチのa接点が選択され受信回路43の検出信号が出力される。
また、磁界結合器20の出力が電界結合器30の出力より低い場合は、スイッチのb接点が選択され、受信回路44の出力、すなわち、磁界結合器30がピックアップした信号を出力する。
なお、エラー判定回路45は入力信号の比較時にヒステリシス特性を有するように設定することによって、スイッチのチャッタリングを防止するように構成することが好ましい。
電界結合器20、及び磁界結合器30は送受信に対して可逆定理が成立するので、移動体が誘電線路に対して自己の情報を送出するときは、上記電界結合器20及びまたは磁界結合器30をアンテナとするように切り換え、図示されていない送信機から送信電力を供給して誘導線路に送出することができる。
【0020】
なお、本発明の実施の形態である上記した磁界結合器30において、国内の電波法に定める微弱電波に対してこのような磁気結合器30が特に有効である理由を以下に示す。
【0021】
図4に示すように波長に比べて十分に小さいループアンテナから放出される電磁界はアンテナ理論で知られているように微少な磁気ダイポールアンテナの電磁界を解析することにより知ることができる。
この図においてx、y、z軸上の原点(波源)に仮想の磁気ダイポールを形成するループに囲まれた面積をS、ループに流れる電流をIとすれば、原点からz軸に対してθ、x軸に対してΦ、原点からの距離Rとなるp点における微少ループアンテナの電磁界H,Eは、微少電気ダイポールアンテナの電磁界を示す式の双対性から以下のような式によって示される。
【数1】
但し、kは波数でk=2π/λである。
この式において磁界の成分を示すHRおよびθ方向の磁界成分Hθは、距離Rに反比例する成分と、距離R2に反比例する成分、及び距離R3に反比例する成分を有する。
【0022】
すなわち、原点から放射される電磁界の強度は、図5に示すように波源からの距離Rに対応して変化する成分に分けることができ、良く知られているように近距離の電界成分を示す1/R3の成分は準静電磁界であり、また、1/R2の成分は誘導界と呼ばれてこれらは遠距離に到達しない。
これに対して1/Rの成分は、いわゆる放射電磁界となって比較的遠距離に届く成分である。
ここでループの直径が波長に比べて十分小さい、例えば、100〜200MHzの周波数帯以上では、原点付近(10〜50mm)では1/R3の成分が支配的になり、3m位離れると1/Rの成分Eφ、Hθ(放射電磁界)が支配的になる。
【0023】
ところで、国内で使用できる微弱電波の規格は例えば3mの距離だけ離間したときに500μV/m以下の電界強度と規定されているので、本願発明が対象とする移動体側から発生する電界強度が微弱電波の規定を満たすようにしなければならない。
本発明のループ状の磁界結合器30はその寸法が使用波長に対して十分小さく、かつ使用周波数f(150〜200MHz)の波長λに対して十分に小さい距離R、例えば、λ/30〜λ/200(10mm〜50mm)により給電線10と結合されているので、1/R3に比例する誘導磁界成分が十分大きなレベルとなるが、十分に遠くまで伝搬する1/Rに比例する成分は殆ど発生しない。
その結果、磁界結合器30に供給されている電力を大きくしても十分に微弱電波の規格をクリアすることができる。
【0024】
図6(a)(b)は200Ωの給電線に定在波比が2となるような終端インピーダンスを接続して、上記電界結合器20と磁界結合器30によってピックアップした受信信号のレベル(1目盛/−10dB)を示したもので、(a)の方は給電線のA点の位置、(b)はA点と異なるB点の受信信号である。
この図から、本発明の移動体の結合器は平衡線路からの漏れ電界と漏れ磁界を別個の結合器によって検出できることがわかる。
これらの検出出力は図に見られるように特に150MHz〜250MHz帯ではほぼ180度の位置の違いで磁界と電界が交互に顕著にディップする点が見られる。しかし先に示したように本発明の場合はエラー判定回路を受信回路に設け、ダイバシティ受信回路のように磁界検出出力と、電界検出出力のいずれかレベルの高い方のみを選択して取り込むように構成されているので、磁界と電界の異なる位置の違いによって、大きさと位相が異なる定在波が合成されて出力されることがなくなり、特に受信レベルの変動を少なくすることができる。
【0025】
図7(a)(b)は結合器の状態が図6の場合と同様なデータであるが、給電線の終端インピーダンスが200Ωとされ、定在波が生じていないときの受信レベル(結合度)を示す。
この場合は定在波が殆ど生じていないので、電界レベル、および磁界レベルとも大きな変動がない。しかしこのような状態でも、移動体の走行状態により給電線と移動体の相対的な距離及び向きが変動して電界レベルと磁界レベルが変動することがあるが、本発明のように電界検出信号と磁界検出信号のいずれか高い方のレベルを選択的に取り込むことによって、受信レベルの変動を抑圧し、同時にエラー発生率を小さくすることができる。
