JP2010153538A - 放熱材料とその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱抵抗が小さい放熱材料を提供することを目的とする。更に絶縁性とすることができる放熱材料を提供することを目的とする。
【解決手段】三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に含浸された樹脂からなる放熱材料。前記多孔体がグラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含むことが好ましく、多孔体の平均細孔径が1〜15μmであることが好ましい。また、前記樹脂の体積含有率が40〜90%であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に含浸された樹脂からなる放熱材料。前記多孔体がグラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含むことが好ましく、多孔体の平均細孔径が1〜15μmであることが好ましい。また、前記樹脂の体積含有率が40〜90%であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱伝導率が高く、熱抵抗が低い放熱材料とその製法に関する。
パーソナルコンピュータやモバイル電子機器の高機能化に伴い、CPU等の発熱源の発熱量が飛躍的に増大しており、放熱デバイスの高性能化が求められている。
放熱手法の一つとして簡易でかつ効果的な方法は、発熱源の表面に放熱シートや接着剤等の放熱材料を貼り付けて放熱する方法である。
これらの放熱材料は、一般的には樹脂中に高熱伝導率の粒子を分散した材料である。高熱伝導率粒子としては、熱伝導率が400W/mK程度あるAgやCuなどの金属粒子、Al3O3やAlN、六方晶BNなどのセラミックス粒子が用いられることが多く、例えば、特許文献1では、樹脂中に低融点金属とCu等の金属粉末を混合した放熱材料が、特許文献2には樹脂中に酸化アルミニウム粉末を含む熱伝導性成形体が記載されている。しかし、これらの粒子は樹脂中で孤立して存在しているため、高い熱伝導率が発現しないのが現状である。
放熱手法の一つとして簡易でかつ効果的な方法は、発熱源の表面に放熱シートや接着剤等の放熱材料を貼り付けて放熱する方法である。
これらの放熱材料は、一般的には樹脂中に高熱伝導率の粒子を分散した材料である。高熱伝導率粒子としては、熱伝導率が400W/mK程度あるAgやCuなどの金属粒子、Al3O3やAlN、六方晶BNなどのセラミックス粒子が用いられることが多く、例えば、特許文献1では、樹脂中に低融点金属とCu等の金属粉末を混合した放熱材料が、特許文献2には樹脂中に酸化アルミニウム粉末を含む熱伝導性成形体が記載されている。しかし、これらの粒子は樹脂中で孤立して存在しているため、高い熱伝導率が発現しないのが現状である。
高い熱伝導率を得るためには、高熱伝導成分が樹脂中で連続相を形成することが必要である。例えば、気孔率の高い多孔質炭素に樹脂を含浸させた材料などが考えられるが、多孔質炭素自体の熱伝導率が高くないために、複合材料の熱伝導率も低くなってしまう。
特開2002−3829号公報
特開2005−139267号公報
本発明は、熱抵抗が小さい放熱材料を提供することを目的とする。更に絶縁性とすることができる放熱材料を提供することを目的とする。
本発明者は、多孔質ポリイミドを熱処理して得られるグラファイト構造を持つB−C−N多孔体に樹脂を含浸させた複合材料とすることにより、結果として高い放熱性能を持つ放熱材料が得られることを見出した。
本発明は以下の構成からなる。
(1)三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に含浸された樹脂からなる放熱材料。
(2)前記多孔体がグラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含む前記(1)記載の放熱材料
(3)前記多孔体の平均細孔径が1〜15μmである前記(1)又は(2)記載の放熱材料。
(4)前記樹脂の体積含有率が40〜90%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の放熱材料。
(5)前記樹脂が粘着性樹脂である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の放熱材料。
(6)絶縁性を有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の放熱材料。
