JP2010151181A - 空気ばね装置 - Google Patents

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正隆 干鯛
Motosane Hiraishi
元実 平石
Katsuyuki Iwasaki
克行 岩崎
Shingo Inoue
信吾 井上
Kenjiro Aida
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Abstract

【課題】鉄道車両等に適用され、高周波車体上下振動を低減して上下乗心地を向上できる空気ばね装置を提供する。
【解決手段】空気ばね装置6のストッパゴム7の下方又は上方には、弾性部材15が荷重の伝達経路に沿って直列に配置されている。弾性部材15は、ストッパゴム7の損失係数よりも高い損失係数を有する第1弾性体18と、第1の弾性体18よりも高い剛性を有する第2弾性体19とが荷重の伝達経路に沿って並列に配置されている。第1弾性体18の高さは、第2弾性体19よりも高さが高い構成となっている。第1弾性体18を上下振動が伝達する過程にて、高周波上下振動を十分に減衰させることができるため、上下乗心地を向上できる。第1弾性体18と第2弾性体19とは上下荷重を分散して負担し、また、第1弾性体18のひずみ率を第2弾性体19よりも小さくできるため、第1弾性体18の耐久性を確保できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両等の軌条車両に用いられる空気ばね装置に関する。
一般的に、鉄道車両では、車体の振動を抑制させるために空気ばね装置が使用されることが多い。図1に示すように、車体1と台車2の間にある空気ばね装置6は上下振動を抑制させて車体1への上下振動を防振する役割を担っている。
従来、鉄道車両用の空気ばね装置としては、図12に示すように、上面板12と下面板13との間にダイヤフラム11を配置して構成されている。上面板12及び下面板13とダイヤフラム11の端部分は連結されている。
下面板13の下方には、金属ピン8の上に積層ゴム10と金属板9とを交互に積層した構造となっているストッパゴム7が配置されている。このストッパゴム7は、車体1の上下荷重を支える役割を担っている。上面板12は、図示しない加圧空気供給手段に接続可能であり、ストッパゴム7の金属ピン8はこれも図示しない補助タンク空気室に接続可能な構成となっている。
空気ばね装置の使用状態では、ダイヤフラム11の中が空気で充填され、上下及び左右方向のばね特性を実現している。ストッパゴム7の金属ピン8には絞り通路14が設けられている。空気ばね装置使用状態にて、ダイヤフラム11の中に充填された空気が、この絞り通路14を通過する際の流動抵抗によって空気ばね装置の上下方向の振動減衰特性を発揮させることができる。
一般的に、鉄道車両の上下振動の防振に関して、空気ばね装置の上下方向のばね特性、及び空気ばね装置の絞り通路14による上下方向の振動減衰特性により振動伝達特性をチューニングできる。しかしながら、上記の空気ばねの絞り径による上下振動の減衰効果に関して、高周波帯域の振動の減衰効果は十分ではないという課題がある。これに対してストッパゴム部に減衰特性を持たせる空気ばね装置がある(特許文献1参照)。
特許文献1に示される空気ばね装置は、空気ばね装置に伝達される上下振動を、その振動が空気ばね装置下部からストッパゴムを伝達する過程において効果的に減衰させることを図っている。ストッパゴムに、その周方向に所定の間隔をおいて、複数の窪み部を設け、これらの各窪み部の上端開口をダイヤフラムで液封に閉止し、その窪み部の内部を上下二個の室に分割して、これらの両室を絞り流路によって相互に連通させた構成である。かかる構成によりストッパゴムが上下変形した場合に、液体が両室の間を移動する際の流動抵抗で減衰効果を得る仕組みとなっている。
上記の構成の空気ばね装置では、車体荷重を支えるストッパゴムの変形量が小さいと、液体が両室間を移動できず十分な減衰が得られない可能性がある。この問題点に対して、ストッパゴムの上下方向の剛性を下げた場合、ストッパゴムの変位量が大きくなり耐久性が確保できなくなる可能性がある。また、下面板に取り付けられているストッパゴムを液封構造としているため、メンテナンスを行う際には空気ばね装置を分解して、上記の液封構造となっているストッパゴムを切り離す作業が必要となり手間がかかる。
