JP2010153684A - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Yukio Sakamoto
幸夫 坂本
Mitsuhiro Murata
充弘 村田
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Abstract

【課題】
差動伝送による信号伝送の高速化が進んでおり、差動伝送ラインのノイズ対策に使う信号伝送路間の浮遊容量を小さくしたコモンモードチョークコイルが必要である。
【解決手段】
電磁気的に同質の2つの磁性体コアで、それぞれの両端部に鍔部を設け、この磁性体コアに巻き線の方向が逆になるように巻いて2個のコイルとし、その2個のコイルを距離を離した状態で鍔部で組み合わせて、磁気的に結合させてコモンモードチョークコイルを構成した。これにより信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さくでき、差動伝送ラインのノイズ除去に有効なコモンモードチョークコイルを完成した。
【選択図】 図5

Description

本発明は電磁ノイズの対策などに使われる電子部品であるコモンモードチョークコイルに関する。
デジタル機器が多くの分野で使われるようになり、デジタル信号の伝送路のノイズ対策が必要となっている。デジタル信号の伝送方式に2種類があり、通常のシングルエンドドライブの伝送方式では、信号伝送路は1つであり、伝送されるデジタル信号は、ノイズを放射しやすく、また、外来ノイズの影響も受ける。これに対し、差動信号伝送は、2つの信号伝送路を利用し、この信号伝送路対を使って、互いに正反対極性の信号波形が伝送される方式で、ノイズに強い特性を有している。高速デジタル機器において、代表的なインターフェースであるUSB、LAN、LVDSなどで、差動信号伝送が広く使われるようになってきている。
しかし、この差動信号伝送でも、伝送信号の処理回路や両伝送路で信号に位相差やレベル差などが生じるとノイズ放射の原因になるコモンモードノイズが発生する。また差動信号回路周辺のインピーダンスのバランスが崩れると、放射ノイズ等の外来ノイズの影響を受ける。
こうした差動信号伝送のノイズ対策として、コモンモードチョークコイルが一般的使われるようになってきている。基本的な構造は図1に示す構造であり、1つの磁性体コア1にコイル3とコイル6が交互に整列して巻回されて構成されている。コイル3の電極4,5とコイル6の電極7,8が磁性体コアの一側面に平行して、また、電極4と7、電極5と8が対向して設けられている。次の文献にこの基本的な構造が示される。
特開2002-246244号このタイプのコモンモードチョークコイルは、それぞれの信号伝送路につながる2つのコイルが同一の磁性体コアに交互に巻かれ、両コイルは隣接している。そのため2つのコイルの間、あるいはコイルからコアを経由してコイル間に多くの電気力線が発生し、両信号伝送路のコイル間、すなわち、信号伝送路間に浮遊容量が発生する。コイルの巻き数を増やすと巻き数に比例して信号伝送路間の浮遊容量も大きくなる。
この浮遊容量が、伝送される信号の波形を歪ませる原因となっている。インピーダンスを増やすために巻き数をふやせば、必然的に浮遊容量が大きくなり、信号波形は大きく歪むことになる。このコイルの巻き数に比例する浮遊容量の増大も大きな課題である。さらに差動信号伝送が高速になりその信号周波数が上がると、小さな浮遊容量でも信号波形歪みが大きくなり、実用上使えなくなるという問題がある。
最近では、差動信号伝送の信号周波数が高くなってきており、信号波形を歪ませないコモンモードノイズ対策が重要な問題となってきている。こうした問題を解決するため、信号伝送路間の浮遊容量を小さく抑えた実用的なコモンモードチョークコイルが必要となっている。
こうした問題を解決するため、信号伝送路間の浮遊容量を小さく抑えることのできるコモンモードチョークコイルが提案されている。
特開2002-198236号 特開2004-214334号特許文献2では、トロイダルコアに2つのコイルを巻いたコモンモードチョークコイルが示されている。基本的な構造を図2に従来技術として示す。この構造では、コアに囲まれた空間にコイルを巻かなければならず高速の巻き線機が無く、量産に向かない。また、電子デバイスを小型化するために電子デバイス製造過程で、表面実装が現在では主流となっているが、表面実装用の電極を設けにくいという欠点がある。
