JP2010151396A - 冷凍サイクルに用いられる故障予知方法および故障予知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な演算処理によって処理能力の低い演算装置でも具体的な故障時期を予知することができる故障予知方法及び故障予知装置を提供する。
【解決手段】冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め記憶する相関記憶部23と、前記相関記憶部に記憶してある相関を参照して測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定部21と、前記異常進行度推定部で推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出部22と、を備えた。
【選択図】図2
【解決手段】冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め記憶する相関記憶部23と、前記相関記憶部に記憶してある相関を参照して測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定部21と、前記異常進行度推定部で推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出部22と、を備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍サイクルの状態を示すサイクルパラメータの値から該冷凍サイクルの故障を予知する故障予知装置に関するものである。
特許文献1には、空調機において、複数の冷凍サイクルパラメータを測定し、それらの冷凍サイクルパラメータを変数とする1つの状態量を算出して、その状態量から空調機の故障を予知する故障診断方法が開示されている。この文献においては、以下のような手法を用いて故障可能性を推定している。
(1)予め正常運転時における正常時状態量の閾値を設定する。
(2)現在の算出された状態量が閾値内であるかどうかについて判断し、閾値から外れている場合には故障が発生する可能性があるものと判断する。
特開2005−351618号公報
(1)予め正常運転時における正常時状態量の閾値を設定する。
(2)現在の算出された状態量が閾値内であるかどうかについて判断し、閾値から外れている場合には故障が発生する可能性があるものと判断する。
しかしながら、このものは複数の冷凍サイクルパラメータを変数とする状態量を算出するようにしているので、複雑な計算処理を行うことができる演算装置を実装する必要があり、コストの増大を招いてしまう。また、状態量が正常状態量の閾値内にあるかどうかによって故障の可能性を判断しているだけであるので、具体的にいつ故障が発生しそうであるのかについては予測していない。
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、簡単な演算処理によって処理能力の低い演算装置でも具体的な故障時期を予知することができる故障予知方法及び故障予知装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の故障予知方法は、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め設定する相関設定ステップと、前記相関設定ステップで設定した相関を参照して、運転中に測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定ステップと、前記異常進行度推定ステップで推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出ステップと、を有し、前記異常進行度推定ステップにおいて、単一の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関を参照することによって得られる該冷凍サイクルパラメータの値に対応した異常進行度を推定異常進行度と推定し、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関を参照することによって得られる各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度に基づいて推定異常進行度を推定することを特徴とする。
また、本発明の故障予知装置は、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を示す相関データ予め記憶する相関記憶部と、前記相関記憶部に記憶してある相関データを参照して測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定部と、前記異常進行度推定部で推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出部と、を有し、前記異常進行度推定部において、単一の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関データを参照することによって得られる該冷凍サイクルパラメータの値に対応した異常進行度を推定異常進行度と推定し、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関データを参照することによって得られる各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度に基づいて推定異常進行度を推定することを特徴とする。