特開平5−196082号公報
本発明の目的は、空気ばね装置において、耐久性を確保でき且つ高周波上下振動を低減して、上下乗心地を向上できる空気ばね装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、車体の上下方向の荷重を支持するストッパゴムを有する鉄道車両の空気ばね装置において、前記ストッパゴムの下方又は上方に、前記ストッパゴムの損失係数よりも高い損失係数を有する弾性部材を前記荷重の伝達経路に沿って直列に配置した構成となっている。
また、この空気ばね装置において、該弾性部材は、ストッパゴムの損失係数よりも高い損失係数を有する第1弾性体、前記第1弾性体よりも高い剛性を有する第2弾性体を並列に配置した構成とすることができる。また、この空気ばね装置において、前記第1弾性体の高さが前記第2弾性体の高さよりも高い構成とすることができる。更にまた、前記第1弾性体と第2弾性体とを同心円状に配置する、或いは前記第1弾性体と前記第2弾性体とを、横断面形状が扇状、円状又は角状とし、且つ周状に配置することができる。
また、この空気ばね装置において、前記ストッパゴムは、複数の金属板の間にそれぞれゴムを配置した積層ゴムであり、円錐形状であり、或いは単独の弾性体であるとすることができる。
上記の構成により、本発明による空気ばね装置では、高周波上下振動がストッパゴムの損失係数よりも高い損失係数を有する第1弾性体を伝達する過程で高周波上下振動を十分に減衰させることができるため、上下乗心地を向上できる。
また、本発明の空気ばね装置では、空気ばね装置荷重を第1弾性体18、第2弾性体19で分散して受け持つことができるため、第1弾性体18にかかる負担を抑制でき、第1弾性体18の耐久性を確保することができる。
以下に、図面を参照して、本発明による空気ばね装置の実施例を説明する。
本発明による空気ばね装置の第1実施例を図1、図2に基づいて説明する。図1において、鉄道車両用の台車2は、輪軸5を回転可能な状態で保持している軸箱体4、空気ばね6を介して車体1を弾性支持する台車枠3によって構成される。即ち、軸箱体4と台車枠3の間は軸箱支持装置により支持され、車体1と台車枠3の間は空気ばね装置6により弾性支持されている。
鉄道車両の上下振動は主に軌道不整により輪軸5が上下に加振され、輪軸5の上下振動が軸箱支持装置を介して台車枠3に伝達され、さらに空気ばね装置6を介して車体1へ伝達される。このため、鉄道車両の上下方向の防振は、主に軸箱支持装置のばね定数、及び空気ばね装置6のばね定数、減衰係数をチューニングすることで行われる。
以下、図2を参照して本発明による空気ばね装置を説明する。図2において、空気ばね装置6は、主として、上面板12、下面板13、上面板12と下面板13の間に配置したダイヤフラム11、下面板13の下部に固定されているストッパゴム7、及び弾性部材15によって構成されている。上面板12は図示しない加圧空気供給手段に接続可能である。また、ストッパゴム7の金属ピン8は、図示しない補助タンク空気室に接続可能となっている。内部に空気が充填されるダイヤフラム11は、上面板12と下面板13との間に連結されている。
ストッパゴム7は、最下部の金属ピン8の上に円筒状の積層体10と円環状の金属板9が交互に積層されて構成されている。金属ピン8は、内部が図示しない補助タンク空気室との間で空気が流れる流路となるように中空となっており、中空部分の一部に絞り通路14が設けられている。空気ばね装置6は空気封入状態で使用されるが、空気が絞り通路14を通過する際に発生する流動抵抗により、空気ばね装置6はその作用として上下方向の減衰力を発生させることができる。
弾性部材15は、ストッパゴム7を構成する金属ピン8の下部に直列に配置されて構成されている。ここで、弾性部材15とストッパゴム7が直列に配置される構成とは、弾性部材15とストッパゴム7とが一つの上下振動伝達経路で繋がっていることをいう。即ち、上下振動が台車2から車体1へ又は車体1から台車2へと空気ばね装置6を通過する過程において、この上下振動が必ず弾性部材15とストッパゴム7とを通過する。