(7)厚さ100μm以下のシート形状を持つ前記(1)〜(6)のいずれかに記載の放熱材料。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の放熱材料の製法であって、
多孔質ポリイミドシートを炭化させてグラファイト多孔体とする第一の工程と、該多孔体の気孔部に樹脂を含浸する第二の工程を有する放熱材料の製法。
(9)第一の工程の後に、グラファイト多孔体の一部または全てをh−BNに転化する工程を含む前記(8)記載の放熱材料の製法。
(10)多孔質ポリイミドシートが多孔質芳香族ポリイミドシートであることを特徴とする前記(8)又は(9)記載の放熱材料の製法。
本発明は以下の構成からなる。
(1)三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に含浸された樹脂からなる放熱材料。
(2)前記多孔体がグラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含む前記(1)記載の放熱材料
(3)前記多孔体の平均細孔径が1〜15μmである前記(1)又は(2)記載の放熱材料。
(4)前記樹脂の体積含有率が40〜90%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の放熱材料。
(5)前記樹脂が粘着性樹脂である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の放熱材料。
(6)絶縁性を有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の放熱材料。
(7)厚さ100μm以下のシート形状を持つ前記(1)〜(6)のいずれかに記載の放熱材料。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の放熱材料の製法であって、
多孔質ポリイミドシートを炭化させてグラファイト多孔体とする第一の工程と、該多孔体の気孔部に樹脂を含浸する第二の工程を有する放熱材料の製法。
(9)第一の工程の後に、グラファイト多孔体の一部または全てをh−BNに転化する工程を含む前記(8)記載の放熱材料の製法。
(10)多孔質ポリイミドシートが多孔質芳香族ポリイミドシートであることを特徴とする前記(8)又は(9)記載の放熱材料の製法。
本発明の、多孔質ポリイミドシートを出発原料として合成された三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に樹脂を含浸して複合材料とした放熱材料は、通常の炭素多孔体に樹脂を含浸させたものよりも熱抵抗が小さい。これは、多孔体自体の熱伝導率が高いためと推測される。
また、多孔体をh−BNに転化させることで絶縁性の複合材料となり、熱抵抗が小さく絶縁性が必要とされる電子部品の冷却用材料として有望である。
また、多孔体をh−BNに転化させることで絶縁性の複合材料となり、熱抵抗が小さく絶縁性が必要とされる電子部品の冷却用材料として有望である。
本発明の放熱材料は、三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の熱伝導率の高い多孔質材料と樹脂からなる複合材料であり、ほとんどの熱は三次元骨格部を途切れることなく伝達するので放熱性能の高い放熱材料になる。
グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体とは、硼素、炭素、窒素のいずれかを含みグラファイト構造を有する多孔体であり、グラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含むことが好ましい。
グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体とは、硼素、炭素、窒素のいずれかを含みグラファイト構造を有する多孔体であり、グラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含むことが好ましい。
三次元骨格部の主成分がグラファイトの場合は導電性、主成分をh−BNにすると絶縁性の放熱材料となる。またグラファイトとh−BNの中間組成の場合もある。グラファイト及びh−BNは以下のように多孔質ポリイミドシートを用いて作製することにより、これらの材料の三次元骨格はグラファイト構造を持ち、骨格の断面と垂直な方向が、およそグラファイト構造のab面を含むため、骨格の断面と平行な方向、すなわち三次元骨格の連続方向の熱伝導率が高くなる。
本発明の放熱材料の熱伝導率は、厚さが小さいほど高くなりやすく、放熱材料の厚さは500μm以下が好ましい。特に100μm以下がよい。