特許文献3では、ボビンに巻かれた2個のコイルを使い、このコイルにコの字状の磁性体コアを両側から挿入する構造のコモンモードチョークコイルが示されている。基本的な構造を図3に従来技術として示す。この構造では、形状が大きくなり、コストも高くなり、また、表面実装用の電極を設けにくいという欠点がある。
差動信号伝送による伝送の高速化が進んでおり、信号伝送路のノイズ対策が必須となっている。このノイズ対策に使うコモンモードチョークコイルとして、信号伝送路間の浮遊容量を小さくした、安価で量産に優れ、表面実装部品としても使いやすい、信号波形を歪ませない、小型のコモンモードチョークコイルが必要である。本発明は、こうした課題の解決策を与えるものである。
本発明は、差動信号伝送の信号波形を歪ませずに信号伝送路のノイズ対策ができる、両信号伝送路間の浮遊容量が小さな、小形、低コストのコモンモードチョークコイルを提供する。
請求項1の発明は、2つの信号伝送路に挿入するコモンモードチョークコイルのコイルを2つの磁性体コアに分けて構成し、この2個のコイルを並列に離して配置することにより、両信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さくするものである。電気特性および磁気特性の同質な材料からなる第一および第二の磁性体コアを準備する。該磁性体コアの長さ方向の同一平面にある両端部に電極を設け、巻き線の方向が逆になるように巻き回して第一および第二のコイルをつくる。該第一および第二のコイルの両端がそれぞれの磁性体コアの該電極に接続される。これらコイルを、コイルの中心軸に対して並列に距離を離して配置し、該第一および第二の磁性体コアの両端部で、該第一および第二の磁性体コアを接するよう配置させて磁気結合させ、コモンモードチョークコイルを構成する。磁気結合は該第一および第二の磁気コアを密着させればさせるほど、結合損失は小さくなる。この構成により、両信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。
請求項2の発明では、請求項1に記載のコモンモードチョークコイルであって、前記第一および第二の磁性体コアは、長さ方向の両端部において接合剤により接合され、磁気結合している。この構成により、前記第一および第二のコイルを一体化でき、該第一および第二のコイルを一定距離だけ離して位置させることができ、信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。コイルを別々に作るため量産性も高く、該第一および第二のコイル間距離も一定とした製品の大量生産が可能となる。
請求項3の発明では、請求項1および2に記載のコモンモードチョークコイルであって、前記第一および第二の磁性体コアは、長さ方向の両端部において鍔部を有し、該第一および第二の磁性体コアは、該鍔部で磁気結合し、該第一および第二の磁性体コア両端部の該鍔部面に前記電極が設けられる。該鍔部面の該電極は同一平面にあり、該第一の磁性体コアの該電極と該第二の磁性体コアの該電極は、同一平面上で対向して離れて設けられている。この構成により、該電極間に生じる浮遊容量を小さくすることができる。
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つに記載のコモンモードチョークコイルであって、前記第一および第二の磁性体コアの前記電極面を除く少なくとも1つの側面を包み込むことにより、前記第一および第二のコイルを一体にする非磁性材料からなる一体化部材をさらに備えている。該一体化部材により、該第一と第二のコイルを一つの部品にすることができ、生産性が高く、実装時の取扱いが容易な、信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さく抑えたコモンモードチョークコイルができる。
請求項5の発明は、前記電極上に、該電極から突出する位置決め部材をさらに備えている、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のコモンモードチョークコイルである。この構造により、配線基板への実装が容易になり、配線基板での位置決めが正しく行なえる。
請求項6の発明は、電磁的に同質の材料からなる第一および第二の磁性体コアを準備する工程と、該第一および第二の磁性体コアの長さ方向の同一平面にある両端部に電極を設ける工程と、該第一および第二の磁性体コアにそれぞれ巻き回された第一および第二のコイルを形成し、それぞれのコイルの両端を該電極に接続する工程と、該第一および第二のコイルの巻き線方向が互いに対して反対になるように配置し、かつ、該第一および第二のコイルのコイル軸方向に対して並列に離して配置する工程と、該第一および第二の磁性体コアの両端において該第一および第二の磁性体コアを接合させて該第一および第二のコイルを一体化する工程を備えるコモンモードチョークコイルの製造方法である。