【0026】
なお、上記実施例のように誘導線路に対して電界結合器20を磁界結合器30より近接すように位置すると、電界結合器20によって静電的に電界を遮蔽し、磁界結合器30で効果的に誘導線路の磁界を受信することができるが、また、移動体の種類によっては誘導線路(平衡給電線10)を挟んで、それぞれ電界結合器20と磁界結合器30を相互に分けて配置するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体通信用結合器は誘導線路にそって走行する移動体に載置する結合器として、給電線に対して静電的に結合する電界結合器と、ループ状のコイルをシールドした磁界結合器を使用すると共に、電界結合器、又は磁界結合器から出力される受信レベルの高い方の受信信号をスイッチ等で切り替えて出力するようにしているので、誘導線路に対して定在波が乗っているようなときでも、高い結合度を維持できるという作用を有する。
また、特に磁界結合はループ状のコイルを静電的に遮蔽し、その形状が制御用の信号で変調された電磁波の波長λに対して小さくなるように設定されているので、主に電磁界強度が1/R3となるような成分を使用することになり、遠距離まで伝達する1/R成分が抑圧されて微弱電波の法規制を容易にクリアしながら、送受電力を増加し送受信号のS/N比を高くして誤りデータの発生率を低下することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体通信用結合器と平衡給電線の関係を示す主要部の模式図である。
【図2】本実施例に採用されるループ状のシールドデッド結合器の説明図である。
【図3】結合器の受信回路の一例を示すブロック図である
【図4】微少磁気ダイポールアンテナ放射電磁界を説明するための説明図である。
【図5】微少ダイポールアンテナから放射される電磁界の距離に対する電磁界成分を説明する説明図である。
【図6】給電線に定在波が乗っているときの受信電界及び受信磁界のレベル(結合度)を示す示す実験グラフである。
【図7】給電線に定在波が乗らないようにしたときの受信電界と受信磁界のレベルを示す実験グラフである。
【図8】従来のソレノイド型の結合器の受信レベル(結合度)を示す実験データ図である。
【図9】従来のコイル型の結合器と誘導線路の結合状態を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 平衡給電線
20 金属板からなる電界結合器
30 シールドされたループ状の結合器
31a 内部導体
31b 外部導体
32,23 切り込み
34 第2の同軸ケーブル
40 送受信回路
50 移動体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば誘導線路に沿って移動する移動体に信号を供給すると共に、移動体から前記誘導線路に対して信号を伝達する際に好適な移動体通信用結合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、超精密加工を施す半導体回路(IC回路)の製造工場、または機械部品製造工場等では、省力化のために多くの自動作業機械が導入されており、これらの各部の作業機械に供給する材料や、加工後の製品、及び各種のツールを搬送するために、誘導線路に沿って所定の箇所まで自動的に移動できるように設定される移動体、例えば輸送ロボットや、搬送台車が利用されている。
【0003】
これらの移動体には、工場や、倉庫内に敷設されている誘導線路、(例えば平衡給電線)と電磁誘導結合により非接触の状態で通信を行う結合器が配設されており、該結合器を介して、移動体への制御信号または移動体からの各種信号で変調された高周波を相互に送受信することにより、誘導線路に接続されている固定通信装置等の間で双方向の通信が行われるようになっている。
【0004】
図9はかかる移動体の概要を示す模式図であって、1は地上又は天井等に敷設されている誘導線路で、通常2本の平行導線1a、1bを誘電体材料1cによって支持している平衡給電線である。
また、2は移動台車3の所定の箇所に配置されている受信素子、又は送信アンテナに相当する結合器であり、通常は空心のコイル2aによって上記誘導線路1から漏洩している電磁波を受信し、または移動台車3からの応答信号を外部に送出する。
受信された電磁波から図示しない受信回路によって復調された制御信号は、移動台車3の駆動機構等を制御する。例えば、移動台車3の走向及び停止を制御すると同時に、制御信号によっては搬送している製品の積み替え、積み卸し等を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような移動台車3の設置環境には多くの自動制御機械や、駆動機構が混在しているため、できるだけ外部に放射される電磁波のレベルは小さくすることが要請されるが、誘導線路1に注入される電磁波の強度が小さくなると、受信時、または送信時に結合器2の入出力信号のS/Nが低下し誤動作の原因になる。