このようなものであれば、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め設定しているので、相関を参照することができるようにするために各冷凍サイクルパラメータに複雑な演算処理をする必要がなく、それぞれの値のままで相関を参照して、異常進行度を推定することができる。つまり、従来、相関を利用する前に必要だった状態量を算出するといった複雑な演算自体が存在しないので、相関を参照するという非常に単純な演算のみによって異常進行度を推定することができる。さらに、推定された推定異常進行度の経時変化に基づいて故障発生関連時間を算出するので、異常進行度と時間推移との間の相関を予め求めておかなくても、具体的にどのような時刻になったら故障が発生する、又は、修理などのサービスが必要になるのかを予知することができる。
また、ある一つの異常進行度について、複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値によって別々に推定を行っている場合には、各異常進行度に基づいて推定異常進行度を推定するように構成しているので、故障予知の安全度を自由に設定することができる。従って、顧客の故障に対するリスク許容度又は修理のサービス費用等に対する許容度に応じて、サービスが必要となる時期の判断を調節する事が可能となる。
加えて、冷凍サイクルの運転を停止することなく、運転しながら故障予知を行うことができる。
加えて、冷凍サイクルの運転を停止することなく、運転しながら故障予知を行うことができる。
顧客が冷凍サイクルの能力低下、又は、故障に対するリスク許容度が大きく、修理等のサービスに掛かる費用をできる限り抑えたいと考えている場合には、前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の最小値を推定異常進行度とすればよい。このように異常進行度の最小値を推定異常進行度とすると、真の異常進行度に対して小さい値で評価する傾向が強くなるので、サービスが必要となる異常進行度になるまでの時間を長く評価することができるからである。
逆に、顧客が冷凍サイクルの能力低下、又は、故障に対するリスク許容度が小さく、サービスに費用をかけてもよいと考えている場合には、サービスが必要となる異常振動になるまでの時間を短く評価するようにすればよい。つまり、前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の最大値を推定異常進行度とすればよい。
顧客が平均的なリスク許容度と、サービス等に掛かる費用に対する許容度を有している場合には、前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の平均値を推定異常進行度とすればよい。
推定異常進行度の推定誤差によっては、異常が逆に改善されているように見えてしまい故障が常に発生しないように評価してしまう可能性がある。このような不具合を防ぎ、適切に故障発生関連時間を算出することができるようにするには、前記故障発生関連時間算出ステップにおいて、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度以下の場合は、新たな推定異常進行度を破棄し、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも大きい場合は、故障発生関連時間を算出すればよい。
このように、本発明によれば、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め設定しているので、運転中に測定された冷凍サイクルパラメータはそのままの値で相関を参照することができる。従って、相関を参照できる形にするために、複雑な演算処理によって複数の冷凍サイクルパラメータから状態量を算出する必要がないので、異常進行度の推定を相関を参照するという単純な演算処理で実現することができる。つまり、能力の低い演算装置であっても異常進行度を推定することができる。また、推定された推定異常進行度の経時変化に基づいて故障発生関連時間を算出するので、具体的に故障が発生する時期やサービスが必要となる時期を予知することができる。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る冷凍サイクルをなす空気調和装置100と、この空気調和装置100に用いられる故障予知装置200とを示している。
前記空気調和装置100は、図1に示すように、基本的には、圧縮機11、熱交換器(凝縮器)12、膨張弁13、熱交換器(蒸発器)14をこの順で環状に接続し、内部に冷媒を流通させることで、冷凍サイクルを営むように構成したものである。なお、図1において符号15は、冷媒の流れを変化させて室内機101及び室外機102にそれぞれ配置された熱交換器13、14を、凝縮器または蒸発器のいずれかに選択的に切り換え、室内における冷暖房を切り換える四方弁である。
図1は、本実施形態に係る冷凍サイクルをなす空気調和装置100と、この空気調和装置100に用いられる故障予知装置200とを示している。
前記空気調和装置100は、図1に示すように、基本的には、圧縮機11、熱交換器(凝縮器)12、膨張弁13、熱交換器(蒸発器)14をこの順で環状に接続し、内部に冷媒を流通させることで、冷凍サイクルを営むように構成したものである。なお、図1において符号15は、冷媒の流れを変化させて室内機101及び室外機102にそれぞれ配置された熱交換器13、14を、凝縮器または蒸発器のいずれかに選択的に切り換え、室内における冷暖房を切り換える四方弁である。
また、この空気調和装置100には、冷媒関連部品(前述した圧縮機11、熱交換器12、14、膨張弁13など)に物理的なダメージを与えて故障を誘発し得るサイクルパラメータや、冷媒の漏れなどに関連する冷凍サイクルパラメータを測定するための図示しない種々のセンサが設けてある。そして、各センサからのデータが後述する故障予知装置200に送信されて故障診断に用いられるようにしてある。冷凍サイクルパラメータとは、冷凍サイクルの状態を示すパラメータのことであり、例えば冷媒の各所における温度、圧力等である。