信号伝送路間の浮遊容量の小さいコモンモードチョークコイルは、差動信号伝送ノイズ対策部品として有効であり、本発明のコモンモードチョークコイルは、デジタル機器のノイズ対策に役立つものである。
図4はコモンモードチョークコイルの等価回路図である。部品のカタログなどの回路図には通常書かれていないが、コモンモードチョークコイルには2つのコイルの間にすでに述べた浮遊容量Cが存在する。
本発明のコモンモードチョークコイルは両信号伝送路のコイルが位置的に離れているため、電気力線の発生が少なく、浮遊容量Cが小さくなり、伝送される信号波形の歪みを小さく押さえることができる。また 本発明のコモンモードチョークコイルはコイルの巻き数を増やしても比例して浮遊容量Cを増大することはなく、信号波形の歪を大きくすることはない。
また、従来の同一磁性体コアに二つのコイルを構成したコモンモードチョークコイルでは、巻き線を増やすとコモンモードインピーダンスが大きくなり、放射ノイズ等のノイズ除去効果が大きくなる。本発明は巻き線を巻くスペースが従来の約2倍に増え、巻き数を増やすことができるため、ノイズ対策上大きな利点となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図5は、実施例1を示す本発明の基本的構成要素の構造図である。第一と第二の磁性体コア11と21は、フェライトなどの磁性体であり、電気特性と磁気特性が同質の材料で作られるのが望ましい。磁気体コア11と21の長さ方向の両端部に鍔部が形成されている。第一と第二の磁性体コア11と21にコイルが巻かれ、第一と第二の2つのコイル10と20が作られる。第一および第二のコイル10と20のコイル軸に対して両コイルを並列に離して配置させ、第一と第二の磁性体コア11、21の両端部の該鍔部が接するように配置して磁気結合させ、コモンモードチョークコイルが構成される。第一および第二の磁性体コア11、21の両端鍔部の接触面が平滑なほど、2つの磁性体コアの磁気結合がよくなる。第一と該第二の磁性体コア、11と21に巻かれた、第一と第二のコイル10と20は、ディファレンシャル電流でできる磁束を互いに打ち消しあい、コモンモード電流でできる磁束を足し合わさるように、第一と第二のコイル10、20の巻き線12と22の巻き方向が逆になっている。磁性体コア11と21の両端部の電極として、磁性体コア11と21の同一平面上の鍔部に実装のための金属電極13、14と23、24が設けられ、コイル10と20の両端がそれぞれの電極13、14および23、24に溶着やろう付けなどで接続される。磁性体コア11、21の両端部鍔の大きさを変えることにより、並列に並べた第一と第二のコイル10と20の間隔が変えられるので、これら信号伝送路間の浮遊容量Cが調整できる。
2つのコイル間すなわち信号伝送路間の浮遊容量Cは、図1に示すような従来の代表的なチップコモンモードチョークコイルでは大きく、図5に示す両信号伝送路のコイルの距離が離れている本発明のコモンモードチョークコイルでは小さい。従来の代表的なコモンモードチョークコイルの場合は巻き線の間隔、線の太さ、巻き線数、磁性体コアの透磁率などで異なるが、巻き線数が多くなると浮遊容量Cの値が10pFを越える。一方、本発明のコモンモードチョークコイルは第一と第二のコイルの位置を離すことにより、信号伝送路間の浮遊容量Cの値を数pFと小さくすることができ、1pF以下にすることもできる。
磁性体コア11と21の形状は、弓弧状、L字型、コの字型なども可能である。磁気結合部は、弓弧状では長さ方向の両端部で、L字型では「」状に上下部で、コの字状では〔〕状に上下部である。また、磁性体コア11と21の形状として、図6、図7に示す形状の磁性体コアを使ったコモンモードチョークコイルもできる。