また、誘導線路としての2本の導体1a、1bによって構成されている平衡給電線1が長くなったり、その敷設方向等が変化すると、給電線の特性インピーダンスZが変化することにより、インピーダンスのミスマッチが容易に発生し、これによって平衡給電線1に定在波が乗りこの定在波によって受信信号強度が移動体の位置で変動し誤作動を生じるという問題が生じる。
【0006】
図8(a)(b)は先に示した従来のコイル2aを備えたソレノイド型結合器をアンテナとして載置した移動体の周波数変化に対する結合度の変化を測定したもので、横軸はセンター周波数が550MHz、1目盛が100MHzとされ、縦軸が結合度を示す信号レベル(1目盛ー10dB)である。
図8(a)は信号レベルは平衡給電線のインピーダンスが200Ω、その終端インピーダンスを100Ωとして定在波が発生している状態の移動台車の位置Aのデータであり、(b)は位置Aと異なる他の位置Bにおけるものであるが、送信周波数として使用されている220MHzの点(白3角)点のレベルは位置A点と位置B点で8dB差以上あることが観測されている。これは、コイル2aが平衡給電線に対して磁気的に結合すると共に、電界的(容量的)にも結合しているため、電界による定在波と磁界による定在波の双方の影響を受けて結合度が位置によっても大きく変動するものと考えられる。
【0007】
そこで、結合器2として方向性結合器を使用し、例えば誘導線路に発生している定在波の進行波、又は逆方向の反射波のみを受信するようにすることが考えられるが、通常上記したような移動台車3は、誘導線路上で常に一方向のみで走行するとは限らないので、このような方向性結合器を使用すると移動体の走行方向に制約を受けることになる。
【0008】
また、下記引用文献にみられるように、結合器を2カ所所定の間隔(波長)だけはなして、定在波による影響をキャンセルするように合成することが考えられているが、この場合、波長により結合器の載置位置に制約があり、移動体の設計の自由度が失われるという問題がある。
【特許文献】特開2001−7744号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動体通信用結合器はかかる問題点を低減することを目的としてなされたもので、
平板状に形成された導体により形成した電界結合器と、ループ状に形成した導体の表面を外部導体によってシールドすることによって構成された磁界結合器とを近接して移動体の一部に配置し、上記電界結合器または磁界結合器が誘導線路に近接して上記移動体と共に移動するように配置すると共に、上記誘導線路と上記磁界結合器または上記電界結合器との間の誘導電磁界により得られる上記磁界結合器、または上記電界結合器の出力信号の大きい方の信号をスイッチ手段を介して上記移動体の制御部に取り込むことにより上記移動体の各種制御を行うようにしたものである。
【0010】
なお、上記磁界結合器と、電界結合器の位置は移動台車上でほぼ同一の位置に配置されるが、電界結合器を磁界結合器よりも誘導線路に対して近接するように配置しても良く、さらに、上記誘導線路の反対側に相互に電界結合器と、磁界結合器を分けて配置するようにしてもよい。
【0011】
また、上記誘導線路は、平衡する2線の導体によって構成することにより安価に敷設することができるようにするとともに、上記平衡線路から放射される漏洩電磁界、または移動体の電界結合器、及びまたは磁界結合器から放射される電磁波の強度は、国内の微弱電波の規格内とされるように設定し、電波の利用が有効に行われるようにした。
【0012】
【作用】
給電線と移動体を接続するための結合器が、磁気結合をするような磁界結合器と、静電的にのみ結合する電界結合器の組み合わせによって構成されているので、誘導線路に定在波が乗っているときでも、磁界による定在波は磁界結合器によってのみ受信され、磁界による定在波に対してほぼ180度の強度変化の位置の差を有している電界による定在波は、電界結合器によって受信されるので、移動体の位置に応じて電界強度が変化したときでも、磁界、または電界による定在波のいずれか受信レベルの高い方の信号を移動体の制御信号として常に取り込むことができ、受信時に結合度の変動に基づく受信レベルの変動が減少し、安定した制御を行うことができるようになる。
また、特に磁界結合器はループ状の導体を静電的にシールドしているので、送信に使用した場合、主に、1/R3成分の磁界によってのみ結合される磁気結合となるので、伝送媒体となる電波の出力を国内法に定める微弱電波規格としたときでも、従来の結合器に比較して平衡線路に発生する受信電力を大きくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の移動体通信用結合部の要部を模式的に示したもので、10は平行する2本の導線10a、10bを誘電物10cによって保持している平衡給電線(以下、単に給電線という)であり、その一部が断面図とされY方向に延びている。