多孔質ポリイミドシートを用いて最終的にグラファイト構造を持つ多孔質B−C−N系材料に転化するときにはほぼ半分の厚さになるので、出発材料である多孔質ポリイミドシートの厚さは1000μm以下、特に200μm以下が好ましい。
多孔質ポリイミドシートを用いて最終的にグラファイト構造を持つ多孔質B−C−N系材料に転化するときにはほぼ半分の厚さになるので、出発材料である多孔質ポリイミドシートの厚さは1000μm以下、特に200μm以下が好ましい。
該三次元骨格を持つ多孔体がh−BNからなる場合は、h−BNが絶縁性であるため、含浸する樹脂成分が絶縁性であれば最終的に得られる放熱材料は絶縁性になる。樹脂としては、シリコーン、アクリル性の接着剤、ゴム、粘着剤、グリースなど種類は問わないが、粘着性のあるものが好ましい。
このような高熱伝導三次元骨格を持つ多孔体は以下のようにして作製することができる。すなわち、多孔質ポリイミドシートを炭化させてグラファイト多孔体とする第一の工程と、該多孔体の気孔部に樹脂を含浸する第二の工程からなる。前記したように、多孔質ポリイミドは三次元骨格構造を持っているために、これを高温で熱処理すると、多孔質ポリイミドの三次元骨格がそのまま配向性の高いグラファイトに転化するため、この骨格に沿って熱が流れやすい。
h−BN多孔体にするためには、前記第一の工程の後にBとNを含む雰囲気で熱処理してグラファイト多孔体をh−BN多孔体に転化すればよい。
h−BN多孔体にするためには、前記第一の工程の後にBとNを含む雰囲気で熱処理してグラファイト多孔体をh−BN多孔体に転化すればよい。
放熱材料における樹脂の体積含有率は、B−C−N系多孔体の気孔率に依存するが、40〜90%であることが好ましい。下限値を下回ると放熱材料の柔軟性が低下する。上限値を上回ると複合材料の熱伝導率が小さくなり放熱性が悪くなる。
B−C−N系多孔体の平均細孔径は特に限定しないが、平均細孔径が1〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。これを下回ると、h−BNに転化する処理の際、内部まで完全に転化しきれない場合がある。この値を超えてもいいが、強度が低下して多孔体の取り扱いが難しくなる場合がある。h−BNへの転化処理を行わない場合は、平均細孔径は問わない。
B−C−N系多孔体の平均細孔径は特に限定しないが、平均細孔径が1〜15μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。これを下回ると、h−BNに転化する処理の際、内部まで完全に転化しきれない場合がある。この値を超えてもいいが、強度が低下して多孔体の取り扱いが難しくなる場合がある。h−BNへの転化処理を行わない場合は、平均細孔径は問わない。
本発明に用いる多孔質ポリイミドとしては種類を問わないが、多孔質芳香族ポリイミドシートが好ましい。多孔質ポリイミドの製法としては、例えば、特開2006−22260(P2006−22260A)号公報に記載されているような手法で作製すればよい。
h−BNへの転化方法としては、BとNを含むガスをグラファイトと反応させるのが簡単でよい。例えば、ホウ素源としてB2O3などのホウ素酸化物および窒素源として窒素を高温下でグラファイトと化学反応させればよい。B2O3は高温で分解してB2O3ガス、B2O2ガス、BO2ガスなどのガスを発生してグラファイトシート表面に到達し、炭素により還元を受けると同時に窒素と反応してBNを生成する。上記のホウ素源としては、加熱によりホウ素酸化物を生成する物質であれば他の物質でもよい。例えば、ホウ酸、メラミンボレート等の有機ホウ酸化合物、ホウ酸と有機物の混合物等の物質の固体、液体、さらにはホウ素、酸素を含む気体でもよい。
窒素源は、窒素を含む中性または還元性のガスであればよく、窒素、アンモニア等が手軽で、そのまま、または混合、希釈して用いられる。安価で安全であることから窒素ガスが最も好ましい。BNの生成は熱力学的に1200℃以上で生じるのでこれ以上の温度が必要である。高度に配向したグラファイト構造にするためには、2600℃以上が好ましいので、これ以下の温度でBNに転化させた場合は、BNへの転化が終了後さらに加熱すればよい。
窒素源は、窒素を含む中性または還元性のガスであればよく、窒素、アンモニア等が手軽で、そのまま、または混合、希釈して用いられる。安価で安全であることから窒素ガスが最も好ましい。BNの生成は熱力学的に1200℃以上で生じるのでこれ以上の温度が必要である。高度に配向したグラファイト構造にするためには、2600℃以上が好ましいので、これ以下の温度でBNに転化させた場合は、BNへの転化が終了後さらに加熱すればよい。