以下、図2、図3を参照して弾性部材15の構成を説明する。図3は図2に示す弾性部材15を面A−Aで切断した横断面図であり、図3の面B−Bで切断した空気ばね装置の縦断面図が図2に示されている。弾性部材15は、上側の金属部材16、下側の金属部材17、第1弾性体18、及び第2弾性体19によって構成されている。第1弾性体18と第2弾性体19とは、上側の金属部材16と下側の金属部材17の間に並列に配置されている。ここで、第1弾性体18と第2弾性体19とが並列に配置される構成とは、弾性部材15において、上下振動伝達経路が、第1弾性体18と第2弾性体19の2つの経路に枝分かれしていることをいう。つまり、上下振動が台車2から車体1へ又は車体1から台車2へと空気ばね装置6を通過する過程において、この上下振動が弾性部材15を通過するときに、第1弾性体18と第2弾性体19とにそれぞれに分散して通過する構成となっている。
図2に示すように、第1弾性体18は、金属部材16のフランジ側面の周状部分20と、金属部材17のフランジ側面の周状部分21との間に接着されている。第2弾性体19は、金属部材16の外周部の下面部22と、金属部材17の外周部の上面部23との間に接着されている。図3に示すように、第1弾性体18と第2弾性体19とは、中心に対して、第1弾性体18が第2弾性体19の内側に位置する同心円状に配置されている。
金属部材16は、中央部に穴のあいた金属円板において円周内側部にて鉛直方向にフランジが突出した形状となっている。また、金属部材17は、円周中央部に穴のあいた金属円板において円周外周部にて鉛直方向にフランジが突出した形状となっている。
空気ばね装置6において、第1弾性体18の損失係数は、ストッパゴム7を構成する積層ゴム10の損失係数よりも高いように構成する。ここで、損失係数とは、制振材料の減衰特性の評価指標である。例えばゴム材料の場合、ゴムに正弦的荷重を与えたときには材料の変形も正弦的に変化するが、荷重と変形との間で位相がδずれる。これはゴムが粘弾性体であり、粘性特性を有することによって荷重を与えた時に変形の応答が遅れるためである。また粘性が大きいほどこの位相のずれδが大きくなる。一般的に、この位相差δの正接をとったtanδが損失係数と呼ばれる。つまり、損失係数が大きい材料ほど、粘性が大きいことを意味するため、材料が変形したときのエネルギー消散量が大きくなる。
制振材料として用いられる高分子材料やゴムなどの損失係数は、一般的に、加振周波数に依存して変化する性質がある。このため、振動を低減したい周波数で損失係数が大きい材料を使用することで、その周波数の振動のエネルギー消散量を大きくできる。例えばゴムなどの弾性体の場合、損失係数のチューニングは、材料を構成するゴムの種類、配合を変えることでチューニングできる。
また、第2弾性体19の剛性は、第1弾性体18の剛性よりも高いように構成される。ここで、剛性とは、材料に荷重がかかった時の変形のしにくさをあらわし、材料にかかる荷重を変形量で除した値である。言い換えれば、剛性に変形量を乗ずることで材料が負担できる荷重が求まる。つまり、剛性の大きさが異なる材料が同じ量だけ変形した場合、剛性の高い材料ほど大きな荷重を負担できることを意味する。例えばゴムなどの弾性体の場合、剛性のチューニングは、材料を構成するゴムの種類、配合を変えることでチューニングできる。
空気ばね装置6においては、第1弾性体18の高さL寸法は、第2弾性体19のM寸法よりも高いように構成する。
以上のように構成された第1実施例において、空気ばね装置6の作用・効果を以下に説明する。図4に、空気ばね装置6を用いた場合の車体上下振動加速度応答を示す。図4において、実線は従来の空気ばね装置を用いた場合の車体上下振動加速度応答を、点線は第1実施例による空気ばね装置6を用いた場合の車体上下振動加速度応答を示す。