20は分割された2枚の平板状の非磁性体からなる金属板20a、20bを給電線10に沿って近接(例えば距離d=10mm〜50mm)して配置し、給電線10から漏洩している電界成分に結合するように配置された電界結合器である。
【0014】
30はループ状に形成され、前記電界結合器20に距離d1だけ近接して配置されている磁界結合器を示し、この磁界結合器30は、後述するようにほぼ円形に加工されている内部導体と外部導体によって構成されている同軸ケーブルを加工することにより構成される。
【0015】
そして、電界結合器20、および磁界結合器30は給電線10と例えば距離d+d1で、x、y平面上に載置されるように、図示されていない移動体に固定され、先に述べたようにこの移動体50の送受信回路40に接続され、給電線10との間でデータの送受信を行う。
すなわち、例えば工場内のシステムコントローラから出力されるコントロールデータで変調された高周波により前記給電線10から放射される際の漏洩電磁界をピックアップすると共に、この電界結合器20、および、または磁界結合器30により、当該移動体の情報で変調した高周波を前記給電線10に送出し、給電線10に接続されているコントロールシステムに対して、移動体の識別番号や状態を伝送するようにしている。
なお、給電線10はその1端部に整合インピーダンスZ、また他端部に送信出力源Sが付加されることになる。
【0016】
図2(a)(b)は磁界結合器30の詳細な内容の実施例を示したもので(a)の場合は2本の同軸ケーブル、(b)の場合は1本の同軸ケーブルの加工によって形成される。
これらの図において、例えば、直径が数mm程度の同軸ケーブル31を直径Dが数十mm程度の円形に加工し、この円形の同軸ケーブル31の上下にスリット(切り込み)32及び33を入れている。但し図2の(b)の場合は下方のスリットが必要でない。
内部導体31aは切り込み32においてはそのまま露出するように接続されており、図2(a)の場合では、切り込み33においては内部導体31aの一方の端部は第2の同軸ケーブル34の内部導体31aと接続され、他方の端部は外部導体31bと接続されているが、図2(b)の場合は他方の端部はそのまま外部導体31bに接続されている。
図2の(a)の場合は同軸ケーブル31と信号の入出力を行っている第2の同軸ケーブル34の外部導体31bの部分は、同時にアース点となるように接続されているが、図2の(b)の場合は1本の同軸ケーブルで構成できるため外部導体31bの接続が容易になる。
この磁界結合器30の入出力端子は第2の同軸ケーブル34の部分の他方の端子から送受信機回路40に接続されることにより、整合状態で信号の入力及び出力が行われる。
【0017】
上記したような磁界結合器30の主要部の構成は、いわゆるシ−ルデッドループアンテナの構造となっており、外部導体31bが給電線10に対して静電遮蔽効果を示すと共に、ループ状に形成されている内部導体31aが給電線10の漏れ磁束に対して磁界結合することになる。したがって、給電線10から放射される電界成分に対して殆ど影響されることなく磁界結合を行うことができる。
【0018】
図3は給電線10から漏れている電磁界をピックアップする電界結合器20、および磁界結合器30の入力回路例を示したものである。
この図において電界結合器20の誘電出力は高入力インピーダンスの整合回路41に入力され、磁界結合器30の誘導出力は低インピーダンスの整合回路42に入力されている。
そして、 整合回路41の出力及び整合回路42の出力はそれぞれ高周波増幅器、復調、及び復号を行っている受信回路43,および44に供給される。
【0019】
受信回路43,及び44の復調出力はそれぞれエラー判定回路45に入力され、入力された磁界検出信号、又は電界検出信号の復調されたデータの例えばエラー発生率等を監視し、電界結合器30または磁界結合器20の何れの受信出力のエラー発生率が大きいかによって、出力信号がHレベル及びLレベルとなる信号を出力する。
このデジタル信号はスイッチ回路46の制御信号として供給され、例えば電界結合器20側の出力が磁界結合器30側の検出出力より高いと判断したときは、スイッチのa接点が選択され受信回路43の検出信号が出力される。
また、磁界結合器20の出力が電界結合器30の出力より低い場合は、スイッチのb接点が選択され、受信回路44の出力、すなわち、磁界結合器30がピックアップした信号を出力する。
なお、エラー判定回路45は入力信号の比較時にヒステリシス特性を有するように設定することによって、スイッチのチャッタリングを防止するように構成することが好ましい。
電界結合器20、及び磁界結合器30は送受信に対して可逆定理が成立するので、移動体が誘電線路に対して自己の情報を送出するときは、上記電界結合器20及びまたは磁界結合器30をアンテナとするように切り換え、図示されていない送信機から送信電力を供給して誘導線路に送出することができる。