図8は、実施例2を示す構造図である。第一と第二の磁性体コア11と21は、フェライトなどの磁性体であり、電気特性と磁気特性が同質の材料で作られるのが望ましい。第一と第二の磁気体コア11と21の長さ方向の両端部に鍔部が形成されている。第一と第二の磁性体コア11と21にコイルが巻かれ第一と第二の2つのコイル10と20が作られる。第一および第二のコイル10と20のコイル軸に対して両コイルを並列に離れて配置させ、第一と第二の磁性体コア11、21の両端部の該鍔部を合わせて接着剤により接着させ、磁気結合させてコモンモードチョークコイルが形成される。第一と第二の磁性体コア11と21に巻かれた、第一と第二のコイル10と20は、ディファレンシャル電流でできる磁束は互いに打ち消しあい、コモンモード電流でできる磁束は足し合わさるように、第一と第二のコイルの巻き線12と22の巻き方向が逆になっている。磁性体コア11と21の同一平面上の鍔部に実装のための金属電極13、14と23、24が設けられ、コイル12と22の両端がそれぞれの電極13、14と23、24に溶着やろう付けなどで接続される。電極13と23および14と24は対向して距離をおいて設けられ、また、鍔部接着面の中央部が凹型形状となるので、対向する電極間に発生する浮遊容量を小さくすることが出来る。第一および第二の磁性体コア11、21の両端部に設けられる該鍔部の接着面が平滑なほど、2つの該磁性体コアの磁気結合がよくなる。接着材に磁性体粉末を混合すれば、2つのコアの磁気結合をさらに高めることもできる。また、はんだ等の金属の接着剤も使用できる。
第一および第二の磁性体コア11、21の両端に鍔部のある形状について説明したが、実施例1と同様に、第一および第二の磁性体コア11、21の形状は、種々の形状とすることが可能である。
図9は、実施例3を示す一実施例である。第一と第二の磁性体コア11と21は、電気特性と磁気特性が同じフェライトなどの磁性体である。第一と第二の磁性体コア11、21の長さ方向の両端部に鍔部が形成されている。第一と第二の磁性体コア11、21にコイルが巻かれ第一と第二の2つのコイル10と20が作られる。第一と第二のコイル10と20は、ディファレンシャル電流でできる磁束は互いに打ち消しあい、コモンモード電流でできる磁束は足し合わさるように、第一と第二のコイルの巻き線12と22の巻き方向が逆になっている。第一と第二の磁性体コア11、21の同一平面上の鍔部に面実装のための金属電極13,14と23、24が設けられ、コイル11と21の両端がそれぞれの電極13,14と23、24に溶着やろう付けなどで接続される。第一と第二のコイル10と20を該コイルの軸に対して並列に離れて配置させ、第一と第二の磁性体コア11、21の両端部の鍔部を合わせて磁気結合させ、第一および第二の磁性体コア11、21の該電極面を除く少なくとも1つの側面を包み込むことにより、第一および第二のコイル10と20を一体にして、コモンモードチョークコイルが形成される。非磁性材料からなる該一体化部材27により、該第一と第二のコイルを一つの部品にすることができる。生産性が高く、実装時の部品ハンドリングの確実性が向上する、取扱いの容易な、信号伝送路間に発生する浮遊容量を小さく抑えたコモンモードチョークコイルができる。
図10は、実施例4を示す構造図である。両端部に鍔の付いた第一と第二の磁性体コア11と21は、フェライトなどの磁性体である。第一と第二の磁性体コア11と21にコイル11と21が巻かれ、第一と第二のコイル10と20が作られる。第一と第二の磁性体コア11と21の両端の該鍔部に、実装のための電極13、14と23、24が設けられており、コイル11と21の両端がそれぞれの電極に溶着やろう付けなどで接続される。第一と第二の磁性体コア11と21の両端の該電極部に、配線基板に実装するための位置決め部材15、16、25、26が設けられる。回路基板回路基板上でコモンモードチョークコイルを構成するための、実装用の第一と第二のコイル10と20が作られる。
あらかじめ取り付け位置に穴が設けられた配線基板に、前記基板実装用の第一と第二のコイル10と20の端子15、16、25、26を、該配線基板の該取り付け穴に挿入することにより、該配線基板上で、磁性体コア11と21は磁性体コア11と21の両端の鍔部で接して磁気結合し、前記第一と第二のコイル10と20は、巻き線方向が逆に、隣接して配線基板に実装されコモンモードチョークコイルが構成される。磁性体コア11と21に巻かれた第一と第二のコイル10と20が、ディファレンシャル電流でできる磁束を互いに打ち消しあい、コモンモード電流でできる磁束を足し合わさるように機能する。該配線基板上にコモンモードチョークコイルが容易に構成され、信号伝送路間に発生する浮遊容量が小さい、ノイズ対策を有する回路基板を容易に作ることができる。