尚、h−BNへの転化処理は、1気圧(0.1MPa)未満の減圧雰囲気で行うことが好ましい。減圧にすることにより、構造が粗であるアモルファス炭素からなる状態の内部まで、より均一にBとNを含むガスを拡散させることができ、その結果、内部まで均一のh−BNからなる多孔体が得られやすい。圧力としては、0.05MPa以下が好ましい。これを越えると、BNシートの一部に炭素が残存することがある。圧力が低すぎると、BNへの転化反応の速度が小さくなり実用的ではない。下限としては概ね0.01MPaである。
(1)<C−B−N系多孔体の作製>
(i)ポリイミドシートの作製
100mL容量三つ口フラスコに4−シクロドデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドンと共に、所定の量で仕込み、室温で24時間攪拌して、ポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。
このポリアミド酸溶液をガラス板上に塗布し、乾燥して、ポリアミド酸フィルムを形成した。これを複数回繰り返し、所定の厚さのポリアミド酸フィルムを形成した。
次にこのフィルムを150℃で1時間、次いで、200℃で30分間、250℃で30分間、300℃で30分間、更に、360℃で15分間加熱して、熱イミド化させた。このようにして得られたポリイミドフィルムをガラス板から剥離した。平均粒径8μmの独立気泡が形成されていた。
(i)ポリイミドシートの作製
100mL容量三つ口フラスコに4−シクロドデシルオキシ−1,3−ジアミノベンゼンと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドンと共に、所定の量で仕込み、室温で24時間攪拌して、ポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。
このポリアミド酸溶液をガラス板上に塗布し、乾燥して、ポリアミド酸フィルムを形成した。これを複数回繰り返し、所定の厚さのポリアミド酸フィルムを形成した。
次にこのフィルムを150℃で1時間、次いで、200℃で30分間、250℃で30分間、300℃で30分間、更に、360℃で15分間加熱して、熱イミド化させた。このようにして得られたポリイミドフィルムをガラス板から剥離した。平均粒径8μmの独立気泡が形成されていた。
(ii)C−B−N系多孔体シートの作製
図1に示すように、内径200mmの炭素炉芯管を持つ外熱式熱CVD炉内に20×20mm、各種厚さの多孔質ポリイミドシートを設置した。
炉内にアルゴンガスを流し、圧力700torrを保持しながら、予備焼成として、室温から1200℃までを3℃/minの昇温速度で昇温し、1300℃に到達した段階で3時間保持した後、同昇温速度で1575℃まで加熱し、さらに3時間保持した。
この予備焼成工程で、有機高分子体が熱分解して窒素、酸素、水素が抜けて主として炭素からなる構造体となる。
さらに、アルゴンガスを窒素ガスに切り替え、炉内圧力を各種値に保持しながら、5℃/minとして中間処理温度である2200℃で1時間の中間保持を設けた。さらに、本焼成温度である2700℃までは5℃/minの昇温速度とし、2700℃での保持時間を3時間とした。本焼成温度保持後の冷却は、2200℃までは降温速度は5℃/minとし、その後1300℃までは10℃/min、室温までは20℃/minとした。このようにしてグラファイト多孔体を得た。
グラファイトの一部、または全てをh−BNに転化させる場合は、図2に示すように、炉内に内径2cm、深さ2cmの黒鉛るつぼを設置し、B2O3粉末3gを装填しておいた。それ以外はグラファイト多孔体を得る場合と同じにした。
比較として、市販の東海カーボン製多孔質炭素(PC5060G)を厚さ25μmに加工したものを用いた。
図1に示すように、内径200mmの炭素炉芯管を持つ外熱式熱CVD炉内に20×20mm、各種厚さの多孔質ポリイミドシートを設置した。
炉内にアルゴンガスを流し、圧力700torrを保持しながら、予備焼成として、室温から1200℃までを3℃/minの昇温速度で昇温し、1300℃に到達した段階で3時間保持した後、同昇温速度で1575℃まで加熱し、さらに3時間保持した。
この予備焼成工程で、有機高分子体が熱分解して窒素、酸素、水素が抜けて主として炭素からなる構造体となる。
さらに、アルゴンガスを窒素ガスに切り替え、炉内圧力を各種値に保持しながら、5℃/minとして中間処理温度である2200℃で1時間の中間保持を設けた。さらに、本焼成温度である2700℃までは5℃/minの昇温速度とし、2700℃での保持時間を3時間とした。本焼成温度保持後の冷却は、2200℃までは降温速度は5℃/minとし、その後1300℃までは10℃/min、室温までは20℃/minとした。このようにしてグラファイト多孔体を得た。