故障予知装置200は、CPU、メモリ、I/Oチャネル、ディスプレイ等の出力機器、キーボードなどの入力機器、ADコンバータ等を有したいわゆるコンピュータであり、前記メモリに格納した故障診断用プログラムにしたがってCPUやその周辺機器が動作することによって、図2に示すように、異常進行度推定部21、故障発生関連時間算出部22、相関記憶部23としての機能を発揮するものである。
なお、この故障予知装置200の物理的な設置場所は問わない。例えば前記空気調和装置100と一体的に設けられていてもよいし、インターネット等の通信回線を通じて別の場所に設けられていてもよい。また、この実施形態では、1つの空気調和装置100に対して1つの故障予知装置200が設けられているが、複数の空気調和装置に対して1つの故障予知装置が接続されているような態様でも構わない。その場合は各空気調和装置を識別するための識別データをやりとりする必要がある。
各部について説明する。
前記相関記憶部23は、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータとの相関を示す相関データを予め記憶させてあるものである。前記相関データは、具体的には実験又はシミュレーションによって求めてあるものである。
前記相関記憶部23は、冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータとの相関を示す相関データを予め記憶させてあるものである。前記相関データは、具体的には実験又はシミュレーションによって求めてあるものである。
ここで、冷凍サイクルの異常進行度とは、空気調和装置100の空調の性能低下率である。また、例えば、空調の性能低下率と相関関係を持つ故障要因の異常進行度を用いてもよい。故障要因とは、冷媒のリーク量、フィルタの目詰まり量、圧縮機の劣化等の量が挙げられる。
前述した相関データの具体例としては、冷媒リークの場合には図3に示されるような高圧側の圧力と空調の性能低下率との間の比例関係や、図4に示されるような熱交換機の温度と空調性能の性能低下率との間の比例関係を示すものが挙げられる。冷媒リークに関しては、例えば、故障要因である冷媒リーク量と空調の性能低下率との関係、冷媒リーク量と高圧側の圧力との関係から、図3に示されるような冷凍サイクルパラメータである高圧側の圧力と空調性能低下率との相関を求めてある。図4に示されている相関についても、同様にして求めてある。これらの例のように、本実施形態では冷媒リークに関する異常進行度については、2つの冷凍サイクルパラメータのそれぞれ異常進行度との相関が別々に前記相関記憶部23に記憶してあり、それぞれから別々の異常進行度が推定されることになる。
前記異常進行度推定部21は、前記空気調和装置100の各種センサにより計測された冷凍サイクルパラメータの値から前記相関記憶部23に記憶してある相関データを参照して前記異常進行度を推定するものである。具体的には、前記異常進行度推定部21において、単一の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関を参照することによって得られる該冷凍サイクルパラメータの値に対応した異常進行度を推定異常進行度とするように構成してある。一方、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関データを参照することによって得られる各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度のうち最小値を推定異常進行度として推定するように構成してある。
故障発生関連時間算出部22は、前記異常進行度推定部21で推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出するものである。ここで本実施形態での故障発生関連時間とは、推定異常進行度が大きくなり、故障であると判断される上限異常進行度の値に達するまでにかかる推定故障発生時間である。
具体的には、前記故障発生関連時間算出部22は、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度以下の場合は、新たな推定異常進行度を破棄し、新たな推定異常進行度の値を前の推定異常進行度と同じ値に変更し、この時は推定故障発生時間を算出しないように構成してある。また、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも大きい場合は、新たな推定異常進行度を変更せずに、推定故障発生時間を算出するように構成してある。
推定故障発生時間を算出するには、以下の式(1)によって故障時期を算出するように構成してある。
trem=Δt(Qtar−Q)/(Q−Q−) (1)
trem=Δt(Qtar−Q)/(Q−Q−) (1)
ここで、tremは新たな推定時用進行度が推定されてから故障が発生するまでにかかる時間である推定故障発生時間、Qtarは故障と判断する上限異常進行度、Qは新たな推定異常進行度、Q−は前の推定異常進行度、Δtは前の推定異常進行度が推定された時刻から新たな異常進行度が推定された時刻までの経過時間である。ここで、経過時間は複数の前の推定異常進行度が同じ値で続いている場合には、その中で最も古いものが推定された時刻が起点となる。
次に、この空気調和装置100の冷媒リークに関する故障予知の動作について、定期的に異常進行度を推定する場合を例として、図5の動作を示すフローチャートを参照しながら説明する。
図5に示されるように、故障予知が開始されると、空気調和装置100から冷凍サイクルパラメータが測定され、その値を異常進行度推定部21が受け付ける(ステップS1)。