本実施の形態のコモンモードチョークコイルの製造方法は、以下のようにして行う。図5に示すように、電気特性と磁気特性が同質の材料であるフェライトなどの磁性体を用い、磁性体コア11と21の長さ方向の両端部に鍔部を形成した、第一と第二の磁性体コア11と21を準備する。磁性体コア11と21の両端部の電極として、磁性体コア11と21の同一平面上の鍔部に実装のための金属電極13、14と23、24を設ける。第一と第二の磁性体コア11と21にコイルが巻かれ、第一と第二の2つのコイル10と20が作られる。第一と第二のコイル10、20は、互いに巻き線12と22の巻き方向が逆になるように巻かれる。コイル10と20の両端がそれぞれの電極13、14および23、24に溶着またはろう付けで接続される。第一および第二のコイル10と20のコイル軸に対して両コイルを並列に並べ、第一と第二のコイル10、20は、互いに巻き線12と22の巻き方向が逆になるように配置され、第一と第二の磁性体コア11、21の両端部の該鍔部を接着剤で接着させて磁気結合させ、コモンモードチョークコイルが構成される。第一および第二の磁性体コア11、21の両端鍔部の接触面が平滑なほど、2つの磁性体コアの磁気結合がよくなる。磁性体コア11、21の両端部に設けられる該鍔部の接合は、接着剤による接合だけでなく、磁性体コア11、21の両端部の該鍔部を密着させ、一体化部材で固定する方法によってもよい。磁性体コア11、21の両端部鍔の大きさを変えることにより、並列に並べた第一と第二のコイル10と20の間隔が変えられるので、これら信号伝送路間の浮遊容量Cが調整できる。
磁性体コア11と21の形状は、弓弧状、L字型、コの字型なども可能である。磁気結合部は、弓弧状では長さ方向の両端部で、L字型では「」状に上下部で、コの字状では〔〕状に上下部である。また、磁性体コア11と21の形状として、図6、図7に示す形状の磁性体コアを使ったコモンモードチョークコイルもできる。
図11は信号伝送路間の浮遊容量Cと伝送波形の歪みの関係を確認した結果である。伝送特性インピーダンスが100Ω、伝送速度が500Mbpsの条件下での差動信号の信号伝送路間の浮遊容量Cと信号波形(アイ・パターン)の関係をシミュレーションソフト「Spice」で評価した。信号伝送路間の浮遊容量Cが図11の1では0pF、図11の2では1pF、図11の3では2pF、図11の4では5pF、図11の5では10pFと、信号伝送路間の浮遊容量Cが大きくなると、図示するように差動信号のひずみが大きくなる。信号伝送路間の浮遊容量Cが5pF以上では信号波形が歪むため、信号伝送路間の浮遊容量Cが2pF以下のコモンモードチョークコイルが有用である。
また、信号伝送路間の浮遊容量Cが2pFのとき、伝送速度が100Mbpsの時は信号伝送路間の浮遊容量Cが2pFあってもほとんど信号波形は歪まないが、伝送速度が500 Mbps、で信号の立ち上がりに歪みが出はじめ、2Gbpsと速くなると信号波形の歪みが確認された。最近、速い差動信号が利用されるようになってきており、少なくともコモンモードチョークコイルの信号伝送路間の浮遊容量Cを2pF以下に小さくすることが極めて重要になる。コイルの間隔を離すことにより、信号伝送路間の浮遊容量Cを1pF以下にもできる本発明の効果は大きい。
デジタル機器が多くの分野で使われている。そのデジタル機器には代表的なインターフェース、USB、LAN、LVDSなど、差動信号伝送が広く活用され、差動信号伝送の高速化が進んでいる。高速化に伴い、信号伝送路のノイズ対策が必要であり、その対策にコモンモードチョークコイルは欠かすことの出来ない重要な部品となっている。しかし、差動信号伝送が高速になるノイズ対策では、コモンモードチョークコイルの浮遊容量が問題となり、安価で効果的な解決が望まれている。
本発明では、伝送信号が通るコイルを離すことにより、信号伝送路間の浮遊容量の小さなコモンモードチョークコイルを安価に提供することができ、デジタル電子機器の高速化、デジタル機器で産業への貢献が期待できる。
また 差動信号伝送のノイズ対策では、大きなノイズ対策効果を得るために、コモンモードチョークコイルのコイルの巻き数を多くし、大きなコモンモードインピーダンスを得ることが必要である。従来のコモンモードチョークコイルでは、コイル巻き数を増やすと信号伝送路間の浮遊容量が大きくなり、差動伝送信号が歪む。そのため、コモンモードインピーダンスを増大させることができない問題があった。しかし 本発明では、巻き線数と信号伝送路間の浮遊容量は直接関係しないので大きいコモンモードインピーダンスのコモンモードチョークコイルも実現でき、大きなノイズ対策効果を得られる。この面でも各種電子機器への貢献も期待できる。