上下振動が車体1から台車2へ又は台車2から車体1へと通過する際に、振動伝達経路として空気ばね装置6を通過する。空気ばね装置6においては、ストッパゴム7よりも高い損失係数を有する第1弾性体18が配置されているため、上下振動が、振動伝達経路である弾性部材15を構成する第1弾性体18を必ず通過する。第1弾性体18の損失係数がストッパゴム7の損失係数よりも図4中のF(Hz)以上の帯域で高いものを用いた場合、従来の空気ばねを使用した場合の上下振動応答と比べて、上下振動が第1弾性体18を通過する際の第1弾性体18によるエネルギー消散効果によって、F(Hz)以上の帯域の応答を低減させることができる。その結果、本発明の空気ばね装置6では上下乗心地を向上することができる。
更に、空気ばね装置6では、弾性部材15において第1弾性体18と第2弾性体19とが並列に配置されているため、空気ばね装置6にかかる上下荷重を第1弾性体18と第2弾性体19とで分散して負担することができる。また、第2弾性体19の剛性は、第1弾性体18の剛性よりも高いため、空気ばねにかかる上下荷重を主に第2弾性体19にて負担することができる。このため、第1弾性体18にかかる上下荷重の負担を小さくできる。その結果、第1弾性体18の耐久性を確保できる。
更に、耐久性向上策について、ひずみ率の観点で以下に説明する。第1弾性体18と第2弾性体19とは上側の金属部材16と下側の金属部材17との間に並列に配置されているので、例えば金属部材16が金属部材17に対して上下方向に相対的に変位した場合、第1弾性体18と第2弾性体19とは金属部材16と金属部材17とにより水平方向の高さが拘束された状態で変形するため、第1弾性体18の上下方向の変形量と第2弾性体19の上下方向の変形量は常に同じになる。
ひずみ率とは、弾性体に外力が加わったときに生じる材料の変形に関する評価指標である。ひずみ率が小さい範囲では、その弾性体に生じる応力を小さくでき、耐久性を向上できる。弾性体のひずみ率の定義は、弾性体の変形量を弾性体の高さで除した値である。第1弾性体18と第2弾性体19とで同じ上下変形量が発生した場合、第1弾性体18の方が第2弾性体19に比べて弾性体の高さが相対的に高い(上記の高さ寸法の関係:L>M)ため、第1弾性体18のひずみ率を第2弾性体19のひずみ率よりも小さくできる。このため、第2弾性体19と比べて、第1弾性体18をひずみ率の小さい領域で使用することができる。その結果、第1弾性体18の耐久性を向上させることができる。
前述のように、上下振動伝達特性のチューニングは、第1弾性体18を構成要素に持つ弾性部材15を新たにストッパゴム7の下部に配置することで行っている。一方、空気ばね装置6全体としての水平方向の振動伝達特性は、弾性部材15、ストッパゴム7及びダイヤフラム11それぞれの水平方向の剛性をそれぞれ直列につないだときの剛性により定まる。
空気ばね装置6では、上下振動特性のチューニングの機能については弾性部材15によって、また水平方向の振動伝達特性のチューニングについてはストッパゴム7及びダイヤフラム11の水平方向の剛性を調整するというように、上下方向及び左右方向の振動伝達特性のチューニング機能をそれぞれにわけて担わせることにより、空気ばね装置6全体として適正な上下・左右振動特性を実現することができる。
第1実施例では、ストッパゴム7として積層ゴム10と金属板9を交互に積層した形状のものを用いているが、図5に示すような円錐形状のストッパゴム60、又は図6に示すような単独の弾性体で構成されるストッパゴム70を有する空気ばねを用いて、第1実施例と同様にストッパゴムの下方に弾性部材を直列に配置にしても、第1実施例で示した構成と同等の効果を得ることができる。円錐形状のストッパゴム60は、下面板13に取り付けられる円錐体の内面と金属ピン61の円錐外面との間に円錐筒状の金属板62と積層ゴム63とを交互に積層させて構成されている。また、単独の弾性体を備えるストッパゴム70は、金属ピン71の円板状のフランジ部と下面板13に取り付けられる金属板72との間に配置される環状体として構成されている。
また、第1実施例では、弾性部材の平面図において、第1弾性体18及び第2弾性体19を図3のように配置したが、例えば、第1弾性体18を円周外側部、第2弾性体19を円周内側部に配置するというように、内外逆に配置してもよい。