グラファイトの一部、または全てをh−BNに転化させる場合は、図2に示すように、炉内に内径2cm、深さ2cmの黒鉛るつぼを設置し、B2O3粉末3gを装填しておいた。それ以外はグラファイト多孔体を得る場合と同じにした。
比較として、市販の東海カーボン製多孔質炭素(PC5060G)を厚さ25μmに加工したものを用いた。
<樹脂の含浸>
樹脂として、昭和高分子製のビニルエステル樹脂:商品名:リポキシPH−300A(スチレン系)を用いた。
これらの樹脂に樹脂の1wt%の重合開始剤(IRGACRE184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を添加、攪拌後、前記多孔体シートを10×10mmサイズに加工したものに真空で含浸させた後、1時間室温で放置した。その後、波長が365nmの紫外線を50mW/cm2の光強度で照射して樹脂を硬化させた。
樹脂として、昭和高分子製のビニルエステル樹脂:商品名:リポキシPH−300A(スチレン系)を用いた。
これらの樹脂に樹脂の1wt%の重合開始剤(IRGACRE184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を添加、攪拌後、前記多孔体シートを10×10mmサイズに加工したものに真空で含浸させた後、1時間室温で放置した。その後、波長が365nmの紫外線を50mW/cm2の光強度で照射して樹脂を硬化させた。
<熱抵抗の測定>
図3に示すように、幅10×10mm、厚さが20mmのCu製ホルダの各位置に熱電対を埋め込んだCuホルダの間に試料を設置し、各加重値で押さえつけた。上部からAlNヒータで、13V、250mAで加熱して熱量Qを付加した。上下のCuホルダの各位置の温度を測定し、定常状態になるまで保持した。Cuホルダの周囲は断熱材で囲った。
定常状態に達した時の、各Cuホルダ内の温度勾配から、試料の表面温度(T1)と裏面温度(T2)を外挿して算出した。
熱抵抗は下記の式で算出した。
熱抵抗の測定(K/W)=(T1−T2)/Q・・・(式)
図3に示すように、幅10×10mm、厚さが20mmのCu製ホルダの各位置に熱電対を埋め込んだCuホルダの間に試料を設置し、各加重値で押さえつけた。上部からAlNヒータで、13V、250mAで加熱して熱量Qを付加した。上下のCuホルダの各位置の温度を測定し、定常状態になるまで保持した。Cuホルダの周囲は断熱材で囲った。
定常状態に達した時の、各Cuホルダ内の温度勾配から、試料の表面温度(T1)と裏面温度(T2)を外挿して算出した。
熱抵抗は下記の式で算出した。
熱抵抗の測定(K/W)=(T1−T2)/Q・・・(式)
結果を表1に示す。
本発明の複合材料が熱抵抗が小さい。BN転化処理をした試料は絶縁性を有することが分かる。
本発明の複合材料が熱抵抗が小さい。BN転化処理をした試料は絶縁性を有することが分かる。
Claims (10)
- 三次元骨格構造を持ち、グラファイト構造を持つB−C−N系の多孔体と、その気孔部に含浸された樹脂からなる放熱材料。
- 前記多孔体がグラファイト、六方晶BN(h−BN)の少なくとも一種を含む請求項1記載の放熱材料。
- 前記多孔体の平均細孔径が1〜15μmである請求項1又は2記載の放熱材料。
- 前記樹脂の体積含有率が40〜90%である請求項1〜3のいずれかに記載の放熱材料。
- 前記樹脂が粘着性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の放熱材料。
- 絶縁性を有する請求項1〜5のいずれかに記載の放熱材料。
- 厚さ100μm以下のシート形状を持つ請求項1〜6のいずれかに記載の放熱材料。
- 請求項1〜7の放熱材料の製法であって、
多孔質ポリイミドシートを炭化させてグラファイト多孔体とする第一の工程と、該多孔体の気孔部に樹脂を含浸する第二の工程を有する放熱材料の製法。 - 第一の工程の後に、グラファイト多孔体の一部または全てをh−BNに転化する工程を含む請求項8記載の放熱材料の製法。
- 多孔質ポリイミドシートが多孔質芳香族ポリイミドシートである請求項8又は9記載の放熱材料の製法。
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- 2008-12-25 JP JP2008329200A patent/JP2010153538A/ja active Pending
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