前記異常進行度推定部21は、前記相関記憶部23に記憶してある相関を参照して、冷凍サイクルパラメータに対応する異常進行度を算出する(ステップS2)。
前記異常進行度推定部21は、ある1つの異常進行度を複数の冷凍サイクルパラメータで別々に算出している場合には、その最小値を推定異常進行度として推定し、単一の冷凍サイクルパラメータしか用いられていない場合には、その値をそのまま推定異常進行度として推定する(ステップS3)。
前記故障発生関連時間算出部22は、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度以下の場合は、新たな推定異常進行度を破棄し、新たな推定異常進行度の値を前の推定異常進行度と同じ値に変更し、この時は推定故障発生時間を算出しない。新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも大きい場合は、新たな推定異常進行度を変更しない(ステップS4)。
新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも大きい、すなわち、異常が進んだ時にのみ前記故障関連時間算出部は推定故障発生時間を式(1)に基づいて算出する(ステップS5)。
上述したような故障予知の動作を一定期間ごとに行った場合の具体例を図6に示す。図6のグラフは故障予知において、推定異常進行度の経時変化を示したものであり、横軸に経過時間、縦軸に異常進行度である空調能力の低下率を示したものである。簡単のため、真の異常進行度は時間の経過とともに一次関数で増加している場合を示しており、グラフ中の黒丸は図3に示される異常進行度と吐出圧力との間の相関から算出された異常進行度であり、黒い四角は、図4に示される異常進行度とガス温度との間の相関から算出された異常進行度である。
図3又は図4で示されるような2種類の相関によって冷媒リークに関する異常進行度を算出すると、真の異常進行度に対してそれぞれが異なる異常進行度が算出される。本実施形態では、前述したステップS3での動作によって、この相関の種類に関わらず、小さい方の異常進行度を推定異常進行度として推定することになる。
時刻t1と時刻t2での推定異常進行度は、新しい時刻t2での異常進行度の方が大きいので、推定故障時間が算出される。図6では、それぞれを通る直線と上限異常進行度である30%に達するまでにかかる時間T1を式(1)によって算出される。
また、時刻t2での推定異常進行度は時刻t3での新たな推定異常進行度よりも大きい値であるので、上述したステップS4の動作により時刻t3での推定異常進行度の値は破棄され、白い四角で示されるように時刻t2での推定異常進行度の値と同じ値に設定される。
次に、時刻t4での推定異常進行度は、設定しなおされた時刻t3での異常進行度の値よりも大きな値であるので、推定故障時間が算出される。この場合は、時刻t2での推定異常進行度と、時刻t4での推定異常進行度を通る直線によって推定故障時間T2が算出される。
このように本実施形態の故障予知装置によれば、相関記憶部23に予め記憶された相関を参照して、測定された1又は複数の冷凍サイクルパラメータから対応する冷凍サイクルの異常進行度を推定するように構成しているので、運転中に測定された冷凍サイクルパラメータの値そのままで、相関データを利用することができる。つまり、相関データを参照するために、複数の冷凍サイクルパラメータを変数とする状態量を作成する必要がなく、複雑な演算処理を行うことなしに異常進行度を推定することができる。従って、能力の低い演算装置を用いることができ、コストの削減を図ることができる。
また、複数の冷凍パラメータからそれぞれ別々に異常進行度が算出されている場合には、最小のものを推定異常進行度として推定するように構成しているので、図6に示されるように、真の異常進行度によって故障であると判断される時期に比べて、より遅い時刻に故障が発生すると判断するようにできる。これは、算出された異常進行度のうち、最小値を推定異常進行度とすると、真の異常進行度よりも小さく、ほぼ同じような増加傾向を有したものとなり、真の異常進行度に比べて下方にシフトした関数になりやすいためである。従って、修理等のサービスに掛かる費用をできる限り抑えたいと考えている顧客の要求に合わせた故障予知を行うことができる。
加えて、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも小さい場合には、その値を破棄するようにしているので、異常が逆に改善されているように誤った判断を行ったり、故障が発生するまでにかかる時間を極端に短く評価してしまったりすることを防ぐことができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
前記実施形態では、推定異常進行度を推定するために、複数の算出された異常進行度のうち最小値を推定異常進行度であると決めていたが、他の方法によって推定を行って良い。複数の算出された異常進行度の最大値であってもよいし、平均値等であってもよい。
前記実施形態では、推定異常進行度を推定するために、複数の算出された異常進行度のうち最小値を推定異常進行度であると決めていたが、他の方法によって推定を行って良い。複数の算出された異常進行度の最大値であってもよいし、平均値等であってもよい。
一回の故障予知において、冷凍サイクルパラメータを複数回測定し、それぞれについて前記異常進行度を算出するようにしてもよい。この場合も、最小値や、最大値、平均値等によって算出された異常進行度を代表させればよい。
故障発生関連時間は、実際に故障が発生する時間のみ限られるものではない。例えば、故障が発生しかかっており、冷凍サイクルが所望の性能の下限を発揮することができないような状態になるまでにかかる時間や、予防的にサービスが必要となる時間であってもよい。