また、第1実施例では、図3に示すように、第2弾性体19を中心に対して同心円状に配置したが、断面が円状の第2弾性体19を周方向に複数配置するような構成でもよい。例えば図7に示すように、第2弾性体19を周方向に12個配置してもよい。図7は第1実施例の変形例を示す図であり、面C−Cは図3における面B−Bに相当し、面C−Cで空気ばね装置を切断したときの縦断面図は図2に示す図と同様になる。
また、第1実施例では、図2に示す弾性部材15に関して、金属部材16を鉛直下側に置き、また金属部材17を鉛直上側に置くというように逆に配置して、その間に第1弾性体18、第2弾性体19を配置してもよい。
更に、第1実施例では、ストッパゴム7の下部に弾性部材15を配置したが、弾性部材15をストッパゴムの上方に配置してもよい。
次に、図8〜図11を参照して本発明による空気ばね装置の第2実施例について説明する。第2実施例では、ストッパゴム7の下部に配置する弾性部材に関して、別形状の弾性部材30を用いているので、以下、この弾性部材30について説明する。
図8は、本発明による空気ばね装置の第2実施例の断面図である。第2実施例である空気ばね装置6’の弾性部材30は、上側の金属部材31、金属部材31に対向配置された下側の金属部材32、並びに金属部材31と金属部材32との間に配置されている第1弾性体33及び第2弾性体34によって構成されている。弾性部材30は、ストッパゴム7の下部にストッパゴム7に対して直列に配置されている。ここで、直列に配置される構成とは、第1実施例で説明した通りに、弾性部材30とストッパゴム7とが一つの上下振動伝達経路で繋がっていることをいう。即ち、上下振動が空気ばね装置6’を通過する過程では、上下振動は必ず弾性部材30とストッパゴム7を通過することになる。
以下、弾性部材30の構成を図8及び図9を用いて説明する。図9は図8に示す第2実施例の弾性部材30を面D−Dで切断した横断面図であり、図8は図9の面E−Eで空気ばね装置を切断した縦断面図である。第1弾性体33と第2弾性体34とが、金属部材31と金属部材32との間に並列に配置された構成となっている。ここで、並列に配置される構成とは、第1実施例で説明したのと同様、弾性部材30において上下振動伝達経路が第1弾性体33と第2弾性体34との2つの経路に枝分かれしていることをいう。即ち、上下振動は、空気ばね装置6’の弾性部材30を通過する過程では、第1弾性体33と第2弾性体34とにそれぞれ分散して通過する構成となっている。
図8の断面図に示すように、第1弾性体33は、金属部材31の面35と金属部材32の面36の間にて接着されている。第2弾性体34は、金属部材31の面37と金属部材32の面38との間にて接着されている。
図9である平面図に示すように、第1弾性体33及び第2弾性体34は、いずれも平面形状が扇状の形状をしており、金属部材31の中心部の穴に対して対向した配置となっている。第1弾性体33の高さN寸法が、第2弾性体34のO寸法よりも高い構成となっている。金属部材31は、中央部に穴のあいた金属円板において円周の2箇所で、鉛直方向に扇状に一定高さ分だけ段差のついた構成としている。一方、金属部材32は、金属円板である。
第2実施例においても、第1弾性体33の損失係数が、ストッパゴム7を構成する積層ゴム10の損失係数よりも高い構成となっている。損失係数の定義は、第1実施例にて示した通りである。また、第2弾性体34の剛性が、第1弾性体33の剛性よりも高い構成となっている。剛性の定義についても第1実施例1にて示した通りである。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、上下振動が台車2から車体1へ又は車体1から台車2へ通過する上下振動伝達経路にストッパゴム7よりも高い損失係数を有する第1弾性体33を配置させる構成となっている。第1弾性体33の損失係数が、ストッパゴム7の損失係数よりも、F(Hz)(図4参照)以上の帯域で高いものを用いた場合、台車2から車体1へ又は車体1から台車2へ通過する上下振動が第1弾性体33を通過する際に、第1弾性体33によるエネルギー消散効果でF(Hz)以上の帯域の応答を低減させることができる。