【0020】
なお、本発明の実施の形態である上記した磁界結合器30において、国内の電波法に定める微弱電波に対してこのような磁気結合器30が特に有効である理由を以下に示す。
【0021】
図4に示すように波長に比べて十分に小さいループアンテナから放出される電磁界はアンテナ理論で知られているように微少な磁気ダイポールアンテナの電磁界を解析することにより知ることができる。
この図においてx、y、z軸上の原点(波源)に仮想の磁気ダイポールを形成するループに囲まれた面積をS、ループに流れる電流をIとすれば、原点からz軸に対してθ、x軸に対してΦ、原点からの距離Rとなるp点における微少ループアンテナの電磁界H,Eは、微少電気ダイポールアンテナの電磁界を示す式の双対性から以下のような式によって示される。
【数1】
但し、kは波数でk=2π/λである。
この式において磁界の成分を示すHRおよびθ方向の磁界成分Hθは、距離Rに反比例する成分と、距離R2に反比例する成分、及び距離R3に反比例する成分を有する。
【0022】
すなわち、原点から放射される電磁界の強度は、図5に示すように波源からの距離Rに対応して変化する成分に分けることができ、良く知られているように近距離の電界成分を示す1/R3の成分は準静電磁界であり、また、1/R2の成分は誘導界と呼ばれてこれらは遠距離に到達しない。
これに対して1/Rの成分は、いわゆる放射電磁界となって比較的遠距離に届く成分である。
ここでループの直径が波長に比べて十分小さい、例えば、100〜200MHzの周波数帯以上では、原点付近(10〜50mm)では1/R3の成分が支配的になり、3m位離れると1/Rの成分Eφ、Hθ(放射電磁界)が支配的になる。
【0023】
ところで、国内で使用できる微弱電波の規格は例えば3mの距離だけ離間したときに500μV/m以下の電界強度と規定されているので、本願発明が対象とする移動体側から発生する電界強度が微弱電波の規定を満たすようにしなければならない。
本発明のループ状の磁界結合器30はその寸法が使用波長に対して十分小さく、かつ使用周波数f(150〜200MHz)の波長λに対して十分に小さい距離R、例えば、λ/30〜λ/200(10mm〜50mm)により給電線10と結合されているので、1/R3に比例する誘導磁界成分が十分大きなレベルとなるが、十分に遠くまで伝搬する1/Rに比例する成分は殆ど発生しない。
その結果、磁界結合器30に供給されている電力を大きくしても十分に微弱電波の規格をクリアすることができる。
【0024】
図6(a)(b)は200Ωの給電線に定在波比が2となるような終端インピーダンスを接続して、上記電界結合器20と磁界結合器30によってピックアップした受信信号のレベル(1目盛/−10dB)を示したもので、(a)の方は給電線のA点の位置、(b)はA点と異なるB点の受信信号である。
この図から、本発明の移動体の結合器は平衡線路からの漏れ電界と漏れ磁界を別個の結合器によって検出できることがわかる。
これらの検出出力は図に見られるように特に150MHz〜250MHz帯ではほぼ180度の位置の違いで磁界と電界が交互に顕著にディップする点が見られる。しかし先に示したように本発明の場合はエラー判定回路を受信回路に設け、ダイバシティ受信回路のように磁界検出出力と、電界検出出力のいずれかレベルの高い方のみを選択して取り込むように構成されているので、磁界と電界の異なる位置の違いによって、大きさと位相が異なる定在波が合成されて出力されることがなくなり、特に受信レベルの変動を少なくすることができる。
【0025】
図7(a)(b)は結合器の状態が図6の場合と同様なデータであるが、給電線の終端インピーダンスが200Ωとされ、定在波が生じていないときの受信レベル(結合度)を示す。
この場合は定在波が殆ど生じていないので、電界レベル、および磁界レベルとも大きな変動がない。しかしこのような状態でも、移動体の走行状態により給電線と移動体の相対的な距離及び向きが変動して電界レベルと磁界レベルが変動することがあるが、本発明のように電界検出信号と磁界検出信号のいずれか高い方のレベルを選択的に取り込むことによって、受信レベルの変動を抑圧し、同時にエラー発生率を小さくすることができる。
【0026】
なお、上記実施例のように誘導線路に対して電界結合器20を磁界結合器30より近接すように位置すると、電界結合器20によって静電的に電界を遮蔽し、磁界結合器30で効果的に誘導線路の磁界を受信することができるが、また、移動体の種類によっては誘導線路(平衡給電線10)を挟んで、それぞれ電界結合器20と磁界結合器30を相互に分けて配置するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体通信用結合器は誘導線路にそって走行する移動体に載置する結合器として、給電線に対して静電的に結合する電界結合器と、ループ状のコイルをシールドした磁界結合器を使用すると共に、電界結合器、又は磁界結合器から出力される受信レベルの高い方の受信信号をスイッチ等で切り替えて出力するようにしているので、誘導線路に対して定在波が乗っているようなときでも、高い結合度を維持できるという作用を有する。