故障発生関連時間の算出方法は前記実施形態で説明したものに限られない。前記実施形態では、故障発生関連時間の算出するための起点となる時刻は、故障予知ごとに異なるようにしていたが、例えば、図7(a)に示すように、常に固定した推定異常進行度及び時刻と、新たな推定異常進行度に基づいて算出するようにしてもよい。図7(b)に示すように全ての推定異常進行度の推定結果を考慮できるように、故障発生関連時間に最小自乗法等によって推定異常進行度を現す直線又は曲線を決定し、上限異常進行度との交点を求めることによって故障発生関連時間を算出するようにしてもよい。
前記実施形態では、異常進行度は、空調能力の低下率に基づいて評価を行っていたが、例えば、冷媒リーク量そのものを異常進行度の基準として用いても構わない。つまり、空調サイクルの異常進行度とは、冷媒リーク、フィルタの目詰まり、圧縮機の劣化等の故障要因の異常進行度を含む概念であって、空調能力の低下率だけに限られるものではない。前記実施形態では、故障要因の変化量と空調能力の低下率との間の関係を把握したうえで、異常進行度として使用していたが、例えば、原因が分からずとも空調能力の低下率を異常進行度として使用し、故障を予知するものであっても構わない。
前記実施形態では一定時間ごとに故障予知を行うようにしていたが、冷凍サイクルにおいて均油制御、除霜制御等の特殊制御が終わり、その後の通常運転時に安定しているときにだけ、故障予知を行うようにしても構わない。
その他、本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
200・・・故障予知装置
100・・・空気調和装置(冷凍サイクル)
21・・・異常進行度推定部
22・・・故障関連時間算出部
23・・・相関記憶部
100・・・空気調和装置(冷凍サイクル)
21・・・異常進行度推定部
22・・・故障関連時間算出部
23・・・相関記憶部
Claims (6)
- 冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を予め設定する相関設定ステップと、
前記相関設定ステップで設定した相関を参照して、運転中に測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定ステップと、
前記異常進行度推定ステップで推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出ステップと、を有し、
前記異常進行度推定ステップにおいて、単一の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関を参照することによって得られる該冷凍サイクルパラメータの値に対応した異常進行度を推定異常進行度と推定し、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関を参照することによって得られる各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度に基づいて推定異常進行度を推定することを特徴とする故障予知方法。 - 前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の最小値を推定異常進行度とする請求項1記載の故障予知方法。
- 前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の最大値を推定異常進行度とする請求項1記載の故障予知方法。
- 前記異常進行度推定ステップにおいて、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度の平均値を推定異常進行度とする請求項1記載の故障予知方法。
- 前記故障発生関連時間算出ステップにおいて、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度以下の場合は、前回推定した推定異常進行度を維持する一方、新たな推定異常進行度が前の推定異常進行度よりも大きい場合は、故障発生関連時間を推定異常進行度の時間変化量から算出する請求項1、2、3又は4記載の故障予知方法。
- 冷凍サイクルの異常進行度と、1又は複数の冷凍サイクルパラメータのそれぞれの値との相関を示す相関データを予め記憶する相関記憶部と、
前記相関記憶部に記憶してある相関データを参照して、運転中に測定された冷凍サイクルパラメータの値から前記異常進行度を推定する異常進行度推定部と、
前記異常進行度推定部で推定された異常進行度である推定異常進行度の経時変化に基づいて、故障が発生する時間に関連する時間である故障発生関連時間を算出する故障発生関連時間算出部と、を有し、
前記異常進行度推定部において、単一の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関データを参照することによって得られる該冷凍サイクルパラメータの値に対応した異常進行度を推定異常進行度と推定し、複数の冷凍サイクルパラメータの値を用いた場合は、前記相関データを参照することによって得られる各冷凍サイクルパラメータの値に対応する異常進行度に基づいて推定異常進行度を推定することを特徴とする故障予知装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014159893A (ja) * | 2013-02-19 | 2014-09-04 | Mitsubishi Electric Corp | 空気調和装置 |
JP2021526692A (ja) * | 2018-07-05 | 2021-10-07 | 株式会社日立製作所 | 冷凍機性能異常診断のための方法およびシステム |
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