その結果、第2実施例においても従来の空気ばねに対して、図4に示すように車体上下振動応答の低減効果が得られる。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、弾性部材30において、第1弾性体33及び第2弾性体34が並列に配置されており、且つ第2弾性体34の剛性が第1弾性体33の剛性よりも高い関係となっているため、空気ばね装置にかかる上下荷重を主に第2弾性体34にて負担することができる。その結果、第1弾性体33の耐久性を確保することができる。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、第1弾性体33の高さN寸法が第2弾性体34のO寸法よりも高くなっているため、第1弾性体33と第1弾性体34で同じ量の上下変形が生じたときに、第1弾性体33のひずみ率を第2弾性体34よりも小さくできる。その結果、第1弾性体33の耐久性を向上することができる。
第2実施例においても、第1実施例と同様に、上下振動特性のチューニングは、第1弾性体33を構成要素にもつ弾性部材30を新たにストッパゴム7の下部に配置することで行っている。第1実施例と同様に、上下振動特性のチューニングの機能は弾性部材30に担わせ、また水平方向の振動伝達特性のチューニングは、ストッパゴム7及びダイヤフラム11の水平方向の剛性を調整するというように、上下方向及び左右方向の振動伝達特性のチューニング機能をそれぞれにわけて担わせることにより、空気ばね装置6’全体として適正な上下・左右振動特性を実現することができる。
第2実施例では、ストッパゴム7として積層ゴム10と金属板9とを交互に積層した形状のものを用いているが、図5に示した円錐形状のストッパゴム60、又は図7に示した単独の弾性体で構成されるストッパゴム70を用いて、ストッパゴム60又は70の下方に弾性部材30を直列に配置しても、ストッパゴム7を用いた空気ばね装置と同等の効果を得ることができる。
弾性部材30において、図9に示すように平面における第1弾性体33及び第2弾性体34の配置に関して、第1弾性体33と第2弾性体34とをそれぞれ2個、合計4個を周方向に交互に配置しているが、第1弾性体33と第2弾性体34の個数を変更してもよい。例えば、第1弾性体33と第2弾性体34とをそれぞれ4個、合計8個を周方向に交互に配置しても同様の効果が得られる。
第1弾性体33、第2弾性体34の形状及び配置が異なる別形状の弾性部材を図10にて説明する。図10に示す面F−Fで空気ばね装置を切断した縦断面図は図8と同様である(図10に示す第1弾性体40及び第2弾性体41がそれぞれ第1弾性体33と第2弾性体34に相当する)。図10に示すように、第1弾性体40、第2弾性体41を配置しても本実施例と同様の効果を得られる。第2弾性体41,41は、金属ピン8を挟む弦と当該弦で区切られる円弧とで囲まれる断面形状を有しており、第1弾性体40,40はそれぞれ、第2弾性体41,41と金属ピン8で囲まれる領域を埋める断面形状を有している。図10のF−F断面は、図8と同様の特徴である。
第1弾性体40,40、第2弾性体41,41のいずれも、金属部材31の中心部の穴に対して対向した配置となっている。第1弾性体40の高さは、第2弾性体41の高さよりも高い構成となっている。第1弾性体40は四角形状に対して一部円弧をもたせた形状、第2弾性体41は半円形状となっている。上側の金属部材31は、円周中央部に穴のあいた金属円板であり、第1弾性体41,41を配置できるように鉛直方向に第1弾性体41,41の形状に対応して一定高さ分だけ段差のついた構成としている。
他にも平面図が異なる別形状の弾性部材を図11にて説明する。図11に示すように、複数の円状の第1弾性体50、第2弾性体51が、周状に配置した構成となっていてもよい。図11では、第1弾性体50、第2弾性体51が3個ずつ合計6個配置されている。第1弾性体50の高さは、第2弾性体51の高さよりも高い構成となっている。ここでは、6個配置した構成としたが、合計8個となるような構成でもよい。また第1弾性体50、第2弾性体51は角状のものでもよい。