一般的に使われている従来のチップ型コモンモードチョークコイルの構造図。 リング型の従来例である。 コイルに磁性体コアを差し込む型の従来例である。 コモンモードチョークコイルの等価回路図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の構造図である。 本発明の一実施例の測定結果図である。伝送特性インピーダンスが100Ω、伝送速度が500Mbps時の信号伝送路間の浮遊容量Cと伝送波形の歪みの関係図である。縦軸単位:電圧V、横軸単位:時間0.5μsec/div1:信号伝送路間の浮遊容量Cが0pFの場合2:信号伝送路間の浮遊容量Cが1pFの場合3:信号伝送路間の浮遊容量Cが2pFの場合4:信号伝送路間の浮遊容量Cが5pFの場合5:信号伝送路間の浮遊容量Cが10pFの場合
符号の説明
1 磁性体コア
2 閉磁路を形成するための磁性体
3 巻き線
4 電極
5 電極
6 巻き線
7 電極
8 電極
10 コイル
11 磁性体コア
12 巻き線
13 電極
14 電極
15 位置決め部材
16 位置決め部材
19、29 ボビン
20 コイル
21 磁性体コア
22 巻き線
23 電極
24 電極
25 位置決め部材
26 位置決め部材
27 一体化部材

Claims (6)

  1. 電磁的に同質の材料からなる第一および第二の磁性体コアと、該第一および第二の磁性体コアの長さ方向両端に設けられた電極と、該第一および第二の磁性体コアにそれぞれ巻き回された第一および第二のコイルであって、該第一および第二のコイルの両端がそれぞれの磁性体コアの該電極に接続されている該第一および第二のコイルとを備えているコモンモードチョークコイルであって、該第一および第二のコイルは、コイルの軸方向に対して並列に離れて配置され、該第一および第二のコイルの巻き線方向が互いに対して反対になるよう巻き回されており、該電極は同一平面上に設けられ、該第一および第二の磁性体コアの両端において該第一および第二の磁性体コアが接して磁気結合している、コモンモードチョークコイル。
  2. 前記第一および第二の磁性体コアは、該第一および第二の磁性体コアの両端部で接合剤により接合されて磁気結合し、前記第一および第二のコイルが一体化している、請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第一および第二の磁性体コアは、長さ方向の両端部において鍔部を有し、該第一および第二の磁性体コアは、該鍔部で磁気結合し、該第一および第二の磁性体コア両端部の該鍔部面に前記電極が設けられ、該鍔部面の該電極は同一平面にあり、該第一の磁性体コアの該電極と該第二の磁性体コアの該電極は、同一平面上で対向して離れて設けられている、請求項1または請求項2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第一および第二の磁性体コアの前記電極構成面を除く少なくとも一つの側面を包み込むことにより、該第一および第二のコイルを一体にする非磁性材料からなる一体化部材をさらに備えている請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記電極上に、該電極から突出する位置決め部材をさらに備えている、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 電磁的に同質の材料からなる第一および第二の磁性体コアを準備する工程と、該第一および第二の磁性体コアの長さ方向で、同一平面にある両端部に電極を設ける工程と、該第一および第二の磁性体コアにそれぞれ巻き回された第一および第二のコイルを形成し、それぞれのコイルの両端を該電極に接続する工程と、該第一および第二のコイルを巻き線方向が互いに対して反対になるように配置し、かつ、該第一および第二のコイルのコイル軸方向に対して並列に離して配置する工程と、該第一および第二の磁性体コアの両端において該第一および第二の磁性体コアを接合させて該第一および第二のコイルを一体化する工程を備えるコモンモードチョークコイルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014127637A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置
JP2015005579A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 株式会社タムラ製作所 リアクトル及びリアクトルの製造方法
CN106920627A (zh) * 2012-12-19 2017-07-04 Tdk株式会社 共模滤波器

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