また、特に磁界結合はループ状のコイルを静電的に遮蔽し、その形状が制御用の信号で変調された電磁波の波長λに対して小さくなるように設定されているので、主に電磁界強度が1/R3となるような成分を使用することになり、遠距離まで伝達する1/R成分が抑圧されて微弱電波の法規制を容易にクリアしながら、送受電力を増加し送受信号のS/N比を高くして誤りデータの発生率を低下することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動体通信用結合器と平衡給電線の関係を示す主要部の模式図である。
【図2】本実施例に採用されるループ状のシールドデッド結合器の説明図である。
【図3】結合器の受信回路の一例を示すブロック図である
【図4】微少磁気ダイポールアンテナ放射電磁界を説明するための説明図である。
【図5】微少ダイポールアンテナから放射される電磁界の距離に対する電磁界成分を説明する説明図である。
【図6】給電線に定在波が乗っているときの受信電界及び受信磁界のレベル(結合度)を示す示す実験グラフである。
【図7】給電線に定在波が乗らないようにしたときの受信電界と受信磁界のレベルを示す実験グラフである。
【図8】従来のソレノイド型の結合器の受信レベル(結合度)を示す実験データ図である。
【図9】従来のコイル型の結合器と誘導線路の結合状態を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 平衡給電線
20 金属板からなる電界結合器
30 シールドされたループ状の結合器
31a 内部導体
31b 外部導体
32,23 切り込み
34 第2の同軸ケーブル
40 送受信回路
50 移動体
Claims (5)
- 平板状の2枚の非磁性体導体により形成した電界結合器と、ループ状に形成した導体の表面を外部導体によってシールドすることによって構成された磁界結合器とを近接して移動体の一部に配置し、上記電界結合器または磁界結合器が誘導線路に近接して上記移動体と共に移動するように配置すると共に、上記誘導線路と上記磁界結合器または上記電界結合器との間の誘導電磁界により得られる上記磁界結合器、または上記電界結合器の出力信号のいずれか大きい方の信号をスイッチ手段を介して上記移動体の制御部に取り込むことにより上記移動体の各種制御を行うことを特徴とする移動体通信用結合器。
- 上記誘導線路は平衡給電線によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信用結合器。
- 上記誘導線路、または上記移動体の結合器が発生する電界強度は、国内電波法に定める微弱電波の規格に適合していることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信用結合器。
- 上記電界結合器は上記磁界結合器よりも誘導線路に近接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信用結合器。
- 上記電界結合器、及び磁界結合器はそれぞれが上記誘電線路を挟んで対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の移動体通信用結合器。
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JP2003200051A JP2005045326A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 移動体通信用結合器 |
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JP2009044583A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Asyst Technologies Japan Inc | 通信装置及び該通信装置における通信方法 |
WO2013114511A1 (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-08 | 日本電気株式会社 | 電力伝送装置、及び、電力伝送方法 |
JP2014183668A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Daihen Corp | 非接触電力伝送方法及び非接触電力伝送システム |
-
2003
- 2003-07-22 JP JP2003200051A patent/JP2005045326A/ja active Pending
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