本発明による空気ばね装置が適用される一般的な鉄道車両の側面図である。 本発明による空気ばね装置が鉄道車両用として適用される第1実施例を示す縦断面図であり、図3の面B−B又は図5の面C−Cで切断した縦断面図である。 図2に示す空気ばね装置を面A−Aで切断した横断面図である。 本発明の効果の振動減衰の一例を示すグラフである。 本発明による空気ばね装置において、円錐形状のストッパゴムを有する鉄道車両用として適用される空気ばねを用いた場合の縦断面図である。 本発明による空気ばね装置において、単独の弾性体のストッパゴムを有する鉄道車両用として適用される空気ばねを用いた場合の縦断面図である。 図2に示す空気ばね装置の変形例を示す横断面図である。 本発明による空気ばね装置が鉄道車両用として適用される第2実施例を示す縦断面図であり、図9の面E−E又は図10の面F−Fで切断した縦断面図である。 図8に示す空気ばね装置のD−Dで示す横断面図である。 図8に示す空気ばね装置の変形例を示す横断面図である。 図8に示す空気ばね装置の別の変形例を示す横断面図である。 鉄道車両用として適用される空気ばね装置の従来例を示す断面図である。
符号の説明
1:車体 2:台車
3:台車枠 4:軸箱体
5:輪軸 6,6’:空気ばね装置
7:ストッパゴム 8:金属ピン
9:金属板 10:積層ゴム
11:ダイヤフラム 12:上面板
13:下面板 14:絞り通路
15:弾性部材 16:金属部材
17:金属部材 18:第1弾性体
19:第2弾性体 22:弾性部材
23:金属部材 24:金属部材
25:第1弾性体 26:第2弾性体
30:弾性部材
31:金属部材 32:金属部材
33:第1弾性体 34:第2弾性体
40:第1弾性体 41:第2弾性体
50:第1弾性体 51:第2弾性体
60:ストッパゴム 61:金属ピン
62:金属板 63:積層ゴム
64:金属部材
70:ストッパゴム 71:金属ピン
72:金属板 73:弾性体

Claims (8)

  1. 車体の上下方向の荷重を支持するストッパゴムを有する鉄道車両の空気ばね装置において、
    前記ストッパゴムの下方又は上方に、前記ストッパゴムの損失係数よりも高い損失係数を有する弾性部材を前記荷重の伝達経路に沿って直列に配置したこと
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  2. 請求項1記載の空気ばね装置において、
    前記弾性部材は、前記高い損失係数を有する第1弾性体、及び前記第1弾性体よりも高い剛性を有する第2弾性体を前記荷重の伝達経路に沿って並列に配置した構成であること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  3. 請求項2記載の空気ばね装置において、
    前記第1弾性体の高さは前記第2弾性体の高さよりも高いこと
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  4. 請求項2又は3記載の空気ばね装置において、
    前記第1弾性体と前記第2弾性体とは同心円状に配置されていること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  5. 請求項2又は3記載の空気ばね装置において、
    前記第1弾性体と前記第2弾性体とは、横断面形状が扇状、円状又は角状であり、且つ周状に配置されていること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の空気ばね装置において、
    前記ストッパゴムは、複数の金属板の間にそれぞれゴムを配置した積層ゴムであること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載の空気ばね装置において、
    前記ストッパゴムは、円錐形状であること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項記載の空気ばね装置において、
    前記ストッパゴムは、単独の弾性体であること
    を特徴とする鉄道車両用の空気ばね装置。
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